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カニクイザルにおける免疫遺伝子の多型性に関する研究

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Academic year: 2021

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Title カニクイザルにおける免疫遺伝子の多型性に関する研究( 内容の要旨 ) Author(s) 宇田, 晶彦 Report No.(Doctoral Degree) 博士(獣医学) 乙第069号 Issue Date 2005-03-14 Type 博士論文 Version URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/2053 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委、員 宇 田 晶 彦(東京都) 博士(獣医) 獣医博乙第69号 平成17年3月14日 学位規則第4条第2項該当 カニクイザルにおける免疫遺伝子の多型性に関する研究 主査 岐阜 大 学 教 授 山 田 章 雄 副査 帯広畜産大学 教 授 牧 野 壮 一 副査 岩 手 大 学 教 授 谷 口 和 之 副査・東京農工大学 教 授 本 多 英 一 副査 岐阜大学 教 授 源 宣 之 論 文 の カニクイザルは感染症、代謝病をはじめとするヒトの様々な疾患の病態研究等、医 学生物学研究に欠かすことのできない実験動物である。しかしカニクイザルの免疫系 に関する知見は乏しく、特に免疫系遺伝子の多型性に関しては殆ど知見がないといえ る。本研究では、感染症に対する感受性、代謝病の発生要因として遺伝子の多型性が 重要であるとされることから、Tリンパ球表面抗原CD3およびクラスⅠ組織適合抗原 複合体(MHC)の遺伝子系について解析を行った。 はじめにカニクイザルにおけるCD3ポリモルフィズムの解析を行った。カニクイ ザル末梢血中のリンパ球サブセットはCD3に対するモノクローナル抗体(FN18)に ょって同定されている。しかしながら多数のカニクイザルを解析したところ、FN18 抗体との反応性を欠く個体が12.2%存在することが明らかになった。そこで本研究で はFN18抗体との非反応性の分子生物学的背景を明らかにすることとした。FN18陽 性個体とFN18陰性個体において、リンパ球機能およびサブセット等を検討したが、 いずれの結果からもCD3分子は正常に発現している可能性が示唆された。両個体の CD3遺伝子群塩基配列解析の結果、CD亭£垂削こ3塩基(2アミノ酸)の変異が見いだ された。この結果はFN18抗体が認識するエピトープの形成にCD3亡鎖が深く関与し ており、この分子の多型性によってFN18に反応しない個体が存在することを示唆し ている。変異遺伝子を作成し哺乳動物細胞で発現させることによりFN18抗体との反 応性は67番目のアミノ酸に規定されることが明らかになった。すなわちFN18抗体 との反応性の有無は、CD3【鎖の67番目のアミノ酸に依存するCD3分子のポリモル フィズムによることが明らかになった。 次に極めて多型性に富んでいるにもかかわらずこれまで殆ど解析されていなかった カニクイザルゐMHCクラスIA遺伝子座を解析した。末梢リンパ球mRNAからMHC

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クラスIA遺伝子cDNAをPCR増幅の後クローン化し、各個体あたり複数のクロー ンについて塩基配列解析を行った。得られた塩基配列について2クローン以上が同一 の塩基配列を有していた場合、特定のアリルを代表する配列と考えた。推定されるア ミノ酸配列について近接結合法(NJ法)を用いた系統樹解析を行い、d>0.025であ る場合独立したアリルであるとした。この解析の結果、カニクイザルには少なくとも Mafa・A★01からMafa・A★14の14アリルが存在すると考えられた。次にMafa・Aアリ ルを簡便に検出する為にマルチプレックスPCR・SSP法を開発した。マルチプレック スPCR・SSP法では、A遺伝子座特異的なアンチセンスプライマーと4から5種類の アリル特異的センスプライマーを混合したプライマーセットを用いた。その結果、 Ma払・A★04およびA★08アリルの検出については若干の問題が残るものの、他の12 種類のアリルについては十分な特異性もって検出できた。このマルチプレックス PCR・SSP法を任意に選択した32頭のカニクイザルcDNAに適用したところ、1個体 あたり1から4種類のMah・Aアリルが検出された。このことから、カニクイザルの MHCクラスIA遺伝子座は重複して存在する可能性が示唆された。 これらの研究成果は、今後更に医学生物学研究で重要さが増すと考えられるカニク イザルを用いた研究において、多大な貢献が期待できるものと考えられる。 審 査 結 果 の 要 旨 カニクイザルは感染症、代謝病をはじめとするヒトの様々な疾患の病態研究 等、医学生物学研究に欠かすこ上のできない実験動物である。しかしカニクイ ザルの免疫系に関する知見は乏しく、特に免疫系遺伝子の多型性に関しては殆 ど知見がないといえる。感染症に対する感受性、代謝病の発生要因として遺伝 子の多型性が重要であるとされることから、申請者はTリンパ球表面抗原CD3 およびクラスⅠ組織適合抗原複合体(MHC)の遺伝子系について解析を行い、 以下の成績を得た。 はじめにカニクイザルにおけるqD3ポリモルフィズムの解析を行った。カニ クイザル末梢血中のリンパ球サブセットはCD3に対するモノクローナル抗体 (FN18)によって同定されている。しかしながら多数のカニクイザルを解析し たところ、FN18抗体との反応性を欠く個体が12.2%存在することが明らかにな った。そこで本研究ではFN18抗体との非反応性の分子生物学的背景を明らか にすることとした。FN18陽性個体とFN18陰性個体において、リンパ球機能 およびサブセット等を検討したが、いずれの結果からもCD3分子は正常に発現 している可能性が示唆された。両個体のCD3遺伝子群塩基配列解析の結果、CD3 ∈鎖に3塩基(2アミノ酸)の変異が見いだされた。この結果はFN18抗体が 認識するエピトープの形成にCD3モ鎖が深く関与しており、この分子の多型性 によってFN18に反応しない個体が存在することを示唆している。変異遺伝子

