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学位論文題名Carbon Nanohorns Accelerate Bone Regeneration in Rat Calvarial Bone Defect

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Academic year: 2021

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博 士 ( 歯 学 ) 笠 井 孝 夫

     学位論文題名

Carbon Nanohorns Accelerate Bone Regeneration     in Rat Calvarial Bone Defect

(カーボンナノホーンはラット頭蓋冠骨欠損部の骨再生を促進する)

学位論文内容の要旨

緒言

  カーボンナノホーン(CNHs)は直径2〜5nm、長さ40〜50nmのカーポンナノ物 質の一 種であり、 それらが数 千集合して約100nmの球状を呈している。CNHs はその様々な特性から、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、光線力学療法、

ガス吸蔵体、さらには燃料電池電極など医療分野を含めた様々な分野での応用 が検討され研究が進められており、近年の研究において、CNHsは短期毒性が 極めて低いことが報告されている。このようにCNHsは生体への応用が期待さ れている材料のーっである。また、カーポンナノチューブは生体適合性、骨伝 導性、高い細胞接着性を示すことが報告されており、さらにナノサイズの炭素 繊維が骨芽細胞の機能を高めるという報告もなされている。このような状況を もとに、CNHsもまた骨適合性を示し、骨形成に有効なのではないかとの仮説 を構築した。一方、Guided Bone RegeneratiIon(GBR)法は骨再生を誘導する最 も効果的な方法のーっとされており、Polytetranuoroethylene(PTFE)膜は長い 間GBR法 に用 い られて おり良好な 結果を得て いる。そこ で本研究で はCNH8 の骨再生への影響、特にGuidedBOneRegeneration(GBR)法への応用について 検討した。

材料と方法

  CNHsを50%エタ ノールに分 散し、吸引 濾過装置を 用いてPTFE膜に固着し た 。 こ の 膜 をCNHs/PTFEと し 、 加 え てCNHsの 量 の 評 価 を 行 う た め 、 CNH8/PTFE同 士 を 擦り 合わせるこ とにより表 面の余剰のCNHsを取り除い た 膜(Scrubbed CNHs/PTFE)を作製し た。10週齢Wistar雄性 ラット頭頂骨に直 径7mmの 骨欠 損 を形 成 し、 骨 欠損 部 をCNHs/PTFEで 被覆した 群(CNHs/PTFE 群)、Scrubbed CNHs/PTFEで被覆した群(S‑ CNHs/PTFE群)、PTFE膜で被覆 した群(PTFE群)、および未処置で縫合のみ行った群(Control群)の4群に分類 した。 術後2週 および8週で周囲 組織とともに試料を摘出し、軟X線による検

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索、組織学的検索、組織計量学的検索および超微細構造学的検索を行った。

結果

  軟X線撮 影 による検索 において、CNHsを含む群はCNHsを含まをい 群と比 較し 、 高 いX線 不透 過 性を 示 した 。2週 で は、CNHs/PTFE群のX線不透過 性 が最も高い傾向を示した。X線不透過部位は経時的に拡大し、8週では、4群間 の差は減少していた。

  組 織 学的 検 索に お いて 、2週 で はCNHs暦TFE群およびS‐CNH8暦TFE群の 膜周囲にわずかな炎症反応を伴う肉芽組織が認められたが、Control群とPTFE 群ではほとんど炎症反応ぼ認められなかった。新生骨は既存骨端から欠損部中 心ヘ向か って形成さ れていた。CNHs/PTFE群では膜に 沿ってCNH8を貪食し た多数のマクロファージが観察された。PTFE群においては、薄層の新生骨が 膜に沿っ て形成され 、その一部はPTFE膜と直接接していた。Control群では 欠損部辺縁に新生骨が観察された。8週では、2週と比較して炎症反応は収束し、

