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タに Wilcoxon 順位和検定 名義データにカイ二乗検定を行った 帰結の指標 (BRS FIM 運動関連 および総入院日数 ) と rfa 値の関連について まず脳出血群と脳梗塞群のそれぞれで 次に両群の総計で Spearman の順位相関解析を行った いずれの解析においても P < 0.05

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Academic year: 2021

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拡散テンソル法 MRI による脳卒中帰結予測

〜大脳脚 FA 値の有用性:出血例と梗塞例の比較〜

Koyama T, et al: Utility of fractional anisotropy in cerebral peduncle for stroke outcome prediction: comparison of hemorrhagic and ischemic strokes. J Stroke Cerebrovasc Dis 27, 878-885, 2018 doi.org/10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2017.10.022 解説用

小山 哲男 Tetsuo Koyama MD, PhD 兵庫医科大学 リハビリテーション医学 特別招聘教授 西宮協立脳神経外科病院 リハビリテーション科 部長 【背景】 拡散テンソル法 MRI 脳画像(DTI) が脳卒中患者の帰結予測に応用され つつある1)。脳卒中には、脳出血と脳 梗塞の2 つの主要病型がある。これま での脳卒中 DTI と帰結に関する研究 の殆どは病型別に行われてきた1)。し かし、これら2 つの病型の臨床症状は 類似するところが大きく(例:上下肢 の片麻痺)、診療の現場では共通した 内容のリハビリテーションが行なわ れている2)。この現状に即したDTI の 臨床応用ためには、双方の病型に共通 の簡便な脳画像解釈の手法が必要で ある。そこで筆者らは、脳出血例と脳 梗塞例の間で、皮質脊髄路(大脳脚) のFractional anisotropy(FA)値低下と 帰結の関連を比較し、両者の共通点と 相違点を検討した。 【方法】 対象患者とDTI 撮像 筆者らの既報研究に含まれる脳出 血40 例3)、脳梗塞40 例4)を対象とし た5)。典型的には、患者は発症直後に 筆者の勤務する病院に搬入され、画像 装置(CT あるいは拡散強調 MRI)を 用いて脳卒中と診断された(図1)。そ の後、理学療法、作業療法、および言 語聴覚療法のリハビリテーション加 療を受けた(1 日最大 180 分間)2)。入 院後14〜21 日に DTI 撮像が行われ、 FA 脳画像が作成された(図1)。患者 個人のFA 脳画像は標準脳変換を経た 後 、 左 右 の 大 脳 脚 を 解 析 関 心 領 域 (Regions of Interest: ROI)とした FA

値の算出がなされた5)。さらに年齢等 の個人差を補正するため、病巣半球と 非病巣半球のFA 比(rFA)が計算され、 神経障害の指標とされた。今回、既報 研究 3, 4)の内容に加え、脳卒中患者の 主要な合併症6)である高血圧、糖尿病、 脂質代謝異常、不整脈に関するデータ を後方視的に採集した5)。データ収集 の対象患者は、発症前の日常生活動作 (ADL)が自立していた初回脳卒中患 者に限られた。さらにリハビリテーシ ョン内容の相違を避けるため、筆者が 在籍する医療法人内の回復期リハビ リテーション病院に転院となった患 者のみを対象とした。 帰結評価と統計解析 回復期退院時点での麻痺側上肢、手 指、下肢のBrunnstrom stage(BRS:重 度麻痺1 点〜正常 6 点)7)、Functional Independence Measure(FIM)運動項目 合計点(全介助13 点〜完全自立 91 点) 8)、総入院日数を帰結の指標とした。2 つの病型の群間比較のため、数値デー

