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第二回国際交流を実践する学生のための研修会報告書

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第二回

国際交流を実践する

学生のための研修会

〈報

報告

告書

書〉

2004 年 3 月 6 日‐8 日

於:国立淡路青年の家

参加団体 北海道大学生協学生委員会外コミチーム、北海道大学地球倶楽部、東北大学@home、 神田外語大学コミュニケーション・ガイドブック作成研究会、

横浜国立大学 INTERNATIONALIZASION PROJECT TEAM105、

静岡大学「話っ、輪っ、和っ!」実行委員会、名古屋大学異文化交流サークル ACE、 桜花学園大学韓国文化研究会、同志社大学 DESA 桃山学院大学留学生・チューター会、 甲南女子大学 MAC、神戸大学 Truss、広島 ISHR

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第二回 国際交流を実践する学生のための研修会

スケジュール 1 日目【3 月 6 日(土)】 12:00 受付開始 13:00 開会式 13:15 アイスブレーキング 14:20 プレゼンコンペ 17:30 夕べの集い 18:00 夕食 20:00 懇親会 2 日目【3 月 7 日(日)】 7:10 朝の集い 7:30 朝食 9:00 青谷先生による講演 10:40 分科会討論第一部 12:00 昼食 13:30 分科会討論第二部 17:30 夕べの集い 18:00 夕食 最終日【3 月 8 日(月)】 7:10 朝の集い 7:30 朝食 9:00 全体会発表 11:00 閉会式 プレゼンコンペ優秀団体表彰 アンケート記入、作文 12:00 昼食 解散

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目次

はじめに ...3 研修会開催にあたって...4 団体活動発表の場づくり∼プレゼンコンペを通して∼...6 団体紹介プレゼンコンペ 報告と講評...7 スキル伝達の場∼分科会討論を通して∼ ...10 分科会 1 「目指せ国際交流のスペシャリスト∼留学生は今、何に困っているのだろう∼」.. 11 分科会 2 「サークル運営上の問題と方策 ∼これぞ我らのリーダーシップ!∼」 ...17 分科会 3 「サークルにおけるイベント企画と異文化理解」...24 分科会 4 「ファシリテーター養成講座」 ...32 分科会 5 「情報の管理と活用・情報発信」...41 分科会 6 「ネットワークを創造しよう!」...50 ネットワーク形成の場∼研修会を通して∼...55 研修会の意義∼アンケート分析を通して∼...56 1.個人に対する研修会の意義...56 2.団体に対する研修会の意義...65 3.研修会に対する評価について ...68 団体背景調査とそれに基づく分類 ...71 青谷正妥先生による特別講演 「努力すらしない日本人」...79 アトラスの活動記録 ...84 資料:アンケート...87 事前アンケート【個人用】 ...87 事前アンケート【団体用】 ...91 事後アンケート【個人用】 ...97 事後アンケート【団体用】 ...101 おわりに ...106

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はじめに

第2 回研修会も無事に終えることができました。準備の期間を 1 年かけて迎えただけに、あっ という間に過ぎた3 日間となりました。昨年から引き続き今年もう一度開催できたことに、大変 大きな喜びを感じています。参加者の皆さんありがとうございました。 団体に所属するということは、人と人とのコミュニケーション抜きに語る事はできません。人 が集まる所には、それぞれの想いや感情が複雑に交錯しています。それだけに全く新しいものが 生まれる事もあれば、悩み、苦しむ事もたくさんあります。そんな時に、悩みや苦しみを避けな いで向かっていく事ができるかできないかで、今後の団体のあり方、大きく言えばその人の人生 までもが随分変わって来るものです。目の前に立ちはだかる壁に立ち向かっていけるのは、自分 自身だけです。そこで私たちができるお手伝いは、壁を越えるための踏み台を与える事ではなく、 踏み台を一緒に作ってくれる仲間と、工夫するアイデアを提供することしかできません。今後、 右に行くのか左に行くのか、もしかしたらもっと別の道に行くのか。どのように道筋を定めてい くのかはそれぞれにかかっているのです。私たちは、これからもみなさんを応援する立場として 見守っていければと思っています。 研修会終了から数ヶ月かけて、やっと報告書を完成させることができました。この報告書によ ってまたあの瞬間を思い出し、次に活かす原動力としてくれることを願っています。 アトラス代表 大谷 真由

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研修会開催にあたって

1980 年代後半の留学生急増期以降、いくつかの大学に学生による国際交流団体(学生国際交流 団体。以下、「国際交流団体」と表記)が生まれ、現在では、一昔前には考えられなかったくらい 多くの団体が存在している1。これらの団体は留学生支援、国際交流、異文化理解を目的とし、ほ とんどの場合、学生が主体となって自治運営にあたっている。大学内に学生によって組織される 国際交流団体があることは、留学生支援の立場から見ると非常に有用である。留学生にとっては、 意図的な問題解決型の支援よりも、日常的な学生交流こそが有効であるからだ2。また、このよう な学生団体の存在は、留学生を受け入れる学校側にとっても非常に有用である。 このような団体の中で活動することにより、日本人学生は国際感覚や社会性を身につけること ができるという教育的要素がある。今日では、「留学生支援活動」と「日本人学生の育成」という 教育課題を結びつける視点からの研究も少なくない。しかし、いくら団体があるとはいえ、全て の学生が留学生や異文化理解といったことに興味があるわけではない。むしろ、そういった学生 の方が、一般学生からは遊離した存在になっている3 また、学生による国際交流団体は、維持するのが難しい。理由として考えられるのは次の二点 である。 一点目は、その団体の存在目的そのものが抽象的であるからだ。例えばバスケットボール部な どスポーツを中心とする団体であれば、試合に勝つことを明確な目標としてメンバー全員でそれ を共有し、そのために練習を重ねることができる。しかし「国際交流」という目的は明確に定義 することが困難であり、到達目標を設定できるという性質のものではない。また、個人によって 捉え方が異なるとも考えられる。 二点目は、学生団体であるが故に、長くても四年(時にそれより長く大学に残る学生もいるが) のサイクルでメンバーが入れ替わってしまい、人的資源が確保しにくいという点である。個人が、 活動を通して得たノウハウを蓄積して後輩たちに残していかないと、活動レベルを維持していく ことが難しくなる。 奥川・梶川の調査4によれば、「活動をさらに活発にしていく際、重要なことは何か」という問 いに対し、「団体の新たな参加者を確保すること」「よい協力者、支援者がいること」「よいリーダ ー、人材がいること」という人的資源の確保に関わる項目が上位3 位に挙がっており、4位は「団 体同士の情報交換や交流機会が増加すること」という団体間交流に関する項目であった。また、 「リーダーや人材育成のために必要なことは何か」という問いに対しては、「団体同士の交流を活 発にすること」と「リーダー・人材の研修の場を確立すること」が上位2 位に挙がっており、人 材育成及び交流の重要性が指摘されている。 しかし、実際の国際交流団体の活動に目を向けてみると、アンケートに基づく調査で人材育成 及び交流の重要性が指摘されているにも関わらず、それらを実践することが困難であるという現 1 坪井 健「留学生と日本人学生の交流教育」(異文化間教育学会編『異文化間教育 13 号』アカデミア出版会、1999 年)p97 2 同上書 p62 3 花見槙子「国際交流に携わる大学生の質的研究に向けて」(三重大学留学生センター紀要1999 第 1 号)p2 4 奥川義尚・梶川裕司「留学生との国際交流ボランティア団体に対する調査研究結果」(京都外国語大学研究論集49、1997)

