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部分溶体化処理によるマルテンサイト系ステンレス 鋼の組織制御

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

部分溶体化処理によるマルテンサイト系ステンレス 鋼の組織制御

土山, 聡宏

Graduate School of Engineering, Kyushu University

https://doi.org/10.11501/3135010

出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

(2)

第4章 部分溶体化処理によるマルテンサイト系ステンレス銅の オーステナイト粒径の制御

4. 1 紡I Î

-般にα' 組織をイfする釧lの靭性は , 1 �1γ粒径を微 細化すると改持されることが失fI られており, その理山として, α' 鋼の境開破而単位となるパケットやブロックなど の組織 がγ杭?をに対応して微細化されるため(1)( 2)と説明されている。 また -方では, 111 y粒径を微細化すると, pやめなど不純物元素の粒界偏析量が希釈される効果やヲ 粒界 での応力集qlが低減される効果により粒界破壊が抑制されることも示唆されており(3L

焼反し脆性や炭化物の粒界析出に起因する 脆性が問題となる高Cr鋼(山)では, III y続径 の微細化によって顕著な強靭化が期待できる。

α' 鋼の111γ粒径を微細化 するには , 溶体化処理をなるべく低温で行いγの粒成長 を抑えることが基本となる。 例えばFe-C系の調質鋼では, 溶体化処理をA3線直上 の温 度で施すことが義務づけられており, γ粒径は通常, 20�30 μm程度に調整されてい る。 し かし 多量のCrを含有するα' 系ステンレス鋼では, 完全国溶温度がかなり官 温であるためγ単相域での溶体化処理ではγ粒の粗大化が避け られ な い。 本系鋼種中 最も低温でγ化できる共析組成の鋼(SUS410)でも, 9500C以上での溶体化処理が必 要(JIS規格)であり, γ粒径を30μm以下に微細化することは困難である。

それに対し て, 本研究でα' 系ステ ンレス鋼に適用し ようとする部分溶体化処理は,

(γ+炭化物)て相域での溶体化処理により, γ基地に残存させた未聞溶炭化物粒子を γ粒の微細化 に利用し ようとするものである。 未回溶炭化物粒子を均一に分散させれ ば, 粒界ピンIl::め効果によってyの粒成長は効果的に 抑制され , 炭化物粒子の量や大 きさによってはγ粒径を20μm以下にまで微細化することも可能となる。

木章では, 部分溶体化処理 した12%Cr-α岡において, γ粒径と未同溶炭化物粒子の 国や大きさとの関係につい てZenerの関係式(9)を用いて整理した。 そして, 第2章で得 られた知見を もとに部分溶体化温度で の未固溶炭化物粒子の量を調整して, y粒径の 制御を試みた。

49

(3)

4. 2 試料および実験方法

供試材は, 第2章と同様にTable2-1�こぶした4鋼種であり, 試料の作製および熱処.flH 法も2. 2節と同線であるので省略する。 ただしy粒径の測定の際には, 111γ粒界の 識別を符易にする ために, Fig.4-1に示すような鋭敏化処用を施し, シュウ酸10%水的 被で屯解腐食して111γ粒界を現出させた。

y料径は, ASTMで規定されている100倍の標準組織を基準にして, 得られた光顕写 点との比較法に より決定した。 測定は各試料 につき4"-'6枚の写真につ いて行い, これ らの、li均の他を試料の平均粒径とした 。 炭化物の粒子径は, 3. 2. 2 fi↑iで述べた)J- 法で試料の観察を行い, 50個以上の炭化物粒子を無作為に選出し, 大き いものおよび 小さ いものからそれぞれ10%を除去した残りの80%の粒チについて平均値を求めて評価 した。 粒子の形状が球状でない場合には, 長軸と短軸の平均値を粒子径とした。

1000

/ /

ハunU QU

X\ド.

ω』コ芯」ωaεωト

923K

800

Water-quenching

time

Fig.4・1 Heat treatment for the sensitization;carbide precipitation on austenite grain boundaries. Ps and pf denote the start and finish of carbide precipitation, respectively.

(4)

4 . 3 I'f溶体化 温度とオーステナイト粒筏の関係

Fi g.4 - 2は, 前もって1073Kで10.8ks焼反したαヲ 鋼 (第2 1';1参照)を開々の出没=で

1.8ks11f総体化したのち, 前長b Fig.4-1 にぷす鋭敏化処.EIQにより11 Jγ粒界を現山させたぷ 料の代点的な組織をノjミすo γ粒径は溶体化温度の低下とともに小さくなっており, r,l,j 創刊ともに1373K治体化材ではおおよそ80μmの粗大粒, 1173K解体化材では20μm以下 の微細|粒となっている。 ところが, そのrll聞の泊度である1273KではlリjらかにドJJili問で純 度が児なっており, 0.20α岡に比ベて炭素合布量の多い0.34α岡ではかなり細かいγ村組 織となっている。 Fig.4-3は, 4鋼縄すべてについてFig.4-2 と同様の実験を行い, I与溶 体化温度と1[1y粒径との関係を整理した結果を示す。 炭素濃度の低い0.12C鋼につい て は, γ粒径の測定は, ðフェライトの析出を避けて1223Kから1423Kの温度での溶体化 材に ついてのみ行った。 どの鋼種も溶体化泡度が低い ほどγ粒径が小さくなる傾向に あるが, ここで注目すべきことは, 炭素合有量が0.2%以上の鋼(0.20C, 0.28Cおよび 0.34α岡)では, 粒径がある特定の温度を境に不連続に変化している点である。 粒径が 不述続に変化する温度は鋼種によって異なっており, 鋼中の炭素合有量が増加する に つれて高温側に移行している。 このようにγ粒径の変化に不連続性が生じる理由は,

溶体 化温度で の未聞溶炭化物の有無や量に関係することが予想される。 本実験で用い た各鋼種について, 炭化物が完全に固溶する下限の温度を12%Cr-α岡におけるγ中の 炭素の回溶限((2.7)式)から求めると, 図中に破線で 示したように, 0.12α司で1215K,

0.20α岡で1271K, 0.28α岡で1311K, 0.34α岡で1335Kとなる。 0.20C, 0.28Cおよび0.34C 鋼で y粒径が不連続に変化す る温度は , 完全溶体化の下限温度にほぼ一致しており,

これ より高温側で完全溶体化処理した試料では, γ粒 径は炭素合有量に依存せず温度 のt昇とともにほぼ直線的に大きくなっている。 ところが未回溶炭化物が残存する低 い侃度城で部分溶体化処理した試料のγ粒径は, 完全溶体化処理した試料のγ粒絡の 変化 から予測される粒径よりも小さな値となっている。 また, その差は泊度が高いほ ど大きくなる傾向にあり, 0.34C鋼では1300K付近の高温でもγ粒径が20μm程度の大 きさに保持されている。 このことは, 原子の拡散が容易でγ粒の成長が起こりやすい 高温ほど, 未固;容炭化物粒子の粒界ピン止め効果によ るy粒成長の抑制効果が有効に 働くことを示唆している。

51

(5)

O.20C 0.34C

/

v-のドのF

〉-m)ドNF

Fig.4・2 Optical micrographs showing prior austenite grain boundaries in O.34C and O.20C steels. After the tempering of 1 073K- l O.8ks,re-solution-treated for l.8 ks at the selected temperatures and then subjected to the heat treatment shown in Fig.4-1.

