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(1)

I  SSN  0915‑7565 

N a g a s a k i  U n i v e r s i t y  I n f o r m a t i o n  S c i e n c e  C e n t e r  

センターレポート

特 集 ・ e ‑ l e a r n i n g  

長 崎 大 学

総合情報処理センター

2003 

(2)

1  .巻頭言

長 崎 大 学 長 粛 藤 寛

president@m l . n a g a s a k i ‑ u . a c . j p  

長 崎 大 学 は 大 学 独 立 法 人 化 に 際 し て 「 中 期 目 標 ・ 中 期 計 画 」 を 策 定 し ま し た 。 その中核部分は以下のとおりです。

『 長 崎 大 学 は こ れ ま で 「 長 崎 に 根 付 く 伝 統 的 文 化 を 継 承 し つ つ , 豊 か な 心 を 育 み , 地 球 の 平 和 を 支 え る 科 学 を 創 造 す る こ と に よ っ て 、 杜 会 の 調 和 的 発 展 に 貢 献 す る 」 と の 理 念 に 基 づ き 、 教 育 ・ 研 究 活 動 を 展 崩 し て き た 。 新 世 紀 初 頭 の 国 立 大 学 法 人 へ の 移 行 を 契 機 に 、 教 育 研 究 の 更 な る 高 度 化 と 個 性 化 を 図 り 、 ア ジ ア を 含 む 地 域 社 会 と と も に 歩 み つ つ 、 世 界 に と っ て 不 可 欠 な 「 知 の 情 報 発 信 拠 点 j であ

り続けることを基本的な目的とする。』

長 崎 大 学 は こ の た び 「 長 崎 大 学 高 度 情 報 化 推 進 に 関 す る 提 言 」 を 受 け 入 れ る こ と と し ま し た 。 こ れ は 「 情 報 基 盤 の 整 備 等 に 関 す る 検 討 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ J か ら の 提 言 を 全 学 で 審 議 検 討 し 、 了 承 し た も の で す

0

・これにより長崎大学は、はじ め て 情 報 に 関 す る 基 本 政 策 を と り ま と め る こ と が で き ま し た 。

ワ ー キ ン グ グ ル ー プ メ ン バ ー は 岡 林 隆 敏 委 員 長 ( 附 属 図 書 館 長 ) 以 下 1 2 名 の 委 員 か ら な り ま す が 、 総 合 情 報 処 理 セ ン タ ー の 野 崎 岡 I J 一 助 教 授 な ら び に 柳 生 大 輔 助 手に参加願いました。

こ の こ と か ら も 長 崎 大 学 が 「 総 合 情 報 処 理 セ ン タ ー 」 に 寄 せ る 期 待 が し 、 か に 大 きいかがおわかりいただけましょう。

提 言 に は 、 長 崎 大 学 情 報 関 連 業 務 の 意 思 決 定 及 び 執 行 シ ス テ ム の 確 立 の た め の

「情報政策委員会(仮称)の設置 J 、ならびに「情報メディア基盤センター(仮称) 設 置 」 が 述 べ ら れ て い て 、 「 情 報 メ デ ィ ア 基 盤 セ ン タ ー ( 仮 称 ) J はネットワーク

の 支 援 か ら 大 学 情 報 業 務 の 支 援 、 長 崎 大 学 に 適 し た 新 し い 技 術 の 研 究 開 発 を お こ なうとされています。

この提言をうけて、これまで本学の情報に関する業務が縦割りで、また個別に行われ てきたことの非合理性・非効率性を改善するため、近い将来に情報メディア基盤センタ ー(仮称)を設置します。総合情報処理センターにはその中核的な役割を担っていただ きます。どうかよろしくお願いします。

「情報処理は長崎大学に学べJ という評価を得ないようでは長崎大学の将来はありま

せん。

(3)

長崎大学総合情報処理センター『センターレポート』第 2 2 号

目 次

1.巻頭言

2 . 投稿

(特集 e ‑ l e a r n i n g )  

・ ノートパソコンを利用して簡単に遠隔講義を!

. 宮 原 末 治 ・ 藤 村 誠 1  .  遠隔講義システムにおける教育の可能性 全学教育人文社会科学科目

「社会と歴史 j 授業実践研究から考えたことこ...井手弘人 5  .  ギガピットネットワークを利用した DVTS による日韓遠隔交流・学習

.藤木卓・全両丙徳・森田裕介・上菌恒太郎・

驚 藤 寛

中 村 千 秋 ・ 柳 生 大 輔 1 4   .  教育学部 FD i I T 講習会」における eラーニングの活用と今後の課題

. 林 朋 美 ・ 古 賀 掲 維 ・ 中 村 千 秋 ・ 三 上 次 郎 2 4  

.  転換期の社会が求める地域住民を対象とした遠隔講義システム

.  .新田照夫 3 2 (一般)

GNUR の紹介と時系列解析への適用

一丸田英徳、 40 .  ブロード、バンド・モパイル環境におけるネットワークサービス利用法

一 柳 生 大 輔 52

3 .   FAQ: よくある質問と回答

( 1 )   常勤職員 NUNe t I D ホームページからの申請 •...••••.•••••••.•...• 5 8  

( 2 )   TCP/IP の設定方法 ...59 

( 3 )   メールパスワード変更 •....•••...•...•..••••••••...•.•••.. 72 

( 4 )   パソコンでのパスワード変更 ..••••••••.••.••...••••••..••...• 75 

( 5 )   ダイアルアップパスワード変更 ...•..•••••••.•••...••.•..••••. 77 

( 6 )   メール転送設定 ••••....••.•...•..••••••••••••....••.••••.•••• 79 

( 7 )   学外からのメール送信について •••.•••...•...•••••••...••••. 81 

( 8 )   Windows U p d a t e   ...88 

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車 問

卜 . 況 申 百 一 状 用 揃 用 利 題 題 肝 況 利 度 課 課 事 状 室 年 用 用 一 働 末

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究 育 タ 稼 端

1

研 教 ン 成 セ

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(4)

6 . 名簿 ..•...•••.•...••••••.•.•...•••••••••...•.••• 1 0 9  

7 . センターの広場 ••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••• 1 1 0  

8 . 編集後記 .  .  .  .  • • • • • • .  .  .  .  .  • .  .  • • • • .  .  .  .  .  .  .  .  .  .  • • • .  .  .  • .  • • • • .  .  .  .  .  .  .  • • • .  .  .  . .   1 1 1  

9 . センタ一利用案内 ••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••• .表紙裏

(5)

e ‑ l e a r n i n g )   投 稿(特集

2 .  

ノートパソコンを利用して簡単に遠隔講義を I I 

工学部 宮原末治

miyahara @C i s . n a g a s a k i ‑ u . a c . j p   藤 村 誠

makot 憾 c i s . n a g a s a k i ‑ u . a c . j p   はじめに

情報処理技術の分野では、携帯電話、インターネット、 e‑ コマース、電子政府などの新しい サービスが次々と現れ、かっその発展は急速で、ある。これらを支える技術も広範囲となり、一人 の教官がこれらすべてをカバーして学生に教えるのは困難な状況になりつつある。

そこで、このカバーで、きない領域を外部の専門家に講義してもらうことを考えている。しかし、

長崎大学は情報発信の中心地である東京から遠く離れており優秀な講師を依頼すると、経費や時 間の確保の点で問題が生じる。

そこで安価で手軽に、だれもが利用できるインターネット(I p 網:注1)を用いた遠隔講義を 企画した。講義自体は、当学科で外部講師に依頼している集中講義をテストケースとして取り上

げ、講義の充実度、教育効果、準備のしやすさ、経済性について検討した。

ネットワークとシステムの選択

遠隔講義を行うには、衛星回線や専用回線を利用した遠隔会議システムを流用する方法が既に 存在する。これに対して最近は安価なインターネットを用いた遠隔会議システムを用いた遠隔講 義が普及し始めている。

このインターネットを利用した遠隔講義はパソコンの他に、カメラとマイクさえあれば、それ を通信回線に接続することによって、だれとでも、いつで、も、場所を選ばずに情報の交換ができ るので便利である。

今回は、図 l に示すようなインターネット上で動作する市販の遠隔会議システム M e e t i n g P l a z a ( N 打 I T 社製)を採用した。

2 .  

