Title
The effect of hypoxic microenvironment on matrix
metalloproteinase expression in xenografts of human oral
squamous cell carcinoma( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
宮﨑, 康雄
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第751号
Issue Date
2008-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23118
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氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 宮 崎 康 雄(静岡県) 博 士(医学) 甲第 751 号 平成 20 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
The effect of hypoxic microenvironment on matrjx metal[oproteinase
expressionin xenografts of human oralsquamous cel[carcinoma
審査委員 (主査)教授 柴 田 敏 之 (副査)教授 森 秀 樹 教授 伊 藤 八 次 論文内容の要旨 【背景】 口腔扁平上皮癌は,浸潤・転移を生じるため予後が不良である。近年の研究により,腫瘍内低酸 素環境が腫瘍の浸潤・転移に大きく関与していることが明らかとなってきた。低酸素環境は腫瘍細 胞内にhypoxia-induciblefactor-1α(HIF-1α)を発現させ,その結果,血管新生や細胞増殖などに関わ る様々な転写因子が活性化される。一方,細胞外マトリックスを破壊する酵素である matrix metalloproteinases(MMPs),とりわけMMP-2およびMMP-9もまた腫瘍の浸潤・転移に大きく関与す ることも明らかとなっている。しかしながら,腫瘍内の酸素濃度を測定することが困難であるため, 腫瘍内低酸素環境とMMPsの関連性についてはいまだ明らかではない。近年,10mmHg以下の酸素 濃度以下の環境にある細胞に取り込まれる低酸素マーカー,Pimonidazoleが開発され,免疫組織学 的手法により低酸素領域を可視化することが可能となった。そこで本研究では,Pimonidazoleを用 い,腫瘍内微小環境における低酸素とMMPsの関連性について検討を行った。 【方法】 1) 低分化型口腔扁平上皮癌細胞株SASおよび高分化型口腔扁平上皮癌細胞株HSC-2を,酸素濃 度1%以下の低酸素環境で24時間培養し,HIF-lα,MMP-2,MMP-9,MTl-MMPタンパク発現 について,Westernblotting法を用い通常酸素環境下で培養したコントロールと比較検討を行っ た。さらにMMP-2,MMP-9の活性およびmRNAの発現をgelatin zymography法,quantitative real-timeRTIPCR法を用いてコントロールと比較検討を行った。 2) SAS,HSC-2をヌードマウス皮下に接種し腫瘍モデルを作成した。腫瘍内微小環境における 低酸素領域の特定にはpimonidazoleを用いた。標本の作成後,腫瘍内低酸素領域とHIF-1cL,Ki-67, MMP-2,MMP-9,MTl-MMPの発現の関連性について免疫組織化学的手法を用い検討を行った。 【結果】 1) SAS,HSC-2いずれの細胞株でも,低酸素環境での培養により,HIF-1αおよびMMP-2のタン パク発現が著明に増強され,MMP-2ではその活性増強が著明に認められた。しかしながら, MMP-9およびMTl-MMPタンパク発現と,MMP-9の活性には明らかな変化は認められなかっ た。MMP-2およびMMP-9のmRNA発現は低酸素環境により著しく克進した。
ー67-2) SAS腫瘍モデル組織標本において,腫瘍内低酸素領域とHIト1α発現部位は一致した。また, 腫瘍内低酸素領域では腫瘍細胞増殖活性を示すKi-67の発現は低下していた。MMP-2,MMP-9, MTl-MMPの発現は問質に接した非低酸素領域に強く認められたが,MMP-2のみ,腫瘍細胞活 性の低下している低酸素領域においても発現の増強が認められた。HSC-2腫瘍モデルにおいて も同様の所見が認められた。 【考察】 腫瘍内低酸素環境が腫瘍の浸潤・転移に影響するという報告はこれまでもあったが,その殆どが HIF-1αを介した血管新生を理由とするものであった。また,MMP-2は口腔扁平上皮癌における浸 潤・転移に深く関わり,その発現が予後因子となるとする報告もあるが,MMP-2の発現と腫瘍内低 酸素環境を関連づけた報告は少ない。本研究では口腔扁平上皮癌において低酸素環境がMMPs,と りわけMMP-2の発現に強く関与していることが示された。特に腫瘍モデルにおいて,Pimonidazole を用いて腫瘍内低酸素領域を可視化することにより,これまでの報告では問質と近接した部位で発 現が上昇するとされてきたMMP-2が,問質から離れた低酸素領域においても強く発現しているこ とが観察された。腫瘍内低酸素領域では腫瘍細胞活性を示すKi-67の発現が低下しており,同領域 でのMMP-2の強い発現は,腫瘍内低酸素微小環境においてMMP-2発現を惹起する因子などの,腫 瘍の浸潤・転移に関与するparacrine因子の産生を示唆していると考えられる。 【結論】 口腔扁平上皮癌において低酸素微小環境は,HIF-1αやMMPsの発現に重要な役割を果たしており, 腫瘍細胞の浸潤・転移に深く関与していると考えられた。 論文審査の結果の要旨 申請者 宮崎康雄は,ヒトロ腔扁平上皮癌組織内のMMPs発現における低酸素微小環境の関与 について検討した。その結果,ヒトロ腔扁平上皮癌細胞におけるMMP-2のmRNA,タンパクの発 現およびその活性のいずれもが,低酸素環境により増強していた。さらに,腫瘍モデルにおいても 低酸素領域にてMMP-2の発現が認められることを示し,低酸素微小環境がMMPsを介し浸潤・転 移に関与している可能性を示した。これらの知見は,口腔癌の制御および治療の研究に少なからず 寄与するものと認める。 [主論文公表誌] Theeffbctofhypoxicmicroenvironmentonmatrixmetalloproteinaseexpressioninxenografts Ofhumanoralsquamousce11carcinoma InternationalJournalofOncology32,145-151(2008).