• 検索結果がありません。

7. 1 総指

耐食!耐摩耗材料として化学プラントや機械部品に広く使川されてい るα' 系ステン レス鋼は, 近年, メインテナンスフリーの構造用部材としても期待され, さらなるffJj 強度化が空まれるようになった。 しか し過共析組成のα' 系ス テンレ ス釧では, 強化 ノ己点-である炭素の添加重が増加すると液体化温度で和大な 未聞溶炭化物が残イヂして靭 性が詳しく煩なわれるため, 高炭素の釧荷は, 現在ヲ 小ヰ�Jの部品や刃物として 利用さ れて いるにすぎない。 α' の靭性を改善するには, 未同溶炭化物を微細に分散させ,

かっIRγ粒径を微細化するような組織制御が有効である。 本研究では, 完全溶体化焼 人と焼戻し処理によって炭化物をイ 基地中に析出させた後, 再び(γ+炭化物) 相城でγ化する部分溶体化処理を提案し, 微細に分散した未同溶炭化物粒子を利用し てy粒径やα ' 組織を微細化する組織制御法を確立した。 そし て, 市販の12%Cr-0.3%α岡(SUS420J2)に部分溶体化処理を適用し, α' 鋼の靭性に及ぼす!日γ粒筏や炭 化物 の形態の影響について検討を行った。 以下に本研究により明らかになった事柄を 各章別に総括する。

第1章では, 本研究の背景と目的, ならびに著者が本論文で提案した部分溶体化処 理の構成について概説した。

第2章では, 部分溶体化処理による組織制御に関して把握しておかねばならない干 礎データの抽出を行った。 まず, 種々の部分溶体化材の硬さの測定に より炭素のγ相 中での同熔限を決定した。 そして, 固溶限とM23C6型炭化物の密度の値から未同溶炭化 物量を見積もり, 体積率を鋼中の炭素合有量と部分溶体化温度の関数として表した。

この結果の妥当性は, 抽出した残おきの分析によっても確認された。

第3章では, 部分溶体化処理の前組織である焼戻しα' 組織の特徴, ならびに イ のγへの逆変態挙動について調査した。 焼戻しα' 中に析出しているM23C6炭化物粒子 は, ラス境界に沿って並んで生成する傾向にあり, 基地との結品方位関係としてK-S関 係を満たしていること, また, ひとつ のブロック内では同一バリアントの炭化物のみ が生成していることを明らかにした。 一方, 逆変態γは炭化物とα' 基地の界面で核 生成し, yがα' 基地とM23C6との両方に対して特定の結晶方位関係を有するため, ひ

105

とつ のブロック内ではfriJ泊のバリアントの逆変態γだけが生成するこ とを見111した。

そし て, 変態の進行にイ、I�いこれら のγ がI J:いに代休してfll大なγ粒へと!戊jえし? 最終 的に, もとのα' ブロックが1例のγ粘となる機構が解明された。

第4れでは, γ粒絡に及ぼすぷ181i作炭化物粒子の彩響について粒界 ピンtI:め 効果を J号店に入れて検討し, 部分j存体化tUt1交ではぷ|川府民化物航子によって γの*\Lh父jえが効 民的 に抑制されることを比11\した。 そ して14jj火点の鋼ほど\より高温でもピン11:め効

*がイJ効に作用することを指摘した。 また, r�IS分溶体化処用で符られ るγ粒絡は, Aょ I,'il i作炭化物の粒子作と体積本の関数としてZenerの関係式で表されることを|リ!らかにし,

鋼の炭素合有量と部分j樹木化組度に関してγ粒径を向山に制御する条件を確直した。

ただし 第3章で述べた|司ーバリアントの逆変態γの合体による粒成長のために, 部

分溶体化処理による微細化は10μm程度が限界となることも指摘した。

第5章では, 部分溶体化温度から焼入れてα' 変態させた鋼について, 旧γ粒内の α' 組織ならびに硬さに及ぼすγ粒径や未fé!I i容炭化物粒子の影響について検討したロ

イ の粒内組織については, 部分溶体化処理した鋼で は, γ粒径の微細化によ ってブ ロック組織も著しく微細にな ることを明らかにした。 また, y基地に分散している未 回溶炭化物粒子は, ラスの成長の障害物とな ったり, あるいは ラスの妓生成サイトと なる ことを見出し, 部分溶体化材ではラス組織が細か く分断され, そ の配列も乱され る傾向にあることを明らかにした。 α' の硬さについては, 未回溶炭化物の寄与を定 屯評価し, 部分溶体化材の硬さの予測式を提示した。

