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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Intracranial Bony Canal of the Middle Meningeal Artery:

Morphological and Histological Analysis

(トンネル構造を有する中硬膜動脈溝の形態解析)

掲載雑誌名

Okajima Folia Anatomica Japonica Vol.39,No.4 2017 年掲載予定 昭和大学大学院医学研究科生理系解剖学肉眼解剖学分野専攻 藤本道生

内容要旨

背景:脳神経外科手術において、特に脳虚血性疾患に対する間接的血行 再建術を行う場合に、中硬膜動脈(middle meningeal artery; MMA)を温 存する必要がある。しかし、中硬膜動脈溝がトンネル構造を形成する場 合には、開頭時に MMA を容易に損傷する危険性がある。したがって、安全 に MMA を確保するために、中硬膜動脈溝の構造を理解しておくことが必要 である。そこで本研究ではトンネル構造となった中硬膜動脈溝の形態を計 測し、さらにトンネル構造内の MMA と周囲組織について組織学的な検討 を行った。

方法:50 例の晒し頭蓋骨標本を使用し、トンネル構造の有無、長さ、眼 窩外側縁からの距離を計測した。さらに、28 体の cadaver から頭蓋骨と 硬膜を一塊として採取し、採取した頭蓋骨について、硬膜に覆われた状 態でトンネル構造の有無を確認するために、3D-CT で評価を行い、トンネ ル構造が確認された頭蓋骨から組織標本を作成した。

結果:晒し頭蓋骨標本では 50 例中 43 例にトンネル構造が確認され、ト ンネルの平均長は 9.2mm、眼窩外側縁からの平均距離は 24.0mm であった。

組織標本では、MMA がトンネル内で硬膜の最外層から連続する膠原線維組 織で覆われ、トンネル外と同様に小血管を分岐し、中硬膜静脈と伴走し ていることが確認された。

考察:晒し頭蓋骨の観察結果から、トンネル構造は常に pterion 周囲に

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存在していた。これは前側頭泉門の位置と一致しており、多くの場合でト ンネルが縫合線上に形成されていたことから、トンネル構造は頭蓋骨の成 長に伴って、MMA が骨に取り囲まれることで形成されると推察された。ま たトンネル長は個体差が大きく予測は困難であったが、トンネルの存在 範囲は限られており、眼窩外側縁から一横指以内であれば、MMA を損傷す る危険性は少ないと推察された。組織学的には、トンネル内を走行する MMA は、硬膜から連続する膠原線維組織に覆われ、トンネル外と同様に、

硬膜静脈と伴走し、小血管を分岐していることが判明した。開頭時に

MMA

の損傷を避けるためには、トンネルの存在可能性がある部位より も遠位から骨切開を行うべきである。しかし、

MMA

の露出が必要な際 は、トンネル内で MMA の周囲が組織に覆われているため、ドリルで慎重に トンネルを削ることにより、MMA を温存することが可能であると考えられ た。MMA をより安全に確保するためには、トンネル構造となった中硬膜動 脈溝の構造を理解することが大切である。

参照

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