• 検索結果がありません。

学位(博士-甲)論文審査結果の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位(博士-甲)論文審査結果の要旨"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

氏 名 ・(本籍) 新保 知規(新潟県)

専 攻 分 野 の 名 称 博士(医学)

学 位 記 番 号 医博甲第 934 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 22 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項該当 研 究 科 ・ 専 攻 医学系研究科医学専攻

学 位 論 文 題 名 In vitro effect of nicorandil on the carbachol-induced contraction of the lower

esophageal sphincter of the rat

(カルバコールによって収縮させたラット下部食道括約筋に対する ニコランジルの抑制作用)

論 文 審 査 委 員 (主査) 教授 吉冨 健志

(副査) 教授 飯島 克則 教授 本山 悟

Akita University

(2)

学 位 論 文 内 容 要 旨

In vitro effect of nicorandil on the carbachol -induced contraction of the lower esophageal sphincter of the rat

( カ ル バ コ ー ル に よ っ て 収 縮 さ せ た ラ ッ ト 下 部 食 道 括 約 筋 に 対 す る ニ コ ラ ン ジ ル の 抑 制 作 用 )

申 請 者 氏 名 新 保 知 規

研 究 目 的

下 部 食 道 括 約 筋(Lower Esophageal Sphincter, LES)は 食 道 か ら 胃 へ の 移 行 部 に 位 置 し 、 輪 状 及 び 縦 走 平 滑 筋 か ら な る 構 造 を し て い る 。LESは 食 道 か ら 胃 へ の 食 物 通 過 を 促 進 す る 一 方 で 、 胃 か ら 食 道 へ の 胃 内 容 物 の 逆 流 を 防 ぐ 等 重 要 な 役 割 を 担 っ て お り 、 そ の 機 能 は 自 律 神 経 系 や 神 経 因 性 物 質 に よ り 制 御 さ れ て い る 。 中 で も 、 一 酸 化 窒 素(Nitric oxide, NO)は 抑 制 性 の 神 経 伝 達 物 質 と し て 自 律 神 経 末 端 よ り 分 泌 さ れ る の み な ら ず 、 平 滑 筋 に よ り 合 成 ・ 分 泌 さ れ 、 平 滑 筋 細 胞 に 存 在 す る Ca 依 存 性 K チ ャ ネ ル を 活 性 化 さ せ て 筋 弛 緩 を も た ら す こ と が 報 告 さ れ て い る 。 日 常 臨 床 に お い て み ら れ る 痙 性 括 約 筋 機 能 障 害 に お い て 、 亜 硝 酸 剤 や Ca 抗 薬 が し ば し ば 著 効 を 示 す こ と が 知 ら れ て お り 、 内 因 性 NO の み な ら ず 外 か ら 投 与 し た NO LES の 弛 緩 を も た ら す こ と が 期 待 さ れ る 。Nicorandil NO ド ナ ー と し て の 役 割 と KATP

チ ャ ネ ル ア ゴ ニ ス ト と し て の 役 割 を 有 す る 薬 物 と し て 開 発 さ れ 、 血 管 拡 張 薬 と し て 主 に 狭 心 症 の 治 療 に 用 い ら れ て い る 。 し か し な が ら 、LES に 対 す る Nicorandil の 効 果 に つ い て は 未 だ 報 告 さ れ て い な い 。

本 研 究 で は 、下 部 食 道 平 滑 筋 に 対 す る Nicorandil の 作 用 と そ の 機 序 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し 、1) ラ ッ ト 下 部 食 道 の リ ン グ 標 本 を 用 い た 収 縮 張 力 の 測 定 、お よ び 2) RT-PCR法 、 免 疫 組 織 染 色 に よ る KATPチ ャ ネ ル サ ブ ユ ニ ッ ト の 同 定 を お こ な っ た 。

研 究 方 法

研 究 に は 、 体 重 230-520g の 雄 Wistar ラ ッ ト を 用 い た 。 ペ ン ト バ ル ビ タ ー ル 腹 腔 内 投 与

50mg/kg)に よ る 麻 酔 後 に 食 道 か ら 胃 上 部 ま で を 一 括 し て 摘 出 し 、幅 3mm LES リ ン グ 標 本 を 作 製 し た 。LES 標 本 を 実 験 槽 に 移 し た 後 、 一 端 を 実 験 槽 に 固 定 し 、 他 端 は 張 力 測 定 用 の ト ラ ン ス デ ュ ー サ ー に 接 続 し た 。実 験 槽 に は 酸 素 化 し た タ イ ロ ー ド 液 を 灌 流 し 35℃ に 維 持 す