(6)

12�色Cr-C steels 150

1200 1300 1400 Temperature

T / K

0.28C Full Solution

一惨 ���

O.20C ; O.34C O.12C : O.28C:

:r、:

50

nu nu

εュ\QR①N一ωc-502一cgωコ〈

1500 0 1100

Fig.4・3 Relations between austenite grain size and re-solution treatment temperature in 12%Cr-C steels.Broken lines display the lowest full-solution temperature for each steel.

53

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4. 4 未問溶炭化物 粒子によるオーステナイト粒の成長抑制効果

4 . 4 . 1 部分溶体化温度での未|古|溶炭化物粒子の分散状態

分散粘fに よる結11111ht成長の抑制効果は, 主に分散粒子の体積率と純子絡に彰科さ れる。 み:Jミ験でγ粒界のピン11二めに利用する未|司溶炭化物粒子の体積本につい ては第 2f;tで部分液体化温度との関係を明らかにしている。 ここでは, 部分溶体化焔皮とぷ

|市|消炭化物 の粒子径の関係に つい て調査した。 一例と して, Fig.4 - 4 は, 前も って 1073K-10.8ksの焼戻しを施した0.20α岡ならびに0.34α岡を1223Kおよび1173Kでjlj:総体 化し, 水冷して得られるイ 組織中に残存する未固溶炭化物の分散状態を示す。 未|直|

溶炭化物の量は鋼種や再溶体化温度によってかなり異なっているが, 炭化物の 粒子作.

についてはそれほど顕著な差異はみられない。 炭素合有量が0.2%以上の鋼(0.20C 0.28Cおよび0.34α岡)について, 同様な実験により得られた未回溶炭化物の粒子径と溶 休化温度の関係をFig.4 -5に示す。 破線で示した各鋼種の完全溶体化下限温度では, 炭 化物が完全に分解する ことを考慮すると, 粒子径はゼロに漸近すると考えられる。

方, 再溶体化する前の試料中の炭化物 の粒子径は, 本実験での条件下では鋼の炭素合 イT量に関係なくどの鋼種でも平均0.35μmであった。 部分溶体化処理した試料の未同溶 炭化物の粒子径は0.3'"'-'0.4μm程度の値であり, 図中に示す ように再溶体化前の粒子径 と比べてもとくに粗大化している様子はみられない。 一般に, M23α型炭化物の成長は Cr原子の拡散によって律速される(10)ため, 炭化物の成長速度は基地中でのCr の拡散係

数で評価できる。 Crの拡散係数はα基地とγ基地とでは大き く異なり, それぞれ (4.1) 入(11)と(4. 2)式(12)で与えられる。

DCra =1.2gexp(-230500jRT) (cm2js) . (4.1)

DCrY =0.1 3exp(-264000jRT) (cm2js) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(4.2)

ここでRは気体定数, Tは絶対温度 (K)である。 1073Kで焼戻したα' の試料の基地 はαと見なせるので, この温度でのCrの拡散係数は(4.1)式から7.7x 10・12cm2jsとなる。

方, 再溶体化した試料の基地はyなので, Crの拡散係数は(4.2)式で与えられ, 高温 の1323Kの場合でもその値は4.8 x 10・12cm2jsで, 焼鈍温度より250Kも高温であるにか か わらずむしろ小さな値となっている。 つまりy基地中での炭化物の成長は十分に遅く,

α 基地の状態で高温で長時間焼鈍して粗大化させた炭化物が, 短時間の溶体化処理

(8)

Fig.4-4 Scanning electron micrographs showing the dispersion of carbide in O.34C and O.20C steels with the re-sol ution treatment of 1.8ks at 1223 K or 1173K.

Specimens were previously tempered at 1073K for 10.8ks before subjecting to the re-sol ution treatment.

55

(9)

0.5

4

3

2

1 nu

nu

nu

nU

εュ\も民むち一D」句。』O」2ωE50

Before S.T .

O�2_8 � _ /

O.20C

-ー砂

山uti

O.28C O.34C

120/oCr-C steels

0

1150 1200 1250 1300 1350

Temperature T / K

Fig.4・5 Changes in the size of carbide particles with rising re-solution treatment temperature in 12%Cr-C steeIs subjected to the re-solution treatment for 1.8ks after the tempering of 1073K- I0.8ks. 8roken Iines display the Iowest fuII soIution temperature and horizontaI bold line represents the mean diameter of carbide particles in the tempered martensitic steeIs.

(10)

によって利l大化しないことはむしろ、lí然であるとJえよう。 また, 液体化温度がl向く なると, 炭化物純子のオストワルド成長と16J 11、?に, I叶怖による休続本の減少の効果も か11わってくるため, I�íl溶I�民近傍の温度ではrrl,j -r;-のバランスによってjA化物粒子の大き

さが変化する点

4. 4. 2 部分液体化材のオーステナイト粒?をに及ぼす�Ir'îl治炭化物のほと杭子作 の杉料

Zener(9)は, 定常的な結品粒の成長が, 粒界エネルギーに基づく駅動力と分散牧子の ピン11こめ)Jとのバランスに支配されて進行するものと推定し, つぎのようなZenerの関 係よを提案した。

R = ß (r/f) ( ß =4/3) ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ ・ ・(4.3)

ここで, R は結品粒の平均半径ヲ r は分散粒子の平均半径, fは分散粒子の体積率である。

Rとr/fの関係を示す係数。については多くの修正値が提示されている(13X I�)が, 分散粒子 が存在する粒界の性質(粒界面や三重点など)や, 粒界エネルギーの見積方によって も変化し得る(15)。 Fig.4-6は, 本研究で使用した種々の部分溶体化処理材について, I f1 y粒径o(=2R)および未固溶炭化物の粒子径d(=2r ) , 体積率fの関係をZenerの式 に基づいて整理した結果を示す。 ただし1323Kで部分溶体化した0.12α岡については,

完全溶体化の下限泊度の直下であるた め未回溶炭化物の量が少なく, d/fの値の誤差が 大きいのでデータを除外した。 図より明らかなように, 0とd/fの値はほぼ比例関係に あり, その傾き3は, 鋼種や溶体化瓶度によらずほぼ1.0�1.5の範囲内に ある。 つまり,

本実験で使!日した12%Cr-α岡については, 部分液体化処理材のγ粒符Dは, 。を4/3と したつぎのZenerの関係式からおおよそ予測し狩ることがわかる。

0= (4/3)・(d/f) ・・・・・・・・・・ ・ ・・・・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・(4.4)

Fig.4-7 は, 未|剛容炭化物の粒千径,dを0. 3μmで一定としてヲ (4.4)式に(2.7)式と (2.10)式を代入して得られた溶 体化温度とγ粒径の関係をぷす。 肉中には炭素合イゴ量が それぞれ0.2% , 0.3%, 0.4% の鋼について得られた結果(以後, 部分溶体化曲線)を示

している。 また, 太線で示した曲線は , 前掲Fig.4-3にお いて炭化物がすべて回溶した 場合の温度とγ粒経の関係(以後, 完全溶体化曲線) である。 部分溶体化曲線は, 溶

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(11)

30 I

d 一f QU' D

ß=1.5

J[

ß=1.0

20ト A‘

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A

.4 口 /

Q

10ト

, ,

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i

120/oCr-C steels

O.20C

O.28C

O.34C

」一

20 30

(μm)

, , , ,

10 d /f

Fig.4・6 Relation between austenite grain size(D) and the value (d/ηin 12%

Cr-C steels. Diameter(d) and volume fraction(f) of insoluble carbide particIes.

