数学学習における「例づくり」に関する研究
85
0
0
全文
(2) 目. は. じ. め. に. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 次. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 1. …. 3. 序. 章. 本 研 究 の 主 題. と背 景. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. 4. 第1節. 本 研 究 の 主 題. 1.本. 研 究 の主 題. 2.本. 論 文 の構 成. 第2節. 第1章. 本研 究 の背 景. 例 示(exemplification)」. 2.「. 例 づ く り」 の 起 点. 3.「. 例 づ く り 」 とLGEs. 「例. づ. く. り 」. の 導 入. ●. ・ ・ ・. ●. ●. ●. ●. ●. ●. ・. ・ ・. ・. ・ …. 2ア. ル ゴ リズ ム の 使 用 に よる 例. 3自. 明 な例 複 数 の 例 の っ く らせ 方. ・ ・・ ・ ・…. の 例(another)は?"と. 2制. 約 を 追 加 す る方 法. 3属. 性 を 変 化 させ る 方 法. 予 想 さ れ る 「例 づ く り」 の 実 際 1文. 字 式 の 利 用 に 関 す る知 識. 2方. 程 式 の 利 用 に 関 す る知 識. 3立. 体 とそ の 計 量 に 関 す る知 識 の 評. 価. ●. ・. …12. ・. ・. ・. ・. …13. ・. ・. …17. ・. ・. …19. ・. ・. 繰 り返 す 方 法. 「例 づ く り 」 に よ る 数 学 的 知 識 の 定 着 と 深 化. た 例. ●. ・. ・. 行 錯 誤 に よ る例. ら れ. ●. ・. ・. 1試. く. ●. ・. ・-・. 例 づ く り」 の 特 徴. ●. ・. 。. 3「. つ. ●. ・ ・ ・・・ ・ ・・ ・ …. 例 づ く り」 の 目 的. 第1節. ●. ・. 2「. 1"別. ●. ・. 例 づ く り」 の 例. 第3節. ●. σ ・ ・ ・ ・ ・ …. ・・ ・ ・・ ・ …. 1「. 例 の っ く り方. ・ ・ …. に関す る研 究 の動 向. 「例 づ く り 」 の 基 礎. 第2節. 第2節. ・ …. 1.「. 第1節. 第2章. と 本 論 文 の 構 成. ・ ・. ・ ・. ・ ・ ・ ・ ・ …21. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …22. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. …28. ●. 6.
(3) 第3章. 「例 づ く り」 に よ る 数 学 的 知 識 の 構 成. 第1節. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …32. 1.「. 約 数 の 概 念 」 の 定 着 と深 化. 2.「. 素数 の概 念 」 の 導入. 3.誤. 答 の整 理. 4.さ. らな る例 づ く り. 5.帰. 納 的推 論 を促 す刺 激. 6.素. 数 へ の着 目. 7.約. 数 の 個 数 と素 数 の 関 係. 8.評. 価 方 法. 第2節 1.構 2.「. 第4章. 学 習 過 程 か ら見 た. 「例 づ く り 」 の 位 置 づ け. 例 づ く り」 の 役 割. 調 査 の 目的 と方 法. 1.調. 査 の 目的. 2.調. 査の方法. 第2節. 調 査 の 結 果 と考 察. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …43. 課題 にお け る作例 率. 2.課. 題1に. お け る 生 徒 の応 答. 3.課. 題2に. お け る 生 徒 の応 答. 4.課. 題3に. お け る生徒 の応 答. 5.全. 課 題 を通 した 考 察. 第1節. 本 研 究 の ま と め と今 後 の 課 題 本 研 究 の ま とめ. 章 の ま とめ. 2.全. 体 的 なま とめ. 第2節. 1.各. 今. 後. の 課. 題. ・ ・. ・ …41. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …42. 1.各. 章. ・ ・ ・ ・ ・ …39. 成 的 ア プ ロー チ に お け る学 習 過 程 へ の 対 応. 「例 づ く り 」 に 関 す る 生 徒 の 実 態. 第1節. 終. 授 業 展 開案. ・ ・31. ・ ・ ・ …54. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …55. ・. ・ ・ ・. ・ ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・ …9…58.
(4) お. わ. 引. 用. り. に. ・ 参. ・. 考. 文. ・. 献. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …59. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …60. 料 資 「例 づ く り 」 に 関 す る 生 徒 の 実 態 1 ア ン ケ ー ト調 査 用 紙 2 お け る生徒 の応 答. 課 題2に. お け る 生 徒 の応 答. 課 題3に. お け る 生 徒 の応 答. 3. 課 題1に. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …63. 4.
(5) は じめ に. 学 校 現 場 は 年 々 忙 し く な っ て い る 。 生 徒 や 保 護 者,地 を 増 し,事. 域 社 会 と の 関 係 は 困難 さ. 務 処 理 は 煩 雑 に な る ば か りで あ る。 これ ら を は じ め とす る学 校 現 場 の. 多 忙 化 に つ い て は,新. 聞 や テ レ ビ な ど で 問題 視 され る こ と が あ る。 学 校 が 果 た さ. な け れ ば な ら な い 課 題 は 山 積 し て お り,そ. れ ら の 精 選 が 必 然 的 に 望 ま れ る が,そ. の 余 地 は あ る の だ ろ うか 。. この 学 校 現 場 の多 忙 化 に よ る影 響 の1っ. と して,教. 材 研 究 に対 して十 分 な時 間. を費 や せ な くな っ た こ とが 挙 げ られ よ う。 これ は公 立 中学 校 に籍 を置 く筆 者 の経 験 に基 づ く。 授 業 の空 き時 間 や放 課後 は,生 徒 指 導 や 部 活 動 の指 導 な ど,生 徒 と 直 接 応 対 しな けれ ば な らな い 場 面 が優 先 され る。 さ らに,各. 種 の会 議 の 時 間 も積. 算 す る と相 当 な もの に な る。 教材 研 究 は これ らの合 間 を縫 っ て行 うよ うな もの で あ った が,学. 校 現 場 の多忙 化 に よって その 合 間 が埋 め尽 く され た観 が あ る。 多 く. の教 師 は教 材 研 究 を十 分 に 行 えな いま ま,日 うか。 ま た,筆. 者 の所 属 す る県 や 市の教 科 等研 究会 で は,研. 編 纂 な どが 毎 年 行 われ るが,そ. 校 内 に 限 らず,学. くの 教 師 が 出 張 で き な い の で あ る。 この こ. 校 外 で も教 師 間の意 見交 流 が希 薄 に な っ て い る状 況 を. 示 して い る。 教 師 に とって,教 る。 そ のた め に は,教. 究授 業や 研 究 紀 要 の. こに参 加 す る教 師 の人 数 が減 っ て い る。 そ の原 因. はや は り学 校 現 場 の多 忙 化 の た め,多 とは,学. 々 の授 業 に 臨 ん で い るの で は なか ろ. 科 指導 の力 量 を向上 させ る こ とは重 要 な任 務 で あ. 材研 究 や教 師間 の意 見 交流 の時 間 を確 保 す る こ とが 必須 で. あ ろ う。 しか し,学 校 現 場 の 労働 環境 は厳 しく,即 座 の改 善 は期 待 で き ない。 教 材 研 究 や 教 師 間 の意 見 交 流 を よ り充実 した もの にす る た め に は,捻. 出 で きた僅 か. な時 間 を最 大 限 に活 用 す る工 夫 を考 え なけれ ば な らない 。. こ の よ う な 問 題 意 識 は,暗 っ か け と し て,筆. 谷 眞 也 先 生 か ら紹 介 し て い た だ い た 下 記 の 論 文 を き. 者 の 中 に 顕 在 化 した 。. Hazzan,0.&Zazkis,R.(1999), APerspectiveon"GiveanExample"TasksasOpportunities toConstructLinksAmongMathematicalConcepts. Foeuso刀. 五 θ∂■rniηgProbL1θ. ヱnsin/lfathθmatゴoθ,Vol.21(4),PP.1-14.. ・1・.
(6) 筆 者 の 目 に は"GiveanExample"が. 新 鮮 な フ レ ー ズ に 映 っ た 。 「… の 例 を 挙 げ. な さ い 」 と い う課 題 に つ い て 考 え る こ と は,教 か,教. 師 間 の 意 見 交 流 を 促 さ な い か な ど,教. じ た 。 つ ま り,学. 材 研 究 の 新 た な切 り 口 とな ら な い 科 指 導 に 対 す る 潜 在 的 な 可 能 性 を感. 校 現 場 の 多 忙 化 に 対 処 す る,1つ. の 視 点 を得 た よ うに思 われ た. の で あ る。. 本 研 究 の タ イ トル に あ る 「例 づ く り」 と は,「 … の 例 を つ く り な さ い 」 と い う課 題 を 出 発 点 と す る 学 習 を 指 す 。 こ の 言 葉 は,暗 だ い た 結 果,採. 谷 ゼ ミの み な さん に 検 討 して い た. 用 し た も の で あ る 。 「例 づ く り」 の`例'と. ら か の 数 学 的 知 識 を 表 す 。 結 城(2007)は. は,端. 的 に 言 う と,何. 『数 学 ガ ー ル 』 と い う著 作 の 中 で,数. 学 的 知 識 に つ い て 理 解 し た か ど う か を 自 分 自 身 で 確 か め る 方 法 と し て,そ. の著 作. の 登 場 人 物 に 次 の よ うな 台 詞 を 言 わせ て い る。 「た と え ば,適. 切 な 例 を 作 る こ とで 理 解 を 確 か め よ う。 《例 示 は 理 解 の 試 金. 石 》 だ 。 例 示 は 定 義 じ ゃ な い け れ ど,適. 切 な 例 を 作 る の は 良 い 練 習 だ よ」 (結 城,2007,p.18). こ れ は,数. 学 的 知 識 の 理 解 を 図 る 上 で,そ. る こ と を 示 唆 し て い る 。 本 研 究 で は,こ. の`理. の例 をつ くる こ とは有 効 な方 法 で あ 解'を`定. で 捉 え る 。 「例 づ く り」 の 意 義 を 考 察 す る に は,2つ の. 着 と 深 化'と. い う側 面. の 点 が 考 え ら れ る 。1つ. 「数 学 的 知 識 の 定 着 と 深 化 を 図 る 」 と い う 点 で,も. う1つ. は. はこ. 「数 学 的 知 識 の 構. 成 を 図 る 」 と い う点 で あ る。 本 研 究 は,「 例 づ く り 」 の 意 義 を 明 ら か に し,実. 践 へ 向 け た 基 盤 を築 く こ とを 目. 指 した も の で あ る 。. 2008年12月22日. 川. ・2・. 内. 充. 延.
