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von Willebrand 1. 2 (i) (ii) 2. (i) 23G 25G (ii) (iii) Table Kogenate, Bioclate, Helixate, Recombinate; 2. AHF-M, Hemofil

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(1)

Full Translation

血友病と von Willebrand 病の治療プロトコール

1Treatment of Hemophilia Monograph Series, Number 14. World

Federation of Hemophilia: 1998. Protocols for the Treatment of

Hemophilia and von Willebrand Disease is currently being revised by

Hemophilia of Georgia and the haemophilia treatment centres of Georgia. For more information on the revised version, please contact Hemophilia of Georgia, 8800 Roswell Road, Suite 170, Atlanta, Georgia 30350, U.S.A.

3Professor C. K. Kasper, MD

Protocols for the treatment of haemophilia and von Willebrand Disease1

Hemophilia of Georgia 前文 ジョージア州の血友病協会とジョージア血友病セ ンターは,専門的知識および資源を統合し,ジョー ジア州の血友病患者の治療を行う医師のためのガイ ドラインを作成した。 このプロトコールには,血友病治療を行う上での ケアの基本となる事項が含まれている。これは,血 友病センターでの定期検診や治療を,単に置き換え たものではない。担当医とセンターのコミュニケー ションが図られるようにとの願いが込められている。 プロトコールは他の米国の血友病センターのガイ ドラインも参考にして作られている。個人の要望や 利用できる資源に合わせて,治療計画がデザインさ れている。 WFH の副会長(医師)から3 われわれは,先進国の血友病センターのプロト コールを提供することは,世界血友病連合にとり重 要であると考えている。当然ではあるが,これらの プロトコールは一様ではない。このプロトコールは, ジョージア州の血友病治療に実際に用いられている ものである。また国際的にも通用するように,環境 や製剤の種類についても配慮を行った。治療はブエ ノスアイレス,ローマ,シンガポールでは異なるか もしれない。どのプロトコールも,その地域で利用 しやすいように,修正する必要がある。

血友病とその診断

血友病

A

B

は,

Table 1

に示すように

X

連鎖劣 性遺伝形式をとり,凝固因子の第

VIII

および第

IX

の欠 乏が原因である。その頻度は,おおよそ血友病

A

は 男子

1

万人の出生に

1

人,血友病

B

で男子

3

5

万 人の出生に

1

人の割合である。 キャリアの診断には,家系図の作成,第

VIII

因子活

性/

von Willebrand

因子抗原比や最近では

DNA

断が用いられる。

DNA

診断はもっとも正確ではある が,すべての患者で情報が得られるわけではない。出 生前診断は,胎児の細胞を用いての

DNA

診断によ り,

9

11

週に胎児絨毛を採取するか,

12

15

週 に羊水穿刺により行われる。さらに情報が必要な時 には,近くの血友病協会か,血友病センターに連絡を して,専門的知識を得るとよい。 生後診断は,末梢静脈採血により第

VIII

因子の測定 を行う。血友病

B

の診断は,新生児期は生理的に第

IX

因子が低いので,時に困難である。第

IX

因子が低 い場合には,生理的に第

IX

因子が上昇する

6

カ月時 まで定期的に採血を行う。十分な因子活性(

Fig. 1

)が ないと,動脈,頸静脈,大腿静脈穿刺および割礼は 禁忌である。

(2)

4.

凝固因子製剤を用いた家庭治療は,通常,

3

5

歳で開始する。利点は,コストと合併症の軽減で ある。できるだけ早い時期に家庭治療が行える ようにするべきである。多くの病院では救急処 置室で投与を行っている。

5.

血友病センターでの包括医療は,血友病治療の ステイトオブアートとなっている。包括医療では 多くの専門チームにより,患者の診療が行われ る。チームは,通常,血液専門医,整形外科医, ナースコーディネーター,栄養士,感染症スペ シャリスト,ソーシャルワーカー,理学療法士,歯 科医,職業セラピスト,リハビリテーションスペ シャリスト,臨床心理士,遺伝カウンセラーなど からなる。チームは患者のケアプランを作成し, フォローアップは家庭医が行う。 治療を円滑に行うには,家庭医と社会資源と血友 病センターの連係が重要である。 血友病 A(第 VIII 因子欠乏症)の治療 第 VIII 濃縮製剤 商品化された製剤には多くの種類がある。

1980

年 代中期以降はウイルス不活化処理がされた製剤が米 国にも出回っている。これらは次の3種類に分類さ れる。

1.

