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博士(工学)神成陽容 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)神成陽容 学位論文題名

都市環境騒音の評価手法に関する研究

学位論文内容の要旨

  都市に おける 環境騒 音は ,音響 的特性 の異な る種々 の音 源がら 放散さ れる騒 音が,時間・空間 的 ナょ 変動を 伴って ,生活 空間に 侵入 していることに特徴がある。都市環境騒音を望ましい水準に 制 御す ること は,都 市環境 工学上 の重 要な課 題であ るが, その ために は,科 学的で合理的な評価 方 法を 確立す る必要 がある 。従来 ,我 が国でfま ,都市 環境騒音の評価方法として,環境基準の設 定 に 代 表 さ れる 如 く , 航 空 機騒音 ,新 幹線鉄 道騒音 ,(‑般 )環境 騒音等 の各音 源種 類別に 異な る 評価 指標が 採用さ れてい るが, 都市 環境騒 音の総 合的評 価及 び総合 的対策 という工学上重要な 観 点 か ら み て , こ れ ら の 異 な る 評 価 指 標 を 統 一 し て い く 方 向 性 が 必 要 で あ る 。   本論文 では, 都市環 境騒 音の統 一的評 価指標 を構築 する ための 基礎的 知見を 得ることを目的と し て, 居住者 の都市 環境騒 音に対 する 主観評 価と部 市環境 騒音 の物理 的特性 値の関係を社会調査 の 手法 により 検討し ,等価 騒音レ ベルLーぎ ″を 基礎評 価指標とする評価モデルを提案した。以下 に ,各 章の要 旨を記 す。

  第1章 でtま,本 研究 の背景 と目的 ,研究 方法 を述べ た。

  第2章で は,都 市環境 騒音 の評価 におけ る基本 的な課 題で ある数 分間以 内の短 時間 のやか まし さ(noisiness)の 主 観 評価 に 関 す る 問題 を 論 じ て い る。変 動騒音 の主観 評価特 性に っいて は′

実 験 室 にお ける1音源 の下で の心理 実験 による 知見が あるが ,多 くの音 源が複 合する 都市環 境騒 音 その ものを 対象と した研 究事例 は数 少ない 。本研 究では ,都 市内の 種々の 地域において騒音測 定 を行 い,同 時に5秒毎 の瞬時 音の音 源判断 及び500秒 間の測 定時間 内の最 もや かましい音源(支 配 的 音 源) の主観 判断に 関す る聴取 実験を 行った 。こ れより ,まず 都市環 境騒音 の500秒間 に出 現 す る 音源 数の平 均が約4音 源であ るこ とが知 られた 。次に ,支 配的音 源の主 観判断 の結果 を分 析 した 結果, 音響エ ネルギ ーの時 間積 分に基 づく音 源別評 価指標(トータル暴露レベルLオ″)と 比 較し て,Stevensの べき法 貝I亅に対 応する時々刻々のやかましさの心理量の時間積分に基づく音 源 別評 価指標 がより 優れた 適合度 を示 すこと を見出 した。 さら に,主 観評価 に及ぼす音源特性が べ き指 数の音 源によ る違い として 検出 された。しかし,実用的な観点からみると,音響工ネルギー

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積 分に基 づく評 価指標 は,許 容さ れる誤 差範囲 にある こと も明ら かにな ったの で,次章以降の分 析 におい ては,Lオ ォを基 礎評価 指標と して 採用し た。

  第3章 及 び 第4章で は , 短 時 間の やかま しさ評 価から ,日 常生活 におけ るうる ささ, 騒音 影響 感(annoyance)の 評 価 へ とよ り 実 用 的 な段 階 に 発 展 さ せる た め , 都 市の 居 住 空 間 にお け る24 時 間の騒 音暴露 の実態 及び日 常生 活にお ける具 体的生 活妨 害と騒 音影響 感の主 観評価の構造につ い て論じ ている 。

  第3章 で は, 屋外環 境騒音 レベル ,屋 内騒音 レベル ,居住 者の騒 音暴 露レベ ルの24時 間同 時計 測 を行い ,空間 別・居 住者の 行動 別の騒 音暴露 の実態 を分 析した 。その 結果, 屋外環境騒音レベ ル , 屋 内 騒 音 レ ベ ル , 居 住 者 の 騒 音 暴 露 レベ ル の 間 の 関連 性 は ,24時 間 の 等 価 騒音 レ ベ ル Lオ (24^) において希薄であり,それぞれ独立した音環境であることが示された。しかし,屋内 騒 音 レ ベ ル,居 住者の 騒音暴 露レベ ルに っいて 短時間 レベルLオ (10nrin)の詳細 な要因 分析を 行 った結 果,住 居の遮 音性能 に依 存しつ つ屋外 環境騒 音レ ベルと 屋内騒 音レベ ルの関連が生じて い ること ,又, 居住者 が屋内 にお いて発 生する 音の騒 音レ ベルが 外部か らの侵 入騒音レベルに依 存 する傾 向があ るため ,居住 者の 騒音暴 露レベ ルにま で侵 入音の 影響が 及んで いることが明らか と なった 。

