コンサルタント 井上 竜夫
AutoCAD 道場
セッション3
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図面内の注釈はどのように構成されるか?
設計詳細 要素図形 寸法/引出線 注釈内容 注意書詳細 長文テキスト 表詳細 データ内容 集計値 サイズ 配置/体裁 タイトル詳細 改定日 サイズ© 2012 Autodesk
異尺度対応注釈とは
注釈尺度によりオブジェクトのモデル サイズが決定
(用紙上のサイズ x 注釈尺度 = モデル上のサイズ)
モデル空間でのオブジェクトの拡大を計算が不要に
三角スケールを模ったアイコンが表示
オブジェクトのプロパティを表示する場合、次のプロパティが表示
異尺度対応尺度
用紙(レイアウト)上のサイズ
モデル空間でのサイズ
異尺度対応注釈とは
スタイル、定義、オブジェクトの[異尺度対応]プロパティをオンに
次のオブジェクトに異尺度対応を適用可
文字 寸法 マルチ引出線 ハッチング ブロック定義 属性定義 寸法、文字、マルチ引出線はスタイルを 異尺度対応に設定できます。© 2012 Autodesk
線種尺度のコントロールが簡単に
AutoCAD 2007までは
グローバル線種尺度
図面全体にわたってコントロール オブジェクトの線種尺度
個々のオブジェクトをコントロール [尺度設定にペーパー空間の単位を使用]:PSLTSCALE変数
レイアウトビューポート内でビューポート尺度に合わせて線種表示を調整線種尺度のコントロールが簡単に
AutoCAD 2008からは
MSLTSCALE変数:注釈尺度により線種の表示を自動的に調整
グローバル線種尺度は1のまま 尺度の変更時はREGEN[再作図]コマンドを PSLTSCALE変数と組み合わせて
ビューポート尺度と注釈尺度は連動 モデル/レイアウトの線種表示を簡単にコントロール 各設定はテンプレートに保存
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画層管理、スタイル管理を楽に
AutoCAD 2007までは
尺度ごとに複数のスタイルや画層を作成して使い分け
図面が煩雑に CAD標準仕様も乱れがち 異尺混在時の図面作成にかかる手間
複数のスタイルを切り替えて注釈を記入 レイアウトビューポートでは、不要な尺度の画層をフリーズ画層管理、スタイル管理を楽に
AutoCAD 2008からは
異尺度対応のスタイル設定
尺度ごとにスタイルを持つ必要はありません。 異尺度対応注釈の表示コントロール
ステータスバーの[注釈可視性] すべての異尺度対応オブジェクトを表示 現在の尺度に対応する異尺度対応オブジェクトのみを表示© 2012 Autodesk
寸法、文字などのサイズ調整を自動的に
AutoCAD 2007までは
モデル空間では印刷時の縮尺倍で注釈を作成
「用紙上のサイズ×印刷時の尺度」でサイズを計算 AutoCAD 2008からは
スタイルやオブジェクトプロパティで異尺度対応をオンに設定
注釈尺度により、サイズと表示をコントロール
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異尺度対応注釈オブジェクトの構造
各尺度の要素をまとめた複合オブジェクト
複数の尺度表現(尺度ごとの注釈)が混在
個別に配置位置を保持
グリップ編集によって、尺度の異なるビューポートでそれぞれの位置を調整 コマンド編集ではオブジェクト全体が修正されます。 SELECTIONANNODISPLAY変数
異尺度対応オブジェクトを選択したときに、別の尺度表現のフェード表示をオン・オフ対応尺度の追加、削除
異尺度対応オブジェクトは複数の尺度に対応
オブジェクトが現在の注釈尺度に対応している場合、その尺度で表示
それ以外の場合は、それまでの尺度で表示
複数の尺度に対応しているオブジェクトには三角スケールアイコンが重なって表示
OBJECTSCALE[尺度を追加・削除]コマンド
異尺度対応オブジェクトの尺度を追加または削除
任意に選択した異尺度対応注釈に対して© 2012 Autodesk
対応尺度の追加、削除
ステータスバーの[注釈尺度の自動追加]
現在の注釈尺度が変更されたときに
すべての異尺度対応注釈に尺度を自動的に追加 すべての注釈オブジェクトの異尺度対応尺度はそのままの状態 注釈オブジェクトへの異尺度対応尺度の追加方法をコントロール
現在の注釈尺度の追加/削除
[注釈]リボンタブの「注釈尺度」パネル
尺度を追加するもっとも簡単な方法 任意に選択した異尺度対応注釈に対して異尺度対応注釈の記入の仕方
モデル空間では、記入前に注釈尺度を設定
そのセッションで初めて記入するときにはダイアログが表示
レイアウトビューポートをアクティブにした後、注釈を記入
ビューポート尺度に合わせて異尺度対応注釈は記入
ビューポート尺度と注釈尺度は連動 ステータスバーの尺度リストからの尺度設定により ビューポートの最大化により、さらに記入は簡単に
