• 検索結果がありません。

医薬品製造者責任の展開(一) : アメリカにおける製造者責任の法的構成を中心として

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "医薬品製造者責任の展開(一) : アメリカにおける製造者責任の法的構成を中心として"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokuriku  University

1

医 薬

者 責 任

←)

ア メ カ に

け る

製 造者 責任

法 的

成 を中心

   浦

       

The

 

Developments

 of 

Ethical

 

Drug

 

Manufacturer

’s 

Liability

1

   

With

peclal

 reference  

tQ

 

legal

 construc 七

ion

 of

       

manufacturer ’

s 

li

bility

 

in

 

the

 

United

 

States

Izumi

 

MIURA

1

  は じ め に

9

  序     説 皿  製造 者責任におけ る過 失理論の展 開

 

 Winterbottom

 v

 

Wright

1848

)事件   〔B} Thomas   v

 

Winchester

1852)事 件

 

{C}Mac  Phason

v

 Buick Moter  

Co ..

(1916

事 件

IV

 

品 製 造者の 過 失 責任  1

ネグリジ ン ス と は    囚   過 失の要 件

  

〔1) 医薬 晶 製 造者の注 意 義務

   

 

 開

発上注 意 義 務       回 製 造 上の注 意 義務           警 告 上の注 意 義 務         (a} 警 告の方 法

  

(B

の立 証 責 任      

d

} 情況 証拠

   

{可

 

レ ス ノ イブサ

ロ クィ トゥ

ル原

    

 

 

法 律違反

過失 自体

     

(以 上本号)

      

1

 

は じ

.め

 

わが

にお け る医

品に よ る

件を

視 す れ ば, そ の法 的 責 任につ いて検 討されな げ ればな らない 状 況に 至 っ て い る といえよう

しか しそれは わが国の 問題だけでな く , 世 界 的傾 向で も あ る。 そ

ζ

で本 稿で は製 造

訟の

激増

一早

経験

したア メ リカ

を通 じて その

法的

31

N工 工

Eleotronio  Library  

(2)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokuriku  University

2

三 浦 泉   (1) 展 開 を 概 観して

問 題の 所 在 を 求めてみ たい

      (2>

 

そ こで

以 下で は

製 造 者

任の 類 型 的 分 析はさて おき,

ア メ リ カ に お け る

医薬

の       t 法 的追 求が どめよ うな状 況で ある か に関 心 をむ け,

その点に的を

り論 旨を展 開 すること に し

た。

 

さて, 製 造 物 責

な る法 理 論 が 問 題と な る に 至っ た

的背

を概

すれ ば

それは

18

世 紀 の産

業革命後

経 済的発展

技術

的 発 達 による複

な社 会

成にあ る と

わ れて いる。

か ら大 企 業へ の

行が,

消費

か ら大 量 消 費へ と

換して いくの である。 その こ とは 同 時に

社 会 的, 道 徳 的

宗 教 的 価 値 観 を変 化させ ること は もと よ り, 法及 び

制 度を変 更さ せてき た の で ある。 こ うし た

況の

化 と共

IC,

新 しい 法の形 成 を促 がし

製 造 者に厳 しい

責任

を課

めの法理論の模 索が続けられてきた と言え るの で あ る。

 

ア メ リカに おけるこの

者責

任の法理の 発 展は

消 費 社 会の国と して

製 品に よ る被

者 (人

な どの被 害 )か らの損 害 回 復 を 求め る訴 訟の 増 加に対 応 して 展 開 させて た。 ζの展開 のな かで

大 別 して

そ の法理 は, 過

失責任

(negligence ),

責任

Warranty

 

liability

厳 格 責

Strict

 

liability

) とい う形 をとっ てきて い る

。 ところで現 在, ア メ リカの裁 判 所は, 製 造 者に対して

厳 格 責 任 法 理において責 任 を課 してい く

傾向

に あり, 判

もま た

くはこ の

理論に基づ いて いる。

 

稿

で は, 医 薬 品 製造

の法

的責

任を

論ず

ることを 目 的と しつ つ

前述 し たごとく

失責

任 (本

稿におい て は

筆 者に

え られた

執筆紙面

りが ある ため,

意 した

V ..

判 例

Ilo

fman

  v

Sterling

 

Drug

 

Inc.

485F

 

2d

 

132

(3d 

Cir

 

1973

))

分析

定 しつ つ

も続

稿

に譲 るが)

保 証 責

任 ,厳格 責任

,順次

ア メ リカ にお ける

薬 品 製 造 者 責任の判 例を 引 用しつ つ

そ の法 的理論 的 展 開を明 確に し てい き たいと考えて い る。 (1)

1960

年 代になっ て製 造 物 責任訴 訟 が 増 加 した背 景に檍

消 費 者 運 動の影 響があると言 われて い る。 土  井 輝 生

「プロ ク ト

ラ イ ア ビリ ティ」

同文 館, 昭 和53年

7

1

日初 版, 3

4 頁参 照

   近 来

製 造 物 責 任な る語が

「商品の欠 陥に よっ て惹 起さ れる人 身上の事 故が め だち

製造者にその  責任 を負わ せる ため学説 が構成する法理 」 と して用い られてい るが, これ は法 令 上 認められてい るもの  では ないと 述べ られい る

(川 井健

「製 造 物 責 任の研 究」

日本 評 論 社

,1979

年4月

20

日第

3

 

頁 参照。 本稿で は, 「製 造者貢任 」の語を 用いて論 旨 を 展開す ること に し た

なお, こ の問 題につ い て,  アメ リカ法の理 論 及 び 判例の研 究 が, わ が 国においても数 多 く発 表 されてい る。 以 下 主な参 考 文 献と し

 

植 木 哲

「医 薬 晶 と製 造 物 責 任 ←う

D

民 商

66− .