  第4章 で は, 居住者 (主婦 )が騒 音に 対して 抱いて いる種 々の主 観評 価(う るささ ,騒音 影響 感 及び個 別の日 常生活 妨害感 )と 前章で 調べら れた諸 種の 騒音レ ペル統 計量の 間の相関分析を行 い ,屋外 環境騒 音にお けるLオ …^) 及び昼夜騒音レベルLイ″が,うるささ,騒音影響感の主観 評 価と最 も相関 が高い 評価指 標で あるこ とを示 した。 さら に,パ スモデ ルを導 入して主観評価の 因 果構造 に関す る分析 を行い ,騒 音影響 感は屋 外環境 騒音 及び住 居内へ の侵入 騒音によってもた ら されて いるこ とを明 らかに した 。

  第5章 で は, 本論の 最も重 要な課 題で ある都 市内に おける 異種音 源に よる環 境複合 騒音の 実用 的 評価方 法を検 討する ため, 一般 環境騒 音と航 空機騒 音の 重畳す る地域 を対象 とした社会調査に よ り,騒 音の物 理的状 態と住 民の 騒音に 対する 意識状 態に 関する 資料を 収集し ,種々の評価モデ ル の 比 較 検討 を 行 っ た 。こ の 社 会調査 では,1な いし2住居 毎に環 境騒 音レベ ルを測 定し, 又,

飛 行 機 周 辺 の 航空 機 騒 音 実 測 調査 に 基 づ い て航 空 機 騒 音 のWECPNL,Lイ ″ を推 定 し て い る。

種 々の日 常生活 妨害感 ,うる ささ 及び総 体的騒 音影響 感を 評価対 象とし ,一般 環境騒音と航空機 騒 音を重 畳する 場合に っいて ,既 往の諸 提案モ デル及 び本 研究で 提案し た評価 モデルの適合度を 比 較した 結果, 本研究 の提案 モデ ル(補 正工ネ ルギー 加算 モデル )が優 れた特 性を有することを 見 出した 。本モ デルは ,航空 機騒 音に対 し,一 定の音 響工 ネルギ ーをペ ナルテ ィとして加えるこ

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とに より 暴 露レ ベル を 補正 する も ので あり ,3種 以上の 異種音源が複合す る場合に適用する こと も可 能で あ る。

  第6章で は, 都 市ス ケー ル にお ける 環 境複 合騒 音の予 測評価システムの 構築の試みとして ,東 京部 地域 を 対象 とし た 道路 交通 騒 音, 工場 騒 音, 鉄道騒音,航 空機騒音の現況推計 を行い,第5 章 で 提 案 し た 評 価 モ デ ル に 基 づ く 環 境 複 合 騒 音 の 評 価 値 分 布 図 を 作 成 し た 。   第7章 で は , 本 研 究 を 総 括 し , 今 後 に 残 さ れ た 研 究 課 題 に っ い て 述 べ た 。   な お, 本 論文 には 補 章を 付し,都 市環境騒音の評価モ デルを構築する上 で重要である統計 的処 理の 方法 に 関す る基 礎 理論 を整理す るとともに,都市環 境騒音の時間・空 間的な分布の実態 を統 計的 側面 か ら明 らか に して いる 。

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査 副査

教授

教授

教授 教授

助教授

金安公造 落藤  澄 伊福部  達 泉  清人

(室蘭工 業大学大学院工学研究科)

長谷部正 基

  本論 文は , 都市 環境 騒 音の統一的評価指 標を,科学的で合 理的な手法により 構築するための基 礎 的知 見を 得 るこ とを 目 的として,居住者 の都市環境騒音に 対する主観評価と 都市環境騒音の物 理 的特性値の関 係を社会調査の手 法により検討し, 等価騒音レベルLイォ。を基 礎評価指標とする 評 価モ デル を 提案 した も ので ある 。

  第1章 では ,研 究 の背 景と 目 的, 研究 方 法を 述べ て いる 。

  第2章 では ,都 市 環境 騒音 の 評価 にお け る基 本的な課題で ある数分間以内の 短時間のやかまし さ(noisiness)の 主 観評 価に 関 する 問題 を 論じ てい る 。変 動騒 音 の主 観評 価 特性 にっ い ては,

実 験室 にお け る1音 源の 下で の 心理 実験 に よる 知見があるが ,多くの音源が複 合する都市環境騒 音 その もの を 対象 とし た 研究事例は数少な い。本研究では, 都市内の種々の地 域において騒音測 定 を行 い, 同 時に ,最 も やかましい音源( 支配的音源)の主 観判断に関する聴 取実験を行ってい