《受講生側(長崎大学) 》

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映像分配擁 i

回 目 白

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《講師側(横浜)

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( M e e t i n g  P l a z a )   生徒 1 生徒 2 生徒 6 9

遠隔講義システム〉

‑1‑

く図 1

(6)

このシステムは網内にサーノくーを設置し、送られてくる映像をサーバー上で、見やすく編集して 利用者に提供する サーバー設置型の遠隔会議システム"である。使用料金は同時に利用する人 数によって異なり、初期費用が 3 万~7 万円で、月々の使用料はサービス内容で異なり 2 , 500 円

~11 万円となっている

(詳細は

www

ページ参照

:

2

)

このシステムを選んだのは、 ネットワークへの接続が容易なこと、サーバーを経由することで 複数の利用者聞の情報(例えば、画像)の送信と受信とが同時にできること 、 サーバー利用のた めの予約が容易なこと、などである。

例えば、遠隔講義を行うためのサーバー予約の手順は、

事前準備 「①遠隔会議システムのホームページから、講義に使用する時間等の情報を入力

する(この操作により 、サーバーを使用するための UR L を記載したメーノレ が送られて来る) 。

②講師にメーノレで URL を知らせる。

直前準備 │③使用時は、メーノレの中の UR L をクリックするにの操作により、遠隔講義

用のソフトウェアが自動的にダウンロードされ、通信が可能となる) 。 今回の遠隔講義の講師は神奈川県横浜市内の会社の一室から、講師所有のノー ト ノ号ソコンにカ メラとマイクを接続し、 L A N 経由でインターネットに接続して講義を行った。 これに対し、 受 講生側では図 1 に示すように長崎大学工学部情報システム工学年ヰの演習室にノートパソコンを 持ち込んで接続した。

3 . 講義方法

受講生側では図 2 に示すように教室前方のスクリーンと各自のワークステーションのデ ィプレ イ画面に講師の姿や講義の説明資料(パワーポイントの内容)が表示される。それらの映像は状 況に応じて、カメラ映像、あるいはパワーポイントの画像を単独もしくはマルチで映し出すこと ができる。

また、 音声は室内の天井に埋め込まれたマルチスビーカーによって放送される。

<図 2 講義の風景>

つ ん

(7)

4 . 講義内容

情報システム工学科では、「情報セキュリティ技術とその最近の動向」とし、うテーマで、情報科 学特別講義(選択科目 : 3 年生前期)を集中講義で開講している。

講師の中山先生は、情報通信のための暗号化ハードウェアや暗号化ソフトの商業化を進められ ており、市場とのつながりが強い。しかし、ビジネスマンということから講師をお願し、してみる

と時間的な制約が多かった。そこでインターネットを利用した遠隔講義を行うことにした。

講義は、 8 月 5 日の午後と 6 日の午前の 2 日間で行われた。講義内容の説明はパワーポイント を使った画面をフ。ロジェクターと各受講生の ws 画面に表示し、講師による遠隔操作によって説 明の位置や強調部分は朱色のラインや丸印で囲んで説明された。

講義は最初に画面上に講師の姿を映して自己紹介などの情報交換を行い、次に講義へと移った

O

講義内容は以下の通りである。

①情報セキュリティ、不正アクセスの現状、 ②暗号・認証・ディジタル署名技術

③暗号の標準化と製品化、 ④著作権保護関連技術、 ⑤電子すかし技術、

⑥具体的応用システムの例;デモンストレーション

⑦互いの姿を画面上に映しての質駒芯答

講義終了後、講義の内容に対寸る理解度の評価試験と、本システムを用いた講義に対するアンケ ート調査を行っ t : : . o

5 .   受講生の感想・意見

アンケートに対し 6 3件の回答があり、「良かった」との意見 44 件、「問題点がある」との意見 1 6 件が上がって来た

O

その主なものは以下の通りである。

遠隔講義システムに対して:

良かった点

・講義の方法や進め方、説明位置の指示方法が新鮮だ、った。

‑普段の講義と変わらなかった ( 1 5 名から回答が寄せられた)

.画面がすぐそばにあるので、説明文は読みやすかった

O

・地方にいても有名な先生の講義を受けられるのは便利である。

問 題 点

・進度が速すぎてノートがとりづ、らかった。

‑先生が、受講生側の映像の進度を加減してほしかった

O

‑質問をする機会はあったが、やりにくかった。

講 義 の 内 容 に 対 し て : 良かった点

・暗号化や認証の説明が丁寧でわかりやすかった

O

・内容が興味深かった

O

スライドなど適切に使われてしザ L .現場の人の話を直接聞くことが出来てよかった。

問 題 点

‑前半は分かりや寸かったが、後半は難しすぎた。

・技術に対してイメージが湧かなかった。具体例があれば分かりやすかったと思う

0

・いろいろな技術の紹介があったが、その技術を使った実演が見たい。

‑3 

(8)

6 . 今後の展開

遠隔講義の評価のために、筆者等も講義を聴講した。その結果、音声、映像ともになめらかで 品質は良好であり、講義に使用しでも問題がないと判断できた。受講生の講義理解度の試験の結 果も、講師が前方で、講義を行った昨年度の集中講義の結果と差がなかった。また、インターネッ

トを使った遠隔講義が十分実用的で、あることが分かった。

今後の改善策としては、

(1)受講生からの意見・要望を満たすことが挙げられる。具体的な改善策としては、例えば、プ ロジェクター表示画面を複数にし、①講師が説明している画面とは別に、一つ前の画面を表 示してやること、②受講生の受講伏況を講師ぺ云達できるようにすること、などが挙げられ

る 。

( 2 )システムとしての改善として、予習や復習のために、資料や説明の内容を附W ページ、ある いはビデオオンデマンド ( V O D ) に掲載し、何時でも閲覧できるようにすることなどが考えら れる。これらの対策は、現行システムでも対応できる部分が多く、次回の遠隔講義の中で改 善してして予定である。

7 .   まとめ

インターネットを利用し、 2日間に渡ってサーバー設置型の遠隔会議システムを用いた遠隔講 義を行った。その結果、

①パソコンにマイクとスビーカー、それにプロジェクターを取り付けることにより、簡単に遠 隔講義を行うことができる。

②遠隔講義の予約もインターネット上の附W ページから比較的簡単にできる。

③遠隔会議システムは音声の途切れや映像の劣化がほとんど感じられず、受講者の感想「通常 の講義と遜色なし、」からも分かるように、遠隔講義システムとして問題なく使用できる。

④インターネットを利用した遠隔講義は、人の移動のための経費と時間を大幅に低減・短縮で き、経済的である。

等を実証することがで、きた。

今後は受講生から指摘された問題点 特に講師の説明の進め具合と、受講生の理解度との適合 をどのようにしてとるのが'などについて検討するとともに、他の科目への適用についても検討 して、使用可能な科目を拡大して行く予定である。

