Title
Morphological study of the parathyroid, thyroid, femur and liver
of the rat fed high-cholesterol diet and natto( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
小澤, 由紀
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第488号
Issue Date
2002-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14619
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氏名 (本籍) 学′位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 小 澤 由
紀(岐阜県)
博 士(医学) 甲第 488 号 平成14 年 3月
25 日学位規則第4条第1項該当
Morpho[ogJCalstudy of the parathyroid.thyroid,femur and[iver of the ratEfed high-CholesteroIdiet and natto
(主査)教授 正
村.静
子 (副査)教授 森秀
樹 教授清
水
克 時 論 文 内 容 の 要 日本の伝統食品である納豆中のナットウキナーゼには強力な血栓溶解酵素が認められている。また納豆菌の作 り出すビタミンKと骨粗馨症との関係が注目されている。ビタミンEはオステオカルシンなどのカルシウム結合 性タンパクの合成に必須のビタミンである。ビタミンKの中でも特に納豆に含まれるビタミンE2(メナキノンー7) がヒト血液に含まれるビタミンKのうち最も多い分子タイプである。さらに大腿骨頚部骨折患者ではElやメナキ ノンー7の血中濃度が低いとの報告は,ビタミンKと骨粗髭症との関連を強調する。 今回著者は,納豆がどのようにカルシウム代謝に影響を及ぼすかを形態学的に検討するために,上皮小体・甲 状腺・大腿骨の微細構造を電子顕微鏡を用いて観察した。また,納豆による高コレステロール血症の抑制効果を 見るために肝臓組織を光学顕微鏡下で観察した。 材料および方法 7適齢の雄性ラット32匹を普通食群,高コレステロール食群(普通食に1.5%コレステロールと0.5%コール酸を添加),納豆群(普通食に納豆を混ぜた飼料)ならびに高コレステロール食+卵豆群(高コレステロール食に
納豆を混ぜた飼料)に分け,飼育した。12週間後,エーテル麻酔下ですべての動物から血液を採取し血清総コレ ステロール値,HDLコレステロール値およびトリグリセライド値を測定した。摘出した上皮小体と甲状腺を2.5 %グルタールアルデヒドと2%オスミウム酸を含む固定液で1時間固定後,アセトン上昇系列で脱水し,エポキシ 樹脂に包埋した。超薄切片に鉛塩と酢酸ウラニルの二重電子染色を施し,日立H-800型電子顕微鏡で観察した。 各動物の上皮小体において最終倍率22,000倍の電子顕微鏡写真20枚を無作為に選択し,ゴルジ装置,ライソゾー ムおよび分泌果粒について画像処理装置を用いて計測した。肝臓は3〟mの切片にHE染色を施して光学顕微鏡で 観察した。 また,DXA法にて全身の骨密度(BMD)を測定した。骨の試料は大腿骨の遠位骨幹端直上から採取し,縦断 した。その後8%次亜塩素酸ナトリウム液中で有機物を除去し,アセトンにて脱水,臨界点乾燥した。その後日 立H-3500型走査電子顕微鏡で撮影した写真上で骨梁の面積と撤密骨の厚さを測定した。 得られたすべてのデータは一元配置分散分析法により有意差を検定し,さらにScheffeの多重比較検定法を用 いて統計学的に評価した。なお,P<0.05で有意差ありと判定した。 結果 普通食群におけるラット上皮小体の主細胞は不正多角形を示し,細胞膜の族合が見られ,隣接する細胞とはデ スモゾームにより結合していた。主細胞の多くは分泌前果粒を伴う中等度に発達したゴルジ装置をもつ。粗面小-25-胞体は槽状構造が平行に配列され,細胞内に散在していた。分泌果粒は内部が微細な果粒状物質で均一に満たさ れていた。納豆群の上皮小体主細胞の微細構造は普通食群と類似していた。高コレステロール食群の上皮小体主
細胞は普通食群と比較してゴルジ装置が発達しており,分泌果粒より電子密度の低い大型果粒が見られた。高コ
レステロール食群と高コレステロール食+納豆群の上皮小体主細胞の細胞質ではライソゾームが多く見られた0 甲状腺C細胞の微細構造に関して4群間で変化は見られなかった。高コレステロール食+納豆群の血清総コレス テロール値は高コレステロール食群よりも有意に低下していた。HDLコレステロール値とトリグリセライド値 に関しては,各群間に有意差は認められなかった。光顕下で観察した肝細胞の組織像では高コレステロール食+ 納豆群の肝細胞中の脂肪滴は高コレステロール食群と比較して減少していた。全身のBMDと大腿骨で計測した 緻密骨の厚さ,骨実の面積に4群間で有意差はなかった。 考察 納豆には骨粗髭症を防ぐ上で重要な働きをするビタミンKが豊富に含まれている。また,同じく納豆に含まれ るナットウキナーゼは血栓症の予防に役立つとされている。Ts山川daらは慢性腎不全を伴う自然発症高コレステ ロール血症(SHC)ラットの上皮小体主細胞では正常ラットに比べ,ミトコンドリアおよびゴルジ装置の面積が 有意に高値であったと報告している。本研究では高コレステロール食群の上皮小体主細胞のゴルジ装置が普通食 群よりも発達していた0この所見は・SHCラットの上皮小体の機能について検討したTs山daらの報告と同様で ある。高コレステロール食+納豆群の上劇、体,甲状腺および大腿骨の構造においては納豆の効果を確認するに 至る大きな変化は認められなかった。本実験期問がなお短かったことが考えられる。一般に脂肪に富んだ食餌に ょって肝細胞に脂肪滴が蓄積されるが,今回光顕下で観察した肝細胞の組織像では高コレステロール食+納豆群 の肝細胞中の脂肪滴は高コレステロール食群と比較して減少していた。また,大豆タンパク摂取がコレステロー ル値を低下させるという動物実験による報告もある。本実験では,血清総コレステロール値は高コレステロール 食+納豆群において高コレステロール食群よりも有意に低下していた。血清総コレステロール値の低下と肝細胞 における脂肪滴の減少という結果から,納豆の影響により高コレステロール血症が抑えられたと考えられる。論文審査の結果の要旨
申請者 小澤由紀は,日常的に食される納豆と骨粗髪症あるいは高コレステロール血症の関係に注目し,ラッ トを用いて電顕下で上皮小体・甲状腺・大腿骨の微細構造を,光顕下で肝臓の形態学的変化を追求した。その結 果,ラット上皮小体の微細構造の変化から,高コレステロール食が上皮小体ホルモン合成を刺激したことが示唆 された。また納豆の摂取による血清総コレステロール値の低下と肝細胞中の脂肪滴の減少が見られたことから, 納豆の影響により高コレステロール血症が軽減されたと考えられる。本研究は解剖学と内分泌学の発展に寄与す るところ有りと認める。 [主論文公表誌] Morphologicalstudyoftheparathyroid,thyroid,femurandliveroftheratfedhigh-Cholesteroldiet and natto
岐阜大医紀2002;50:20∼26