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状が浮かび上がってくる。例えば交流に関していえば、まず運動系の団体における対抗試合に相 当するようなものがない。他団体と出会う機会そのものを、自らで設定しなければならないので ある。人材育成についてはどうか。国際交流を目的とする団体自体、新しく注目されるようにな った分野の団体であり、歴史が浅くノウハウの蓄積もない。まさに、その年ごとのメンバーが手 探りで活動していると言っても過言ではない。たとえ高い能力を持ったメンバーがいても、彼(ま たは彼女)がその経験から得たノウハウを後輩たちに伝えずに卒業してしまうと団体そのものの 存続が危ぶまれることもある。しかし筆者の経験からも、下の学年に伝えるというシステムが完 璧に存在する団体はほとんどないといってよいだろう。 これらの課題を克服し、国際交流団体の維持・発展を図るために、国際交流団体の運営を経験 したOB・OG によって、現役の学生のために「活動発表」「スキル伝達」「ネットワーク」の場を 作ることが重要だと考えた。そこで我々は、アトラス(国際交流を実践する学生のための研修会 実行委員会)という団体を立ち上げ、2003 年 3 月、2004 年 3 月の二度にわたって研修会を開催 し、その有用性を探った。

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団体活動発表の場づくり∼プレゼンコンペを通して∼

ねらい

学内の団体も含めた他団体との交流の少ない国際交流団体は、ともすればその活動が内に向い てしまうことが多い。そのため、国際交流という大きな看板を掲げていても、実際の活動内容が 「国際交流」を謳うにはあまりにもお粗末なものであったり、そこに所属するメンバー自身が、 団体の活動内容を理解できていなかったりということもある。また、団体に興味を持つ学生がい ても、前節で述べたように「国際交流」団体であるという特殊性ゆえに、その活動内容やポリシ ーを上手く伝えることができず、メンバーの確保に苦労するということもある。活動内容をまと め、活動目標を掲げ、自らの団体の長所・短所を見つめるというのは、簡単なように見えるが機 会がないとなかなか行わないというのも事実である。 団体活動発表の場を設けることによって、学生たちは、所属する団体の活動や目標についてメ ンバーと共に考え、それを発表するスキルを身につける。さらに、他団体の活動発表を見ること によって、活動の参考にすべきことや、自分たちの団体の長所・短所についても見つめることが できるのである。

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団体紹介プレゼンコンペ 報告と講評

本研修会第一日目に、参加13 団体によってコンペ形式による団体紹介が行われた。審査員は各 団体代表者13 名とアトラスにより構成され、最終日に優秀団体の発表を行った。 発表時間:1 団体 10 分 発表内容:団体名発表を除いては全て自由 採点基準(各5 点計 20 点満点): 1.発表は聞き取りやすかったか 2.構成はまとまっていたか 3.団体の特徴が出ていたか 4.団体の魅力が出ていたか 採点の結果最も高得点であった団体を「プレゼン大賞」とし、また、今後の飛躍が伺えた団体 を実行委員選定の「アトラス賞」とした。 当日の発表順と各団体への講評 1.韓国文化研究会 (桜花学園大学) 発表形式:口頭による活動内容の説明 トップバッターで緊張する中、聞き取りやすい声の大きさとスピードでよく練られた内 容を発表できていた。ただ、原稿を終始読むに終わった点は残念であった。もっと聴衆 を意識したプレゼンが出来るとよい。 2.「話っ、輪っ、和っ!」実行委員会 (静岡大学) 発表形式:団体活動に関するビデオを放映後、口頭で説明 ビデオを使ったプレゼンテーションで、活動の様子がわかりやすかった。しかしそのビ デオの時間がプレゼン中8 分を占め、構成面でバランスに欠けていた。10 分間を有効的 に使った発表をしてほしい。 3.Truss (神戸大学) 発表形式:活動内容の説明後、団体の問題点解決に関する寸劇 寸劇方式で構成が非常に良く、動きのあるプレゼンで観客を惹きつけた。問題点のケー ススタディ部分が多くを占め、団体本来の魅力が伝わりにくかった点が残念。団体の魅 力を伝えられるプレゼンテーションになるとよい。

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4.DESA (同志社大学) 発表形式:団体活動に関するビデオ放映後、口頭での説明 一人での参加にも関わらずビデオを使うことによりそのハンデを克服し団体の雰囲気を うまく伝えていた。堂々としたプレゼンテーションが印象的であった。口頭での発表部 分でもっと観客を惹きつける話し方、テンポの工夫があるとよい。 5.留学生・チューター会 (桃山学院大学) 発表形式:手作りの幕、小道具を使った活動内容の説明 様々な手作りの小道具を使い視覚的に訴えるプレゼンテーションであった点、様々な問 題から常に学び続けている姿勢が見えた点がよかった。発表でアピールすべき点をよく 練り、生き生きと発表できたらもっとよい。 6.MAC (甲南女子大学) 発表形式:パワーポイント使用による団体理念、活動内容を説明 非常によく練られた発表内容であった。要点が絞られていてわかりやすい図解説明もあ り団体の理念をよく理解することができた。もう少し聴衆を意識し、テンポに気を配っ た動きのあるプレゼンテーションになるとよい。 7.ACE (名古屋大学) 発表形式:いくつかの劇を組み合わせて団体の問題点、活動内容を説明 構成が良く非常にわかりやすかった。問題点を発表後、団体の魅力を訴えるという構成 により聴衆に団体に対するよい印象を残す結果となった。原稿を読んでいる人がいた等 練習不足が見えた点は残念であった。 8.地球倶楽部 (北海道大学) 発表形式:口頭で活動内容、長所短所を説明 シンプルではあるがよくまとまっていて、話し方、テンポ、内容など聴衆を意識した「聴 かせる」発表であった。ただ、口頭での発表のみであったので視覚的に訴えるなど初め て聞いた人にも活動内容がよく把握できるような発表になるともっとよい。 9. @home (東北大学) 発表形式:寸劇とパワーポイント使用による活動内容の説明 インパクトのある非常にユーモアあふれるプレゼンテーションで聴衆を飽きさせない演 出である点がよかった。しかし「劇」と「パワーポイント使用による活動紹介」が全く 別の構成であり、10 分通しての流れがなかった点が残念であった。

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10.コミュニケーション・ガイドブック作成研究会 (神田外国語大学) 発表形式:模造紙、小道具を使った活動内容の説明 たくさんの道具を使った視覚的に訴える説明であったので、団体の活動内容が非常にわ かりやすかった。ただ、図が小さく見えにくい面があったのでその点が改善されるとよ い。 11.ISHR 発表形式:模造紙を使用した活動説明後、決意表明の発表 元気の良い発表で、団体の雰囲気、魅力がよく出ており、自分の団体の分析もよく出来 ていた点がよかった。ただ、発表者が多く、聴衆との温度差が気になった。聴衆を意識 した発表になるとよい。

12.YNU Internationalization Project Team 105 (横浜国立大学)

発表形式:活動内容に関するビデオ放映後、パワーポイントによる団体の特徴説明 ビデオの内容、パワーポイントの内容ともにとてもよく練られた発表内容で団体の活動 内容や魅力が非常によく伝わった。一番伝えたいポイントが聴衆に伝わるプレゼンであ るとよい。 13.生協学生委員会外国語コミュニケーションチーム (北海道大学) 発表形式:口頭による活動内容の説明 声が聞き取りやすく、発表を読み上げるのは非常に上手かった。原稿を読み上げるに終 わった点が残念であった。もう少し視覚的に訴え、10 分間を上手く使ったメリハリのあ るプレゼンテーションになるとよい。 プレゼン大賞 ACE(名古屋大学) 聴衆を惹きつける構成、発表内容の選定が素晴らしかった。

