• 検索結果がありません。

対応項目意見概要題名疫学研究の一部のみを対象にする本指針について 疫学研究に関する倫理指針という題名を付すことは 適当でない 全般的意見適切な医療提供のためには プライバシーを守りながら 研究に協力を得ることが必要 疫学研究にこれ以上の規制をかけないようお願いする 全般的意見倫理審査委員会が標準的な

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "対応項目意見概要題名疫学研究の一部のみを対象にする本指針について 疫学研究に関する倫理指針という題名を付すことは 適当でない 全般的意見適切な医療提供のためには プライバシーを守りながら 研究に協力を得ることが必要 疫学研究にこれ以上の規制をかけないようお願いする 全般的意見倫理審査委員会が標準的な"

Copied!
19
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

「疫学研究に関する倫理指針

「疫学研究に関する倫理指針

「疫学研究に関する倫理指針

「疫学研究に関する倫理指針(案)」に対する意見募集の結果概要

(案)」に対する意見募集の結果概要

(案)」に対する意見募集の結果概要

(案)」に対する意見募集の結果概要

○募集期間:平成14年2月8日∼3月7日

(2)

1

対応項目

意見概要

題名 疫学研究の一部のみを対象にする本指針について、疫学研究に関する倫理指針という題名を付すことは、適当でない。 全般的意見 適切な医療提供のためには、プライバシーを守りながら、研究に協力を得ることが必要。疫学研究にこれ以上の規制をかけないようお願いする。 全般的意見 倫理審査委員会が標準的な尺度を持って審査できるよう、事例集などを示して欲しい。 全般的意見 研究方法の選択肢の制約につながる倫理指針の策定だけでなく、例えば米国のRecDAC のような行政統計データの研究利用を促進する体制の整備が不 可欠である。 全般的意見 日本全体にわたる研究もあり、研究機関内に設置される倫理審査委員会の審査には限界もあるので、複数の共同研究機関や学会等の倫理審査委員会の 積極的活用を推奨すべきである。また、倫理審査委員会の負担が大きいため、委員への報酬(財源確保)、委員の資質の向上、委員会のレベルのチェック などを検討願う。 全般的意見 これ以上厳しい規制がかかると、疫学研究の実施が事実上困難になり、支障を来す可能性が大きい。厳しい規制だが、許容範囲内である。 全般的意見 法医学教室では、司法解剖に際し鑑定事項の検査のため、資料を採取し、検査後も保管する。これを法医学の研究に使用することがある。この場合、生前 に本人の意思を確認することはできず、家族との接触も、鑑定に支障を生じたり圧力を受ける等の問題がないよう、避けることが妥当との考え方もある。法 医解剖に対応する内容が検討されれば幸いである。 全般的意見 これ以上厳しい規定を設けると、必要な研究が実施されにくくなり、社会や個人に不利益が生じてくる可能性が大きくなると感じる。全体として、個人情報保 護の重要性と疫学研究の公益性のバランスを取った妥当な指針と思う。 全般的意見 質の高い倫理審査を実施するため、倫理審査委員が踏まえるべき事項を研修・学習できるプログラムの検討が必要。 全般的意見 新たな細則を定める際には、委員会での慎重な議論やパブリック・コメントをお願いする。採血が侵襲性を有するかどうかなど、細則に示さない事項につい て、倫理審査委員会の判断に委ねるのであれば、その判断を尊重してほしい。五月雨式に細則や公式の解釈が示されると、既に異なる判断を行った倫理 審査委員会で混乱が生じる。 全般的意見 指針公示から施行期日までの期間を十分にとっていただきたい。 全般的意見 疫学研究の実施に当たり、手続きの煩雑さなどで研究に支障を来さないよう配慮してほしい。 全般的意見 社会の認知を得られるよう、一般市民を対象とした教育活動の重要性を本指針に盛り込む必要性を感じる。また、本指針が、専門家の組織である本委員会 でも理解が困難な形でまとまっているのは、疫学に対する一般社会の理解と協力を得る努力を怠っていると理解されても仕方がない。 全般的意見 「疫学研究に極めて多様な形態があることに配慮し」とあるが、幅広い適用除外の結果、どれだけが対象となっているか疑問である。 前文 疫学研究の評価に関する記述について、すべての研究が「欠くことができない」「個人のプライバシーに配慮しながら行われてきた」とするのであれば、かえ って支持を得られないのではないか。 前文 研究について社会のコンセンサスを得るため、具体的に何をするのかをわかりやすく記述すべき。 前文、1 個人情報保護法案の適用除外規定との関係を明確にするため、指針の前文及び1(目的)に、公衆衛生の向上の文言を追加すべきである。 前文、1 前文の「研究対象者の尊厳」を「研究対象者の人間(又は個人)」としての尊厳とすべき。また、1の「人間の尊厳」についても表現を統一すべき。 1 指針の目的において、疫学研究の重要性、学問の自由、人間の尊重、人権の尊重などの要因のバランスをとるため、憲法で定められている公共の福祉と いう言葉を入れた方がよい。 2 この規定を遵守しつつ、新薬や医療用具の臨床テストを行うには、商業ベースとなっていなければ困難。 2 「予防及び治療を目的とする研究」を対象としつつ、「医学的介入を伴う介入研究」を対象としないのは矛盾しないか。また、EBMの根拠を提供する「臨床疫 学研究」にも適用しないのか。 2 細則の表中「カルテ」を「診療録」に、「カロリー摂取量」を「エネルギー摂取量」に、それぞれ改めることが適当。 2 適用範囲が、次のような場合について明確でない。① 1例の症例報告や2例以上の症例報告は、研究に該当するのか。② 医療、医学研究、臨床研究、 臨床疫学研究、疫学研究などの概念、範囲、関係が十分に明らかでない。③ 医療機関内で治療方法を検討することは対象外のようだが、疾病の成因や 治療への反応性を検討する場合はどうか。④ 多施設が協力して疾病の治療方法を検討するために多施設の情報を収集・集計する場合はどうか。

(3)

