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学生交流と大学の国際化

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長崎大学留学生セ ンター紀要 第16200897

学生交流と大学の国際化

一 海外短期語学留学プログラム「 第1 回韓国語研修

を一例として‑

松本 久美子

キー ワー ド :大学の国際化 学生交流 派遣 第

2

外国語 単位認定

は じめ に

独立行政法人化後、国立大学法人は変革 のさなかにあ り、多 くの場合、そ の改革 の柱の一つ に大学 の国際化が挙げ られて いるよ うである。 ここで、 こ の大学 の国際化 を 「 国際的に貢献できる ( 通用する)人材 の育成」 という観 点か ら考える とき、国際教育交流が果たす役割 と可能性は非常に大きい と思 われる。特 に交換留学 を含 めた学生交流がキ ャンパス にもた らす教育的効果 は今後 ます ます注 目され るであろうし、それ に伴って留学生受け入れ と送 り 出 しのバ ランスが重要視 され るようになると考 え られ る。昨今、文部科学省 においても留学生受け入れのみでな く、 日本人学生派遣 について もかな り力 を入れ るよ うになってきている。

長崎大学 においては

2006

年度 に 日本人学生派遣のための 「 長崎大学短期語 学留学プログ ラム

」i

が開設 され

、2006

9

月には中国語研修i i が

、2007

2

月 か ら

3

月にかけては英語研修

ii

iが実施 されている。 これ に続 き、

2007

8

月に

「 第

1

回韓国語研修

が実施 された。 この研修 は基本的 に長崎大学の全学教

育第

2

外国語 「 韓国語

Ⅲ」

を履修 した学生を対象 としてお り、指定 されたコ

ースを修 了し所定 の成績 を収 めると 「 韓国語

Ⅳ 」

の単位が認定 され る ことに

なっている。単位認定対象 となるコースを持つ韓国の協定校は、首都 ソウル

にある慶熊大学校、成均館大学校、梨花女子大学校 の

3

大学である。第

1

目である

2007

年度は慶願大学校国際教育院で実施 された.参加者

4

名は

3

週間

という短い期 間ではあるが、覚書 に則 った交換留学生 として他国か らの参加

者 とともに国際教育院の主催す る夏季短期韓国語研修 に参加 し、多 くの出会

いを通 して様 々な ことを学び成長 した。

(2)

98 学生交流と大学の国際化一海外短期語学留学プログラム「第1回韓国語研修」を一例として‑

筆者は韓国語研修の立ち上げか ら実施 にいたるまで一貫 して係わってきた。

本稿では、学生交流 (日本人学生派遣)と大学 の国際化 とい う観点か ら、「 韓 国 語研修」実施 に至 るまで の経緯 とそ の概要 につ いて述べる とともに「 第 1回韓 国語研修」の実施 内容 について報告 し、若干の考察 を加える。

1.

「 韓 国語研修」の 目的

韓国語研修 の目的は、その実施 に当た り考 え られた ものではない。その立ち 上げの時か ら目的があ り、そ の 目的 を達成す る ことができるよ うな研修 を実 施す るために、協定 を結ぶ大学 の調査、策定、協定締結等が進め られていった。

そ こで、ここではまず、韓国語研修 の基 となるそ の 目的か ら述べていくことと す る。

韓国語研修 の 目的 として、以下 のよ うな ことが挙げ られる。

① 当該言語が母語 として使用 されている国で語学研修 に参加す る こと によ り、実践的な語学 力を養 う。また、その言語の背景 となる文化 を 経験的に学習す ることによ り、韓国に関す る理解 を深める。

② 韓 国や他国の学生 との交流 を通 して、視野 を広げ、多様な ものの見方 や異なるものを受け入れる柔軟性 を身 に付 ける。

③ 語学力がないために留学の機会 を逸 していた学生 に留学の機会 を与 える。

④ 短期語学留学 をきっかけに

1

年間 ( 半年)の交換留学への足がか りと す る。

⑤ 語学研修修 了をもって全学教育科 目第

2

外国語 ( 必修)の単位 ( 1 単位) を認定す る規定 を設ける ことによって、留学 による単位互換 ( 読み替 え)を促進 して行 く一助 とす る。

このように、この研修 の 目的はいわゆる語学力の向上だけでな く、参加学生 に国際社会 もしくは多文化共生社会で生きてい くために必要 とされ る多様性 を受け入れ る姿勢 と多面的な ものの見方 を身に付けさせ、積極性 を育み、そ の 成長 を促す ことにある。また、これ らを通 して大学の国際化 に資す ることも目 的 としている。

2.