(12)

Fig.4・7 Effect of carbon content on the relation between austenite grain size and temperature in 12%Cr-C steels, when the diameter(d) of carbide particles is gi ven as 0.3μm.

59

(13)

体化制度が[�lJくなって完全液体化温度の下限温度付近に達すると, 未|市l溶炭化物のちを が少なくなるために急激に大 きくなる傾向にある。 し かし、!?然のことながら、 JJZ化物 純子 が全くない場介の y杭?をより大きく約成長することはないので, ;司3分総体化111]移民 から完全液体化曲線へ遷移する温度付近でγ粒径の変化に不連続性が'l�じることにな る。 ここで注"すべき点は, 112ijA:ぷAの釧ほどrIJ�J iPtl域まであt成長が効果的に抑制され かつより細かいγ粘が何られることである。 市炭素の0.4%α岡を例にとると, γ約千モは,

1300K付近の高泊まで10μm前後の大きさに保持されてもよい ことになるが, 実際には,

分散純子の 料度や分散状態の不均 一性のために, これより大きなγ粒筏(12�20μm) となってしまう。 また, 分散粒子によ るy粒成長の抑制効-*は, 粒子の休積本にのみ ならず分散粒子の大きさにも顕著に依存する。 Fig.4-8は, 炭素合有量を0.3%で -íi::と し, 炭化物の料子径を0.1μm, 0.3μm, 0.5μmに変化させた場介のγ粒径に関する部

分溶 体化|曲線を示す。 完全溶体化直線もFig.4-7の場介と|司尽に図中に示している。 炭 化物の粒子筏が小さくなるほどγ粒が粗大化し始める温度は高温側へ移行し, かつ部 分総体化処理で得られるγ粒径もより細かくなる点は興味深い。

ただし前章で述べたように , 部分溶体化材では同一バリアントの逆変態γの合体に よる粒成長が避けられないた め, 分散させる未固溶炭化物粒子をいか に多量に , かっ 微細に制御 しでも, y粒の微細化には限度がある。 Fig.4-9は, 微細粒領域でのγ粒径 とd/fの関係を示す概念図である。 Zenerの関係式からは, d/fが小さくなるほどピン止 め効果が大きくなって γ粒径が微細に なることが予想される。 しかし実際には , 逆変 態γの合体に よる粒成長が生じるため, 逆変態完了の時点でγ粒径はα' ブロックの サイズに対応する大きさまで粗大化し ていること になる。 したがって, d/fの減少に伴 う部分溶体化材のγ粒径の変化は破線矢印で示すように, ある粒径で一定となる。 さ らなるγ粒径の微 細化を図るには, 分散させる炭化物粒子の結品方位や炭化物/基地界 rílÎの性質を�IJIj御して逆変態γのバリアントをランダム化する工夫が必要と身えられる。

(14)

1 00

ε :::i. 80 120/oCr-O.30/oC steel " Full Solution

'-...

Q

tω N n 60

c CL1-3

。 40

回・a c

F qUコ3 3 20

10 150 12 00 1250 13 00 1350

Temperature T / K

Fig.4・8 Effect of the size of carbide particles on the relation between austenite grain size and temperature in 12%Cr-O.3%C steel.

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ωN一ωC一句」Oω日Cω日ωコ〈

martensite-block size

d/f

Fig.4-9 Schematic illustration showing the change in y grain size as a function of the val ue of d/f: The characters of d and f denote the diameter and volume fraction of carbide particles, respectively.

(16)

4. 5 結

jJ;来二合イイ最を0.12'"'-'0.34mass%の 範闘で 変化さ せた12mass%Cr-C鋼を用いて, 部分j容 体化 処則した鋼のオーステナイト(γ)粒筏に及ぼす未I(îJ的炭化物粒子の影響につい て調作した結果, 組織制御に関する以下の知見を得た。

( 1 )部分溶体化氾度で は, 未回溶炭化物粒子の粒界ピンJ1:め効果によってγ約の成

長が効果的に抑制され, γ粒径Dは未肘li容炭化物粒子の粒子作d, 体積本fの関数として 次のような関係式で与えられる。

D= ß (d/f) (ただしß = 1.0'"'-'1.5)

( 2 )未固溶炭化物粒子の粒界ピン!とめ効果を利用してγ粒の微細化を図る場合, 鋼 中の炭素量が多いほどより高温まで微細なγ粒組織が保存される。

( 3 )部分溶体化処理によりγ粒径を10μm以下にまで微細化するには, 逆変態γの核 となる炭化物粒子のバリアントをランダム化 させて逆変態γの合体による粒成長を避 ける必要がある。

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参考文献

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第5章 部分溶体化処理したマルテンサイト系ステンレス鋼の組織

S. 1 給戸

第4 ,';その結果から, 12%Cr-α岡に部分溶体化処理を施すと, γ化組度で残存する未

|占!溶炭化物粒子の粒界ピン1[-.め効果によりγ粒径が10μm程度にまで微細化 されるこ とが明らかとなった。 本軍で は, 部分j容体化処理によって微細化されたγから生成す るα' 組織について検討を行う。

α' 組織 に及ぼすγ粒径の影響に関しては, Fe-C系やFe小Ji系のα' 鋼を中心に多く の研究がなされており, パケットサイズやブロック幅がy粒径の増大とともに大きく なる(1)(2)ことや, ラスの大きさはγ粒径によってほとんど変化しない(1)-(ぬことなどが報告 され ている。 しかしながら 部分溶体化材のa' 組織に関しては, γ粒径の影響だけ でなく未固溶炭化物の影響も無視でき ない。 部分溶体化材中に分散する未回溶炭化物 の最は, 例えば12%Cr-0.3%C鋼の場合では4�Svol%になり(第2章参照、) , これがγ

→α' 変態に直接影響を及ぼ す可能性がある。 実際, 変態駆動力の小さいγ→εマル テンサイト変態では, NbC炭化 物粒子の弾性応力場によって変態が著しく抑制される ことが報告されてい る(へまた未固溶炭化物粒子とγ聞の異相界面がα' の核生成サイ トとなれば, α' 組織 の微細化に寄与すると も考えられる。 いずれにせよ, 部分溶体 化材のα' 組織は, γ粒径と未固溶炭 化物のいずれの 影響も受けながら生成すると考 えるのが妥当であろう。 また当然のことながら 未固溶炭化物 はイ の硬さに対しで も影響を及ぼ すと考えられ, 部分溶体化材の 硬さは, 基地のα' の硬さに加えて, 未

同溶炭化物の寄与が加算された値になると予想される。

本章では, 部分溶体化処理した12%Cr鋼におけるα' 組織の特徴を明らかにし, γ

→α ' 変態に 及ぼす未回溶炭化物の影響を考慮にいれ てα' 組織の生成過程を考察し た。 また部分溶体化材の硬さについて, 未固溶炭化物 の寄与を定量評価し 部分溶体 化材の硬さの定式化を試みた。

6S

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5. 2 試料および実験}j法

供試材は, 第2章と同様にTable2-1に示した4鋼種であり, 試料の作製および部分液 体化処nQの熱処理法も2. 2節と同様であるので省略する。

ブロック組織の観察には, Greninger-Troiano法(5) (以後G-T法と称す)で熱処砲した 試料について光顕を川いて行った。 G-T法とは, Fig.5-1に模式的にぷすよう に, ì容体 化出)支に保持後, Ms点直下まで冷却して部分的にα' 変態させたのち, 再び1000K程 度の焼戻し温度まで昇砲し その後室温まで冷却して残りのγをα' 変態させる方法 であ る。 このような熱処理を施した試料をシュウ酸10%溶液を用いて電解エッチング すると, 焼戻されたα' のみが強く腐食されるた め, Ms点直下で最初に生成した変態 初期のα' 組織を現出させることができる。 α' 変態は, 平行なラスが集合して帯状 のブロックを形成しながら進行する(のため, α' 量が少ない変態初期の組織を観察すれ ばブロックの形態や大きさを知ることができる。

y -

α. + carbide

Mfノイ

α α, + carbide

α

Fig.S・1 Schematic illustration of the G-T heat treatment(5).

