愛知工業大学研究報告 第36号B 平成13年
185
減衰特性の偏心が開性偏心建物のねじれ振動に及ぼす影響の研究
A Study on the Effects which Eccentr:icity of Damping Characteristics a宜ectsTorsional Vibl'ation of the Building having Eccentricity of Sti宜ness
中村満喜男 Makio NAKAMURA
Ab呂t:ract Torsional vibration arises when building has eccentricity of stiffness. For the method that cancels this torsional vibration, damping device is included on :I:lexible side element. Increasing of damping factor on :I:lexible side element, damping factor which maximum response displacement of stiff and :I:lexible side elements becomes equal,色xists.This optimum damping factor depends very on eccentric factor for short basic natural period, but does not depend on eccentric factor for long basic natural period. The optimum value of maximum :response displacement depends very on basic natural period, but does not depend on eccentric factor for same basic n.atur:al period. In.this paper, mixed eccentricity of stiffness an.d damping factor that superimposes with stiffness eccentricity and dampin.g eccentricity after general conside:ration.of those weights, is considered.Ifthose weights a:re suitably estimated, when this mL'{ed eccentricity of sti監1essand damping factor is equal to zero, maximum response displacement stiff and宜exibleside elements must become equal.From analytical :results, it is clear that the ratio ofweight of damping eccentricity to t1e wei富htofsti監1esseccentricity is 2 to 10.
1.序 建物は地震動によって慣性力を生じ、減衰カと復元力 の和が慣性力と釣り合うはずである。従って建物のねじ れ振動特性として、復元力の偏心すなわち岡JI性偏心が重 要であると同じように、減衰力の偏心すなわち耐震要素 に付加された減衰装置によって生ずる力の偏心が注呂さ れるべきである。建物の剛性偏心を取り除く最も直接的 な方法は、すでに建物平面上に配置された耐震壁の水平 剛性を変更することもしくは耐震壁を新しく再配置する ことである。直接的ではないが、同じくらい有効な剛性 偏心を解消する方法として、柔側耐震要素に減衰装置を 組み込むことが考えられる。柔側要素に導入される減衰 定数が増加すると、剛性偏心によってねじれ振動を生ず る建物の剛側と柔側における最大応答変位が等しくなる 現象が生じ、このとき導入される減衰定数が最適減衰定 数と定義され、最適減衰定数の性質が幾つかの解析モデ ルに対して分析されている。また導入される減衰装置の 偏心として、減衰定数の偏心(減衰偏心)が新たに考え られ、剛性偏心がもたらすねじれ振動を抑制する効果が この減表偏心によって期待される。この減衰偏心と剛性 偏心の関係が最適状態(動的に変位に関してねじれ振動 愛 知 工 業 大 学 工 学 部 建 築 工 学 科 ( 豊 田 市 ) のない状態)に及ぼす影響が検討されている。本論文に おけるこれらの分析は各地震動による地震応答解析結果 の平均値によって評価されている。 2. 減衰特性に偏心を有する剛性偏心解析モデル 耐震要素の剛性に偏心があって、ねじれ振動を生ずる 最も簡潔な建物の解析モデ、ノレが図 lに示される。この解析 モデ、ル 1)において、建物はl層であり、入力地震動はy方 向のみの1成分であり、建物平面は2ax2bであり、質量 は平面に一様に分布しているとする。建物平面形状は
3