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タに Wilcoxon 順位和検定、名義デー タにカイ二乗検定を行った。帰結の指 標(BRS、FIM 運動関連、および総入 院日数)とrFA 値の関連について、ま ず脳出血群と脳梗塞群のそれぞれで、 次に両群の総計で、Spearman の順位相 関解析を行った。いずれの解析におい てもP < 0.05 を統計的有意とした。 【結果】 表1は、両群の患者の要約統計と群 間比較の結果を示す。脳出血群(40 例 中 29 例)の男性比率は脳梗塞群(40 例中18 例)を上回った。脳梗塞群は、 糖尿病、脂質異常症、不整脈の併存率 がより高かった。一方、高血圧は脳出 血群でより併存率が高かった。麻痺側 上肢、手指、下肢の重症度に関して、 脳出血群は脳梗塞群より重篤であっ た。同様に総入院日数は脳出血群でよ り長かった。これらと合致して、rFA 値 は出血群で統計学的に有意に低かっ た。これらと対照的に、FIM 運動項目 について統計的優位差は検出されな かった。特筆すべきは脳梗塞群のFIM 運動項目データは脳出血群より広い 範囲に分布していたことである。 図2はrFA と帰結の指標の散布図と 相関を示している。出血群と梗塞群の 両方において、rFA は帰結の指標すべ てで統計的有意な相関を示した(表2)。 BRS の相関係数は 0.6 を超えており、 大脳脚rFA が上肢、手指、下肢機能と 密接に関連していることを示してい る。対照的に、FIM 運動項目の相関係 数は 0.338 から 0.445 であり、前述ほ ど明瞭ではなかった。上肢、手指、下 肢機能障害および総入院日数データ から、脳出血例がより重症(図2 と表 1)であることが示された。その一方、 rFA と帰結の相関は、脳出血群と脳梗 塞群とでほぼ同等であった(図2 と表 2)。しかし、この同等性はFIM 運動項 目ではそれほど明らかでなかった。 【考察】 脳卒中の運動関連の帰結に関する DTI 研究の殆どは、これまで病型別に 行われてきた。今回、筆者らの既報デ ータを用い、2 つの病型の系統立てた 比較を行った。その結果、臨床症状に 関して脳出血群は脳梗塞群より重篤 であったが、rFA と運動機能障害の相 関は双方ほぼ同等であることが示さ れた。 既存の運動機能障害に関する脳卒 中DTI 研究の多くで、皮質脊髄路の FA 値が神経線維変性の指標として用い られている。DTI-FA 値に関する基礎 的研究のひとつは、FA 値はセッショ ン間で再現性が高いことを報告して いる9)。別の基礎的研究は、FA 値は多 施設スキャナー間において再現性が 高いことを示している10)。解析の簡便 性と再現性のため、筆者らの研究グル ープは、コンピュータ・プログラミン グを用いてFA 値計算を自動化してい る。この点について、また別の既存研 究は、コンピュータ自動化で得られた FA 値と手動操作により得られた FA 値 は概ね一致することを報告している 11)。セッション、施設、計算手法の違 いに関わらず、FA 値の再現性は一貫 している。このことを考慮すると、本 稿の相関図(図2)はDTI による脳卒 中予後予測に広く役立つ参照となり うる。 BRS および総入院日数と比較して、 FIM 運動項目と rFA の相関は特異であ った。脳梗塞群のFIM 運動項目データ の分布は、脳出血群よりも広範囲であ った。糖尿病や心臓病(不整脈等)の 併存疾患は、脳出血例より脳梗塞例に おいてより多いことが知られている

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12)。筆者らのデータでも同様であった。 併存疾患は帰結に影響する因子であ ることから、脳梗塞患者のFIM 運動関 連項目データの分布がより広い理由 と考えうる。 この研究にはいくつかの限界があ る。これは後方視的研究であるため、 日本で広く使用されている BRS を帰 結指標のひとつとした。今後のより詳 細な研究には、Fugl-Meyer 評価13)等の 間隔尺度として解析できる指標を用 いるべきである。本研究のデータベー スにクモ膜下出血患者および脳幹/小 脳病変患者は含まれていない。これら 患者の症状は、重篤な意識障害や運動 失調などが特徴的で、本稿に示したテ ント上髄内病変患者の症状とかなり 異なっている。また、この研究は発症 前に日常生活動作が独立していた初 回脳卒中患者のみを対象としている。 この知見をより広い範囲の脳卒中患 者に当てはめるには慎重な検討が必 要である。 図1:脳出血の1 例と脳梗塞の 1 例。発症直後の CT および DWI 脳画像と発症 2 週間後の DTI-FA 脳画像(標準脳変換後)。文献5)より改変引用。

略号:CT, computed tomography、DTI, 拡散テンソル MRI 画像、DWI, 拡散強調 MRI 画像、FA, fractional anisotropy、ROI, regions of interest.