(7) 序. 章. 本 研 究 の 主 題 と背 景. 本 章 で は,本 の 効 果,本. 研 究 の 主 題 と して,「 例 づ く り」 に お け る`例'の. 研 究 の 目 的 を 述 べ る 。 さ ら に,本. 理 論 的 な示 唆 に 富 む. 「例 示(exemplification)」. の 理 解 に お い て 例 を つ く る こ と を 主 張 した て. 「例 づ く り 」 の 実 践 的 な 示 唆 に 富 むLGEsに 本 章 の 構 成 は,以. 第1節. 捉 え方 や 実 践 上. 研 究 の 背 景 と し て,「 例 づ く り」 へ の に 関 す る 研 究 の 動 向,数. 「例 づ く り」 の 起 点 と な る 文 献,そ つ い て,そ. の 概 要 を述 べ る。. 下 の 通 り で あ る。. 本 研 究 の 主題 と本 論 文 の 構 成 1.. 本研 究の主題. 2.. 本論 文の構成. 第2節. 本 研 究 の 背 景 1.. 「例 示(exemplification)」. 2.. 「例 づ く り 」 の 起 点. 3.. 「例 づ く り 」 とLGEs. ・3一. 学 的知識. に 関 す る研 究 の 動 向. し.
(8) 第1節. 本研 究 の主題 と本論文 の構成. 本 節 で は,「 例 づ く り」 が 従 来 の 数 学 学 習 に お け る`例'の. 捉 え方 を転 換 した もの で. あ る こ と を 述 べ る 。 そ して,「 例 づ く り」 の 実 践 上 の 効 果 を 踏 ま え た 上 で 本 研 究 の 目 的 を 提 示 し,本 論 文 の 構 成 を 述 べ る。. 1.本. 研 究 の主題. 教 師 が 例 を 挙 げ,そ. れ に 説 明 を 加 え る 。 そ の 後,生. は 学 習 内 容 の 理 解 を 図 る 上 で,典 も,例. 徒 た ち は 類 題 に 取 り組 む 。 これ. 型 的 な 授 業 の 進 め 方 で あ る。 ま た,教. 科 書 を開いて. が 示 さ れ た 後 に 類 題 が 配 置 され て い る こ と が 容 易 に 分 か る 。 こ う した 授 業 や 教. 科 書 の 展 開 は,教 師 の み な ら ず 生 徒 に と っ て も 馴 染 み が あ る だ ろ う。Hazzan&Zazkis (1999)は,こ. の よ うな 例. か らの 学習. 6っ て の 学 習 〔leamingwithexamples〕 (2005)の. 〔learningfromexamples〕. 言 葉 を 借 り る と,例 を 理 解 す る こ と 〔makingsenseofexamples〕. か ら,理. へ の 転 換 で あ る。. で ら っ で の 学 習 に は 実 践 面 に 即 応 し た 活 用 が 期 待 さ れ る 。 そ し て,教. で の 経 験 を 土 台 に で き る こ と も 利 点 と な る だ ろ う。 な お,本 対 して否 定 的 な 立場 を とる も ので は ない 。 例 で,効. で. の 重 要 性 を 強 調 す る 。ま た,Watson&Mason. 解 す る た め に 例 を っ く る こ と 〔creatingexamplestomakesense〕 例. に 対 して,例. 研 究 は例. 師 の これ ま. か らの 学 習 に. か らの 学 習 は数 学 的知 識 を獲 得 す る上. 率 的 な方 法 で あ る。. 本 研 究 は,例 と す る,例. か ら の 学 習 を 踏 ま え,「 … の 例 を つ く りな さ い 」 と い う課 題 を 出発 点. で ち っ τの 学 習 に 焦 点 を 当 て る。 課 題 の 内 容 に よ っ て は,「 例 を つ く る 」. と い う よ り,「 例 を 挙 げ る 」,「例 を 求 め る 」,「例 を 見 っ け る 」 な ど の 表 現 の 方 が 適 切 な 場 合 が あ る 。 本 研 究 で は,こ. れ らの表 現 を含 め て. 「 例 づ く り」 と す る。 筆 者 の 知 る 限. り,我 が 国 で は 「 例 づ く り」 に 関 す る研 究 や 実 践 は あ ま り報 告 され て い な い 。 そ れ 故, 我 が 国 の 数 学 学 習 に 対 し て 新 しい 視 点 を 投 げ か け ら れ る の で は な い か と考 え て い る。 海 外 の 先 行 研 究 で は,生. 徒 に 例 を つ く ら せ る こ と で,授. と が 期 待 で き る と 記 さ れ て い る 。Butts(1982)は,「 (scavengerhunt)」(p.111)に. 喩 え て い る 。 こ の`借. 業 へ の 積 極 的 な参 加 を促 す こ 例 づ く り」 を. り物'と. は`既. 「借 り 物 競 争. 習 の 数 学 的 知 識'. と推 測 され る 。 こ れ は,「 例 づ く り」 が 既 習 の 数 学 的 知 識 を 振 り返 る 機 会 を 与 え,生 徒 の 競 争 心 を 煽 る よ う な 効 果 が あ る こ と を示 して い る 。 ま たBratina(1986)は,「. 例づ. く り」 が. 「 応 答 に 関 し て 従 来 の 方 法 を 拒 絶 す る 生 徒 た ち を や る 気 に さ せ る だ ろ う」. (p.525)と. 述 べ て い る。 さ ら にWatson&Mason(2005)は,「. 一4一. 標 準 的 な授 業 の課 題 に.
(9) お い て 簡 単 な 変 更 を 加 え る こ と で,い き で あ る 」(p.x)と. か に 学 習 者 が 活 気 づ け られ,興. 述 べ て い る。 こ こで,`簡. 単 な 変 更'と. 味 を持 っ か が驚. は 「… の 例 を っ く り な さ い 」. と い う課 題 形 式 へ の 変 更 を 指 し て お り,彼 女 ら は 「例 づ く り」 が 効 果 的 な 教 授 方 略 に な る こ と を 主 張 して い る。 「 例 づ く り」 の 意 義 を 考 察 し,実 践 へ 向 け た 基 盤 を 築 く に は,数 深 化'と`構 の2つ. 成'と. い う2つ. 学 的 知 識 の`定. 着 と. の 点 に っ い て 評 価 す る 必 要 が あ る 。 本 研 究 の 目 的 は,こ. の 点 に 立 ち,「 例 づ く り」 の 意 義 を 考 察 す る こ と で あ る 。 ま た,こ. れ らに 付 随 し. て,《 「例 づ く り」 を 数 学 学 習 に 導 入 す る 際 の 基 礎 的 な 事 項 は 何 か 》 に つ い て 整 理 し, 《生 徒 は ど の よ う に し て 例 を つ く る か 》 と い う 「例 づ く り」 に 関 す る 生 徒 の 実 態 に つ い て 考 察 す る こ と も挙 げ て お く。. 2.本. 論 文 の構 成. 本 論 文 は,6つ る`例'の. の 章 か ら 成 る 。 本 節 で は,「 例 づ く り」 が 従 来 の 数 学 学 習 に お け. 捉 え 方 を 転 換 した も の で あ る こ と を 述 べ,本. 次 節 で は,本. 研 究 の 目的 を 提 示 した 。. 論 文 の 背 景 と し て,「 例 示(exemplification)」. に 関 す る 研 究 の 動 向,「 例. づ く り」 の 起 点 と 考 え られ る 見 解,「 例 づ く り」 の 実 践 へ 向 け た 示 唆 に 富 むLGEsに. つ. い て述 べ る。 第1章. で は,実. つ い て,先. 践 の場 に 「 例 づ く り」 を 導 入 す る 際 に 踏 ま え な け れ ば な ら な い 点 に. 行 研 究 の 概 要 と そ の 考 察 を 述 べ る 。 第1節. 項 を 取 り上 げ る 。 第2節. で は 学 習 者 の 立 場 か ら,第3節. では 「 例 づ く り」 の 基 礎 的 な 事 は 指 導 者 の 立 場 か ら,「 例 づ く. り」 を 捉 え る。 第2章. で は,「 例 づ く り」 の 意 義 の1つ. であ る 「 数 学 的 知 識 の 定 着 と深 化 を 図 る 」 と. い う点 に つ い て 考 察 す る 。 第1節. で は,先. 実 際 を 推 測 す る 。 第2節. く られ た 例 の 評 価 に つ い て 述 べ る 。. 第3章. で は,つ. 行 研 究 に 見 ら れ る課 題 か ら 「 例 づ く り」 の. で は,「 例 づ く り」 の 今1つ. の意義 であ る 「 数 学 的 知 識 の 構 成 を図 る」 とい. う点 に っ い て 考 察 す る 。 こ こ で は,構. 成 的 ア プ ロー チ を 実 現 す る た め の 「例 づ く り」. の授 業 例 を提 示 す る。 第4章. で は,こ. れ ま で の 我 が 国 の数 学 学 習 に お い て,「 例 づ く り」 が あ ま り 見 受 け. ら れ な い 状 況 か ら,「 例 づ く り」 に 関 す る 生 徒 の 実 態 を 調 査 し,そ 終 章 で は,各. 章 の 内 容 及 び 全 体 的 な ま と め を 行 い,今. 一5・. の 結 果 を 考 察 す る。. 後 の 課 題 を 述 べ る。.
(10) 第2節. 本研 究 の背景. 本 節 で は,本. 研 究が. 「 例 示(exemplification)」. と い う研 究 分 野 の 中 で 論 じ られ,そ. の 研 究 の 広 が りや 深 ま りが 今 後 も 期 待 で き る こ と を 述 べ る 。 そ し て,「 例 づ く り」 の 起 点 と考 え られ る 見 識 と 「 例 づ く り」の 実 践 へ 向 け た 示 唆 に 富 むLGEsに. っ い て 取 り上. げ る。. 1.「. 例 示(exemplification)」. 2005年6H、. に 関 す る研 究 の 動 向. オ ッ ク ス フ ォ ー ド(イ. (exemplification)」. ギ リ ス)に. て 、 数 学 教 育 に お け る 「例 示. に 関 す る論 点 の概 説 を試 み る小 会 議 が 開 か れ た。この 小 会 議 に は 、. イ ギ リ ス 、 イ ス ラ エ ル 、 チ ェ コ 共 和 国 、 ア メ リカ 、 カ ナ ダ の5力 究 者 が 参 加 し 、7っ ェ コ 共 和 国)に. 国 か ら計15名. の研. の セ ッ シ ョ ン に 分 か れ て 議 論 が 交 わ され た 。そ の 翌 年 、 プ ラ ハ(チ. て 、 数 学 教 育 お け る 心 理 学 に 関 す る 国 際 会 議(PME)が. 時 点 ま で の 数 学 教 育 に お け る`例'に. 関 す る 研 究 が,オ. 行 わ れ,こ. の. ッ ク ス フ ォ ー ドで の 小 会 議 を. も と に し て 総 括 され る 形 と な っ た 。 そ の 報 告 書 の 冒 頭 に は 、 「 例 示(exemplification) に 関 す る 論 点 は 数 学 の あ ら ゆ る 種 類 の 約 束 事 に 関 連 が あ る 」(Bills,Dreyfus,Mason, Tsamir,Watson&Zaslavsky,2006,p.126)と tion)'と. は,数. 述 べ られ て い る 。`例 示(exemplifica・. 学 の 教 授 ・学 習 に お け る`例'の. 使 用 全 般 を 指 す 概 念 で あ り,こ の 国. 際 会 議 を も っ て 研 究 分 野 と して 確 立 され た 。 そ の 後,イ 重 要 な 分 野 で あ る と認 め ら れ,今 告 書 で は,歴. 史 上,理. に お け る`例'が. 論 上,教. タ リア の 研 究 者 グル ー プ に も. なお 研 究 の広 が りを見 せ て い る。 先 の 国 際 会 議 の 報. 師,学. 習 者,研. 究 者 と い う5っ. の 見 解 か ら,数. 学教育. 考 察 され て い る。 本研 究 の 「 例 づ く り」 に 関 連 す る 記 述 は,「 学 習 者. の 見 解 か ら の 例 」 と い う章 の 中 で 取 り上 げ られ て い る。 そ こ で は,「 学 習 者 は 例 を つ く る こ と で,起 と 述 べ られ,こ. こ り う る 変 動 の 局 面 とそ れ に 対 応 す る 変 化 の 許 容 範 囲 に 気 付 く 」(p.143) の こ と が 今 後 の 研 究 課 題 の1つ. 提 示 され て い る 。 こ れ は,学. 習 者 が つ く る 例 に 対 して,そ. 上 で あ る こ と を 表 して い る 。 本 論 文 で は 第4章. 2.「. で も あ る(p.148)と,報. 告 書 の 最後 に. の 実 態 調 査 や 考 察 が未 だ途. で これ に 関 して触 れ る こ と に な る。. 例 づ く り」 の 起 点. 」.ボル ト(1981)は,子. ど も た ち の 学 習 を 詳 細 に 観 察 す る 中 で,子. 事 柄 を 理 解 し て い る か ど うか を確 か め る た め に,下. ・6一. ど もた ち が あ る. 記 の リス トを 示 し た 。 こ れ に よ っ.