アトラス賞 YNU Internationalization Project Team 105(横浜国立大学) よく練られていて非常に安定感のある発表であった。

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スキル伝達の場∼分科会討論を通して∼

ねらい

大抵の学生団体に所属する学生は、三、四年生になると就職活動や進学のため活動の第一線か ら退き、代わって下級生が団体の中心となる。学生団体の中には、代表、広報、会計などの役職 を決め、特定の個人がその役を担っているところもあり、そういった団体では、引退する上級生 から下級生に対し、役の引継ぎを行う。しかし、役の仕事に対する引継ぎは行えても、経験や知 識まではなかなか伝達できない。これでは、上級生が一年ないし二年かけて団体の活動のレベル を上げていったとしても、引継ぎによってまたゼロからのスタートに戻ってしまう。また、ホー ムページ管理など、役によっては個人の力に依るところが大きく、その学生が引退したら一気に 活動のレベルが下がってしまうこともある。つまり、在任中に個人が蓄積してきたノウハウ、経 験などを、きちんと下級生に継承されるべきなのに、そのような場が確立されていないのが現状 なのである。以上のような問題にたいして、研修会という形式で、特定の分野に長けた経験者か ら現役の学生に対して、活動を行っていく上での知識の伝達及び学習の場を提供することは、か なり有効である。同じ研修を他大学の学生とともに受けることによって、他団体の活動の例も知 ることができる。また、全国各地に知り合いができ、研修会後も互いの例を報告しあうなどして、 より大きな効果が得られるであろう。

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分科会 1

「目指せ国際交流のスペシャリスト∼留学生は今、何に困っているのだろう∼」

ファシリテーター:神戸美徳 井口剛一郎(当日参加) 参加者:

新井友見(ACE 1年) 一瀬京子(ISHR 2年) 大西輝彰(ISHR 2年) 葛迫友美(留学生・チューター会 2年) 河野歩実(北大外コミ 1 年) 東崎優美(ACE 2年) 酒井まみ子(コミュニケーション・ガイドブック作成研究会 3年) 畠山猛(@home 1年) 宮田幸司(留学生・チューター会 1年) 安西亜季恵(Truss 1年) 渡邊悠子(Truss 1年) 以上11 名 目的 本分科会では留学生のニーズとサポートに焦点を当てた。 外国人留学生は、「外国人」であると同時に「学生」でもあり、一般的な日本人に比べると、社 会生活を営む上でのリソースが少ない。それゆえ、危機的な状況に陥ったときにその難局を切り 抜ける処方を持たない場合がある。そんなとき、周りにいる日本人学生はどのようなことができ るのか。 留学生のニーズ把握を日常レベルと緊急時レベルの2 つに分け、学生として団体としてどのよ うにサポートしていけるかを考え、話し合う場として、この分科会を設定した。 分科会の概要 1. 日常レベルのニーズ把握 2. 緊急時のニーズ把握 事例「ムスリム学生の事故」及び事例報告 3. KJ 法を用いて「留学生の危機とは?」について討論 1.「日本語が通じない?!」 ここでは、日本語学習の初心者である留学生との会話を想定し、ワークシートを用いて留学生 に通じる日本語について考察した。 最初に、参加者が日本語学習の初心者である留学生であるという仮定のもと、一人ずつ自己紹 介を行った。その際、筆者は参加者の分かりにくい表現をピックアップした。まとめると以下の 通りである。 ・ ∼∼といいます。 ・ みんな○○とか..呼ばれています。 ・ 自分で言うのもアレ..だけど、 ・ 趣味なんですけど、最近バイクを買ったんで、それに乗って…(文が終わらない) ・ 趣味っていうか..... ・ ○○とか..呼ばれたり..します。

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・ たわむれています(知らない単語) 留学生とのコミュニケーションを考えるとき、媒介言語として英語をすぐに思い浮かべがちで ある。しかし、日本人学生との会話や日常生活では日本語が必要とされる場合が多く、学部留学 生の場合は、講義のほとんどが日本語で行なわれているため、必然的に日本語でコミュニケーシ ョンすることが多くなる。また、日常生活でも通常日本語しか使われておらず、公用語も日本語 のみである日本という国で生活していく上では、ある程度の日本語能力が必要とされる。 それでは、我々はどのようなことに気をつけて、留学生と日本語でコミュニケーションしてい けばいいのだろうか。 先程の例の中に出てきた分かりにくい表現を指摘したあと、留学生が日本語を理解できないと きどのような要素が背景にあるかを考えた。それをまとめると以下のようになる。 1. 話すスピードが速すぎた 2. 発音に不明瞭なところがあった 3. 発音が似ているほかの単語と間違えた(聞き違えた) 4. 知らない単語があった 5. 勉強していない文法・文型だった 6. 文が長くて複雑すぎた 7. 短縮形を使った 8. 自己の常識、文化的背景から考えて、誤解した。違う状況を想像した。 これを基に、事前に用意しておいたワークシートを使って、例題として挙げた日本語のどこが 問題なのか、どう言いなおしたら通じるかということをそれぞれ考え発表した。用意したのは次 の四つのケースである。 Case1 発音が似ているほかの単語と間違えた例 Case2 文が長くて複雑すぎた例 Case3 短縮形を及び、未習の文法・文型だった例 Case4 文の中に突然英単語が出てきた例 尚、これらの例題は、松本久美子「留学生と日本人学生のための”会話パートナー・ハンドブッ ク”Vol.2」(長崎大学留学生センター、2003)を参照した。 本研修会に参加した団体の過半数が、新規来日留学生のための受け入れボランティアを行って いる。我々が受け入れに関わる留学生のほとんどは、日本語について全く未習である状態で来日 し、半年間の留学生センターでの研修により日本語を習得していく。つまり、受け入れ業務補助 を担当する学生団体に所属する日本人学生と初めて対面する場合は、日本語がほとんど通じない 状態である。また全ての留学生が英語を話すわけではないし、同じように、不自由なく英語を話

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せる日本人学生もそんなに多くはない。そのような状態でコミュニケーションを図っていくため に、今回のグループディスカッションが役に立てば幸いである。 2.「留学生の事故!」∼非常時の留学生支援∼ 午前のプログラムでは日本語によるコミュニケーションという、初歩的なレベルの異文化理解 について触れたが、午後からは、非常時の留学生支援について事例を用いて進行した。 事例「ムスリム学生の事故入院と死亡」 木曜日の夕方、7 時過ぎに留学生会館の主事から大学の留学生課に「会館留学生の M さんが会 館近くの交差点で交通事故に遭い、重傷を負って市民病院の救急に搬送された(と警察から連絡 が入りました)ので、ご連絡致します」という第一報があった。 留学生課の職員と留学生アドバイザーは、当該学生の指導教授や当該事務部に連絡を取るや否 やすぐに病院に向かった。事故の状況は、以下のとおりである。 ミニバイクに乗った M さん(中東出身)は、アルバイトを終え、直接、留学生会館に戻るとこ ろだった。交差点の信号待ちの待避所から発車し、交差点を横断しようとしたところへ交差点内 に侵入してきた大型トレーラーと衝突して頭部に重傷を負い、意識不明の重体のまま緊急入院し た。 トレーラーの運転手は警察の調べに対して「交差点に入った時、信号は黄色だった。それにミ ニバイクの人はヘルメットをかぶっていなかった」と証言している。事故の目撃者は一人いたが、 信号は見ていなかったという。 最初に、この事例で出てくる問題点を順に挙げていった。ここで出てきたキーワードをまとめ ると次のようになる。 家族 言葉 目撃者探し お金の問題 警察 病院 友人・学校に連絡 事例として取り上げたのは、筆者自身が在学中に経験した留学生の事故であり、留学生の危機 的状況について考えるきっかけとなるものであった。当時神戸大学Truss として、事故現場でビ ラ配りをして目撃情報を収集し、起訴の際の有利な証言を得ることができた。そこで、現役学生 である参加者に、「もしも」の場合団体として個人としてできることとして考える意味で、活動報 告をプリントを用いて口頭で行った。その後 KJ 法を用いて留学生の危機的状況について話し合 った。ここでは妊娠・出産といった個人的なケースから、留学生が犯罪の加害者になるといった 事件性を帯びたケースまで様々な意見が出された(別紙1参照)。そこで、これらの問題について の解決策を出し合った。その結果、団体としての行動として、「イベント」「ボランティア」「講習 会」「情報提供」「その他の支援」の五つのカテゴリーに分けることができた(別紙2参照)。 留学生の数は年々増加し、2003 年には 10 万人を超えた。それに伴い、彼らに起こり得る突然 の事故や病気といった事態は今後ますます増えることが予測される。いざというときに慌てない

