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学 位 記 番 号 都市環境博 第

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 佐藤

サ ト ウ

ジュン

所 属 都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 都市基盤環境学域 学 位 の 種 類 博士(工学)

学 位 記 番 号 都市環境博 第

143

号 学位授与の日付 平成

27

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 低強度地山での曲面切羽全断面掘削早期閉合工法と支保構造に関 する研究

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 西村 和夫 委員 准教授 吉嶺 充俊 委員 准教授 小田 義也

【論文の内容の要旨】

近年,トンネルの施工機械の大型化が進行しており,掘削断面を小さく分割するよりも 極力大きくして掘削効率を向上させる全断面掘削工法が採用される傾向にある.また,日 本高速道路株式会社(NEXCO)の設計要領第三集では以前,全断面掘削の適用を地山等級

A,

B

に限定していたが,平成

25

7

月の改訂で限定を解除し,適用範囲を拡大する方針を示 した.このように全断面掘削の適用地質が拡大され,多く採用されるものの,全断面掘削 における切羽(トンネルの掘削している正面の地山面)の安定化工法,低強度地山におけ る支保構造および掘削工法の選定手法には確立されたものがないのが現状である.

一方,切羽面を直平面ではなく地山側に追い込んで曲面にする曲面切羽は切羽自体をア ーチ構造とし,その安定性を向上させようとするもので数値解析,光弾性試験,模型実験 等により安定性の検証が行われてきた.しかし,実現場での採用は硬岩および均一な泥岩 での機械掘削の二例のみであり,オーバーハングした無支保(地山に支えを施していない 状態)下での作業になることから,低強度地山では切羽崩壊などへの懸念によって採用さ れた事例はこれまで皆無であった.このため,新東名自動車道富士川トンネルでの設計,

施工を踏まえ,中部横断自動車道八之尻トンネルでの設計,施工において曲面切羽全断面 掘削早期閉合工法の試験施工を実施した.

本論文では,新東名富士川トンネルと中部横断自動車道八之尻トンネルの設計,施工に 際して実施した試験施工,数値解析,計測・観察および室内模型実験の結果に基づき,曲 面切羽の安定性,施工性および早期閉合効果について検証し,その効果を明らかにした.

また,低強度地山の地山強度比(掘削位置での鉛直応力と地山強度の比)を指標とする曲

面切羽全断面掘削早期閉合工法の支保構造および早期閉合距離について提案した.

(2)

本論文は

6

章から構成され,各章の概要は以下の通りである.

第一章では研究の背景と必要性,用語の定義,論文構成を示した.

第二章では曲面切羽の安定効果に関する検討を行った.その結果,模型実験からは曲面 切羽では簡易な切羽補強で切羽の安定性が格段に向上することが確認された.試験施工,

数値解析,計測・観察からは,曲面切羽は変位抑制効果があり,地山の最大主応力分布よ り地山および切羽の安定性が直面切羽に比較して向上することが確認された.また,切羽 に施工する吹付けコンクリート厚さが通常の直面切羽より薄くても曲面切羽が安定するこ とが確認され,作業員からのヒアリング調査からは通常の直面切羽よりも作業位置が切羽 面から離れるため,施工性に優れていることが確認された.さらに,3D レーザースキャナ ーの切羽形状測定結果から,掘削目標とする標準曲面切羽形状を定量的に決定した.

第三章では低強度地山での掘削工法と早期閉合効果に関する検討を行った.早期閉合距 離などに関する試験施工も実施し,地山強度比を指標とする最適な早期閉合距離,早期閉 合区間単位を決定し,提案した.また,富士川トンネルにおいて,切羽中央付近に

TBM(Tunnel Boring Machine)導坑を先行して設ける,TBM

導坑上半拡幅掘削工法と早期

閉合を組み合わせて施工して切羽閉合効果を確認し,中央導坑先進上半拡幅掘削工法によ る切羽閉合工法も有効であることを示した.

第四章では低強度地山での支保構造の提案を行った.八之尻トンネルでは,当初,極低 強度地山の区間の出現が想定されたため,過去の事例と,地山強度比と土被り相当高さの 関係から支保作用土圧を想定し,その土圧に対して吹付けコンクリートのリング構造の耐 力で均衡させることとして,厚肉円筒理論により高強度吹付けコンクリートの必要厚さを 算出する支保設計を行った.しかし,支保耐力不足,インバートと下半の鋼製支保工の接 続部の構造上の問題と想定される要因によって支保構造に変状が多発した.このため,二 重支保工を採用し,支保耐力,剛性の向上を図った.これらの支保構造の変更経緯および 計測データにより,支保変状要因の詳細分析を行った.その結果,初期変位速度と支保変 状発生の関係を明らかにできた.また,吹付けコンクリート発生軸応力から支保作用土圧 を推定し,地山強度比との関係から地山強度比を大きく

4

つの区分に分けて支保構造を決 定する方法を中央導坑方式も含めて示し,合わせて,その現場修正法も提案した.

第五章では低強度地山での中央導坑の支保効果を考慮した支保設計法について提案した.

第四章で提案した中央導坑先進上半拡幅掘削工法における支保設計法について,新東名富 士川トンネル入山断層の

TBM

導坑先進上半拡幅掘削工法における支保設計,計測の結果を 基に検討し,定量的に支保規模が決定できる

TBM

導坑の地山応力解放効果を考慮した新た な支保設計法について提案した.

第六章では本研究で得られた知見と今後の課題を述べた.

参照

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