実施 までの経緯

筆者は留学生セ ンターの教員 として、 着任以来、留学生 と日本人学生の交流

(3)

長崎大学留学生セ ンター紀要 第16200899

促 進 に努 めて きた。 そ の 中で 日本 人学 生か ら語学 学習 を含 む留学 に関す る相談 をよ く受 け るよ うにな った。 そ して語 学留 学 をす るた め にか な り の時 間 をアルバ イ トに費や して い る学 生が多 い こ とに驚 か され、 長 崎大 学 にお ける 日本人学生派遣 の問題 を強 く考 え るよ うにな った。

2001

11

月、第

2

AIEJ/

ユ ネス コ信 託基 金

JAFSA

国際交流 担 当者 プ ロ グ ラム ( 韓 国 ・中国)

i

v に参加 した際 に、 韓 国 ( ソウル) にある慶熊大学校 で 日本 の夏休 み の期 間 に合わせ た短期韓 国語 プ ログ ラム

(8

月初旬 開始 :

3

週 間) が実施 されて い る ことを知 った。 そ のプ ログ ラムは、 教室 で の韓 国語 学 習 に と どま らず 、韓 国文化 理解 のた め の現 地体験 学習 (フ ィール ドトリップ ・劇観 賞 ・韓 国伝 統文化体 験 等) 、韓 国入学 生 との交 流 ( 莱 践 的 な コミ ュニ ケー シ ョン能 力 の向上 と相 互 理解 促 進) とい った 内容 が 含 まれ て いる もので あった。 このよ うな プ ログ ラム に全学教育必修 の第

2

外 国語 で あ る韓 国語 の単位 認 定 を前提 に、 長 崎大 学 の学 生 を協定 に基 づ

いた交 換留 学 生 と して 送 る こ とが可能 な ので はな いか と考 えた。 しか し、

当時留 学生セ ンター は交 流協 定 を結ぶ 主管 部 局 と して まだ認 め られ て い なか った。

全学教育の単位認定を前提 に" 交換留学 日としての派遣 を考 える場合、 当然 の ことなが ら全学部の学生が対象 となる。 しか し、主観部局が学部の場合、

基本的 にその協定 を結んだ学部の学生が優先される。一方、主観部局 を留学 生セ ンターにす る ことによって、全学部 の学生 に対 して派遣 について平等の 機会 を与える ことができる。

2005

年度 に入 って海外語学研修立ち上げ のための現地視察調査が外国語科 目である英語 と第

2

外国語科 目である韓国語、 中国語、 フランス語 について 実施 されることとなった

韓 国語 については

、2005

9

月、筆者がポー ラン

ドで開催 された

EAIE

の年次総会 に参加 した際に、韓国の大学のブース を訪問

し、短期語学研修 コース につ いての資料 ・情報 を収集す るとともに、交流協

定締結 の可能性 についてデ ィスカ ッシ ョンした。同年

1

1月、留学生課 の職員

とともに現地視察調査 と交流協定締結のためにソウル にある慶照大学校、梨

花女子大学校、成均館大学校、高麗大学校 を訪 問し、 開講 されて いる韓国語

プ ログ ラムの種類、 レベル、 また、留学生に対す るサポー ト体制等 について

調査 を行い、協定締結の可能性 について担 当部署 と話 し合 いを持 った。その

2006

3

月まで に内

3

大学 ( 慶照大学校、成均館大学校、梨花女子大学校)と

(4)

100 学生交流と大学の国際化一海外短期語学留学プログラム「第1回韓国語研修」を一例として‑

留学生セ ンターを主管部局 とした学術交流協定及び学生交流 に関す る覚書 を 結んだ。

上記大学 を派遣対象校 として選んだ理 由は以下 の通 りである。

① 長崎大学の春季 ・ 夏季休 暇期 間中 に短期語学研修 コースが安定 して 開 講 されてお り、そ の教育 に定評がある こと。

② 語学研修 コース の中に トウミ ( チ ューター)の配置等 を含 めた学生交流、

文化理解 について も考慮 されたプ ログ ラム を有 して いる こと。

③ 大学 の国際化が積極 的 に推進 されて いる大学 で、海外 の協定校 を多 く 有 し、留学生数 も多 く、そ の受 け入れ体制が十分 に整 え られている こと。