2

 

一35

膿 川 浩二 「製 造

任 (プロ ダ ク ト

 ア ビ リ ティ)(→

D

」民商

64− 4− 20

64− 5 − 34。

小林 秀文

「ア メ リカにおける製造 物 責 任 」

法 政 法  学 3

4

有田喜十 郎, 「米国製造 品責任法にお け る過失責 任につい て 」

近 代 比 較

6 ,1975

年。 執 行 秀  幸

「ア メ リカにおける製 造 物 責 任の法 的 構 成 」, 早 稲田法 学 会誌

24

1973年

ジョ

・D ・

 

有田喜 十郎訳

「米 国 製 造 品 責 任事件にお ける損 害 賠 償 請 求 法理の展 望 」, 近代法 学, 第26巻, 第三

 

号。 森 島 昭 夫

厂薬 品の製 造者責 任

ア メ リカの判 例 を 中心 と して

」ジ; リス ト, 1969年 7月10日

 427

号。

論 文を集め たもの として

「米 国のプロ ダ ク ド

ラ イア ビ リテ ィ」

国 際商事 法研究所 編 昭

 

和 53年

3

月30日

二版

  序

革命

は 「

1806年

, ド イツ の

薬剤 師

フ リ

ド リヒ

ウィル ヘ ル ム ・ ム ス ・ゼ テ イ

32

N工 工

Eleotronio  Libr 猷 ry  

(3)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokuriku  University 医 薬品製 造者責 任の

 

e

3

      c3) ナ

がアヘ ンか ら

結 晶

モ ル ヒ」 を

抽出

て か ら は じ まっ たと

わ れ てい る。 これ 以後

合 成 化 学の製 品 が ド イ ツ を

心 と して

1941

年 まで世 界の医 薬 品 生 産 を支 配 し

次 大 戦の勃 発と ともに, イ ギ リス , フ ラン ス , ア メ リ カで は独 自の合 成 化 学工業が発 達 するこ と に なる

’ 新 勦 大

用と巨大 鱸 伝の開 始

1

93

年轍

半の サ・・フ ア剤と とも}

9

は じ まり

      〈5)

1940 年代半

ばのペ ニ シ リン

入に よっ て

大 していっ た と

え ら れ る。 医

品の

造 物 責任の 問 題 も

この 時 代 か らは じまっ たと言っ て よい であろう。 その 理由 は, 1938 年 以後

      {s)

新薬

科学者

の チ

ム に よっ て, ア メ リカの企

の研

所に おい て研

がな

さ れ, 開 発さ れ て いっ たの である。 こうした 開発 さ れ た 医

品 が

大 量に製 品 化 され

薬 学 技 術の影 響 を受 けて

消費

者 (患

)に投 薬さ れ,

害な副

用 を 惹起して き た と 思 わ れ る。 し た が っ て 医 薬品製 造 者へ 法 的 責任追 及 もな さ 。 それは, 同 時 的に

他の製 造 物 (特に自動 車 事 故に おけ るメ

責任 )訴 訟

加 も進 行して い くの である が

就 中 医 薬 品は他の製 造 物 と異 な り,

入 間

の生

命 ・

に重 大な

傷害

た ら

で ある

した が っ て, その持づ 意 味は深 刻で あ る。

 

さて, 前述 し た ご と く, アメ リカ に おける医 薬 晶

産業

の発達 は, 薬の革 命 といわれた頃より

       

x 高 度 大 資 本の肥 大 化 な らびに蓄 積 と, 時 を 同 じ く して展 開 されてき たことは 言 を ま た ない。 そ れは同 時に売 薬の宣 伝の 拡 大に端 を発

時代

と な り,

の 眼 に あ ま る インチ キ性を許し, 効めのない

を, い か にも効 くかのよ う に宣

伝す

ること からの

弊害

を生み

出す

こ と に なっ たのであ

る。 そ う

し た状 況の 反 省か ら,

1906

年, 連 邦 食 品 医 薬 品 化 粧 品 法 (

Federal

 

Food

, 

Drug

  and

Cosmitics

 

Act

:以

下 FDA

)が

制定

さ れ

の世 界に も

科学的

時代

越まじまる         (7) の である。

 

そこで現

, ア メ リカの

医薬

品の

製造,販売

,当

然の こ と な が ら,

FDA

則の 下にお ける認 可に よっ て な さ れて い るの で あ る。 それ は厳 格な 認可基準に従っ て行なわ れ

もっ とも       (B〉 安 全な製 品 と して市 販 さ れることは言 うまで もない。 医 薬 分 業 が 実 施 さ れているア メ リカ にお いて, 医

品 (

Ethical

 

drug

と は , 医

の処

箋に従っ て

調

さ礼 投

さ れ る製品の こと であ る。

に大

衆薬

Over

 

thg

 

Counter

)か ら

分離独

立 して 認可さ れてい るこ と は, わが 国に おい て も また同

である。 医

品 め

に もと づき 薬 剤

が薬 を調

す るこ と に

っ て

より安 全な製 品 として患 者の健 康 回 復 を は か る という ところに意 味 が あ る と思 わ れ る。 した が っ て

医薬 品

製 造

が 認

を 得て製 造 した医

薬品

につ い て は, 医

医薬

品の

任を 課 すの ではな く

医 薬 品 製 造 者にそ れ を

すことに その意 味 が あるといえよう。 その際に注 目 され なけ ればな らない の は,

医師

と の

密接

な 関わ り

い に おい て 医

品の 法 的 責任が論 ぜら れ       (10)                          

                                                          (11) る点で ある。 勿 論, 医 薬 品 製 造 者 が製 造 する物, すなわ ち, 医 薬 品 自

に欠 陥 あ りや否 や とい っ た点に (製 造 物 責 任 ) 問 題の所 在がある の である。 〔

3

ウォル タ

ー ・

ドル, ア ル フ レッ ド

ン シェ ング

宮 本 高 明 訳 「薬の話」

タ イムライフ

インタ  

ナ シ ョ ナル

昭 和431223日発 行

,23

頁 参 照p (

4

M .

