高等学校における学級編成に関する研究 : ホームルーム編成の規定要因を中心とした考察
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(2) は じ め に. か。. 3e実際のホームルーム編成とホームルーム担任の意識にズレがあるのか。. 本研究は高校現場における10数年間の経験を通じて感じていた以下の2点を. を明らかにすることを目的とした。 これに対して,以下の4点. 背景としている。. 1。ホームルーム編成ににおいてその規定要因と参考資料には様々な属性による 1.ホームルーム編成は学習学級とホームルームの機能を十分に踏まず経験に基 づいた伝統的,慣習的な手法で行われているためマンネリ化,モラールの低下 が顕在化している。. 2。ホームルーム編成は本来のホームルームの本質を軽視し,学歴社会を直視し た受験体制の論理で行われているため差別感が漂っている。. とりわけ生徒の自主的,自立的な生活態度,自他の個性の理解,望ましい生活習 慣を身につける態度,集団生活における望ましい生活態度等に関する教育実践の 活動低下がみられ,それが非行,暴力等の生活指導上の問題へとつながり道徳教 育に報ずる社会の要請が高まっていることである。 これらは学校教育全体の. るちがいが存在するであろう。. 2.ホームルーム編成は学校経営の基本的重要要件であるため編成事項は十分前 考慮され処理されているだろう。. 3.ホームルーム編成は進路を中心とする受験体制の論理で覆われているだろう。 4.ホームルーム担任はホームルーム指導内容を十分認識し,実際のホームルー ム編成とのちがいを感じているだろう。. を仮説として設定した。 これらの仮説を検証するために,A県下の県立高等. 学校130校の学年主任とホームルーム担任を対象に,以下の3点 1.ホームルーム編成の実態. 中で取り組むべき事項であるが,学校経営の基底的単位としてのホー一一ムルームの. 役割が不十分であることに起因する面が多分にあると思われる。 そこで,本. 2。習熟度別,選択制,類型別の実態 3.ホーームルーム担任の指導内容と編成の意識. 研究はホームルーム編成を計画一実ma一一一評価のサイクルに沿ってホームルーーム編. について調査を行った。 これらの主なまとめとして,以下の8点 成の全容を明らかにしょうとするものである。 研究にあたって・ag”一章では 1。ホームルーム編成の形態は「平等編成」と「類型別編成」がほとんどであり, 「学級」と「学級編成」の概念とそれらの基本的性格,第二章では「ホームルー 様々な属性による編成形態のちがいがみられる。 ム」に関わる概念と歴史的な背景及びホ・一・一一ムルームと大部分重複している学習学. 2.ホームル■・…dム編成の第一規定要因として「学校教育の目的,目標がより効果. 級に関わる教育課程の基本的事項を明確にして臨んだ。 研究の中心は第三章 的に,また,能率的に達成できる」と「生活指導を基本にした」を中心に据え. の調査研究にあり,以下の3点. ている。. 1。ホームルーーム編成はどのような学校経営的根拠によって編成形態が採択され,. 3.ホームルーム編成の第二規定要因として「平等編成」では「学級間の生徒数 その編成の規定要因は何であるのか。. 」,「生徒の成績」,「男子と女子の比率」, 「生活指導上腕題を持っている. 2。ホームルーム編成と習熟度別,選択制,類型別はどのような関わりがあるの 生徒」,「集団生活でのリーダーシップをとる生徒」が,「類型別編成」では.
(3) 「生徒の選択教科・科目」,「生徒の進路希望」,「学校のカリキュラム編成 」, 「学級間の生徒数」,「生活指導上問題を持っている生徒」が主な第二規 定要因としてあげられる。 4。ホ■・・一一ムルi一一一ム編成の第一・規定要因と第二規定要因には様々な属性によるちが. いがみられる。. 5.ホームルーム編成の主な参考資料として「前学年の全教科総合成績」と「選 択教科・科目の希望届」があげられる。. 6.ホームルーム編成は各学年単位を中心にして行われ「類型別編成」では様々 な事項が考慮され処理されている。. 7。ホームルーム編成は受験体制で覆われている。. 8。ホームルーム担任はホームルーム指導内容を十分認識しているが実際のホー ムルーム編成とのちがいは感じ履いない。 が高這できる。 最後に,筆者は研究中ホームルームの活動低下を再認識し,. ホームルームは学力や進路で輪切りせず,学力,進路そして生活体験が様々に異 なる生徒集団であることが望ましいし,様々なタイプの生徒集団のホームルーム という生活集団のもつ教育的機能すなわち生徒間の教育力に特別の注意を払う必 要があると思う。 そのためにホームルームの編成は「平等編成」が適当であ ると考える。.
(4) 1. 本研究の背景 ・・・・・・・・・・・… 。 2。 学習指導要領と本研究 ・・・・・・・・…. 3。 学級編成に関する先行研究 ・・・・・・… (1). 学級編成方法の調査研究 ・・。… 。・. (2). 千葉県における公立高等学校の学習習熟度別 指導の実態と問題点に関する研究 ・・・… 第一章 「学級」と「学級編成」の概念 及び 基本的性格. 1. 学級 ・・・・・・・・・・・・・・・・… (1).. 学級の定義 ・・… 。…. (2)e. 学級の種類 ・・・・・・…. (A) e. 単級学級 ・・・・・・・…. (B) e. 単式学級 ・・・・・・・…. (c).. 複式学級 ・・・・・・・…. (3)e. 高等学校の経営規模からの学級形態. (4).. 単式学級の種類 ・・・・…. (A).. 異質学級 ・・・・・・・…. (B) .. 同質学級 ・・・・・・・…. (5)e. ホームルームと学級 ・・…. 2.. 学級編成と学級編制. (1).. 教育経営的基準 ・・・・…. (2)e. 法制的基準 ・・・・・・…. 一 目次 1 一. 11244一.455566666. 序章 本研究の背景と問題の所在 ・・・・・・…. 第二章 ホームルームと教育課程 1. ホームルーム ・・… (1). ホームルームの定義 ・・・・・・・・…. (2)e ホームルームのi変遷 ・・・・・・・・… (A). アメリカでのホームルーム制の成立 ・… (B) . 戦前のホームルーム観 ・・・・・・・… (c) . 戦後のホームルームの変遷 ・・・・・… (a) . ホームルームの研究・導入期(第一期) …. (b). ホームルーム・プログラムの編成試行期(第二期) (C) e ホームルーム展開期(第三期) ・・・・…. (d). 「各教科以外の教育活動」への統合による. 再出発(第四期) (3)。 ホームルームの性格 ・・・・・・・・… (4)。 ホームルームの意義 ・・・・・・・・…. (A)。 社会的自己実現の場 ・・●… ●。’” (a)。人間の本質 ・・・・・・・・・・・・…. (b).個性の伸長 ・・・・・・・・・… e・・ (C).自主性の育成 ・・・・・・・… 。…. (d).社会的自己実現 ●●’●to●’。●●” (B). 生徒指導の場 ・・・・・・… ●●。●。. (a)。好ましい人間関係の場 ・・・・・・・… (b).個性の理解と個別的指導 ・・・・・・… (C).集団活動の指導 ・・・・・・・・・・… 一 目次 2 一. 1111111111. 目. 3. 学級と学級編成の基本的性格. 次.