遺伝子組換え製剤:

Kogenate, Bioclate, Helixate,

Recombinate;

2.

モノクローナル抗体処理製剤:赤十字

AHF-M,

Hemofil M, Monoclate P;

3.

中間あるいは高純度第

VIII

因子製剤 :

Humate P,

Alphanate

(両方とも

von Willebrand

病の適応も

取得),

Koate HP, Profilate SD

どの製剤を用いるかについては,専門的知識に基 づく説明が必要である。どの製剤もウイルス不活化

出血の治療

治療の原則

1.

なるべく早く,例えば何らかの徴候が出現して から

2

時間以内に補充療法を行う。理学的所見が 出るまで待つな。

(i)

関節内出血は,小さい子でも,早い時期から わかるものである。早い時期に認識するこ とにより,組織にダメージが起こる前に止 血でき,また投与量も少なくてすむ。

(ii)

出血を疑う場合。けがをした場合や出血が 予測される時には補充治療する。

2.

静脈注射の注意点。血友病患者にとって静脈は ライフラインである。

(i) 23G

あるいは

25G

の翼状針の使用が望まし い。

(ii)

カットダウンは静脈を潰してしまうので緊 急時以外は行わない。

(iii)

静脈穿刺後は

3

5

分,指で圧迫をする。

3.

血小板機能を低下させないように,特にアスピ リンを含む薬剤に注意する(

Table 2

)。 非ステロイド系消炎剤を注意して用いる。ペイン コントロールには,われわれは,アセトアミノ フェン(+ コデイン)を薦めている。複数の薬剤 を用いる時には,害のある相互作用に注意する。

(3)

処理が行われている。ジョージア血友病協会は推奨 する製剤を特定していない。インヒビターや

HIV

感 染などの合併症により,ある製剤を薦める場合があ る。これらに関しては,血友病センターに相談してほ しい。 バイアルの容量は

300

から

1,600

単位である。体 重あたり

1

単位の投与で,第

VIII

因子は約

2%

上昇す る。半減期は

8

12

時間である。計算量は患者の因 子レベルにもよる。因子レベルを計算するには,体重 に目標因子レベルを掛けてさらに

0.5

を掛ける。   例えば

45kg

×

40

%

目標レベル)×

0.5

900

単位

Table 3

に出血毎の目標因子レベルを示す。 第

VIII

因子の注入時には,成人では

1

分あたり

3ml

を超さないように,幼少児には

1

分あたり

100

単位 を超さないように投与する。 もし溶解したバイアルの含有量が計算量を超えて いても,製剤は高価であり,浪費は慎むべきであり,

1

バイアル分すべてを投与する。 持続静注(

4

5

単位

/kg/h

で約

100%

)は血液 専門医の指導のもとに行う。持続静注を行っている 間は,第

VIII

因子レベルのモニタリングを行う。第

VIII

因子は室温で

12

時間は安定である。タンパク質の不 活化,変性,細菌の混入のないように投与する。

12

時間分のバッグを薬剤部で調剤してもらうのがよい。 クリオプレシピテート クリオプレシピテートを用いる場合には,ドナー のウイルス学的安全性を繰り返し検査する。基本的 には,クリオプレシピテートはウイルス不活化処理 がなされておらず,使用は推薦されない。

1

バッグ には平均

60

100

単位の第

VIII

因子を含む。

(4)

DDAVP

DDAVP

は,合成バソプレシンのアナログ(

Stimate

) であり第

VIII

因子レベルが

5%

以上の軽症の患者の治 療に用いられる。

DDAVP

投与により因子の上昇が みられる。

DDAVP

は,貯蔵された第

VIII

因子を末梢循環血中 に放出し,第

VIII

因子レベルを

2

3

倍に上昇させる ことにより,軽度の出血には対処可能である。この 製剤の利点は,血液製剤の使用を少なくできたり, また回避できることにある。

DDAVP

を使用する前に は,次の点を評価しておく。

DDAVP

投与前の第

VIII

因子レベル測定;