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ように、また、無理のない範囲でのサポートができるように、普段からこのような問題に対して も理解を深めてもらいたい。 3.まとめ 交流の初歩レベルと非日常レベルというかけ離れたレベルの2つの問題に絞って分科会を進行 したことで、後日行ったアンケートでは、「日常レベルのことをもっと扱って欲しかった」などと いう意見が出ていた。どのようなレベルのことを扱うにしても、根底にあるのはお互いのことを 理解しようという思いやりであり、相手の文化的背景を理解することであると思う。 この分科会はきっかけに過ぎない。 初対面の留学生との交流を深めるのは参加者個人個人である。その後の「日常」において、自 分たちで、どのように付き合っていくかを考えて欲しい。人と人との付き合いには、マニュアル など存在しないのだから。 <当日の配布資料> ・ 「日本語が通じない!?」 ワークシート形式 ・ 「危機とは?」 参考資料として配布 ・ 「マジッドさん交通事故の目撃者探し Truss の活動報告」 事例報告として配布 <参考文献> ・ 川喜多二郎 (1967)、「発想法」 中公新書 ・ 瀬口郁子、河合成雄(2003)、「留学生の危機的状況における教育的援助者の視点 ―交通事故事例からの一考察―」 神戸大学留学生センター紀要第9 号 ・ 花見槙子、湊博昭、水野治久、横田雅弘 (1998) 「留学生をめぐる危機的状況にどのように対応するか」 1994 年度 JAFSA 助成研究報告書 ・ 松本久美子(2003)、「留学生と日本人学生のための 会話パートナープログラム 会話パートナー・ハンドブック Ver.2」 長崎大学留学生センター

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愛は留学生を救う

妊娠 妊娠 子供を産むかどうか どこで産むか 嫡子問題 退学問題 誰かにからまれる ストーカーされる レイプされる 盗難にあう ひったくり 空巣 スリ 詐欺 悪徳商法 ぼったくり 被害者 対立 宗教上の対立 ケンカ 加害者 窃盗団加入 レイプする セクハラ 破損 暴行 ストーカーする 暴力事件 迷子 行方不明 夜逃げ 行方不明 勧誘 宗教に引き こまれる 冤罪 無 実 の 罪 を 着 せられたとき 誤認逮捕 住居 入居拒否 アルバイト バイトの待遇 クビになる アルバイトで不当に扱 われた時 金銭 電気代の不払い お金がない 金融トラブル 借金(ローン) 体の病 病気 事故 障害 ケガ 生死の問題 天災 火事・洪水・地 震 家がない 心の病 日本人の友達ができな い 精神病 犯罪 何か違反した 不法行為をしてしまった ドラッグ 飲酒と二人乗りで警察につかまった 不法滞在 逮捕された 強制送還 裁判 通訳 弁護士 証人

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ボランティア ・ キッチン計画(バザー) ・ 物資集め(バザー) ・ バザーを企画する ・ ベビー用品のバザー ・ 相談できる場所をつくる ・ 物品バザーなど定期的に 企画・運営する。 ・ 署名運動をする ・ カンパ ・ 募金活動

We can do it!!

情報 ・ 救済手当ての情報提供 ・ 奨学金情報の提供 ・ 留学生向けのバイト情報を 学校でつくってもらうように 要請する ・ ベビーシッター ・ 別のバイトを探す ・ ホストファミリーを探してあ げる ・ 留学生同士でバイト情報を 共有できるネットワーク作 り ・ 地図作り ・ 病院の紹介 ・ 人の募集をする ・ 働き口をあっせんする ・ 病院を載せた地図を作る ・ 留学生にやさしい住居紹 介冊子とか? ・ カウンセラー紹介 講習 ・ 語学講習会(エクスチェンジ) ・ 悪徳商法の手口や対処法に ついて講習会を開く ・ 対策講座 ・ 日本の法律を教える ・ 異文化理解を促すみたいなイ ベントをやる ・ 注意を呼びかける ・ 注意する ・ 避妊方法を教える会 ・ 盗難防止の講習会を開く。防 犯グッズの紹介等 ・ 夜に出歩くときは 人気の多 い所や電灯のついている道を 歩くように注意を促す ・ ビラ配り ・ 注意のビラ、MLで呼びかけ ・ ケガなどの救済処方やそれら に対する保険制度(日本にお ける)を自分たち自身でも勉 強会を開いたりすることによっ て学ぶ その他 ・ 盗難届 ・ 警察に届ける ・ 面会 ・ 仲裁に入る ・ 相談にのる ・ 心のケアをする ・ 泊める(宿泊施設提供) ・ 通院の手配 ・ お見舞い ・ 身の回りの世話 ・ 差し入れ ・ (入院中)教授に連絡いれる ・ 知人に連絡する ・ バイト先に留学生と一緒に抗 議しに行く ・ 抗議しに行く「なんで住まわ せてくれないんですか!?」 ・ 訴える(心をこめて) ・ 自首を促す ・ 辞めるように説得する ・ 捕まえる イベント ・ 周辺散策 札幌巡りツアーみ たいなの ・ 食事(提供) ・ ジンパで友達作り (北大外コ ミ) ・ 道案内 ・ キャンパスツアー ・ 歓迎パーティとかいろんな人 と出会えるイベントをいっぱい する ・ 他の留学生や日本人の集ま る場を作る ・ 他の日本の学生にも留学生 とふれあうことの面白さを訴え る為にポスターなどを作成す る。 ・ 知り合いの留学生を紹介す る。