(11) て,彼. は み か け の 学 習(apρarentlearning)に. 対す る 真. の 学 習(rea!learning)を. 見. 出 そ う と した。. (1)自. 分 自身 の 言 葉 で 言 い表 わ す. (2)そ. の例 を挙 げ る. (3)い. ろ い ろ な 異 な っ た 外 観 や 状 況 の も と で,そ. (4)そ. れ と他 の 事 実 や 概 念 との 間 の 関係 が わ か る. (5)種. 々 の 仕 方 で そ れ を使 う. (6)そ. れ の さ ま ざ ま な 帰 結 の うち の い く っ か を 予 測 す る. (7)そ. れ の 反 対 や 逆 を述 べ る. れ を そ れ と認 め る. (J.ホ. 原 著 は1964年. ル. ト,1981,pp.140-141). に 刊 行 さ れ て い る。J.ホ ル トの`理 解'に 対 す る視 点 は,上 記(2). よ り 「 例 づ く り」 に 関 連 す る 初 期 の 文 献 に な る と も 考 え られ る 。 さ ら に,彼 に つ い て,次. 識'. の よ う に 述 べ て い る。. 知 識 の 一 分 野 と は,数 学 で も,英 語 で も,歴 史,科 一つの領 域 であ り. ,そ れ を 知 る と い う こ とは,た. 細 目 を 知 る と い う こ と で は な く て,そ さ れ,ど. は`知. 学,音. 楽,そ. の 他 何 で あ れ,. だ 単 にそ の領 域 内 の あ らゆ る. れ ら が 互 い に ど う関 連 し合 い,ど. う比 較. う調 和 し合 う か を 知 る こ と な の だ 。 (J.ホ. 「例 づ く り 」 で は,様. ル. ト,1981,pp.143). 々 な 数 学 的 知 識 が リ ン ク す る こ と に よ っ て 例 が つ く られ る と い. う捉 え 方(Hazzan&Zazkis,1999)が. あ り,上. 述 の 見解 に 通 じ る も の が あ る。. ま た,Bills&Watson(2008)は,Sowder(1980)が. 数 学 教 育 に お け る`例'に. る 研 究 に つ い て 再 検 討 を 行 っ て 以 来,`例'の 今 な お 続 い て い る(p.77)と. 役 割,選. 択,デ. ザ イ ン,使. 述 べ て い る 。 こ の こ と か ら,Sowder(1980)の. 関す. 用へ の関心が 論 文 も 「例. づ く り 」 に 関 連 す る 初 期 の 文 献 と し て 位 置 づ け ら れ よ う。 彼 は,数. 学 学 習 に お け る`概. 念'の. 見 解 を も と に し て,. 発 達 の レ ベ ル を,K[ausmeier,Ghatala&Frayer(1974)の. 下 記 の よ うに ま と め た 。. ・7・.
(12) 数 学 学 習 に お け る`概 レ ベ ル1(具. 念'の. レベ ル. 体 的 レ ベ ル) 生 徒 が 以 前 に 経 験 し た 例(example)を. 認 識 す る。. ※ た と え ば,あ る 子 ど も が 昨 日示 され た"台 "台 形"と 言 う 状 態 を指 す 。. レベ ル2(同. 形"を. 見 た と き,そ. の子 ど もが. 一 視 的 レベ ル) レベ ル1に. 加 え て,例(example)が. 観 察 され た り,異. ※ た と え ば,後. 間 的 に異 な る観 点 か ら. な る様 式 の 中 で 感 じ られ て も,生. た 例(example)を 、. 空 間 的,時. 徒 が 以 前 に 出会 っ. 認 識 す る。 に な っ て,そ. の 図 形 を 横 に ひ っ く り返 し て も な お,子. ど もが. そ の 図 形 を 台 形 と呼 ぶ 状 態 を 指 す 。 レ ベ ル3(類. 別 的 レ ベ ル) レ ベ ル1と2に. 加 え て,生. 徒 が 例(examples)と. 非 例(nonexamples). を 区別 す る こ とが で きる。 ※ た と え ば,あ. る 子 ど も が い ろ い ろ な 図 形 の 中 か らす べ て の 台 形 を 選 び 出 す. 状態 を指す。 レ ベ ル4(形. 式 的 レ ベ ル) レ ベ ル1,2,3に. 加 え て,生. 徒 が そ の 概 念 の 定 義 を 述 べ る こ とが で. き る。 (Sowder,1980,p.245). そ し て,彼. は こ の モ デ ル に,生. レ ベ ル3.5(生. 徒 が 例 を つ く る と い う次 の 観 点 を 付 け加 え た 。. 産 的 レ ベ ル) レ ベ ル1∼3に く る,(b)そ. 加 え て,生. 徒 が(a)そ. の 概 念 の1つ. の 概 念 の 新 し い 例(example)を. の 例(example)を. っ. つ く る こ とが で き る。 (Sowder,1980,p.246). こ れ よ り,「 例 づ く り」 が`概. 念'の. 発 達 の レベ ル で は 高 位(レ. ベ ル3.5)の. 活動. と な り,概 念 の 形 式 化 へ 向 け た 橋 渡 し役 で あ る こ と が 示 唆 さ れ る 。 さ ら に 彼 は,数. 学 学 習 に お け る`原. と い う 立 場 に 立 ち,こ に 示 し た 。 な お,`原 と き … で あ る"と. の`原 理'の. 理'の. 理'は2つ. 以 上 の 概 念 を 必 要 とす る 関 係 で あ る. 発 達 に つ い て も5つ. 叙 述 は,"も. し … な ら ば"と. い う 部 分("then"part)か. の レ ベ ル を 設 け,下 い う 部 分("if'part)と"そ. ら成 る も の とす る 。. ・8・. 記 のよ う の.
(13) 数 学 学 習 に お け る`原 レベ ル1. 理'の. 発 達 の レベ ル. 学 習 者 が 原 理 の 特 殊 な 実 例(instance)に. お い て"そ. の と き … で あ る". と い う部 分 を 観 察 す る。 ※ た と え ば,学. レベ ル2. 習 者 が 正 三 角 形 に お い て 等 しい 角 に気 付 く状 態 を 指 す。. 学 習 者 が 新 し い 実 例(instance)に 部 分 を 適 用 す る(一 ※ た と え ば,必. 対 し て"そ. の と き … で あ る"と. い う. 般 化 す る)。. ず し も3辺. が 等 し く な い,別. の 三 角 形 に お い て,角. が 等 しい. こ とを 明 らか にす る状 態 を指 す 。 レベ ル3. 学 習 者 が"も. し … な らば"と. を 類 別 す る(正. い う部 分 を 満 た す 場 合 と満 た さ な い 場 合. 確 に 一 般 化 す る)。. ※ た と え ば,角 が 等 しい こ と を 明 らか にす る前 に,学 習 者 が 等 しい 辺 に 関 し て 確 認 す る状 態 を指 す 。. レベ ル4. 学 習 者 が 特 殊 な 実 例(instance)を ※ た と え ば,学. つ く る。. 習 者 が 正 三 角 形 を ス ケ ッチ し,そ. の とき角 が等 しい こ とを 明. らか に す る状 態 を指 す。 レベ ル5. 学 習 者 が 原 理 を 述 べ る。 ※ た とえ ば,「 正 三角 形 な らば,3つ す 。(こ の 部 分 は,原. の 内 角 は 等 しい 」 と述 べ られ る状 態 を 指. 著 に は 明 記 さ れ て い な か っ た の で,筆. 者 が 推 測 した こ. と を 付 け 加 え た 。) (Sowder,1980,p.247). こ れ よ り,「 例 づ く り」 が`原. 理'の. 発 達 の レベ ル で も 高 位(レ. ベ ル4)の. 活 動 とな. り,原 理 の 形 式 化 へ 向 け た 橋 渡 し役 で あ る こ と が 示 唆 され る 。 こ こ で,`概. 念'の. ベ ル で は"instance"を"実 と"実. 例"の. 発 達 の レ ベ ル で は"example"を"例"と,`原 例"と,便. 関 係 と 同 様 に,英. 宜 的 に 訳 し 分 け て い る が ,日. 語 に お い て も"example"と"instance"に. を 見 つ け る こ と は 難 し い 。Sowder(1980)は "instance"を `原 理'の. 区 別 し な くて も. ,混. 念'と`原. 理'は. 本 語 に お け る"例" 明 確 な差 異. 乱 が 生 じ な い と 捉 え て い る 。 こ れ は ま た,`概 ,そ. 念'と. の 区別 をつ け な くて も混 乱 が 生. じ な い と も 換 言 で き る 。 数 学 学 習 で は 様 々 な 種 類 の`例'が で 触 れ る こ と に な る が,Sowder(1980)の`例'の. 礎 と な る 。 「例 づ く り 」 で は,何. 発 達 の レ. ほ と ん ど の 文 脈 で は"example"と. 明確 な差 異 を 見 つ け る こ とは難 しい が. っ い て は 第1章. 理'の. 考 え られ る 。 そ の 内 容 に 捉 え は本 研 究 の 基. に つ い て の 例 を つ く る の か が 問 わ れ る 。 そ の と き,`概. 重 要 な 視 点 とな る 。. ・9・.