④ 通常 の交換留学 ( 1 年 も しくは半年)に加 え、春季 ・ 夏季 に開催 され る短 期語学 研修 コース も覚書 にお いて交換留学 の対象 とな る こと。

梨花女子大学校 につ いては短期語学研修 コース を交換留学 の対象 とす る こ とはで きなかったが協定 を締結す る ことにした。そ の理 由は、梨花女子大学校 は上記①②③ の条件 を十分 に満た してお り、韓 国語研修参加希望者が多数 に 上った場合、参加希望者全員が参加 でき る研修 コースの数 を確保 してお く必 要が ある と考 えた こと、加 えて、慶照大学校 と成均館大学校 につ いてはそ の交 換留学枠全て を短期語学研修 で使用す る ことを前提 として いるため、研修参 加後、学生が 1 年 も しくは半年 の交換留学 を希望 した場合 に、必ず派遣 できる ( 留学生セ ンターが主管部局で ある)協定校 を確保 してお く必要がある と考 え たか らである。

3.

「 韓 国語研修」の概要 とその特徴

3

1 .概要

長崎大学 の夏季休 暇期 間 中に、韓 国 にある長 崎大学 の協定校 が持つ語学 プ ログ ラム (8月の約 3週 間)に韓 国語 を初習外 国語 として学ぶ学生 ( 基本 的 に

「 韓国語

」を修 了 した者)を派遣 し、「 韓国語

」の単位 として認定す る。

派遣 の窓 口は留学生セ ンター とし、募集案 内、説明会等 につ いては、留学 生 セ ンターが実施す るに当たって大学教育機能開発セ ンター の韓 国語教員 も協 力す る。

単位認定 の対象 とな る語学プ ログ ラム を持つ協定校 は以下 の 3大学である。

1.慶県大学校 ( 韓 国 ・ ソウル市): 交換留学枠

8

2.

成均館大学校 ( 韓 国 ・ ソウル市): 交換留学枠

2

(5)

長崎大学留学生セ ンター紀要 第162008

101 3.

梨花女子大学校 ( 韓国 ・ソウル市) :交換留学枠な し

慶願大学校及び成均館大学校 につ いては、覚書 に両大学が持つ3週間の語 学プ ログラム も交換留学 の対象 として認定す る旨、記載 されている。従 って、

この

2

大学 については覚書の交換留学生枠 に基づいて学生 を選抜 し、交換留 学生 として相手校 に派遣す る。

梨花女子大学校 については

、3

週間の語学プ ログ ラムは交換留学 の対象 と なって いない。従 って、プログ ラム参加希望者は規定 の授業料等 を支払い、

留学生セ ンターが実施す る留学前オ リエ ンテー シ ョンに参加 した上で、研修 に参加す る。 また、成均館大学校及び慶照大学校の交換留学生枠 に選抜で洩 れた学生で研修参加 を希望す る学生について も同様 とす る。

上記

3

大学の指定 された語学 コースを修 了 し、規定の合格基準 に達 した も のには単位 を認定す るもの とす る。長崎大学の 「 韓国語

Ⅳ」

に相 当す る語学 コース を指定す るに当たっては、留学生セ ンターの担 当教員 ( 筆者)が各大 学 の語学コースの内容 ( 使用 されているテキス ト ・成績判定 に用 い られるテ ス トの種類等 を含む) を調査、資料収集 し、その資料 を基 に大学教育機能開 発セ ンターの韓国語教員が判定 した。

32.

特徴

既 に

2006

年度 に実施された中国語及び英語 の短期語学研修 と比較 した場合、

韓国語研修 には以下のよ うな特徴がある。

1.

長崎大学用のテー ラーメイ ドのコースではな く、協定校 の持つ既存の夏 期語学研修課程 (レベル別 :初級か ら上級) に他国 ( 他大学) の学生 と 一緒 に参加す ること。

2.

同課程が実施す るプ レースメン トテス トの結果 によって指定 された レベ ル のコースで研修 を受けること。

3.

単位認定対象 となる協定校

3

校 のうち

、2

校 に交換留学生枠が あること。

4.

基本的に派遣 の人数枠 を持たず、参加人数 の多少 に係わ らず、プ ログ ラ ムを実施できること。( 参加希望者が1 名であっても派遣が可能であること)

5.