(5) (B) e. 学級を離れたホームルーームの編成. (c) .. ホームルーム編成の配慮 ・…. (a) .. 人間の自然形態 ・・・・・…. (b) .. 差別感の除去 ・・・・・・…. (c) .. 管理上の配慮 ・・・・・・…. 2.. 1. 教育課程 高校教育の現状と本研究 ・…. (2).. 教育課程と選択制,類型別 …. (3)e. 選択制 ・・・・・… ∴…. (4).. 類型別 ・・・・・・・・・…. (5).. 習熟度別 ・■e… .e・・…. (A).. 習熟度別の意義と目的 ・・…. (a) e. 意義 ・・・・・・・・・・…. (b)e. 予備調査 ・・・・・・… 本調査 ・・・・・・・…. 調査の内容 ・… ’●” 統計処理 ・・・・・・…. ホームルームの編成 ・… ホームルームと学習学級 ・・. ホームルーム編成の形態状況. 校種別による編成状況 …. 学年別による編成状況 …. ● ● .評 9. (1)e. 調査の実施経過 。●0’●’. 目的 ・・・・・・・・・・…. 学校三三による編成状況 ・・ 学校規模別による編成状況 ・. 入試選抜の形態別による編成状況 進路別による編成状況 ・・…. ︵. (B) .. ホームルーム編成のag一一規定要因. 法令事項からみた習熟度別学級編成と. 平等主義の解釈 …. 3。 ホームルーム編成の定義と学校組織での位置 (1). ホームルーム編成の定:義 ・・…. 第三章 ホームルーム編成に関する調査研究 ・’・. 1。 調査の概要 ・・・・・・・・・・… (1). 調査研究の目的 ・・・・・・… 一 目次 3 一一. 全般的な回答:傾向 ・・…. 属性による回答傾向 ・… 校種別による回答:傾向 …. ︵︵︵−一㍉. (2). ホームルームの学校組織での位置 ・. 31 33 33 33 35 35 35. 学年別による回答傾向 …. 学校群別による回答傾向 ・・ 学校規模別による回答傾向 ・. 入試選抜の形態別による回答傾向 一 目次 4 一. 66667788889001−1. ホームルーム即学級の編成 …. 調査研究の仮説 ・・・…. C︵d ← ︶ a︵ 、D ︶ ︶ ︵ ︵e ︵f A︶B ︵ BCD 2 仏︶ $a 一 tDC]qe. (A) e. ・・.調 ︶ ︶ ︶ 23仏、. ホームルームの編成 ・・・…. 2 ︵. (5)..
(6) 全般的な回答傾向 ・・・・・・・… ● ・ 50 集団生活の充実 ・・・・・・・・・・… 50 学業生活の在り方 ・・・・・・・・・… 52. 進路の適切な選択決定 ・・・・・・… ● 54 健康で安全な生活 ・・・・・・・・… ● 54. 人間として望ましい生き方 ・・・・… ● 55 生徒と保護者 ・・・・・・・・・・… ’ 55 生徒の希望 及び 担任の都合 ・・・… 56 学校側の諸条件 ・・・・・・・・… ’ ・ 57 全般的な回答傾向における上位,下位規定要因 ・ 58. 属性による回答傾向 ・・・・・・・… ● 59 校種別によるちがい ・・・・・・・… ● 59 学年別によるちがい ・・・・・・・・… 61. 学校群別によるちがい ・・・・・・・… 61 学校規模別によるちがい ・・・・・・… 64. 入試選抜の形態別によるちがい ・・・… 64 進路別によるちがい ・・・・・・・… ● 64 平等編成,類型別編成と第二規定要因 … 68. 形態別によるちがい ・・・・・・・・… 68 形態別における上位,下位規定要因 ・… 71 ホ』ムルーム編成の参考資料 ・・・・… 73. 一 目次 5 一. ︵ ︵ ︵. ホームルーム編成の第二規定要因 ・・… 49. ︶ ︶. ホームルーム編成の形態別と第一規定要因 ・ 47. ︶、︶ a、DC︶︶atDC a ︶ ー ーb 6仏 B︶ Ca 一b ︵︶ 7︶ 但a ︵ B ︵ C D AB 5 ︵ ︵︵ ︵ ︵. o ● ● ● o ● ● 輪 ● ◎ ● 。 ■ 9 の ● ● ●. ︶ ● ● ● ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ● ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ● ︶ ︶ ・. f︶︶︶abCdefghi︶abCd. ︵ ︵. ︵¢ 3 仏、︵ーー︵ーーーー︵㊦ーーーーーー¢︵一 4. 進路別による回答傾向 ・・・・・・・… 磨 47. A. 全般的な回答傾向 ・・・・・・・・… 校種,学年,編成形態と参考資料 ・… 校種別による回答傾向 ・・… ’・●● 学年別による回答傾向 ・・・・・・… 編成形態別による回答傾向 ・・・・… ホームルーム編成手順の実態 ・・・… 編成方針 ・・・・・・… .・・・…. 編成作業 ・・・・・・・… ..... 編成作業の実施者 ・・・… 。。・・。 編成作業の開始日 ・・・・・・・・… 編成作業の期間 ・・・・・・・・・… 編成結果 ・・・・・・・・・・・・… 編成の阻害要因 。・… 。… .・。・. 学年別による阻害要因 ・・・・・・… 平等編成,類型別編成による阻害要因 ・・. ホームルーム編成と習熟度別,選択制,類型別 生徒の学力差 ・・・・・・・・・・… 習熟度別学級編成の実施状況 ・・・… 選択と類型 ・・・・・・・・・・・… 選択 ・・・・・・・・・・・・・・… 類型 ・・・・・・・・・・・・・・… ホームル■一一一ム編成とホームルーム担任の意識. ホームルーム指導内容に対する担任の意識 全般的な回答傾向 ・・・・・・・・…. 一 目次 6 一.