(14) 3.「. 例 づ く り」 とLGEs. Watson&Mason(2005)は,数 略 をLGEsと. 学 学 習 に お い て 生 徒 に 例 を つ く らせ る と い う教 授 方. 表 す 。LGEsと. はLearner-GeneratedExamplesを. る 。 彼 女 ら は こ の 教 授 方 略 に っ い て,理 る 。 そ し て,地. た だ し,「 例 づ く り」 とLGEsと は,前. 論 と 実 践 の 両 面 か ら継 続 的 な 研 究 を 行 っ て い. 元 の 学 校 現 場 の 教 師 と と も に,LGEsを. め よ う と し て い る 。 本 研 究 はLGEsに. 略記 した もの で あ. よ り現 実 的 な 教 授 方 略 へ と 高. 関 す る研 究 成 果 か ら 数 多 く の 示 唆 を 得 て い る。. で は例 の捉 え方 が 異 な る。 本 研 究 の. 「例 づ く り」 で. 項 で 述 べ た 概 念 と原 理 に 関 す る 例 を っ く る と い う活 動 に な る が,LGEsで. を 捉 え る 範 囲 が 広 が る 。た と え ば,Watson&Shipman(2008)は,LGEsの multiplication"を. 利 用 し,そ れ に 当 て は め た2項. る 。"gridmultiplication"と. は例. 中 で"grid. 式 ど う しの 掛 け 算 の 問 題 を 扱 っ て い. は 次 の よ うな 表 で,イ. ギ リ ス で は2桁. の 整 数 や2項. 式 ど. う し の 掛 け 算 な ど の 学 習 に よ く用 い られ る。. ×. 6. 十y. 3. 十y こ れ は,"gridmultiplication"の め た も の で,(6+y)(3+y)と 計 算 問 題,つ. ま り,2項. 横 の 欄 に6と+yを,縦. の 欄 に3と+yを. い う計 算 問 題 と な る 。 こ の(6+y)(3+y)と 式 ど う し の 掛 け 算 の 問 題 が 例 と し て 捉 え られ る 。LGEsで. そ の よ う な 例 を っ く る こ と も含 ま れ る た め,本 る 。 ま た,Zazkis&Leikin(2007)は,「. 研 究の. い う は,. 「 例 づ く り」 と は 異 な る 点 が あ. 異 な る方 法 で 解 く こ と が で き る 問 題 の 例 を っ. く り な さ い 」 と い う課 題 を 扱 っ て い る 。 一 例 と して は,2次. 方 程 式 の 解 法 に お い て,. 因 数 分 解 、 平 方 完 成 、 解 の 公 式 に よ る 方 法 に 関 す る 問 題 が 挙 げ られ る。 こ の`問 例'と. 当て は. 題 の. い う表 現 は 「問 題 づ く り」 の 文 脈 で も 捉 え ら れ る 。 前 掲 の(6+y)(3+y)と. い う計 算 問 題 も 同 様 で あ る 。 本 研 究 は 「 例 づ く り」 の 意 義 や 特 徴 な ど を 明 確 に す る た め に,「 問 題 づ く り」 と は 一 線 を 画 す る 。 よ っ て,`問. 題 の 例'は. 本研 究 の 「 例 づ く り」. か ら除 外 さ れ る 。 筆 者 は,僅 か な 回 数 で は あ る が,LGEsの. 研 究 者 の 一 人 で あ る ア ン ワ トソ ン 先 生 と. 電 子 メ ー ル で お 互 い の 情 報 や 意 見 を 交 換 した こ とが あ る。ア ン ワ ト ソ ン 先 生 に よれ ば, LGEsは. イ ギ リ ス で 広 く認 知 さ れ て お ら ず,実. よ う な 状 況 の 中,ア. 践 者 も少 な い と い う こ と で あ る。 そ の. ン ワ トソ ン 先 生 の 紹 介 に よ り,2008年10月. 一10一. に イ ギ リス の オ.
(15) ッ ク ス フ ォ ー ド州 に あ る2つ. の 中 等 教 育 学 校(11歳. か ら17歳. ま で の 生 徒 が 通 う). を 訪 問 す る 機 会 を 得 た 。1つ. は 北 部 に 位 置 す る ゴ ス フ ォ ー ド ヒル. ス ク ー ル,も. う1. っ は 南 部 に 位 置 す る フ ィ ッ ツ ハ リ ー ズ ス ク ー ル で,両 校 と も 一 般 的 な 公 立 学 校 で あ っ た 。 筆 者 は 計26時. 間 の 数 学 の 授 業 を 観 察 す る こ と が で き た 。 そ の と き のLGEsに. す る 授 業 場 面 の1つ. に,前. 時 ま で の 復 習 を 兼 ね た 形 で,「xニ6と. く り な さ い 」 と い う課 題 が,本 後,学. 関. な る方 程 式 の 例 をっ. 時 の 導 入 時 に 提 示 さ れ た 。 生 徒 た ち は 約5分. 間 考 えた. 級 全 体 の 場 で 発 表 し た 。 次 の 方 程 式 が 生 徒 た ち か ら得 ら れ た 例 で あ る 。. 2x+1=13. !・32(。+3)-183(x+53)=177. 6x=36. 2. 5(x+1)=35. 4(x+4)=60. 5(j)c+7)=654(x+5)=44x3ニ216. こ の よ うな 授 業 場 面 は 本 研 究 の. 「 例 づ く り」 に 相 当 す る 。 当 然 の こ と な が ら,日. の 数 学 学 習 に 適 応 す る よ う に 工 夫 や 改 善 が 必 要 と な る が,LGEsに つ い て 今 後 も 継 続 的 に 考 察 す る こ と は,本. 研 究の. が る だ ろ う。. 一11一. 本. 関 す る授 業 場 面 に. 「 例 づ く り」 を 発 展 させ る こ と に 繋.
(16) 第1章. 「例 づ く り 」 の 導 入. 本 章 で は,実 に つ い て,先. 践 の場 に. 「例 づ く り 」 を 導 入 す る 際 に 踏 ま え な け れ ば な ら な い 点. 行 研 究 の 概 要 と そ の 考 察 を 述 べ る 。 第1節. 的 な 事 柄 を 取 り 上 げ る 。 第2節. では. で は 学 習 者 の 立 場 か ら,第3節. 「 例 づ く り」 の 基 礎 は 指 導者 の 立場 か. ら,「 例 づ く り 」 を 捉 え る 。 本 章 の 構 成 は,以. 下 の 通 り で あ る。. 「例 づ く り」 の 基 礎. 第1節 1.. 「例 づ く り」 の 例. 2.. 「例 づ く り」 の 目的. 3.. 「例 づ く り」 の 特 徴. 第2節. 例 の つ く り方 1 .試. 行 錯 誤 に よ る例. 2 .ア. ル ゴ リズ ム の 使 用 に よ る例. 3 .自. 明 な例. 第3節. 複 数 の 例 の つ く らせ 方 1."別. の 例(another)は?. 2.制. 約 を追加 す る方 法. 3.属. 性 を 変 化 させ る 方 法. 一12・. と繰 り返 す 方 法.
(17) 第1節. 「例 づ く り」 の 基 礎. 本 節 で は,数 つ い て,先. 1.「. 学 学 習 に 「例 づ く り」 を 導 入 す る 際,指. 行 研 究 を 概 観 し な が ら,そ. 導 者 が 踏 ま え て お くべ き 点 に. の考 察 を述 べ る。. 例 づ く り」 の 例. オ ー ソ ド ッ ク ス な 数 学 の 授 業 は,ま ら 始 ま る だ ろ う。 そ の と き の 例 は,教. ず 教 師 が 例 を 挙 げ,そ. れ に説 明 を加 え る こ とか. 科 書 か ら抜 き 出 した も の や 教 師 が 独 自 に 考 え た. も の な ど,授 業 の ね らい を 達 成 す る た め の 重 要 な トピ ッ ク と な る 。当 然 の こ と な が ら, そ の ト ピ ッ ク は 授 業 ご と に 異 な る 。 単 な る 計 算 問 題 の 時 も あ れ ば,難 問 題 の 時 も あ ろ う。 ま た,コ る 例 の よ う に,黒 な 例 が,様. ン ピ ュ ー タ ー や ジ オ ボ ー ドな ど の 教 具 に よ っ て 提 示 され. 板 に か か れ る も の ば か りで も な い 。 こ の よ う に,数. 学 学 習 で は様 々. 々 な 方 法 で 提 示 され る 。. Watson&Mason(2005)は,数 明 す る も の(た. 学 学 習 に お け る 例 の 役 割 と して,①. と え ば,1次. と を 示 す 代 表 的 な 図),③ 見 か け る 例 題),④. 概 念 や 原 理 を説. 方 程 式 を 説 明 す る た め の 特 定 の 方 程 式),②. や 定 理 の 代 わ り に 使 わ れ る プ レー ス ホ ル ダ ー(た. と え ば,円. 練 習 問 題 一exercises-(た. と え ば,教. 一 般 的 な定 義. 周 角 の 定 理 が成 り立つ こ. 解 答 の つ い た 例 一workedexamples-(た. 納 的 な 数 学 的 推 論 の た め に 使 わ れ る 題 材,⑥ う6項. しい 図 形 の 証 明. と え ば,教. 科書で. 科 書 で 見 か け る 類 題),⑤. 帰. 数 学 を動 機 付 け る特 殊 な 文 脈 的 状 況 とい. 目 を 挙 げ て い る(p.3)。 ⑤ と⑥ に つ い て は,筆 者 な りの 捉 え で 具 体 例 を1つ. る と,⑤ で は マ ッ チ 棒 を 並 べ て い く 図(図7)が,⑥. 挙げ. で は 数 学 者 の 伝 記 が 考 え られ る。. /\/\//\/\/\/\/…. ・. 図1 例 を 示 す こ と は 数 学 的 対 象 や そ れ ら の 性 質 を 特 殊 化 す る こ と に な る 。G.ポ (1975)は,「 合,又. リア. あ る 事 象 の 集 合 に 関 す る 考 察 か ら,そ れ に ふ く ま れ る そ れ よ り小 さ い 集. は そ の 中 の1つ. い る 。 上 記 の ① ∼ ④,⑥. の 事 象 に つ い て 考 え る こ と を 特 殊 化 と い う。」(p.208)と に つ い て は あ る 数 学 的 対 象 や 性 質 の 一 部 分 に,⑤. 無 限 に 続 く 数 学 的 対 象 の 一 部 分 に な る 。 い ず れ に し て も,例. 述べて. については. は 特 殊 化 と い う視 点 で 捉. え られ る 。 序 章 の 内 容 を 踏 ま え る と,本 研 究 の 「 例 づ く り」 で は,「 ① 概 念 や 原 理 を 説 明 す る も の 」 と い う役 割 を 果 た す 例 を,生. 徒 た ち に 求 め る こ とに な る。. ・13・.
