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The role of toll-like receptor 3 in chronic contact hypersensitivity induced by repeated elicitation

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 安 池 理 紗 論 文 題 目

The role of toll-like receptor 3 in chronic contact hypersensitivity induced by repeated elicitation.

論文内容の要旨

Toll-like receptor 3(TLR3)は 2 本鎖 RNA を認識し、ウイルスに対する自然免疫に関 与することが知られている。最近 TLR3 がアレルギー性炎症においても重要な役割を果た していることがわかってきており、我々はTLR3 がアレルギー性および刺激性接触皮膚炎 を増強させることを報告した。そこで、アトピー性皮膚炎(AD)のような皮膚の慢性炎症 においてもTLR3 が深く関与している可能性を検討するため、AD のモデルであるハプテン 繰り返し塗布による慢性接触皮膚炎マウスにおけるTLR3 の役割を解明することを目的と した。 TLR3 ノックアウトマウス(Tlr3 KO)と、Wild Type マウス(WT)の腹部をハプテン (2,4,6-trinitro-1-chlorobenzene : TNCB)で感作した後、耳介に 2 日毎に TNCB を反復 塗布して慢性接触皮膚炎を誘発した。両群マウスの耳介厚の経日変化をday30 まで測定し た。また、day0, 8, 14, 20, 28 には誘発後の耳介腫脹厚の経時変化を測定した。そして、day8, 30 に耳介組織と血清を採取し、耳介の組織所見、浸潤細胞数、血清総 IgE 値、組織中のサ イトカインであるinterleukin(IL)-33, IL-4, IL-10, IL-2, interferon(IFN)ɤ の発現を評 価した。 マウスの耳介厚の経日変化を比較したところ、WT で著しく増加したのに対し、Tlr3 KO では有意に抑制されていた。また、day0, 8, 14, 20, 28 における経時的な耳介の腫脹パター ンを比較したところ、Tlr3 KO では遅延型(Th1 優位型)から即時型(Th2 優位型)への 移行がWT よりも遅かった。腫脹パターンの差は day8 において顕著であった。また、day8, 30 における耳介組織の病理所見を比較すると、いずれの時点においても WT に比べ Tlr3 KO では表皮の肥厚が減弱し、組織の浸潤細胞数も減少していた。

血清総IgE 値を測定したところ、day0 では両群に差はなかったが、day8 では WT に比 較してTlr3KO で有意に減少していた。Day30 では両群とも著明に上昇し、差を認めなか った。

アレルギー性皮膚炎に関与するサイトカインの発現を、day8 の耳介組織においてリアル タイムRT-PCR で評価した。Th1 サイトカインとして、IFN-ɤ、IL-2、Th2 サイトカインと

して、IL-4、IL-10、IL-13、IL-33、TSLP を測定した。Tlr3KO の耳介組織における IFN-ɤ、 IL-4、IL-10 の mRNA 発現は、ハプテン塗布 3h、6h 後に有意に減弱していた。IL-2、IL-13 の mRNA 発現は、有意差はなかったが Tlr3KO において減弱する傾向にあった。また、IL-33 のmRNA 発現は Tlr3KO において 0h では有意に増強していたが、6h では有意に減弱して いた。さらに、IL-33 の耳介組織における蛋白量を ELISA で測定したところ、Tlr3KO で はWT に比較し減弱していた。また、Poly(I:C)を用いて培養ヒト表皮角化細胞の TLR3 を 刺激したところ、IL-33 の mRNA 発現が増強した。

以上の結果をまとめると、Tlr3KO では慢性接触皮膚炎の反応が減弱し、遅延型反応から 即時型反応への反応形態の移行が遅くなった。また、血清総IgE 値が減少し、組織中の IFN-ɤ, IL-4, IL-10, IL-33 等の炎症性サイトカインの発現が減弱した。これらの結果より、TLR3 の シグナルは、AD で見られるような慢性のアレルギー性炎症の進展に関与していると考えら れた。 TLR3 は上皮細胞や線維芽細胞、マクロファージ、樹状細胞、肥満細胞、T 細胞等に発現 していることが知られているが、我々の過去の報告より Tlr3KO と WT でマクロファージや 樹状細胞、肥満細胞、リンパ球の機能に差はなく、今回の AD モデルマウスにおいても表 皮角化細胞や線維芽細胞の TLR3 シグナルがアレルギー炎症の進展に関与していると考え られた。 IL-33 は主に上皮細胞から産生され、Th2 細胞や好酸球、肥満細胞を介して 2 型反応を誘 導するサイトカインである。近年 AD における IL-33 の関与や、IL-33 がフィラグリンの発 現を抑制し皮膚のバリア機能を低下させる等の報告があり、IL-33 は AD の炎症反応におい て重要な役割を担っていると考えられる。今回の研究で、Tlr3KO における耳介組織中の IL-33 の mRNA 発現や蛋白レベルは減弱し、また IFN-ɤ, IL-4, IL-10 等のサイトカインの発 現も減弱していた。さらにヒト表皮角化細胞の TLR3 刺激により IL-33 の産生が誘導された。 これらの結果より、TLR3 のシグナルは皮膚からの IL-33 産生を介して AD の様な慢性アレ ルギー性炎症に関与している可能性が推察された。

TLR3 のシグナルは AD の様な慢性アレルギー性皮膚炎の進展に深く関与しており、TLR3 は AD の新たな治療標的となり得る可能性があると考えられた。

参照

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