CNHs暦TFE群 お よ ぴS.CNHs/PTFE群 にお い ても 一 部 で膜 に 固着 し たCNH8 と新生骨が直接接していた。

  組織計量学的検索において、2週では、CNH8暦TFE群は他群と比較して最も 多い新生骨量、マクロファージ数を示し、S.〔】NHs暦TFE群はCNH8暦TFE群 に次ぐ新 生骨量、マ クロファー ジ数を示し た。CNH8/PTFE群の新生骨量は Con.trol群、PTFE群 と比較して 、S・CNHs毋TFE群の新 生骨量はPTFE群と 比較して有意に多かった。しかしたがら8週ではすべての群問において差は見 ら れ な かっ た 。 また 、CNH8暦TFE群 、S‐CNH8膚TFE群で は2週、8週の 両 方でPTFE群、Control群よりも有意に多いマクロファージ数を示した。8週で は、2週と比較してマクロファージ数は減少していた。

  8週後 の超微細構 造学的検索 において、CNH8暦TFE群では軟組織中のCNH8 が細胞に貪食されている像が観察され、骨組織部では(ニNH8が骨基質に封入さ れている像が観察された。

考察

  本 研究 で は、骨欠損 部におけるCNHsの骨再生へ の影響とGBR法への応 用 の可能性に っいて評価 した。2週のCNHsを含む群では、膜に沿って軽微な炎 症反応が認められ、CNHsを貪食したマクロファージが観察された。しかしな がら、周囲組織に壊死、変性といった強い炎症性変化は見られなかった。また、

8週では 、新生骨とCNHsが直接接し ている像が 観察された。TEM観察像では CNHsが骨基質に囲まれ、コラーゲン線維に近接して存在していることが認め られた。これらの所見からCNHsの起炎性は低く、骨組織に対する適合性を有 することが示唆された。

  マクロファージは異物除去、貪食作用、抗原提示、さらに炎症性サイトカイ

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ンの分泌など、免疫反応に携わっており、骨形成に良い影響を与えないという 報告も多くなされている。一方、マクロファージが骨関連因子であるTGF‑ロ、

オス テオポンチ ン、BMP‑2な どを産生す るという文献もある。CNHs/PTFE群 では膜の周囲で活発な骨形成がみられるとともに、マクロファージや異物巨細 胞な どが観察さ れた。CNHs/PTFE群の新生骨量とマクロファージ数は他群と 比較して多く、マクロファージ数が多い群では新生骨量も多かった。加えて、

S‑CNHs/PTFE群 はCNHs/PTFE群 と比 し てマ クロファー ジ数が少な く、新生 骨量も少なかったため、CNHsにより遊走したマクロファージと新生骨形成の 間に何らかの関連があることが推察された。

  CNHsは様カな物質を内包、徐放できるため、骨形成を促進する薬剤、成長 因子、タンパク等を担持させることにより、より多くの新生骨を得ることがで きると期待される。

結論

  CNHsは起炎性が低く、初期の骨形成に有効であることが明らかとなり、GBR 法への応用の可能性が示唆された。

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学位論文審査の要旨

     学位論文題名

Carbon Nanohorns Accelerate Bone Regeneration     in Rat Calvarial Bone Defect

(カーボンナノホーンはラット頭蓋冠骨欠損部の骨再生を促進する)

  審査は、主査、副査が一堂に会し、論文提出者が提出論文の内容の要旨を説 明し、随時、論文の内容にっいて審査委員の口頭試問を行った。以下に提出論 文の要旨と審査の内容を述べる。

論文要旨

  カー ポン ナノ ホーン(CNHs)は直径2‑5nm、長さ40‑50nmのカーポンナノ物 質の一種であり、それらが数千集合して約100nmの球状を呈している。CNHs はその様々な特性から、医療分野を含めた様々な分野での応用が検討され研究 が 進め られ てい る。本 研究 ではCNHsの骨再 生へ の影 響、特 にGuided Bone Regeneration(GBR)法への応用にっいて検討した。