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5. 3 マルテンサイ ト の組織に及ぼす部分溶体化処理の影響

5. 3. 1 マルテンサイト の組織と 再溶体化温度の関係

Fig.5-2 は, 1073 Kで10.8ks焼き戻して炭化物を分散させた0.28α岡(第2 Ì主参照)に ついて, 種々の瓶度で再溶体化処理後水冷した試料のα' の組織を示す。 0.28α司の完 全液体化の下限海度は131 1Kであり (第4章参照、) , これ より高温側では完全溶体化,

低侃側では部分溶体化となる 。 各試料 の111γ粒径はFig.4-3に示した よう にそれぞれ 89μm(a), 70μm(b), 28μm(c), 16μm(d)である。 1373K(a)および 1323K(b)で完全液

体化 処均した試料では , 旧γ粒界が明瞭に識別され , 粒内にはラスマルテンサイトに 特有の針状のブロックや, ブロックの集合体で あるパケットなどの組織が観察される。

それに対して, 1273K(c) および 1223K(d) で部分溶体化処理した試料のα ' の組織は,

完全溶体化材の組織と は著しく異なり, 旧γ粒界のみならずノミケット やブロック組織 の輪郭の識別が困難なほど微細な組織となっている。 Fig.5-3 は, 1423Kで完全溶体化 処理(a), ならびに1 173Kで部分溶体化処理(b)した後, 油冷し た試料のα' 組織をSEM を用いて高倍率で観察した結果である 。 完全溶体化材ではブロック組織 のみが観察さ れるが, 部分溶体化材では直径0.4μm程度の球状のM23C6未固溶炭化物粒子がα' 基 地中に均一に分散していることがわかる。 部分溶体化材のγ→イ 変態に関しては,

こ のような未回溶炭化物粒子の影響も当然考慮に入れて検討すべきであろう。

67

(21)

Fig.5・2 Optical micrographs showing martensitic structure of O.28C steel.

Solution-treatcd for 1.8ks at 1373K (a), 1323K (b), 1273K (c) and 1223K (d) and then quenched into water. All of specimens were subjected to the sub- zero treatment of 77K-600s.

(22)

Fig.S・3 SEM micrographs showing martcnsitic structures of O.28C stcel.

Solution-treated I"or 1.8ks at 1423K (a) and 1223K (b). Carbide I"ully dissolves into austenite matrix at 1423K but retains insolubly at 1223K.

69

(23)

5. 3. 2 ブロック組織に影響を及ぼす諸附子

部分液体化 処珂によってブロック組織が微細化された原同を明らかにするため, γ 粒絡 や未同溶炭化物の有無などの組織附子をそれぞれ単独で変化させた試料を月jいて,

ブロック組織に及ぼす各|対子の影響をそれぞれ調杏した。 部分溶体化材ではブロック の輪郭が不明瞭となるため, G-T法を川いて変態初期段階のα' の組織からブロックの 大きさや形態を評価した。 Fig.5-4に, G-T法を用いて現出させたブロック組織の例を ぷす。 まず, 0.12C鋼を1323K(a)および1223K(b)で溶体化処理して, 平均γ粒径をそれ ぞれ約80μmおよび、30μmとした 2種類の試料を作製して, ブロック組織に及ぼすγ粒 絡の影響を比較検討した。 な お, 鋼種および溶体化温度は, 国溶炭素量や未国溶炭化 物の有無による影響を排除して, 粒径だけの影響のみを評価でき るように(a)(b)ともに 完全溶体化処理となる条件を選定している。 粒径が大きい試料(a)の方が小さい試料(b) に比べて全体的に大きなブロック組織となっており, また同一試料でも大きなy粒内 でよ り長いブ ロックが生成す る傾向にある。 これはヲ 粒内でのブロックの成長がγ粒 界や他のブロックに突き当た ったとこ ろで止められていることを考慮すれば当然の結 果といえよう。 また , 0.1 2仁左間(a)および、0.28α岡(c)を1323Kで完全溶体化処理した試料 の組織を比較することにより , ブロッ クの形態に及ぼす固溶炭素量の影響を評価でき る。 Fig.4-3からもわかる ように, 完全溶体化材のγ粒径は, 鋼の炭素合有量に依存せ ず溶体化温度で決定されるため, どちらの試料の平均粒径もほぼ等しく約80μmとなっ ている。 ところが固溶炭素量の異なる 0.12α岡([c] =0.12%) と0.28仁左凋([c]=0.28%)では,

明らかに変態初期に生成するイ の分布に違いが見られる。 固溶炭素量の少ない0.12 C 鋼ではy粒内に向かつ て成長するブロ ックも 多く観察されるのに対して, 固溶炭素 の多い0.28α岡では主にγ粒界に沿って生成したイ ブロックがほとんどであり, 粒内 にIn]かつて成長するブ ロック はあまり見られ ない。 その結果, ブロックの大きさを比 較すると粒界に沿ってブロックが生成する 0.28倒司の方がやや小さくなっている。 炭素 鍋のα' 変態では, 炭素量の増加に伴ってブロックの幅が狭く なりかっ細かく分断さ れるようになることが牧ら(1)によって明らかにされており, γ中に固溶した炭素がα' 変態時のブロックの生成挙動に影響を及ぼすことは間違いない。 炭素量によってα' の生成サイトが異なる理由に関して, その詳細は不明であるがγ中の回溶炭素量が多 くなると, α' 格子の異方性が大きく なり, もともと結晶配列の乱れの多い粒界近傍

(24)

。∞N.0

Fig.5・4 Optical micrographs showing the morphology of martensite-blocks which were formed at an early stage of martensitic transformation in O.12C and O.28C steels. Specimens were previously solution-treated for 1.8ks at the given temperature and then subjected to G-T heat treatment.

71

(25)

(格子歪みを相殺する ような歪みを持っている領域) を選んでα' が生成するものと 思われる。

α' のブロックの大きさや形態は, 既述のとおりγ粒?をや同溶炭素足に大きく影科 されるので, 部分溶体化材を用いてα' のブロック組織に及ぼす未|吋溶炭化物の影轡 を調作するには, 比較材として川いる完全溶体化材のy粒?をおよび|占l 熔炭素足を部分 液体化材とrriJじにしておく必要がある 。 部分溶体化材の同線炭素註は, �存体化出度の 関数として(2.7)式で与えられ, 0.28α岡を1215Kで部分溶体化すれば, 0.12C鋼の完全液 体化材とI寸 ーになるように回溶炭素量を調整できる。 0.12C鋼を1223Kで完全液体化し た試料(b)と0.28C鋼を1215Kで部分溶体化した試料(d)についてブロックの大き さを比 較すると, 国溶炭素量が同じでも, ブロックの大きさは明らかに部分溶体化材のjゴが 小さ くなっていることがわかる。 ただし部分溶体化するとγ粒も小さ くなってしまう ため, 両鋼の粒径をそろえて比較することは困難であ り, 部分溶体化した鋼でブロッ クが細かくなることは明確でも, 微細 に分散した未回溶炭化物粒子が直接イ 変態に 影響を及ぼしたか否か をこの結果から議論することはできない。 Fig.5-5は, 0.12C銅 を種々の温度で完全溶体化した試料, および0.28α岡を1215Kで部分溶体化処理して回 溶炭素量を0.12α司の完全溶体化材と同じ0.12%に調整した試料について, ブロックの 長手方向の大きさをそ れぞれ実測し その値を平均γ粒径との関係で整理した結果を 示す↑。 0.12α岡を完全溶体化した試料の場合, ブロックの長さはγ粒の粗大化に対応 して長くなる 。 また, ブロックの長さと粒径との差は組大粒に なるほど大きくなって おり, これは粒径が大きい場合には, ブロックの成長がγ粒界だけでなくブロック同