注1) I n t e r n e t  P r o t o c o l  N e t w o r k  :世界規模のコンビューター・ネットワーク 注 2 ) U R L

h t t p : / /

w . n t t ‑ a t . c o .j p / p r o d u c t / m e e t i n g p e r f e 2  

‑4‑

(9)

遠隔講義システムにおける教育の可能性

一全学教育人文社会科学科目「社会と歴史」授業実践研究から考えたこと一

はじめにー「ながさき I T フェア」における遠隔講義の経験

大学教育機能開発センタ一 井 手 弘 人

i d e@ r e d c . n a g a s a k i ‑ u . a c . j p  

筆者は 2003 年 10月 17 日(金)午後 2 時 30 分から 4 時まで、筆者が担当する全学教育人文社 会科学科目「社会と歴史一長崎大学史からみる日本近現代一」にて、総合情報処理センター第 2 端 末室と長崎駅前「かもめ広場」を結んだ遠隔講義実験を公開する機会に恵まれた。参加した学生は、

総合情報処理センター第 2 端末室側 45 名(教育・経済・医・工・環境科学部の 1 " ' 4 年生)長崎 駅前かもめ広場前 3 名(経済学部の 1 年生)であった o 8CS などでの議論に参加した経験はあっ たものの、インターネットを活用した中継は初めてであったので、期待と不安が交錯する中、当日 の授業に臨んだ。

当日参加した学生に授業終了後に感想を尋ね、概ね【表 1 】のようなコメントをもらった。

事前に知識として知っていたものを実際に体験したことに対するコメント

私は教育学部だということもあり遠隔授業などとよく耳にします。まだ遠い存在だと思って いましたが、こんなに身近に体験できるとは思っていなかったため正直驚きました。(教育学 部 3 年)

遠隔講義のメリット・デメリットに対して考察を加えたコメント

マイクで受け答えができるのはいいですが質問はしにくそうだなと思いました。カメラの調 子もありますが実際に見ているほどの効果はあがらないと思うのでパワーポイントの画面を 直接送れるといいのではないかと思います。ただ、教授の顔が見えなくなるので味気ない授 業になるかもしれませんが・・・(工学部 1 年)

この授業については正直落ち着かなかった。しかし音声さえよければ便利であり、これから はどんどん活用すべきだ。(工学部 3 年)

教育方法としての「新鮮さ」を表現したコメント

とても楽しかったし、ためになった。また変わった授業をやってほしい。(工学部 3 年) 遠隔授業は目新しく感じた。マイクに雑音が入ることが気になった(環境科学部 3 年 ) 。 遠距離授業は真新しく感じた。(環境科学部 1 年)

今日の授業の感想として、初めて通信授業をうけた。初めての経験でなかなか面白かった!

また機会があれば、またうけてみたいなと思いました。(工学部 1 年)

「授業形態J(遠隔講義)として認識しているコメント

今回この教室にいない人でも授業が受けられることはすごいと思いました。とても面白い授 業の仕方だと思います(工学部 3 年)

遠距離から講義を受けられるのはいいことだと思うけど、現場とはなれた場所と同時に講義 するのは、多少無理があると思う。(工学部 3 年)

中継による授業はなかなかいいと思う。遠くの大学の授業を学びやすくなるだろうと思う。

(工学部 1 年)

とにかく前の授業などで一言断っておいてほしかった。いきなりだったので非常に驚いた。

それはそれとしてかもめ広場をつかつて公開授業というのはちょっと面白い発想かもしれな いなと感じました。(環境科学部 3 年)

【 表 1 】「ながさき I T フェア」遠隔講義 ( 2 0 0 3 年 1 0月 1 7 日実施)に対する学生の反応

‑5‑

(10)

本稿では、全学教育人文社会科学科目「社会と歴史」の授業実践研究を進めている立場から、今 回の経験をふまえて考えたことなどをまとめてみた。

教 養 教 育 に お け る 「 思 考 」 一 全 学 教 育 人 文 社 会 科 学 科 目 「 社 会 と 歴 史 」 授 業 実 践 研 究 の 立場から

(1)授業デザイン一歴史的思考の枠組み

遠隔講義システムや e ‑ l e a r n i n g への言及をする前に、まず筆者にとって活用の前提となる全学教 育人文社会科学科目「社会と歴史 J の授業デザインについてまとめてみる。

長崎大学全学教育の人文社会科学科目「社会と歴史」には、以下のような科目目標がたてである。

われわれの社会がどのような仕組みを持っているのか(法・経済・政治・文化・民族など)、

またどのように形成されてきたのか(歴史的及び地理的)、そしてその中で生活を営む諸個人 は社会とどのような関係を取り結んでいるのか、あるいは取り結んできたのか。

この科目では社会の構造と機能、及びその変動に主たる問題関

I

むを置き、社会そのものを時 間的ー安関的・構造的に理解する能力を養う。

(長崎大学『平成 15 年度全学教育学生便覧~ P . 3 より)

【 表 2 】 全学教育人文社会科学科目「社会と歴史」の科目目標

教養教育の人文・社会科学分野において教育上目指されることは、戦後新制大学のシステムが導 入され、一般教育 ( g e n e r a le d u c a t i o n ) が行われるようになった頃から本質的には変わっていなし、。

例えば、一般教育のあり方について初めて具体的なモデルを提示した『大学に於ける一般教育 一 般教育研究委員会報告 ~ ( 1 9 5 1 年 9 月)には、一般教育における人文科学及び社会科学分野のそ れぞれの特色を以下のように提示して、デ、イシプリンの基礎を修得することより、人間性の探求や 開発、価値判断、予見といった学生の「思考の獲得」を重視していることが分かる。

いま人文科学を、他の二部門即ち社会科学と自然科学とに対比して、総括的に云うならば、その本質乃至 特色を第一に人間性の探究と開発という点に認めることができるであろう。もちろん、社会科学も、自然科 学すらも、人間性の探求又は開発とは決して無関係ではないが、人間性そのものを直接研究対象とし、しか も之を内面的に深く且つ多方面に亙って追求し、又は開発する点では、何と云っても人文科学が最も著しい と見得るであろう。…(中略)…。第二に、価値判断ということが、人文科学の本質的特色に数え得るであ ろう。尤も価値判断ということも他の二部門にみられぬわけではないが、真・善・美・聖というような高い 人生価値に広く亙って之を直接探求し、又この種の価値判断力を開発する点で、やはり人文科学が優れてい るということは否定できない。而して人文科学の多くに通ずる価値判断の特色として、個性の価値が強調さ れているということも見逃され得なし、。…(以下略)

社会科学は、人聞が理性的動物として存在し行動することを中心として研究してゆく学問である。従って 人間の価値とその目的とを無視した社会科学はありえないであろう。この点、自然科学が自然法則を取扱う 場合と異なるのである。このような点を考慮するとき、たとえば歴史を取扱う時には常に価値に関連づけて、

人聞が自ら形成した社会集団において、知何に行動すべきかに及ぶと共に、過去にはどうで、あったかを見、

将来にはどのように行動すべきかを予見することになる。社会科学の価値はこのようなところにあるのであ る。従って教授法においても、か』る成果をあげ得るようにヒストリカル・アプローチを用いるか乃至は併 用してゆくことが効果あるものとして望ましいであろう。…(以下略) 2 

また最近の教養教育カリキュラムモデ、ルの研究としては、慶応義塾大学経済学部の羽田功教授を

‑6 一

(11)