DDAVP

0.3

µ

g/kg

を生理食塩水

30

50ml

)に溶解し

15

30

分かけて投与;投与 終了後

30

60

分後に因子レベル測定。期待値は,第

VIII

因子レベルの

2

3

倍の上昇である。 点鼻による

Stimate

投与は,尿崩症や遺尿などに 投与する

15

倍を使用することで,

von Willebrand

(type 1)

に有効である。

5

歳以上には,片方の鼻孔 に,成人には,両方の鼻孔にスプレイを行う。

Stimate

の鼻孔投与による反応は個人差が大きいので,使用 前に評価を行う。

von Willebrand

因子の枯渇を防ぐ ために,可能ならば,

DDAVP

静注と同じように

1

1

回に制限するべきである。使用時には,水分制限 は重要であり,

Na

濃度のモニタリングを行う。単回 投与でなく予防投与を行う場合にはその使用と副作 用に精通している医師に相談する。 抗線溶剤 ε

-

アミノカプロン酸

(Amicar

または

EACA)

は侵 襲を伴う歯科治療や口腔内出血時に使用する抗線溶 剤である。内出血(たとえば腎出血)には使用しない。

50

100mg/kg

1

4

6

回で

7

10

日間投与 する(最大投与量

24g/day

)。液状の製剤が利用でき るし,うがい薬としても調剤可能である。使用する場 合は,近くの血友病センターに相談すればよい。 トラネキサム酸(

Cyklokapron, TECA

または

TA

) は,適応のあるもう

1

つの抗線溶剤であるが,米国で は容易に利用できない。

25mg/kg

1

3

回,

8

時 間毎

10

日間投与を行うことで,線溶を抑制し,創傷 治癒を促進する。トラネキサム酸は低用量で効果があ り,

Amicar

よりも安価であるので,使用しやすい。 血友病 B(第 IX 因子欠乏症)の治療  第 IX 因子製剤 商品化された加熱処理を行った第

IX

因子製剤には 多くの種類がある。

1991

年からウイルス不活化され た製剤が導入された。それらは

2

つのカテゴリーに分 けられる。

1.

高純度第

IX

因子製剤:

Alphanine SD, Mononine

2.

IX

因子複合体製剤:

Konyne 80, Bebulin

どの製剤を使用するかについては相談するとよい。 ジョージア血友病協会は,特定の製剤を推奨してい ない。

HIV

感染をもつ場合には,ある製剤を薦める 場合がある。血友病センターに確認することで,全米 血友病財団(

U.S.A.

)の

the Medical and Scientific

Advisory Council (MASAC)

の推薦文を参照するこ

ともできる。 高純度第因子

I X

因子製剤(

A l p h a n i n e S D ,

Mononine

)は血栓症や

DIC

関連合併症の頻度は少な いと考えられている。しかし第

IX

因子複合体製剤 (

Konyne 80, Bebulin

)はそのリスクがある。 高純度第

IX

因子製剤は次のような場合には優先的 に使用される。手術,肝疾患,

B

型あるいはC型肝炎, 治療が長引く時,過去の血栓症の既往,交通事故,

DIC

,抗線溶剤などの血栓傾向を助長する可能性のあ る薬剤の使用などの場合である。しかし,高純度第

IX

因子製剤が得られない場合には,利用できるように なるまで第

IX

因子複合体製剤を使用する。 バイアルの容量は

300

1,200

単位である。 体重あたり

1

単位の投与で第

IX

因子は約

1%

上昇 する。半減期は

18

24

時間である因子レベルを計 算するには,体重に目標因子レベルを掛ける。   例えば

45kg

×

40

%

目標レベル)=

1,800

単位

Table 3

に各出血毎の目標因子レベルを示す。 第

IX

因子の注入は,成人では

1

分あたり

3ml

を超 さないように行う。持続静注は経験のある血液専門 医のもとに行う。 新鮮凍結血漿(FFP) 新鮮凍結血漿は,血友病

B

の患者には生命に危険

(5)

