高齢者において筋力や心身の活力が低下した状態を「フレイル」と言います。多くの高齢者は 健常な状態から、フレイルを経て要介護状態に至ることから、日本老年医学会ではフレイルの早 期発見とともに、予防のための方策について提案を行っています。今回はその中のーつである、 筋力低下予防についてご紹介します。 筋力や1山身の活力低下「フレイル」を防いで健康長寿をめざそう! 東海学園大学 画フレイルの評価 まず、この1年間を振り返の、次の項目をチエックしてみましょう。 3つ以上当てはまる場合 は、フレイルの疑いがあるため注意が必要です。 ロロ体重減少(例:食事制限をしていないのに、体重が3 4kg減った) ロロ疲れやすい(例:以前に比ベると疲れを感じやすぃ) ロロ筋力の低下(例:2ιのペットポトルが以前よのも重く感じる、ビンのふたが開けにく ロロ歩くのが遅くなった(例:青信号の間に横断歩道を渡のきれないことがある) ロロ活動性の低下(例:外出したり、人と会ったりするのが億劫である) .フレイルの進行に大きな影響を与える「筋力低下」 私たちの身体は20歳台をピークに、加齢とともに筋肉量が減の、筋力も低下します。そのま ま何もしなけれぱ、多くの人がフレイルの状態に陥ってしまいますが、筋骨格系に刺激を与える 運動、すなわち筋カトレーニング(=筋トレ)を行うことで、筋肉量の減少や筋力低下を防ぎ、 ひいてはフレイルの予防につなげることが可能です。 .スロー筋トレのメリット 今回ご紹介するのは3種目の筋トレ(スクワット、腹筋、腕立て伏せ)です。この筋トレは反 動をつけず、ゆっくのとしたテンポで行う「スロー筋トレ」で、どの年代の方でも容易に取り組 むことができ、運動経験の有無を問いません。また、自分の体重が「負荷」となるため道具もい らず、室内で実施するので季節や天候にも左右されません。このようにスロー筋トレは、"誰で も、いつでも、どこでも"行える敷居の低い運動ですが、適切なフォームで継続すれぱ、筋肉の 衰えを防ぐだけでなく、成長ホルモンの分}必を促し、糖・脂質代謝の改善にも有効であることが 示されていますわ。 梶岡多恵子 .おわのに 筋肉は体の動きをつくのだすだけでなく、関節の保護や姿勢の保持、血液循環やエネルギー消 費にも関わっています。また最近の研究では、病気の予防や免疫の働きなどにも関与しているこ とが示されています2)。筋肉量の減少や筋力低下から、出歩くことが億劫になの、人と接する機 会も減少し、ひいては食生活のバランスや認知機能の低下にも影響を及ぼすというフレイルの悪 循環に陥らないためにも、スロー筋トレを日常生活の中に取の入れ、健康長寿をめざしていきま しょう。
1) Tsuzuku s, Kajioka T, Endo H, RD. Abbotr, Yano K et.al.: Eur Appl physi01.2007,99(5),549-555 2) Bente Klarlund pedersen : J EXP Bi01.201'1,15,214Pt 2),337-346
立って座って(スクワット) 始める前の姿勢 .手は腰にあてる .足幅は幅程度、つま先は約30度ひらく .正面を向き、上体はやや前傾