中心として組織された教養教育研究会が提案した『教養教育グランド・デザイン 新たな知の創造』

(文部科学省 2001 ~2002 年度委託研究報告書)がある。その中では、「文化知J ・「社会知」・「科 学知」としづ知の領域は、「従来の人文科学、社会科学、自然科学にほぼ対応する知の領域」吃定 義されているが、こうした「知」を基盤として統合・継承・再構築・創造の 4 段階のレベルに体系 化し、それを教養教育のゴールとしている点が注目される。このカリキュラムモデ、ルは教養教育を 学士課程全体の枠組みとして捉えているため、学士課程を全学教育と専門教育に分けている長崎大 学の実状にそのまま適用することはできないが、少なくとも、教養教育が行う知的活動のうちで、

知を用いた思考の形成にモデルの本質を置いていることは示唆に富むものと言ってよい。すなわち、

新制大学初期の教養教育カリキュラムモデルで、あれ、最近のそれであれ、学生がどのように思考す べきか、その枠組み(フレームワーク)のトレーニングが、専門教育とは決定的に異なる教養教育 の位置づけと定義されうる。

この授業では、上記のような教養教育モデルに意図されァている内容と[表 2 1 に掲げられている 長崎大学全学教育人文社会科学科目の科目目標から、【図 1 1 のような学生が学習活動として経験す べき思考モデ、/レをたて、具体的に[表 3 1 のシラパスを組み立て、学生に初日の授業 ( 2 0 0 3 年 10 月 3日)に提示・説明した。

距離 {外的事象)

待問 (過去)

{内的認識)

【 図 1 】「社会と歴史」における歴史的思考のモデル

授業の中で最も学生に期待した知的活動は、過去事象の知識( d ) を講義で習得することではなく、

過去の事象から未来を予想( a ) したり、過去の状況を様々な事象から構造的に判断し理解(c)すること、

そして、未来の状況をも構造的に予想( b ) できることで、あった。さらにその思考過程が上記 ( a ) から ( d ) の各要素間への移動の連続性を意識しながらなされることで、歴史的思考 ( H i s t o r i c a lt h i n k i n g )  

が現在の自分の価値判断のフレームワークとなるようにトレーニングすることを目指した。例えば、

「現代社会におきている問題がいつおきはじめ、それがどうしづ背景によるもので、今後どういう 可能性がありうるかJ という思考は O → d → c → a ( o r   b ) という過程をふんでいることになる。ま た(c)や(b) の内面認識の具体的対象を可変的にとらえることによって、 r~社会』はこうなるだろう(こ うなっただろう) J 

r~私』はこうなるだろう(こうなっただ、ろう)

J というような幅のある状況判断 をすることが期待できる。これらの思考が自分の現状とを相対化し、価値判断あるいはその根拠を 修正する機能として学生に思考してもらうことを目標とした。

7‑

(12)

【授業の目標}

献 1 文 書

・ 科 料 教 資 [ 考

みなさんは長崎大学を他の人に説明するとしたら、どのように説明しま すか。この授業では、長崎大学を社会との接点から歴史的に説明できる ようになることを第一目標とします。まずはみなさんの所属している長 崎大学は歴史的にどういう役割を担って設立され、社会とどのような関 係のもとで発展してきたのかを理解していきましょう。

また、今この瞬間にも長崎大学の歴史は創られています。長崎大学で今 学んでいるみなさんは、新しい歴史が作られている瞬間と全く同じ時間 に学生生活を送っています。長崎大学史を創っている一員として、今後 の大学生活を通してどういう人物として将来社会との接点になってい こうと思うか、自分なりに 2 言えるようになることをこの授業の第二目標 とします。

この授業は長崎大学から社会をみつめ、そして自分自身をみつめる時間 にしていきます。

│ l i │ l ( 2 畑週齢劃 U … ) 川 川 こ l に

業はコ一スパケツトに沿つて進行していきます。

また、インターネットの環境も併用して授業は進みます。

参考図書は授業中に適宜示していきます。

1

1 参考図書は授業中あるいはインターネットで適宜示していきます。 I

1 1 1 評価の対象となるもの】

・授業の中間部 ( 1 1月 14日)に出される中間レポート (40%)

・授業終了後 ( 1月 30日)に出される最終レポート (40%)

‑授業内での発表、ディスカッション (20%)

【評価の観点]

(レポートについて)

この授業は目標にも書いてあるように、歴史の知識を「覚える」のでは なく、歴史の知識を「使って」自分の考えを明確に述べることを最も重 視します。

このことをみなさんに実現してもらうために、上の 2 つのレポートは以 下の観点、から評価をします。

・授業で、得た新しい知識をもとに、自分の考えを述べているか。 ( 3 0 点)

[成績評価の方法】 1 1 ・文献資料やインターネットなど、いろいろなメデ、イアの情報を加えて 工夫された内容になっているか。 ( 2 0 点)

・授業やインターネット上で、デ、イスカッションした他の人の考えを考慮、

して自分の考えを述べているか。 ( 2 0 点)

・レポートの論理展開に一貫性があるか ( 1 0 点)

{履修条件}

(発表やディスカッションについて)

ここで、の発表やディスカッションは、これまでの授業で学んできたこと を応用できているかを重視します。また、インターネットでのディスカ

ッションへの参加についても重視します。

‑授業時間内での発表の際、自らの意見を分かりやすく伝えるような工 夫がなされていたか。

‑インターネットで、のディスカッションに積極的に参加しているか。

(双方で 20点。どちらにどの程度の配点ウェイトを置くかはみなさん で選択してもらいます)

特にありませんが、 「教養セミナーJで学んだプレゼンテーションやレ ポートの作成法、あるいは「情報処理入門」で学んだ(あるいは同時進 行で学んでいる)ことなど、これまでの学習経験を活かしながら授業に

臨んでください。

‑8 一

(13)

この授業ではこれからの大学の授業で拡大していくインターネット空 間を活用した学習 ( e ‑ l e a r n i n g ) を積極的に活用していきます。

【注意事項】 授業時間内だけではなく、授業時間外の家や、学校内のパソコンがある 部屋で、短い時間でも自分のペースで議論に参加して下さい。

日付   1 1

パソコンに自信がなし、!という人もこれをきっかけに少しずつ慣れて いき、楽しみながら授業に参加して下さい。

肉容

110 月 3 日 3 1  第 1 部日本近現代史と長暗大学の発展過程との関係を考えよう

‑授業内容の説明

‑イントロダクション:長崎大学の理念と「シップマーク」

~月 10 日 11 文明開化と日本型大学システムのはじまり一幕末~明治 20 年代一

~月 17 日 l 九州「帝国大学」争奪戦一明治 30...初年代一

( ‑帝国主義国家としての高等教育システムの展開一大正 昭和初期一 e l e a r n i n gw e e k ①) 

(インターネットで授業配信をします。これをみた後に、指定された課題を指定日時までにクリアして 下さい)

~月 31 日 I[戦時体制の中の高等教育一昭和 10 年前後~昭和岬一

( ‑高度経済成長と新制大学の役割一昭和 e I e a r n i n g  w e e k ②)  2 0 年 昭和後期一

(インターネットで授業配信をします。これをみた後、指定された課題を指定日時までにクリアして下 さい)

│ 1 1 月 1 4 日 │ │ 情報社会、新たな役割を模索す間一現代‑

(中間レポート長崎大学と社会とのつながりを、歴史的な見方からまとめてもらいます)

1

1 1 月 2 8 日│ 第 2 部・各学部と社会の接点を歴史的な観点から考えよう 日本社会の中から見た各学部のあゆみ(1)