2 2 対象者の身体の状態や周囲の環境等に関する各種情報を扱うのは医学研究で普通に見られることであり、医学研究の中で疫学研究のみを対象とした指 針が策定される理由が理解できない。まず臨床研究から倫理面を考えるべきである。 2 細則の表に関し、ある疾病の治療方法を検討する目的で、多施設が共同して収集した診療に係る情報を取りまとめて集計結果を報告する場合、本指針は 適用されるのか。また、がん検診の精度管理事業として、地域がん登録の資料と照合して、偽陰性者数を把握し、検診の特異度を評価するとともに、偽陰 性者の検診結果などを見直して、偽陰性となった原因を把握し、精度向上に努める作業は、保健事業として本指針の適用外となるのか。 2 細則の表の「連結不可能匿名化されているデータ」の項で「患者調査と国民栄養調査」とあるが、これが集計値のみを指すのであれば、例として適切でな い。 2 指針の策定は、あくまで学会主導で行われることが望ましく、行政機関が科学研究の手法・方法にまで何らかの拘束力を及ぼそうとする行為は、本来の行 政機関の行為を逸脱しており、不適切である。行政が補助金を出す研究に限定することが望ましい。 2 細則の表に関し、保健事業は市町村の条例等に基づくものが多い。法令等に基づく保健事業の法令等に条例等は含まれるか。 2(3) 「医療行為」は「治療行為」とするのが適当。 2、12(1) 本指針が、地域における保健事業によって得られるデータの集計、分析、評価等を妨げるものであってはならず、保健事業を目的とする限り、疫学的手法を 用いても、対象外であることを、より明確に示すべき。 2② 連結不可能匿名化された人体由来試料を用いる研究には本指針を適用すべきであるが、指針案2②の「データ」に人体由来試料が含まれるかどうか明確 でないので、明記すべきである。 2等 「原則とする」と「原則として必要とする」の混用、定義のない「データ」や「最小限の危険」という語の使用など、用語の精査が必要。 3(1)③ 研究対象者に対して最小限の危険を超える危険を含まない研究についても、実施に当たり研究機関の長の許可、さらには、例え迅速審査が行われるとして も、倫理審査委員会の承認が必要であるなら、研究の実施が遅れ、学問の自由を侵害しかねない。人体から採取された資料を用いない観察研究について は、3(2)及び(3)を守る旨の資料を添付して研究機関の長に届け出れば、研究を実施できることとして欲しい。 3 ( 1 ) ③ 、 4 (4) 研究の実施は研究者の自由であり、所属する研究機関の長の許可が必要であると国が定めることは、学問の自由に抵触する。 4(2) 保健所等の小規模な機関では、倫理審査委員会の設置は難しい。本指針案のように共同研究機関、公益法人、学会等に設置された倫理審査委員会に審 査を依頼することも一案であるが、実施には研究機関全職員のコンセンサスが必要であり、このことに関して規定されることを望む。 4(2) 研究機関に所属していない者が研究する場合を含め倫理審査委員会に審査を依頼できない場合は、研究ごとに構成員を選定して倫理的協議の実施を義 務づけることが適当。 4(2)③ 共同研究機関が共同設置する倫理審査委員会について、地域・研究機関の違いから研究対象者の利益・不利益が異ならないよう、また、審査の質の確保 のため、具体的な審査の仕組みを提言して欲しい。また、アドホックな組織と考えられるので、それに伴う規定も明記する方がよい。 4(2)等 複数の共同研究機関が共同で設置する倫理審査委員会については、疫学研究以外でも重要な機能を担う可能性があるので、独立した指針を設けて欲し い。 4(3) 科学的、倫理的に適正な研究の実施には、管理・指導する組織的体制が不可欠であり、研究機関に所属しない研究者については、一層厳しい倫理的手続 きが必要であるので、細則は削除すべきである。 4(3) 倫理審査委員会の意見を聴くとあるが、これに従うこととする必要があるのではないか。 5 倫理審査委員会の審査について、不服審査の規定を設けるべきである。 5 多施設共同研究において、各施設の倫理審査委員会の判断が一致しない場合に調整に当たる公的審査機構がなければ、共同研究が実施できなくなる。こ の点は、本指針の中核と考えられるので、検討して欲しい。 5(1)① 倫理審査委員会の意見については、公開すべき議事要旨で明確にされることから、事務が繁雑とならないよう、文書によらないことを認めるべきである。 5(1)② 単一のテーマのために倫理審査委員会が置かれる場合や、健常者や地域を対象とした疫学研究の場合は、一般の立場を代表する者より、研究対象者の 立場を代表する者を含むべきである。

(4)