画層状態もそのままにビューポート内のモデル空間を表示 ズーム、画面移動も自由に© 2012 Autodesk
尺度リストのカスタマイズ
SCALELISTEDIT[尺度リスト]コマンドで、図面内の尺度リストを編集
尺度の追加、削除、並べ替え
よく使う尺度リストはテンプレートに保存
注釈尺度だけでなく、尺度リストはさまざまな場所で使用されます。 AutoCAD既定の尺度リストにリセットすることも
既定の尺度リストは[オプション]ダイアログの[基本設定]タブに リセットをかけても使用されている尺度は削除されません。既存の注釈を異尺度対応へ
注釈オブジェクトの種類ごとにいくつかの方法
1.はじめに、基準となる注釈尺度を設定
例)DIMSCALE変数の値などに基づいて 2.次に、異尺度対応に更新、もしくは置換するべき注釈オブジェクトを選定
注釈オブジェクト 方法 寸法 寸法オブジェクトのプロパティを異尺度対応に設定、もしくは寸法スタイルを異尺度対応に設定 文字 文字オブジェクトのプロパティを異尺度対応に設定、もしくは文字スタイルを異尺度対応に設定 引出線 文字と引出線が一体化されるのでマルチ引出線に置き換えた方が望ましいでしょう。 ハッチング オブジェクトプロパティを異尺度対応に設定、またはハッチング編集で異尺度対応に設定 ブロック ブロック定義を異尺度対応に更新 属性 属性定義を異尺度対応に更新© 2012 Autodesk
異尺度対応注釈を使用する上でのガイドライン
すべての図形要素は原則として原寸で作成します。
注釈尺度によってコントロールされるすべての注釈オブジェクトに対して、異
尺度対応のスタイルもしくはプロパティを使用します。
モデル空間で作業をする場合、印刷時の尺度を注釈尺度として使用しま
す。つまり1:2で印刷するのであれば、注釈尺度を1:2に設定します。
レイアウトで作業する場合、ビューポートの尺度が決まったらすぐにビューポー
トはロックします。これによりビューポート尺度と注釈尺度のズレを防げます。
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下位バージョンとのデータ互換性
異尺度対応注釈オブジェクトの表示の正確性を保持
「オプション」ダイアログの「開く/保存」タブ
モデルを優先する場合: [表示の正確性]をオフに
主にモデル空間で作業する場合にお勧め モデル空間で適用されている注釈尺度に基づいて、すべての異尺度対応オブジェクトは保存[表示の正確性]の設定
レイアウトを優先する場合:[表示の正確性]をオンに
異尺度対応注釈オブジェクトは名前のないブロックとして
画層の設定により、レイアウト空間での表示が保持
すべての異尺度対応オブジェクトの各尺度表現は通常のオブジェクト(非異尺度対応)として 各々の画層に保存 元の画層名に番号(@尺度)が追加 該当する画層は、自動的に各ビューポートでフリーズ 異尺度対応が利用可能なAutoCAD 異尺度対応が利用できないAutoCAD© 2012 Autodesk コンサルタント 井上 竜夫
AutoCAD 道場
セッション4 表を極める!まだまだ知らない表の世界© 2012 Autodesk
表オブジェクトとは何か
罫線と文字からなる複合オブジェクト
表スタイルでプロパティをコントロール
線分と文字で作成した場合と比べて
作成が簡単
編集も簡単
データの再利用も簡単
レイアウトへ配置するのが基本
異尺度対応オブジェクトではありません。
表オブジェクトの作成
Table[表]コマンド
[空の表から開始]オプション
[挿入点を指定] 行の数と高さ、列の数と幅を入力して、挿入位置を指定 [窓を指定] 列数と行高さを入力した後、挿入範囲を画面上で指定 セル内容が空の表オブジェクトに対して
[テキストエディタ]リボンタブを使ってセル入力© 2012 Autodesk
グリップを使った編集
表示されるグリップはそれぞれ異なる役割
表のグリップ
セルのグリップ
表を移動 列幅を均一に 表をストレッチ 列の幅を変更。 CTRLを押したまま操作す ると、列幅の変更と共に表 をストレッチ 行高さを均一に 表をストレッチ 表の分割が有効なとき 表の高さを設定 列幅と行高さを均一に 表をストレッチ ドラッグすると、セルの オートフィルを実行 右クリックでオートフィルの オプションメニューを表示ショートカットメニューを使った編集
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セルに対する編集
[表セル]コンテキストリボンタブ
セルを選択すると表示
行と列の挿入 セルの結合、解除 セルスタイルの操作 セルのロック、解除、データ形式の設定 セルへのブロック、フィールドの挿入 データリンクの操作セルに対する編集
ブロックの挿入
1つのセルに複数のブロックと文字列を混在
「セル内容を管理」
ショートカットメニューやリボンタブから ブロックと文字列の順序や間隔をコントロール© 2012 Autodesk