を及ぼすような出血がみられた時,第

IX

因子製剤が 手に入らない時にのみ用いられる。しかし,第

IX

因 子レベルは

15%

以上とはならない。

15ml/kg

が初回 投与量として適当である。しかし,いまだにウイルス 不活化処理はなされておらず推奨できない。米国で は有機溶媒 – 界面活性剤処理を行った

FFP

が望まし いと考えられているが,食品薬品管理局は認可して いない。 抗線溶剤 血栓症の危険があるので,複合プロトロンビン製 剤を用いている第

IX

因子欠乏症の患者での初期治療 または併用治療は禁忌である。

出血部位別治療

関節内出血

1.

まず適量の濃縮製剤を投与する。

X

線写真は必要 な場合と必要でない場合がある。

2.

症状がある時,外傷後には因子レベルを

40%

以 上に上げる(投与量の計算について前出の項参 照)。重症であれば,

60

80%

に上げて,近くの 血友病センターに連絡をする。

3. 2

回目の投与が必要な場合がある。症状が続く時 には(腫脹や痛みが明らかに改善しない時),

12

時間後(血友病

A

)または

24

時間後(血友病

B

) に再投与する。

4.

痛みが改善した後,関節をできる限り早く動かす ようにする。

5.

冷却,安静,出血部位を高い位置に保つ。

6. 3

日以上症状が持続する時,または骨折が疑われ る時には血友病センターの整形外科医に連絡す る。

7.

アスピリンを含まない薬剤(

Table 2

)による疼 痛管理。 筋肉出血

1.

まず適量の濃縮製剤を投与してから評価する。

2.

症状が出てから,また外傷後には因子レベルを

40%

以上に上げる(投与量の計算について前出 の項参照)。

3. 2

回目の投与が

24

時間以内に必要となる場合が

(6)

多い。神経症状の出現に注意する。 腸腰筋出血

1.

筋肉内出血であるが特徴的な症状を示し,急性 腹症としての症状を呈する。症状は下腹部の痛 み,股関節を回転時ではなく伸展時の腰背部痛 などである。大腿部の神経麻痺あるいは他の大 腿神経の圧迫に伴う症状が出現する。

2.

速やかに因子レベルを上昇させ,血友病

A

の場合 には

80

100%

に,血友病

B

の場合には

60

80%

に上昇させる。その後は

48

96

時間は血 友病

A

B

ともに

30

60%

に保つ。 

3.

経過観察のため入院とする。

4. CT

などの画像診断は,診断の確定や時に間違わ れやすい虫垂炎との鑑別に有用である。

5.

痛みがとれるまで活動は制限する。理学療法は 可動域の回復に有用である。血友病センターに相 談する。 中枢神経系出血/頭部外傷

1.

すべての頭部外傷と強い頭痛は治療するべきであ る。速やかに因子レベルを上昇させる。症状の出 現や血液あるいは画像診断が出るまで待っては ならない。

2.

この出血はもっとも医学的緊急性がある。よっ て,評価をする前に,疑われた時点で治療を行 う。外傷後や症状が出現したら,直ちに因子レベ ルを,血友病

A

の場合には

80

100%

に,血友 病

B

の場合には

60

80%

に上昇させる。出血 が改善するまで(通常

2

3

週間),維持療法と して,因子レベルを血友病

A

で最低

50%

に,血 友病

B

30%

に保つ。患者が落ち着いた時に, 血友病センターに連絡する。

3.

迅速な診断と入院治療が必要である。臨床的に必 要が認められた場合には,

CT

MRI

を行う。

4.

頭部外傷が示唆されたら,まず濃縮製剤を投与 した後に評価を行う。

5.

程度の強い頭痛がある場合には

HIV

関連の日和 見感染の可能性も考慮する(

HIV

感染の項参照)。 咽頭/頸部出血と咽頭炎

1.