3 5(1)② 倫理審査委員会は、社会に対する説明責任を果たすための貴重な場である。そこで、委員の構成要件として、人文・社会科学の専門家および外部委員の 比率を1/2又は1/3と、また、議決要件として、これらの委員の過半数の賛成を要すると定めるべきである。 5(1)② 外部委員の範囲があいまいであり、普通の市民を入れることとすべきである。 5(1)② 倫理審査委員会に大幅な裁量権を与えているので、倫理審査委員会の透明性を高めて指針の実効性を確保するため、外部委員の比率に言及するべきで ある。 5(1)② 倫理審査委員の教育の機会について、特に外部委員や非疫学研究者が疫学研究の基礎知識を学ぶための教育予算を倫理審査委員会が計上できるよ う、明記して欲しい。 5(1)③ 倫理審査委員会の委員については、正当な理由と責任があると考えられるときには、守秘義務よりむしろ社会への公表を義務づける必要があるのではな いか。 5(2)③ 事前に包括的に他の倫理審査委員会に付議できる旨を定められるとするのは、倫理審査委員会の形骸化・有名無実化を招くおそれがあり適切でない。 5(3)① 疫学研究では資料収集に2~3年を費やすことも稀でなく、目的とする結果を把握するまで10年単位で追跡を行い、その間、ほとんど「待ち」の状態の場合 もある。このため、観察的な疫学研究の報告は、5年程度の期間を置くことが適当。 6 ただし書及び細則に定められたインフォームド・コンセントの緩和等の取扱いは、疫学研究を実施するために欠くことのできない事項である。 6 指針案6及びその細則(1)~(4)は、がん登録事業により利用可能な精度のがん統計を得る上で必須のものであり、支持する。 6 インフォームド・コンセントの方法等の研究類型に対する当てはめ方については、あくまで原則とすべきであり、細則により一律の条件を課したことは、整合 性を欠く。 6 細則について、次の事項を加えるべきである。⑥ その資料を用いることなくしては行い得ない研究等であること。⑦ 不適切な利用、開示、漏洩から情報を 保護する十分な対策がなされていること。⑧ 当該研究等の目的上個人識別情報を保持する合理的理由がなくなった場合には、できるだけ早い時期に入 手した資料を匿名かつ連結不可能なものにすること。⑨ その資料を別の目的で利用しないこと及び第三者に提供しないことを誓約すること。 6 「最小限の危険」や「資料の採取に侵襲性を有する」について、例示をお願いしたい。 6 収集するデータが匿名化されている場合には、インフォームド・コンセントを受ける手続きが緩和できることが必要である。 6 原則として必要とするとの記述が多いが、例外がどういう場合であるか不明確。また、研究対象者となることを拒否できるものとする場合に、どのような実効 的な手段を講じるか記載すべきである。 6 細則④について、インフォームド・コンセントを受ける手続きを緩和する等の場合に講じるべき措置として、情報の保存・保護の方法を周知することを加える べきではないか。 6 個人情報保護法案第20条第3項第3号では、公衆衛生向上のため特に必要であり、本人からの同意取得が困難な場合に、本人の同意を得ずに個人情報 の目的外使用等を認めているが、本項では、研究対象者の一部だけがインフォームド・コンセントを受けることができない場合にも、研究対象者全体につい てインフォームド・コンセントを受ける手続きを免除できるように読めるので、不適当である。 6 インフォームド・コンセントの緩和又は免除を行った場合、倫理審査委員会は事後評価を行うべきである。 6 最小限の危険について、判断を倫理審査委員会に委ねることは適当でなく、法律上被験者保護が明示されている国と同様で良いかも疑問。定義又は内容 を示して欲しい。 6 細則④について、「適切に場合には」の用語は曖昧であり、まとめて「資料の収集方法と内容について情報公開を行う」として欲しい。 6(1)①ア 文書により同意を得る場合にも、管理について細則を設けるとともに、本人に控えを交付すべきである。 6 ( 1 ) ① イ 等 説明の内容及び同意に関する記録については、抽象的な記録では足りず、研究対象者ごとの具体的な記録である必要がある。 6(1)② 細則1で、集計に当たっての母集団に加えることができるとは、どういう意味か。 6(1)②、(2) ② 情報についても資料とされているので、疾病名、検査結果などを含む全ての資料が「人体から採取された資料」となるのではないか。こうした点を明確にさ れることを願う。 6(1)②イ、6情報公開の手段、方法等について明らかにすべきである。

(5)

4 (2)② 6(2)② アで「研究計画立案時以後に収集した収集した資料を用いる観察研究」について規定しているが、当該資料が研究以外の目的で収集され、提供される場合 については、指針案10に準じて取り扱うこととし、別項を設けるべきである。 6、12(1) がん登録や脳卒中登録に本指針を適用することは難しい。生体資料採取を伴う疫学研究と、アンケート調査や、あるいは発病、死亡等の出来事の報告の みを求める調査については、分離して検討すべき。 6、9、10 疫学研究では、対象母集団の性質を損ねることなく研究結果に反映することが重要であり、例えば、有病率等の記述疫学研究では、対象者の選択的脱落 を認めることは、研究を無価値なものとする。このため、指針案の6細則③の「実際上、当該疫学研究を実施し得ないこと」を「当該疫学研究の価値を著しく 損ねること」に変更すべきである。 また、指針案9及び10の「研究対象者となることを拒否できるものとすること」という条件については、研究の性格上、拒否を認めれば研究が無価値となる 場合は、倫理審査委員会の判断で拒否を認めない途を開くべきである。 7 研究対象者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合の基準、及び代諾者の基準をさらに明確にすべきである。 7 代諾者によるインフォームド・コンセントが認められる場合として、大集団を対象とする観察研究等で、個々の対象者本人からインフォームド・コンセントを受 ける必要がある場合を追加すべきである。 7 細則②で、16歳以上の者には説明することとなっているが、15歳以下の者にも説明すべきである。 9(1) 個人情報だけでなく、研究資料そのものについても、混交等が起こらないように管理しなければならないと規定すべきである。 9(2)、10② 倫理審査委員会の承認を得ることとされている事項が、いずれも客観的事実であり、倫理審査委員会に付議する必要性に乏しい。むしろ、研究対象者に不 利益を与えないこと等を審議すべきではないか。 9(2)①、10 ① 単なる匿名化の場合、研究者が対照表等を用いて個人を特定する可能性があるので、連結不可能匿名化と改めるべきではないか。 9、10 法医学の分野で行われる死因究明と関わる部分での疫学研究(研究開始前に人体から採取された血液や尿などの資料を用いる研究も少なくない。)につ いて、匿名データ化して利用することとなれば、突然死に関わる研究などが大きく制限される。死因と関わりない研究については、同意を得る必要があると 考える。 9、10 拒否できるものとする場合の手続きについて、具体的な規定を設ける必要があるのではないか。 9、10 研究対象者に接触して拒否する機会を提供することはできないので、拒否できるものとするとの要件は意味がなく、削除すべきである。 10   他の機関等に資料を提供する場合の措置について、次の点を踏まえ修正されたい。 ① 資料の提供を受けて行われる疫学研究には、いくつかの類型があり、類型によって提供者側や提供を受ける側の対応を変える必要があり、一概に規 定できない。② 提供者側において研究対象者の同意を得ることを原則とし、これが困難な場合は、指針案6に準じた手続きを経るものとする。③ 多施設 共同調査の場合、研究代表者が一括して適切な倫理審査委員会に審査を付託できるものとする。④ 提供者側が既に規定している提供条件を有している 場合、指針案6の精神に反しない限り、これを尊重する。⑤ 匿名化して提供する場合、提供側の倫理審査委員会が提供に当たっての条件を審査すること とする。⑥ 長期にわたるコホート研究における提供資料は、既存資料に該当しないが、その提供手続きを明らかにする。⑦ 全数調査を要する場合は、匿 名化した情報を提供できるようにする。⑧ 「既存資料の提供のみを行う者」及び「第三者」の意味を明確にする。 10 既存資料の提供を行う機関には、倫理審査委員会の設置及び付議を義務づけるべきである。 10 疫学研究のために資料を提供する場合だけでなく、疫学研究の研究責任者が疫学研究以外の研究のために資料を提供する場合についても規定することと し、その要件を定めるべきである。 10 本指針案では、研究計画が策定された後に資料を収集し提供する者で研究者等に該当しないものについて規定していないのではないか。 10 他の機関に資料提供を依頼する場合に関して、指針案6により研究機関の倫理審査委員会で研究計画の承認を得た疫学研究については、既存資料は提 供できることとすべきである。 10 10の例外規定は、概ね6よりも厳格であるが、6に準じて改めるとともに、資料提供依頼機関の倫理審査委員会の審査で足りるものとすべきである。