シ ル バ

PR ・

共著, 平澤正夫訳, 「薬 害 と政 治」, 紀

国屋書 店,

1978

7

31

日第

 

刷, 8 頁参照

原著, 「

Pill

, 

Profit

s &Politics」,University of 

Califo.

rnia  

Pres.

sl 

t974

 at  

4 。

本文引 用は

訳書に よ る

 

 

平 澤 訳

前 掲 書,

8

頁参 照。 薬の革 命 と言 わ れてい る

1eo6

年 以 前 は

極 言すれ ば, 薬の効 果が あ るか

 

否か

分らないまま に放 置 さ れていた と言っ てもよい であ ろ う か

33

(4)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokuriku  University

4

三  浦 泉 (

6

) 平澤

前 掲 書

8頁 参 照。 {7) 宮 木 訳

前 掲書

,224

頁参照

この食品 医 薬 品 化粧品 法 が, 「特に売 薬の レ ッ テル にアル コ

)vやアヘ  ンやコ カンの ような成分の名 称と含 有量 を 記 載 しなけれ ば な らないとい う規 則 を 成 立させ るこ とによ  り. 売薬 時代が終 結され た 」 と言 わ れてい る

8

) アメ リ カ の大部分の州で は法制的に は任 意分業で あ る が, 実 際に は完 全 分 業に なっ て い るとい わ れて  い る

日本薬剤師会編 「諸外国の 医薬分業 」 同 会出版

1971年, 5 頁参照

9

} 医薬品 とは, 連邦食 品 医 薬 品 化 粧 品法 (

FDA

)で は

1

)合衆 国 薬 局 方,

種 療 法 薬 局 方, 国 民 医 薬 品  集に収め られて い る物

  人 また は動物の疾病の診断, 治 療ま た は予防に使用さ れ る こ と が目的と さ れ  てい る物であっ て用 具でない もの

C3

)人 また は動物の身 体の構 造 また は機能に影響を 及 ぼすこと が 目的  と さ れて い る物で用 具で ない もの, (

4

}〔

1

2

)ま た は〔

3

}の成分として使用さ れることが 目的と ざ れ て いる   物であっ て, 用 具 また は その部分で ない もの (

FDA

法 2

01

条 {9))と定 義付られて い る。 引用は, 吉田  勇

「連 邦 食 品 医 薬 品 化 粧 品 法の内 容」

月 刊 薬事

,Vo1 .18,

 

No .5,1976

97頁の訳 文 を 参 照した。

GO

) 医 師 が 医薬品製造 者に損害賠償を請求し た事 件として , 

Sterling

 

Drug

 

Inc

 V

 

Ma

xin  F

 

Cornish

  (370F

.2d

 82

8th

 Cir

1966)) 。 こ の事 件は

被告が製 造 した 医 薬 品により

患 者が眼に障

 

害 を蒙ったとい う もの で , 被 告は少数の グル

プの人にも副 作 用が存在する こ と を知 り

あ るい は知 り得  るべ き 立 場に あるに も か か わ らず

原 告の医師に対 して警 告 することの懈 怠に よ る過 失があると

医 師  が訴 訟 を 提 起し たもの で あ る。

      さ

Qti

般 的に ア メ リカの論 文で は

Fdefect

」の用語を 用い られて いる が, 

z’

わ が 欠 陥 」て い  るよ うである。 欠 陥に対 し 「瑕 疵」とい う語が

医 薬 品の場合適 当であ ろ う と思 わ れるが

本 稿で は

 「欠 陥」 を 用い る

なお 医 薬 品の瑕 疵論 にっ い て は

拙 稿 「医 薬品の製 造 物 責 任一 薬 品 瑕 疵  題 を 中 心に

」北 陸 大学紀要 第三号

197g

,87

頁 以 下 を 参 照 さ

れ たい。       〆 皿

 

者責任

に お

る 過

の 展

 

Neglig6nce

(過 失 )における製 造 者 責 任の 歴 史は, 

Privity

(契 約 関 係) の要 求に 対 する ゆ る       (12) やかな除

の歴

であるといわ れて い る。 それは当 事 者 間におい て契

関 係が要 請さ れて いた とい う事で ある。

 

こ れ は

18

後の

産業革命

対個

経済

原則か ら責任 範 囲が

大 し

個 人 的 契 約 関 係 者の みに製 造 者が法 的 責 任 を 持つ い う原 則を打 破し なけれ ば ならない経 済 的 社会的 理 由が

在 した か らである。 産

業革命

は周 知の通 り, 機

的, 技 術 的 発 達が大 量 生 産

大 量 消 費の時 代 を 迎 え ざるを 得 ず, 個 人 間の契 約 関 係に おい て のみ

製造者

任を課 すこ と は, 当 然 の こと なが ら製 造

の 責

回避にっ が らざるを 得ない の で ある。 製 造 者 対 消 費 者め図 式か ら, 当然の こ となが ら よ り

複雑

通 過程 を

して来る。 また製 造 者と消 費 者の間に中 間

業者

介在

して, その

責任

囲が不

確 な もの と なる

それ と同 時に, 消

者 が 製 品 か ら 蒙っ た損 害に対して

最 終 的な責 任を明 確に しなけれ ば な ら な くな?て きたので あ る。 その こ と は

そ う した 社 会 的 状 況の下で は

法 的 道 徳 的 価 値に変 化を呼び起こし, 製 造 者と消 費

と の聞の契 約 関 係の ない

に法 的 責任を課

要 請さ れ る に 至っ た ことを 意 味

る。

 

不 法 行 為 と して の negligence

,1825

初 期に分 離 独 立して認 め ら れ, 産

社 会か ら現       {Is) 出して くる

事件

の増 加 を 処理するた め に展 開さ れて きたの で ある。

,特

に交通鉄道機 関の       (14) 発達 が

過 失の概 念と結 びつ けられて きた と

え ら れてい る

こ うした

社会状

況の

と共に,       (15) 過 失

責任

は,

に経 済 的

素に基づ くこと は 勿 論で あ るが

むしろ文 化 的 影 響に

34

N工 工

Eleotronio  Library  

(5)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokurlku  Unlverslty 医 薬 品 製 造 者 責 任の 展 開 (

5

を 持つ と

え ら れ, 個 人 的 責 任 (

individual

 responsibility )とい う概 念との連関 性の な かで定 (16)

が な さ れて い る

      c17)

 

おそ ら く

それ は西 欧 個 人 主 義 的 倫 理 思 想の展 開のな かで 影

法 慣

と して

,法的

概 念の 中心的 問 題

あっ たであろうと 思 わ れ る。 その こと は, 個 人 責 任 と公 共 的 責 任の法 的 概 念

道 徳 的 責 任 と して の人 間の概 念 が 考 察 され

こうし た論 点を展 開 しつ つ

製 造

責任

の 法 的 側 面 が 論 じ られて き た もの と思 わ れ る。

 