(18) 2.「. 例 づ く り」 の 目的. 生 徒 た ち が 数 学 の 課 題 に 取 り組 む 時,生 る 。 そ の と き,教. 徒 同 士 で 教 え 合 う様 子 は 日常 的 な こ と で あ. え る 側 の 生 徒 は 「た と え ば,∼. 」 と い う フ レ ー ズ を 使 い,相. 徒 の 理 解 を 促 す こ とが あ る 。 時 に は 教 え られ る側 の 生 徒 も 「た と え ば,∼ レ ー ズ を 使 い,生. 徒 間 で 具 体 例 の や り取 りが あ る 。 これ は,筆. に よ る も の で あ る が,例. 手 の生. 」 とい うフ. 者 の 中学 校 勤 務 の経 験. で も っ て 数 学 的 知 識 の 理 解 を 図 る と い う経 験 を,多. くの生 徒. が 持 っ て い る の で は な い か と推 測 され る 一 場 面 で あ る 。 Butts(1982)は,「 て,①. 例 づ く り」 の 目的(〔. 概 念 を 思 い 出 す こ と,ま. 〕 内 は そ の 目 的 に 応 じ た 課 題 例)と. た は 認 知 す る こ と 〔4つ の 項 を も つ5次. つ く り な さ い 。〕,② パ タv・ 一 一 ・ ン を 認 知 す る こ と 〔1+2+3+…+nが. し. 多 項 式 の例 を. 偶 数 に な る た めの. 正 の 整 数 η の 例 を っ く りな さ い 。〕,③ 定 理 を 発 見 す る こ と 〔 対 角 線 が 互 い を2等. 分す. る 四 角 形 の 例 を つ く りな さ い 。〕,④ パ ラ メ ー タ ー の 使 用 を 説 明 す る こ と 〔 点(1,2)を 通 る 直 線 の 方 程 式 の 例 を つ く り な さ い 。〕,⑤ 必 要 十 分 条 件 を 認 知 す る こ と 〔 ② と③ の 課 題 例 が こ れ に も 当 て は ま る。〕,⑥ 答 え の な い 課 題 を 認 知 す る こ と 〔あ る 整 数 の4乗 り1小. さ い 素 数 の 例 を つ く り な さ い 。〕 と い う6つ. こ こ で,①. ∼ ⑥ に つ い て,筆. 7x5+6x4-2x3+8の. よ. の 目 的 を 挙 げ て い る(pp.110-111)。. 者 な り の 考 察 を 以 下 に 加 え て お く。 ① の 課 題 例 で は,. よ うな 例 を つ く る こ と が 意 図 さ れ て お り,「例 づ く り」を 通 して,. 生 徒 が 持 っ て い る 項 や 次 数 に 関 す る 知 識 が 分 か る 。 ② の 課 題 例 で は,例 く る こ と で,n=4α. 一1ま. た はn=4a(aは. 正 の 整 数)の. を い くつ か つ. と き に,1+2+3+…+nが. 偶 数 に な る と い うパ タ ー ン を 見 つ け る こ と が 意 図 さ れ て い る 。 ③ の 課 題 例 で は,対. 角. 線 が 互 い を2等. の. 分 す る 四 角 形 の 例 を い くつ か つ く り,そ れ ら を 比 較 す る こ と で,ど. 例 も 平 行 四 辺 形 に な る と い う 生 徒 の 発 見 が 意 図 さ れ て い る 。 ④ の 課 題 例 で は, ア ニακ+わ を 利 用 し て 例 を つ く る こ とが 意 図 され て い る 。⑤ の 課 題 例 で は,② や ③ の よ うな 課 題 例 に お い て 一 般 性 を検 討 す る こ とが 意 図 され て い る 。 ⑥ の 課 題 例 で は,「 あ る 整 数 の4乗. よ り1小. す る こ と か ら,生 ち に,こ. さ い 」 と い う部 分 に 対 し て,あ. る整 数 を適 当 に 決 め て 実 際 に計 算. 徒 は そ の 取 り組 み を 始 め る だ ろ う。 そ し て,こ. の 課題 に は 「例 が な い 」 とい う予 想 が 生 ま れ,下. に 考 え る こ と を,教 あ る 整 数 をaと. の 計 算 を 繰 り返 す う. 記 の よ う に,生. 徒 が 演繹 的. 師 は 期 待 す る こ とに な る だ ろ う。 す る と,a4-1=(a2+1)(a2-1)ニ(a2+1)(a+1)(a-1)と. こ の 式 変 形 は,あ て い る 。 つ ま り,こ. る 整 数 の4乗. よ り1小. さい 数 が 因数 分 解 で き る こ と を表 し. の課 題 に は 例 が な い。. ・14・. な る。.
(19) こ れ は,例. を つ く ろ う とす る行 為 が,課. こ と を 示 して い る 。 ま た,こ. 題 の 答 え の な い 理 由 を探 る き っ か け とな る. の 課 題 を 「あ る整 数 の4乗. よ り1小. さい 素 数 は な い こ と. を 示 し な さ い 」 と す る こ と も 考 え られ る 。 し か し,「 あ る 整 数 の4乗 は な い 」 と 断 言 す る よ り も,「 あ る整 数 の4乗. よ り1小. と い うニ ュ ア ン ス が 伴 う 「例 づ く り」 の 課 題 の 方 が,探. よ り1小. さい 素数. さ い 素 数 は あ る か も しれ な い 」 究 的 な 学 習 が 展 開 で き るはず. で あ る。 先 に 述 べ た 生 徒 同 士 の 教 え 合 い の 様 子 は,「 た と え ば,∼. 」 とい うフ レー ズ に よ る具. 体 例 の や り取 りで あ っ た 。た と え ば,目 的 ② の 課 題 例 を 取 り上 げ る と,下 記 の よ う に, 生 徒 た ち が 例 を 挙 げ て い く様 子 が,筆. 生 徒A・. ・. 「た と え ば,n=1の nニ3の. と き は1で,n=2の. と き1+2+3=6に. 生 徒B・. ・. 「そ う な ら,た. 生 徒A・. ・. 「そ の 通 り だ よ 」. 生 徒B・. ・. 「さ ら に 続 け る と,た. こ の 場 合,生. 者 の 経 験 か ら想 像 で き る 。 と き は1+2ニ3だ. な る よ」. と え ば,nニ4の. と き は1+2+3+4ニ10だ. と え ば,nニ5の. ね」. と き は1+2+3+4+5=15だ. 徒 た ち は パ タ ー ン を 認 知 す る た め に,必. 学 習 経 験 か ら,例. ね 。 そ し て,. 然 的 に,あ. を つ く っ て い る と言 え よ う。 本 研 究 に は,こ. ね」. るい は これ ま で の. の よ うな生 徒 の実 態 を. 授 業 に 活 か そ う とい う主 張 が 底 流 に あ る 。. 3.「. 例 づ く り」 の 特 徴. Hazzan&Zazkis(1999,p.1)は,小. 学 校 教 師 を 志 望 す る 学 生 た ち を 対 象 に,次. の3. つ の 課 題 に つ い て イ ン タ ビ ュ ー と ア ン ケ ー トに よ る 調 査 を 行 っ た 。. 課 題1:(a)9で,(b)17で 課 題2:x=3の 課 題3:解. こ の3つ. 割 り切 れ る6桁 と き,-2と. が(3,7)と. な る2変. の 数 の 例 をつ く りな さい 。. な る関 数 の例 を っ く りな さい 。 数 の 連 立 方 程 式 の 例 をっ く りな さい 。. の 課 題 に 共 通 す る 特 徴 と し て,彼. ら は 次 の3点. を挙 げ て い る。. ① 具体 的 な数 学的対象や それ らの性 質 につい て考 える ことは,私 た ちの生活 の中 で よ り具体 的 な対象 を処理す るよ うに,抽 象 的な数学 的概念 を処理 す る機会 を 提 供す る。. ・15・.
(20) ②"与 え ら れ る"も の と"求 "逆"の よ うに 見 え る 。. め る"も. の の 役 割 は,標. 準 的 で 馴 染 み の あ る課 題 の. ③ 例 を っ く る 方 法 に 学 習 され た ア ル ゴ リズ ム は な く,こ れ ら の 課 題 の 解 法 も唯 一 つ で はない。. こ こ で,筆. 者 な り の 捉 え を 以 下 に 示 し て お く。. ① に つ い て は,数. 学 的 概 念 は 抽 象 的 で あ る か ら こ そ,具. 体 的 な対 象 か ら実 感 め い た. も の を 得 な け れ ば な ら な い とい う 「 例 づ く り」 の 意 義 に 繋 が る 言 及 で あ る 。 ② に つ い て は,課. 題1,2,3を. B,Cの. よ う に な る 。 こ の こ と か ら,"与. "逆"の り,そ. そ れ ぞ れ 標 準 的 で 馴 染 み の あ る 課 題 に す る と,下. よ うに 見 え る こ とが分 か る. え ら れ る"も. の と"求. 。 ③ に つ い て は,例. め る"も. 記 の 課 題A, の の 役 割 が,. を つ く るに は様 々 な方 法 が あ. の 上 オ ー プ ン ・エ ン ドで も あ る と換 言 で き る 。. 課 題A:761058を(a)9で,(b)17で 課 題B:1次. 関 数y=2x-8に. 割 り切 れ る か 。 つ い て,x=3の. 課題C・ 連立方程式{離11を. と き ア の値 は い く らか 。. 解 きなさ・㌔. ・16・.