る と と も に 、リ ン グ 標 本 の 静 止 張 力 が 1gと な る よ う 負 荷 を か け 、1時 間 以 上 安 定 し た こ と を 確 認 し 、 各 種 薬 物 の 投 与 実 験 を 開 始 し た 。

KAT Pチ ャ ネ ル の 2種 類 の サ ブ ユ ニ ッ ト (Kir6.x 及 び SURx) の 同 定 は 、RT-PCR 法 及 び 免 疫 組 織 染 色 に よ り お こ な っ た 。RT-PCR 法 お い て は 、KCNJ8 (Kir6.1)、KCNJ11 (Kir6.2) ABCC8 (SUR1) 及 び ABCC9 (SUR2)に 対 す る プ ラ イ マ ー を 作 成 し 、 上 部 、 中 部 及 び 下 部 食 道 標 本 に 対 し て サ ブ ユ ニ ッ ト の 検 出 を お こ な っ た 。 ま た 、 そ れ ぞ れ の サ ブ ユ ニ ッ ト に 対 す る 抗 体 を 用 い て 免 疫 組 織 染 色 を お こ な っ た 。

研 究 成 績

LES リ ン グ 標 本 を 用 い た 収 縮 測 定 実 験 の 結 果 は 次 の 通 り で あ る 。

1. カ ル バ コ ー ル に よ っ て 予 め 収 縮 さ せ た ラ ッ ト LES標 本 に 対 し て 、KA T Pチ ャ ネ ル 開 口 薬 で あ る Nicorandil、Diazoxide、Pinacidil は い ず れ も 用 量 依 存 的 に 弛 緩 作 用 を 示 し 、 そ の 50%抑 制 濃 度 (IC5 0) は 、Pinacidil (1.2 M) >> Nicorandil (37.4 M) > Diazoxide (83.8 M) の 順 で あ っ た 。 こ れ は 、 平 滑 筋 型 KAT Pチ ャ ネ ル (SUR2B/Kir6.2) に お い て 報 告 さ れ て い る 値 と 同 等 で あ っ た 。

2. Nicorandilの 弛 緩 作 用 は 、KAT Pチ ャ ネ ル 阻 害 薬 Glibenclamide に よ り 有 意 に 抑 制 さ れ た が 、 そ の 効 果 は 最 大 濃 度 (100 M) に お い て も 50%程 度 で あ っ た 。 一 方 、 グ ア ニ ル 酸 シ ク ラ ー ゼ 阻 害 薬 (1H-[1,2,4]oxadiazolo[4,3-a]quinoxalin-1-one, ODQ) や Ca 性 化 K チ ャ ネ ル 阻 害 薬 iberiotoxin Nicorandilの 弛 緩 作 用 に 対 し て 無 効 で あ っ た 。 3. NO ド ナ ー で あ る sodium nitroprusside(SNP) は 、 カ ル バ コ ー ル に よ っ て 予 め 収 縮 さ

せ た LES を 用 量 依 存 的 に 弛 緩 さ せ 、 そ の 作 用 は ODQ に よ り 抑 制 さ れ た も の の 、Ca 活 性 化 K チ ャ ネ ル 阻 害 薬 (iberiotoxin, charybdotoxin) は 無 効 で あ っ た 。

4. K液 で 収 縮 さ せ た LES に 対 す る 効 果 を 検 討 し た と こ ろ 、Ca拮 抗 薬 Nifedipineは 有 意 に 弛 緩 さ せ た が 、Nicorandil及 び SNP は 弛 緩 作 用 を 示 さ な か っ た 。

以 上 の こ と か ら 、Nicorandil LES 弛 緩 作 用 は 主 と し て KATPチ ャ ネ ル の 活 性 化 に よ る と 考 え ら れ た 。ま た 、KATPチ ャ ネ ル 及 び Ca 依 存 性 K チ ャ ネ ル 以 外 の K チ ャ ネ ル が 、Nicorandil LES 弛 緩 作 用 に 部 分 的 に 関 与 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。

RT-PCR 法 及 び 免 疫 組 織 染 色 に お い て は 、SUR1、SUR2、Kir6.1、Kir6.2 い ず れ も 存 在 す る こ と が 示 さ れ た 。