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分科会 2

「サークル運営上の問題と方策 ∼これぞ我らのリーダーシップ!∼」

ファシリテーター:安達仁美、大森彰子 参加者: 石村望美(外コミ 1 年) 植田亜紀子(ISHR 2 年) 臼井奈津美(ISHR 2 年) 倉崎慎士(@home 1 年) 剣持雅城(105 2 年) 佐藤愛子(ACE 1 年) 佐藤宏美(韓国文化研究会 3 年) 政枝洋一(Truss 2 年) 松本梓(留学生・チューター会 2 年)門田真由(ISHR 1年) 山本和正(ACE 2 年) 以上11 名 目的 目的意識の共有の困難さ、メンバー感の温度差等といったさまざまな問題を抱えている国際交 流サークル。学生団体であるがゆえに、頻繁な世代交代という宿命を抱え、毎年同じような悩み を抱えているサークルのリーダーたちがいる。サークル運営上生じる問題を解決するためにリー ダーには、メンバーにはどのようなことが求められるのだろうか。自分のサークルを起点とし、 自己の理想を実現するための方策を考えることを目的とした。 概要 1. アイスブレーキング 2. サークルの現状分析・問題点の整理 3. The 新歓シミュレーションゲーム 4. モチベーション分析 5. 理想の団体像・リーダー像とは? 6. アクションプラン 1.アイスブレーキング グループでディスカッションを行う際には、そのメンバー間の壁を取り払うことが重要である。 分科会参加者同士がお互いに知り合い、親しみや信頼感を持つ中で初めて本音で語り合える環境 が作られる。そのためにも、アイスブレーキングは極めて重要である。 分科会2 ではより良い効果を出すために、アイスブレーキングにいくつかの仕掛けを設けて実 施した。 仕掛け1.「ニックネーム」・「最近感動したこと」 テーブルに各自の名前入りのワークシートを並べ、自分の名前の場所に着席してもらった。ワ ークシートの一枚目には「ニックネーム」と、「最近感動したこと」を記入する欄を設けておき、 自己紹介として全員に発表してもらった。

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仕掛け2.「シークレットフレンズ」 ワークシートに自分以外のメンバーの名前が書かれた紙をつけておく。その名前の人物が自分 のシークレットフレンドである。参加者には「分科会が終わるまでに自分のシークレットフレン ドをほめること。ただし、本人に気付かれないように。」という課題が出された。初対面の人との 積極的なコミュニケーションをうながす目的で行われた。 仕掛け3.シールdeグループ分けゲーム第一弾 部屋の中央に全員に目をつぶって立ってもらう。ファシリテーターが、各自の額に「赤」(6 人) と「白」(5 人)のシールを貼っていく。静かに目を開けてもらい、口を開かずに、同じ色の人同 士で集まってもらい、グループになって座ってもらう。早くグループができた方には、商品とし て名大飴(なめんなよ)のご褒美があった。なお、ここでは赤組が勝利した。(赤組:臼井・植田・ 剣持・佐藤宏・政枝・山本、白組:石村・倉橋・佐藤愛・松本・門田)。 2.サークルの現状分析・問題点の整理 各自が所属するサークルの現状分析を行った。全員に、所属サークルが抱えている「サークル 運営上の問題」について 3 点あげてもらい、各グループで全員の問題点について KJ 法を用いて 整理してもらった。 赤組は、大きく以下の3 つに分けてサークルの問題を分析した。 1. サークル内部の問題(内) 2. サークルの外部の問題(外) 3. サークルの組織の問題(仕組み) 1 については、主にメンバーのモチベーションの違いから生じる問題である。2 は、国際交流サ ークルという特殊な活動ゆえに生じる問題である。3 は、まさにサークルを運営していくにあた っての基礎となる組織部分の問題である。新しいサークルはノウハウの蓄積やアドバイスをくれ る上級生もおらず、維持することだけでも非常な困難を抱えている。また、資金を確保できない サークルにとっては資金の問題は死活問題である。 (赤組) (人、メンバー関する問題) 内 モチベーションの違い ⇒ ・ミーティング参加者の少なさ ・主要メンバーの少なさ ・方向性の違い・責任感の不足・負担 外 仕組み ・運営の基礎がない ・お金がない ・一方通行な活動 ・ニーズの把握 ・サークルが対象とする留学生の問題 ・サークル理念と違う活動内容

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白組は、大きく以下の3つのカテゴリーに分類して分析した。 1. 企画参加メンバー 2. 活動目的 3. 意識の違い 1 と 3 については、赤組でも取り上げられていたメンバーのモチベーション・意識の差異の問 題が指摘されている。つまり、サークルの所属する「人」の問題である。また、組織の仕組み自 体がうまくいっていない問題も含まれる。2 についても赤組と同様、活動を行う際に現れる「外」 の問題といえよう。 (白組) 意識の違い 企画参加メンバー ・メンバーの集まりが悪い ・ミーティング ・仕事分担ができていない ・国・文化間の溝 活動目的 ・活動目的・手段があいまい ・活動ビジョンの狭さ ・企画のマンネリ化 ・メンバー数 ・参加メンバーの固定化 ・学年の上の人が参加しづらい ・企画・参加メンバーが固定 ・男女比のバランス →サークル運営に潜む問題点とは? 2 班の問題点の整理から、サークル運営上の問題点としてはⅰ構成メンバーの「意識」の問題 と、ⅱ組織のあり方の問題があることが明らかになった。サークルをスムーズに運営していくた めには、両方について取り組む必要があろう。ここで、ⅱの組織のあり方の問題については、そ れぞれのサークルの活動内容が異なることや、おかれている環境の差異を考慮し、今回は、特に 「人」に関する問題について話し合うことにした。 以後、「人づくり」をキーワードに話し合いを進めた。 仕掛け4.シールdeグループ分けゲーム第二弾 再び、シールde グループ分けゲームを行い、全員を 3 つのグループにわけた(黄班:臼井・倉橋・ 佐藤宏、緑班:石村・植田・門田・山本、青班:剣持・佐藤愛・政枝・松本)。ここでは、緑組が勝利し名大飴 を獲得した。

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3.The 新歓シミュレーションゲーム 各班内で上級生役(一人)と新入生役(残り全員)に分かれ、上級生役が新入生役の人を自分 のサークルに勧誘するというものである。勧誘時間は一人三分。新入生役の人は新入生になりき って上級生に質問し、上級生役の人は一人でも多くの新入生を獲得するようがんばって勧誘する。 全員が上級生役、新入生役をやった後、「どのサークルに入ろうと思ったか、またそれはなぜか」 という質問をした。サークルを選んだ理由としては以下のような意見があがった。 ・ お金がかからないから ・ 気軽に参加できそうだから ・ 熱い思いが伝わってきたから ・ 友達が増えそうだから ・ ネットワークが広がりそうだから ・ 平和合宿(←ISHR)でまじめな話ができそうだから ・ 先輩の体験を聞いて、楽しそう、同じ体験をしてみたいと思ったから ・ 地域に合った活動をしているから ・ 自分の興味がある言語を話す外国人がいるから ・ 一人じゃできないことを実現できるから ・ サークルの雰囲気が合うから ・ 留学生と気軽に話せるから 次に、「どんな新入生がサークルに入ってくれると思うか、またそれはなぜか」という質問をし たところ、以下のような意見があがった。 ・ 親しい人(先生、知り合い)がいる人・居場所がある人 ・ 自由にできそうと思っている感じのする人 ・ 楽しそうにしてくれる人 ・ 反応がある人(興味があるから質問の数が多くなるのではないか) ・ 楽しそう!やってみたい!という気持ちがありそうな人 ・ 共感できる、達成感を求めている人 ・ 英語がしゃべりたいと思っている人 ・ 国際交流ができそうだと思っている人 ・ 一人ではできないことができそうだと思っている人 ・ やりたいという強い気持ちがある人(→情報を検索してかぎつける) ・ 成長できそうと思っている人 →学生がサークルに参加するときの状態は? 新入生等がそのサークルに入るとき、必ずそこには何らかの動機、モチベーションがある。新 入生をどうやって動機付けし、そのモチベーションをどう維持するかを考えることが重要ではな いだろうか。では、「∼したい!」という熱い想いはどのように変化していくのだろうか。以後、 「人づくり」における「モチベーション」をキーワードに話を進めた。