(7) (二)。 担当教科群別による回答傾向 ・…. (ホ).学年別による回答傾向 ・・・・…. (へ)e校種別による回答傾向 ・・・・… (ト)。学校規模別による回答傾向 ・・…. (c).ホームルーム編成形態別による回答傾向 (B)。 ホームルーム担任の編成に対する評価 ・ (C). ホームルーム担任が望む編成形態とその理由 3.. 結果の考察 ・・… 。・・・… 。・・. (A).. ホームルームと学習学級 ・・. (B) e. ホーームルーム編成の形態 ・・. (2)e. ホームルーム編成の第一規定要因. (A).. 校種別 ・・・・・・・…. (B) .. 学年別 ・・・・・・・…. (C)e. 学校群別 ・・・・・・…. (D) .. 学校規模別 ・・・・・…. (E) .. 入試選抜の形態別 ・・…. (F) .. 進路別 ・・・・・・・…. (G).. ホームルーム編成形態別 ・。. (3).. rk ・一ムルーム編成の第二規定要因. 一 目次 7 一. 学業生活の在り方 ・・・・・・・・…. 進路の適切な選択決定 ・・・・・・…. 人間として望ましい生き方 ・・・・… 生徒と保護者 ・・・・・・・・・・… 生徒の希望 及び 担任の都合 ・・… 学校側の諸条件 ・・・… 。・・… ホームルーム編成の参考資料 ・・・…. 校種別 ・・・… 適・… 、・…. 学年別 ・・・・・・・・・・・・・…. 編成形態別 ・・・・・・・・… ”・ ホームルーム編成手順の実態 ・・・…. 編成方針 ・・・・・・・・・・・・… 編成作業 ・・・・・・・・・・・・…. 編成結果 ・・・・… ’・’●●’●。. ︵. ホームルームの編成 ・…. 集団生活の充実 … ●’・’’”●●. 健康で安全な生活 ・・。・・・・・…. ︵ . (1)e. ノー曳 ︵. (ハ)。教職経験年数別による回答傾向 …. ︵ . (ロ).年齢別による回答傾向 ・・・・…. ABC Φ 但宙⑥㈹の㈲㈹⑥5仏⑱¢Φ6但佃¢7助助 ︵ . (イ). 性別による回答傾向 ・・・・・…. 11111111111. (b>。属性による回答傾向 ・・・・・・…. 編成の阻害要因 ・・・・・・・・・…. ホームルーム編成と習熟度別,選択制,類型別. 生徒の学力差 ・・・・・・・・・・… 習熟度別学級編成の実施状況 ・… 。・. 選択と類型 ・・… ’●”●’●” ホームルーム編成とホームルーム担任の意識. ホームルーム指導内容に対する担任の意識 ホームルーム編成に対する担任の評価 ・・. 一 目次 8 一.
(8) (C>. ホームルーム担任が望む編成形態とその理由. 終章まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・… (1)。 ホームルームと学習学級 ・・・・・… (2)。 ホームルーム編成の実施状況 ・・・… (3)。 ホームルーム編成の第一規定要因 ・… (A)。 全般的にみた第一規定要因 ・・・・… (B). 属性別にみた第一・規定要因 ・・・・…. (4). ホームルーム編成の第二規定要因 ・… (A)。 重視される第二規定要因 … b・… (B). 属性別にちがいがみられた第二規定要因 ・. (5). ホームルーム編成の参考資料 ・・・… (A). 全般的にみた参考資料 ・・・・・・…. (B). 校種別,学年別,編成形態別にみた参考資料. (6). ホームルーム編成の手順 ・・・・・…. (7). ホームルーム編成と習熟度別,選択制,類型別 (8). ホームルーム編成とホームルーム担任の意識 ・. 引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・… 139 参考文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・… 146. 調査票1. .・・一…. @ e・・… ’e 153. 一’. 調査票2. … e 158. 一 目次 9 一.
(9) な側面を身につけさせる学習集団と精神的側面を身につけさせるホームルームは. 序章 本研究の背景と問題の所在. 大部分重複しているように思われる。 そこで・♪牧が「ホームルームたるクラ. 1. 本研究の背景. スルームを唯一の固定的な教授=学習集団,つまり,自給自足学級という考え方. 高校生活において,知的には自然や社会に対する科学的認識を身につけさせ, 精神的には人間としての自覚や社会性を育てていかねばならないだろう。. この両側面を高校生も強く要望していることが総理府広報室の調査【表1−1 一(1)】より明らかであろう。 文部省が「ホームルームの編成は従来から 学校教育への要望(高校生).. i表1−1・一一(1) 〈男女別〉. <学科別>. (%)100 80 60 40. 20 O , O 20. 40 oo 80 100(%) i. (男子) ’女子). 武聞の生き方な ど旧格形成につ. 圏。., 5.4. 「ての指導. 欄帯. 撃戟F1灘;圏. 、. 26.2. クフや部活動. 21.9. の指導’. 能力漣性、進度. 4.8. :・:・:・:・:・:24.5. ホームルーム即学級の. 編成となっているのが ・一. ハ的である。 この. 理由として,我が国の. 22.8 。:・:・:・:・255. を基本的に維持しているような場合,生徒のニーズや教師の特性に適合した教授 =学習集団の編成は非常に困難だということになる。」 (3)と指適しているよ. うに,学級即ホームルームでは知的な側面と精神的な側面の両側面の機能を十分 に働かせることはきわめて困難であろう。 しかしながら,ホームルームは教 育実践のための学校経営の基底的単位として重要であり,期待される役割は大き いといえる。 そこで,ホームルームをどのように編成するかは重要な要件と なろう。 その編成は教育課程とも深い関わりを持ち,教育課程は学習指導要 領を基準にして編成される。. 高等学校は単位制を採. ノ応じたクラス、コース編成. @ 19.5. Q2.7 19.4. :・:・:・:・:24.8. 進学の指導. Q2.1. @ 10.豊. 21.0. 実技、実習、実験. :・:・: 17.8. 17.1. を多くすること. 22.0. 用してはいるが,実質. 2. 学習指導要領と本研究. 的には固定的な学習集. 昭和35年10月告示の高等学校学習指導要領が「地域や学校の実態を考慮し. 団を作って,これを学. て,学校におかれた各課程および各学科の特色を生かした教育ができるように配. 級と呼ぶ例が多いため,. 慮して,生徒の能力,適性,進路等に応じて適切な教育を行うことができるよう. その集団(学級)がそ『. に教育課程を編成するものとする。」 (4)をあげて以来,生徒の能力,適性に. のまま基礎的な生活集. ついて論じられるようになったといえよう。 また,昭和45年10月告示の. 団になってしまってい. 高等学校学習指導要領が「地域や学校の実態および生徒の能力,適性,進路等を. るので,学級則ホーム. 十分に考慮し,課程や学科の特色を生かした教育ができるように配慮して適切な. ルームと考える傾向に. 教育課程を編成するものとする。」 (5)をあげており,著しく多様な生徒に対. なっていったものと:思. 処しようとする姿勢が伺える。 また,昭和53年告示され,昭和57年4月. われる。」 (2)と述. から施行された現行の高等学校学習指導要領が「生徒の人間としての調和のとれ. べているように,知的. た育成を目指し,地域や学校の実態,課程や学科の特色 及び 生徒の能力,適. :・:・:・ 15.1. 17.4. 就戦の指導 @ 26.6. P9.5. @ .φト E:・:・:ユ7.7. P6.6. ウ科の指導. P7.4. 12.0多 12.3 9.5. P0.6. 選択科目を多く すること. 11。8. 。:・10.9. 8.8. 規則を守らせる こと. 0.7. :・:・12。3. 生徒会轟動 @ 8.2. 7.7. O.5. @ 153. そ の 他. 7.3. 10.6. O.8. (複数回答) 総理府広報室「将来選択期(15∼19歳)における青少年の意識 調査」(昭和55年) (1). L 1 “一一. 一一. @2.