さ て

述し たごと く, 過

失責任

に お け る

契 約 関 係のゆ るやかな除去である といわ れて い る。 そ こ で その歴 史 的 過 程を論 述 する にあたっ ては

アメ リカの 製 造

の論 文に登 場 する判 例の 分 析 を 注 目 しつ つ 及 したい。 言うまで もな く

こ の論 旨の基 礎と しては

      (18)

W

教授

著 書を は じめ とする その

の研 究 者 達の論 文を参 考と して い る。       (19)

 

A

 

Winterbottom

  v

 

Wright

事 件

1842

 

さて製 造 物 責 任 法は イギ リス に お ける

1842

年の上 記の判 決に よ りは じまっ たと説 か れて い (20) る。 な ぜ なら製 造

は,

契約

の ない

最終購

責任

保有

しない とい う

般 的

      CZI) 例 と して

位 置す

る か らで あ る

 

こ の事 件は

,A

(被 告 )が郵 便 物

運送 するた め

郵 便 馬 車を提 供 する ことを契 約 した。 

B

馬 車 を 引 く馬 を郵 便 長 官 と 契 約 し,

B

と共 同契

者は

郵 便 馬 車 を 運 転 する

C

を 雇 っ た。 事 件 の

結論

は,

C

原告)

が 運

転中

馬車

の欠 陥で座 席か ら放 り

さ れ, 重 傷を負っ た こと に対し

A

に損 害 賠 償 請 求 を 提 起し た が

裁 判 所は

こ の 原 告の主 張は支 持で きない と した。 な ぜ なら

A

C

との間に契 約 関 係が結ばれて いな い ためで ある。 被 告は郵 便 馬 車の提 供

であ り,

便       プ 長 官か ら賃 料 と報 酬 を得る た めに契

し たので あ り, その

的に対して, その 契

郵 便 馬 車 を

後適 切 かつ安 全な

態 に修理すること が独 占 的 義 務の に あ る とい うことである。 し か る に郵 便 長 官に雇 わ れ た 者で ない原 告に対 して は, 責 任 を 課 しえないと して, 契

に基づ かな い

損害賠償請

を 否 定 し たの で あ る。 これ は 契 約 当 事 者 間にの み 責 任 が あ る という

般       (22) 的 原 則 で あ り, こ の原 則は, 契

と 不法 行

為 責任

とを混同 した もので あ る と学

は述べ て い る ようである。 この こと は学 説に よ ると 当 時の時 代 的 社 会 的 状 況に基づ く判 決で あ り

それ は 産

業保護育成

のた め,

消費者

との

契約

がある

場合

のみ,

任 を 課 し

もの (23) で

不 法 行 為 法の過失 責 任に対し訴 訟を提 起できない社 会 的 事 情を考 慮 しな け れ ば な らない で あ ろ う。       (24)

 

B

 

Thomas

  v

 

Winchester

事 件 (

1852

  当事

者 間の契 約 関 係が な くとも過

責 任を課した判 決が

こ の ト

マ ス

ウ イ ンチェ ス タ

事 件で あると言 わ れて いる。 これは例 外 的 原 則の判 例であると述 べ られてい

1

 

こ の判

は, 原 告の妻が医 師か ら与え られた薬が, 猛 毒 薬 (

belladona

)で あっ て

医 師 は薬 剤 師 か らタン ポ ポ

dandelion

の ラベル

たビ ン

入 し , そ れを 原

の妻に

薬し た結 果, 同 女が障 害を蒙っ た とい う事 件に関 するもの で原 告は, 製造者に損 害 賠 償 を 提 起 したわけである。 こ の事 件の主な法 的な要 点は

被 告の過 失を求め たもの で ある が , 被 告は使 用 人 が 誤 まっ て ビ ン に附し た ラベ ル を本 来

dandelion

のエ キスに付 け るべ き ところ

belladorna

1

た た め

,医師

薬剤師

か ら

薬剤

か ら

dandelion

,投

結 果

35

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(6)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokurlku  Unlverslty

6

三 浦 泉 原

障害

(精 神さ くらん状 態 )を与えて しまっ たの で ある。 被 告の弁 護 人は

原 告の主張の 却 下 を 求 めて

のよ う な

立 を した。  (

1

} こ の訴 訟 は, 問題の薬の売主 は遠 隔の者であ り, そ れ らは 原 告との間に商 取 引が ない か ら正

な責 任 は ない。  

 

は 医

薬剤師

責任

め た ものであ り, それゆえに こ の訴 訟 は維

で きない 。 〔

3

) こ の 訴訟 は, 医 師と薬 剤 師の 過

の 結 果であ り, 被 告が彼 等に

任を 求 めた もの で あ る

。被

告は お お む ねこ の よ うな抗 弁を し たの で あるが, 裁 判 官は,

にこ の 事 件の問 題 点と して

従 来の過 失 構 成 要 件 と して の契 約 関 係 を 排 除 する新しい視 点 を 明 示して

「こ の問 題 点 は

薬 を 遠 隔の買 主に対 する被 告の立 場

被 告 と原 告 との間にお ける契 約 関 係の 存 否 とい うことで ある が, この

訟は

維持

で きる 」 と述べ , 契

がな くと も, 「人 間の 生 命に差し迫っ た危 険 (

imminetly

 

dangero

to

 

hu

珥an 

life

)」を生じせ し め る行 為であれ ば,

被告

の過

を 認め ると したのである。 こ の判

が, その

えたこと は,

被害者

と加

者 との契 約 関 係 を 排 除して

例 外 的 原 則 を作 り

そ の根 拠 を 「人 間の生 命に差 し迫っ た

険な もの 」 を製 造

・販売

する

に責 任を課 し た点で,

造 物

め法

理論に重要な位

を占め た判 例と言 わ れて い るの で ある。

      (26)

  (

C

) 

Mac

 

Pharson

 v

.Bui

¢

h

 

Moter

 

Co

事 件 (

1916

年 )

 