  CNHsをPTFE膜 に 固 着 し た 膜 をCNHs/PTFEと し 、 加 え て 余 剰 のCNHs を取り除いた膜(Scrubbed CNHs/PTFE)を作製した。ラット頭頂骨に直径7mm の 骨欠 損を 形成 し、骨 欠損 部をCNHs/PTFEで 被覆し た群(CNHs/PTFE群)、

Scrubbed CNHs/PTFEで 被覆 した 群(S‑ CNHs/PTFE群 )、PTFE膜で被覆した 群(PTFE群)、および未処置で縫合のみ行った群(Control群)の4群に分類した。

術後2週韜よび8週で試料を含めた周囲組織を摘出し、軟X線による検索、組 織 学 的 検 索 、 組 織 計 量 学 的 検 索お よ ぴ 超 微 細 構 造 学 的 検 索 を行 っ た 。   軟X線 に よ る 検 索 に韜 いて 、2週で は、CNHs/PTFE群 のX線不 透過 性が最 も高い傾向を示した。8週では、4群間の差は減少していた。組織学的検索にお い て 、2週 で はCNHs/PTFE群 およ びS‑CNHs/PTFE群 の 膜周 囲に わず かな炎 症 反応 を伴 う肉 芽組織 が認 めら れ、CNHs/PTFE群で は膜 に沿 ってCNHsを貪 食した多数のマクロファージが観察された。8週では、炎症反応は収束し、

CNHs/PTFE群 、SーCNHs/PTFE群 に お い て 一 部 でCNHsと新 生骨 が直 接接し ていた。組織計量学的検索において、2週におけるCNHsを含む群の骨形成量

505

敦 憲

   

   

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およびマクロファージ数は、CNHsを含まない群と比較して有意に多かった。8 週では、マクロファージは減少し、膜に固着した一部のCNHsは、新生骨と直 接接していた。超微細構造学的検索において、CNHsが骨基質に囲まれている 像が観察された。

  これらの所見からCNHsの起炎性は低く、骨組織に対する適合性を有するこ とが示唆された。また、新生骨量とマクロファージ数の間に関連が見られたこ とから、CNHsにより遊走したマクロファージと新生骨形成の問に何らかの関 連があることが推察された。CNHsは起炎性が低く、初期の骨形成に有効であ る こ と が 明 ら か と な り 、GBR法 ー の 応 用 の 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。

審査の内容

1.欠損の作成方法、どこまで骨を削除したか

  直径7mmのトレフィンバーを用い、脳硬膜が観察できるまで骨削除を行った。

2.欠損の大きさの設定理由について

  7mmがク リテ ィカ ルサイ ズと 記載 された 文献 が見られたため、今回7mmと 設定した。

3.軟X線 に お い て 正 中 が 石 灰 化し 栓 い の は 縫 合 の 影 響 を 受け て い る の か   Control群においては縫合部軟組織の嵌入の影響が考えられるが、PTFE膜を   用いた群では、細胞はPTFE膜を通過しにくいと考えられるので、影響はな いと考えられた。

4.SーCNHs/PTFE群の設定理由にっいて

  定 量 的 で は な い が 、CNHsの 量 が 少 な い も の と し て 群 を 設 定 し た 。 5. PTFEとControlに有意差がない理由

  PTFE膜を骨に接着あるいは固定していないので、骨形成のスペースが十分   に確保されなかったことなどが考えられる。

6. CNHsが骨芽細胞に直接影響している可能性はあるか

  細胞接着の面で良好な可能性はあるが、それ以上のことは本研究からはわから   ない。

  本研究結果から、CNHsは初期の骨形成に有効であることが明らかとなり、

GBR法への応用が期待される。今後さらに研究を進めることにより臨床に応用 しうると考えられ、将来性の点についても高く評価されるものであった。よっ て 、 学 位 申 請 者 は 博 士 ( 歯 学 )の 学 位 授 与 に 値 す る も の と 判定 し た 。

参照

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