(10) 性,進路等を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとする。」 (6)そ. 3. 学級編成に関する先行研究. れに引きつづく「生徒の能力,適性,進路,興味,関心等に応じて,それぞれ適. 学級編成に関する研究は法制的な面,経営的な面,様々な側面から研究されて. 切な教育を施すため,必要により類型を設け,そのいずれかの類型を選択して履. きているが,’. 修させることは差し支えない。 この場合,類型において履修させることになっ. 上で参考になった先行研究として以下の2研究があげられる。. ている各教科・科目以外の各教科・科目を履修させたり,生徒が自由に選択履修. zームルーム編成に関するものは見当らない。 本研究を進める. (1)。大阪教育センター「学級編成方法の調査研究」教育研究紀要49号. することのできる各教科・科目を設けたりするものとする。」 (7)と指適して. 昭和35年(11). いるように,著しく多様な生徒に対して「類型」を前面に打ち出したといえる。. この研究は,大阪市全小学校を対象に調査研究したもので,新一一年生は知能検. その結果として,表1 ・一 2一(1)で明らかなようにA県の高等学校普通科で. 査,二年生からは全教科の平均点による学業成績が,学級編成時の中心的基準と. EE 1 ._ 2 .一(1) は第2学年から「類型」を. なり,学級間で格差が存在しないように平均化の理論で学級編成が行われている. 類型開始学年. 設定する学校が多くなった (昭和58年12月調査) 学科. 年度. 学 年. と結論を下している。. 00 00. 3年 1年 2年 A県教育委員会 .といえよう。 また,引. 62.7。 14.7 普通 57 対象:公立高校 (単位:%) きつづき高等学校学習指導 T8 VLO。 @0. ネ. 57 専門 (8) 要領が「各教科・科目の指 。学科. T8. 9.2. 12.5. X.5. P1」. 一 導に当っては,生徒の学習. (2).千葉県総合教育センター「千葉県における公立高等学校の学習習熟度別. 指導の実態と問題点に関する研究」研究紀要第224集昭和59年. (1 2) この研究は,千葉県公立高等学校を対象に調査研究したもので,習熟度別学級. 編成に関して学校の実態,教師の意識,生徒の意識を調査し,学習習熟度別指導. 内容の習熟度の程度などに応じて,弾力的な学級の編成を工夫するなど適切な配 慮をすること。」 (9),「今回の改善の一つである低学年においては,ほぼ共. 通する基礎的な科目を履修し,中学年以降に大幅な選択履修ができるようにして いる。」 (10)をあげて,大綱的基準にとどめ,習熟度別編成も含めて教育課. に関する内容を総合的に考察し,この指導を成功させるためには以下の2点が最 大の課題だとまとめている。. (A)。教員の共通理解と生徒,保護者の啓蒙活動 (B)。学力下位の生徒をいかに指導すべきか,. 程編成に対して各学年の自主的判断に委ねている部分が多い。 さらに特長的 なことは学級編成に直接関わる事項を具体的方向まで示唆しノている。 それは 「平等主義は画一化へ」を打破し,「多様化,自由化は個性化へ」を重視し,選 択制,類型別,習熟度別を中心に据えている。 しかしながら,高校現場は・一一一一■. 側面でこれらの方針を支持しながらも,従前の平等主義,平均化の原理を根強く 残しているように思われる。. 一一. @3 一. 一 4 一一.
(11) 99一一章 「学級」と「学級編成」の概念及び基本的性格. 1.学級. ではちがう6,’高校の場合は【同じ授業を受ける集団】が学級である。j (9) 以上が学級に関する主要な定義であるが,筆者は佐藤の立場を踏まえ,生活集団 のホームルピムはそこで授業を受ける形態を取れば「学級∫’となりジまた,㍉「ク. (1>.学級の定義. 学級の定義を,各氏が様々な立場から言及している。 その主なものをあげ. ラスjとも呼ばれる。ttしかし,、三者が重複して考えられる場合が多いと思う。. (2)∵学業騨. ると,. (A).城戸(編)は「現行法から定義すれば,児童・生徒の一団ということで. 学級の高嶺としては「単級学級」,「単式学級」,「複式学級」がある。. ある。」 (1). (A).単級学級. (B).教育情報センター・実践学校経営研究会(編)は「学校教育が実際に行. 全学年の生徒を識学級に編成したものをいい,これが一学級しかない学校を. われるための単位集団である。」 (2). 「単級学級」と呼ぶ。. (C)。相賀は「学校の教育目的を遂行するため継続的に組織される児童・生徒. (B).単式学級. の単位集団をいう。」 (3). 同学年の生徒で編成する学級をいう。 大部分の学校はこのような単式学. (D)。小島は「学級は学校での指導上の組織単位である。」 (4). 級編成による多級学校制(複数の学級を持つ学校組織)を取っている。. (E)。片岡は「学級とは教師によって言†画された学習を目的とする教師・生徒. (C).複式学級. からなる準拠集団である。」 (5). 二学年以上の生徒で編成する学級をいう。. (F).細谷(編)は「学級は教師の指導の下に学習する生徒の集団を意味する. (3).高等学校の経営規模からの学級形態. oJ (6). (G).牧は「学校教育を実際的に展開するために設けた教育実践の単位の1つ. 表2−1一(1):生徒数別の推移(%) 一 高等学校の経営規 年 度. 200人以下. 201∼500人. 501∼1000人. 1001∼1500人. 1501人以上. 1960 20.5, 34.5 14.0 層 3.9 模を在籍生徒数の上 ’27.1. 1965. である。」 (7). 2魂.1. 16.3. 24.0. 20.7. i4.9. 1970. ㈹.村上は「児童・生徒一人一人が全人的に成長していく生活の場であり【 共通の目標】のもとに【相互依存の関係】において【社会的生活経験】を積み 上げていくところの児童・生徒自身によって発達させられる【生活共同体】と. 23.3 18.3 29.7 23.3 6.7 から見ると,表2−. 1975. 22.8. 16.0. 31.7. 23.9. 5.6. 31.8. 25.4. 5.2. 5.6. 1976 22.4 15.5 1一(1)のように 31.6 24.7 5.8 1977. 22.3. 15.2. 1978 なる。 学校経営 22.4 14.9 31.6 25.7 5.4 1979. 22.2. 14.8、. 31.4. 26.3. 20.5. 14.5. 30.5. 28.3. 規模とともに学級編 1980 14.3 21.3 31.1 27.2 6.1. いうことができよう。」 (8). 1981. (1).佐藤は「学級ということばが指示する意味内容は,小・中学校と高校と. 5.8. 1983. 19Ω5. 17.1. 29.3. 27.9 6.3 高等学校には学級編. .,(1 O) 一一. @5 一. 6.2. 成が重要性を持つが, 1982 20.2 15.3 30.3 28.4. e 6 .一一.
