JAIST Repository: 酸処理によるZSM-5ゼオライトの再生
2
0
0
全文
(2) 酸処理による ZSM-5 ゼオライトの再生. 宇野 由香 1.. (佐野研究室). 緒言 ゼオライトの固体酸性などの物理的化学的性質は、骨格構造中の四配位ア ルミニウム量に大きく依存する。そのためゼオライトの改質という点からゼオライト骨格 構造中のアルミニウム量の制御は大変重要であり、脱アルミニウム及びその逆反応にあた るリアルミネーションが幅広く検討されている。中でも骨格構造外アルミニウム種をゼオ ライト骨格構造へ再度挿入するリアルミネーションはゼオライト触媒の再生につながるた め、最近特に興味を持たれている。 当研究室においてもゼオライトの脱アルミニウムリアルミネーション挙動を検討しており、この過程で酸処理によるリアルミネーションの 可能性を見いだした。この方法は、これまで報告されているアルカリ水溶液を用いるリア ルミネーションと異なり、骨格構造 (SiO2) の破壊も少ない。本研究では、酸処理による リアルミネーションに関するさらなる知見を得るために、酸の種類や処理時間などのリア ルミネーション条件および酸処理前後のゼオライトの触媒活性について詳細に検討した。 2. 実験 ZSM-5 ゼオライト (SiO2/Al2O3=69) はテトラプロピルアンモニウムブロミド を用いて通常の水熱合成法により調製した。HZSM-5 の脱アルミニウム処理は通常の電気 炉を用いて 600 ℃・48h の条件で行った。これらのゼオライトの酸処理は、ゼオライト 1g に対して種々の酸 100ml を用いて 100 ℃・48∼360h の条件で行った。酸処理前後のゼオ ライト骨格構造中のアルミニウム量は 27Al MAS NMR を用いて測定した。また、クメン 分解反応は通常の固定床流通式反応装置を用いて 250 ℃で行った。生成物の分析はオンラ イン GC で行った。3. 結果および考察 まず、骨格構造外アルミニウム種の再挿入に及ぼ す酸の種類の影響について検討した。Table1 には種々の酸を用いて処理した後のゼオライ ト骨格構造中の四配位 Al 残存率を示す。いずれの酸を用いた場合もその残存率は増加し たが、HCl 水溶液の場合に最も高い残存率が得られた。なお、NH4NO3,AlCl3,Al(NO3)3 , Al2(SO4)3 水溶液を用いた場合にも四配位 Al 残存率は増大した。 Fig. 1 には酸処 理前後の HZSM-5 ゼオライトのクメン分解反応の一次速度定数を示す。なお、比較のた め種々の SiO2/Al2O3 比を有する HZSM-5 の速度定数も併せて示す。図から明らかのよ うに骨格構造中のアルミニウム量と一次速度定数との間には直線関係が得られ、脱アルミ ニウム処理後減少したゼオライトの一次速度定数は酸処理により増大した。クメン分解 活性はブレンステッド酸量とともに増大することを考慮すれば、このことは酸処理により Al の再挿入が進行し脱アルミニウム処理前の HZSM-5 と同一の酸点が再形成されたこと を示している。 以上の結果から、酸処理により骨格構造外アルミニウム種の一部が再挿 入すること、すなわち酸処理は ZSM-5 ゼオライト触媒の再生に有効な方法であることが 明らかとなった。 図は 平成 10 年度修士論文研究発表要旨集参照 keywords. ゼオライト、リアルミネーション、酸処理. Copyright c 1999 by Yuka Uno.
(3)
関連したドキュメント
ゼオライトが充填されている吸着層を通過させることにより、超臨界状態で吸着分離を行うもので ある。
方法 理論的妥当性および先行研究の結果に基づいて,日常生活動作を構成する7動作領域より
算処理の効率化のliM点において従来よりも優れたモデリング手法について提案した.lMil9f
このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう
工場設備の計測装置(燃料ガス発熱量計)と表示装置(新たに設置した燃料ガス 発熱量計)における燃料ガス発熱量を比較した結果を図 4-2-1-5 に示す。図
ㅡ故障の内容によりまして、弊社の都合により「一部代替部品を使わ
平成30年 度秋 季調 査 より 、5地 点で 調査 を 実施 した ( 図 8-2( 227ペー ジ) 参照
行ない難いことを当然予想している制度であり︑