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形質転換成長因子-β1による血管内皮前駆細胞の分化制御に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Transdifferentiation of bone marrow-derived endothelial progenitor cells into the smooth muscle cell lineage mediated by tansforming growth factor-β1( Abstract_要旨 ) Imamura, Hirotoshi. Kyoto University (京都大学). 2010-05-24. http://hdl.handle.net/2433/120926. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学 博士( 医 学 ). 氏 名. 今 村 博 敏. Transdifferentiation of bone marrow-derived endothelial progenitor cells into the smooth muscle cell lineage mediated by tansforming growth 論文題目 factor-1(形質転換成長因子-1 による血管内皮前駆細胞の分化制御に 関する研究) (論文内容の要旨) 目的:血管内皮前駆細胞は骨髄から末梢血中に駆動され、成熟内皮に分化する細胞であり、 下肢、心筋、脳虚血に対して改善作用を認めるが、血管内皮損傷後の内膜肥厚に対しては 抑制作用と増悪作用の両者が報告され確定していない。本研究は形質転換成長因子-1 (TGF-1)による血管内皮前駆細胞の分化と、増殖させた血管内皮前駆細胞を頚動脈内皮 損傷モデルに局所投与し新生内膜内での挙動を検討することを目的とした。 方法:ラットの大腿骨から骨髄由来単核細胞を採取し15日間培養することで血管内皮前駆 細胞に誘導し、in vitroでTGF-1を投与し分化、増殖能に対する影響を評価した。次にラ ットの頚動脈内皮損傷モデルに血管内皮前駆細胞を局所投与し、内膜肥厚に対する影響を 評価した。また、血管内皮前駆細胞をあらかじめGFP発現アデノウィルスにより標識し、 新生内膜内での挙動を評価した。 結果:血管内皮前駆細胞にTGF-1を7日間投与すると敷石状の形態は平滑筋細胞様の紡錘 状に変化した。RT-PCR法でCD31やvWFの発現が低下し、内皮細胞としての性質が減弱する ことが示された。免疫ブロット法では収縮型平滑筋細胞のマーカーである-smooth muscle actin、calponin、caldesmonが発現するようになった。この変化は成熟内皮細胞 にTGF-1を投与しても殆ど認められなかった。血管内皮前駆細胞は成熟内皮細胞と異な り、TGF- receptor type 2を有し、TGF-1の投与によりその下流蛋白であるSmad 2のリ ン酸化を認めた。新生内膜増生中に平滑筋細胞内に発現するPDGF-BB、bFGFの投与では、 これらの変化は認めなかった。TGF-の中和抗体、TGF- receptor type 2を抑制するsiRNA はTGF-1による血管内皮前駆細胞の平滑筋細胞への分化を抑制した。またMTS assayでは、 TGF-1の投与により、血管内皮前駆細胞の増殖が促進した。自家骨髄由来の血管内皮前駆 細胞をラットの頚動脈内皮損傷モデルに局所投与すると、14日後には内膜肥厚はコントロ ール群と有意な差を認めなかったが、28日後には内膜肥厚が有意に増強した。新生内膜に おけるTGF-1の発現は14日後が最も多く、投与した血管内皮前駆細胞の多くは14日後には 新生内膜の内皮層近傍にCD31を発現し存在した。しかし、28日後には血管内皮前駆細胞は -smooth muscle actinを発現しつつ約4倍に増加し、新生内膜内に広く分布した。血管内 皮前駆細胞の投与は、新生内膜内のTGF-1、PDGF-BB、bFGFの発現や炎症系マーカーであ るmyeloperooxidase、CD68の発現に影響を与えなかった。 結論:血管内皮前駆細胞は TGF-1 の作用により、TGF- receptor type 2 を介して平滑 筋細胞様に分化し、その増殖能が促進された。TGF-1 は局所投与した血管内皮前駆細胞 を平滑筋細胞に分化、増殖させ内膜肥厚を増強させる可能性が示唆された。. (論文審査の結果の要旨) 本研究は形質転換成長因子-1(TGF-1)による血管内皮前駆細胞の分化と、増殖させ た血管内皮前駆細胞を頚動脈内皮損傷モデルに局所投与し新生内膜内での挙動を検討す ることを目的とした。 ラットの骨髄由来単核細胞から血管内皮前駆細胞を誘導し、in vitroでTGF-1を7日間 投与することで分化、増殖能に対する影響を評価した。TGF-1により血管内皮前駆細胞の 増殖能は促進され、内皮細胞の性質が減弱し、平滑筋細胞の特徴を発現するようになった。 次にラットの頚動脈内皮損傷モデルに血管内皮前駆細胞を局所投与し、内膜肥厚に対す る影響と、新生内膜内での挙動を評価した。新生内膜内におけるTGF-1は内皮損傷14日後 に多く発現し、投与した血管内皮前駆細胞の多くは14日後には新生内膜の内皮層近傍に内 皮細胞の特徴を有し存在していたが、28日後には平滑筋細胞の特徴を発現しつつ、新生内 膜内に広く分布し、内膜肥厚が有意に増強した。 血管内皮前駆細胞は TGF-1 の作用により、平滑筋細胞様に分化し、その増殖能が促進 された。TGF-1 は局所投与した血管内皮前駆細胞を平滑筋細胞に分化、増殖させ内膜肥厚 を増強させる可能性が示唆された。 以上の研究は血管内皮前駆細胞の動脈内皮再生における TGF-1 による分化制御の解明 に貢献し、血管内皮前駆細胞に関する血管生理学、それを用いた再生医学に寄与するとこ ろが多い。 したがって、本論文は博士(医学)の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成 22 年 5 月 11 日実施の論文内容とそれに関連した試問 を受け、合格と認められたものである。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日 以降.

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