寮 のルームメイ トは基本的に他国 ( 他大学) の学生であること。

6.

参加者全員 にそれぞれ トウミ ( チューター :そ の大学 の韓国入学生)が

つ くこと。

(6)

102 学生交流と大学の国際化一海外短期語学留学プログラム「第1回韓国語研修」を一例として‑

7.

長崎大学の 「 韓国語

」として単位が認定 され るため には、外国語科 目委 員会で指定 された レベルで研修 し、トータル の成績評価が

60

点以上で あ る ことが要求 され ること。

( 従 って、プ レースメン トテス トの結果、指定 された コースよ り下の レベル と判定 されれば、その時点で単位認定が不可能 となる。)

4. 2007

年度「 第

1

回韓国語短期研修」実施 内容

41.

募集か ら派遣 まで

2007

年度前期開始 と同時 に、留学生課 と大学教育機能開発セ ンターの韓 国 語担 当教員 と連携 しなが ら韓国語短期研修 に関す る広報活動 を開始 した。ま ず、ポスター を各学部の掲示板 と全学教育の掲示板 に掲示 した。次 に、2年次 の 韓国語研修参加 を1 年次か ら検討で きるように、韓国語履修 を希望す る1 年生 ( 約

120

人)

vl

にプ ログ ラムの概要 を書いたチ ラシを配布 した。また、前期第 1回 目の 「 韓国語

」の各 ク ラスでプ ログ ラム概要 を書 いた ものを配布 し、簡単 な 内容説明を行 った

。2007

年度の 「 韓国語

」は

3

クラス編成で受講登録者数は

96

名であった。その後

、4

23

日と

25

日の両 日に留学生セ ンターで説明会 を実施

した。説明会 に参加 した学生は全部で

22

名であった

。22

名の うち

、1

年生が

4

名 参加 していた。参加希望 申し込み期 間は学生が保護者 と相談す るであろうこ

とを考慮 して

5

月の連休 明け後

1

週間 とした。希望者が多い場合、交換留学枠

10

名 ( 慶焦大学校

8

名 ・ 成均館大学校

2

名)の選考 を実施す る予定であったが、応募 者が

6

名であったため選考 は行わず、派遣先は

8

名の交換留学枠 のある慶熊大 学校 とした。派遣先である慶照大学校 との連絡 については、協定校 との交換留 学 を取 り扱 う国際交流処 と連絡 を取 り合 うとともに、プ レース メン トテス ト の実施等、具体的な ことについては短期韓国語課程 を実施 して いる国際教育 院のコース担 当者 とメール と電話で連絡 を取 りつつ調整を行 った。

慶照大学校 国際教育 院 「 夏季短期語学研修課程」へ の申込書 を

6

月初旬 に国 際交流処 に送付 したが、送付後、学部 の実習 に参加 しなければな らない等 の理 由で参加登録者

6

名 中

2

名がキ ャンセル を し、最終的な派遣数は

4

名 となった。

航空券の手配は留学生課が一括 して行 った。出発前オ リエ ンテー シ ョンを

7

月中旬 と出発前 に

2

回実施 した

1回 目のオ リエ ンテー シ ョンには慶照大学校

か らの交換留学生

2

名 に慶照大学校 についての説明を依頼 した.慶照大学校 の

学生か ら、韓 国の大学では夏休み期 間中 もキ ャンパス に韓 国人 の学生がた く

(7)

長崎大学留学 生セ ンター紀要 第162008103

さん来てお り、 自分の友達を紹介す るので今か らメールでや り取 りをしては どうか というオファーがあった。また、オ リエ ンテーシ ョンの最後 に事前ア ンケー ト調査 を実施 した。その結果、プ レースメン トテス トによるクラス分 けに全員が不安 を抱いている ことがわかった。そ こで、国際教育院で使用 さ れるテキス トを用意 し、筆者の研究室 に見 に来 るように指示 した。その結果、

指定のコースに入 るには語乗数がかな り足 りないことがわかったので、テキ ス トの語意表 をコピー し、参加者各 自に手渡 した。

最終オ リエ ンテーションでは、空港での待ち合わせ場所 の確認 と、イ ンチ ョン空港には国際交流処か ら出迎えがある こと、また、帰国の際にも空港ま での見送 りがあることを伝えた。

42.