第6章では, 12% Cr-0.3%C鋼を用いて, 靭性に及ぼす部分溶体化処理の影響につい て検討した。 部分溶体化処理によりγ粒径が微細化されると, 低温で の粒界破壊が抑 制されて延性ー脆性遷移温度(DBTT)が低下することが判明した。 γ粒径の微細化によ る粒界破壊の 抑制機構としては, y粒界での応力集中の低減に よる効果が大き いこと を説明した。 延性的な破壊に ついては, 炭化物粒千/基地界而で発生するマイクロボイ ドが連結してマイクロクラックが発生し, それら が伝播して破断に至る機構を解明し た。 そして, ラス界而に炭化物が並んで生成している完全溶体化材に比べて, 球状の 炭化物が均ーに分散している部分溶体化材では, マイクロクラックの発生に 大きなエ ネルギーを要す るため, 高いupper-shelfエネルギーが得られること も見出した。 靭性 に及ぼす溶体化温度か ら の冷却速度の影響については, 完全溶体化材では冷却速度が 退くなるとγ粒界にフィルム状の炭化物が析出して脆化を引き起こすのに対して, 部

分液体化材では, 既存の未r�Îl i容炭化物を核とした析出 のみが起こか 冷却l速j交に依存 したJJ危化は生じないことをぶした。

最後に, 第7章で各市の研究成果を総指した。

7. 2 )員宅

ノド研究の結果, α' 系ステンレス鍬lの靭性は, 部分 溶体化処瑚をJIJいた組織制御に よって大幅に改者できること が明らかとなり, 低い靭性のため用途が|浪られて いたlfasj 炭ぷ鋼種の構造用部材への適用も可能である ことが示された。 例えば, 耐般化I�'I:にJJII えて高い強度と靭性が要求されるロータやタービンなどの発電プラントで使用される 構造川部 材に対して, 部分溶体化処理した高炭素イ 系ステンレス鋼の適用が有効で ある と思われる。 ただし 部 分溶体化処用をこのような大型の構造物に適用する場介,

完全溶体化処理後の焼入れ・ 焼戻しによる炭化物分散処理は事実上不可能であり, 焼 人によるα' 変態を必要としない炭化物の分散法の確立が必須である 。 これに関して 著者は, 0.7%の炭素を含有する12%Cr鋼では, γ化後, 950K程度の温度で恒泊変態さ せると, (γ→α+M23α)共析反応を生じて基地中に微細な炭化物が直接分散され る ことを見出した(1)。 また, 恒温変態処理後に部分溶体化処理を施すことにより, ノド論文 で得られた成果と同様の組織制御が可能となることも明ら かにしている(2)。 この手法が 適用されれば, 冷却に数日間を要するような大型の構造物に対しでも部分溶体化処翌日 による高強度化・強靭化を図ることが可能となる。

本技術に関して今の時点では, 高炭素化による耐食性の劣化や部分溶体化後 の焼入 性の問題など, 解決されなければならない課題もいくつか残さ れてはいるが, 今後,

精造片jステンレス鋼の分野において, 部分溶体化処理 の技術が新たな高強度ステンレ ス鋼の開発・実用化に役立てられることが期待される。

107

参考文献

(1) T.Tsuchiyama and S.Takaki : ISIJ Int., 37 (1997), 715

(2) T.Tsuchiyama and S.Takaki : Proceeding of THERMEC'97, Now contributing

謝 昨

本研究の遂行およびノド論丈の作成にあたり, 終始変わらぬご指導ならびにご鞭縫を 賜りました九州大学[学研究科高木節雌教授に心から感謝の意を去します。

また, ノド論文のr/i.案を詳細lにご検討引き, 適切なご助え?を賜りました九州大学[学 研究科似本 質教綬, 大城位作教授にJft:くお礼申し上げます。 さらに, 数多くのご助

r Iとご激励を国きました九州大学工学研究科徳永洋一名誉教段ヲ 後藤秀人助手, 木村

!万次D)J r�, rll t'J辰之助手の各位に深く感謝いたします。

実験を行うにあたり, 試料を提供してドさいました円新製鋼株式会社に序くお礼巾 しi二げます。 そして, 高木研究室(旧徳永研究室)の先輩}Jおよび後輩諸}J-, とくに 本論文に関する実験・研究に熱心に取り組んで下さった岡村 司, 小野嘉則, 持永健

If, �r11!繁昭? 篠川 治名氏に感謝の意を表します。

109

関連したドキュメント