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学 位 記 番 号 都市環境博 第

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Academic year: 2021

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氏 名 田

ジョン

ヨン

イル

所 属 都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 都市システム科学域 学 位 の 種 類 博士(都市科学)

学 位 記 番 号 都市環境博 第

149

号 学位授与の日付 平成

27

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 がん拠点病院におけるサポーティブケアに対応した施設計画に関す る研究

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 竹宮 健司 委員 教 授 玉川 英則 委員 准教授 山本 薫子

【論文の内容の要旨】

悪性新生物(がん)は,1981 年以来,日本人の死因の第

1

位である.国は,2006 年に がん対策基本法を制定し,国・地方公共団体等の責務を明確にするとともに, 「がん対策推 進基本計画」を策定した.この計画に基づき,がん対策を担う医療施設をがん診療連携拠 点病院として指定した.2014 年

10

月時点で,全国で

397

施設が指定を受けている.

同計画の重点課題には,がん患者とその家族が可能な限り質の高い生活を送れるよう に, 「治療の初期段階からの緩和ケアの実施」と「がんに関する相談支援と情報提供」が掲 げられており,がん診療連携拠点病院には,緩和ケアチームと相談支援センターを整備す ることが指定要件として定められている.しかし,緩和ケアチームの活動に対応した施設 環境の整備については指針が示されていない.また,がん患者とその家族が抱く様々な不 安や疑問にきめ細やかに対応する「相談支援」 ,がんに関する最新の情報を正しく提供する

「情報支援」 ,がん経験者によるピア・サポート等の「交流支援」を提供するための空間に ついては,充分な検討がなされていない.

そこで,本論文では,がん治療の初期段階からの緩和ケアの提供とがん患者とその家族 への情報・相談・交流支援をサポーティブケアと定義し,がん拠点病院におけるサポーテ ィブケアに対応した施設計画要件を提示することを目的とする.

本論文は,以下の5章により構成されている.

第1章では,研究の背景として,日本のがん対策の経緯とがん診療連携拠点病院の整備 状況を整理するとともに,既往研究を整理した上で本研究の位置づけを明確にし,研究目 的,研究方法,研究の構成を述べた.

第2章では,がん診療連携拠点病院を対象として,緩和ケアチームの活動実態調査を

3

(2)

施設で,緩和ケアチームスタッフへのヒアリング調査を

2

施設で行った.緩和ケアチーム の構成,活動内容および活動拠点の整備状況を明らかにした.活動内容は,患者との問診,カ ルテ確認・記録,スタッフ間の会話が中心であり,活動時間の5割を占めた.活動場所は,

病室,ナースステーション,廊下が5割以上を占めた.緩和ケアチームのための環境整備 として,病室での問診やナースステーション・廊下における活動に対応した広さや空間構 成,外来・入院患者への緩和ケア提供を想定した活動拠点の配置,チームメンバーの相互 交流や専門性に留意した拠点の空間構成,が求められていることを示した.

第3章では,全国のがん診療連携拠点病院の情報・相談・交流支援の体制と活動の実態 を明らかにし,特徴的な支援を実践しているがん診療連携拠点病院における情報・相談・

交流支援の提供体制とそれらに対応した空間構成について明らかにすることを目的とした.

まず,国立がん研究センターがん対策情報センターが公開しているがん診療連携拠点病院 の現況報告書を基に,全

397

施設の情報・相談・交流支援の概況を分析した.次に,がん 診療連携拠点病院内の交流支援の状況を把握するため,25 都道府県の

140

のがんサロンを 対象に電話によるヒアリング調査を実施し,がんサロンの設置場所,運営主体,活動頻度 などの現況を明らかにした.さらに,上記の調査結果を基に,特徴的な支援活動を実践す るがん診療連携拠点病院5施設を選出し,訪問ヒアリング調査を実施し,情報・相談・交流支 援体制と活動場所の諸室構成や利用実態を明らかにした.これらの実態分析から,がん患者 と家族の多様なニーズを的確に把握し,情報・相談・交流支援を包括的に提供する体制と,

がん患者と家族の心理的な側面を考慮した空間構成が求められていることを示した.情報 支援のための空間は,より専門的な情報にアクセスしやすい院内配置と諸室構成であるこ と,相談支援のためには,利用者が立ち寄りやすい院内配置と空間構成であること,交流 支援のためには,がんの経験を共有するために,利用者が緊張せずに過ごすことのできる 空間構成であること,の有効性が示唆された.

第4章では,患者の交流支援の場である「がんサロン」について,全国の運営状況を明 らかにすると共に,日本で最初にがんサロンが開設され,施設数の最も多い島根県のがん サロンを対象として,運営概要・活動内容・諸室構成を明らかにした.島根県内のがんサ ロン9事例の分析からは,患者・家族が主催者となりお茶会を中心とした運営がなされ,

利用者の年齢は幅広く分布していることを明らかにした.サロンの空間構成については,

利用者がお茶をのみながら話をしやすい家具配置,キッチン給湯設置,多様な活動内容・

集団規模に対応できる広さ,体力低下や長時間の姿勢保持が困難さ利用者に配置した家 具,の有用性が示唆された.

第5章では,各章で得た知見をまとめ,これからのがん拠点病院における,サポーティ

ブケアに対応した施設計画要件を示した.

参照

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