派遣か ら帰国まで

1

回の研修は

20078

8

日か ら

8

24

日までの約

3

週間であった

8

8

日( 水) 福岡空港に集合 し

、4

名の学生を引率 して

12:00

の飛行機でインチ ョンに飛ん だ。国際交流処か らの出迎えの人が慶照大学校 の大学院で勉強中の 日本人留 学生であった ことか ら、皆ほっとした様子であった。プ レースメン トテス ト は筆記テス トに加えてイ ンタビューテス トもあるため、空港か ら大学 までの バスでの移動中は出迎えの人 を相手にイ ンタビューのための練習時間 となっ た。

慶照大学校到着後、まず、寮での入寮手続き等、国際交流処が係わる諸手続き を終わ らせ、国際教育院でのプレースメン トテス ト ( 筆記テス トとインタビュー テス ト)に臨んだ。プレースメントテス トの結果

、4

名中

1

名が単位認定に該当す るレベル ( 初級

2

段階)のコースに入れず、一つ下のレベル ( 初級1 段階)で研修 を受けることになった。 レベル判定には引率である筆者も加わった。プレースメ ントテス トの最終判定結果が出た時は既に夜

8

時を回っていた。 こちらの事情でコ ース開始か ら参加できなかったにもかかわ らず、国際交流処にも、国際教育院の 韓国語担当の先生方にも本当に丁寧に対応いただいたことを明記しておきたい。

翌 日は現地学習 ( 韓国文化体験) の 日で、 引率教員 を含 め総勢約

160

名が

チ ャーターバス数台に分乗 し、キャンパスを離れて研修が行われた。内容は

利用陶芸村での陶磁器制作実習 と韓国民族村見学で、学生たちは リラックス

した様子で他国や 日本の他大学か らの学生たち と交流 してお り、 コースは じ

めの現地学習は友人関係 を結ぶきっかけとして も機能 していたように見受け

(8)

104 学生交流と大学の国際化一海外短期語学留学プログラム「第1回韓国語研修」を一例として‑

られた

。2

日遅れで参加 した長崎大学か らの学生たち もこの 日の現地学習で友 達ができ、少 し落 ち着 いたようであった。

筆者は

3

日間滞在 し、国際教育院の責任者 と今後の研修 について討議 した後、

帰国 した。引率か ら帰国 した後 は、学生の様子等、国際教育院のコース コーデ ィネー ター とメールで連絡 を取 り合 った。実力よ りも上の レベルで研修 を受 けている学生が途 中で下の レベル に落ちることがあるか もしれないという危 倶 もあったが、全員指定 された レベルで頑張 り、コースを無事修 了する ことが できた。また、国際教育院のコース コーデ ィネーターか らも全員 よ く頑張って お り、優秀である という連絡 を受けた。

今回の慶照大学校国際教育院短期課程 ( 夏季

3

週間課程

・1

次)

vii

には、日本 を始め海外 の協定校そ の他か ら総勢

152

名の参加者があった。

コース終 了の翌 日、国際交流処 の引率で学生たちはイ ンチ ョン空港 まで送 り届けて もらい、無事全員帰国 した。学生の帰国はメール及び電話で確認 した。

43.

成績判定

成績 については、コース終 了後、成績証明書が国際教育院か ら直接本学留学 生課宛 に送付 され る ことになって いた。コース期間中に国際教育院の講師か ら連絡があった とお り、全員非常 によ く頑張 って勉強 したようで、初級

2

段階 の学生

(3

人)も

1

段階 (

1

人)の学生 も成績判定は

90

点以上で

AA

」であった。

成績は、①

Reading

Writing

Grammar

Listening

Conversation

5

項 目に分 けて判定 されてお り、成績証 明書 にはそれぞれのス コア とグ レー ド

とその平均点が記入 されていた。

「 初級

2

段階」を修 了 した学生

3

人は長崎大学での所定の手続きを経て

、「AA」

評価で 「 韓国語

」の単位 を取得 した。

44.