~月 5 日 11 日本社会の中から見た各学部のあゆみ位)

@ 月 1 2 日 1 1 国際社会の中から見た各学部のあゆみけ)

@ 月 1 9 日 1 1 国際社会の中から見た各学部のあゆみ位)

~月 9 日 1 1 地域社会の中から見た各学部のあゆみけ)

~月間 11地域社会の中から見た各学部のあゆみ位)

11 月 3 0 日 3 1  総括ディスカッシヨン 2 0 1 4 年町長崎大学在考える

(最終レポート・自分の所属する学部の位置づけを歴史的な観点でおさえながら、自分が長崎大学 で今後何を学び、どのような社会の一員として活躍していこうと思うかを述べてもらいます)

【 表 3 】「社会と歴史一長崎大学からみる日本近現代」シラパス(平成 1 5 年度)

( 2 )   e ‑ I  e a r n   i  n g 空間の活用

さてこの授業では、シラバスにもあったように、 e ‑ l e a r n i n g の環境を用いて授業は進められた。

具 体 的 に は 、 大 学 教 育 機 能 開 発 セ ン タ ー で 運 用 し て い る プ ラ ッ ト フ ォ ー ム r W e b C T J 日本語版 ( v e r .  3 .   8 ) を用いて、授業時間外の学習や講義資料、学生からの提出物の受け渡しゃ一部の提出物 の結果の公開、学生間・教員一学生間のコミュニケーションやデ、イスカッションを行った

O

W e b C T における詳細な授業実践内容については別の機会で述べることとして、ここでは、 e ‑ l e a r n i n g

‑9‑

(14)

を用いて授業における学生の歴史的思考のトレーニングをどのように設計・実践したかについて述 べておく。

授業各回の終了時に、学生には講義を聞いたうえで関連テーマを与え、講義内容の簡単なまとめ のほかに学生個人の考えをあわせてパソコン上で記入してもらい、 W e b C T 上で提出するという思考 課題を出すことにしていた。そのテーマの一覧は以下の【表 4 ] のとおりである。

回(日付) 思考課題ァーマ

第 2 回 ( 1 0 / 1 0 ) なぜ長崎は「日本型大学システム」の中心 l こなれなかったのか?

第 3 回 ( 1 0 / 1 7 ) なぜ長崎は「帝国大学」ではなく、実業専門学校だ、ったのだろう?

第 4 回 ( 1 0 / 2 4 ) 長崎大学はこれから何かの「拠点 j になれるか?

第 5 回 ( 1 0 / 3 1 ) 私たちは戦時期の長崎大学前身諸学校の役割をどう考えればいいのだろう?

九州各県の国立総合大学(長崎大学以外)をホームページで調べて

各大学が旧制のどういう学校を合併して どうしづ学部が設置されたか (昭和 2 4 年当時)を図にしてみよう。

第 6 回 ( 1 1 / 7 ) 現在の各大学がどうしづ学部構成になっているかを調べて、昭和 2 4 年設 置当時とどう違うのかを比較し、簡単に説明してみよう。

長崎大学の現在の学部構成と九州の他の国立総合大学の学部構成とベ 較してみて、長崎大学の学部構成には九州各県の総合大学と比べてどうい

う特徴があるか、自分の言葉で述λてみよう。

第 7 回 ( 1 1 / 1 4 ) (中間レポート:長崎大学と社会とのつながりを歴史的な見方からまとめる) 第 8 回 ( 1 1 / 2 8 ) 自分の所属学部の自慢しまくりァーマ提出

第 9 回 ( 1 2 / 5 ) 教養部って結局何だ、ったんだろう? . 

第 1 0 回 ( 1 2 / 1 2 ) 長崎大学も含めて、日本では学部と大学院ってどう違うのだろう?

第 1 1 回 ( 1 2 1 1 9 ) 長崎大学はどのような大学評価を受けるだろう?

第 1 2 回 ( 1 / 9 ) 長崎大学では地域貢献型産学連携として、どんなことができるだろう?

1.大学での公開講座はどうし、う背景で始められ、現在ではどうし、う役割を果た し、これからどんな役割が期待されると考えますか。

第 1 3 回 ( 1 / 2 3 ) 2 . 長崎大学で実際に行われた公開講座の内容は、どういう理由から提供された と思いますか。具体的な公開講座を lつあげて、地域とし、う言葉を必ず用 いて書きなさい。

「自慢しまくりァーマ j の発表

• 2 0 1 4 年の長崎大学はどんなものになっているか 第 1 4 回 ( 1 / 3 0 ) ‑自分はどう関わってみたし、か

(最終レポート:自分の所属する学部の位置づけを歴史的な観点でおさえなが ら、自分が長崎大学で今後何を学び、どのような社会の一員として活躍してい こうと思うかを述べる)

【 表 4 】 学生に対する授業時間内における思考課題(( )内は中間・最終レポートのテーマ)

【 表 4 ] の課題と、[表 3 ] の授業時間内での講義とを組み合わせた授業デザイン上の歴史的思考過程を [ 図 1 ] の枠組みモデ、/レに準じて作成すれば、【図 2 ] のようになる。

ハ り

Ei

(15)

過去事象の知識 ( d )

‑ ・ ・ ・ " 

1 0 ‑ L 一一ー 1 1 . L   未来の事象を予想( a )

0 7

o. . . . . . . .   0 9

: f n   1 2 事象をみる「定点 長崎大学 J :

( 過去) ダ ‑ , ‑ . ̲ .  ( 未来)

未来状況を予懇 ( b )

̲  .  . ̲ J ̲ 一 ‑ 0 9 ・ E

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1 0 ‑ E  1 3 ‑ E  

( 内的認識

J 内 o:~筈 f川、

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授 業 時 間 内()思 考 諜 お

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綬 業 時 間 外の課 題 (

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3 ‑

E=r3@]便業の思考課題

J )

→.綬娠で意包されている

学生の惣考の加1

… 学生が可変釣にとらえるべき!lI滋空間

一 一 ー ̲ .可

F

‑ ー ・ ‑ ̲ . " ー ‑ . ‑ ̲ . ‑ 過去状況の理解( c )

【 図 2 】「社会と歴史一長崎大学史からみる日本近現代」の歴史的思考過程モデル

[ 図 2 ] のモデノレにあるように、この授業ではし、くつかの段階を経ながら、 [ 図 1 ] の思考モデ 、 ルに接近 することを想定している。

まず第 1 段階として長崎大学史における ト ピック的な事象と、それに関連する社会的背景を連続的に

学んでいく時期 (

02・L~07・L) がある 。

ここで過去事象の知識(CI)から類推して過去状況の理解を深めた

り ( c:  0 2 ‑ E  、 0 3 ‑ E 、 0 5 ‑ E ) 、過去の出来事から未来の事象を予想する ( d → a ) としづ基本的な思考のト レーニングをこの時は行う 。

第 2 段階は、長崎大学とそれに関連する社会的背景に関する過去事象を広く捉えることを整理したう え ( 07‑0 ) で、広さを確保したまま過去状況の理解や未来の予想を試みる段階である。例えば、第 12 回の講義 U 2 ' L ) は、産学連携に関する歴史を、アメリカ州立大学や法整備の観点、わが国の産学連携政 策の展開、そして長崎大学で実際に行われている産学連携に至るまでを講義で学習する。 そして長崎に おける TLO 設立のことから将来長崎大学がどのような産学連携の実績をとり得るかについて、インタ ーネッ ト 等を活用 して学生が様々なアイデアを 出す U 2 ‑ E ) へと展開 し てし て 。 このように、事象をみる 定点として長崎大学はありつつも、学生は世界的な大学の過去動向から、未来を予想するように学習は 展開されてし、く 。