一のぶつか り合いによって止められてしまうことに起因している。 一方, 部分溶体化 材に着目すると, 粒内に未固溶炭化物粒子が多量に分散してい るにも かかわらず, ブ ロックの平均長さと平均γ粒径がほぼ等しくな っている ことから, ブロックの成長は,

未固溶炭化物粒子によって抑制されているの ではなくγ粒界にのみ拘束されているこ とがわかる。

**** ******** ******* 本本************* *************** *****本* ******* *************

Tこ こでは測定値のばらつきを示すためにエラーバーを表示し ている が, 実際にはブ ロ ックがγ粒界を突き抜けて成長すること はないため, その長さがγ粒径より大き くなることはない。

(26)

80

• 0.12C steel Full Solution o O.28C steel

Partial Solution

20

Tーーしδ l

/ / / / / / / / / / / / / / / / / /

60 E :j_

ぷ二 0)

40

ギハ)O一∞

[C]=O.12%C

20 40 60 80 100

Prior austenite grain size

0/μm

Fig.5・5 Effect of prior austenite grain size on the length of martensite­

blocks. Solid circles and an open circle show the results in 0.12C steel with FS treatment and in O.28C steel with PS treatment, respectively. In O.28C steel, soluble carbon content is controlled to be 0.120/0 by the partial solution treatment at 1215K.

73

(27)

5. 3. 3 ラスの形態に及ぼす未聞溶炭化物粒子の影饗

部分溶体化材に残存する木間溶炭化物粒子は, 前項で述べたように ブロック組織に 対し てはrf:[接彩響を及ぼさないが, ラスの生成に対しては, α' 変態11寺のすべりのIHi.

7322同となり , 組織的にもなんらかの影響を及ぼすIJJ能性がある。 Fig.5-6は, 0.12C 鋼を1223Kで完全溶体化処理した試料(a)と, 0.28α岡を1215Kで部分総体化してい4溶炭

素最を(a)とr rîJじ0.12%に調整した試料(b)について, イ ラスの形態をTEMを用いて観 察した結果である。 なお, 完全j容体化材のラスの大きさや分布はγ粒径の影響をほと んど受けない(1)ー(3)ことが知られているのでヲ ここではγ粒径の違いについては議論しな い。 ラスの形態は幅の狭い薄い板状を呈しており(7), 観察する方向によって厚さや長さ が異なって見えるため, 両試料とも電子線の入射方向をα' の晶へき面に対して垂直 となるく110>α' 方向(ラスの幅を真上から見る方向) として観察を行った。 完全溶体 化材(a)については, 普通炭素鋼や低合金鋼と同様に, 幅0.5�1μm程度のラス が く111>α' 方向に長く伸びた形態(8)をしている。 一方, 部分溶体化材(b)についても, 基 本的にはラスマルテンサイト組織となっているが, 炭化物粒子の近傍で, ラス が細か く分断され, その配列も乱される傾向にあることがわかる。 すなわち, 未固溶炭化物 粒子はブロックの生成形態 には大きな 影響を及ぼさないが, ブロック内部の組織につ いてはラス を微細化する効果があると判断された。 Fig.5-7に, 0.28α岡を1215Kで部分 溶体化した試料について, 炭化物粒子の近傍を拡大して観察した組織の一例を示す。

ラスの成長は炭化物粒子に妨害されて止められたり(a), あるいは曲げられたりしてお り(b), 炭化物粒子がラスの生成過程で物理的な影響を及ぼしている様子がうかが われ る。 また, 場所によってはFig.5 -8に示すように, 先端に炭化物粒子が付着しているよ うなラス も観察された。 このようなラ スは, 周囲のラスとはコントラストが違うこと から変態のバリアントが異なること, さらに ラス幅が炭化物粒子の大きさによく一致 していることなどの理由から, 成長が止められているのではなく, 炭化物粒子を核と して単独で生成したラスであると思われる。

以上のように, γ中の未固溶炭化物粒子は, 一部はラスの核生成サイ トとして働き,

部はラスの成長を妨げる障害物となって, イ のラス組織を微細化し, かつラスの 配列を乱す傾向にある。 本鋼では, 未固溶炭化物の量が少ないのでブロック組織を微 細化するまでには至らなかったが, 炭化物の体積率を増大させることができれば, 分

(28)

Fig.5・6 Transmission clcctron micrographs showing the morphology of martensite laths. 0.12C sledwas FS treated at 1223k fol-l .8ks(a),while O.:28C stccl was PS treated al 1:215K for 1.8ks (b).

75

(29)

Fig.S・7 Transmission clectron micrographs showing thc elTccts 01' insoluble carbidc particles on the morphology or martensite-laths in O.28C steel with the PS treatment of 1215K-1.8ks.

(30)

Fig.5・8 Transmission electron micrograph showing a martensitc-Iath nucleatcd on the interfacc of an insoluble carbide particle in O.28C steel 'vvith thc PS treatment of 1215K-1.8ks.

77

(31)

放した炭化物純子を利川してマクロなα' 組織を制御すること もI-IJ能になると忠われ る。

5. 4 マルテンサイトの硬さに及ぼす部分溶体化 処珂 の影機

Fig.5-9は, 0.28α岡をrfJ i容体化処向後, ノk冷してγ→α' 変態させた試料の硬さと I'i液体化温度'の関係を示す。 水冷材の似さはフ 1311Kを境として高組側で完全溶体化処 珂した場合は, ほぼHV680の 一定似となっているが, 1311 K以ドで部分溶体化処聞した 場介には温度の低ドと ともに低くなる 。 部分溶体化材の硬さが低ドした主たる王�山は,

ノド|吋溶炭化物 が作伝する分だけα' 中の炭素濃度が低下したためと解釈してよいであ ろう。 ただし, 部分液体化した試料で は, Fig.4-4に示されるように, かなりの量の未

Irl[1 i容炭化物も残存しているので当然その影響も無視できない。 硬さに及ぼす未回溶炭

化物の影響については , 既に Fig.2-3に示したように, 炭素合有量が増加して未|司溶炭 化物はが増加すると, 試料の硬さもそれに対応して上昇する。 炭素合有量; C(mass%) に対する試料の硬化本は溶体化温度によらずほぼ一定の値(HV500/%C)である。

j容体化温度で鋼中の炭素合有量Cが回溶限[C]以下である場合(Cく[C]), 炭素が完全

にγι1-'に回溶するため, 焼入後の鋼の組織はα' 単一組織となり, 硬さは前述のよう

に(2.4)式で表さ れる。 一方, 溶体化温度で鋼 の炭素濃度が固溶限以上である場合 (C>[C]) , 炭素が完全に回溶できず, 組織はα? と炭化物の二相となり, 試料の硬さ HV本は(2.4)式とFig.2-3の結果を組み合わせて次式で与えられる。