学生か らの評価

学生の帰国に合わせて、メールでアンケー トを送付 した。このアンケー ト実 施 につ いては派遣前オ リエ ンテー シ ョンで も説明 してお り

、4

名全員か らの 回答が得 られた。

まず、韓国語の上達 についての質問には5 段階評価

(5

が最高の評価)で

5

」の

評価が一人

、「4

」の評価が

3

人であった。次 に、「 この研修 に参加 して、韓国や韓国

文化 に対する理解が深 まった と思 うか。 」、「 この研修は、自分 自身を振 り返っ

(9)

長崎大学留学生セ ンター紀要 第162008105

た り、将来 について考えた りする機会 になったか。」 とい う

2

つの問いに対 しては

、4

人中

3

人が

5

の評価

1 人が

4

の評価であった。 「 この研修 の中で、いろいろな国や他大学の学生 との交流 を通 して、 自分の視野が広が った と思 うか

。」

という問いに対 しては、全員が

5

の評価 をつけ、 「 こ の研修 に参加す る ことは価値がある/参加 してよかった と思 うか。 ( 他 の学 生に推薦できるか。)」 という問いに対 して も全員が

5

の評価 をつけた。

また、 「 この研修 に参加 して、あなた 自身の中で変化 した ことはあ ります か。」 という問い ( 記述式) に対 しては、以下のようなコメン トが得 られた。

・色んな人 と積極的に話をす ること、 自分か ら行動 を起 こす事、他人に流 されず 自分のペースを大切 にして生活す ることが出来 るようになった

・前以上に積極性がついた と思います。

・勉強 しようというモチベーションが高 くなったような気が します。

・大学の時間がある時期 にもっともっと勉強 したいと思 うようになった。

韓国語だけでな く、その他の ことへのモチベーシ ョンがあがった。期待 以上に自分 を成長させれたと思 う。

3

週間の間で、印象深かった ことは何ですか。」 という問いに対 しては、

「 いろんな人間がいるということ。 日本で普通 に大学生活 を過ごしているだ けでは絶対 にない出会いをた くさん した。海外 に留学 してきているとあって、

意識の高い学生が本当に多かった。韓国事情 に詳 しい人や、単独でも積極的 に街 を散策できる人、た くさんの言語 を話せる人な どがいて、様 々な人か ら 刺激 をうけた。」 という回答 もあった。

以上、 これ らの記述か ら

4

人の学生たちが

3

週間という短 い期間の間に多 く の出会 を通 して様々な ことを学び、成長 している様子が伺える。

5.

問題点 と今後の課題

51.

研修開始時期

2007

年度の慶願大学校 の短期語学研修課程の開始 日は

8

6

日で、そ の日に

プ レースメン トテス トが実施 されることになっていた。 しか し、参加予定者

うち

8

7

日まで前期試験がある者がいることが判明 した。学部によって試験

日程が異なる ことは了解 していたが、専門科 目においては最終試験 日もしく

は実習が学期末近 くにな らないとはっき りしない科 目があるということにつ

いて留学生セ ンターの教員である筆者は認識 していなかった。

(10)

106 学生交流と大学の国際化一海外短期語学留学プログラム「第1回韓国語研修」を一例として‑

慶熊大学校は

8

月 と同様 のプログ ラム を

9

月にも開催 しているOただ し

、9

月 のプログ ラムに参加す る場合、韓国の大学は後期課程が

9

月に始 まるので、寮 に入れない可能性が高 いということがわかっていた。そ こで、急遮、 慶熊大学 校国際交流処及び国際教育院 と連絡 を取 り、こち らの事情 を説明 した結果、長 崎大学か らの参加 を

2

日遅れの

8

8

日で もよいということにな り

、8

月の研修 への参加が決定 した。

この間題への今後 の対処方法 について慶照大学校側 と協議 したが、方法 と しては、①

2007

年度 同様 に

2‑3

日遅れで

8

月の研修 に参加す る。②

8

月 と

9

月に 分けて参加する。ということが考え られ る。その年度の参加者の試験 日程等 に よって、その都度相手校 と協議 し、決定 して小i く必要がある。

52.

プレースメン トテス トによるレベル判定

2007

年度はプ レースメン トテス トの結果

4

名中

3

名が単位認定 に該当す る レベル ( 初級

2

段階)、残 り1 名が単位認定 に該当 しないレベル ( 初級

1

段階)とい う判定であったが、実は、学生

4

名中、文句な く単位認定に該当す るレベル に達 していたのは1 名のみであった。あ との

2

名は考慮の余地有 りということで、短 期課程 のコースコーデ ィネーターか ら引率である筆者の意見 を求め られi た。

自分 の実 力よ りも少 し上のクラスで頑張 って勉強するか、下 の レベルで勉 強す るか、筆者が学生二人の意思 を確認 してか ら最終的な判定 を下す ことに し、上記のような結果 となった。単位認定 に該当するレベル に入 ることができ ないと判定 された学生 も納得 して一つ下の レベルで研修 を受けた.参加者全 員、 研修 に対する評価は非常に高かったが

、2008

年度か らは研修参加決定者 に 対 して、 研修参加前の事前学習の必要性 を更に指導す る必要がある。

53.