第 3 段階は、講義を聴いて得た情報を知識として獲得する学習活動とは全く逆に、これまで獲得した 知識や将来の予想などをもとに、 自分で情報を収集 し ながら過去の状況とその背景、現状と将来に至る までを類推し、書き 上げて いく活動である 。具体的には、生涯学習を キー ワードにして、大学で行われ ている公開講座がどこでどういう理由で始まり、長崎大学ではどのように行われ、これからどうなって

いくか(~、くべきか)までを自らのカで作成していく

Ü3-E)。

実際に学生はアメリカ州立大学やわが国

の私立大学などの公開講座の原点と言うべき事象を調べ上げ、長崎大学で行われている公開講座のテー マから、なせ 、 当該学部が公開講座のテーマとして設定したのかを、社会的なニ ーズや大学(学部)が置 かれている現状などから類推して書き、今後公開講座がどのような役割を果たすべきかについても記述

' i

 

1ム

(16)

して提出している。

そして第 4 段階で、初めて「自分」との関わりについて思考をすることになる。例えば、 2 0 1 4 年の 長崎大学はどうなっていて、それに自分はどう関わっていたいと思うか(1 4 ・ E ) や、長崎大学で自分は今 後何を学び、どうしづ社会の一員になりたいと思うか(1 4 ‑ 0 ) などはそれにあたる。

( 3 )  e ‑ I  e a r n   i  n g のメリット

上記のような授業デザインで e ‑ l e a r n i n g を用いて授業を実践して感じたことは、学生の思考がどのよ うに動いているかを提出物などですぐに把握することが可能なことにある。例えば、ある学生が[図 2 1

の 0 5 ‑ E の思考課題を提出した結果をみると、 0 5 ・ L の授業内容をふまえた回答を寄せておらず、自らの 考えだけを書いていたとする。その際には、すぐさま WebCT 内の e ‑ メール機能を使って、そのことに ついての修正を求めるコメントを出すことができる。

また、クラス全体の認識のズレを把握し、授業内で、それ了を修正することも可能である。例えば、長崎 が熊本・福岡と行った帝国大学誘致になぜ敗れてしまったのだろうか、という 0 3 ‑ E の思考課題につい て、ほとんどの学生が「福岡が長崎より大都市だ、ったから」と回答してきた。ところが当時の九州最大 都市は長崎市で、あって、学生は現在の常識から類推していることが把握することができた。そこで We ぬ bCT に国立国会図書館の「近代デ、ジタルライブラリ一 J 4 と長崎大学附属図書館の「古写真コレクシ

ヨン J 5 にリンクを貼り札、そこから 100年前の人口統計表と現在の人口統計表、及び古写真の様子から 長崎市が 100 年前どのような位置づけをもった街で、あったかを確認してもらう時間を設定した。学生の 多くが、長崎が当時九州、│最大の都市で、あったとし、う事実をこの時初めて知ったので、ある。このように、

講義を一方向で淡々と続けた場合には見落としがちな学生の認識をすばやく把握し、修正できるのは大 きな意味がある。

さらに歴史を学ぶ場合に、 e ‑ l e a r n i n g はとても重要な役割を果たす。歴史は、個人が生存している期 間より以前のことはどんな状況で、あっても直接経験をすることができない。したがって現実空間で学ぶ ことが極めて限定されるものである。ところがテクノロジーの発達によって、様々な史資料をもとに当 時の状況をできるだけ忠実に再現する「仮想空間J ( v i r t u a l  r e a l i t y ) の構築が可能になった。歴史を学 ぶ立場からすれば、遺構だけではない可視的な空間で過去の実態を把握する機会が増えたことになり、

時間的な代理経験と、仮想空間における直接経験の距離が一気に縮まった。伊藤と宮本はメディアの発 達に伴って直接経験による学習が減り、代理経験によって「見た」ものからが学ぶ学習が増えている状

況を、 I~逆』経験の円錐のような状況にある J

6 と表現しているが、歴史学習に関して言えば、仮想空間 における直接経験の増大は、文献解釈に依拠したものとは異なる全く新しい学習空間を提供しており、

学習者にとってもアクセスのしやすい学習媒体であると言える。

( 4 ) 遠隔講義システムの活用可能性と課題

今回の「ながさき I T フェア」の経験では、中継の依頼を受けてから授業実践に至るまでわずか一週 間しかなかったため、遠隔講義、ンステムの有効な活用が準備で、きずに残念で、あったが、仮にこれまで紹 介してきた「社会と歴史 長崎大学史からみた日本近現代」で今後も活用できるとしたら、どういう可 能性が考えられるかについて多少の考察を加えてみたい。

まず、【図 1 1 及び[図 2 1 の歴史的思考モデルで、考えた場合、思考をするうえでそのままでは実現で きない場所がある。それは横軸が O で、縦軸が1f f こ向かう位置である。すなわち、全く同時刻で距離が 離れた場所について思考することは、学習者が存在するその場しか直接経験の機会は与えられないので、

できないのである。しかし、この遠隔講義システムを利用すれば、長崎大学と、数キロ離れた JR長崎 駅前かもめ広場が生中継で結ぼれたように、同時刻の異なる空間がどうなっているのか、ということを 見ることができる。これは先述の代理経験が、タイムラグなしで実現できるということであり、思考を 試みるうえでの唯一の「デッドゾーン」が解消されることを意味する。[表 1 1 の中で「遠くの大学の授

つ ﹄

E ム

(17)

業を学びやすくなるだろう」というコメントをした学生がいたが、例えば、同じような思考の枠組みで 学んできた異なる大学の学生間で、特定のテーマに対するデ、イスカッションをしたりすることが可能で ある。

もう一つはこれに関連して、講義形式の授業や e ‑ l e a r n i n g で陥りがちな直線的な学習とそれに伴う認 知フ。ロセスを、遠隔講義システムを用いることでタイムラグなしで検証し、多様な観点からの認知に拡 大することができる。講義形式の授業では、双方向型の授業形態をとらない限り、教員の講義内容が直 線的に学生に伝わる。クラスサイズが大規模になればなるほど、双方向性授業の機会は減少し、学生は 授業で示された講義内容以外に学習範囲を拡大することなく、したがって限定的な学習活動をしてしま いがちである。また e ‑ l e a r n i n g も、講義をビデオで配信し、それを学習者が見て、テストに答えるとい ったような学習活動に陥りがちで、これはしばしば、対面型の伝統的な学習に対する決定的な短所と指 摘されてきた。しかし、遠隔講義システムはライブであるため、必ずしも一方通行の学習になるとは限 らない。相手に対して質問もできるし、代理経験型の学習をより前面に出せば、学習者が抱いている疑 問を直接中継先の人が確認し、回答をリアルタイムで伝えることもできる このように同時刻で距離の 離れた空間がつながることは学習者の思考を促す空間を演出するために大きな役割を果たしうるのであ る。しかも、衛星回線のように高コストな環境ではなく、インターネットを利用した低コスト環境でこ れが実現されるということは、それだけ学生への提供機会が増えることを意味し、大変意味のあること

