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学 位 記 番 号 都市環境博 第

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Academic year: 2021

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全文

(1)

氏 名 張

ジャン

埈 赫

ジュンヒョク

所 属 都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 分子応用化学域 学 位 の 種 類 博士(工学)

学 位 記 番 号 都市環境博 第

152

号 学位授与の日付 平成

27

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名

Study on Meso-scale Order Structure Formed by Dissipative Process From Immiscible Polymer Blend Solutions

(非相溶系高分子ブレンド溶液の散逸過程で形成するメゾスケール規

則構造)

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 吉田 博久 委員 准教授 高木 慎介 委員 准教授 武井 孝 委員 准教授 山登 正文

【論文の内容の要旨】

材料の使用目的に応じて分子や原子レベルから階層的に積み重ねて、

nm

から サイズ の構造を構築する方法は、新素材を開発するための重要な技術の一つである。ボトムアッ プ型の

nm

サイズの構造構築の例として、両親媒性ブロック共重合体の相分離が形成する 熱力学的平衡構造であるナノシリンダーアレイがある。しかし、分子鎖の回転半径で制御 可能なサイズが決まり、数百 nm 以上のメゾスケールの規則構造は実現が困難である。ブ ロック共重合体に比べて、エントロピー的な自由度が大きい高分子ブレンドは工業的にも 多く用いられている手法で、nm から

mm

スケールの相分離構造を形成する。しかし、高 分子ブレンドの相分離構造は、サイズと配列を制御することが最大の課題になる。

本学位論文では、非相溶系高分子ブレンド溶液の散逸過程で形成する スケールの規則構 造の制御方法を提案し、さらに無機ナノ粒子を特定の相に選択配列させることで新機能性 材料の実現について検討した。

本論文は

7

章から構成され、第1章および第

7

章は本論文全体の序論と結論である。

2

章では、非相溶系高分子ブレンドの相分離界面のキャラクタリゼーションについて

検討した。原子間力顕微鏡(AFM)と示差走査熱量測定(DSC)を用いて、ニトリルゴム/スチ

レンブタジエンゴム(NBR/SBR)とイソプレンゴム/ブタジエンゴム(IR/BR)ブレンドの相分

離構造と界面を評価した。

AFM

位相像のヒストグラム解析から相分離構造と位相角差から

混合性に関する情報を抽出し、相分離界面の厚みと組成勾配を線分析から得た。DSC 測定

(2)

から界面相の体積組成を求めて両者の相関を評価した。非相溶系ブレンドの相分離構造と 相分離界面の新しい定量的評価方法を提案した。

3

章では、非相溶性高分子ブレンド系の散逸過程で形成する スケールの規則構造に ついて記述した。

NBR/SBR

ブレンドのトルエン溶液は強偏析系で、室温で

3

日間静置する と液/液相分離する。平衡相分離した均一な上層溶液は

SBR rich

溶液であり、下層溶液は

NBR rich

溶液であった。均一な上層溶液を基板上に溶媒キャストすることで、 スケー

ルの

NBR

球状ドメインが

SBR

マトリクス中にヘキサゴナルに規則配列した構造を見出し た。高分子溶液濃度、溶媒の種類、ブレンド組成の最適化により、

NBR/SBR

以外に

NBR/BR

PMMA/BR

系でも スケールの規則構造を形成することに成功した。ブレンド組成と

蒸発速度を調整することでメゾスケールの規則構造を制御することが可能である。

4

章では、

NBR/SBR

ブレンド溶液の散逸過程で形成するメゾスケールの規則構造の階

層構造と形成メカニズムについて記述した。

NBR/SBR

ブレンドのトルエン溶液の平衡相分 離した均一な上層溶液をシリコン基板上に滴下し、溶媒が蒸発する散逸過程で気液界面で の相分離によって球状ドメインが形成する。薄膜表面の

AFM

位相像から規則配列した球状 ドメインは、柔らかいコア(NBR rich 相)と堅いシェル(NBR 相)から構成されている。

断面の

AFM

位相像から気/液界面での

NBR/SBR

ブレンドの相分離によって形成される構 造であることを示唆した。放射光施設(SPring-8)を利用した溶媒乾燥過程の観察から、トル エン溶液からキャストした

NBR

は溶液中で分子鎖が再組織化され、アクリロニトリル成分 が

nm

オーダーの秩序構造を形成し、その構造の凝集によって スケールの球状ドメイン が形成される階層構造であることが明らかになった。

5

章では、高分子ブレンド溶液中での

CB

の選択的分散について記述した。

CB

THF

中で分散するが、トルエン中では沈殿する。しかし、カーボンブラック(CB)のトルエン溶 液中に

NBR

SBR

を添加すると分散する。これは、NBR や

SBR

が溶液中で

CB

の表面 に吸着され、分散剤として働いているためである。

NBR/SBR

ブレンド溶液に

CB

を添加す ると用いた溶媒に依存し、特定の高分子が

CB

に選択的吸着することが分かった。溶液中の 高分子、溶媒、CB 間の親和性を動的光散乱測定(DLS)によって評価を行った。選択吸着は 四体間相互作用のバランスで生じることを明らかにした。

6

章では、

NBR/SBR

の散逸構造と

CB

の選択的分散を利用した導電性

CB

ナノ粒子の マイクロリング形成を検討した。

NBR/SBR/CB/トルエン溶液は溶媒蒸発過程での気/液界面

で生じる相分離によって

NBR

が球状ドメインを形成する。また、トルエン中で親和性が低 い

CB

NBR

同士が選択吸着し、溶媒乾燥後に球状ドメインのシェル側(NBR が最も多く 存在している相)に

CB

ナノ粒子が選択的に配列し、マイクロ

CB

リング構造を形成するこ とが見出した。

本研究では、安価で簡単なプロセスである散逸過程で形成するメゾスケールの規則構造

の新しい製膜方法を提案し、導電性ナノ粒子の高分子ブレンドの選択吸着を利用したマイ

クロ

CB

リングの規則配列制御に成功した。この構造は近赤外線領域の電磁波を波長選択的

(3)

に吸収する材料として利用することができ、サイズや用いる成分の組み合わせを変えるこ

とで新機能性材料としての応用が期待される。

参照

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