(12) 制上の単級学級,複式学級などはなく,すべて単式学級であろう。. 成された生徒の単位集団である。 ところがアメリカの中等学校では,一般に単 位履修制による授業形態がとられているので学級はあっても授業ごとにその編成. (4)e 単式学級の種i類. を異にしており,いわゆる固定学級というものが存在していない。 しかし,管 (A)。異質学級. 理上の機能,ガイダンスの機能,そし’て,生徒の自発的・自治的な活動の機能を. 学力とか能力などに関係なく同一年齢の者で編成される学級であり,我が国 の法的基準はこれをとっている。 本研究の「平等編成」と「混合編成」は. 果すためには流動的な学習集団とは別に固定的な生徒集団を組織しておく必要が ある。 ホームルームはこのような必要に追られて工夫された固定的な生徒組織. これに含まれる。 である。」 (11) (B)。同質学級. 我が国の中学校では昭和33年以来ホームルームが使用されないのは固定的な 知能,学習習熟度などが同じ生徒によって編成される学級である。 この ことを一般に「習熟度別編成」と呼ばれている。 進路が同じということか ら「類型別編成」もこれに含まれる。. 学級集団が組織されていたからであろう。 高等学校において今でもホームル. ームが存在するのは昭和57年度学習指導要領の実施に伴い,大幅な選択制が導 入され,アメリカのように単位履修制が採用されているので,学級とホームルー ムとは別個の組織と解されているからだろう。. (5). ホームルームと学級:. ホームルームはアメリカの中等教育で生まれ(詳細は後述),我が国では中学. 校,高等学校でホームルームを実施していたが昭和33年の中学校学習指導要領 の改訂で,中学校はホームルームを学級活動に改められ,高等学校においてのみ 実施され今日に至っている。 高校教育現場では「学級」と「ホームルーム」. を同一に考えている場合が多い。 しかし,両者は本来異なった性質のもので ある。 吉本・井上(編)はアメリカの学級とホームルームを以下のように言 及している「学級にあたる英語はクラスであるがクラスはもともと【階級】を意 昧し,生徒の発達の程度が同一であるという意味の【階級】を意味し,近代以後 にいわゆる国民教育が普及し,多数の生徒が学校教育を受けるようになってきた 段階で,いかに効率的に教育を行うかという課題に応えるために,一斉教授の単. 位集団として同一の発達の生徒の一定数をもPて生徒集団を組織したとき成立し. 2. 学級編成と学級編制 (1).教育経営的基準. 教育経営的視角から学級編成を考える場合,牧は「学級を編成することを教育 経営的に規定すれば,教育目標の効果的達成に向けて生徒達に多様な教育経験を 与えるグルーピングである。」 (12)という。 また,海後(編)は「一学 校の生徒を一定の基準にしたがっていくつかの学習集団に組織することを意味し’. ている。」 (13)」といい,そして,教育情報センター・実践学校経営研究会 (編)は「学校において,その学校に在学する生徒を所定の基準に従って教育活 動をすすめる一母体としての単位集団に組織すること。」 (14)と規定している。. 筆者はこれらの規定を支持しながら「教育の目標を効果的に,効率的に達成す ることができ,教育生産性を増大させうるような組織編成」ということが基本的. たものである。 したがって,学級とはもともと教科の一斉授業の便宜のため編. p 7 k. 一 8 一.
(13) 要件と考える。. める。 そのために,社会的訓練の機会を与えるような学級を作ることで ある。 (18). (2).法制的基準. 学級定員,学級規模の側面から高等学校設置基準7条,高校標準法6条に「高. また,学級編成の基本的原理として海後(編)は以下の3点をあげ説明を加えて いる。. 等学校の学級定員は同時に授業を受ける一学級の生徒数は40人以下」 (15), (A>。生徒の個性化の原理. 「ただし,やむを得ない事情があるときは全日制の課程では45人(農業,水産,. 工業,音楽,理数,衛生看護の各教科については40人)全日制では40人を標. (B)。生徒の社会化の原理 (C).生徒のパ■…一ソナリティの安定化. 準とすることとされている。」 (16)と規定している。 「学級編成」と「 学級編制」は区別なく使用されている場合が多い。 下村は「法令に定められ た学級編制の基準にかかわる場合に限って【編制】を用い,その他の場合は主と・一 して【編成】を用いるのが当面穏当なところだろう。 単式編制,複式編制は学1》. 級編制の基準に直接かかわるものなので【編制】を用い,異質編成,同質編成は 学級編制の基準にかかわりなく教育的意図にもとずくものなので【編成】を用い る。」 (17)と述べているように筆者もこの立場をとり,先に述べた教育経営 的基準に立った場合を「編成」,法制的基準に立った場合を「編制」と踏まえる。. すなわち,個性化の原理とは生徒の能力,性格,興味などの個入差に対応して 個性を十分に伸長することをいい,社会化の原理とは多様な社会的生活のための 生活集団とし・て機能し性別,性格,興味,関心,家庭的背景などの様々な属性を. 持つ生徒が望ましい相互関係を維持しながら市民性,社会性を十分に形成するこ とをいい,安定化の原理とは変ぼうの激しい現代社会における学校教育に要請さ れ,学級社会の安定化により,生徒の直面する危機的状況からの救済ひいては生 徒のパーソナリティの安定化を目指すことである。 (19). 本研究は前者であるので「編成」を使用することにした。. 3. 学級と学級編成の基本的性格 筆者が賛同する吉本,海後(編〉の考えをまとめると学級の基本的性格につい て吉本は以下の2点を指適している。 (A).生徒は身体的,知能的,社会的七1情緒的などあらゆる面に驚くべき個人 差を持っている。 その一人ひとりの能力を発見し,伸長させることので’ きる学級でなければならない。. (B)。学級は一つの協同社会であり,生徒は学級を編成する一員であることに. よって社会連帯感の自覚,公民的態度の訓練等に絶好の場とすることに努 一 9 一. 一一 10 一一.
