奈良教育大学学術リポジトリNEAR
生徒同士の人間関係形成能力を高めるピア・サポー トプログラムの開発に向けての予備研究
著者 川畑 惠子
雑誌名 奈良教育大学教職大学院研究紀要「学校教育実践研
究」
巻 1
ページ 115‑122
発行年 2009‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/10105/1186
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生徒同士の人間関係形成能力を高めるピア・サポート プログラムの開発に向けての予備研究
川畑 惠子
Keiko Kawahata
奈良教育大学大学院教育学研究科教職開発専攻
School of Professional Development in Education, Nara University of Education
1 問題と目的
(1)問題および取り組みの概要
近年、人間関係を結ぶのが苦手な生徒たちが増え ている。筆者の勤務校においても、相手の感情を推 し量ることができず、不用意な言葉を発して相手と の関係を崩してしまったり、過度に相手の言葉に反 応して自信を失い、学校生活に不適応症状を示した りする生徒がみられる。
門脇(1999)は、こうした状況が生まれている背 景として、 「社会力」 の低下を指摘している。 そして、
社会力の低下は、若い世代の人間関係や人づきあい がお互い深入りしないきわめて表面的なものになっ ているという現象を引き起こしており、それを「疎 まれる深い人間関係」ととらえている。
中学生という時期はただでさえ、相手のプライバ シーに深入りすることを避ける傾向にあり、また、
自分のプライバシーに深入りされたくないという傾 向にもある。そこに加えて、人間関係の形成能力が 育ちにくい社会的状況がある。
このような状況にある中学生に、思いやりのある 人間関係づくり、 適度な距離を保った関係の取り方、
相手の立場を推し量り、それに対する適切な対応の 取り方を身につけるなど、人間関係形成能力を高め る取り組みが必要であると考える。
人間関係の結び方を、体験活動を通して身につけ させる方法として、構成的グループ・エンカウンタ ー(国分 2006)やソーシャルスキル・トレーニン グ(佐藤 2006) 、対人関係ゲーム(田上 2003) 、 ピア・サポート(池島 2007)などが効果的であると いうことが研究で明らかになってきている。
平成19年、文部科学省において第8回言語力育成 協力者会議がもたれ、 言語力の育成方策が出された。
その中の「特別活動」の指導の在りかたについて、
以下のように述べられている。 「人間関係や集団生 活の形成に必要な言語力を育成するために、協同の
目標の下に行う同年齢や異年齢による言葉の交流活 動を一層重視することや、自分や他者の多様な考え をよりよい方向へまとめていくような力を育成する ことが重要である。また、構成的グループ・エンカ ウンター、ソーシャルスキル・トレーニング、ピア・
サポートなど好ましい人間関係やよりよい集団生活 を形成するのに必要なスキルを学ぶ場を適宜設ける ことが望ましい。 (文部科学省言語力育成協力者会 議 2007「言語力の育成方策について」 ) 」
本研究で取りあげるピア・サポートは、同世代の 仲間同士による支援活動を組織し、生徒の自然な援 助資源を活かし、友人に援助の手を差しのべようと する活動である。支援する側・される側双方に、他 者を思いやる気持ちを育み、 生徒の向社会的行動 (思 いやり行動 pro-social behavior)の育成に役立つ。
ピア・サポートの主な支援内容は、①友達づくり活 動、②相談活動、③もめごとなどの対立問題解消と いう3つに分類される(Cowie & Sharp 1996) ( 〈資 料⑶〉参照) 。このような知見をもとに、生徒同士の 人間関係形成能力を高めるプログラムとしてピア・
サポートを学校教育に導入し、そのプログラムの開 発とその効果の検討を研究課題とした。
(2)諸外国におけるピア・サポートの歴史と活動 西山(2002)によると、仲間による支援活動とし ては、欧米における障害者福祉の分野や少数民族に 対する支援活動が挙げられる。ピア・サポートの先 駆的な活動については、1904年にニューヨークで開 始された非行少年に対する支援活動がある。1970年 代後半になって、ピア・サポートの考え方がカナダ やアメリカの学校に導入されるようになり、ピア・
サポートトレーニングを受けた生徒が校内で支援活
動を行い、その結果、子どもたちの人間関係がよく
なるなどの成果を生み、急速に広まっていったとい
う。
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また、西山(2002)によれば、現在のカナダやア メリカなどで見られるピア・サポートは、 「スクール カウンセリング機能」 の一部として考えられている。
たとえば、アメリカのオークトン高校では、学校全 体のカリキュラムに「選択授業」としてピア・メデ ィエーションとピア・ヘルピングを導入し、希望者 がそれを履修した上で実際の援助活動にあたってい る。各校に配置されたスクールカウンセラーは職務 として、こうしたプログラムのスーパーバイザー役 を務めていることが多いということである。