(21) 第2節. 例 の つ く り方. 「例 づ く り」 の 学 習 で は,生 Zazkis(1997,1999)は,前. 徒 は ど の よ うに して 例 を つ く る の だ ろ うか 。 且azzan&. 掲 の 課 題1∼3に. 関 す る調 査 に お け る 学 生 た ち の 取 り組 み. な ど か ら,「 試 行 錯 誤 に よ る 例 」,「ア ル ゴ リズ ム の 使 用 に よ る 例 」,「自 明 な 例 」 と い う 3種 類 の 例 の つ く り方 を 導 出 し た 。 本 節 で は,こ. れ らの 例 に つ い て の 概 要 とそ の 考 察. を述 べ る。. 1.試. 行 錯 誤 に よ る例. 試 行 錯 誤 に よ っ て 例 を つ く る方 法 は 初 歩 的 な ア プ ロ ー チ で あ る が,何. 回かの試行 で. 偶 然 に 正 し い 例 を 得 る と い う経 験 は 生 徒 の 学 習 意 欲 を 刺 激 す る だ ろ う。 「 例 づ く り」が 授 業 へ の 積 極 的 な 参 加 を 促 し た と い う報 告(Butts,1982;Bratina,1986;Watson& Mason,2005)が. 為 さ れ て い る が,こ. の よ う な 偶 然 性 が 少 な か らず 影 響 し て い る と考. え られ る 。 Hazzan&Zazkis(1997)は,`ラ. ン ダ ム な 試 行 錯 誤'と`知. を 区 別 した 。 ラ ン ダ ム な 試 行 錯 誤 と は,課 題1(a)の の 数 が,9で ま た,知 17で. 識 を 伴 っ た 試 行 錯 誤 と は,課. 割 っ た と き 余 り2で. 想 を 困 惑 さ せ る こ と が1つ. 題1(b)の. 場 合,ラ. あ れ ば,求 め る 例 はN-2と. ン ダ ム に 選 び 出 した 数Nが, す る よ うな ア プ ロー チ を指 す 。. 例 づ く り」 の 課 題 内 容 を 考 え る 際,生. 徒の予. の ポ イ ン トと な る と述 べ て い る 。 そ の 一 例 と し て,「 あ る数. が そ の 数 自身 よ り大 き く な ら な い 数 の 例 を つ く りな さ い 」 が 挙 げ られ る 。 生 徒. は ラ ン ダ ム に 数 を 選 び 出 し,そ 行 錯 誤 で は,`ラ を2乗. ン ダ ム に 選 び 出 し た6桁. 割 り切 れ る か ど うか を,電 卓 を 使 っ て 確 か め る よ うな ア プ ロ ー チ を 指 す 。. ま た,Watson&Mason(2005)は,「. の2乗. 場 合,ラ. 識 を 伴 っ た 試 行 錯 誤'. の 数 を2乗. す る とい う計 算 を 繰 り返 す だ ろ う。 こ の 試. ン ダ ム に 数 を 選 び 出 す こ と'に`生. 徒 の 予 想'が. す る と い う計 算 を 繰 り返 す こ と'で 生 徒 の 予 想 に`困. 惑'が. 反 映 され,`そ. 生 じ る。 絶 対 値 が. 1よ り小 さ い 数 の 中 か ら,偶 然 に 例 を 見 つ け た と き の 生 徒 の 喜 び は,こ 経 験 し た か ら こ そ,大. の`困. 惑'を. き な も の と な ろ う。. 試 行 錯 誤 と い う ア プ ロ ー チ は 初 歩 的 で あ る か ら こ そ,生. 徒 の 学 習 意 欲 を 引 き 出す き. っ か け を 与 え や す い 。 そ こ に 予 想 を 困 惑 さ せ る 要 因 が 含 ま れ た な ら,そ 一層 高 ま る. の数. 。. ・17・. の効果 はよ り.
(22) 2.ア. ル ゴ リズ ム の 使 用 に よ る例. ア ル ゴ リ ズ ム を 使 用 す る こ と に よ っ て 例 を つ く る 方 法 は,多 ロ ー チ で あ ろ う 。Hazzan&Zazkis(1997,1999)は,ア て,課. 題2の. 場 合 を 取 り 上 げ,図2の. ル ゴ リズ ム の デ ザ イ ン にっ い. よ うに 述 べ て い る 。. 直 線 を表 す 式 の 基本 形 を か く. →. κ=3,ア=-2を. →-2=a×3+15. 代入す る. 直 線 の 傾 き と し て2を. 選ぶ. ア=砿+わ. →-2=2×3+b. わ につ い て 解 く. →. わ=-8. 関数 の式 として表す. →. ア=2x-8. 図2.ア. く の 生 徒 が用 い るア プ. ル ゴ リズ ム の 使 用 の 実 際. こ の ア ル ゴ リ ズ ム は 授 業 や 教 科 書 で 扱 わ れ る も の で あ る 。 そ れ 故,生 が あ り,既. 習 内 容 が 定 着 し て い る か ど う か が,例. 多 く の 生 徒 に と っ て,ア. よ る と,も. し既 知 の ア ル ゴ リ ズ ム が 見 っ か ら な け れ. 徒 は 独 自 の ア ル ゴ リズ ム を つ く り 出 す だ ろ う と示 唆 す る 。 し か し,ア ル ゴ リズ. ム の 使 用 に 固 執 す る と,つ 項 で 示 す 例 は,ア. 3.自. を つ く る際 に影 響 を及 ぼす 。. ル ゴ リズ ム の 使 用 は 例 を つ く る 上 で 強 力 な 方 法 と な る 。. Hazzan&Zazkis(1997,1999)に ば,生. 徒 に は 馴染 み. く ら れ る 例 が あ る 範 囲 に 限 定 され る 場 合 が 考 え られ る。 次. ル ゴ リズ ム の 使 用 か ら は つ く り難 い も の で あ ろ う。. 明 な例. 課 題1∼3に. お け る 自 明 な 例 とは,下. 記 の も の が そ の1つ. とな る。. 課 題1:(a)900000(b)170000 ー2. 3. =. 7. ア. 課 題3:. =. κ. {. 課 題2:!(κ)ニ. Hazzan&Zazkis(1999)は,自. 明 な 例 に は 数 学 的 概 念 に 対 す る認 識 の 洗 練 が 要 求 さ. れ る と い う見 解 を 持 っ て 調 査 に 臨 ん だ 。 結 果 と し て は,自. 明 な 例 は ほ と ん ど 見 られ な. か っ た 。 彼 ら は 調 査 に 参 加 し た 生 徒 へ の イ ン タ ビ ュ ー か ら,自 認 め られ な か っ た 点 と,要. 明 な例 が 正 当 で あ る と. 求 され た 対 象 の典 型 で な か っ た 点 を,そ. て い る 。 こ の こ と か ら,「 例 づ く り」 は 自 明 な 例 を 通 して,数 糸 口 を 提 供 す る と 考 え られ る。. ・18・. の 理 由 と して挙 げ. 学 的 概 念 の深 化 へ 向 けた.
(23) 第3節. 複 数 の 例 の つ く らせ 方. 「 例 づ く り」 で は 、第3章. 第1節. の授 業 展 開 案 に 見 られ る よ う に,数. 多 くの例 が必 要. と な る場 合 が あ る。 本 節 で は 、 この よ うな複 数 の 例 を 求 め る 方 法 に つ い て 、 前 掲 の Hazzan&Zazkis(1999)が が 示 し た64の は?"と. 示 した 「 例 づ く り」の 課 題 に 加 え 、Watson&Mason(2005). 「 例 づ く り」 に 関 す る 課 題 を 振 り返 っ た 。 そ こ で 、 「"別の 例(another). 繰 り返 す 方 法 」、 「制 約 を 追 加 す る方 法 」、 「 属 性 を 変 化 させ る 方 法 」 と い う3. 種 類 の課 題 設 定 の 方 法 を導 出 した。. 1."別. の 例(another)は?"と. 繰 り返 す 方 法. 前 掲 のHazzan&Zazkis(1999)の 求 め た 後 、 さ ら に5っ お い て も,生. 調 査 で は 、 学 生 た ち は 各 課 題 に お い て 例 を1つ. の 例 を 求 め な け れ ば な ら な か っ た 。 ま た,後. 徒 た ち に 複 数 の 例 を つ く らせ る 。 そ の 際,最. 例(another)は?"と. Mason(2005)も,"別 し か し,"別. も 基 本 と な る 発 問 は,"別. 繰 り 返 す こ と で あ る 。 こ の 発 問 に は,生. 引 き 出 さ そ う と す る,教. 述 の授 業 展 開案 に の. 徒 た ち か ら多 様 な 例 を. 師 の 期 待 感 が 込 め ら れ て い る 。Butts(1982)やWatson& の 例(another)は?"を. 重 要 な キ ー ワ ー ドと し て 捉 え て い る 。. の 例(another)は?"と. い う 発 問 を 授 業 実 践 で 使 お う と す る な ら ば,. 配 慮 し な け れ ば な ら な い 点 が あ る 。Bratina(1986)は,「 で あ る 関 数 の 例 」 を 求 め た と き,生. 徒 た ち が"ア. グ ラ フが ア軸 に 関 して対 称. ニx2,ア=2x2,yニ3x2,yニ4x2"と. 答 え た こ と を 一 例 と し て 取 り 上 げ,「 成 績 が 芳 し く な い 生 徒 た ち は,す い た り し た 単 純 な 例 を 繰 り 返 す 傾 向 が あ る 。」(p.525)と. で に 見 た り,聞. 指 摘 し て い る 。 こ の よ う に,. 同 じ傾 向 の 例 ば か り を つ く る 生 徒 に と っ て は 、 「例 づ く り」 が 単 調 と な り 、 学 習 へ の 興 味 を 失 う か も し れ な い 。 さ ら に,例. を1つ. 教 師 が"別. 繰 り返 す こ と で 、 学 習 へ の 抵 抗 感 を 生 む こ と に も. の 例(another)は?"と. もつ く る こ とが で き な い 生 徒 に 対 して は 、. な ろ う。. 2.制. 約 を追 加 す る方 法. 前 掲 の 課 題2『x=3の. と き 、-2の. 値 と な る 関 数 の 例 を つ く りな さ い 』 を 、 授 業 や. 教 科 書 で 馴 染 み の あ る 表 現 に 変 え る と 、『xニ3の と きy=-2と く り な さ い 』 と い う も の が1っ. 考 え られ る。 こ れ を 課 題2.1と. 1を 見 比 べ る と 、 新 た な 制 約`1次'が に 、課 題2.1に. な るユ.迭①関 数 の 例 を っ す る 。課 題2と. 課 題2.. 加 わ り(波 線 部 ①)、 関 数 が 限 定 さ れ た 。 さ ら. 対 し て 、新 た な 制 約 を1つ. ず つ 課 し て い く と ど うな る の だ ろ うか 。 そ. ・19・.
(24) の 一 例 を 下 に示 す 。 課 題2.1:x=3の. と きy・-2と. な る1次. 関数 の例 を つ く りな さい 。. 課 題2.2:xニ3の. と きy=-2で. 、 グ ラ フ の 傾 き が 負 ② と な る1次. と き ア=-2で. 、 グ ラ フ の 傾 き が 負 で 切 片 が 負 ③ と な る1次. 関 数 の例 を つ く り. な さい 。 課 題2.3:x=3の. 関数 の. 例 を つ く りな さ い 。 上 記 の こ と は 、 新 た な 制 約 を 課 す ご と(波 線 部 ② 、 ③)に. 、課 題 の オ ー プ ン性 は狭. く な り 、 既 習 の 数 学 的 知 識 へ の 要 求 が 高 ま る こ と を 表 して い る。. 3.属. 性 を 変 化 させ る方 法. 問 題 の 属 性 に 注 目 し 、そ れ を 変 化 さ せ る こ と は 、問 題 づ く り で よ く 用 い ら れ る 手 法(た と え ば 、S.1.ブ 課 題2.1に 例(課. ル タ ー が提 唱 した. 「What・If-Not」. 基 づ く こ と に す る 。 下 記 は 、 課 題2.1の. 題2.4、. 題2.7)で. ラ ウ ン とM.1.ワ. 課 題2.5)と`x=3の. と きy=-2'を. 方 略)で. 属 性 と な る`1次'を 変 化 さ せ た 例(課. あ る。再 び 、 変 化 させ た 題2.6、. 課. あ る。. 課 題2.1:x・3の. と き .y=-2と. な る1次. 関 数 の例 をつ く りな さい。. 課 題2.4:xニ3の. と きy=-2と. な る2迭. 、 関 数 の 例 を つ く りな さい 。. 課 題2.5:x=3の. と きy=-2と. な るa迭. 関 数 の 例 を つ く りな さ い 。. 13. 課 題2・6・x=5の. 課 題2.71有. と きyニ9と. 理 点 を た だ1つ. な る1次. 関 数 の 例 を つ く りな さ い ・. だ け も つ1次. 関 数 の 例 をつ く りな さい。. ※ 有 理 点 と は 、 κ座 標 、 ア座 標 が と も に 有 理 数 で あ る 点 を い う。 こ こ で 、 各 課 題 の オ ー プ ン性 は 比 較 で き な い が 、 「 例 づ く り」 の 課 題 の 属 性 を 変 化 さ せ て も 、 そ の オ ー プ ン 性 が 狭 く な る とは 言 え な い で あ ろ う。. ・20一.