(6)

5 10 資料提供のみを行う機関においては、次の理由から、倫理審査委員会の承認を必ずしも要しないものとすべきである。① 倫理審査委員会を設置しない小 規模の機関から資料提供を受けられなくなるおそれがある。② 少数の倫理審査委員会が承認しないため、情報の悉皆性が失われ、研究遂行が阻害され るおそれがある。③ 共同研究機関でない協力機関について、倫理審査委員会の承認を要件とする必要性はないのではないか。 10 個人情報保護の観点からは、②について、疫学研究の実施だけでなく資料を提供することについても情報提供すること等が必要である。ただし、これは資 料提供者に過大な負担を課し、資料提供を阻害する可能性が高い。また、匿名化された資料の提供についても、提供機関の長が把握し管理すべきであ る。したがって、研究以外の目的で収集された資料の提供は、所属機関の長の判断により行うものとすべきである。 10 同意を得ずに資料を提供する場合の要件については、6細則の要件を満たす必要があるのではないか。 10 匿名化された資料では、後ろ向きのコホート研究は実施できないので、倫理審査委員会の承認を得て、当該資料を利用できるようにすべきである。6のただ し書を適用すれば、10ただし書は不要。 12(1) 細則2の「産業医又は学校医がその業務の範囲内で」について、業務の範囲を明確にするため、「産業医又は学校医が、法令に基づくその業務の範囲内 で」と改めるべきである。 12(1) 細則2で、がん登録事業等が指針の対象でないとしているが、そこで得られたデータを利用する研究との区別を明確にすべきである。 12(1) 法律に直接位置づけられていないがん登録事業を、保健事業と同列に扱ってよいのか、疑問である。 12(1) 細則で、「科学研究でない」とあるが、本指針との関係であるから、疫学研究でないとすべきである。 12(2) 「健康に影響を与えると考えられる作為又は不作為」→「健康に影響を与えると考えられる要因に関する作為又は不作為」と改めるべきである。 12(4)等 「試料」と「資料」を区別すべきである。 12(7) 個人情報の定義について、3省共同指針のとおりとするのでなく、個人識別情報、病歴・生活習慣等情報、資料の解析結果の情報等に分類して定義する必 要がある。 14 5年という時期については、変えられないとの理由となってしまわないよう、削除した方がよい。 15 現在継続中の研究は、この指針の対象となるのか。   役割を果たさない、又は科学的妥当性を欠く結果が医学の発展や国民の健康の保持増進に害をなした研究もこれまでに多くなされ、現在も行われている。 前文に、こうした問題について記述するなど、修文すべきである。(修文意見多数)

(7)

1

-(参考)

疫学研究に関する倫理指針(案)

疫学研究に関する倫理指針(案)

疫学研究に関する倫理指針(案)

疫学研究に関する倫理指針(案)

※官報告示を予定(細則を除く。)。

前文

前文

前文

前文

○ 疫学研究は、疾病のり患をはじめ健康に関する事象の頻度や分布を調べ、その要因を

明らかにする科学研究である。疾病の成因を探り、疾病の予防法や治療法の有効性を検

証し、あるいは環境や生活習慣と健康のかかわりを明らかにするために、疫学研究は欠

くことができず、医学の発展や国民の健康の保持増進に多大な役割を果たしている。

○ 疫学研究では、多数の研究対象者の身体の状態や周囲の環境、生活習慣等について具

体的な情報を取り扱う。また、疫学研究は医師以外にも多くの関係者が研究に携わると

いう特色を有する。

○ 疫学研究については、従来から、個人のプライバシーに配慮しながら研究が行われて

きたところであるが、近年、疫学研究においても、研究対象者に説明し同意を得ること

が重要と考えられるようになり、さらに、昨今のプライバシーの権利に関する意識の向

上や、個人情報保護の社会的動向などの中で、疫学研究においてよるべき規範を明らか

にすることが求められている。

そこで、研究対象者の尊厳と人権を守るとともに、研究者等がより円滑に研究を行う

ことができるよう、ここに倫理指針を定める。

○ この倫理指針は、世界医師会によるヘルシンキ宣言や、我が国の個人情報保護に係る

論議等を踏まえ、疫学研究に当たり、研究対象者に対して説明し同意を得ることを原則

とする。一方、疫学研究に極めて多様な形態があることに配慮して、この倫理指針にお

いては基本的な原則を示すにとどめており、研究者等が研究の具体的な方法を立案し、

その適否について倫理審査委員会が判断するに当たっては これらの原則を踏まえつつ

個々の研究内容に応じて適切に判断することが求められる。

○ 疫学研究が、社会の理解と信頼を得て、一層社会に貢献するために、すべての疫学研

究の関係者が、この指針に従って研究に携わることが求められている。また、同時に、

健康の保持増進のために必要な疫学研究の実施について、広く一般社会の理解が得られ

ることを期待する。

(8)