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4.モチベーション分析 「モチベーションのあがるとき、下がるときはどのようなときか」という質問をし、モチベー ション分析を行った。その結果、以下のような意見が出た。 モチベーションのあがるとき ・ 影ながらがんばっている人を見つけたとき ・ 留学生が喜んでくれたとき ・ まわりがのってくれたとき(まわりの環境) ・ 楽しいとき(サークル活動が) ・ うまくいっているとき ・ イベントが成功したとき ・ 理念に共感したとき ・ アトラスに参加して ・ 自分よりがんばっている人を見たとき ・ くやしいと思ったとき(→今度こそ!と思う) ・ やりたかったことができたとき ・ 土壇場のとき モチベーションの下がるとき ・ まわりがしらけている、だらだらしているとき ・ 自分が何をすればよいかわからないとき ・ マンネリ化しているとき、改善意欲のないとき ・ 楽しくないとき ・ 責任におしつぶされたとき ・ まわりに理解されないとき(がんばっているのに認めてくれない) ・ 興味がない活動をしているとき ・ 一部で盛り上がっているとき ・ 仕事がないとき ・ 問題がおこったとき、人間関係がうまくいかないとき ・ 一人でやっているとき ・ 目的を見失ったとき →モチベーションとはどのような性格を持つか? モチベーションは、周りの環境に非常に左右されることがわかる。つまり、他人の働きかけに よってあがったり下がったりするのである。よってコントロールが可能なものである。 仕掛け5.文章づくりdeグループ分けゲーム 名大饅頭でしばしの休憩をとった後、再びバトルが行われた。

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まず、部屋の中央に各自のワークシートを持って集まってもらう。その表紙には、あらかじめ 一文字のひらがなが印刷してあった。これは、1 分以内にその文字を並べ替え、ひとつの文章に するというゲームである。ちなみに文章は、「あ わ じ し ま に き て よ か っ た」。 このゲームでは全員が名大飴を獲得した。(「あわじしまに」チーム:剣持・山本・植田・倉橋・佐 藤愛・石村、「きてよかった」チーム:臼井・政枝・松本・門田・佐藤宏) 5.理想の団体像・リーダー像とは? メンバー全員のモチベーションが高い状態で維持されているとき、どのような団体になるかを 考えてもらった。 そして次に、理想のリーダー像を考えてもらった。自分が今、リーダーの立場だったとして、 メンバーのモチベーションをあげるためにはどうしたらよいか、リーダーとして大切にしたいこ とを語群(ほめる、認める、しかる、しきる、任せる、聞く、相談にのる、相談する、励ます、 支える、引っ張る、伝える、指示する、愚痴る、引き出す、まとめる、信頼する、笑いをとる) を参考に3 つ選んでもらった。 →理想の団体像・リーダー像を考える 理想状態が頭にあれば、それに向かってがんばることができるだろう。また、それを実現する ための具体的なリーダーのありようについて考えるヒントにしてほしいと考えた。 6.アクションプラン 自分のサークル改善方策を考え、A4 の白紙を好きなだけ用いてサークル改善計画書を作成する。 その際、現状(問題点)・理想状態・具体案の三点を必ず入れること。決意表明を兼ねて計画書を 全体の前でプレゼンテーションしてもらった。 7.総括 入ったきっかけがどうあれ、入ったメンバーがモチベーションを持ってがんばれるか否かは、 他のメンバーの行動に規定される部分が非常に大きい。丁寧にサポートしてあげることでその子 はサークル活動にのめり込む確率が高くなるであろうし、なんでも押し付けられるばかりでサポ ートがないような状態では、その子のモチベーションは下がってしまうだろう。リーダーだけで なく、上級生、他のメンバー全員でお互いをサポートし合い、各自のモチベーション管理を行う ことが重要である。 そのようなサークルの雰囲気を作る際、重要な役割を果たすと考えられるのがリーダーである。 この分科会のテーマでもある。「人づくり」を可能とする「リーダーシップ」のあり方とはどのよ うなものか。それぞれのサークルにおいて、個々人の性格を生かして、それぞれに合ったリーダ ーシップを選ぶこと。上記のような視点に立った上で考えることが必要である。 仕掛け6.プチドッキリ企画 発表準備が終わり、翌日の発表のリハーサルも無事に終わった後。11 名のメンバーが集まって、

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一人ずつ自分のシークレットフレンドを明かし、その人の「よいところ」を披露していった。全 員のよいところリレーが終わった後には、11 名がひとつの輪になった。そして最後に、ファシリ テーターからメンバーにちょっとしたプレゼントを贈った。そのプレゼントとは、全員が作った アクションプランである。ファイルの裏表紙には、各々がプレゼンをしている写真と、分科会2 メンバーの集合写真を貼り付けた。「地元へ帰ってからそのファイルを開き、アクションプランを 実行してほしい」というファシリテーターの願いが込められたものであった。 8.ファシリテーターの二人言 分科会2 では、メンバーに「楽しんでもらう」ことを大切にしてきた。いくつかの些細なゲー ムや、プチドッキリ企画。そのようなちょっとしたことが、大きな喜びに変わることを知ってい る。分科会終了後、メンバー全員で淡路島の砂浜に飛び出し、海に沈んだ夕日に向かって「あわ じしまにきてよかった∼」と叫んだ思い出は今でも忘れない。そんな優しい気持ちを大切に、楽 しいサークル活動が行えることを願ってやまない。

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分科会 3

「サークルにおけるイベント企画と異文化理解」

ファシリテーター:江口啓子、高村淳子 アシスタント:山口翠 参加者:

川岡彩佳(ISHR 1 年) 倉中翔太朗(@home 1 年) 佐野智利(ACE 1 年) 中川知美(MAC 2 年) 中台理恵(コミュニケーション・ガイドブック作成研究会 3 年) 橋本恵美(ISHR 2 年) 林美希(ISHR 2 年) 八井由香里(ISHR 1 年) 山崎ゆかり(ACE 2 年) 山本暁生(Truss 2 年) 余梅芬(「話っ、輪っ、和っ!」実行委員会 2 年) 以上11 名 目的 昨年度、同じ題目で分科会を行ったときは、参加者のほとんどがイベント企画未経験者という こともあり、異文化理解という観点も取り入れたイベント企画のノウハウを身につけることを目 的としていた。しかしながら、そもそも何のためにサークルでイベントを行うのか、明確な目的 意識を持って企画をしている団体はどれほど存在するであろうか。恒例行事となってしまったイ ベントをルーチンワークとしてこなしているうちに、イベントの意義を見失ってしまったり、そ のような恒例行事がメンバーにとって重荷になっている現状が存在する。そこで今年度は、何の ためにイベントを行うのか、何のために異文化理解が必要なのかという、この「何のため?」と いう目的意識を明確にすることに重点をおいた。 概要 1.アイスブレーキング(メインファシリテーター:山口翠) 2.ビジョンを知ろう!(メインファシリテーター:江口啓子) 3.ビジョンを作ろう!(メインファシリテーター:高村淳子) 4.ビジョンを使おう!(メインファシリテーター:江口啓子) 5.振り返り(メインファシリテーター:江口啓子) 1. アイスブレーキング はじめに、アイスブレーキングとして他己紹介ゲームを行った。このゲームは、2 人 1 組とな り、互いに1 分間ずつ自己紹介を行う。その後ペアを変え、今度は先程ペアになっていた人物に なりすまして「自己紹介」を行うというものである。これを 3 回繰り返した後、今度は1人ずつ 皆の前で最後にペアだった人物になりきって「自己紹介」を行った。そして、紹介された本人が 誰であるかを確かめ、先程の「自己紹介」の内容が正しかったかどうかを確認し、間違った情報 は正していった。 このゲームはいわば、自己紹介の伝言ゲームのようなものである。3 回もペア変えを行えば、 しだいに情報が他の人物のものと混同されたり、情報自体が微妙に変化していったりする。そん な、人の記憶力の不確かさを楽しみつつ、参加者同士の交流を図った。