(=b/a)で与えられる。解析モデルのねじれ振動特性を 決定する無次元パラメータが次の様に導入されている。 まず第1にy方向剛性の両側剛性比η (=(k1+ k3)1 (k1 +k2+k3)) がある。 ηは応答系の並進剛性と回転剛 性の比を決定する重要なパラメータであり、一般のねじ れ振動で扱われる弾力半径と密接な関係がある。第2に 直交方向剛性の両側剛性比ηp(= (2k4)/(k1 +kz+k3)) である。 ηpの{直はx方向両側剛性のx方向全剛性(一 般的にはx方向もy方向も同じ)に対する比である。 k1 とk3の違いによって静的偏心距離 esが生じ、剛性比 α(=k
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1ここで、k1~k3) によって静的偏心距離の無 次元量は次式で表される。186 愛知工業大学研究報告,第36号B,平成 13年,VoL36-B X 一一__y
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0.0の場合 図1剛性偏心と減衰特性の偏心を有する解析モデ、ノレ e s=
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0.5η(1α )/(1+α) (1) 弾力半径の無次元量と偏心率は次式によって表される。 r e y/2a = (η 14.0 -es 2+82η p/4.0)1 /2Rey= es I(r ey/2a) (2) 応答系のねじれ振動の大きさは主として偏心率の大き さによって把握されている。 解析モデ、ノレにおける各耐震要素への減衰特性の与え方 が次のように考えられた。解析モデルにおけるy方向の みの並進の振動方程式は次式である。 My +( C 1 +C 2 +C 3 )y+(k 1 】+'2+k3 )y =-My 0 (3) 上式の自由振動方程式(My+C
チ
+Ky=O)の減衰定数 をh。とすると、減衰係数Cは次式で表される。 C = 2hoKlO 0 (4) ただし ho=C/Cco
0 = (KlMP/2 式(4)の減衰係数Cは次の様にも書ける。 C =2 ( ho k1 + ho k2+ ho k3) 1 Q 0 (5) 減衰定数hoはy方向全耐震要素に対する平均的な減衰 定数と考えられ、各要素の減衰定数が異なるとすれば、 上式において各要素に減衰定数hj(j=l '"'-'4)を採用するこ とが可能である。すなわち次式が各要素について減衰定 数を異にする応答系の減衰係数を示す。 C=2(hlkl+h2k2+h3k3 )/00 (6) 各耐震要素の減衰定数が異なる値を持つことは、耐震要 素に組み込まれる減衰装置の能力によって変化すると考 えられる。以上より各耐震要素の減衰係数は次式で与え られることが分かる。 Cj= 2 hjkj1 Q 0 j = 1 '"'-'4 (7) 剛性偏心を持つねじれ振動解析モデルにおいて、ねじ れ振動を抑制するため柔側耐震要素に強い減衰力を生ず る減衰装置が組み込まれることが考えられた。すなわち 剛性偏心と逆方向に減衰力の偏心が与えられたことにな る。このような減衰力の偏心として、 減衰定数 (hl' h2, h3)に関する偏心距離の無次元量 h は次式によっ て与えられる。 吾h=0.5・(h3-h1 ) /(h1+h2+加) (8) ここに h3ミh1 減衰偏心距離は剛性偏心距離と反対方向に取られた長 さとして得られる。 3.1
震動方翠式と応答解析 各耐震要素に異なる減衰定数を有する応答系の振動方 程式は次式によって表される。この振動方程式 2)は建物 平面の図心(重心)点における並進と回転(変位はyと 0に相当)の慣性力を含む力の釣合より得られる。 [M]{y
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は減衰マト リックス、[困は剛性マトリックス、か}は変位ベクトル、{
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は荷重ベクトルで、ある。応答解析は、まず応答系の固 有値解析にもとづき、応答系の振動特性が把握された後、 モーダル解析によって実行された。これは複素固有値解 析によるモーダノレ解析 3)であり、一般的な方法であるの で、説明は省略されている。 応答解析は、剛性偏心があって、ねじれ振動が励起さ れるのを抑制するために、図1における解析モデ、ノレの柔 側要素③の減衰定数h
のみを他の要素よりも単独で増加 させた解析モデ、/レに対して行われた。すなわち剛性偏心 を打ち消すように、減衰力に偏心が与えられた。本論文 において要素①@要素②・要素④の減衰定数(hl' h2 , h4)の値は全て0.02である。要素③の減衰定数の値とし てO.02から必要な値までO.04~U みの値が採用されている。 建物の平面形状は正方形で、従って3
の値は1.0である。 応答系における並進のみの固有周期 T。はO.2秒と O.6秒 と1.0秒であり、それぞれは短い、中ぐらい、長い基本固 有周期に対応している。直交方向の耐震要素④は結果の 分析が容易となる、存在しない場合 (ηp=O.O)と比較 して存在する場合 (ηp=o
.