を作成し哺乳動物細胞で発現させることによりFN18抗体との反応性は67番目

のアミノ酸に規定されることを明らかにした。すなわちFN18抗体との反応性

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の有無は、CD3f鎖の67番目のアミノ酸に依存するCD3分子のポリモルフィ ズムによることを明らかにした。 次に極めて多型性に富んでいるにもかかわらずこれまで殆ど解析されていな かったカニクイザルのMHCクラスIA遺伝子座を解析した。末梢リンパ球 mRNAからMHCクラスIA遺伝子cDNAをPCR増幅の後クローン化し、各 個体あたり複数のクローンについて塩基配列解析を行った。得られた塩基配列

について2クローン以上が同一の塩基配列を有していた場合、特定のアリルを

代表する配列と考えた。推定されるアミノ酸配列について近接結合法(NJ法) を用いた系統樹解析を行い、d>0.025である場合独立したアリルであるとした。 この解析の結果、カニクイザルには少なくともM脆・Aチ01からMぬ・Aチ14の 14アリルが存在すると考えられた。次にMぬ・Aアリルを簡便に検出する為に マルチプレックスPCR・SSP法を開発した。マルチプレックスPCR・SSP法では、 A遺伝子座特異的なアンチセンスプライマーと4から5種類のアリル特異的セ ンスプライマーを混合したプライマーセットを用いた。その結果、Ma払・A★04 およびA★08アリルの検出については若干?問題が残るものの、他の12種類の アリルについては十分な特異性もって検出できた。このマルチプレックス PCR・SSP法を任意に選択した32頭のカニクイザルcDNAに適用したところ、 1個体あたり1から4種類のMa払・Aアリルが検出された。このことから、カニ クイザルのMHCクラスIA遺伝子座は重複して存在する可能性が示唆された。 以上のように申請者は実験動物しては極めて貴重であるにもかかわらず、殆 ど解析されていなかったカニクイザル免疫関連遺伝子について解析し、CD3分 子の多型性の存在を明らかにし、更にMHCクラスⅠのアリル同定を行い、MⅡC のタイピングを可能とした。これらの研究成果は、今後更に医学生物学研究で 重要さが増すと考えられるカニクイザルを用いた研究において、多大な貢献が 期待できるものと考えられる。 以上について、審査員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の 学位論文として十分価値があると認めた。 基礎となる学術論文 1)題 目:CD3polymOrPhismincynomol印SmOnkey 血感血血適 著 者 名:Uda,A,Thnabaya血i,Ⅹ.,M血kai,R.,%chi,M.,Nam,K.H. and「ねmada,A. 学術雑誌名:JournalofMedicalPrinatology 巻・号・頁・発行年:30:3:141・147,2001

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2)題 目:Iden也丘cationofanaminoacidresponsiblefortheCD3 ・POlymOrPhi$mincynomolgusmonkeys(肋ea甜 血感血独房 著 者 名:Uda,A,恥n壬巾aya血i,Ⅹ.,Mhk由,R.,恥faO,E.and「ねmada, A. 学術雑誌名:JoumalofMedicalPrimatology 巻・号・頁・発行年:32:2:105・110,2003 3)題 目:DetectionofCD3E pOlymOrPhismincynomolgⅦSmOnkeys byamethodbasedonRFLP 著 者 名‥Uda,A,恥n濾叩a血i,E・,Mhk由,R・,恥rao,K・弧dl払mada, A. 学術雑誌名:JournalofMedicalPrimatology 巻・号・頁・発行年:33:1:34・37,2004 4)題 目:Detectionof14andesderivedfromtheMHCclassIAl incynomol訂ISmOnkeys 著 者 名:Uda,A.,Thabaya血i,K.,「払mada,YK.,Aknri,H.,Lee,YJ., Mukai,R.,Tbrao,K.and「払mada,A. 学術雑誌名:ImmⅥnOgene也岱 巻・号・頁・発行年:56:3:i55・163,2004 既発表論文 1)題 目:Ananostericdrug,0,0一・bismyristoylthiaminedi$u岨de, suppressesHIVllreplicationthroughpreven也onof nudeartranslocationofbothHIVIThtandNF・Kappa B 著 者 名:Shqji,S.,Fumishi,K.,Ogata,A,Yhmataka,E.,Thdlibana, K.,Mukai,R.,Uda,A.,Haran0,K.,Matsushita,S.and MisⅥmi,S 学術雑誌名:Bio血emicalandBiophysicalResear血Communications 巻・号・貢・発行年:249:3:745・753,1998

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2)題 目:IsolationanddlaraCteri2;ationofahumanalternative COmplementpathwayinhibitingprQteinfromlarval hemolymphofthesilkworm,Bbm如mozi 著 者 名:Sekijima,Y,F可iknra,Y,nyama,Tl,Maenaka,Tland Uda,A. 学術雑誌名:Developmental&qomparativeImmunology 巻・号・貫・発行年:25:2:89・100,2001 3)題 目:SARSコロナウイルスの安定性の検討 著 者 名:棚林清,巽正志;藤田修,宇田晶彦,山田章雄 学術雑誌名:感染症学雑誌 巻・号・貢・発行年:78:11:991・992,2004

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