2

-第1 基本的な考え方

第1 基本的な考え方

第1 基本的な考え方

第1 基本的な考え方

1 目的

1 目的

1 目的

1 目的

本指針は、国民の健康の保持増進を図る上での疫学研究の重要性と学問の自由を

踏まえつつ 人間の尊厳及び人権の尊重その他の倫理的観点並びに科学的観点から

疫学研究に携わるすべての関係者が遵守すべき事項を定めることにより、社会の理

解と協力を得て、疫学研究の適正な推進が図られることを目的とする。

2 本指針の適用範囲

2 本指針の適用範囲

2 本指針の適用範囲

2 本指針の適用範囲

本指針は、人の疾病の成因及び病態の解明、予防及び治療の方法の確立を目的と

する疫学研究を対象とし これに携わるすべての関係者に遵守を求めるものである

ただし、次のいずれかに該当する疫学研究は、本指針の対象としない。

① 法律の規定に基づき実施される調査

② 資料として既に連結不可能匿名化されているデータのみを用いる疫学研究

③ 手術、投薬等の医療行為を伴う介入研究

<細則> 1 本則ただし書①には 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の、 規定に基づく感染症発生動向調査など、法律により具体的に調査権限が付与された調査 が該当する。 2 指針の適用範囲内と範囲外の事例について整理すると、次表のとおりである。 研究事例 指針の対象 指針の対象外 (診療と研究) (診療と研究) ・ある疾病の患者数等を検討するため、 ・特定の患者の疾病について治療方法を 複数の医療機関に依頼し、当該疾病の 検討するため、当該疾病を有する患者 患者の診療情報を収集・集計し、解析 のカルテ等診療情報を調べる行為。こ して新たな知見を得たり、治療法等を れを踏まえ、当該患者の治療が行われ 調べる行為。 る。 ・特定の患者の治療を前提とせずに、あ ※なお、既存資料や既存資料から抽出加 る疾病の治療方法等を検討するため、 工した資料の提供のみについては、研 研究者等が所属する医療機関内の当該 究に該当せず、指針10の規定が適用 疾病を有する患者のカルテ等診療情報 される。 を収集・集計し、院内又は院外に結果 を報告する行為。 (医薬品と食品) (医薬品と食品) ・被験者(患者又は健常者)を2群に分 ・被験者(患者又は健常者)を2群に分 け 一方の群は特定の食品 健康食品、 ( 、 け、一方の群は、特定の医薬品を投与 特定保健用食品等を含む)を摂取し、 し、他方の群には、偽薬(プラセボ) 他方の群は通常の食事をすることによ を投与することにより、当該医薬品の

(9)

3

-り、当該食品の健康に与える影響を調 健康に与える影響を調べる行為。 べる行為。 ※ 医薬品の治験については、医薬品の 臨床試験の実施の基準に関する省令 (平成9年厚生省令第28号)が制定 されている。 (連結不可能匿名化されているデータ) ・患者調査と国民栄養調査を組み合わせ て、地域別の生活習慣病の受療率とカ ロリー摂取量から、両者の関係を調べ る行為。 (保健事業関係) (保健事業関係) ・保健事業により得られた検診データ又 ・法令等に基づく保健事業。 は生体資料を用いて、特定の疾病の予 防方法、疾病の地域特性等を調査する 研究 (保健事業として行われるもの。 を除く )。 海外の研究機関との共同研究については、原則として本指針を遵守するとともに、当 3 該海外の研究機関の存する国における基準が本指針よりも厳格な場合には、その厳格な 基準を遵守しなければならない。

3 研究者等が遵守すべき基本原則

3 研究者等が遵守すべき基本原則

3 研究者等が遵守すべき基本原則

3 研究者等が遵守すべき基本原則

(1)疫学研究の科学的合理性及び倫理的妥当性の確保

① 研究者等は、研究対象者の尊厳及び人権を尊重して疫学研究を実施しなければ

ならない。

② 研究者等は、科学的合理性及び倫理的妥当性が認められない疫学研究を実施し

てはならず、疫学研究の実施に当たっては、これらの諸点を踏まえた明確かつ具

体的な研究計画を立案しなければならない。

③ 研究者等は、疫学研究を実施しようとするとき又は既に許可を受けた研究計画

を変更しようとするときは、研究機関の長の許可を受けなければならない。

④ 研究者等は、法令、本指針及び研究計画に従って適切に疫学研究を実施しなけ

ればならない。

⑤ 研究者等は、研究対象者の候補の選択に当たっては、不合理又は不当な方法で

選んではならない。

(10)

4

-(2)個人情報の保護

研究者等は、研究対象者に係る情報を適切に取り扱い、その個人情報を保護しな

ければならない。

(3)インフォームド・コンセントの受領

① 研究者等は、疫学研究を実施する場合には、事前に、研究対象者からインフォ

ームド・コンセントを受けることを原則とする。

② 研究者等は、研究対象者に対する説明の内容、同意の確認方法その他のインフ

ォームド・コンセントの手続に関する事項を研究計画書に記載しなければならな

い。

(4)研究成果の公表

研究責任者は、研究対象者の個人情報の保護のための措置を講じた上で、疫学研

究の成果を社会に公表しなければならない。

4 研究機関の長の責務等

4 研究機関の長の責務等

4 研究機関の長の責務等

4 研究機関の長の責務等

(1)倫理的配慮の周知

研究機関の長は、当該研究機関における疫学研究が、倫理的、法的又は社会的問

題を引き起こすことがないよう、研究者等に対し、疫学研究の実施に当たっては、

研究対象者の尊厳及び人権を尊重し、かつ、個人情報の保護のための措置を講じな

ければならないことを周知徹底しなければならない。

(2)倫理審査委員会の設置

研究機関の長は、研究計画の適否等の審査を行わせるため、倫理審査委員会を設

置しなければならない。ただし、研究機関が小規模であること等により当該研究機

関内に倫理審査委員会を設置できない場合には、共同研究機関、公益法人、学会等

に設置された倫理審査委員会に審査を依頼することをもってこれに代えることがで

きる。

<細則> 本則ただし書に規定する倫理審査委員会には、複数の共同研究機関の長が共同して設 置する倫理審査委員会が含まれる。

(3)倫理審査委員会への付議

(11)