セルに対する編集
フィールド、計算式の挿入
ショートカットメニューやリボンタブから
セルにフィールドや他のセルとの計算式を挿入
セルのロック
内容および書式に対して編集をロック
ロックされたセルには鍵のアイコンが表示
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表スタイル
表スタイルとはセルスタイルの組み合わせ
セルスタイルごとにプロパティを設定
既定は[データ]、[見出し]、[タイトル]の3種類 必要に応じて新規作成できます。 3つのタブ[一般]、[文字]、[罫線]で設定
一般:セルの塗り潰し、位置合わせ、余白などの設定 文字:セル内の文字について設定 罫線:罫線の太さ、線種、2重線の使用などの設定 セルスタイルを新規作成表スタイル
表の作成時
現在の表スタイルに基づいて
1行目、2行目、それ以降の各セルにスタイルを割り当て
表の編集時
行、列、あるいは個々のセルに対して別のセルスタイルを適用可
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表オブジェクトの構造
表のプロパティ
表全体をコントロールする場合、表スタイルを使用
表分割の設定
行数の多い表を分割表示 [使用可]を[はい]に設定し、表分割グリップを使用 上部または底部のラベルの繰り返し [ラベル]の設定はセルスタイルで表オブジェクトの構造
セルのプロパティ
個々のセルに対してプロパティを上書きできます。
[セルのプロパティコピー]
[表セル]コンテキストリボンタブから [すべての優先プロパティの除去]
ショートカットメニューから上書きされたプロパティを除去 セル内のマルチテキストは別途プロパティを持ちます。
Excelからの貼り付け時など書式のコントロールが重要© 2012 Autodesk
データリンクとは?
Excelとのデータリンクから表オブジェクトを生成
Excelシートに変更があった場合、AutoCADの表も合わせて更新
データリンクマネージャにより、Excelとのリンクを管理
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データリンクから表を作成
Excelからのコピー&貼り付け
もっとも簡単なデータリンクの作成
PASTESPEC[形式を選択して貼り付け]コマンドを使用
[リンク貼り付け]を選択、[AutoCAD図形]として データリンクで作成された表、セルには
データリンクを示す鎖のアイコン セルのロックを示す鍵のアイコンデータリンクから表を作成
Table[表]コマンドの[データリンクから開始]オプションを使用
既存のデータリンクを選択して表を作成
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データリンクの作成手順
1.データリンクマネージャを起動して、データリンクを新規作成
リンクに名前を与えます。
2.リンクするファイル(XLS、XLSX、CSV)を選択
パスの種類を指定
リンクオプションにより、リンク範囲の指定
シートの選択が可能 シートファイルに複数のシートが存在する場合 全体または特定のセル範囲の指定も プレビューを確認
データリンクの作成手順
3.右下の展開ボタンで追加のオプション設定
セルの内容
ソースファイルへの書き込み許可
一方向あるいは双方向の連動を設定 セルの書式
書式の保持設定© 2012 Autodesk
データリンクの更新
DATALINKUPDATE[データリンク更新]コマンド
[ソースからダウンロード]
外部のExcelシートが変更されたとき、参照している図面データを更新 [ソースへアップロード]
図面内のデータリンク表が変更されたとき、外部Excelシートのデータを更新 更新の可否はデータリンクマネージャで設定
[ソースファイルへの書き込みを許可]がオンの場合、ソースへのアップロードが行えます。データリンクの編集
セルのショートカットメニューから
データリンクされた表のセルをロック解除して編集
セルの内容のアップロード、ダウンロード データリンクの設定を編集
データリンクマネージャを起動してオプションを編集 データリンクしているExcelシートを開く
Excelを起動して外部のExcelシートを編集 アタッチ解除
すべてのセルに固定データが書き込まれます。 データリンク自体は削除されません。© 2012 Autodesk
図面内の情報を表として書き出し
データ書き出し表
DATAEXTRACTIONコマンド
図面に含まれるオブジェクトの情報から
ブロック属性値、オブジェクトプロパティ(長さ、面積、etc)など 変更時には、最新の情報に更新できます。 表オブジェクトとして、または外部ファイルとして
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