この出血も医学的緊急性がある。疑われた時点 で,評価する前に治療を行う。外傷後や症状が出 現したら,直ちに因子レベルを,血友病

A

の場合 には

80

100%

に,血友病

B

の場合には

60

80%

に上昇させる。出血が改善するまで,維持療 法として,因子レベルを血友病

A

で最低

50%

に, 血友病

B

30%

に保つ。患者が落ち着いた時に, 血友病センターに連絡する。

2.

外傷あるいは出血の症状がある場合には,通常 入院が必要である。血液科と耳鼻咽喉科により フォローする。

CT

MRI

が時に必要となる。

3.

咽頭炎による出血を予防するために,培養と抗 生物質の投与に加えて製剤投与が必要になる場 合がある。 急性消化管出血

1.

まず適量の濃縮製剤を投与してから,評価する。

2.

速やかに因子レベルを,血友病

A

の場合には

80

100%

に,血友病

B

の場合には

60

80%

に 上昇させる。原因がわかるまで,維持療法とし て,因子レベルを血友病

A

で最低

50%

に,血友 病

B

30%

に保つ。

3.

消化管出血や急性腹症のサインがある場合には, 正しい医学的評価と入院加療が必要である。

4.

貧血やショックがあれば治療する。

5.

出血の原因治療を行う。

6.

VIII

因子欠乏症の場合には,補助療法として

Amicar

EACA

)やトラネキサム酸を使用しても よい。血友病センターに連絡する。 急性腹腔内出血

1.

急性腹腔内出血は,感染症と紛らわしく,その鑑 別に画像診断が必要になることが多い。腸腰筋 出血との鑑別は重要である。

2.

速やかに因子レベルを,血友病

A

の場合には

80

100%

に,血友病

B

の場合には

60

80%

に 上昇させる。原因がわかるまで,維持療法として, 因子レベルを血友病

A

で最低

50%

に,血友病

B

30%

に保つ。

(7)

眼科的外傷/出血

1.

まず適量の濃縮製剤を投与してから評価する。

2.

速やかに因子レベルを,血友病

A

では

80

100%

に,血友病

B

では

60

80%

に上昇させる。維 持療法も必要である。

3.

症状がある場合や外傷のサインがある場合には, 眼科医と血液専門医による評価が必要である。 腎出血

1.

抗線溶剤は使用しない。

2.

血尿でも痛みを伴わない場合には,安静(ベッド 上)と多めの水分摂取(いつもの

1.5

倍)で様子 をみればよい。

3.

痛みがあったり,肉眼的血尿が続く場合には,血 友病

A

では

50%

に,血友病

B

では

40%

に上昇 させる。

4.

肉眼的あるいは微少血尿が続くかどうか,また 繰り返すかどうかを観察する。 口腔内出血

1.

プロトロンビン複合体製剤を用いている第

IX

因 子欠乏症の患者には抗線溶剤は使用しない。

2.

VIII

因子欠乏症の患者では,

Amicar

EACA

)ま たはトラネキサム酸単独あるいは濃縮製剤併用 によりコントロール可能である。

Amicar

EACA

) はうがい薬としても用いることができる。

3.

血液を飲み込まないように指導する。

4.

必要あれば貧血の診断と治療を行う。

5.

出血している粘膜の局所治療剤として,

Avitene

ま たは

Thrombin

が有効なことがある。

6.

必要あれば,血液専門医,歯科医,耳鼻咽喉科医 に相談する。 鼻血

1.

止血には血小板血栓が形成されればよいので, 通常補充療法を必要としない。

2.

血液を飲み込まないように,頭部を前方とし,弱 いクロットを吐き出しやすいようにする。鼻根 部を最低

20

分間圧迫する。

3.

アレルギー,上気道炎,季節の変わり目などによ る出血は,

NeoSynephrine 0.5

1%

を両鼻孔に

1

2

2

滴ずつの点鼻を

5

日間行う。冷却噴霧 器や鼻孔の油性ゼリーも有用な場合がある。

4.

出血が長引くときや,頻回である時には貧血の 検査を行う。

5.

耳鼻咽喉科医に相談するのもよい。

4%

のコカイ ン液が推奨されている。

6. EACA

やトラネキサム酸の使用も有用である。 軟部組織出血

1.