こ の事

の事

の関

係等

概 略

すれば,

被告

(自

車 製 造 業 者 ) が, 小 売 販 売

者 (retail

dealer

っ た

を原

入 し

8

マ イル の ス ピ

ドで運

して いた ところ

然, 木 製の車 輪が欠 陥のた め崩 壊 (collapsed )して原

負傷

っ た とい う もの で あ る

製の車

判 な製 造

か ら

被告

っ た もの

査の義 務 は要 求 さ れないが, 最 終 製 品につ い て は貲 任がある と判 示して い るの で ある。 こ の判 決の注 目すべ き 点は

前 述の ト

ウ イ チェ ス タ

事件

の判 例 を分 析 しなが ら, その 自 動 車が 「差 し迫っ た危 険 物 」 か 「内 在 的 な

危険物

inheren

1y

 

danger

)」である かを

自動車

は 「

内在的

危険物

」で は ない と しな が ら, ユ

検 査な し市 場販 売さ れ た

終製

製造者

責任

め た で ある。 もし被 告に過 失があるとす れ ば, 危 険を予 見 し え た はずで ある, とい う点に求め られ る。 不 完 全に

られた製 品は

険が予 見で きるもの で ある と し たの である。 もし その構 造に欠 陥 が あるな ら可 能な危 険 性につ い て 警 告 すあ り

自動 車 は

時 間

50

ル で走る ように デ ザ イン されて いるの

固で あれ ば傷

を与え ること が な かっ た もの で あ り

,被

告は

その危

性 を 知 り得る立 場に あっ た と判 示 して い るの である。

 

さて

こ の事 件の要

を記し た が, こ の判 決が その後ア メ リ カ製造

物責

任 法の展 開の な か で 意 味 を 与 えた とい う点で , 研 究 者の論 文 は 次の ような意 義 を 提 示して い る。

 

従来

の契

関 係の

般 原 則 か ら例 外 原

であ る 「差 し迫っ た

危 険

に 過

責 任を

      ま 則

不 完 全に作 られた欠 陥 ある製 品 が

消 費者 (第三者 )に危 険が生 ず るこ と溶 不可避である こと を 予 見で きる

を 製 造した 製 造 者に責 任を課 す と して, 例 外 原 則が拡 大

れ,

般 原 則       (28) へ 移 行

の で ある

こ の

以 後 こ の

はア メ リカ

全州

用さ

, 不

の       (29) 過失 責 任を契 約 関 係で制 限し な くて もよくな っ て い くの で ある

 

John

 

W .

 

Wad

θ

 

Strict

 

Tort

 

liability

 of 

Manufactures ,

 

SWL .

 

J ,

1965

)a無5

 

 Willian

 

L.

 

prosser,

 

Law

 of 

Torts

Fourth

 edition ) 

West

 

publishing

 

Co .

三971)at 

140.

36

(7)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokuriku  University

医薬品 製 造者責 任の展開 

e

7

個 廣 川 浩二

「製 造 者 責 任 (プロ ダクツ

ライア ビ リテ ィ)

H

」, 民 商64

4

20

,614

頁 参 照

 John

 

G .

 

Fleming

 

The

 

Role

 of 

Negligence

 in 

Modern

 

Tort

 

Law ,

 

Vlrginia

 

Law

 

Review

 

Vol .53 ,

 at 815

   Ibid

   望 月礼二郎

「ネグリ ジェ ン スの構造口完」

法学

37

巻 2 号

268

頁参照。

8

 

ProsSer , sgPra  note  13, at

 

641〜650・

tt9

10.

 

M

W .109,152

 

Eng

 

Rep

 

402.

以下本文 判例

析は判例集に よっ た

    

Pr

()

sser

 supra  note  13

 at

641

 

 Dix

 

W

, 

Noel

, 

ManUfacturers

 of Products

− −

The Drift 

Toward

 

Strict

 Liability,

Tennessee

  Law  

Review

 

Vol .

24  (1957), at 963

    小林秀文

,r

ア メリカにおける製 造物責 任 法 」

法 政 法 学3, 4

19頁参照。  

小林

前 掲 論 文

19

頁s  

 

6NY  39757Am , 

Dec .

455

         

   ・

       一

 

 

Noe1 , sUpra  note  21, at 

964.

囲 

2

7N .Y .382

111N .E .

1050

  

執行秀幸

「ア メ リカ にお け る製 造 物 責任の法 的構 成」, 早稲田法学会誌,

24

, 1973年,

189

参照。    

Prosser,

 supra  note  13

 at1641

   廣 川

前 掲 論文,

617

頁参 照。

W

品 製 造

過 失 責 任

 

1

  ネ グ リジ ェ ン ス と は      

      (3o)

 

Negligerice

とい う語は, わ が

で は, 「過

i

とい う

語 をあては め られて い る。 そ し

こ の 過失は民 法

709

条に

定して い る不 法 行 為に お け る 「過 失」に相 当 するもので ある。

 ネ

グ リジェ ンス とは

現 在 「被

が原 告に対 する注意

義務

duty

 of care )に違 反 し, その       cg1) 結 果 と して原 告に損 害 を 蒙 ら しめること」 と定 義 付 られて い るの で ある。 いわ ゆる民

事事件

に おい て

損害

を 請 求 す

法理論 的 根 拠 として コ モ ン

の展 開のな か から

ま れて きた法 的 要 件で あ る。

 

ところ で

本稿

で主 題 と

医薬品製

造 者の責

ア メリカの裁

所の

判例

の展 開 を通 して

賈 任に よ る損

害賠償

任 を 課さ れて きたの であ る

そ れ は現 在, 法理論の 発 展 的 展 開の なか か ら不 法 行 為 類 型 と して の 厳 格 責 任 を 医 薬

製 造 者に課して い る

に あ るが

理論       c32) が

その基礎に あ るので ある

その理

の拡 大か ら厳 格 責 任 法 理に至っ たこ とを考 慮 されるな らば

過 失 理 論は重 要な位 置 をし めて い る と考え られる。       (33)

製 造物責

任につ いて,

般的

に,

の過

題 と して,

の 二つ の論

が ある。

, 製 品の

想 される使 用に関 して不 合 理な危 険があるかどうか。

 

第二 に, 製 造 者が

理的な注意行 為に おい て不

理な

危険

を 防 ぐ

こと が でき たか どうか, で ある。

1

「 につ い て は 医 薬 品の使 用 (

稿の 場合は

医 薬 品の製造者か ら医 師へ 販 売 す

)〜に対 して,

医 薬 品 製 造 者 が

その使 用につ い て適切に 指示 し た か どうか

もしくは

そ の

使角

医薬

品の

使

用に

安全

に耐えうる薬で ある か どうかの

が注

さ れ る。

37

N工 工

Eleotronio  Library  

(8)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokurlku  Unlverslty

8

三 浦 泉

 