(25) 第2章. 「例 づ く り」 に よ る 数 学 的 知 識 の 定 着 と深 化. 本 章 で は,「 例 づ く り 」 の 意 義 の1っ と い う 点 に つ い て 考 察 す る 。 第1節 り 」 の 実 際 を 推 測 す る 。 第2節 本 章 の 構 成 は,以. で は,先. で は,つ. 「 数 学 的 知 識 の 定 着 と深 化 を 図 る 」. 行 研 究 に 見 ら れ る 課 題 か ら 「例 づ く. く られ た 例 の評 価 に つ い て 述 べ る 。. 下 の 通 りで あ る。. 第1節. 第2節. である. 予 想 され る. 「 例 づ く り」 の 実 際. 1.文. 字 式 の 利 用 に 関 す る知 識. 2.方. 程 式 の利 用 に 関 す る知 識. 3,立. 体 とそ の 計 量 に 関す る知 識. っ く られ た 例 の評 価. 一21・.
(26) 第1節. 予想 され る 「 例 づ く り」 の実 際. 本 節 で は,Butts(1982,pp.112-113)が. 提 示 した50の. サ ン プ ル 課 題 の 中 か ら3っ. を 選 び,「 数 学 的 知 識 の 定 着 と深 化 を 図 る 」 とい う点 に つ い て,中. 学 生 の 姿 を念 頭 に置. い た 考 察 を述 べ る。. 1.文. 字 式 の利 用 に関 す る知 識. 課題①:和. と積 が等 しくなる2つ の実数 の例 を求 め な さい。. こ の 課 題 が 与 え られ た と き,生. 徒 は整 数 の範 囲 で 試 行 錯 誤 す る こ とか ら例 を求 め よ. う と す る だ ろ う。 「2+2・4,2×2ニ4」 「0+0=0. ,0×0ニ0」. は 容 易 に 見 つ か る は ず で あ る 。 そ して,. に も 気 が 付 く生 徒 が い る か も しれ な い 。 こ の2つ. く の 生 徒 に と っ て 自 明 な 例 に な る と 考 え られ る。 そ し て,試 徒 か ら は,分 ま た,何. の 例 は,多. 行 錯 誤 を 根 気 強 く行 う生. 数 や 小 数 を 含 ん だ 例 が 挙 が る だ ろ う。 ら か の ア ル ゴ リズ ム を 見 つ け よ う と して,課. 題 内 容 を 文 字 式 に 表 して考 え. る 生 徒 も 現 れ る だ ろ う。 次 の よ うな 例 づ く りの 様 子 が そ の 一 例 と な る 。. 2っ. の 実 数 をa,bと. こ の 式 をbに. し,和. と 積 が 等 し い こ と を 式 に 表 す と,a+b・. っ い て 解 く と,b=一(a≠1)と a-1. 入 し て ゐ を 計 算 し,α. ・abと. な る 。 こ こ で,aに. な る。. 適 当 な数 を代. と わ に 当 て は ま る 数 を 定 め る 。 た と え ば,. 33939 a=3の. と きbニ. ー. と な. り,そ. の 和. と 積 は. 「3+一=一,3×. 一=一. 」,2. 2222. 。ユ. の と きb=-1と. な り,そ. の 和 と積1ま. 「⊥+(-1)一. 一具. 。(-1)一. 一⊥ 」,. 22222. 。=-5の. と 勧. 至. と な り,そ. の 和 と 積1ま. 「525525-5+==-T,-5×. 一=ニ ー 一 一'r」. 66666. な ど が 考 え られ,こ れ ば,無. れ ら のaとbは. こ の 課 題 の 例 と な る 。 さ ら に,中. 理 数 を 含 め た 例 を つ く る か も しれ な い 。 た と え ば,. ・22・. 学3年. 生であ.
(27) ・一 伽. き ろ一 葺 1-(VΣ(」+1)万 一1)(E+1)=2+」. 「歪+(2+」)-2+2」. ・-1+畜. ,」. の ときb-. rl+蒋+〔3+V互 3〕 な ど が 考 え られ,こ. 課 題 ① で は,既. と な り・ そ の 和 と 積 は. ・(畜+1)-2+E」,. 1}睾1-1夢. 一3≠. 一寧G・. とな り・ その和 と積 は. 畜)〔!E'E」〕-9-±'lil・L24」i」. れ ら の α と わ も こ の 課 題 の 例 と な る。. 習 の整 数. 分 数,小. 数 に加 え,中. 学 校 で 導 入 され た 負 の 数 や 無 理 数. を 含 め た 数 を 用 い た 例 が 考 え られ る 。 例 づ く りの 課 題 を 設 定 す る 際 に は,例 富 で あ る こ とが 望 ま し い 。 課 題 ① の 例 の 数 は 豊 富 に あ り,そ 適 用 さ れ る。 こ の こ と は,文. の 上,例. の数が豊. に は 様 々 な数 が. 字 式 の 利 用 に 関 す る 知 識 の 定 着 と深 化 を 図 る 上 で,こ. れ. ま で の 数 学 学 習 に は あ ま り見 か け ら れ な い 視 点 を 提 供 す る。. 2.方. 程 式 の 利 用 に 関す る知 識. 課 題 ②:一. 日の うち で 時計 の針 が 直 角 をな す 時刻 の例 を 見 っ け な さ い。. 最 近 は 長 針 と 短 針 で 時 刻 を 示 す 時 計 が 少 な くな っ た が,こ 近 に 感 じ ら れ る 題 材 と な ろ う。そ れ 故,3時. や9時. の課 題 は 生 徒 に とっ て身. は 自 明 な 例 と考 え られ る 。 しか し,. い く ら身 近 な 課 題 で あ っ て も,こ れ 以 外 の 例 は 試 行 錯 誤 で は な か な か 見 っ か ら な い 。 お お よ そ の 時 刻 が 思 い 浮 か ん で も,そ. の 時刻 を正確 に求 め る に は 方 程 式 を利 用 しな け. れ ば な ら な い 。 次 の よ うな 「 例 づ く り」 の 様 子 が そ の 一 例 とな る 。. 時 計 の 針 が 直 角 を な す 時 刻 は,次 い 浮 か べ られ る 生 徒 も い れ ば,そ. 項 の22通. りが 考 え られ る 。 これ らす べ て を 思. の 一 部 に 留 ま る 生 徒 も い る だ ろ う。 こ の 例 づ く り. で は 日 常 生 活 の 経 験 が 土 台 と な る。. ・23・.
(28) 1 1. 1 1. 2. 0 1. 2. 0 1・. 0 1. 2. 3. 9. 4. 8. 4. 3. 9. 3. 8. 8. 4. 9. 4. 8. 3. 9. 1 1 0 1. 0 1. 2. 2. 0 1. 4. 8. 3. 9. 4. 8. 3. 9. 4. 8. 3. 9. 1 1. 1 1. 1 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 4. 8. 3. 9. 4. 8. 4. 3. 9. 3. A 3. 9. 4. 8. 9. 8. 1 1. 1 1. 1 1. 2. 0 1. 2. 10. 2. 0 1. 2. 0 1. 3. 4. 3. 9. 4. 8. 9. 8. 8. 4. 9. 4. 3. 3. 9. 8. 1. 1 1. 1 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 3. 4. 3. 9. 4. 8. 3. 9. 4. 8. 9. 8. 1 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 2. 0 1. 8. 4. 9. 4. 3. 3. 3. 9. 4. 8. 9. 4. 8. 8. 3. 9. ・24・. 0. 0. 5. 6. 7. 5. 6. 7. 5. 6. 7. 5. 6. 7. レ. ♪. 》. 1. 11. 1. ll. 1. 0. 0. 5. 6. 7. 5. 6. 7. }. 』. へ. 6. 0. 011. 1 1 0. 5. 6. 7. 1 1. 1 1 10. 囲 囲. 5 6 7 5 7 5 6 7. 》 へ 卜. 0. 1 1 1. 7 5 5. 0 0 0. 5 6 7. 11時 台. 台. 10時. 圃 圖. 5 6 6 7 6 7 5 6 7. 1 0. ハ 《. 0 0 0. 1 1. 圃 團. 5 6 7 5 6 7 5 6 7. 0 0. 5 7. 1 O. 圃 囲. 6 6. 5 7 5 6 7. 《 》. 1 0. 》 2. 0 0. 1 1 1 0. 5 6 7. 圃 塵. 2.
(29) 長 針 は 毎 分6。,短. 針 は 毎 分0.5。 進 む 。 そ こ で,長. 過 し て か ら κ分 経 っ た と す る と,求 が90。. ま た は270Qに. 記 の2通. 針 が0時0分. の ポ イ ン トを 通. め る例 は 長 針 と短 針 に よ っ て で き る角 の 大 き さ. な る と考 え,方 程 式 を 立 て る 。 た と え ば,1時. 台 の 時刻 は下. りで あ る 。. 陰. 綴 総. ら 〕一隙. 謝 総. ら 〕-9・より,. 9 6x-O.5x-30=90と. い う 方 程 式 が 立 ち,xニ21-:一. が 得 られ る 。 ll. よ. っ て,求. め る 例 の1つ. 9. は,1時21一. 分 とな る 。. 11 ま た は,. 隙. 綴 欝. x-0.5x-30=270と. ら 〕一隙. 榔 総. ら〕-27・より ・ 66. い う方 程 式 が 立 ち,x=54一. が 得 られ る。 11. よ. っ て,求. め る 例 の も う1つ. は,1時54-:一. 6. 分 とな る。. 11. さ ら に,0時. 台 と6時. 台,1時. 台,5時. 台 と11時. 4時 台 と10時. 台 と7時 台,2時. 台 と8時. 台 の い ず れ も,短. 台,3時. 台 と9時 台,. 針 ど う しの 位 置 関 係 は 時 計 盤i. の 中 心 を 対 称 の 中 心 とす る 点 対 称 で あ る 。 こ の こ とか ら 例 と な る 時 刻 を 求 め る 生 徒 も い る だ ろ う。. 課 題 ② は 生 徒 に と っ て 身 近 な 題 材 な の で,時 計 の 針 の 位 置 を 想 像 しや す い 。そ れ 故, あ る 時 間 帯 に 例 と な る 時 刻 が あ れ ば,別 か と い う 考 え を,生. の時 間帯 に も例 とな る 時刻 が あ るの で は ない. 徒 が 持 つ こ と は 必 然 的 と も言 え よ う。 第1章. 例 の っ く らせ 方 の1つ. と し て,"別. の 例(another)は?"と. 第3節. で は,複. 数の. 繰 り返 す 方 法 に つ い て 述. べ た 。 こ の 方 法 は 例 づ く り に お け る 教 師 の 発 問 と して 最 も 基 本 的 で あ る が ,課 題 ② の よ う に,生 徒 が 自発 的 に 別 の 例 を 求 め る 場 面 を意 図 す る こ と も で き る 。こ の こ と か ら, 生 徒 の 関 心 は 方 程 式 の 利 用 へ と 向 き,こ. れ に 関 す る 知 識 の 定 着 と深 化 が 図 ら れ る こ と. に な る。. ・25・.