2)の2つの場合が考えられ ている。応答系のねじれ振動特性として、 y方向両側剛 性比はねじれ振動の効果が大きめに現れるようなηの値 として0.8とO.6が採用され、この値はやや外側に剛性が 分散した応答系を示し、静的偏心距離弘の値は小さい O. 02と中ぐらいの 0.06と大きい O.10である。このよ うなねじれ振動特性を持つ応答系の偏心率 Reyの値は減衰特性の偏心が岡Ij性偏心建物のねじれ振動に及ぼす影響の研究 00@4b! Rey=O. q45 Rey=O.1135 l 要素③ ムA Rey=O.~29 ¥ @ @ 、 、¥¥ ¥ '~
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ムは剛側要素①の最大応 答変位、黒塗りの印@③Aは柔側要素③の最大応答変位 の値を示しており、各印の区別は偏心率の値 O.045と O. 135と0.229に対応している。図 (a)"'-'図(c)は基本固有 周期が O.2秒・ O.6秒・1.0秒に対応している。柔側要素 ③の最大応答変位は柔側要素の減衰定数の増加とともに 大きく減少し、その折線は右下がりとなっている。この 折線のプロット値は偏心率が大きい順に大きくなってい る。偏心率が大きければ、柔側要素の岡IJ性が相対的に小 さく、入力地震動に対して柔側要素の最大応答変位は大 きくなっている。剛側要素①の最大応答変位を示す折線 は柔側要素における減衰定数の違いによって影響を受け ず、基本固有周期が 0.2秒 .0.6秒において折線はほぼ 水平でその値は一定となっている。しかし基本固有周期 が1.0秒になると、折線は減衰定数の増加にともなって 若干の右上がり傾向を示す。図2
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(
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において、 それぞれの偏心率に対応して、同IJ側要素①と柔側要素③ 側要素③の減衰定数を増加させることによって、剛側と 柔{WJの最大応答変位を等しくすることが可能である。こ の交点の減衰定数が柔側要素③に付加される最適減衰定 数として評価され、そのときの最大応答変位が最適最大 応答変位である。 5.最適減衰定数と最適最大応答変位 図3は、横軸に最適減衰定数(柔側要素③の減衰定数)、 縦軸に最適最大応答変位(等しくなった最大応答変位) をとって、図2の交点をプロットして得られた。始めに分 析されるのは減衰定数がO.02のときである。最適最大応 答変位の大きさは基本間有周期が同じであれば偏心率の 違いの影響を受けずほぽ一定である。このことは、柔側 要素が最適減衰定数になると、左右の耐震要素の最大応 答変位がねじれ振動のない応答系の最大応答変位に近づ くことを示している。柔側要素③に導入される最適減衰 定数は、基本固有周期が短いと、偏心率の違いに大きく 依存し、偏心率が大きいと当然大きくなる。しかしこの ときの最適最大応答変位の値は小さく、わずかな最大変 位の差を等しくするために大きな減衰定数の導入を必 ε 0ひ4J0J1い
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図3最適減衰定数と最適最大応答変位の関係(η=0.8)愛知工業大学研究報告,第36号B,平成13年,Vol.36-B,Mar,2001 188 直交方向側の耐震要素④が存在し、そ.の割合は比較的 小さく、 ηpがO.2の場合に対する結果が、耐震要素④の ない場合に重ねて、図4に示されている。最適減衰定数と 最適最大応答変位の関係は、耐震要素の有り無しによっ て大きく変わることはなく、よく似た傾向を示す。直交 方向耐震要素があると、基本固有周期が長い応答系の最 適最大応答変位は小さくなり、基本固有周期に関わらず 最適減衰定数は大きくなる。特に、応答系における基本 固有周期が短く、偏心率が大きいとき、最適減衰定数の 値は非常に大きくなる。 E o - 81 ( 吃診 劫俣 醐 6