と言える。

ただ問題は、これを多様な学習ニーズに対応で、きるような戦略的プランニングがどれだけなされてい るか、ということであろう。単にシステム導入という側面だけではなく、先述したように、多様な授業 デザインで、多様な要求が出た時に、それに柔軟に対応しうる組織・資源(物的・人的)が整えられてい るか、ということは、 e ‑ l e a r n i n gを積極的に推進するうえでは早急に解決すべき課題であろう。 1 つの e ‑ l e a r n i n g コンテンツ開発をするためには、授業デザイン・教材作成(取材・多様なメディア(印刷教 材・映像教材など)への配慮)・コンテンツ編集・システムエンジニア・情報リソース等、多様な役割を 果たすべき組織及びスタッフが必要である。今回の「ながさき IT フェア」での経験でも、総合情報処 理センターのスタッフ各位が事前の準備に奮闘している姿を目の当たりにした。こうした努力が長崎大 学全体の組織的営為となるような体制づくりを望みたい。

1 大学基準協会「人文科学J

~大学に於ける一般教育

一般教育研究委員会報告 』昭和二十六年 ( 1 9 5 1 年) 九月、 p . 1 ‑ 2

2 大学基準協会「社会科学 J

~大学に於ける一般教育

一般教育研究委員会報告 』昭和二十六年 ( 1 9 5 1 年) 九月、 p . 2

3 教養教育研究会『教養教育グランド・デザイン一新たな知の創造Jl (文部科学省 2001‑2002 年度委託研究 報告書)、 p . 1 5

4 国立国会図書館 web サイト ( h t t p : / / w w w . n d l . g o . j p / ) 。電子図書館「近代デジタルライブラリー」には明治 期刊行図書を画像データベースで見ることができる。長崎大学関連でも、『官立長崎師範学校規則』や『長崎 医学専門学校ー覧Jl

~長崎高等商業学校一覧』など、前身諸学校の貴重な資料を簡単に見ることができる。

5 長崎大学附属図書館所蔵電子化コレクション web サイト

( h t t p : / / w w w . l b . n a g a s a k i ‑ u . a c . j p / o l d ̲ p i c / i n d e x . h t m l)。なかでも「日本古写真超高精細両像データベース」

は特に精密な古写真の電子化データベースである。

6 伊藤秀子、宮本友弘「映像メディアによる新しい学習の展開 J

~フレキシブル・ラーニングのための学習支

援と評価(I)Jlメディア教育開発センター研究報告 4 1 号 、 2 0 0 3 年 2 月 、 p . 7 .

I~逆』経験の円錐J とは、 Dale

が 1 9 6 9 年に提唱した教材が学習者に与える経験を「経験の円錐 ( c o n eo f  e x p e r i e n c e )   J としてモデ、ル化した ものが、近年逆の形になっているということをあらわしたものである。具体的に言えば、「経験の円錐」では 直接的・目的的体験が学習者に対して具体性をもった、経験の頻度の多いもので、あったが、近年は映像メデ

ィアの発達によって、世界各地で起こっていることを衛星中継で同時に知ることができたり、直接経験した ことのない自然現象を映像で見ることができるようになるなど、直接的・日的的経験の頻度が減り、間接的 な情報から学習する機会が増えていることである。

q u  

tE ム

(18)

ギガビットネットワークを利用した DVTS による日韓遠隔交流・学習

長 崎 大 学 教 育 学 部 向 上

藤 木 卓 t ‑ f u j i k i @ ne

t . n a g a s a k i ‑ u .

a り C . J . 全 嫡 徳 bd 尚 jun @ ne

t . n a g a s a k i ‑ u . a

C . J 加 p  向 上 森 回 裕 介 ymo

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t a @ ne

t . n a g a s a k i ‑ u . a

C . J 向 上

向 上

上 薗 恒 太 郎 k ami 札 i ロ zon o@ ne

t . nagasak 恒 u ‑ u .

a C . J 叩 p  中村千秋 sonn y@ i . e d u . n a g a s a k i ‑ u .

a C . J 拘 p  長崎大学徒冶 f 静倒庇里センター 柳 生 大 輔 d ‑ y a g y u @ n e t . n a g a s a k i ‑ u . a c . j p

1  .はじめに

本研 究 は, 日韓による共同研究プロジェク 卜として有われる , 中学生を対象とした遠隔交流 ・ 学習である .本 原稿 執筆が ,本 番前 に当るため,予定という ことでまとめさ せ ていただく .

未来型遠隔環礎学習

「海老越え ZエネルギG 未来奄考え占う! J 

ギガピットネットワークを使った目線遠隔交流・学習

日時:

2004

2 刀 1 9

日 (木

1 1 : 1 5 ~ 1 2 : 1 5  

(述隔環境学習) 事前交流

2 0 0 4

2

1 8 n 

(

1 1 : 1 5 ~ 1 2 : 1 5  

(述阪国際交流) 主催:長崎大学教育学部 口斡速隔学醤プロジェク卜

全南 ( C h o n n a m )

大学校 師範大学(教育学部) 韓日遠隔学習プロジ

長 崎 一 福 岡 一 韓 国 G > 3 地 点奄結 , 1 ¥ 3

九州産業大学

図 1 日韓遠隔学習 の 概 念 、 図

‑14 

(19)

2. プロジェク卜の概要

情報通信技術 ( I C T :I n f o r m a t i o n   &  Communication T e c h n o l o g y ) の進展は,教育にも多様な 変革をもたらしている.光ファイバ網の普及により,国内のみならず九州と韓国との高速ネット ワーク回線 KJCN(Korea‑JapanCable Network) (J)接続が実現し,高精細動画による双方向動画 伝送が可能になってきている.これは, 日本側ギガピットネットワーク JGN(JapanG i g a b i t   Network)  ( 2 ) と韓国側ギガピットネットワーク KOREN(Koreaadvanced REsearch Network)  ( 3 )  

を相互に接続し,高速ネットワークによる次世代の研究・教育を意図したプロジェクトである玄 海プロジェクト ( 1 ) 並びに九州ギガピットネットワークプロジェクト (QGPOP) (日)により実現さ れたものである.研究代表者らは,これらの組織に参画して日韓による高速ネットワークの教育 的利用に関する研究を進めている.

また, 日本と韓国は隣国であり,交流の歴史も長い.近年では,経済的側面や研究・教育の面 からも,アジアをリード する重要なパートナーとして位置づけられる.教育においても,国際交 流は重要なテーマで、ある.国の壁を越えた学校との交流や学習は,言葉や生活習慣が全く異なる {也の固との多文化交流であり, 2 1 世紀の教育に極めて重要な要素である.

さらに,温室効果ガスによる地球温暖化,自動車等の排気ガスによる大気汚染や酸性雨,化石 燃料の大量消費によるエネルギ資源枯渇,ゴミ等の廃棄物処理 など,我々は多くの地球環境に 関わる問題を抱えており,その解決に向けた効果的な教育は緊急の課題である.

このような背景から,本研究プロジェクトは, 日韓の高速ネットワークを利用して高精細な動 画を伝送し, 日韓の学校同士による地球環境に関する遠隔学習の実現を意図した.

なお,本プロジェクトの活動に際しては,総務省の e プロジェクト「国際文化分野における IT の利活用の在り方 J ( 6 ) 並びに日本学術振興会の拠点大学交流「次世代インターネット技術のた めの研究開発と実証実験(拠点大学:九州│大学) J  ( 7 ) の支援を受けている.

ここで,本研究で実現する日韓遠隔学習の概念図を図 1 に示す.

図の全南大学は,韓国光州市 (Gwangju) にある国立の大学であり,附属中学校を持っている.

そのため,本学部の附属中学校との遠隔学習が実現できる.また,図の九州産業大学は,授業を 遠隔に行うための措置として選んだ,第三地点である.すなわち, 2 箇所での双方向遠隔交流の 場合,進行上どちらかが主導権を取る必要がある.しかし,その場合学校間で主従の関係が生じ,

生徒の活動にも影響を及ぼす.そこで,回避策として,授業を進行する教師を第三地点に置き,

学校間での対等な立場を確保するのがねらいである.