5

-研究機関の長は、3(1)③の規定により許可を求められたときは、倫理審査委

員会の意見を聴かなければならない。

<細則> 1 研究機関に所属しない研究者については、本則3(1)③、6、7、9(2)②及び 10の②の規定による研究機関の長の許可は不要である。 2 研究機関に所属しない研究者については、研究分野に応じ、共同して疫学研究を行う 研究者が所属する機関、大学、公益法人、学会等に設置された倫理審査委員会の意見 を自ら聴くことが求められる。

(4)研究機関の長による許可

研究機関の長は、倫理審査委員会の意見を尊重し、疫学研究の実施その他の事項

について許可又は不許可を決定しなければならない。

この場合において、研究機関の長は、倫理審査委員会が不承認の意見を述べた疫

学研究については、その実施を許可してはならない。

<細則> 研究機関の長は、公衆衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため緊急に研究を実施 する必要があると判断する場合には、倫理審査委員会の意見を聴く前に許可を決定する ことができる。この場合において、研究機関の長は、許可後遅滞なく倫理審査委員会の 意見を聴くものとし、倫理審査委員会が研究の変更又は中止の意見を述べた場合には、 これを踏まえ、研究責任者に対し研究の変更又は中止を指示しなければならない。

第2 倫理審査委員会

第2 倫理審査委員会

第2 倫理審査委員会

第2 倫理審査委員会

5 倫理審査委員会

5 倫理審査委員会

5 倫理審査委員会

5 倫理審査委員会

(1)倫理審査委員会の責務及び構成

① 倫理審査委員会は、研究機関の長から研究計画の適否その他の事項について意

見を求められた場合には、倫理的観点及び科学的観点から審査し、文書により意

見を述べなければならない。

② 倫理審査委員会は 多角的な視点からの審査を行うため 医学・医療の専門家

法律学の専門家を含む人文・社会科学の有識者及び一般の立場を代表する者から

構成され、外部委員を含まなければならない。

③ 倫理審査委員は、審査の過程で得られた情報を委員外に漏示してはならない。

委員を退いた後も同様とする。

(12)

6

-(2)倫理審査委員会の運営

① 審査対象となる疫学研究に関係する委員は、当該疫学研究の審査に関与しては

ならない。ただし、倫理審査委員会の求めに応じて、委員会に出席し、説明する

ことを妨げない。

② 倫理審査委員会の運営に関する規則、委員名、委員の構成及び議事要旨は公開

されなければならない。ただし、研究対象者の人権、研究の独創性及び知的財産

権の保護のため非公開とすることが必要な情報については、この限りでない。

③ 倫理審査委員会は、研究機関の長が、学会等に設置された他の倫理審査委員会

に付議することができる旨を定めることができる。

<細則> 「学会等に設置された他の倫理審査委員会」には、複数の共同研究機関の長が共同し て設置する倫理審査委員会が含まれる。

④ 倫理審査委員会は、軽易な事項の審査について、委員長が指名する委員による

迅速審査に付す旨その他の迅速審査に係る規定を定めることができる。迅速審査

の結果については、その審査を行った委員以外のすべての委員に報告されなけれ

ばならない。

<細則> 、 。 迅速審査手続による審査に委ねることができる事項は 一般的に以下のとおりである ① 研究計画の軽微な変更の審査 ② 共同研究であって、既に主たる研究機関において倫理審査委員会の承認を受けた 研究計画を他の分担研究機関が実施しようとする場合の研究計画の審査 ③ 研究対象者に対して最小限の危険を超える危険を含まない研究計画の審査

(3)疫学研究に係る報告

① 研究責任者は、研究期間が1年を超える場合には、研究計画書の定めるところ

により、研究機関の長を通じて研究実施報告書を倫理審査委員会に提出しなけれ

ばならない。

② 研究責任者は、研究対象者に危険又は不利益が生じたときは、直ちに研究機関

の長を通じ倫理審査委員会に報告しなければならない。

③ 研究責任者は、①又は②の研究実施報告書の提出又は報告を行った場合におい

て、研究機関の長が疫学研究の変更若しくは中止を指示し、又は倫理審査委員会

(13)