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る。こ れより ,音 響工ネ ルギー の時間 積分に 基づ く音源 別評価指標(トータル暴露レベルLオ″)

と比較 して,Stevensのべき 法貝 |Jに 対応する時々刻々のやかましさの心理量の時間積分に基づく 音源別 評価指 標が より優 れた適 合度を 示すこ とを 見出し ている 。

  第3章 及 び第4章 で , 短時 間 の やかま しさ評 価か ら,日 常生活 におけ るう るささ ,騒音 影響感

(annoyance) の評 価 へ と よ り実 用 的 な 段 階に 発 展 さ せる ため, 都市の 居住空 間にお ける24時 間の騒 音暴露 の実 態及び 日常生 活にお ける具 体的 生活妨 害と騒 音影響 感の 主観評 価の構造にっい て論じ ている 。

  第3章 では ,屋外 環境騒 音レ ベル, 屋内騒 音レベ ル, 居住者 の騒音 暴露レ ベルの24時間 同時計 測を行 い,空 間別 ・居住 者の行 動別の 騒音暴 露の 実態を 分析し ている 。屋 内騒音 レベル,居住者 の騒音 暴露レ ベル にっい て短時 間レベ ルLオ (iOmin)の 詳細な 要因分 析を 行った 結果,住居の遮 音性能 に依存 しっ つ屋外 環境騒 音レベ ルと屋 内騒 音レベ ルの関 連が生 じて いるこ と,又,居住者 が屋 内 に お い て 発生 す る 音 の 騒音 レベル が外部 からの 侵入騒 音レ ベルに 依存す る傾向 があ るた め , 居 住 者 の 騒 音 暴 露 レ ベ ル に ま で 侵 入 音 の 影 響 が 及 ん で い る こ と を 見 出 し た 。   第4章 では ,居住 者(主 婦) が騒音 に対し て抱い てい る種々 の主観 評価( うるさ さ, 騒音影 響 感及び 個別の 日常 生活妨 害感) と前章 で調べ られ た諸種 の騒音 レベル 統計 量の間 の相関分析を行 い,屋 外環境 にお けるLオギ(24^)及び昼夜騒音レベルLイ″が,うるささ,騒音影響感の主観評価 と最も 相関が 高い 評価指 標であ ること を示し ,さ らに, パスモ デルを 導入 して主 観評価の因果構 造に関 する分 析を 行って ,騒音 影響感 倣屋外 環境 騒音及 び住居 内への 侵入 騒音に よってもたらさ れてい ること を明 らかに した。

  第5章 では ,本論 文で最 も重 要な課 題とし て都市 内の 異種音 源によ る環境 複合騒 音の 実用的 評 価方法 を検討 する ため, 一般環 境騒音 と航空機騒音の重畳する地域を対象とした社会調査により,

騒音の 物理的 状態 と住民 の騒音 に対す る意識 状態 に関す る資料 を収集 し, 種々の 評価モデルの比 較検 討 を 行 っ て いる 。 こ の 社 会調 査では ,1ないし2住 居毎に 環境騒 音レベ ルを測 定し ,又, 飛 行場 周 辺 の 航 空 機騒 音 実 測 調 査に 基 づ い て 航空 機 騒 音 のWECPNL,Lイ ヵを推 定して いる。 種々 の日常 生活妨 害感 ,うる ささ及 び総体 的騒音 影響 感を評 価対象 とし, 一般 環境騒 音と航空機騒音 を重畳 する場 合に っいて ,既往 の諸提 案モデ ル及 び本研 究で提 案した 評価 モデル の適合度を比較 した結 果,本 研究 の提案 モデル (補正 工ネル ギ一 加算モ デル) が優れ た特 性を有 することを見出 してい る。こ のモ デルは ,航空 機騒音 に対し ,一 定の音 響工ネ ルギー をぺ ナルテ ィとして加える こと に よ り暴 露レベ ルを 補正す るもの であり ,3種以上 の異種 音源 が複合 する場 合に適 用す るこ とも可 能であ る。

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  第6章では,都市スケ―ルにおける環境複合騒音の予測評価システムの構築の試みとして,東 京部地域を対象とした道路交通騒音,工場騒音,鉄道騒音,航空機騒音の現況推定を行い,第5 章 で 提 案 し た 評 価 モ デ ル に 基 づ く 環 境 複 合 騒 音 の 評 価 値 分 布 図 を 作 成 し て い る 。   第7章 で は , 本 研 究 を 総 括 し , 今 後 に 残 さ れ た 研 究 課 題 に っ い て 述 べ て い る 。   これを要するに,著者は,都市の環境騒音制御に対する工学的手法の適用に関して貢献すると ころ大なるものがある。

  よ っ て 著 者 は , 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。

参照

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