この遠隔学習の特徴は,以下の通りである.

・九州一韓国間に敷設されているギガピットネットワークを利用する

・三地点を結ぶ,同期型対面遠隔学習である

・高精細動画伝送システムである DVTS(DigitalVideo τransport System)  ( 8 ) を用いる

・日本と韓国の中学校による 教室を一体化した授業を行う

‑地球環境保全の視点から,エネルギー問題を取り扱う

・通訳を介する国際遠隔学習である

また,研究的な側面としては,以下の点を挙げることができる.

.  DVTS による多地点での国際遠隔環境学習の実践としての先進的事例研究

‑日韓研究用ギガピットネットワークによる動画伝送での,画質測定とその教育的評価 .遠隔教育用教材としての Web‑GIS の教育的効果

‑国際遠隔学習を通じた 生徒の国際性伸長の検証

‑事前交流としての,掲示板等による非同期コミュニケーションによる交流促進の効果

D

tEi 

(20)

次に,本遠隔学習プロジェクトの組織を図 2 に示す.

<日韓遠隔学習プロジェクトの組織>

代 表 藤 木 卓 ( 長 崎 大 学 教 育 学 部 助 教 授 ) ・国際通信回線による伝送画像の品質評価 全 柄 徳 ( 向 上 助教授) : 遠隔授業における W e b ‑ G I S 教材 の効果 森 田 裕 介 ( 同 上 講師)・国際性に関する生徒の変容調査

SangsooLee  (全南大学校師範学校 助教授) :非同期型システムによる事前交流の効果 柳生大輔(長崎大学総合情報処理センタ一 助手) : ネットワーク及びシステム構築 上萄恒太郎(長崎大学教育学部 教授) : 授業内容検討

中村千秋(長崎大学教育学部 助教授) : 長崎側システム構築 渡辺健次(佐賀大学理工学部) 韓国側システム構築

下川俊彦(九州産業大学) : 九産大側システム構築. e ! プロジェク卜(国際分野)代表 Choi  l a b .   (全南大学校): 韓国側ネットワーク

岡野利男(長崎大学教育学部附属中学校 教諭) : 長崎側授業担当 西山敏明(長崎大学教育学部附属中学校 教諭) 長崎側授業担当 安 景 夏 ( 全 南 大 学 校 師 範 学 校 附 設 中 学 校 教 諭 ) 韓国側授業担当 宋 岡林(全南大学校師範学校附設中学校 教諭)・韓国側授業担当 美 昇 求 ( 全 南 大 学 校 師 範 学 校 附 設 中 学 校 教 諭 ) :韓国側授業担当

図 2 日韓遠隔学習プロジェクトの組織

図の組織に示すように, 日本側は長崎大学だ けではなく,佐賀大学及び九州産業大学を含ん でいる.これは,本研究プロジェクトのような 国際遠隔学習では,ネットワークの利用やシス テム構築等について,他の組織からの人的支援 が必要であることを意味している .

3  ネ ッ ト ワ ー ク 構 成

本研究で用いるネットワーク構成の概略を 図 3 に示す.

長崎大学(以下,長崎大)と全南大学校(以

Network 

• Link  o f s c h o o l s   :  1 0 0M b p s 

下,全南大)とのネットワーク接続は,図の 図 3 ネットワーク構成 JGN(Japan  G i g a b i t  Network) 及び. QGPOP .  I 

G e n k a i .   KOREN を経由して接続されている IC o n s t r u c t i o n  f o r  3  DVTS venue 

大学聞はギガビットネットワーク接続である.

しかし,授業の会場となる附属中学校は, 日本 側,梼国側ともに 100 Mb p s でのリンクであり,

l 回線で 3 0 Mb p s を必要とする DVTS での三者 双方向接続には不十分で与ある そのため,図 4 に示すような DVTS 伝送形態をとることで. 3  地点間でのコミュニケーションを確保する.す

なわち,全南大と長崎大からの映像は, 一 旦. I  m 圏 ' 胃 圏

九州産業大学(以下,九産大)へ伝送される.

そして,九産大で両会場からの画像を切り替え 図 4 DVTS 伝送形態

‑16 ー

(21)

(あるいは,ミキシンク、、)て,送り返すとしづ形態である この場合の欠点は,全南大及び長崎 大では,自らの映像を含めて同時に 3 地点の映像を視聴できないことである.そのため ,授業展 開の中で,撮影するカメラ映像の指定や映像切り替えのタイミング等の詳細を決定しておく必要 がある.

4. 遠 隔 学 習 の 要 因

国際遠隔学習に絡む要因を図 5 に示す.

圏内での遠隔学習の場合は,コミュニケー ションのための言語に起因する問題は考える 必要がないが,国際遠隔学習の場合はその点 がクローズアップされる 本遠隔学習では,

人の通訳を介することで,この問題の解決を 図る また,授業進行に必要な教材に含まれ る言語情報については, 日韓でそれぞれの言 語で作成された Web‑GIS 画像を ,利用する国

に応じて自動判別表示させることで解決する . また,板書に用いる言語情報については,自

動翻訳機能を持つチャットツーノレを活用する 図 5 遠隔学習の要因 ことで,解決を図る .

次に,授業内容の要因では,遠隔学習に望む学習者の意欲を喚起するような内容や,教育内容 として重要であるものを選択する必要がある.本遠隔学習では,地球環境保全の視点からエネル ギ問題を取り上げた . 長崎側における遠隔学習の対象学級では,総合的な学習の時間における授 業として「生活環境 J を設定し,生徒が身近な生活の中で環境を考える授業を展開してきている.

また,全南大の共同研究者である S a n g s o o L e e 助教授は,韓国内の小学校において環境汚染に関 する遠隔学習の成果があり,その意味で本遠隔学習に環境教育に関する内容を取り上げることは 適切であると考えている .

教材の要因では,学習者にとってインセンティブの高いものが望まれる.本遠隔学習では導入 時に本物の石炭を提示することで,生徒の興味 ・ 関心を高める効果を狙っている.また,授業展 開における骨格のーっとして ,各国の発電電力量構成比を W e b ‑ G I S によりグラフが入った地図 として提示する .そして ,このグラフの読み取りから,電力やエネルギに関わる問題点として議 論を展開する予定である .

最後に , 環境要因では, 遠隔学習を成立させる映像 ・ 音声関連システムとして DVTS を用いる ことにしている. DVTS は,家庭用の DV カメラによる映像のネットワーク伝送が可能なシステ ムであり,授業を撮影するならば板書の文字も明瞭に伝送できる そのため,日韓における映像 の伝送が大きな支障なく実現できれば,鮮明な映像と明瞭な音声による会話が可能となる .

5. 授 業 内 容 の 概 要

授業内容及び対象に関する概要を以下に示す.

ア ー マ

2 月 19 日(木) : テーマ「海を越えてエネルギの未来を考えよう J (遠隔環境学習) 長崎会場と韓国会場との中学生が,ギガピットネットワークによる

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目晶

表 1 教育学部 FD i I T 講習会」に関するアンケート項目 1 .  受講希望コースについて 2 .  基本用語・基本操作に関する知識について 3 .  パソコン操作レベルについて(自己申告) 4 .  具体的な目標(何ができるようになりたいか、アプリケーションを利用して何を行いたし、か等)について 5 .  講習スケジュールについての要望 6 .  要望・意見 2

参照

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