7

-が疫学研究の変更若しくは中止の意見を述べたときは、その意見を踏まえ、疫学

研究を変更し、又は中止しなければならない。

④ 研究責任者は、疫学研究の終了後遅滞なく、研究機関の長を通じ倫理審査委員

会に研究結果の概要を報告しなければならない。

<報告に係る細則> 研究機関に所属しない研究者は、研究計画に対する意見を求めた倫理審査委員会に本則 ①、②及び④の報告を自ら行うことが求められる。

第3 インフォームド・コンセント等

第3 インフォームド・コンセント等

第3 インフォームド・コンセント等

第3 インフォームド・コンセント等

6 インフォームド・コンセントを受ける手続等

6 インフォームド・コンセントを受ける手続等

6 インフォームド・コンセントを受ける手続等

6 インフォームド・コンセントを受ける手続等

インフォームド・コンセントを受ける手続等は、次に定めるところによることを

原則とする。

ただし、疫学研究の方法及び内容、研究対象者の事情その他の理由により、これ

によることができない場合には、倫理審査委員会の承認を得て、研究機関の長の許

可を受けた場合に限り、インフォームド・コンセントを受ける手続を緩和し若しく

は免除し、又は他の適切なインフォームド・コンセント等の方法を選択することが

できる。

<細則> 倫理審査委員会は、インフォームド・コンセント等の方法について、緩和若しくは 免除を行い、又は原則と異なる方法によることを認めるときは、当該疫学研究が次の すべての要件を満たすよう留意すること。 ① 当該疫学研究が、研究対象者に対して最小限の危険を超える危険を含まないこと。 ② 当該方法によることが、研究対象者の不利益とならないこと。 ③ 当該方法によらなければ、実際上、当該疫学研究を実施し得ないこと。 ④ 適切な場合には、常に、次のいずれかの措置が講じられること。 ア 研究対象者が含まれる集団に対し、資料の収集・利用の内容を、その方法も含め て広報すること。 イ できるだけ早い時期に、研究対象者に事後的説明(集団に対するものも可)を与え ること。 ウ 長期間にわたって継続的に資料が収集又は利用される場合には、社会に、その実 情を、資料の収集又は利用の方法も含めて広報し、社会へ周知される努力を払うこ と。 ⑤ 当該疫学研究が社会的に重要性が高いと認められるものであること。

(14)

8

-(1)介入研究を行う場合

① 人体から採取された資料を用いる場合

ア 資料の採取が侵襲性を有する場合

文書により説明し文書により同意を受ける方法により、インフォームド・コ

ンセントを受けることを原則として必要とする。

イ 資料の採取が侵襲性を有しない場合

インフォームド・コンセントを受けることを原則として必要とする。この場

合のインフォームド・コンセントは、文書により説明し文書により同意を受け

る方法による必要はないが、説明の内容及び同意に関する記録が研究者等によ

り作成されなければならない。

② 人体から採取された資料を用いない場合

ア 個人単位で行う介入研究については、インフォームド・コンセントを受ける

ことを原則として必要とする。この場合のインフォームド・コンセントは、文

書により説明し文書により同意を受ける方法による必要はないが、説明の内容

及び同意に関する記録が研究者等により作成されなければならない。

イ 集団単位で行う介入研究については、研究実施についての情報公開をし、か

つ、研究対象者となることを拒否できるものとすることで足り、各研究対象者

からインフォームド・コンセントを受けることまでは必ずしも要しない。

<細則> 1 研究対象者となることを拒否した者については、個人情報は収集しないが、集計に当 たっての母集団に加えることができるものである。 2 この場合の情報公開は、特に研究対象者が情報を得やすい形で行われることが必要で ある。

(2)観察研究を行う場合

① 人体から採取された資料を用いる場合

ア 資料の採取が侵襲性を有する場合

文書により説明し文書により同意を受ける方法により、インフォームド・コ

ンセントを受けることを原則として必要とする。

イ 資料の採取が侵襲性を有しない場合

インフォームド・コンセントを受けることを原則として必要とする。この場

合のインフォームド・コンセントは、文書により説明し文書により同意を受け

る方法による必要はないが、説明の内容及び同意に関する記録が研究者等によ

(15)

9

-り作成されなければならない。

② 人体から採取された資料を用いない場合

ア 研究計画書の立案時以後に収集した資料を用いる観察研究については、研究

実施についての情報公開をし、かつ、研究対象者となることを拒否できるもの

とすることで足り、各研究対象者からインフォームド・コンセントを受けるこ

とまでは必ずしも要しない。

イ 既存資料のみを用いる観察研究については、研究実施についての情報公開を

することで足り、各研究対象者からインフォームド・コンセントを受けること

までは必ずしも要しない。

7 代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける手続

7 代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける手続

7 代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける手続

7 代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける手続

研究対象者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合には

当該研究対象者について疫学研究を実施することが必要不可欠であることについて

倫理審査委員会の承認を得て、研究機関の長の許可を受けたときに限り、代諾者等

(当該研究者の法定代理人等研究対象者の意思及び利益を代弁できると考えられる

者をいう )からインフォームド・コンセントを受けることができる。

<細則> 研究対象者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難であり、代諾者 等からのインフォームド・コンセントによることができる場合及びその取扱いは、次のと おりとする。 ① 研究対象者が痴呆等により有効なインフォームド・コンセントを与えることができな いと客観的に判断される場合 ② 研究対象者が未成年者の場合。ただし、この場合においても、研究責任者は、研究対 象者本人にわかりやすい言葉で十分な説明を行い、理解が得られるよう努めなければ ならない。また、研究対象者が16歳以上の場合には、代諾者とともに、研究対象者本 人からのインフォームド・コンセントも受けなければならない。 ③ 研究対象者が死者であって、その生前における明示的な意思に反していない場合

第4 個人情報の保護等

第4 個人情報の保護等

第4 個人情報の保護等

第4 個人情報の保護等

8 研究実施に当たっての措置

8 研究実施に当たっての措置

8 研究実施に当たっての措置

8 研究実施に当たっての措置

研究責任者は、疫学研究の実施に当たり個人情報の保護の体制を整備しなければ

ならない。

(16)

10

-9 資料の取得、保存の方法等

9 資料の取得、保存の方法等

9 資料の取得、保存の方法等

9 資料の取得、保存の方法等

(1)研究責任者は、疫学研究に関する資料を保存する場合には、研究計画書にその

方法等を記載するとともに、個人情報の漏洩、混交、盗難、紛失等が起こらない

よう、かつ、研究結果の確認に資するよう適切に管理しなければならない。

(2)研究者等は、研究開始前に人体から採取された資料を利用する場合には、資料

採取時又は研究開始時に研究対象者の同意を受けることを原則とする。ただし、

当該同意を受けることができない場合には、次のいずれかに該当することについ

て、倫理審査委員会の承認を得て、研究機関の長の許可を受けたときに限り、当

該資料を利用することができる。

① 当該資料が匿名化されていること。

② ①によらない場合には、次のすべてを満たすこと

ア 当該疫学研究の実施についての情報の公開を行っていること。

イ 研究対象者となることを拒否できるものとすること。

10 他の機関等に資料を提供する場合の措置

10 他の機関等に資料を提供する場合の措置

10 他の機関等に資料を提供する場合の措置

10 他の機関等に資料を提供する場合の措置

研究責任者又は既存資料の提供のみを行う者は、資料を第三者に提供する場合に

は、資料採取時又は資料提供時に研究対象者の同意を受けることを原則とする。た

だし、当該同意を受けることができない場合には、次のいずれかに該当するときに

限り、当該資料を第三者に提供することができる。

① 当該資料が匿名化されていること。

①によらない場合には、次のすべてを満たすことについて倫理審査委員会の

承認を得て、所属機関の長の許可を受けていること。

ア 当該疫学研究の実施についての情報の公開を行っていること

イ 研究対象者となることを拒否できるものとすること

11 研究結果を公表するときの措置

11 研究結果を公表するときの措置

11 研究結果を公表するときの措置

11 研究結果を公表するときの措置

研究者等は、研究の結果を公表するときにおいては、研究対象者個人を特定でき

ないようにしなければならない。

(17)