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径三う 場者 福話 - 4 三三辻 根町民 渓n 七通告 -1<2 瞬質 解調 時餐 8.00 6 剛性偏心と減衰i
腐心の重みを考慮して得られる 剛性 a減衰混合嬬心 建物が地震動によって、並進ならびにねじれ振動する 現象は、剛性偏心と減衰定数の偏心による総合的な混合 偏心によって分析可能と考えられる。剛性偏心は各要素 に生ずる相対変位によって、減衰定数の偏心は各要素に 生ずる相対速度によって、建物全体の並進・ねじれ振動と 直接関係づけられ、両者の偏心は偏心距離という長さの 次元を持つてはいるが、変位と速度という異なる次元の 要因と関係していることが注意されなければならない。 そのような注意を踏まえて剛性と減衰のそれぞれの偏心 が重ね合わされ、剛性・減衰混合偏心距離という概念の偏 心距離が考えられた。図5は、横軸として減衰定数の偏 心すなわち減衰偏心弘を採用し、図2と同じ縦軸を採用 して得られた要素①と要素③の最大応答変位の結果であ る。柔側要素の減衰定数が増加すなわち減衰偏心が増加 すると、柔側要素の最大応答変位が剛側要素の最大応答 最適減衰定数と最適最大応答変位の関係 (η=0.8ηp=O.2) 要とする。基本固有周期が長くなると、この最適減衰定 数は偏心率の違いの影響を少ししか受けず、わずかな減 衰定数の増加によって最適減衰定数が得られることが明 らかである。 柔側要素③以外の耐震要素の減衰定数がO.04のとき、 同様な解析結果より得られた最適減衰定数と最適最大応 答変位の関係が、図3における減衰定数がO.02の場合に重 ねて示されている。減衰定数が増加しでも、最適減衰定 数と最適最大応答変位の関係はほぼ同様な傾向を示し、 全体として縦軸の値が小さく、横軸の値は大きくなる。 最適最大応答変位は基本固有周期が中くらいまたは長い と、減衰定数の増加に伴し、小さくなっている。このこと はねじれ振動のない並進のみの応答系と同じ性質である。 基本固有周期が短いと偏心率が大きい応答系の最適減衰 定数は非常に大きくなっている。 図4 ¥ ¥ ¥ ¥ 要素①ト¥
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1 0 A 4 (b) T 0= 0.6秒 減衰偏心距離と要素①・要素③の最大応答変位 (η=0.8, 図5 (a) To= 0.2秒減衰特性の偏心が剛性偏心建物のねじれ振動に及ぼす影響の研究 1.0 〈申 Rey=O.045 争 Rey=O135 / A : Rey=O 229 日ヱ0.1 要素③ p ,1
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愛知工業大学研究報告,第36号B,平成13年,Vo1.36-B,Mar,2001 =0610 A 0 事。Rey=O040 争 Rey=O121 Ji. : Rey=O 204 要医③ d,ノo ,/ / ノM
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.l 0 -0.05 0.00 0.05 0.10 es-αe h 0.05eg-a e0.h 10 Averagef~r 25kina肝o=O.lsec) ハU l nU 5 0 0 0 n u n U 5 0 0 n υ l n U 5 l n H K H U O -'().] 0 -0.05 0.00 (a)To= 0.2秒 (b)T 0= 0.6秒 (c)To= 1.0秒 図9 要素④を有し重みαが0.2における剛性・減衰偏心距離と最大応答変位 (η=0.8,ηp=0.2) 変位と同じになるそのような減衰偏心が存在する。剛性 図9は、両側剛性比ηがO.8で、直行方向両側剛性比 偏心と滅衰偏心を適切に重ね合わせて得られる剛性・減 衰混合偏心が零となるとき、要素①と要素③の最大応答 変位は同一時刻発生ではなく動的に等しくなる状態が生 じ得る。剛性偏心と減衰偏心は性質の異なる現象に起因 して生ずる偏心であるから、間IJ性・減衰混合偏心は両者に 重みを考慮して重ね合わせられる必要がある。剛性偏心 の重み1.0 ~こ対する減衰偏心の重み α が導入され、剛性・ 減衰混合偏心として値(邑s α8h) が考えられた。減衰 偏心の重みとして値α(0.1, 0.2, 0.3)対する結果が図 6から図8に示されている。各国の中で、各基本固有周 期T 0 (0.2秒, 0.6秒, 1.0秒)に対して、剛性の偏心 率が小。中・大すなわち図中の印G園0