(14) 第二章 ホームルームと教育課程. いる。 このような目的のために,割り当てた時間または組織をホームルーム という。」 (5)と述べている。. 1。 ホームルーム. (F)。田代は「ホームルー一一ムは学級を単位として組織され,生徒の学校生活に. (1).ホームルームの定義. ホームルームの定義を,各氏が様々な立場から言及している。 その主なも. おける学習を含めた自主的諸活動のもっとも基本的な組織である。」 (6)と 述べている。. のをあげると,. (A)。宮坂は「ホームルームとは,高等学校の教科担任制のもとにおいて,接. 触を保持し,また,ともすれば無視されるか,解体しがちな生徒相互の共同生. (G).全国高校生活指導研究協議会(編)は「教科の中心的なもので一般教科. ・科目を一緒に復習する単位集団であるとともに,学校生活の種々の問題を共 同で解決していき,学校における自主的な仕事を共同で企画,組織,実践して. 活単位を確立し,そこで,生徒指導の仕事を組織的,計画的に展開することを いく単位集団である。」 (7)と述べている。 目的とする教育方式である。」 (1)と述べている。. (B).天城・奥田・吉本(編)は「中学校・高校の教科担任制の教授組織のも. ㈹.林部は「ホームルームとは毎朝定期的に正規の時間割の中である時間に 一定の教室でグループの生徒達と担任とが会合して,相互に密接となり,より. とでは,教師と生徒の個人的な接触や密接な人間関係がつくられにくい点から,. 一人の教師のもとに一定のメンバーの生徒を編成し,生活指導が行われやすい ようになっている集団および組織をいう。」 (2)と述べている。. よく知り合うことを目的として,個人的な接触やクラブ活動を通して教科の学 習では得られない個人的,社会的,公民的な理想,知識,習慣,態度,技術等 を発達させようとする組織である。」 (8)と述べている。. (C)。高倉・高桑・牧(編)は「現在生徒会活動でのひとつに位置づけられ,. 等である。 「筆者の立場は論文構成上3.の(2)で明らかにする。. 【学校における基礎的な生活の場】として,共同生活の閥題,進路選択・適応, 健康・安全を扱う。」 (3)と述べている。. (2). ホームルームの変遷. (D).細谷(編)は「教科担任制をとる学校における学級担任制に準じた生徒. (A).アメリカでのホームル■一一一ム制の成立. 指導ないし,生徒自治活動のための組織で,学級(class)と並んで,学. ホ・一一ムルームが19世紀の70年代に出現し,第一次世界大戦に至る世紀転回. 校生活の基礎となる。 ホームルームとは本来文字どおり,そのために指定さ. 期の産業経済の躍進とこれに付随した急激な社会変化に対応する民衆のための中. れた部屋を意味する。」 (4)と述べている。. 等教育機関を背景に,1920年代に急速に採用されるようになった。 (9>. (E).平塚(監)は「生徒の管理ないし生活指導を十分に行うために,一人の. この頃,アメリカでは中等教育機関としてアカデミ矛の衰退とハイスクールの. 教員に何人かの生徒グループを割り当て,毎日または毎週一定時間,特定教室. 増加傾向との転回期にあったとみられる。 その頃のホームルームの成立を林. に集合して,出席の記録を行ったり,学校生活全般について話し合いを行って. 部は「ホームルームは,先ず教育課程の再構成の中で,課外における生徒活動の. 一一一 11 一一. 一一 12 一一.
(15) 課程化(curriclarization)として考案され,ついでガイダンスの組織の一分野. に始まった。」 (14>と述べているように学習指導要頷一般編が試案としてで. として構成されることになったのである。」 (10)と述べ,吉本・井上(編). はあるが,占領教育政策下の昭和22年に公示されたという経緯をも考えるとき,. は「ホームルームはアメリカ中等教育における教育組織であり,学校規模の拡大. 学習指導要頷の教育実践に対する影響の大きさを察することができようし,試案. と学科担任制,単位履修制に帰因するインパースナルな学校組織の補充,様々な. としてではなく,文字通り国家基準として告示された学習指導要領が,それらの. 起源を持つガイダンス運動や市民的訓練への要請に応えることによって成立する. 賛否両論を含めて,我が国教育課程の基本設計として,大いに影響を与えたであ. に至った中等学校の基底的単位であるということができよう。」 (11)と述べ. ろう。 そこで,戦後の高校ホームルームの変遷を学習指導要領の改訂を目安. ている。 さらに,ホームルームの機能をこのハイスクールの躍進期に,19. に,吉本・井上(編)は. 20年代の経験やリサーチに基づいて,課外活動の教育的編成に優れた織見を提. (a).第一期(1945年目1950年) ホームルームの研究・導入期. 唱したフレッフェルの「旺ome Roo皿〔IGuidance 1934」の例をあげ,吉本・. (b)。第二期(1951年∼1959年) ホームルーム・プログラムの編. 井上(編)は「管理上の必要と生活指導上の必要にうながされて成立したホーム. 成・試行期. ル幽ム あるいは,事務的p・管理的機能,生徒指導の機能,生徒活動としての機. (c).第三期(1960年∼1969年) ホームルーム展開期. 能,教科を補う学習機能。」 (12)と述べ,ホームルーム観を説いている。. (d).第四期(1970年∼ ) 教科以外の教育活動への統合に よる:再出i発(15). (B).戦前のホームルーム観. 戦前のホームルーム観を吉本・井上(編)が「ホームルームは教授学校として. にカテゴライズして解説している。 以下両氏(編)の著書を中心にしてまと める。. の近代学校における生徒の単位集団としての学級に対する広義の教育的配慮・・一一学. 級経営あるいは学級指導一の系譜のものとして,すなわち,ヘルバルトおよびヘ. (a).ホームルームの研究・導入期(第一期). ルバルト派によって体系化された学級教授・学級訓練および学級管理のうち,ホ. (イ).教育使節団報告書と新教育指針. ームルームを教授作用と区:別された訓練・訓育 および 管理・経営の作用に任. 1946年3月の第一次アメリカ教育使節団報告は,新しい教育理念と教育体. ずる施設ないし指導計画の弱点を補強する役割をもって登場したものと考えられ. 制の基本を明示し,それに立脚して教師の手びきとして編さんされた新教育指針. る。」 (13)と述べているように,現行の高等学校学習指導要領のホームルー. は占領下の国として,民主的,平和的文化国家への再生の悲願を綴ったものであ. ム内容とほぼ大筋で一致した促え方をしている。. ったが,教育の実際において,民主主義の方途に関して (あ).生徒の人格を平等に尊重し,個性に応じる教育を行うこと. (C)。戦後のホームルームの変遷 (い).自主的,協同的な生活学習を訓練すること. 土屋(編)が「戦後の教育改革は,もっぱらアメリカ教育使節団報告書を契機 一一. @13 一一. 一一. @14 一一.