第二 につ い て は

医 薬 品 製 造 者の 製 造

販 売 し

製 造 上 も し くは 品 質 管理上

販 売 上 におい て

合理的な手 順に従っ て な さ れ 医 薬 品 製 造 者 が そ れ らの行 為に

合理 的 な注 意 義 務の下で,

危険

ぐことが で きた か どうか, の

を問 題と

るの で あ る。 そ うし た

行為

に懈 怠が なかっ た か 否 かによっ て法 的 評 価が与え られ

問 題 が 論 じ られ る と

え られるの であ る

  

A

 

過 失 の 要

 

の要 件と して ア メ リカ法におい て は, 製造者に高 度な注意義 務の基

) (

Higher

 s七andard of 

Care

) を 要 求 されて い る。 それ は人 間の生 命

健 康に直 接 関 与 する医 薬 品 製 造 者におい て も厳 格な基

が適 用される こと ま た

同様

であ る。 その 基

は, 通 常

同 業

の製

者がとっ た であろう処 置に達 して いるか

か に よっ 判 断 さ れ

達 して いない場 合に責 任 を 負 う と さ れて      

                                           (35) い る。 それ は裁 判 所が通 常の製 造 者であ れ ばなすで あろう行 為を基 準と して認 定 して い ること で も分か るので あ る。 した がっ て医薬品 製 造者は, 他の医薬 品 製 造 者の行 為基準の

般 的 処 置 が評

象にされるとい うことで

ろ う。       (36

 

的に

その

務の内 容につ い て は

次の よ うに説か れてい る

 

該 当 する製 品の設 計ノ(

design

製 造工程 (manufac 七tiring)

検 査 (七esting )

,修

(reparing におい て合 理 的 注 意 義 務が要 求されること

  第二 に

消 費者は該 当 する製 品の使用におい て危 険の存 在 を知 っ て い たか

知り得べ きで あ り, 通 常その危 険を全く知 らない消 費

して

告 する

注意

義務

が要 求さ れ ること で ある。

 

さて 医 薬 品 製造

にお け る注 意

務と は なにか。 こ の 論点を

述の

←)

に)

を反

しな が ら検 討 して みたい。

  言

う まで

な く

医薬

品は,

製造物

のなかで も

,特殊

な カテ ゴ リ

そ れ は

と と) 入

特に人 聞の生 命

健 康に重 大なる 影 響 を 与え るこ と言をまた ない。 その意 味で

注 意

義務

も また

法 的に厳 格に求め られ ている と言え るであろ う。 ア メ リカ におけ る数 多 くの医 薬 品製 造 者に責 任 を 課 した 判 例の 在 が そ れ を 証 明 して い る。

  

1

) 医薬品製 造 者の 注 意義務 {

ij

開 発 上の

義務

 新薬

を 開発

医薬品製造者

は,

果 的に

有害

な 副

用 を

惹起す

を 開発 した

場合

新薬

開 発にお ける注 意 義 務 を 充 分に履 行 して いな けれ ば

当 然なが ら

過 失 責 任 を 負 わされるこ と にな る。 この

医薬品

開発

上の

義務

につ いて は,

FDA

規則505 条

{b }におい て 明

規定

さ れて い る

望疾

薬 品 製造者が, こ う し た規則 に定め ら れ た方 法を 遵

し な かっ た場 合

注 意義

違 反      

tー

t

ヨ      

  4 と な るの で ある。 また

FDA

に認 可 された後

市 場 (医 師 ・ 薬 剤 師 等 )に販 売 さ れた医 薬 品に 欠 陥が あ り, 有 害 な 副 作 用に よっ て患

に傷

え た

合に も, 制 定 法 上の必

に従っ た か ら とい っ て

医 薬 品 製造者は責 任を回

き ない と思わ れ る。 その 理 由は

コモ ン

の原 則に より

重い注 意

義務

してい ると

え ら

るか らであ

その ことは

現実

に起 こる ことである。

FDA

が新 薬 認 可に当っ て, 新 薬テス トを 自らするの では な く, 医 薬 品 製造

の       (40)       (41) 資 料に

より,

の安 全 性 と

有効性

を認 め認可 するため である。 認 可 後,

場におい て傷 害の

38

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(9)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokurlku  Unlverslty 医 薬 品製造者責任の展開 

e

9

      (42) 原 因と なっ た

有害

性の あ る薬を回 収さ せ た判 例がある

 

しか しなが ら新 薬の 開 発が厳 格な基

に従っ て い る こ と が

薬の 開発の 遅 れにつ な が り, 人 間の生

・健 康 を 治 癒道 が

ざ される といっ た

k3

6

なさ れてい るこ と も

実である。 有

な副 作 用 を恐 れて

そ の危 険の ため消 極 的に な るの も事 実で あろ う

その 判

基 準は

有 効 性 と

有害性

の比

較衡

量 (

科学的

的 ) を 含めて

公 共 的

政 策 的

客 観 的な状 況 を踏 ま え て判 断 され ね ばならない困 難な問 題 なのである

法 的 問 題 と現

的 問 題 との

差 を

重に

討 されねばな らない こ とを 指 摘 してお き たい。 {U

造 上の注 意

義務

 

この

の注 意

義務

は,

勿論

医薬

品の

造に 関しての注 意

務の 問 題であり, 製 造工

程,

      (44) 検 査

質管

理 を

む もの と考 え られ る。 医 薬 品の製 造 上の問 題につ い ては

特に

製 造 中に 異 物 (特に注 射 薬 )が混 入 することのないよ う相 当の

意を

るこ と で あ り,

査 及び試 験の 義 務 が 課せ られ る とい で ある。 た と えば

体 (原 末 )の安 全 性 試 験 (動 物 試 験 ), (

1

がア メ リカ合 衆国薬局方

United

 

States

 

Pharmac

σ

poeia

及び国 民 医 薬 品 集 (

National

Formulary

 

