• 検索結果がありません。

血胸で発症した胸腔内滑膜肉腫の一症例 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "血胸で発症した胸腔内滑膜肉腫の一症例 利用統計を見る"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成17年10月1日

血胸で発症した胸腔内滑膜肉腫の一症例

山梨県立中央病院 外科 細川洋 桜井裕幸 羽田真朗 三井照夫 芦沢一喜  要旨:34歳、女性』妊娠19週(第3子)で近医通院中であった。左胸背部痛出現し、近 医受診。胸部単純X線にて胸水貯留にて、当院内科に搬送された。来院時プレショック状 態であり、貧血を認め、血胸を認めた。止血目的に胸腔鏡下手術を行った。胸腔内には約 1600m1の出血があり、臓側胸膜・壁側胸膜に黄色で軟らかい大小結節が多発していた。 止血目的および病理組織診断目的に腫瘍を切除した。病理組織学的には単ネ目性上皮様型滑 膜肉腫と診断した。 キーワード:特発性血胸、滑膜肉腫、妊娠

      はじめに

 血胸で発症した胸腔内滑膜肉腫症例を 経験したのでここに報告する。         症例  患者:34歳、女性。  既往歴:特記すべきことなし。  現病歴:妊娠19週(第3子)で近医通院 中であり、妊娠経過ぱ頂調あった。2005 年1月16日夜中より左胸背部痛出現し、 翌17日近医受診。胸部単純X線にて胸 水貯留にて胸膜炎が疑われ、当院内科に 搬送された。  来院時現症:血圧9〔V65mmHg、脈拍 10〔㎞、眼球結膜に貧血を認め、胸部 聴診上左肺呼吸音の減弱を認めた。  検査所見:胸部単純レントゲン(図1) では、左胸水貯留を認め、近医受診時よ りも進行していた。胸部単純(汀(図2) では左胸腔に大量の液体貯留が見られ、 楕円形をした比較的kW density areaが 認めらね陳旧性の血腫もしくは腫瘍が 疑われた。検査所見では、Hb 9.6J Ht 27.9%と貧血を認めた。血液ガス分析上 はpH 7.407, pCO2 34.6, pO2 74.4と低 酸素血症を認めなかった。胸水はHb 9.4, Ht 27.9%と血性であった。 雛、 りら    ド   ,tt 麟iil

タ㍉三

図1.来院時胸部単純X線

左肺野に胸水の貯留が見られる。 湯[, tt/

図2.来院時胸部単純CT

左胸腔内に大量の胸水が貯留している。 背側底部に低吸収の部分が見られる。

一71一

(2)

山梨肺癌研究会会誌 18巻2号 2005  以上より血胸による貧血の進行が認め られたため、止血目的に胸腔鏡下手術を 行った。  胸腔内には約1600mlの出血があり、 臓側胸膜・壁側胸膜に黄色で軟らかい大 小結節が多発していた。壁側胸膜背側よ りの結節より、腫瘍の一部が自壊し出血 していた。止血目的および病理組織診断 目的に腫瘍を切除した。  摘出標本は6.5ern×㎞×2[rm(図3)、 病理組織学的には紡錘状の細胞が密に増 殖しており、間質に乏しく、一部出血巣 も認められた(図4,5)。免疫染色では epitherial menbrane antigen陽性であ り、単相性上皮様滑膜肉腫(byriovicai 8a㎜, monophasie epitherial type) と診断した。  追加治療のため人工妊娠中絶を行った が、患者が化学療法、放射線療法など希 望しないため、外来経過観察となった。

図3.摘出標本

図5.病理(強拡大)

       考察

 特発性血胸の原因として、外傷・動脈 瘤破裂・壊死性肺梗塞・感染症・出血性 疾患・腫瘍などあげることがきる。  滑膜肉腫は15−40歳に好発し、平均発 症年齢31.3歳である。自発痛または圧痛 を伴う腫瘤で自覚され、膝関節をはじめ、 四肢に発症するものが多い。胸部原発の ものは全滑膜肉腫の2−3%であり、比較

的まれである。蹴状は発症部位によ

り異なり、高度の機能障害や体重減少は まれである。中には外傷から数週間から 数十年後に受傷部位に発生したという報 告があり、外傷との関連が示唆される。 増大の速度も非常に緩徐である。画像的 には15−20%に石灰化を認めるほ力壮、 特徴的な所見はない1)。  外科切除断端が不十分な場合は局所再 発や肺転移、リンパ節鞍多、骨髄転移を 起こしやすい。十分な切除と術後放射線 療法によって再発率は40%以下に抑え られる。  Wt年雀冷15責趾、 』重蜘5㎝以」二、 四肢末端に発症するもの以外ほ予後不良 であるe  組織学的には、癌細胞に類似した epithelial ce11、線維肉腫様のspindle ce11、未分化のstr㎝al cellに分けられ、

一72一

(3)

平成17年10月1日 細胞の組成によってbiphasic type, monophasic fibrous type, monophasic epitherial type, poorly differentiated typeに分類される。  免疫組織化学的には上皮性マーカー (サイトケラチン・epitherial me血brane antigen)陽性、神経系マーカー(SlOO) 陰性、平滑筋マv・一・・カー(デスミン・snK)oth muscle actin)陰性である。また9(跳以 上の症例でt(X;18)(p11.2;qll.2)とい う転座が認められる2)。組織学的予後不 良因子として、低分化成分20%以上、横 紋筋肉腫様細胞(+)、広範な壊死、核分裂 像が多い、高い核異型度などがあげられ る。  本症例は胸腔内原発の滑膜肉腫で、す でに胸膜播種をきたしていたと考えられ る。        引用文献 1)Franz M Enzinger, Sharon W. Weiss. Soft Ti ssue Tumors. St. Louis:MOsby; 1988: 1482−1509 2)Colwell AS, D’Cunha J, Vargas SO, et a1. Synovial sarcoma of the pleura: a clinical and pathologic study of three cases. J Thorac Cardiovase Surg. 20020ct; 124(4); 828−832

一73一

参照

関連したドキュメント

シークエンシング技術の飛躍的な進歩により、全ゲノムシークエンスを決定す る研究が盛んに行われるようになったが、その研究から

[r]

(表2)。J-CAPRAポイントを合計したJ-CAPRA スコアについて,4以上の症例でPFSに有意差

にて優れることが報告された 5, 6) .しかし,同症例の中 でも巨脾症例になると PLS は HALS と比較して有意に

 仮定2.癌の進行が信頼を持ってモニターできる

血は約60cmの落差により貯血槽に吸引される.数

 単一の検査項目では血清CK値と血清乳酸値に

mentofintercostalmuscle,andl5%inthepatientswiththeinvolvementofribormore(parietal