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2. ビジョンを知ろう! ここからが分科会の本題である。まずはイス取りゲームによって参加者を2 つのグループに分 け、それぞれのグループにファシリテーターが一人ずつ付いた。以降の話し合い及び発表はグル ープ内で行うこととした。ここでは、特別に用意したワークシート(冊子)をもとに、自身の経 験を振り返りつつ、ビジョンとはどんなものか理解していくことを目的とした。 グループに分かれて話し合いを始める前に、導入として、参加者自身が企画したイベントにつ いて語ってもらった。イベント企画の経験者は4 人で、参加者の半分にも満たない人数であった。 しかしながら、イベントに何らかの形で関わるという経験は全員がしているはずである。それで は、1 つ 1 つのイベントに、明確な目的意識を持って参加しているだろうか?そのような問いか けをした上でグループワークを開始した。 まずは個人個人でワークシートにこの1 年の団体の活動を書き出していった。さらにそれが何 のための企画であったかも書き出し、グループ内でワークシートに書いた内容を紹介しあった。 ここでは、自身の経験を振り返り、1 つ 1 つの企画にはそれぞれ目的があることを確認すること が狙いであった。グループ内での発表が終わった後、ファシリテーターがまとめを行った。1つ 1つの企画には目的があり、そのような1つ1つの企画の集合体が団体活動と言える。では、団 体は何のために活動しているのだろうか?ここでは、団体が活動する目的、つまり団体のビジョ ンを考えていくということを参加者に理解してもらい、次のステップに進んだ。 次に行ったのは、ビジョンの定義について理解することである。まずは定義について説明を行 う前に、参加者の抱いているビジョンに対するイメージを明確化し、共有することを図った。「ビ ジョンとは○○である」というように、ビジョンをあるものに例え、皆の前で発表しあった。そ の際、そのように例えた理由も説明してもらった。参加者が抱いていたイメージは、ファシリテ ーター側が考えていたものと大きくずれるものはなく、次のビジョンの定義の説明も受け入れや すいものとなった。参加者自身の持つビジョンに対するイメージも尊重しつつ、次に、本などに おけるビジョンの定義をまとめたプリントを配布し、一般的なビジョンの定義について皆で確認 した。その上で、たった1つの正解はないとしながらも、ここではビジョンを「理想の世界」と 定義づけた。そして、団体にとってビジョンとはどのようなものであるか、陸上競技のトラック に例えながら、図を用いて説明をした。団体の活動を、陸上競技でトラックを走ることに例える とするなら、目指すゴールが団体のビジョンである。ただし、そのゴールには走っても走っても たどり着けない。常にそのゴールは逃げ続ける。なぜなら、ゴールはビジョンであり、ビジョン は理想の世界である。理想の世界とは決して現実にはならないのだけれども、我々は理想を目指 して日々努力するのである。さて、最終的なゴールの前には何本ものゴールテープが存在する。 それが1つ1つの企画にあたる。1つ1つの企画を成功させながら、最終的なゴールを目指すの である。ここで、ビジョンと共によく使われる、「ミッション」と「コンセプト」についても定義 づけを行った。これらの言葉も様々なレベルに応じていかようにも解釈されるが、この分科会に おいては、「ミッション」とはすなわち1つ1つの企画を行うことであり、「コンセプト」とはビ ジョンを目指す上での方向性であると定義づけた。 こうして、第1部はビジョンの定義を参加者と共有し、第2部からはこれらを前提にして実際 にビジョンを作り、それを利用するところまで試みた。

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団体におけるビジョン・ミッション・コンセプト コンセプト 方向性 ミッション 1つ1つの企画 ビジョン 理想の世界 3.ビジョンを作ろう 昼食をはさんだ後、第 2 部が始まった。第2部では、団体としてのビジョンを明らかにし、そ のビジョンの実現のためにできることについて考えた。第1 部では、個人的な経験を振り返りつ つ、個々の企画にはそれぞれ目的、ビジョンが存在することを確認した。そして、それらの企画 を行う団体にも当然ビジョンは存在するということを前提に第2 部は始まった。ここで、参加者 の意識を個人レベルから団体レベルにまで持っていくために、ファシリテーターから「タカの目、 虫の目」の話をした。「タカの目」とはマクロの視点を意味し、団体の方向性などを見定める目の ことである。「虫の目」とはミクロの視点を意味し、個々の問題を解決していくための目である。 ここからは皆に「タカの目」を持って、今の団体で何を成していくかということを考えていって ほしいということを述べた。 第2部もワークシートを埋める作業を通して考えをまとめていった。最初の質問は、団体の存 在理由を問うものであった。学生団体は、現状に何らかの問題があり、それを解決するために発 足される場合が多い。自分の団体はどんな問題を解決するために活動しているのか。団体が解決 しようとしている問題をワークシートに書き出し、第1部と同じグループ内でその内容を紹介し あった。ここでワークシートに書き出された問題が解決された世界が団体の目指す理想の世界、 つまりビジョンのはずである。第1部で振り返った団体の活動とその目的も考え合わせることで、 自分の団体が目指すものを明確にすることができたと思う。 次に行ったのは、団体が実現したい理想の世界を思い描くことである。思い描いた理想の世界 にタイトルをつけ、その世界はどんな世界なのか、皆の前で 2 分程度のプレゼンテーションを行 った。ここで挙がった理想の世界は次のとおり。 ・ 素敵な日本人 ・ 仲良し ・ 交わり ・ みんな仲間 ・ 無意識 ・ 世界に飛び出すMac ・ わきあいあい☆ワールド ・ 地球村 ・ 日本人と留学生が共に学び行動するCampus!(→国籍も個性)

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・ 友達 ・ 国境を越えて誰とでも仲良くできる世界 団体で目指したいビジョンが明らかになったところで、次に現状分析を行い、理想と現実の間 に横たわる溝を埋めるための方策を考えた。先のプレゼンテーション時に理想の世界の特徴を挙 げていたので、現在それらがどの程度実現されているかをパーセンテージで表し、現実と理想の 間には溝があることを確認した。そして、その溝を埋めるための方策を考えるにあたり、ファシ リテーターからHOW ツリーという思考法を紹介した。これは、抽象的な命題に対し、具体的な 方策を案出する際に用いられる思考法である。このHOW ツリーを用いて、ビジョンを実現する ための戦略を立てていった。 以上、第2 部では個々の中で団体としてのビジョンを明確化し、その実現に向けての方策も考 えた。弟3 部では、ここで作ったビジョンをもとに、ビジョンを活かした企画について考えるこ とになる。 4.ビジョンを使おう 第1部、第2部を通して、参加者の中ではそれぞれのビジョンが明確化してきた。第3部では、 ビジョンがあることによって企画作りがどのように変化するのか体感することを目的とした。つ まり、実際にビジョンを実現するための企画を考えてもらった。 まず、くじ引きによって参加者を3 グループに分けた。以後、そのグループごとに作業を進め ることとした。 第3部の本題に入る前に、導入として、ファシリテーターから「留学生10 万人計画」について 紹介した。参加者の中には当然耳にしたことのある者もいたが、初めて知ったという者もいた。 2003 年に留学生がとうとう 10 万人を突破し、日本の留学生政策も転換点に来ていることもあり、 企画におけるビジョン、ミッション、コンセプトを説明するための具体例としてあえて取り上げ ることにした。資料をもとに、「留学生10 万人計画」のビジョン、ミッション、コンセプトにつ いて解説しながら、国の政策は我々の活動とも無関係ではないということを伝えた。学生団体の 活動といっても、日々の活動は大学内のことに留まっているようでいて、実は政治や社会情勢と も密接な関わりを持っているということを意識できたのではないかと思う。 企画におけるビジョン・ミッション・コンセプト コンセプト どのように ミッション 何を ビジョン 何のため

