虚血心筋の剖検所見との対比
一生前心筋シンチグラムとの比較一
※※※※9※9※明孝朗英一
原城達夫ザ 士井下建治瀞※
青山隆彦※
小西章太※※※
野井柳藤平一 垂※
曰,
淳一瀞 健次瀞※※
岡崎 嵯蛾 松成
〔目的〕
血流トレーサーである20ITL99mTcTetrofosmin は、心筋バイアビリテイの評価に用いられている。
しかし、トレーサーのuptakeと心筋組織学的形状 の関連については報告は少ない。今回、我々は剖検 心を用いてこれらの関連について検討した。
〔対象〕
生前に心筋シンチグラフィを施行し、剖検し得 た」慢性虚血,性心疾患患者2名で、2枝病変症例で脳 梗塞で死亡した76歳女性と3枝病変症例で外泊中 に突然死した68歳男性である。
〔方法〕
剖検時、左室心筋は短軸で1cmごとにスライス し、肉眼的検討をした後、ホルマリン固定し、後の 切り出しでは、定量的解析に用いるため、左室心筋 を20領域に分割した。SPECTは各領域に対応、3 スライス加算して約1cmの厚さの情報を用い、
circumferentialprofilecurveを用いて、%uptake を算出した。各領域の心筋組織像をAdobe Photoshopを用いて、血管組織,心外膜組織を除き、
残存心筋組織と線維化した組織に分割し、それらの pixel数を計算して、残存心筋量を計算した。
〔結果〕
症例12枝病変症例で脳梗塞で死亡した 76歳女性
剖検では心筋重量4009で、前壁中隔は著しく薄 く、線維化のため日色調を呈し、厚さは中隔で 4mm,前壁では2mmであった。側壁,下壁は代償性 に肥厚していた。また、安静再分布201Tlで再分布す る下壁および中隔の下壁より部分にはやや粗な変 色域を認めた(Figl)。
前壁は、201Tlでは完全欠損を示していたが、組織 学的には心内膜側の一部を除いて、ほぼ完全に線
雑化していた。側壁は、201Tlでは正常であるが、組 織学的にもほぼ正常であった。下壁および中隔の 下壁側はまだらに線維化が認められた(Fig2)。
心筋組織像、SPECT像を定量解析した結果を Fig3に示す。縦軸に2CITIの%uptake、横軸に残存 心筋量をプロットした。201Tl初期像,後期像ともに 良好な相関を示したが、特に201m後期像では「=
0.964の良好な相関を示した。
症例2.3枝病変症例、外泊中に突然死した 68歳男』性
前壁は厚みが保たれてはいるが、肉眼的には線 維化が著しい。また、その他の領域にも線維化巣が 散在している。201Tlでは上段では前壁中隔は完全 欠損である(Fig.4)。
99mTc-Tetrofosminは20ITIとほぼ同等であるが、
側壁ではl231-BMIppのmismatchを認める(Fig.
5)。
定量解析では201Tl運動負荷法の再分布像,再静注 像と良好な相関を示した。201Tl運動負荷の場合、心筋 バイアビリティは再分布法のみではバイアビリティ は過小評価すると報告されており、より正確なバイ アビリテイ評価には再静注が必要といわれているが、
本症例でも再静注像が再分布像より良好な相関を示 した。我々は99mTc-Tetrofosminも心筋バイアビリ ティ評価に有用であることをこれまでも報告してい るが、本症例においても99mTc-Tetrofosmin安静像 は残存心筋と良好な相関を示した(Fig6)。
〔結語〕
慢性虚Ⅲ性心疾患患者の剖検心において残存心 筋量は、2olTlrestredistributionimageの後期像’
2olTIexerciseredistributionreinjectionimage の再静江像,99mTc-Tetrofosmin安静像の心筋取
り込み量と良好な相関を示した○
福井県立病院 同 同 金沢大学
循環器内科 病理 放射線科 核医学科
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第29回北陸循環器核医学研究会(1997.12)
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▲Fig.2
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