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学 位 記 番 号 都市環境博 第

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 水谷

み ず た に

よ し

か つ

所 属 都市環境科学研究科都市環境科学専攻建築学域 学 位 の 種 類 博士(工学)

学 位 記 番 号 都市環境博 第

206

号 学位授与の日付 平成

29

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 炭酸化進行度に基づく

ALC

パネルの健全度評価に関する研究 論 文 審 査 委 員 主査 橘高 義典 教 授

委員 北山 和宏 教 授 委員 壁谷澤 寿一 准教授

【論文の内容の要旨】

ALC

パネルは,昭和

30

年代後半に北欧より日本に技術導入され,昭和

40

年代に生産が 本格化し、その後、法的条件の具備や,規格基準類の整備が進むと共に,拡大生産の一途 を辿った。

ALC

パネルの生産量は,経済産業省窯業・建材統計によると,バブル期の

436

m3/

年をピークに,統計が開始された昭和

41

(1966

)

より現在までの累計生産量が

1

m3

超となっており,これら

ALC

パネルは,

20

30

年ほど前に製造出荷されたものを 中心に,現在も建物としてストックされていると推定される。

天然資源を多量に消費する新築に対し,環境共生の観点から建築物の長寿命化を図るこ とが求められており,そのための建築物の維持・管理に関する技術・知見に注目が集めら れている。鉄骨造を中心に多用されてきた

ALC

パネルに関しても,経年による性能変化の 評価方法ならびに,評価に見合ったメンテナンス方法の確立が求められている。

ALC

パ ネ ル の 経 年 変 化 の 要 因 の 一 つ に 炭 酸 化 が あ り , 主 要 鉱 物 の ト バ モ ラ イ ト

(tobermorite)

CO2

と結合し,トバモライトの結晶構造が徐々に崩壊する。トバモライト の崩壊割合に応じて

ALC

の強度が低下するため,

ALC

中の炭酸カルシウム含有割合を経年 変化の指標としたフィールド調査も行われている。しかし,フィールドにおける経年変化 では他の要因も複合的に作用することも考えられるため,炭酸化と経年変化の関係を検討 する場合には,炭酸化以外の要因の影響を除外する必要がある。

ALC

の炭酸化に関する既往の調査研究では,小片試料による

ALC

素材の研究が主であり,

実大寸法パネルの促進炭酸化による性能変化に関する研究報告は限定されている。そこで 本研究では,要因を炭酸化に限定した

ALC

パネルの促進炭酸化を行い,炭酸化が

ALC

な らびに

ALC

パネルの性状に及ぼす変化について確認した。

本研究は,

ALC

の炭酸化の進行度合い

(

炭酸化進行度

:CPD)

を指標とした,

ALC

パネルの

(2)

性状変化を確認するとともに,炭酸化の状況に応じたメンテナンス計画に供する技術的情 報を得ることを目的としている。

1

章「序論」は,研究の目的と背景を示し,更に,

ALC

パネルの炭酸化に関する既往 の研究について示すとともに本研究の範囲について示した。

2

章「飽和炭酸化状態に基づいた

ALC

の炭酸化進行度の測定方法の提案」では,異な る製造履歴を有する

ALC

の炭酸化反応の進行度合いを相対的に比較できる指標

(

炭酸化進

行度

:CPD)

並びに,その測定方法について示すとともに,その測定方法による建物に使用さ

れた

ALC

の炭酸化進行度の測定例を示した。

3

章「促進炭酸化が

ALC

の強度に及ぼす影響」では,促進炭酸化が

ALC

の圧縮強度,

曲げ強度およびヤング係数に及ぼす影響について示すとともに,本研究にて行った促進炭 酸化とフィールドにおける炭酸化の違いが

ALC

の強度物性に与える影響について示した。

4

章「促進炭酸化した

ALC

の熱特性」では,促進炭酸化が

ALC

の断熱性能

(

熱伝導率

)

に与える影響について示すとともに,建築基準法に規定される

ALC

の耐火性能に与える促 進炭酸化の影響について示した。

5

章「炭酸化が進行した

ALC

における各種仕上塗材の炭酸化抑制効果」では,

ALC

パネルのメンテナンスを想定し,既に一定量の炭酸化が進行した

ALC

に対する各種仕上げ 材の炭酸化の抑制効果について示した。

6

章「

ALC

の促進炭酸化がタイルの接着強さに及ぼす影響」では,タイル張り仕上げ が施された

ALC

について,促進炭酸化による

ALC

の強度性状の変化が,タイルの剥落安 全性に及ぼす影響について示した。

7

章「促進炭酸化が

ALC

パネルの曲げ性状に及ぼす影響」では,促進炭酸化した

ALC

パネルの曲げ試験を行い,促進炭酸化が

ALC

パネルの曲げひび割れ荷重ならびに曲げ剛性 に及ぼす影響について,炭酸化の進行度合いならびにパネルの配筋状況との関係を示した。

また,曲げひび割れ荷重の変化に影響を与えると考えられる

ALC

の炭酸化収縮によるパネ ル内部の歪み度の変化との関係も,実験的検証を加えて示した。

8

章「炭酸化進行度に基づく

ALC

パネルの健全度評価方法の検討」では,以上の研究 成果に基づき,炭酸化の進行度合いを指標とした

ALC

パネルの健全度の評価方法を提案す るとともに,メンテナンス方法について提案を行った。

9

章「結論」では,本論文における研究成果を総括し,本研究の結論とした。

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