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次に、いよいよ参加者にビジョンの実現を目指した企画作りを行うことになるのだが、段階と しては2段階を踏むこととした。第1段階は、とあるビジョンを持った架空の団体を用意し、そ の団体に留学生センターから依頼された留学生と日本人学生との交流イベントを企画するという ものである。詳細は次のとおり。

【設定1】

アトラス大学の国際交流サークルE’Z は大学内から It’s a small world”の実現を目指 す団体。E’Z のメンバーは、国籍や言語、宗教、思想の枠を超えて、みんなで仲良くして いけることを理想としている。E’Z は、ある日留学生センターから新入留学生歓迎イベン トの企画を依頼される。企画には5 万円までの補助が出る。 ここまでの情報を与えたところで、各グループでこの企画におけるビジョンとコンセプトを決 定してもらった。その後、具体的な企画を立てるにあたり、さらに次のような条件を付け加えた。 【設定2】 新入留学生50 名 〈内訳〉 1 言語状況 日本語が話せる…20 名 日本語は習いたて…20 名 英語しか話せない…10 名 2 国籍 韓国…10 名 中国…12 名 インドネシア等東南アジア…10 名 欧米…8 名 中南米…5 名 中近東、アフリカ…5 名 このような条件を加えた理由は、企画に参加者の立場を考える視点、つまり異文化理解の必要 を意識してほしかったからである。国際交流のイベントを行う際、様々な国籍、言語、宗教、文 化を持った人びとが対象者となる。どのようなイベントにおいても参加者の視点は必要不可欠で あるが、日本人だけを対象にした場合よりもさらに参加者は多様性に富み、故に特別な配慮も必 要とするのである。 グループごとに企画内容を話し合い、その後模造紙を用いて企画のプレゼンテーションを行っ た。各グループから出た企画は次のとおりである。

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松チーム 「MIX クッキング」 ビジョン:留学生と日本人の仲をとりもつ コンセプト:気張らず誰でも気付けば友達!! 概要:留学生50 人を 25 人ずつ2日に分けて歓迎会を行う。アイスブレーキングとしてじゃんけ ん列車を行う。このゲームのメリットはスキンシップをとることによって互いに親密になれるこ と、留学生にじゃんけんを教えることができることである。その後、みんなで精進料理を作る。 精進料理としたのはどんな宗教の人でも一緒に作ることができるからである。同じ料理を互いに 協力し合って作ることにより、仲を深める。 竹チーム 「新生活応援キャンペーン」 ビジョン:日本になじむきっかけを作ってもらう コンセプト:留学生が受け入れられたと思ってもらえるようにする 概要:はじめに立食パーティーを行う。E’Z が各国の料理を用意し、各国の民族衣装を着る。そ して、その国の留学生に料理や衣装について説明をしてもらう。各国の料理や衣装を用意するの は、新しくやって来た留学生に安心感を与えるためであり、それらについて説明を求めるのは、 双方向のコミュニケーションを図るためである。次に、パーティーとは別の日に買い物ツアーを 行う。生活必需品を買いに行ったり、地域案内をしたりする。1回会うだけでは仲良くなれない。 会う機会を2回設け、同じ時間を多く共有することで仲を深め、留学生が受け入れられたと感じ てもらえるようにする。 梅チーム 「心をつなげよう」 ビジョン:日本人と留学生が仲良くなる コンセプト:心をつなげよう 概要:はじめに自己紹介とアイスブレーキングを行い、交流するきっかけを作る。次に日本の伝 統文化(空手、日本舞踊など)を披露し、鍋パーティーを行う。鍋というメニューにしたのは、 同じ鍋をみんなでつっつくことにより互いに親密感が生まれるからである。次にグループ対抗の ドッヂボール大会を行う。グループ対抗ということで、同じグループのメンバー間で仲が深まる。 最後におつかれパーティーを行って終了する。 その後、企画の振り返りを全員で行った。先程の企画はどこに気をつけて企画を作ったか、皆 で意見を出し合った。ここではっきりさせたかったのは、企画のコンセプトははっきりしていた か、参加者の視点(異文化理解)がはいっていたか、ビジョンは意識されていたかの3 点である。 こうして、企画に大切な「ビジョンを意識」「コンセプトを明確に」「参加者の視点(異文化理 解)」の3 点を踏まえて、いよいよ第二部で作ったそれぞれの団体のビジョンを実現させるための 企画を作ることになった。ここからはワークシートをもとに個人作業となる。ワークシートの企

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画書には「企画名」「イベントの背景」「ビジョン」「コンセプト」「対象者」「企画内容」「参加者 の立場で気をつけること」「将来構想」といった項目があり、これらの項目を埋めていく過程で上 記の 3 点を意識した企画が立てられるように工夫されている。こうして出来上がった企画を、ま ずは先程のグループ内でお互いに発表しあい、次にグループの代表者を1人決めて、選ばれた 3 名が皆の前でプレゼンテーションを行った。時間の都合上、3 名にしか全員の前での発表の機会 を用意することができなかったが、それぞれに自分のビジョンを見据えた、オリジナリティーに あふれる企画が出来上がっていた。 代表してプレゼンテーションを行った企画 松チーム代表:「サークル紹介」 竹チーム代表:「わくわくアドベンチャー」 梅チーム代表:「民族衣装仮装パーティー」 5.振り返り 最後に、ファシリテーターから本日のまとめを行った。そして、ワークシートの最後のページ に全員が明日からの誓いを書いた。研修会が終わって、それぞれの団体に帰ってから、具体的に どう行動していくかを決意しあって分科会は終わった。 まとめ 今回は徹底的にビジョンにこだわった。その理由は、ビジョンのない団体に未来はないと考え ていたからである。ビジョンを見失ったまま活動をしていれば、いずれその団体が行き詰ること は目に見えている。学生団体はメンバーの入れ替わりが激しく、ただでさえ団体のビジョンを見 失いやすい。いつまでも発足当時のビジョンを保ち続けるということは難しい。あるいは時代に よって、そのときのメンバーによって、ビジョンも変化していくことだろう。しかし、大切なの は常に何のために活動しているのかという目的を見失わないことである。目的のはっきりしない 活動はメンバーのモチベーションを下げ、団体活動に悪循環をもたらす。逆に、ビジョンが明確 な団体は常に何のために活動をしているのかがはっきりしており、次に何をすべきかをも自ずと 見えてくる。 参加者にもこの分科会が意図したところは伝わったようである。分科会の発表準備を通し、参 加者自らがもう一度ビジョンについて考え直していく中で、この考えを自分たちのものにしてい ってくれた。研修会後に、自分の団体で分科会の報告会を行ったという話も聞く。ここで学んだ ことをさらに自分の団体の中でも広めていこうとする参加者の姿は頼もしい限りである。それぞ れの団体の更なる発展活躍を願う。

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<当日の配布資料> ・ ワークシートブック ・ 「ビジョンとは」 参考資料として配布 ・ 内田勝一「留学生10 万人を超える―その背景にあるもの」(早稲田大学広報誌『月間Campus Now』2004.1 号) 参考資料として配布 <参考文献> ・ ケン・ブランチャード(著)、ジェシー・ストーナー(著)、田辺希久子(翻訳) 『ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか』 ダイヤモンド社 2004

参照

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