HV* =25 + 1250F[C] + 500 (C- [CJ) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(5.1)

ここで, [C]は(2.7)式で与えられる値で, i容体化温度に依存して変化する。 ただし注意 すべき点は, (i)溶体化制度や鋼の炭素合有量によってはα相が析出する可能性があ ること, (ii) M23C6型炭化物がM7C3型炭化物に遷移する と, 回、溶限[C] が(2.7)式で表 せなくなることである。 このような坦由から(5.1)式の適用範囲は, 鋼の炭素合有量が 0.1 %'"'"'0.4%で, i容体化温度については1150K""""'1450Kの範囲に限られる。 また, 固溶炭 素らまの高い鋼 については, 宅甑でy→α' 変態が完了せずにyが残留する可能性もあ るので, 焼入れ後にサブゼ、ロ処理を施す必要もある。

(32)

: Full Solution

1300 Temperature,

O.28C steel

700

nu

nu nu

nU 6

5

ωωωCち」の工ω」φvち一>

1500 1400

T/K 1200

Effects of solution treatment temperature on hardness of O.28C steel.

79 Fig.5・9

(33)

5. 5 結 三

12%Cr-0.12%C鋼および、12%Cト0.28%C鋼を用いて, 部分溶体化処理した鋼のマルテ ンサイト(α, )組織や硬さ に及ぼす未回溶炭化物の影響を調査した結果, 以下の結 ifibを符た。

( 1 )部分液体化処珂すると, 未|封溶炭化物粒子によってオーステナイト粒径が微細 化し, その結果, 間後的にブロック組 織も微細化され る。 未岡溶炭化物約千円休はブ ロックの大きさに影響を及ぼさない。

( 2 )部分溶体化材では, 未位li谷炭化物粒子が一部はラスの核生成サイトとして, 一 部はラスの成長を妨げる障害物として作用するため, ラスが細かく分断され, かっそ の配列も乱れたα' 組織となる傾向がある。

( 3 ) 部分j容体化材の硬 さHV*は, α' 基地の硬さに未固溶炭化物による硬化量が加 算された値となり, 次式で与えられる。

HV * = 25 + 1250 刀司+ 500( C-[ C]) [C] :α' 巾の回溶炭素量(mass%)

(34)

参考文献

(1) Tadashi Maki, Kaneaki Tsuzaki and Imao Tamura : Trans.lron Steel lnst. Jpn.,

20 ( 1980), 21 1

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(8) P.M.Kelly and J.Nutting : J.lron Steel Inst., 197(1961), 199

81

(35)

第6章 マルテンサイト系ステンレス銅の靭性に及ぼす 部分溶体化処理の影響

6. 1 紡r î

第5Gtまでの結*から, α' 系ステンレス 鋼に部分溶体化処珂を施すと, 未[可溶炭 化物粒子の粒界ピン11-__め効果によりγ粒径は10μm程度にまで微細化され, それと同時 にブロックやラスなどの粒内組織も微細になることが明らかとなった。 一般に, α' 鋼の靭性がα' 組織の微細化によって向上することについては既述のとおりであり,

部分溶体化処理は, α' 系ステンレス鋼の強靭化に有効な手段であると考えられる。

しかし高炭素α' 系ステンレス鋼には, i容体化温度で残存する未回溶炭化物や焼入 れ時の冷却過程で析出する粒界炭化物 , 溶体 化処理後の焼戻しの際に析出する炭化物 等, 稀々の炭化物が存在しており, これらの形態や分散状態が靭性に大きく影響する ことが当然予想される。 また一方では, α' 鋼中のCrによってPなどの不純物元素の粒 界偏析が助長され, 焼戻し温度によっては粒界破壊に起因した脆化が生じることも報 告されている(1)。 以上のような点から部分溶体化処理したイ 系ステンレス鋼の靭性の 評価は, 旧γ粒径やブロックサイズなどの組織の大きさだけでなく, 炭化物の形態や 分散状態, 不純物の粒界偏析挙動も考慮に入れて行うことが重要と考えられる。

本章では, 部分溶体 化処理によるα ' 系ステンレス鋼の靭性改善の効果を明らかに することを目的とし 、部分溶体化処理した12%Cr-0.3%α岡の靭性を, γ単相域で完全 溶体化処理 した鋼の靭d性と比較して評価した。 そ して, 炭化物 の分散状態や不純物の 粒界偏析挙動に及ぼす部分溶体化処理の影響を個別に調査して, α' 鋼の強靭化機構 について考察した。

(36)

6. 2 試料および実験方法

供試材にはP�j.長}支の児なる二穐知の12%Cr-0.3%C鈴fJを川いた。 -つは0.02%のPを介 イJする0.28C釧(Table2-1参JKi 以後, dj版制と称す), もう aつは0.001 %のPを介イJ した向純度鋼 (以後, 低P釧と祢す)である。 低P鋼の化学成分は, 0.30%C 0.11 %Si,

0.82%Mn, 0.001 %P, 0.009%S, 12.21 %Crである。 試料の作製および部分権体化処則 の熱処則法は 2. 2節と同線であるので省略する。 溶体化処理後は, 極々の冷却j速度 で宝1&11まで 冷却した。 950則、f近の冷却速度は, 油冷ではが060k/s, �冷ではO.4K/s, ヵ:

冷では0.15K/s であった。 機械試験に供する試料については, 各j容体化処用後 973Kで焼 反し処理を行った。

組織観察は, 3. 2. 2節と同様である ので省略する。 靭性は, 5mm x 10mmx 55mmのJIS4 �j-衝撃試験片(サブサイズ:幅5mm)を294Jのシャルビー衝撃試験機で倣 断し, その吸収エネルギーで評価した。 シャルビー試験片の破面は, SEMで観察を行 った。 また同試験片について, インストロン型試験機(クロスヘッド速度; 0.02mm/s) を用いて三点曲げ試験を行った。 その際の応力σ(Pa)および歪εの値は, 測定した街

一一P(N)とクロスヘッド、の降下量ö(m)から, 近似的に以下の式(2)で換算して求めた。

σ=3P l/2bh2 . . . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(6.1) ε=4hる/12 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(6.2) ここで, 1は支店間距離, bは試料の幅, hは試料の厚さである。

83

(37)

6. 3 焼反した完全溶体化材お よび部分溶体化材の組織

Fig.6-1は, 1423Kで完全液体 化処珂, ならびに1173Kで部分溶体 化処珂!後, ノk冷ーサ ブゼロ処βj!したrlî版制の973 Kでの焼反しに伴う硬さの変化をノJミす。 硬さの低ドは, い ずれの鋼においても, 焼反し初期に急激に進行した後次第に緩やかとなっていき, 焼 以し11与II\Jが15 ks以上に なると硬さの変化はほとんど認められなくな る。 その時の試料 の硬さは, 完全総体化材ではHV230程度であるのに対して部分溶体化材ではHV200科 皮の低いイIr[と なってお り, 焼反しに伴う炭化 物の析出挙動や, 炭化物の分散状態がr,TJ 鋼HUでy�なっていることがうかがえる。 Fig.6-1を用いれば, 各鋼につ いて所定の硬さ を得るための焼戻し時間を決定できる。 本研究では, 同一強度の完全溶体化材と部分 溶体化 材の靭性を比較するため, 以後, 焼戻し材を用い る実験は, 完全溶体化材を 12.6ks, 部分溶体化材をO.9ksで焼反して硬さを約HV230にそろえた試料についてれっ た。 Fig.6-2は, 上記の条件で焼戻した完全溶体化材(a) および部分溶体化材(b) につい て炭化物の分散状態を示したものである。 完全溶体化材では, 焼戻しにより炭化物粒 子がブロック境界やラス境界に並んで析出し, それらが連結して棒状となる傾向があ る。 -方, 焼戻し前に既に未固溶炭化 物粒子が存在している部分溶体化材では, 焼戻 しに伴って析出する炭化物は新たに核生成することなく未閏溶炭化物粒子を核として 生成し たと推察され, Fig .5-3(b)の油冷ままの組織と比ベて炭化物の粒子径が若干大き くなっている程度で, その形態や分散状態に大き な変化は認められない。

(38)

350

Commercial (O.28C) steel

Tempered at 973K

t

ωUq 2 3 300

c てLの 正二

巴250

iE 仏 ---._

Full Solution

にJ

>

200

1500

5 10 15 20

Tempering time, t /ks

Fig.6・1 Change in hardness with tempering at 973K for the commercial steel which was FS treated at 1423K for 1.8ks or PS treated at 1173K for 1.8ks.