(30) 3.立. 体 とそ の 計 量 に 関 す る知 識. 課 題 ③:表. 面 積 が24π と な る 立 体 の 例 を つ く り な さ い 。. 表 面 積 が24π. と い う こ と か ら,求. め る 例 は 円 や 球 そ の も の,あ. 分 が 見 ら れ る 立 体 と考 え られ る。 こ こ で は,生 げ,例. 徒 が 想 起 し そ う な3つ. づ く りの 実 際 を 推 測 す る。 こ の 課 題 で は,試. 困 難 で あ る 。 ま た,自. るい は 円や 球 の一 部 の 立 体 を 取 り上. 行 錯 誤 に よ っ て 例 をつ く る こ と は. 明 な 例 は な い とす る の が 適 当 で あ る 。 下 記 の3つ. の 例 づ く りは. ア ル ゴ リズ ム の 使 用 に よ る 例 と捉 え られ る。. 國. 左 図 の よ う に,球. の 半 径 をrと. す る と,4π. ア2=24π. と. い う ア に っ い て の 方 程 式 が 立 っ 。 こ れ を 解 く こ と で, r=±. 畜. が 得 ら れ る 。 こ れ よ り,半. 径 布. の 球 が1つ. の例. 線 をaと. す る. とな る。. 匪. 左 図 の よ う に,円. 柱 の 底 面 の 半 径 をr,母. と,2π2+2nar=24π 立. と い うrとaに. つ い て の方 程 式 が. っ 。 こ の 方 程 式 を α に っ い て 解 く と,α=. 12_r2. られ る 。 これ よ り,課 題 ① で 考 察 し た よ う に,ア い ろ い ろ な 数 が 当 て は ま り,い 挙 が る。 た と え ば,底. 面 の 半 径 が2で 母 線 が4と. が得. とαに は. ろ い ろ な 円柱 が 例 と して. な る 円 柱 が1つ. の 例 で あ る。. 12_r2 こ こ で,α>0な. の で,rの. と 分 か る 。 こ れ は,円. し,こ. よ り12-r2>0と. 柱 の 底 面 の 半 径 を0に. 母 線 は 限 り な く長 く な り,円 半 径 が2畜. 変 域 はa=. な り,0<r<2Vぎ. 限 りな く近 づ け る よ うに 短 く す る と,. 柱 の 底 面 の 半 径 を 限 り な く 長 く し よ う と す る と,そ. 以 上 で は 表 面 積24π. の. の 円 柱 と して 成 り 立 た な い こ と を 示 し て い る 。 しか. の 変 化 の 様 子 に つ い て は 生 徒 の 実 態 に 応 じ る べ き で あ り,指 導 者 の 判 断 に 委. ね られ る。 た だ,課. 題 に 適 す る 例 の 変 化 の 様 子 を 捉 え る こ と は,例. 重 要 な側 面 とな る。. ・26・. づ く りに お い て.
(31) 左 図 の よ う に,円. 四 柱 と円錐の合成立姻. 円 錐 の 母 線 をbと ア,α,わ. 柱 の 底 面 の 半 径 をr,母. 線 をaと. し,. す る と,zア2+2nar+幼r=24π. とい う. につ い て の 方 程 式 が 立 っ 。 こ の方 程 式 の 両 辺. を π で 割 る とr2+2αr+br=24と. な る 。 こ こ で,rに. 当 な 数 を 当 て は め て み る 。 た と え ば,r・1と. +2α+bニ24と. な る 。aに. 適. す る と, 23-bl. つ い て 解 く と,a=. が. 2. 得 ら れ る 。 こ れ よ り,円 柱 の 底 面 の 半 径 が1,そ 合 成 立 体 が1っ な る 。 こ れ は,円. の 母 線 が9,. の 例 で あ る。 さ ら に,a>0,r=1な. 円 錐 の 母 線 が5と. の で,bの. 柱 の 底 面 の 半 径 を1と し た 場 合,円. 変 域 は1<b<23と. 錐 の 母 線 を1に 限 りな く 近 づ け. る よ う に 短 くす る と,円 柱 の 母 線 は11に 限 り な く近 づ く よ う に 長 く な り,円 線 を23に. 限 り な く近 づ け る よ うに 長 くす る と,円 柱 の 母 線 は0に. う に 短 く な る こ と を 示 し て い る 。 こ こ で は,rに の 円 柱 の 場 合 と 同 様,立 は1つ. なる. 錐 の母. 限 りな く近 づ くよ. 適 当 な 数 を 当 て は め た こ と で,先. 体 の 変 化 の 様 子 が 浮 か び 上 が っ た 。 こ の よ うな変 化 の様 子. の 例 だ け で は 捉 え る こ と が 難 し く,生 徒 個 人 で あ れ,学. 級 内 で あ れ,多. くの. 例 を つ く る 必 要 が あ る だ ろ う。. 上記 の. 「 球 」,「 円 柱 」,「円 柱 と 円 錐 の 合 成 立 体 」 とい う順 に 従 う と,変. つ ず つ 増 え る 。 「球 」 で は1変. 数,「 円 柱 」 で は2変. 数 の 数 が1. 数,「 円 柱 と 円 錐 の 合 成 立 体 」 で は. 3変 数 と な る 。 課 題 ③ は 変 数 の 数 に 応 じた 例 づ く り と 言 え る 。 こ の こ と は,立 す る 知 識 や 立 体 の 計 量 に 関 す る知 識 の 定 着 と深 化 を 図 る 上 で,こ は あ ま り見 か け られ な い視 点 を提 供 す る。. 一27・. 体に関. れ までの数 学学習に.
(32) 第2節. つ く られ た例 の 評価. 数 学 的 知 識 の 定 着 と深 化 を 図 る た め に は,生 評 価 が 必 要 と な ろ う。 そ こ で,ど 章 第3節. で述べ た. 徒 が つ く る 例 に 対 して,適. の よ うな 評 価 が 考 え ら れ る だ ろ うか 。 教 師 は,第1. 「"別の 例(another)は?"と. 繰 り返 す 方 法 」,「制 約 を 追 加 す る 方. 法 」,「属 性 を 変 化 させ る 方 法 」 と い う3つ の 方 法 の い ず れ か を,学 て 選 び,生 1章 第2節. 徒 に 複 数 の 例 を つ く らせ る 。 生 徒 は,既 で述べ た. 宜 何 らか の. 習 の ね らい に応 じ. に 有 す る 数 学 的 知 識 を 用 い て,第. 「 試 行 錯 誤 に よ る 例 」,「ア ル ゴ リズ ム の 使 用 に よ る 例 」,「 自 明 な. 例 」 の い ず れ か の 例 を つ く る 。 っ く られ た 例 を 評 価 す る に は,こ. の よ うな 状 況 を 踏 ま. えな けれ ば な らな い。 Zazkis&Leikin(2007)は,"例 Mason(2005,p.50)の. 示 は 個 別 的 で 状 況 的 で あ る"と. 指 摘 を も と に,生. い うWatson&. 徒 が つ く る 例 は 生 徒 の 知 識 と経 験 に 依 存 し,. 生 徒 が つ く る 例 か ら生 徒 の 知 識 に つ い て 推 測 す る に は,教 コ ン トロ ー ル しな け れ ば な ら な い と述 べ て い る 。 前 掲 の. 師 が 例 を つ く らせ る 状 況 を 「"別の 例(another)は?". と繰 り 返 す 方 法 」,「制 約 を 追 加 す る 方 法 」,「属 性 を 変 化 さ せ る 方 法 」 は,こ. の コン ト. ロー ル に 相 当す る。 ま た,彼 学 者Pau1の. 女 ら は,小 計4人. を 実 施 し た 。1っ. 学 校 教 師 を 目 指 す 学 生LisaとBob,高 に 対 し て,「. 無 理 数 の 例 を つ く り な さ い 」 と い う課 題 を 用 い た 調 査. の 例 が 求 め ら れ る と,イ. と 繰 り 返 し,複. 校 の 数 学 教 師Tanya,数. ン タ ビ ュ ー ワ ー は"別. な 例(another)は?". 数 の 例 を つ く ら せ た 。 そ の 結 果 は 下 記 の 通 り で あ る 。 な お,本. こ れ よ り 以 降LisaをLi,BobをBo,TanyaをTa,PaulをPaと. 踏. 節 では. 略 記 す る。. ・0 .12112211122211112222.... 'π. ・5 .4544554445554444555544444.... ・拒. ・何 に せ ・お そ. よ. ら く. ,こ. ・π. ・Vヲ. ・素 数 の 平 方 根. ・0 .12396764...循. う に 多. く.... ,2.124576435789...循. Ta ・」. の よ. 環. 章a ・100+」. ・ ・,Ili'. ・200一. し な い. ・100+酒7 へ/Σ. ・緬. ・31000001・300-31000001. 環 し な い 小 数. ・80」. ・循 環 し な い 小 数. ※Paに 対 しては,「!00と200の. ・28・. 間 の」 とい う制約 が加 え られて い る。.
関連したドキュメント
目標を、子どもと教師のオリエンテーションでいくつかの文節に分け」、学習課題としている。例
■使い方 以下の5つのパターンから、自施設で届け出る症例に適したものについて、電子届 出票作成の参考にしてください。
父親が入会されることも多くなっています。月に 1 回の頻度で、交流会を SEED テラスに
「1 つでも、2 つでも、世界を変えるような 事柄について考えましょう。素晴らしいアイデ
使用済自動車に搭載されているエアコンディショナーに冷媒としてフロン類が含まれている かどうかを確認する次の体制を記入してください。 (1又は2に○印をつけてください。 )
【フリーア】 CIPFA の役割の一つは、地方自治体が従うべきガイダンスをつくるというもの になっております。それもあって、我々、
学側からより、たくさんの情報 提供してほしいなあと感じて います。講議 まま に関して、うるさ すぎる学生、講議 まま
3月 がつ を迎え むか 、昨年 さくねん の 4月 がつ 頃 ころ に比べる くら と食べる た 量 りょう も増え ふ 、心 こころ も体 からだ も大きく おお 成長 せいちょう