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大阪府立産業技術総合研究所

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発煙性、繊維製品、高分子材料、煙濃度、燃焼生成ガス

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NBS発煙性試験機とガス分析

概要 概要概要 概要 概要

床材やカーテンなど建築内装材の火災安全性 の特性として、燃えにくいこと、着火しても延 焼しないことがあげられますが、万一の燃焼に 対する低発煙性も重要です。とくにビル建造物 や航空機などの公共の場所に用いられる材料に ついては、火災時の恐慌回避や避難時の視界確 保のためにも低発煙性能が強く要求されます。

ASTM E 662に規定されているNBS発煙性試 験装置は、材料を強制加熱した際に発生する煙 の量を測定する装置です。また、この装置を用 いて、燃焼時の有害ガスの測定も可能です。こ こではNBS発煙性試験方法と装置の概要なら びに測定例を紹介します。

NBS発煙性試験 NBS発煙性試験 NBS発煙性試験 NBS発煙性試験 NBS発煙性試験

この試験には、無炎燃焼試験と有炎燃焼試験 があります。無炎燃焼試験は、図1のように密 閉した発煙箱中に試料を垂直に置き、電熱ヒー ターで輻射熱を与えて、この輻射熱のみで加熱 し、発煙させる方法です。有炎燃焼試験は輻射 熱に加えてバーナーによっても加熱し、燃焼・

発煙させます。

そして、発生した煙は光電管による透過光の 強さから減光係数を求め、発煙量として評価し

ます。試験時間は試料を試料ホルダーに設置 し、試験箱を密閉してから20分間で、試験結 果はその時間内における最大発煙量および最大 値への到達時間で表します。

なお、航空機会社などでは火災初期の避難行 動の視界確保という点から、燃焼開始から4分 後の発煙量も評価しています。

また、有害ガスの測定は図2のように発煙箱 の上部から装置内の空気をテドラーバッグに採 取し、対象ガスの濃度の分析により行います。

発煙量の測定 発煙量の測定 発煙量の測定 発煙量の測定 発煙量の測定

煙とは液体やススなどの微粒子および燃焼生 成ガスが浮遊拡散している状態をいい、また、

煙の有害性として、心理的要因をはじめとし て、視程阻害要因や燃焼生成ガスの毒性などが あげられます。

煙を測定する場合、煙を構成する煙粒子の大 きさおよびその分布を知ることも大切ですが、

実際問題としては煙の総体的な量を測定するの が一般的です。自動車排気や煙突の煤煙といっ た大気汚染の分野では様々な研究が行われ、単 位容積あたりの重量濃度や粒子濃度(粒子の個 数)などいくつもの煙濃度表示方法が示されて います1)

図1 NBS発煙性試験機の概略図 図1 NBS発煙性試験機の概略図図1 NBS発煙性試験機の概略図 図1 NBS発煙性試験機の概略図図1 NBS発煙性試験機の概略図

図2 燃焼生成ガスサンプリング装置 図2 燃焼生成ガスサンプリング装置図2 燃焼生成ガスサンプリング装置 図2 燃焼生成ガスサンプリング装置 図2 燃焼生成ガスサンプリング装置 機器紹介

機器紹介機器紹介 機器紹介 機器紹介

(2)

作成者  評価技術部 産業用繊維グループ 小河 宏  作成者  評価技術部 産業用繊維グループ 小河 宏  作成者  評価技術部 産業用繊維グループ 小河 宏  作成者  評価技術部 産業用繊維グループ 小河 宏 

作成者  評価技術部 産業用繊維グループ 小河 宏 Phone:0725‑51‑2729Phone:0725‑51‑2729Phone:0725‑51‑2729Phone:0725‑51‑2729Phone:0725‑51‑2729 発行日  

発行日  発行日   発行日  

発行日  2001200120012001 年2001年年年年 99999 月月月月 28月282828 日28日日日日

火災時の煙を想定した場合には、避難あるい は煙中での行動のための視界確保が必要であ り、見透かし距離との相関性が重要となりま す。そのため光の減衰あるいは散乱を利用した 光学的方法による濃度表示がよく利用され、特 に Lambert‑Beer の法則に基づく減光係数がよ く用いられます。この減光係数(Cs)と見透かし 距離(Z)との間には Cs × Z =一定という関係が 証明されています2)

 < Lambert‑Beer の法則>

  I = Io・e−CsL

  すなわち Cs = (2.303/L)・log(Io/I)    Io :試験前の透過光の強さ    I  :試験後の透過光の強さ      Cs:減光係数,L:光路長(m)

なお、本装置では煙の透過率を測定し、減光 係数をもとに、下式により比光学密度(単位面 積あたりの発煙量)を求めています。

  T =(I/Io)× 100

  Ds=[V/(A・L)]・log(100/T)     T:透過率(%)

    Ds:比光学密度

    V:発煙箱の容積(m)     A:試料表面積(cm

有害ガス分析 有害ガス分析有害ガス分析 有害ガス分析 有害ガス分析

一般に高分子材料が火災燃焼する場合、完全 燃焼することは少なく、不完全燃焼によって多 くの分解生成物が生じます。しかし、これらす べてを測定することは困難なため、現在、当研 究所では、代表的なものについて、検知管法に よって生成ガスの濃度を測定しています。

対象ガスは、有毒性が高く、測定用の検知管 が市販されている、一酸化炭素、二酸化イオウ、

窒素酸化物、シアン化水素、塩化水素、フッ化 水素です。

測定例の紹介 測定例の紹介測定例の紹介 測定例の紹介 測定例の紹介

図3にタイルカーペット、高分子床材および 塩ビ樹脂をそれぞれ有炎、無炎燃焼させた結果 を示します。高分子床材のような単一材料を有

炎燃焼させた場合、発煙量は初期に急激に増加 し、やがて、材料が燃え尽きると、以後は徐々 に減少傾向となります。また、塩ビ樹脂を無炎 燃焼させた場合は、発煙速度は有炎のときに比 べて遅く、発煙量は徐々に増加していきます。

そして、材料が燃え尽きた後は、有炎のときの ような減少傾向は示さず、平衡状態となりま す。一方、タイルカーペットでは、まず、表面 のパイル素材が燃焼して煙濃度が上昇したの ち、表面パイル層が燃え尽きて、煙濃度は一度 減少します。しかし、強制加熱を続けると、裏 面のバッキング層が燃焼しはじめ、再度、発煙 量が増加するという特徴があります。

まとめ まとめまとめ まとめまとめ

今回紹介したNBS発煙性試験装置は材料を 強制燃焼させた時の発煙量を測定する装置であ り、本装置と各種燃焼性測定機器を組み合わせ ることによって、火災に対して安全な材料を選 択することが可能となります。

当研究所では上記装置に関する依頼試験およ び機器開放を行っております。試料の大きさな ど詳細は担当者にご相談下さい。

参考文献 参考文献参考文献 参考文献参考文献

1)東京消防庁消防科学研究所監修「火と煙と 有毒ガス」

2)神忠久:煙中の見透かし距離について,日 本火災学会論文集,21,No.1(1971)

図3 発煙性試験結果 図3 発煙性試験結果図3 発煙性試験結果 図3 発煙性試験結果図3 発煙性試験結果

参照

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