Certification

)}こ

格 した

方法

でな さ れ, 〔

2

) 化 学 者 (薬 剤

まれ ると考え ら れる)の管 理の下で

学物質

の混

が な され

3

成分

の品

等につ い て は

,雇

の 二人以 上 に よ る二重の チェ ッ ク が

求さ れ てい るの で

 

こうし た要 件に違 反

れば, 過

材 と し

任が課せ られ る の である。    警 告 上の注 意 義 務

 

医薬

品の

心 的問題として

論ぜ

られ, 判

に現わ れ

い るの が, こ の 警 告 上の 注 意 義

で ある。 それは

新薬,大衆

薬 を 問 わ

問 題にな るの で ある。 医

品における

(用 法 指 示 を含 めて)の注 意 義 務 は

医 療 専 門 家 (medical  

profession

に対 して, 適 切 な 警 告 が なさ れてい た か どうか が 問 題 となるの で ある。 医 薬 品

その

として の職

か らい っ て

自 己の

薬 晶の危 険の存 在 を 知 り得る立 場にある とい うことが前 提で あ り

それ が ために 高度な義 務が要 求されて い るのである。

 

さて, 警

義 務の多 くは, 医 薬 品製 造 者 から医

に対 して警 告 がな され なけ れば ならない の であ り

医 師が その

告に

っ て処

し, 薬 剤 師が調 剤 する とい うの が医薬 分 業 制 度の建 前で ある。 それゆえ に, 医

品 製 造 者に, 医

, いかに適切 に警 告された かの基

を 明確に さ れ ね ば な ら

, こ の ことに よっ て

法 的評価

れることになるあで

る。  それ らの警 告に は どのようなものがあるであ ろ うか

次に 述べ てみ たい。

 

1

) 医 薬 品 製 造 者 は, その処 方 薬に潜 在 する

険 を 医 療 専 門 家に適 切に知 らせ るべ き 警 告 義

 

 

 

医 療 専 門 家 は,

の安 全 性に関して医薬 品 製 造 者に頼 るが ゆ えに

有 害な副 作 用 を 知 っ       〔4の た なら, 予 想 さ れる使 用

に適 切な

警告

を する義

 

3

} 医 薬 品 製 造 者は

その薬の

潜在

的 危

が,

数の アレ ルギ

体質

プ にた ら さ       (48) れるもの で あっ ても

義務

。   〔

4

} 医 薬 品 製 造者 は

科 学 的 進 歩と知 識か ら有 害な副 作 用につ い て医 薬 ジャ

ナ ル 等に発 表

れたこと を知っ た ら その こと を 医

に警 告 す る義 務 49)

 

 

 

医薬 品製 造 者 は,

市販

され

けてい る

り,

有害

副作用

っ た

時点

警告す

39

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(10)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokurlku  Unlverslty

10

三  浦 泉 こ と はもと よ り, 常に継

して警 告 する義 務

 

 

 

例 外 的に

も し

在 的 な 危 険の適 切 な警 告 が 医 師になされる なら,

医薬

品製 造

      (らe) は 患

警告す

義務

は ない。 これは医 師 が 患

に警

する とい うこと が前 提であ り

その責 任を医 師に負 わせ るとい うことである。 また患 者 は

薬の専 門 的 知 識 を

た ない と

同時

に 理

で きないとい の が 理由で あ ろ う。 (a

     

               (51)

 

ω

 

FDA

規 則 が 要 求 して い るラベ , 包 装に適 用 量

投 与 方 法 等 を

るこ と。

 

 

医 薬 品 製 造

アメ リ

カの全 ての 医 師に有 害な副 作 用 等 を 詳 細に手 紙 等の伝 達

法 に よっ て警 告する こと。       (52)

 

 

薬雑

期 的に発

されている

誌 (

300 種

あるといわ れてい る

,広

      (53)

の年

報,

特に

Physician

 

Desk

 

Reference

に掲 載 し警 告 すること。

      (54)

 

 

Detail

皿 an が医 師 を 訪 問 し

自社の 医

品につ い て

細に説 明 した か ど う か。

に こ の

Detai1

an の役 割 は, 医 薬 品の販 売 (宣 伝 促 進 ) 及 び使 用

法につ いて重

な立

に ある。 い わ ば医 薬 品 製 造 者の 顔で あ り, 企 業 存 亡を か けて い る とい っ て もよい で あろう。 し かるに

医師

へ の

医薬品

情報

達に つ いての

と して の責

は重い の で あ る。 その

容に つ い ては, 医 薬 品の 開 発

関する文 献 (薬理学, 生理学 ),

使

用の た めの 投

与計画

, 禁 忌

極 量 基 準に関 する臨床 か ら得た最 新の情

ど を医 師に口頭で効

的に伝え る仕 事

ある。

Detail

 man の こ の仕 事は, 薬の宣 伝 促 進の面より も学 問 的 内容に重 点 が 置 か れなけ れば な らない。 こ の

De

七ail man は

種々な薬に関して

特殊

な 訓

を受 け, 医 薬 晶の知

を 高 度に有 すべ

である。 医

か ら正 確な情 報 を 期 待 して い るの で ある が

改 善 す べ

々 あ る ら しい。 こ の 点で

つ の提

が な さ れて い るのである が

そ れによ る と

「すべ て の

De

七ail man 訓 練受 け , 薬 学

卒業者

の うちか ら

用し, また

育 を 受 け, 政

が免 許を

え,

FDA

の認 可 を 与え た者

すべ であるとい う主 張である。 こ の こ

Detail

 man

が 期 待 と同 時不 安 を 持っ て い るとい うことであろう。

者 には

医 薬 品の 有

な副 作 用 等の事 故を

ぐた め に, ま た 正 しい

とい うこ とを

え る時

こ の

Detail

 man の存 在 意 味を無 視で きないように 思 わ れ る。 ア メ リ カの医 薬 品 製 造

1

こ の

Detail

 man の行 為 を 法 的 責 任の判 断の

して い ること も問 題

重 要 性を指

してい る と言っ て よい であ ろう

B

)  過 失 の 立 証 責 任

 