引率

2007

年度の研修は全員交換留学生 として協定校に派遣されることか ら、引率

無 しで実施す ることも考 え られた。しか し、 第1回の研修であることか ら、協定

校への挨拶 も含め引率す ることとした。ただ し、引率者は研修期間中ず っと滞

在するのではな く、最初の

3

日間のみの滞在 とした

。2008

年度 において も、上記

で述べたプ レースメン トテス トの一件か ら考えると、 やは り引率者が必要であ

ると考 え られる。引率者の滞在期間については、学生 に対す るアンケー ト結果

か ら、到着後

4

日目ぐらいか ら精神 的な緊張 も取れ、落ち着 いた様子が伺 え

(11)

長崎大学留学生セ ンター紀要 第162008107

る ことか ら、 コース最初の

3‑ 4

日間は学生 とともに滞在す るは うがいいよ うに思われる

。Ⅹ

また、

2008

年度以降、派遣先が

2

校 もしくは

3

校 に分かれる 場合は どうす るか、検討 を要す る問題である。

6.

まとめと考察

これ まで長崎大学では受け入れ留学生数は伸びていっているものの、 日本 人学生の派遣 についてはほとん ど実績がないのが実情であった。 これ には複 雑な要因がいろいろ重なっているが、その理由のひ とつ として、長崎大学は 理系の学部が多 く、カ リキュラムに余裕がない こと、つま り、 1 年 もしくは 半年の留学 をした場合、留年せざるを得ない結果 となる可能性が高い ことが 挙げ られる。 また、 これは 日本の大学の多 くに共通 した問題であるが、海外 の大学で取得 した単位を在籍大学の単位 として認定す るシステムが整ってい ないことも大きな理 由である。 しか し、その根本的な理 由は大学 自体が実質 的に派遣を進めていく必要性 を逼迫 した問題 として捉 えてお らず、その具体 的な方策を取 って こなかった ことによると思われる。大学の国際化 にとって 学生交流の促進は必要不可欠な要素であるが、それを大学の国際化政策の中 にどう位置づけ、 システムに組み込んでい くかが重要であ り、それが大学全 体 の国際化 を進めていく上での鍵 となると考える。

その意味において、海外短期語学留学プログ ラムは大学の国際化政策 を進 めていく上において、現時点で重要な位置 を占めるものであろう。 このプロ グ ラムは漠然 と留学 したいと言 う希望 を持 っている学生にそれを具体化する ものとして長崎大学が示せる留学プログラムであ り、 また、それ に参加 し一 定の条件を満たせば必修科 目の単位が認定 され ることが規則 として明文化 さ れ、保障されているプログラムである。

単位認定の第一の意義は参加 した学生にその対価 として単位を与えること ではな く、必修科 目の単位認定 を認めることによ り、海外短期語学留学プロ グラムが、ただ単 に学内のセ ンターが企画 し実施 しているプログ ラム という だけではな く、大学の教育システムの中にしっか り組み入れ られることにな る、つ まり、打ち上げ花火のように単発で終わるのではな く、大学の国際化 政策の中にはっき りと位置づけることのできるプログ ラム として発展 させて 行 くことが可能 となるということにある。

既に学内では海外短期語学留学プログラム実施による変化がいくつか現れて

(12)

108 学生交流と大学の国際化一海外短期語学留学プログラム「第1回韓国語研修」を一例として‑

いる。 まず、外国語科 目委員会は

2007

年度 に英語の上級 レベルのクラス設置

Ⅹ1

を提案 し、教務委員会で了承 された。会議の資料 に、そのクラスの対象者 と して海外短期語学留学プログラム ( 英語)に参加 した学生 も挙げ られている。

海外派遣 を進めるためには ( 大学の国際化を進めるにあたって も)学生の英 語力養成は必須条件である。

また、 中国語研修 を終えた学生のうち、既 に1 名が台湾 の協定校 に交換留 学生 ( 1 年間)として派遣 されてお り、派遣学部では留学によって取得 した単位 を卒業単位 として認定す る方向で動いている。また、韓国語研修 を終えた学生 1 名が この

