Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
№29:東京歯科大学水道橋病院口腔外科における平成
24年度外来初診患者の臨床的検討
Author(s)
多田, 海人; 福田, 有美香; 藤原, 亘; 前山, 恵里; 永
井, 佐代子; 山村, 哲生; 菅原, 圭亮; 高山, 裕樹; 秋
元, 善次; 高久, 勇一朗; 笠原, 清弘; 髙野, 正行; 齊
藤, 力; 柴原, 孝彦
Journal
歯科学報, 113(4): 437-437
URL
http://hdl.handle.net/10130/3177
Right
目的:東京歯科大学水道橋病院口腔外科では現段階 における患者動向および疾患病態について認識を広 め,今後の医療提供の内容と質の向上をめざすため に,平成24年度の初診患者の臨床統計を行った。 方法:平成24年4月1日から平成25年3月31日まで の1年間に東京歯科大学水道橋病院口腔外科を受診 した初診患者を対象として,公益社団法人日本口腔 外科学会調査企画委員会による実績調査票に準じ て,性別,年齢分布,月別患者数,来科地域,受診 経路,疾患別について調査し臨床統計を行った。 成績:期間中に受診した初診患者数は6,943例(男 性2,991例;43.1%,女性3,952例;56.9%)であっ た。年齢は1歳から101歳までと幅広く,年齢別で は20歳代が25.7%を占め最も多く,次いで30歳代で 22.7%であった。月別患者数は平成25年3月が650 例(9.4%)と最も多く,次いで平成24年10月が618 例(8.9%)であった。最も少なかったのは,平成 25年1月の491例(7.1%)で,次いで,平成25年2 月が526例(7.6%)であった。来科地域は東京都が およそ72%を占め,そのうちの63.2%が東京23区内 であった。東京23区内では世田谷区が5.8%で最も 多かった。都道府県別では東京都に次いで,埼玉県 が10.6%,千葉県が7.7%の順で,遠方では北海道 や宮崎県からの来院もあった。受診経路は他の医院 または歯科医院からの紹介受診がおよそ68.0%を占 めていた。疾患別では歯の疾患が多く,中でも智歯 に関連する疾患は全体の52.7%を占めていた。次い で,口腔粘膜が7.2%であった。また,顎関節疾患 が7.1%,炎症は4.5%,顎変形症は3.6%,悪性腫 瘍は0.8%であった。 考察:臨床統計の結果,性別では男性より女性が多 く,年齢では20代から30代の患者が全体の約半数を 占めていた。月別では3月と10月の初診患者数が多 く,来科地域は都内,首都圏全域を中心として遠方 まで及ぶことがわかった。疾患別では智歯に関連す る疾患が半分以上を占めていたが,その他様々な内 容に対応していた。東京歯科大学水道橋病院口腔外 科では病院内改装と大学機能移転が進行中だが,口 腔外科では今回の調査結果をふまえて,今後もより 良い医療が提供できるよう,専門性や全身管理の充 実を図り,診療技術と医療連携のさらなる向上に努 めていきたいと考える。 目的:東京歯科大学千葉病院は地域歯科医師会の協 力のもと,医療連携を重視しながら高度医療機関と して活動している。口腔外科は歯,顎,口腔領域の 疾患の予防と治療を目的とする歯科医学の一分野で あるが,近年では,基礎疾患を有する患者,いわゆ る有病者が増加し,これらの患者に対する歯科治療 をする機会が増してきている。口腔外科は今日まで に目覚ましい進歩を遂げており,東京歯科大学千葉 病院においても口腔疾患の治療と予防,さらに口腔 機能の保全と回復に向けて,治療水準を向上すべく 基礎的かつ臨床的研究を積み重ねてきた。そこで 我々は平成24年4月1日から平成25年3月31日まで の臨床統計的検討により,現在の診療内容を把握 し,口腔外科における医療提携の内容と質の向上を 目指し,今後の東京歯科大学千葉病院のあり方につ いて検討することとした。 方法:今回は平成24年4月1日から平成25年3月31 日までの1年間における当科の初診患者を対象とし て,日本口腔外科学会調査企画委員会が作成した実 績調査票に基づき,性別,年齢分布,月別患者数, 来院の主訴,来院地域,受診経路,疾患別,基礎疾 患の有無についての臨床統計を行った。 成績:期間中に受診した初診 患 者 数 は8,663例 で あった。年齢は生後1週間から98歳までで,平均年 齢は43歳であった。年齢別患者数は20歳代が最も多 く,このうち歯の疾患,特に埋伏歯関連が多数を占 めていた。次いで,30歳代,60歳代が多く,20歳代 と比べると基礎疾患有病者率が高くなり,歯周疾患 や腫瘍性病変,口腔粘膜疾患の割合の増加が認めら れた。月別患者数では7月が最も多く,11月が最も 少なかった。来科地域はほとんどが千葉県内で,な かでも千葉市が最も多かった。受診経路は他の医院 または歯科医院からの紹介受診が過半数を占めてい た。疾患別では歯の疾患が過半数を占めていて,つ いで顎関節症が多かった。基礎疾患を有している患 者では高血圧症が多く認められた。 考察:当科は,基礎疾患を有している患者や高齢の 患者が多数来院しているのが現状であるが,今後高 齢化に伴い,基礎疾患を有している患者のさらなる 増加が予想される。院内はもとより地域の医療機関 との連携をさらに密なものとし,合併症の併発にも 対応できるよう,口腔外科としての専門性に加えて 全身管理の充実を図りながら,診療の向上,高齢社 会への対応に努めていきたいと考えている。