の立 証 とは, 製 造 物 責 任 訴 訟におい て は

も し

危険

内在

さ せ る

製品

製造販

売 した 製 造 者 (加 害 者 )に

を受 けた者 (

被害者

)が, その 製

陥の あっ た こと の立証 を

ること で あ る。 そ れ は

製品

が, 製 造 者の手 を 離 れ た 時に

製 品に欠 陥 が あっ たこと を 原 告 が 立 証 す るこ とで あ り

15

の立 証 は

原 告

身に おい て ,

陪審

の評

る た め に必 要 とするの であ る

9

題なの は,

消費者

が製 品によっ て

け た 傷 害 を

被 告たる 製 造 者の過 失に よ っ て発 生し たこ と を立 証 し なけれ ば ならない

にある (

lo

医薬

品の

場 含

危険

潜在

す る

で あ る とい い, ま た

内 在 する有 害な副 作 用

有す

製品

は, その欠

の立 証 に 関 して 消 費 者 (患 者 ) 側に困 難な点 が あ る とい うこと なの で ある。 その困

につ い て考え られる

40

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

(11)

Hokuriku University

NII-Electronic Library Service Hokurlku  Unlverslty 医薬品製造者責 任の展 開 ←

1

11

点 は

1

>有 害な副 作 用が製 品に内 在したこ とを 立 証 す るに

は,

医 薬 品製 造 者 側の開 発 文 献

資料

を入 手し

,製

造の工

に 至 る まで を

らね ば な らない とい う点にあ り

原 告 側が立 証 をな し う るに は, 相 当の学 問 的 研 究 上の 知 識 を 要 するとい うこと。   それらの立証の たあに は, 多 額な 金

間を要し,

者側

して重い

負担

い ること になる とい う点にある。

  

 

過 失の立 証の具 体 的 方 法としては

,一

般 的に次のよ う な方

塞渉

あ ると述べ ら れい る

  〔

1

) 製 造工程 中に おける ミス に よっ て 製 品に欠 陥 が生 じた こと。

 

これを

医薬

品に当てはめれば,

医薬品

原料

(原

に誤 っ て

異物

が混入 し, 品

質管

理 に おい て

晶質

保管

在 庫に 不

手際

が あっ た か ど う かの

題な どである

論 大切 なの は

製 造 中の品 質 検 査

動 物 試 験 (安

性 試 験 ) 等の研 究 姿 勢が問 わ れるべ ことで ある

 (

2

) デ ザ イン ミス によっ て製品に欠 陥が生じ た こ と。  これ を 医 薬 品の開 発 上の問 題と して と らえる な ら

開 発の企 画の段 階で

な ん らかの隠 違い によ り,

医薬品 自体

有害

な もので ある と い っ た

場合

で あ ろう。 そ れ は開 発の

時点

に おい て基 本 的な誤 ま りが あっ た とい っ たことなので ある。  〔

3

} 指 示

警 告の ミス

 

に, 医 薬 品の

に新

で問 題に な る ミスで あ り,

に言 及し た ように (

tr

“ 一 (

1

  ) 医 師

薬剤 師 等医療 専 門 家対 す

品 製 造 者用 法 指 示

警 告問 題 と し論 じ られるの である。 過 失 を立 証 する にあた り

消 費 者 (患 者 ) 側に とっ ては

他の 二 点より も立 証の

な点があるので は ない か と思 わ れる。

 

それにし

こ の ような過 失の立 証は

消 費 者 (患 者 ) 側に とっ てか な り困

で あ るこ と が 明 瞭で あろう。   (/) 情 況 証 拠 (

Circumstantial

 evidence )   前 述し た ように, 消 費 者 側の過 失の立 証 は

困 難で あるこ とは論 を また ないが

通 常

過 失 の立証の場 合

アメ リ カ法}ぴおい て

原 告は, 情 況 証 拠か らの推 理 (

inference

)に頼 るの が

        (62) 通で ある。 それ は

原 告 が 製 造 者の持つ 複 雑で 高 度な技 術, 専 門 的 知 識 を 取 得 するこ と は

困難

で あり,

の 過

につ いて

直接

dirict

evidence ) を

保 有

すること が ほ と ん ど ないと いっ でよい か らである。

直接

し ない

そ し

ゼ情

況証

か らの推理 にも

れない原 告 (患 者 )の場 合

特に 医 薬 品 (食 品 とは や や異な るが )は, 人 間の生 命

直接傷害

を与 え, かつ その

傷害

の 原 因を証 明

るこ と な ど,

人 に は,

直接

原因

か ら

況 的 証

を見つ け 出 すの はほとん ど不 可 能 と言っ てよい で あ ろ う 医薬 品 製 造 者が製 造 した 医 薬 品に過

果 と して

医薬品 自体

に欠 陥があっ た か

かの 証

を立 証

ることは, 原

告側

で は困 難がある か もしれない。

況 証

,医

薬 品

の過

の立 証におい

L

r

困 難な問 題なので あろ うか。

 

レ スノ イ プ サ, ロ ク イ トゥ

ル原 則 (

Res

 

ipsa

 

loqui

七ur

前 述の情 況 証 拠の弱い場 合 (

告の 過 失

理 さ れ ない

合 ) アメ リ カ法では

コ モ ン

の展

の なか で, ・

865HI

, イ判 ス の

E

1

U

官}こよっ て定

れた レス ノ イプサ, 。

イ トゥ

ル 原 則 といっ た 法理 に おいて立証

責任

わ せ よ う と

である 。       (65) 通

, この原 則を

用される た め には 必

な条 件 が あ る。

 

1. 事件

が 通

常誰

れ かの過

な け れば 起こ らな い

性質

の もの で な ければ な らない

41

N工 工

Eleotronlo  Llbrary  

参照

関連したドキュメント

会社法 22

 医薬品医療機器等法(以下「法」という。)第 14 条第1項に規定する医薬品

[r]

・HSE 活動を推進するには、ステークホルダーへの説明責任を果たすため、造船所で働く全 ての者及び来訪者を HSE 活動の対象とし、HSE

近年の食品産業の発展に伴い、食品の製造加工技術の多様化、流通の広域化が進む中、乳製品等に

[r]

石川県の製造業における製造品出荷額等は、平成 17 年工業統計では、全体の 24,913 億円の うち、機械 (注 2) が 15,310 億円(構成比 61.5%)、食品 (注 3) が

保税地域における適正な貨物管理のため、関税法基本通達34の2-9(社内管理