表在性の軟部組織出血の出血は,通常補充療法 を必要としない。しっかりと圧迫を行い冷却する ことが有用である。

2.

重症度と筋肉や神経損傷の程度を評価する。除 外診断のため,圧迫による生命の危険を伴う頭 部や腹部の臓器の損傷の評価を行う。後腹膜や, 陰嚢,顎,頬部などの区域のない部位での出血 は,きわめて出血量が多いことがある。もしこの ような出血が疑われたら,治療は速やかに行う。

3.

活発な血友病の幼少児は,多くの傷がたえない。 幼児虐待と間違われることもある。 裂傷と擦り傷

1.

裂傷は傷をきれいにし,圧迫やステリストリッ プにより治療する。

2.

擦り傷もきれいにすることと圧迫が基本である。

3.

深い裂傷は,因子レベルを血友病

A

では

50%

に, 血友病

B

では

40%

に上昇させてから縫合する。 抜糸も通常補充が必要となる。 von Willebrand 病

von Willebrand

病(

vWD

)は,遺伝性出血性疾患 の中ではもっとも頻度が高い。

X

連鎖劣性遺伝形式 で,男性だけに生じる血友病と異なり,通常の

vWD

は常染色体遺伝であるので,男性と女性に均等に表 れる。この疾患は,血小板機能維持に必要な血中の グリコプロテイン(

von Willebrand

因子または

vWF

と呼ばれる)の量の減少または質の異常である。こ のタンパク質は第

VIII

因子の安定化作用をもつために,

血液中の

von Willebrand

因子と第

VIII

因子は比例して

減少している。

(8)

血,泌尿生殖器出血,鼻出血,月経過多)や出血斑点 (微小出血斑や紫斑)ができやすいことである。まれ に血友病でみられるような関節や筋肉の出血が生じ る。

vWD

はいくつかのタイプに分かれる。

Type 1

vWD

の症状は,もっとも頻度が高く,かつもっとも 軽い。

vWD

活性の低下がみられるが,構造と機能は 正常である。

Type 2

vWD

は種々のレベルの活性 を有するが,タンパク質は正常の機能を有さない。

Type 2

vWD

にはいくつかの変異型があるが,もっ とも鑑別すべきは治療法の異なる

Type 2B

である。

Type 3

vWD

はもっとも重症であり,

vWF

がほと んどみられないために,

FVIII

も同様な減少があり,血 友病

A

と同様な症状を有する。

Type 1

vWD

は通常

DDAVP

で治療される (

DDAVP

の項参照)。一部の

Type 2A

の場合も同様 の治療で反応する。

Type 2B

Type 3 vWD

DDAVP

の治療適応はない。それは,

Type 2B

DDAVP

で治療すると生体内の血小板凝集を引き起 こす危険があり,

Type 3

では上昇がみられないから である。このようなタイプの治療には,

vWF

を多く 含む第

VIII

因子製剤を投与することが適切である。現 在もっとも

vWF

を多く含む製剤は,

Humate-P

であ る。他の製剤では,

Alphanate

Koate HP

が多量の

vWF

を含んでいる(遺伝子組換え型製剤やモノク ローナル抗体処理製剤などの高純度第

VIII

因子製剤は

vWF

を含まないために,

vWD

の治療に用いられな い)。これらの濃縮製剤は,

HIV

や肝炎ウイルスをス クリーニングした血漿を原料とし,例えウイルスが 紛れ込んだとしても不活化工程で除去されている。 製剤については血友病

A

の項で説明した。クリオプ レシピテートはウイルスにはスクリーニングされる が,不活化処理がされていない。しかし,

vWF

を多 く含んでいる。ウイルス不活化処理を行った製剤に 比べると安全性は低いので,濃縮製剤が利用できな い場合や,スクリーニングされた繰り返しドナーの もの(ドナーと患者のウイルスのテストが繰り返し 陰性であることを確認された登録ドナー)を用いる。

Type 1

Type 2A

の患者に濃縮製剤を用いる場合 は,

DDAVP

が使用できない場合か,

DDAVP

によ る反応性が悪い場合である。

その他の処置

歯科

1.