85

(39)

Fig.6・2 SEM micrographs showing the dispersion of carbide in the commercial steel with the treatment;

(a):FS treatment (1423K-1.8ks)→tempering(973K-12.6ks) (b):PS treatment (1173K-1.8ks)→tempering(973 K-O.9ks)

(40)

6. 4 完全溶体化材 と部分溶体化材におけるシャルビー 吸収エ ネルギ 一遷移 挙動

Fig.6-3は, 1473Kで完全液体化処用および1173Kで部分溶体化処珂!したrli版鋼に関 して, 973Kで焼反して似さをHV230にそろえた試料のシヤルビー吸収エネルギ- rltl線 をぷす。 各治体化処開後の焼入れ時の冷却l速度は, 打11冷, 空冷および炉冷と変化させ,

W↑tに対する冷却l速度の依存性も示している。 ただし, 部分溶体化材については, 冷 却[1与の炭化物 の析11\が未|吋溶炭化物粒子を核として速やかに進行する ため, 冷却j速度 が退くなるとγ1-tJの炭ぷ-が欠乏してγ→α変態を生じ, 著しく強度が低ドする。 ここ ではIJ� -強度のα' の靭性の評価を目的としていることから, α組織 となる部分j容体 化ー炉冷材は除外した。 Fig.6-3の結果から, 靭性に及ぼす部分溶体化処理の影響として

次の乙点が挙げられる。

( 1 )延性-脆性遷移温度(DBTT)が低下する。

( 2) upper-shelfエネルギーが上昇する。

( 3 )冷却速度の低下に伴う脆化が生じなくなる。

このような部分溶体化処理による靭性の改善は, 旧γ粒径や炭化物の分散状態などの ミク口組織に当然依存する。 以下, (1) (3)の項目別にその理由を検討する。

87

(41)

nu

nu 0

5 (NEO\勺)kAO」ωcωhxuD」Oω心〈

Commercial steel (Fe-120/oCr-O.280/oC-O.020/oP)

Full Solution

0; 0.0.

企ð; A.C.

; F.C .

』一一一ー

400 500

200 300

Temperature, T /K

Fig.6・3 Effect of PS treatment and cooling-rate from the solution temperatures on Charpy impact transition behavior in the commercial steel.

FS treatment (1423K-1.8ks)→tempering(973K-12.6ks) PS treatment (1173 K-1.8ks)→tempering(973K-O.9ks)

(42)

6. 5 �部分持母体化処.fl�による低出靭性の改善機構

完全的体化材および部分治体化材の低温での破域機構を|リjらかにするため、 日fGfi:Illl j文城(200K) で破防庁したシャルピ一律j壊l試験片の破I而観然を行った。 Fig.6-4は, 破I(!Îの イダuとして, 冷却条件が:く�r令の場介の完全治体化材(a)と部分溶体化材(b)に|刻するSEM 制祭市IIUf�をぷす。 各般的îJ形態から, 完全溶体化材ではIIly粒界 での粒界破域, 行1)分液 体化 材ではγ粒内での擬へき開破壊によって破断したことがわかる。 この結果は焼入 れ仰の冷却速度が油冷や炉冷の場合でも同様であった。 完全j容体化材と部分溶体化材 とで低111ftでの破壊機構が異なる原凶としてìlJ然γ粒径の影響が与えられるが, 粒界倣 よ哀には不純物ノ己素の粒界偏析が関与している可能性も高いので, まずP濃度をf'�)J低減 させた低P釧を用いて, 低温靭性に及ぼすγ粒径のみの影響についての評価を試みた。

Fig.6-5は, 低P鋼(0.001 %P)の完全溶体化材と部分溶体化材についてシヤルビー衝撃試 験を行ったときの, 延性-脆性遷移曲線および脆性破面のSEM像をボす。 各鋼のγ粒符 については, 市販鋼の場合と同様の大きさであることを確認している。 また硬さは,

焼以し!時間を変えて両試料ともHV240程度にそろえている。 遷移曲線に着目すると,

upp er-sh elfエネルギーは市販鋼の場合と同様に部分溶体化処理で上昇しているいるが,

DBTTはI,IJ試料聞で全く一致しており, γ粒径の影響が認められない。 破而形態は完令.

溶体化材でもほぼ擬へき開破嬢となっており, 市販鋼ではPが粒界破壊を誘発してJj危化 を引き起こす要因のひとつとなっていることは間違いない。 この結果は見方を変える と, 低P鋼はγ粒が粗大でも粒界破壊を起こさないだけの十分な粒界破壊強度を有して いることを示唆している。

市版釧でみられた結晶粒微細化 による粒界破壊の抑制効果としては, (i) 粒界面 積が明大することによって不純物元素の粒界偏析濃度が希釈される効果(3)と ( i i )パイ ルアップ転位数が減少することによって粒界での応力集中が低減される効果(3)(4)が考え られる。 ( i ) の不純物の希釈効果については, McLean用論(5)から導かれる不純物元 ぷのあth字削析電と結品粒径の関係によって説明できる。 平衡状態に達している材料の 不純物店素の粒界偏析濃度は粒内バルクでの濃度の関数として次のMcLeanの才 (Appendix 6.1)で与えられる。

Xb/(l-Xb) == {Xmj(l-Xm) }exp( ß Gb/RT) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(6.3) Xb:粒界偏析層での不純物元素の濃度

89

(43)

Fig.6・4 SEM images of fracture surfaces in the commercial steel tested at 200K after the treatment:

(a):FS treatment (1423K-l.8ks)→tempering(973 K-12.6ks) (b):PS treatment (l173K-1.8ks)→tempering(973K-O.9ks)

(44)

5

100

--:>

〉、0)

ω c ω

-g

50

2

cn 0 4コ

0 0

Feイ20/oCr-0.30%C・0.0010/oP

100 200 300 400 500

Temperature, T/K

Fig.6・5 Charpy impact energy transition and SEM images of fracture surfaces of the high-purity 12%Cr-0.3σ1'oC steel wi th the treatment;

FS treatment (1423K-1.8ks)→ten1pering(973K-12.6ks) PS treatment (1173K-1.8ks)→tem peIi ng( 973 K -0. 9ks)

91

(45)

んぶ, 系lJ川i

Xm:料内ノ《ルクにおける不純物ノ乙素の濃度 6Gh:粘w偏析のrl山エネルギー

イ休本私狛t 、l竹iたりの系lJlMI/l!粒与ザ坑以~い�総同而i干有積t立lSは次式でl与 正 え ら れる�(山刷川6ω州州川 )川川川{げ川へ7η九)二