9

月か らソウルの協定校 に交換留学生 ( 半年)として派遣 されること が決定 してお り、この学生について も帰国後留年せず に卒業できる見込みで ある。更 に、現在 もう1 名が韓国への半年間の交換留学 を検討中である。このよ うに海外短期語学留学プログ ラムは

1

年間 ( もしくは半年)の交換留学への足 がか り( きっかけ)として機能 しつつある。

今後、更に派遣 を推進 していくためには、このような派遣 の起爆剤 となる短 期の留学プ ログラム を開設 し、よ り多 くの学生が参加できるプ ログラムを提 供 していく必要があるであろう。国際教育交流の究極 の目標は、異なるものに 対す る寛容 さと多様性 の受容、相互理解 の促進 による世界平和である とす る な らば、 被爆都市長崎にある大学 として、国際協力活動を留学プログラム とし て開設 し、全学教育科 目として単位認定 を行 うということも考 え られ るので はないか。本学の国際化政策 において も、学術交流 に加え学生交流、 特 に派遣 について、大学の理念 と教育 目標 に基づいた独 自のものが求め られる時期 に 入っているのではないだろうか。

i

永井 ・ 村瀬

(2006)

参照。

i

i永井

(2007)

参照。

ii

i 松村

(2007)

参照。

i

v松本

(2002)

に詳 しく述べた。

韓国語 を除 く、英語、中国語、フランス語については" 交換留学"としてでは な く、派遣先の大学 に長崎大学用 のテー ラーメイ ドのプ ログ ラムを開設 し てもらう方向で協議が進め られていった。

v

i長崎大学の韓国語は大学機能開発セ ンターの専任教員

1

名が全クラス

(3

ラス)を担 当している。近年韓国語履修希望者が多いため人数制限が設け ら

(13)

長崎大学留学生セ ンター紀要 第162008109

れている。

vi

i国際教育院の夏季短期課程は

8

月 ( 1 次)と

9

(2

次)にそれぞれ

3

週間実施 さ れる。日本では後期課程の開始が

10

月 ( もしくは

9

月末)である大学が圧倒的 だが、海外 の大学では

9

月を開始時期 としているところが多 く、韓国も

9

月を 開始時期 としている。そのため

8

月( 1 次)のほうが

9

(2

次)よ り参加者数で 大き く上回っている。

vii

i 成均館大学校 については、国際交流処及び成均語学院 と協議の結果、プ レ ースメン トテス トの筆記試験 については問題 を郵送 し、長崎大学での事前 実施が可能であること、また、イ ンタビューテス トについても電話 もしく はコンピューターによって事前実施が可能であるとの返答 を得ている。

ix

慶照大学校 には協定締結時か ら長崎大学韓国語研修 の意義 と必修科 目の単 位認定 となる研修であることを説明 してあった。

今後、韓国語派遣 については派遣先協定校 との連絡 を密 に取 りなが ら連携 を強化 し、数年後 には引率無 しで学生を派遣できるようにしたいと考えて いる。引率のための大学の予算がある無 しにかかわ らず、安心 して学生を 派遣できるようにするためである。

Ⅹi

これまで長崎大学のいわゆる教養英語は レベル別のクラス編成がされてい なかった。

参考文献

永井智香子 ・村瀬隆彦

(2006)

「 長崎大学における大学間交流の新しい取 り組み」

『 留学交流』第

18

巻 第

12

pp.10‑13

永井智香子

(2007)

「 第

1

回中国語海外短期語学研修実施報告 一参加学生が 書 いたアンケー トとレポー トを中心 に

‑」

『 長崎大学留学生セ ンター紀 要』第

15

pp.17128

松村

真樹 (2007)

「 第 1 回オース トラリア短期英語研修 :単位認定 と海外 体験学習の両立を目指 して

『 長崎大学留学生セ ンター紀要』第

15

pp.卜16

松本久美子

(2002)

「 国際教育交流 と大学の国際化 一第

2

AIEJ/

ユネスコ 青年交流信託基金

JAFSA

国際交流担 当者プ ログ ラムに参加 して

‑」

『 長 崎大学留学生セ ンター紀要』第

10 pp.85‑102

( 留学セ ンター准教授)

参照

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