・4について剛側 要素と柔側要素の最大応答変位がプロットされ、剛側と 柔側の最大応答変位が等しくなる交点がO印で示され ている。剛性・減衰混合偏心において適切な重み。が評価 されていれば、これらのO
印に相当する横軸の値は、零 となるはずである。図6から図8の結果は、両側剛性比 ηが0.8の場合の結果であり、全水平剛性の8割が側に 存在するねじれ振動応答系の結果である。図6より、偏 心率Reyの値が 0.045で小さい応答系において、0
印は αがO.1のとき、各基本固有周期で横軸の値はほぼ零の 値となっている。図7より、偏心率が中くらいの値O.135 であると、0
印はαが0.2のとき、各基本固有周期で横 軸の値はほぼ零の値である。図8より、偏心率が大きい 値0.229であると、0
印はαがO.3のとき、横軸の値は ほぼ零の値になっている。0
印が最適減衰定数を与える 点であるから、この最適減衰定数の値は、横軸の値が零 より、減衰偏心弘はω
α
の値となり、静的偏心距離よ り逆算され得る。重みαの値は偏心率 Rey~こ対して若干 の依存性を示すが、偏心率が小・中・大全体に渡って適用 できる重みαの値はおおむねO.2であることが分かる。 ηpが O.2の値を持つねじれ振動応答系の結果である。 図中の横軸における減衰偏心の重みはO.2であり、最適 状態を示すO
印は横軸の値として零の近傍に存在する。 すなわち直行方向に要素④がある場合においても、減衰 偏心の重みαとして値O.2がほぼ適切であることが分か る。 紙面の都合と分析結果に不明快さが残るため示されて いないが、以上の阿IJ性・減衰混合偏心の評価に関する結果 は、両側剛性比ηの値がO.6すなわち剛性が両側と中央 にほぼ均等に分布したねじれ振動応答系においてもほぼ 適用できる。しかし基本固有周期 T。が1.0秒の応答系 について、解析パラメータの範囲でO
印の最適減衰定数 は見つかっていない。また両側関IJ性比ηの値がO.4で、 中央に剛性が集中したねじれ振動応答系において、間IJ側 要素の最大応答変位が柔側要素の最大応答変位よりも大 きくなる場合が偏心率の値によっては生じ、柔側要素の 減衰定数を増加させるとしづ単純な操作によって、最適 な状態は得られないことが分かつた。7
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まとめ ねじれ振動を解消する方法として、柔側要素に減衰装 置を組み込むことが考えられた。得られた結果の分析よ り、柔側要素の減衰定数を増加させると、剛側要素と柔 側要素の最大応答変位が同じになる最適減衰定数が存在 する。最適減衰定数は、基本固有周期が短いと偏心率に 大きく依存し、偏心率が大きいと大きくなる。最適減衰 定数は基本固有周期が長いと、偏心率に対して小さな依 存性しか示さないことが明らかである。柔要素の減衰定 数が最適減衰定数となるとき、剛性偏心と減衰偏心の重 みを考慮して重ねられた剛性・減衰混合偏心が零となる減衰特性の偏心が剛性偏心建物のねじれ振動に及ぼす影響の研究 191 はずである。減衰偏心に与えられる重みは削性偏心の重 みのおよそ2割であることが分かつた。この関係より、 建物に避けられない剛性偏心によって生ずるねじれ振動 効果が最小となるために、減衰装置として柔側要素に導 入されるべき最適減衰定数の大きさが剛性偏心より逆算 できることになる。 参考文献 1)中村満喜男.耐力偏心によって生ずる建物のねじれ振 動に関する研究,第 10回日本地震工学シンポジウム Il-18, 1998年11月 2)中村満喜男:減衰特性の偏心によるねじれ振動の研究 一複素闇有値解析 3 日本建築学会大会学術講演梗概 集, 1999年9月 3)大崎順彦:振動理論,建築構造学大系24,彰国社, 1980年 (受理平成13