S =4/(耳 目D)=2.26/D ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(6.4) また, IÎ式料の、I�均系IlJ戊を Xoとすると, 料界j何の体積本f, Xh, XmのII\J には次ょがh長。:

する。

Xo=ο(h+(l-f)Xm ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(6.5) Xmが 1 に対して卜分小さいと仮定して, (6.3), (6.4)および(6.5)式を幣則すると, 次ょ が科られる。

Xb/(1-Xb)= {Xo-2.26t(Xb/D) }exp6Gb/RT . (6.6) t:不純物元素が偏析する粒界の厚さ

実験に使用した市版鋼(0.02%P)および低P鋼(0.001%P)について, (6.6)式を別いて焼戻 し制度(973K)におけるγ粒界での平衡P濃度を計算し, その粒径依存性を示した結果を Fig.6-6に示すo ここで粒界の厚さtは1nm(8)(9)とし, Pの粒界偏析エネルギ- 6Gb(973K) は55.2J/mo I( 10)の値を用いた。 まず低P鋼では, 粒径の大きさに関わらず粒界でのP濃度 は低い値となっており, γ粒径が大きい完全溶体化材でも粒界破壊が起こらなかった 事実を裏付けている。 それに対して, 市販鋼では顕符な粒界偏析が生じることが予知、

され, 結品粒径が100μm以上の材料では, 粒界に最大25 at.%までPが濃化することに なる。 こ の程度の結品粒径の鉄鋼材料では, 脆化 が生じる臨界の粒界偏析濃度は 20a t.%程度が目安とされており(11), 0.02%程度のPを含有する市販鋼の粗粒材が粒界破 壊を起こしても不思議ではない。ただし結晶粒の微細化によるPの希釈効栄については,

仮に粒径を10μm以下にまで微細化できればPの偏析濃度は急激に低下して希釈効-*が 十分に期待できるが, 部分溶体化処LFfJで得られるγ粒絡は10μm科度であり, Pの希釈 効*では,系m粒材で粒界破線が抑制される現象を説明できない。

次に, 転位聞の相I工作用を身慮したパイルアップモデ、ノレ(12)( 13)に基づいて, ( i i ) の細 粒化 による粒界での応)J集中の低減効果について検討した。市fi品粒界にパイルアップ できる転位の数nは, 結品粒の中心にフランクリード源が存花するとして, 転イ立の分布

関数(13)を積分することにより次式で与えられる。

n=(τ-τf)D/Gb . . . ・(6.7)

(46)

0.3

at 973K

cozコ一oω=コ比

co一日コ一oω一回一亡ca

ハ/­nU (cozo何」』EO芯)仏』ocozcbcωOCOOKCEUCコ02cB」。

0.1

0.001 % P

0.0

1000 100

Grain size 0/μm 10

Fig.6・6 Relations between equilibrium phosphorus concentration at grain boundary and grain size at 973K in 0.02%P steel and 0.001 %P steel. Evaluated after the McLean tileo ry(7).

93

(47)

τ:フランクリード源に作川する切断応)J D:系lull1111iUJ14

G:剛竹本

b:バーガースベクトル

τf:フランクリード源を働かせるために!反する応)J

来立与�に}JIIわる応)Jτgは外部応力τにnを釆じた仰となり, τfが1-分に小さい とすると 次のようにぶされる。

τ8二τ2D/Gb (6.8)

Fig.6-7は, τが a定の条件ドで, τgとDの関係を模式的にぶしたものである。 附11'に ぶしたτ*は臨界の料以倣駿応力を表しており, τg がこの他をl二InJると料以倣壊が発 生することを怠味する。 またτ*は, 結品粒径に対しては無関係な値であるが, pなど の不純物が粒界に偏析すると低下すること が知られている(14)。 この凶から, ある外部 応)Jτを材料に負荷した場合, 粒界にかかる応力τg は結品粒径に比例して明大し,

粒径が100μmの材料 では10μmのものに比ベて10倍の応力集中が生じることがわかる。

ここで, τgとτ*の大小関係について, 高純度鋼ではτg(10μm)<τg(100μm)<τぺ 市販鋼ではPの粒界偏析によりτ*が低下してτg(10μm)<τ*<τg(10 0μm) の関係が 成立していたと考えれば, 市販鋼の完全溶体化材でのみ粒界破壊が生じた'JVたをうま く説明で きる。 以上の結果から 部分溶休化処理により市販鋼で粒界破線が抑制され たl宣肢の理由は, γ粒径の微細化により旧γ粒界での応力集中が低減されたためと 考 えてよいであろう。

(48)

τg=τ201Gb

ロ3

Lの

三|

τ9 (100μm)

40 c C L-

4c 0') -d

おUU43

3 3

|

τ9 (10μm)

50 100 150

Grain size 0 /!-lm

Fig.6・7 Schematic illustration showing the relation between the stress at grain boundary and grain size under the condition of constant applied stress.

95

(49)

6. 6 部分j容体化処理に よるupper-shelfエ ネルギーの 上昇に'与与する組織 i礼子

upper-shelf エネルギーに大きなぷがみられた完全溶体化材と部分液体化材について,

延性破域制度城で{政断したrlj販制の倣LUÎ観察を行ったが, ITLj鋼fllJで破1[6形態に大きな ノYEY14は認められなかった。 そ こでシャルピ一試験) 1-を川いて乙山由げ試験を行 い, ヂヰ 釧におけるlilJげ応)Jの変化や破壊の起点を調作して, upp er-s helfエネノレギーに及ぼす 組織の影響について検討した。 Fig.6-8はrl1版鋼の完全熔体化材および部分j容体化材に ついて, 宅自lAで の三点 曲げ試験によって求めた曲げ応力ー歪み曲線を/Jミすo I可試料とも rthげ変形にイ、れ、加工硬化して 応力が増大していくが, 最大応力の点で亀裂が発生する と, それが伝搬しながら破壊が進行し, 応力は徐々に低下してゆく。 完全溶体化材と 部分溶体化材とで最大応力の値, ならびに亀裂発生後の応力低ドの傾向にはほとんど 差が見られないが, 最大応力を示す位置については部分溶体化材でか なり高歪み側に 移行 していることがわかる。 この結果は, 亀裂の伝搬時に消費される エネルギーに 鋼間で差は ないが, 亀裂を発生させるために必要なエネルギーは部分 溶体化材の方が 大きいことを意味している。 そのエネルギ一差分が部分溶体化材のupper-shelf エネル ギーのと昇分に対応するものと考えられる。 Fig.6-9は, 亀裂発生直後の完全溶体化材 におけ る亀裂近傍のSEM組織を示す。 主として ラス境界に炭化物粒千が並んで生成し てお り, これらの炭化物粒子を起点として多数のマイクロボイドが発生していること がわ かる。 マイクロボイドが成長して連結すると, 小さな亀裂(マイクロクラック) が発生し これらが伝播して破断に至る。 部分溶体化材で亀裂の発生に必要なエネル ギーが大きい理由としては, Fig.6-10に模式的に示したように, 完全溶体化材ではヲ マイクロボイドの起点である炭化物粒子が a定のjj向性を持って連なって析出してい るため, これらが答易に連結できるのに対し, 部分溶体化材では, 球状炭化物料千が 基地1�Iに均 」に分散した組織を有していることからマイクロク ラックの発生に より大 きな外部応力を必要とするためと考えられる。

参照

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