定期検診と通常のクリーニングは,補充なしで 行うことができる。細菌や歯石を取るクリーニ ング時や,削ることで出血をしやすい患者を診 察する前には予防処置(補充か抗線溶剤)が必要 である。局所麻酔の前には補充が必要である。軽 症または中等症の一部の患者では,補充を必要 としない場合がある。

2.

顎部の神経ブロックを行う前には,血友病

A

で は

50%

に,血友病

B

では

40%

に上昇させる。血 友病患者での局所麻酔は禁忌ではない。局所麻 酔だけではなく時に笑気や静脈麻酔も併用す る。

3.

抜歯を行う前には,補充により因子レベルを上昇 させる。血友病

A

50%

,血友病

B

40%

に上 昇させる。プロトロンビン複合体濃縮製剤を用い ている第

IX

因子欠乏症の患者には抗線溶剤は使 用しない。第

VIII

因子欠乏症の患者では,補充の前 あるいは後に

Amicar

EACA)

かトラネキサム酸 を投与する。処置の

24

時間前から

Amicar

EACA)

50

100mg/kg

1

4

6

時間毎

7

10

日 間(最大投与量

24g/day

)投与する。トラネキサ ム酸は,

25mg/kg

1

3

回,

8

時間毎

10

日間 投与する。

Amicar

EACA

)は液状の製剤が使用 できるし,うがい薬としても処方できる。

4.

乳歯が抜ける時に,出血する場合がある。止血に は,まず圧迫と冷却を行う。これで止血できない 時には

Amicar

を投与する。まれではあるが補充 が必要となる場合もある。出血が長引いたことが ある患者では,補充を行った後に歯科医に抜歯 してもらう。

5.

縫合や複数の抜歯の場合など,侵襲を伴う処置 の場合には,入院で行うこともある。

6.

3

大臼歯(親不知)は

10

代までに評価をして おく。年齢が高じてからの侵襲処置や合併症を 避けるために早期の抜歯も考えるべきである。

7.

抜歯や歯肉のにじみでるような出血の時には, トロンビンの

Avitene

やゲルの局所処置が有用で ある。初期止血に有効である。

(9)

8.

これらはあくまでガイドラインであり,患者の 状態や重症度に応じて考えていく必要がある。 患者のことをよく知っている血液専門医に相談 するとよい。

9.

インヒビターをもつ患者の場合には血友病セン ターの血液専門医との緊密な連係が必要であ る。 手術

1.

手術は血友病センターで行うのがベストである。 センターでは,インヒビターのスクリーニングと 因子の経時的測定を行うことができる。

2.

手術または侵襲を伴う処置は,因子を上昇させ てから行うべきである。血友病に詳しい血液専 門医に相談する。

3.

補充療法の評価は,患者毎に,術前に行っておく (もし予想どおりの上昇がみられない時にはイン ヒビターを疑い検査する。インヒビターの項参 照)。術前には,因子レベルを,血友病

A

の場合 には

80

100%

に,血友病

B

の場合には

60

80%

に上昇させる。維持療法として,因子レベ ルを血友病

A

で最低

50%

に,血友病

B

30%

に保つ。持続投与は,手術の患者にとってよりよ い投与法となる。持続投与中には,因子レベルの モニタリングを行う。

4.

小手術には因子レベルを

5

7

日間,大手術には

10

14

日間治療域に保つ。さらに整形外科手術 には

6

週間まで延長する。 軽度の侵襲処置 ルンバール,血液ガスや気管支鏡(擦過や生検を 伴う)などの侵襲を伴う検査の前に補充を行う。 予防接種

1.

スケジュールは他の児と同じである。筋肉出血 を避けるために筋注を避け皮下注とする。

5

分間 投与部位を圧迫する。

2.