結 論

Nicorandil は 、 予 め カ ル バ コ ー ル に よ っ て 収 縮 さ せ た ラ ッ ト LES を 用 量 依 存 的 に 弛 緩 さ せ た 。Nicorandil に よ る LES 弛 緩 作 用 は 主 と し て 平 滑 筋 型 KATPチ ャ ネ ル (SUR2B/Kir6.2) の 活 性 化 に よ る と 考 え ら れ 、 さ ら に KATPチ ャ ネ ル 及 び Ca 依 存 性 K チ ャ ネ ル 以 外 の K チ ャ ネ ル が 、Nicorandilの 弛 緩 作 用 に 関 与 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。

Akita University

(3)

学位(博士-甲)論文審査結果の要旨

主 査: 吉冨 健志

申請者: 新保 知規

論文題名: In vitro effect of nicorandil on the carbachol-induced contraction of the lower esophageal sphincter of the rat.(カルバコールによって収縮させたラット下部食道括約筋に対 するニコランジルの抑制作用)

要旨 下部食道括約筋(Lower Esophageal Sphincter, LES) 食道から胃への移行部に位置し、

食道から胃への食物通過を促進する一方で、胃から食道への胃内容物の逆流を防ぐ重要 な役割を担っている。著者の研究は、LES に対する Nicorandil の影響を検討したもので ある。この薬剤は NO ドナーとしての役割とKATP チャネルアゴニストとしての役割を 有する薬物として開発され、血管拡張薬として主に狭心症の治療に用いられている。し かしながら、LES 対する Nicorandil 効果については未だ報告されていない。本研 究では、ラット下部食道のリング標本を用いた収縮張力の測定を行ってNicorandilの効果 を調べると同時に、RT‐ PCR 、免疫組織染色によるKATP ヤネルサブユニットの 同定を行い、作用機序の検討を行った。

本論文の斬新さ,重要性,実験方法の正確性,表現の明瞭さは以下の通りである。

) 斬新さ

この研究では、雄Wistarラットを用いて幅3mmLESリング標本を作製し、カルバコー

ルによって予め収縮させたラットLES標本に対するNicorandilの弛緩作用をさまざまな薬 剤を用いてその作用機序を詳細に検討したもので、非常に意義のあるものと考えられる。

本研究の斬新生はNicorandilLESに対する作用を初めて明らかにしたことにある。すな わちNicorandilは平滑筋型KATPヤネル(SUR2B/Kir6.2)の活性化でLESを弛緩させる。

さらにKATPチャネル及びCa依存性Kチャネル以外のKチャネルもNicorandilの弛緩作 用に関与していることを示唆している。

2)重要性

常にLESが収縮した状態にある食道アカラシアについての薬物治療は、まだ不十分なもの がある。今回の研究では少なくとも Nicorandil が平滑筋型 KATP チャネル(SUR2B/Kir6.2) の活性化という薬理作用でLES弛緩に働くことが明らかになった。この薬剤が、LESに作 用することを示したこの研究は将来的な食道アカラシア治療を考える上で臨床上も重要 であると考えられる。

3)実験方法の正確性

LESリング標本を用いた収縮測定実験は既に著者らのグループが開発し,報告した方法を 用いている。さらにKATPチヤネルの2種類のサブユニット(Kir6.x及びSURx)の同定には、

RT¨ PCR法及び免疫組織染色によりおこなっっており、この方法にも特に問題はなく、統

計学的検討も加えられており,客観的な評価法で,正確性があると考えられる。

4)表現の明瞭さ

ラットLES標本に対するNicorandilの弛緩作用をを明らかにするための研究目的,方法,

実験結果,考察を簡潔,明瞭に記載していると考える。

以上述べたように,本論文は学位を授与するに十分値する研究と判定された。

Akita University

参照

関連したドキュメント

調査したのはいわき中央 IC から郡山方面への 50Km の区間である。調査結果を表1に示す。

 介護問題研究は、介護者の負担軽減を目的とし、負担 に影響する要因やストレスを追究するが、普遍的結論を

厳密にいえば博物館法に定められた博物館ですらな

必要な食物を購入したり,寺院の現金を村民や他

製品開発者は、 JPCERT/CC から脆弱性関連情報を受け取ったら、ソフトウエア 製品への影響を調査し、脆弱性検証を行い、その結果を

はありますが、これまでの 40 人から 35

 本計画では、子どもの頃から食に関する正確な知識を提供することで、健全な食生活

 食育推進公開研修会を開催し、2年 道徳では食べ物の大切さや感謝の心に