11

-第5 用語の定義

第5 用語の定義

第5 用語の定義

第5 用語の定義

12 用語の定義

12 用語の定義

12 用語の定義

12 用語の定義

(1)疫学研究

明確に規定された人間集団の中で出現する健康に関する様々な事象の頻度及び分

布並びにそれらに影響を与える要因を明らかにする科学研究をいう。

<細則> 1 医師等が、主に、自らの又はその属する病院若しくは診療所の今後の診療に反映させ るため、所属する機関が保有する、診療記録など人の健康に関する情報を縦覧し知見を 得る行為は、本指針でいう科学研究には該当しない。 2 市町村、都道府県、保健所等が地域において行う保健事業や、産業保健又は学校保健 の分野において産業医又は学校医がその業務の範囲内で行う調査、脳卒中情報システム 事業やいわゆるがん登録事業等は、本指針でいう科学研究には該当しない。

(2)介入研究

疫学研究のうち、研究者等が研究対象者の集団を原則として2群以上のグループ

に分け、それぞれに異なる治療方法、予防方法その他の健康に影響を与えると考え

られる作為又は不作為の割付けを行って、結果を比較する手法によるものをいう。

(3)観察研究

疫学研究のうち、介入研究以外のものをいう。

(4)資料

疫学研究に用いようとする血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出

したDNA等の人の体の一部並びに診断及び治療を通じて得られた疾病名 投薬名

検査結果等の情報その他の人の健康に関する情報(死者から提供されたものを含

む )をいう。

(5)匿名化

個人情報から個人を識別する情報の全部又は一部を取り除き、代わりにその人と

関わりのない符号又は番号を付すことをいう。資料に付随する情報のうち、ある情

報だけでは特定の人を識別できない情報であっても、各種の名簿等の他で入手でき

る情報と組み合わせることにより、その人を識別できる場合には、組合せに必要な

情報の全部又は一部を取り除いて、その人が識別できないようにすることをいう。

(6)連結不可能匿名化

個人を識別できないように、その人と新たに付された符号又は番号の対応表を残

(18)

12

-さない方法による匿名化をいう。

(7)個人情報

個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等

により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することが

でき、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む )を

いう。

(8)研究者等

研究責任者、研究担当者、研究機関の長その他の疫学研究に携わる関係者(既存

資料の提供のみを行う者を除く )をいう。

(9)研究責任者

個々の研究機関において、疫学研究を遂行するとともに、その疫学研究に係る業

務を統括する者をいう。

(10)研究機関

。)

疫学研究を実施する機関 既存資料の提供のみを行う者の所属する機関を除く

をいう。

(11)共同研究機関

研究計画書に記載された疫学研究を共同して行う研究機関をいう。

(12)倫理審査委員会

疫学研究の実施の適否その他の事項について、研究対象者の尊厳及び人権の尊重

等の倫理的観点及び科学的観点から調査審議するため、研究機関の長の諮問機関と

して置かれた合議制の機関をいう。

(13)インフォームド・コンセント

研究対象者となることを求められた人が、研究者等から事前に疫学研究に関する

十分な説明を受け、その疫学研究の意義、目的、方法、予測される結果や不利益等

を理解し、自由意思に基づいて与える、研究対象者となること及び資料の取扱いに

関する同意をいう。

(14)既存資料

疫学研究の研究計画書の立案時までに既に存在する資料をいう。

(19)

13

-第6 細則

第6 細則

第6 細則

第6 細則

13

細則

13

13

細則

細則

13

細則

本指針に定めるもののほか、本指針の施行に関し必要な事項は、別に定める。

第7 見直し

第7 見直し

第7 見直し

第7 見直し

14 見直し

14 見直し

14 見直し

14 見直し

本指針は、必要に応じ、又は施行後5年を目途としてその全般に関して検討を加

えた上で、見直しを行うものとする。

第8 施行期日

第8 施行期日

第8 施行期日

第8 施行期日

15 施行期日

15 施行期日

15 施行期日

15 施行期日

本指針は、平成14年 月 日から施行する。

<細則> 本指針施行前に着手された疫学研究に対しては本指針は適用しないが、可能な限り、 本指針に沿って適正に実施することが望まれる。

参照

関連したドキュメント

地域の中小企業のニーズに適合した研究が行われていな い,などであった。これに対し学内パネラーから, 「地元

シークエンシング技術の飛躍的な進歩により、全ゲノムシークエンスを決定す る研究が盛んに行われるようになったが、その研究から

関係委員会のお力で次第に盛り上がりを見せ ているが,その時だけのお祭りで終わらせて

ヒュームがこのような表現をとるのは当然の ことながら、「人間は理性によって感情を支配

2) ‘disorder’が「ordinary ではない / 不調 」を意味するのに対して、‘disability’には「able ではない」すなわち

会にていただきました御意見を踏まえ、本市の意見を大阪府に

「総合健康相談」 対象者の心身の健康に関する一般的事項について、総合的な指導・助言を行うことを主たる目的 とする相談をいう。

 介護問題研究は、介護者の負担軽減を目的とし、負担 に影響する要因やストレスを追究するが、普遍的結論を