免疫抑制状態にある児の生ワクチン投与は,感 染のリスクよりもワクチンの副作用を考慮して

MMR

以外は行わない。経口ポリオワクチンも行 わない。

3. HIV

感染をもつ児には肺炎球菌ワクチンと毎年 のインフルエンザワクチンを行う。

4. A

型肝炎と

B

型肝炎の既往のない,新しい患者 には,

A

型肝炎と

B

型肝炎ワクチンを接種する。 家庭で補充療法を行う場合に,抗体検査の陰性 の家族にも同様のワクチンを行うべきである。 ワクチンは大腿か三角筋の部位に皮下注射する。 血友病患者に特殊なワクチンを投与する場合に は相談するようにする。

B

型肝炎ワクチン接種 後は,抗体検査により十分に免疫が得られたか を確認する。 血友病とスポーツ スポーツは筋力の強化と自己評価を上げる意味で 有用である。どのスポーツをするかについては,個 人の好み,能力,状態による。 スイミングやゴルフなどの衝撃の少ないスポーツ が推薦される。アメリカンフットボール,ラグビー, レスリングなどは好ましくない。スポーツをする前 には,そのスポーツが適当であるかということ,防 護器具,予防投与について相談しておく。

血友病の合併症

インヒビター 通常の補充療法に反応が悪くなった場合にはイン ヒビターを疑い検査する。以前のこのガイドライン は,インヒビターについては触れていなかった。こ のような困難な問題に対して専門的知識をもった血 液専門医と相談する。 滑膜炎 臨床的に重要なのは,ひどく腫れた関節(緊張は ないが痛みが強い)であり,特に膝関節である。 滑膜炎は急性出血との鑑別が難しい。診断をした 時には,非ステロイド系抗炎症薬を投与するが,その 場合出血を助長させる可能性について留意する。アス ピリンを含む薬剤は禁忌である。包括的評価を行う。 この滑膜炎の治療は難しく,血液専門医,整形外科 医,理学療法士などによるチームアプローチが必要 である。

(10)

HIV 感染

1985

年以前に血漿由来製剤の投与を受けた多くの 血友病患者は,

HIV

感染に罹患している。血友病患 者が

HIV

感染していることについて,頭に入れてお く必要はあるが,その言及については慎重さが必要 である。医療者は,

1985

年前に生まれた血友病患者 では

HIV

感染をもつかもしれないということは認識 している。

HIV

感染の進行を疑うのは,発熱が続く時,頬の 紅潮,寝汗,体重減少,食欲不振,倦怠感,脂漏性 皮膚炎,他の慢性の皮膚炎,重症な歯根膜疾患,口腔 カンジダ症,慢性の下痢,帯状疱疹,繰り返す副鼻腔 炎などの既往がある場合である。

HIV

感染をもつ患 者の日和見感染の症状は,多彩であり,通常の症状 以外のものもあり,不明熱,嚥下による頭痛(髄膜炎 の症状のことがある),肺炎,脱水を伴う下痢,体重 減少である。 肺炎の原因となるのは,

Pneumocystis carinii

,細 菌,マイコバクテリア,真菌や通常はみられない病原 体である。肺結核が疑われる場合には,隔離なども 必要である。

HIV

感染に合併して血小板減少を生じることもあ り,血友病にみられる凝固障害とは別に,出血傾向 の原因となる。

1985

年以降の血漿由来製剤と遺伝子組換え型製剤 では,事実上,

HIV

感染の危険はなく,

1985

年以降 に生まれた患者では,

HIV

に感染してないと考えら れる。通常の献血者のスクリーニングとウイルス不 活化過程が,この進歩を支えている。

HIV

感染の不明の血友病患者では,血友病セン ターまたは血友病団体で,自発的意志に基づき,プラ イバシーに配慮し,抗体検査と,前後のカウンセリン グが行われる。

HIV

感染を防ぐためのカウンセリン グも同センターで行われる。 医療者に,血友病患者の血液や体液の暴露がみら れた場合には,感染性の血液由来の病原体が伝播す る可能性がある。

HIV

感染の他にも,多くの血友病 患者がC型肝炎や,少ないが慢性

B

型肝炎に罹患し ている。 補充療法に伴うアレルギー反応

1.

アレルギー反応を避けるために,パッケージに 含まれるフィルターを使用すること。

2. Benadryl

などの抗ヒスタミン剤も予防として, また症状の軽減に用いられる。     

3.

製剤の種類の変更が有効なこともある。

(11)

参照

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