(16) をあけ,特に,後者との関係において,文部省が「生徒は生徒自身の自治的修養. 日本教育振興会 1949年. の機会において,たとえば,学級自治会とか校友会とかにおいて,自ら進んで活. 1949年4月報告書として提出. 動すべきである。」 (16)と指適している。 この学級自治会は個性尊重の. (ハ)。個人 および 集団プロジェクトとしての諸研究. 立場から,文部省は「学級の自治的経営」 (17)とも表現し,公民的教育の見. (あ).倉沢剛「近代カリキュラム」誠文堂新光社 1948年. 地からはその出発点,土台となるものが実生活の指導であり,自治の修練の場と. (い)。 教師養成研究会叢書「指導」師範学校教科書(株)1948年. もされている。 また,文部省は「学校生活に関する問題を各種の当番勤務の. (う).宮坂哲文「ホームルーム研究」野闇教育研究所 1949年. 企画,・実施,学級会・校友会等の運営,学校農場・学校工場・消費組合等の企画. (え)。小宮山巣一一「ガイダンス」金子書房 1949年. ・実施,生産物の処理・収支決算と校外生活(通学班,部落子ども会等)」 (1. (お).全国指導主事協会(編) 「カリキュラムとガイダンス」昭三社. 8)の5つに分類して,その組織の努力を示しているが,これが学級会,学級の. 1949年. 自治的経営などに示され,ホームルー一一ムの母体となったと考えられる。. (か).金子孫一「教育大学講座18 生活指導」【ホームルーム】金子書. (ロ).学習指導要領一般編(試案)と高等学校諸規定の公示. 房 1950年. (あ)。 1947年3月20日 学習指導要領一般編(試案)が出版. (き)。宮坂哲文「特別教育活動」明治図書 1950年. この書物は,アメリカの「・・葵・・f・tasdy」を模倣したもので・こ. (く).大浦猛「学校社会学」明治図書 1950年. の中には教科の名称とともに,「自由研究」が設置され,後の教育活動の. このように,1950年頃までの我が国のホームルームの実情は,文部省より1. 母体となり,高等学校教育に適用されるようになった。. の基準や解説による導入と広く学習集団やアメリカのホームルームの研究紹介に. 高校ホームルームの登場は,以下のような諸規定 および 解説書であろう。. よって,その適切な活用を現場教師にまつに至ったのが,第一期の特色である。. (い).文部省令第一号「高等学校設置基準」1948年. (b).ホームルーム・プログラムの編成試行期(第二期). 量的基準を示すもの. この頃のホームルーム制を,吉本・井上(編)が「1951年(昭和26年). (う).文部省学校教育局(編)「新制中学校・新制高等学校 望ましい運. の改訂学習指導要領一般編(試案)における中学校・高等学校の教育課程とその. 営の方針」1949年. 一環としての特別教育活動のプログラムの明示は,我が国の中等教育におけるホ. 質的基準を示すもの. ームルーム制を明確にしたものであり,高等学校におけるそのプログラムの編成. (え).文部省学校教育局(編) 「新制高等学校教科課程の解説」1949. ・試行期を告げるものであった。」 (19)と述べている。. 年. 高校ホームルームの活発さが必ずしも結実しなかったようだがその理由として,. (お)。文部省初等中等教育局(編) 「中学校・高等学校の生徒指導」. 吉本・井上(編)は. 一一 15 一一一. 一 16 一一.
(17) (イ).高等学校教育における旧制高校の郷愁. 級活動の成果によるところが大きいといわなければならない。 それとともに,. (ロ).大学入試制度による (20). このころから進学率の急上昇がみられるに至った高等学校が文字通り,国民大衆. の2点を指適している。 この実情を反省して,以下のような研究成果が出現. の教育機関として旧とうを脱ぎ,ホームル…一・ムの精力的な取り組みが要請される. し’た。. に至ったと考えなければならない。」 (21)と指適している。. (イ).宮田丈夫「学級経営研究」金子書房 1954年. (d).「各教科以外の教育活動」への統合による再出発(第四期). (ロ).原俊之「岩波講座教育第4巻 日本の学校(1)」【生活指導】. 小・中学校における特別活動の設計との関連において,ホームルーム・生徒会. 岩波書店 1952年. 活動・クラブ活動・学校行事を内容とする「各教科以外の教育活動」の領域を設. (ハ)。宮坂哲文「生活指導」朝倉書店 1954年. 定した。 そこで,ホームルームの位置づけとして師定:の人間的接触の場とし. (二).国立教育研究所「高等学校に関する調査,第三次報告一生徒指導の実. てのホームルームの教科以外の教育活動の基盤的役割の確認とともに個人および. 態と問題」国立教育研究所紀要第八集(4) 1958年. 集団の一員としての生き方をホームルームの内容とした。 さらに,各学校が. これらの研究から,この時期のホームルーム観としては,以下の2点が指適で. ホームルームを含めて教科以外の教育活動の教育課程編成に積極的に取り組み,. きよう。. アメリカのホームルーム制がその紹介の当初よりバラエテーに富み,学校の組織. (イ).ホームルームの活動の本来のねらいからはずれて,しつけ的傾向が強. 単位としてのホームルームが受験体制を中心とする知育偏重,価値感の多様化の. い学校,あるいは,入学試験準備のためにはホームルームは実施しなく. 現代社会を顧みながら,地域社会も関心を持つようになった。. てもいい。. (3>. ホームル■・一・・ムの性格. (ロ).しつけ主義的な考え方と,一一方これと相反するような放任主義的な考. 現在の高校では,単位履修制のもとで生徒の個性や興味に応じてある程度教科 え方によって指導が行われている。. 中学校でも・ホームルームといっていたものを「学級活動」と改称したのもこ. ・科目の選択ができるから,授業時間の際に各自の選択教科・科目に従って教室 を変えたり,教室に集まる学習集団の編成も固定せず時間毎に変わったりして生. の頃である。. 徒相互の,また,教師と生徒の結合を弱める恐れがある。 そこで,ホームル (c).ホームルーム展開期(第三期). 1963年から実施を目指した1960年(昭和35年)に告示された高等学 校学習指導要領では,ホームルームを中学校の学級活動の策定との一貫性が顕著 に現われた。 このことを吉本・井上(編)が「高等学校のホームルームが活 発に展開され,そのねらいを十分に果たすためには小・中学校の学級会活動・学 一一. @17 一. ームの性格を吉本・井上(編)は「ホームルームの性格は本来複合的な性格を持 っていることを理解しておく必要があろう。. 一…一. ュ灘 薯、(22). 一一 18 一.