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2:帰結指標とrFA の相関。文献5)より改変引用。

略号:BRS, Brunnstrom stage、FIM, functional independence measure、rFA, ratio FA

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1. 患者背景 脳出血 (40 例) 脳梗塞 (40 例) P 値 年齢 31 - 89 (51.5, 62, 72.8) 41 - 84 (61, 69, 77) P = 0.0659 性別(男性/女性) 29/11 18/22 P = 0.0118 高血圧 37 26 P = 0.0019 糖尿病 3 10 P = 0.0300 脂質代謝異常 1 12 P = 0.0003 不整脈 2 10 P = 0.0093 非病巣半球FA 値 0.513 - 0.621 (0.548, 0.579, 0.596) 0.484 - 0.654 (0.552, 0.580, 0.603) P = 0.637 rFA 0.589 - 1.037 (0.767, 0.845, 0.943) 0.582 - 1.037 (0.881, 0.931, 0.971) P = 0.0012 BRS 上肢 1 - 6 (2, 4, 5) 1 - 6 (3, 5, 6) P = 0.0187 BRS 手指 1 - 6 (2, 4, 5) 2 - 6 (3, 4.5, 6) P = 0.0366 BRS 下肢 2 - 6 (3, 4, 5) 3 - 6 (4.3, 5, 6) P = 0.0003 FIM 運動項目 58 – 86 (74.3, 78, 80) 51 – 91 (70.3, 79.5, 84) P = 0.3700 総入院日数 42 – 225 (117.5, 175.5, 201) 45 – 196 (78.3, 130, 173.8) P = 0.0027 文献5)より改変引用。数値表記は最小値 - 最大値(第 1 四分位値、中央値、第 3 四分位値)。統計的有意は太字印字。

略号: FA, fractional anisotropy、rFA, 病巣半球と非病巣半球のFA比

2. rFAと帰結のSpearman順位相関係数 BRS 上肢 BRS 手指 BRS 下肢 FIM 運動項目 総入院日数 脳出血 0.695 (P < .0001) 0.763 (P < .0001) 0.653 (P < .0001) 0.445 (P = .0040) -0.649 (P < .0001) 脳梗塞 0.646 (P < .0001) 0.628 (P < .0001) 0.637 (P < .0001) 0.338 (P = .0331) -0.446 (P = .0039) 総計 0.699 (P < .0001) 0.719 (P < .0001) 0.696 (P < .0001) 0.364 (P = .0009) -0.606 (P < .0001) 文献5)より改変引用。統計的有意は太字印字。

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【参考文献】

1. Kim B, et al: Can Neurological Biomarkers of Brain Impairment Be Used to Predict Poststroke Motor Recovery? A Systematic Review. Neurorehabil Neural Repair 31: 3-24, 2017

2. Shinohara Y, et al: VII. Rehabilitation. J Stroke Cerebrovasc Dis 20: S145-180, 2011

3. Koyama T, et al: Outcome assessment of hemiparesis due to intracerebral hemorrhage using diffusion tensor fractional anisotropy. J Stroke Cerebrovasc Dis 24: 881-889, 2015 4. Koyama T, et al: Diffusion tensor

fractional anisotropy in the superior longitudinal fasciculus correlates with functional independence measure cognition scores in patients with cerebral infarction. J Stroke

Cerebrovasc Dis 26: 1704-1711, 2017 5. Koyama T, et al: Utility of fractional

anisotropy in cerebral peduncle for stroke outcome prediction: comparison of hemorrhagic and ischemic strokes. J Stroke Cerebrovasc Dis 28: In-press, 2018

6. Shinohara Y, et al: I. Stroke in general. J Stroke Cerebrovasc Dis 20: S7-30, 2011

7. Brunnstrom S: Motor testing procedures in hemiplegia: based on

sequential recovery stages. Phys Ther 46: 357-375, 1966

8. Heinemann AW, et al: Relationships between impairment and physical disability as measured by the

functional independence measure. Arch Phys Med Rehabil 74: 566-573, 1993 9. Lin CC, et al: Reproducibility of

corticospinal diffusion tensor tractography in normal subjects and hemiparetic stroke patients. Eur J Radiol 82: e610-616, 2013

10. Grech-Sollars M, et al: Multi-centre reproducibility of diffusion MRI parameters for clinical sequences in the brain. NMR Biomed 28: 468-485, 2015

11. Petoe MA, et al: A template-based procedure for determining white matter integrity in the internal capsule early after stroke. Neuroimage Clin 4: 695-700, 2014

12. Paolucci S, et al: Functional outcome of ischemic and hemorrhagic stroke patients after inpatient rehabilitation: a matched comparison. Stroke 34: 2861-2865, 2003

13. Fugl-Meyer AR, et al: The post-stroke hemiplegic patient. 1. a method for evaluation of physical performance. Scand J Rehabil Med 7: 13-31, 1975

図 2 : 帰結指標と rFA の相関。文献 5) より改変引用。
表 1.  患者背景 脳出血   (40 例)  脳梗塞   (40 例)  P  値  年齢  31 - 89 (51.5, 62, 72.8)    41 - 84 (61, 69, 77)    P = 0.0659  性別(男性 /女性)  29/11  18/22  P = 0.0118  高血圧  37  26  P = 0.0019  糖尿病  3  10  P = 0.0300  脂質代謝異常 1  12  P = 0.0003  不整脈  2  10  P = 0.0093  非病巣半球

参照

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