(18) と述べている。 さらに,具体的に吉本・井上(編)は以下の2点を指適して. て,自からの人閤形成に積極的に働きかけようとする傾向がきわめて顕著な時期. いる。. にあるといえる。. (A>.ホームルームは生徒の管理や事務的な仕事を一層効果的に処理するため. (b).個性の伸長. に,特定の担任教師のもとに意図的,人為的に編成された集団である。. 高校生は将来の進路の選択や職業生活への適応を真剣に考える時期なので自分. (B).ホームルームは生徒が教師から単に受身的に知識を授けられるだけの場. 自身の能力とか,態度を自分で理解し,評価したいとの欲求が強い。 これら. 所ではなく,ホームルーム内の教師と生徒,あるいは生徒相互の間の家族のよ. の欲求はホームルームのような同輩集団の活動に参加することによってある程度. うな親しい,力動的な人間関係を通して入格を形成していく重要な機能を果た. 充足される。 その理由として,自分達の共同生活に関する課題を解決するた. す場である。 (23). めに,それぞれ異なった役割を分担し,協力する過程において自分を他の生徒と 比べ,その課題に関する自分の能力や興味,関心などを位置づけ長所,短所を自. (4)。ホームルームの意義. 覚し,自分の個性を理解することができるからである。 ホームルームは教科 高校生が学習と生活において,あるべき姿をとりうるためには学習権と幸福権 が保障される教育的,社会的条件が獲得されなければならないであろう。. このことを大石(編)が「今日,青少年のほとんどすべての者を教育する高校 は青年期の人格形成の重要な場となっている。 今や人間性豊かな生徒の育成と いう視点から,各教科・科目の授業以外の教育活動の重要性を認識し,前者の教 育の効果を後者が深め,後者の教育効果を前者がより確かにするという相互作用 に着目する必要がある。」 (24)と指適しているように,特別活動の一つであ るホームルームは教育的,社会的保障を獲得する生徒会活動の基礎的な第一集団 でなければならない。. 指導では避けることができない能力差の問題からも比較的自由に,すぐれた生徒 も,劣った生徒も相互に尊重し合いながらすべての生徒の個性が生かされ,なん らかの面で貢献でき,協力できる活動の場でもある。 「家族」のような親密 な集団の力を教育の場に提供しようとするところにホームルー一..一ムの意義があると いえる。. (c).自主性の育成. 自主性の育成はほっておいても自然に顕在化していくものではない。 自主 性の育成を兵庫県教育委員会(編)が「生徒が保護や干渉を受けず独立して行動 しようとする気持を持つためには,まず自分が独立した一個人として尊重されて. (A). 社会的自己実現の場. いると感じることが大切で,そのときにこそはじめて自主性が生まれてくるので. (a).人間の本質. ある。」 (25),また,それに引きつづく「真の自主性とは絶えず教師との関. 性格や能力はそれぞれ皆ちがっているが自からの力で,自らを創造的に個性化. 係において,母親との関係において,また,友達との関係においてはじめて発揮. していこうとする欲求を持ち,その司能性を持っている点ではすべての生徒は全. されるのである。」 (26)と述べている。 ホームルームの中では,ほぼ等. く等しいといえる。 特に,高校生は発達的にも自己実現の強い衝動にかられ. しい成員によって構成されている集団の中でそれぞれの役割を分担し,責任を果. 一一. @19 一一. 一 20 一.
(19) たしながら自主的,創造的に集団活動に参加する経験を通じて自主性が育成され. そこで琶教師は傍観して生徒たちだけに任せておいたのでは生徒を伸し育てら. るものと思われる。. れない。 したがって,教師の適切な指導が集団活動の教育的機能を十分果た. (d).社会的自己実現. すためには必要である。. ホームルームのような自分と年齢がそれ程ちがわない同輩集団の中で自分たち (5).ホームルームの編成. で話し合って目標を決め,目標達成に協力するという自由な相互関係は,生徒が. 細谷(編)が「学級が本来教科学習のために組織された集団であるのに対し,. 潜在的に持っている自己中心で利己的な態度や傾向を克服して社会意識にめざめ,. ホームルームは生徒指導ないし自治活動の集団である。 したがって,クラスが 連帯意識を高める社会的自己実現に役立っている。. 等質集団であることを建前としているのに対し,ホームルームはむしろ異質集団. (B)。生徒指導の場. の方がよいと考えられる。 さらに,クラスが教師中心の指導体制をとるのに対. (a)。好ましい人間関係の場. して,ホームルームは生徒中心に運営され,題材も生徒の生活の中に求め,生徒. 生徒指導は全校教師の協力のもとに,すべての教育活動を通して進めていかな. 自らプログラムを作り評価するのを基本としている。」 (27)と指適している. ければならないだろうが教科担任制をとる高校においては,その中心的な役割を. ようにホームルームと学級は機能が異なるから,ある部分は分けた方がよいと思. 分担するのはホームルームである。 教師と生徒の間の心的和合関係を源泉とレ. われるが,実際のホームルームの編成は従前からホームルーム即学級の編成にな. して全成員間に協調的な友情と善意に満ちた安定感のある雰囲気を持っているホ. っているのが一般的である。. ームルーームこそ生徒指導を最も効果的に進めることのできる場といえる。. (A).ホームルーム即学級の編成. (b).個性の理解と個別的指導. 学習のための集団をそのままホームルームとする集団である。 一部の選択. 個性は自由に放任しておいても自然に形成されていくというものではない。. 教科・科目の学習では分散するが,大部分の学習を共にする場合もこの編成と考. 個性の理解と発達には教師の働きがけが不司欠であろう。 ホームルームは. えられる。 このような編成は大部分の学校で行われている方式である。. 個性を理解し,個別指導によって個々の生徒の司能性が最大限に発達するのを助. ホームルーム即学級の利点は管理上の面である。 学校における生徒の大部. けてやる場であるが,この機能を十分に果たすためにはホームルーム担任の教師. 分の活動がホームルームという集団で行われているので生徒の把握や生徒に関す. と各生徒との間の信頼関係を確かなものにする必要がある。. る事務上の処理がしゃすい。 また,接触の場や時間が多いので,ホームルー. (C).集団活動の指導. ムの生徒相互の理解が深まりやすいことも利点である。. 集団が形成され,成員間の相互依存関係が増進するにつれて集団凝集性の増大, 集団の構造化,共同目標の明確化,集団規範の形成などの集団過程が生じる。. 一 21 一一. 一 22 一一.
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輸入申告に係る貨物の所属区分等を審査し、又は決定するために必要