池島(2003)によると、イギリスにおけるピア・
サポート活動の導入は、いじめ問題への対応に端を 発する。イギリス教育省は1989年、学校での規律に 関する調査報告書をまとめ、いじめの被害者である 生徒の支援について明確化した。 1990年には、 「シェ フィールドいじめ介入プロジェクト」への助成を決 定し、本格的ないじめへの取り組みを開始した。ア ークランド・バリー中等教育学校では、ピア・カウ ンセリング(後にピア・サポート)を導入し、生徒 相談員を組織していじめ対策(ABCパイロット計画 Anti-Bullying Campaing いじめ撲滅キャンペーン)
にとりかかった。 この活動は、 いじめ撲滅を目的に、
ピア・カウンセラーとなる学生を募集し、 彼らに傾聴 スキルなどのトレーニングを行った後、下級生など の相談にあたらせるという活動が展開された。 当時、
いじめなどの難しい問題に対して、 学生がピア・カウ ンセラーとして本当に相談に乗ることができるのか という危惧が生じた。しかし、イギリスでのピア・
サポート活動の第一人者であるヘレン・カーウィ
(Cowie,H 1996)が、ピア・カウンセリング活動に おける成果として、いじめに対して解決に向かうた めの何らかの手を差しのべたいという生徒の心を生 かせること、相談相手になった生徒の心理面・学業 面の成長が著しいこと、生徒達のいじめに対する意 識や行動に変化が見られること等を明らかにした。
ただ、その後、イギリスではピア・カウンセリングを プロフェッショナルカウンセラーが行うものと区別 するために、 ピア・サポートと改められ現在に至って いる。
(3)日本におけるピア・サポート活動の状況 日本の学校現場におけるピア・サポートについて は、本格的な活動の導入からほぼ10年が経過してい る。それまでの学校教育現場では、教育相談活動が 生徒理解に関わる活動の中心であったといえる。し かし、学校教育をめぐる状況や子どもたちの様相が 次第に複雑になり、問題行動に対する治療的なかか わりから、問題行動の予防及び人間関係の開発的な 指導が積極的に取り入れられるようになっていった。
その経緯を次に示す。
表1 日本におけるピア・サポートの変遷
(池島 2003の資料による)
1994年
1994年
1995年 1997年 1997年 1998年 1998年 2002年 2005年
金沢大学附属中学校において保健委員 会による「紙上相談」が開始される。
日本の学校におけるピア・サポート活動 の始まり。
「いじめ追放に取り組む学校」イギリ ス、アークランド・バリー中等教育学校 のピア・カウンセリング活動(BBC放 送制作)をNHKが放映。
横浜本郷中学校でいじめ問題解決のた めのピア・サポート実践始まる。
日本学校教育相談学会がアメリカでピ ア・サポートを視察。
「学校でのピア・カウンセリング」が、
著作として初めて日本で出版される。
トレバー・コール氏来日。ピア・サポー ト活動の活性化の契機となる。
学校現場における本格的な実践が横浜 と前橋を中心に始まる。
日本ピア・サポート研究会発足。
日本ピア・サポート学会発足。
平成20年(2008年) 、新しい学習指導要領が公示さ れ、小中学校では平成23年度から、高等学校では平 成24年から完全実施されることになった。特に「特 別活動」 の目標においては、 「望ましい集団活動を通 して、 心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、
集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を 築こうとする自主的、実践的な態度を育てるととも に、人間としての生き方についての自覚を深め、自 己を生かす能力を養う。 」とある。また、各活動にお ける「学級活動」の目標に「学級活動を通して、望 ましい人間関係を形成し、集団の一員として学級や 学校におけるよりよい生活づくりに参画し、諸問題 を解決しようとする自主的、実践的な態度や健全な 生活態度を育てる。 」とある。生徒が「よりよい生活 づくりに参画し、 諸問題を解決しようとする自主的、
実践的な態度や健全な生活態度を育てる」には、子 どもたちが相互に支援し合うピア・サポート活動は まさに時宜を得た活動といえる。
ピア・サポートの発想は、 「子どもたちが悩みを抱 えたり、困ったりたときに友達に相談することが最 も多い(レイ・カー 1980) 」という点にある。
また、トレバー・コール(1981)も、 「子どもにと
って個人的な問題が起きたときには、友達に相談す
ることが最も多い」 ことを根拠とし、 「子どもたちに
他者をどう思いやるかについて学ばせる方法」を身
につけさせるために、 「自己追求と自己決定を可能
にするコミュニケーション・スキル」をトレーニン
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グするための方法として、 ピア・サポートプログラム を組むことを提唱している。
わが国においては、こうした提唱を裏付ける資料 として、総理府青少年対策本部(現内閣府)が、 「低 年齢の価値観に関する調査 2000」 を小学校4年生か ら中学校3年生までの男女2,234人を対象に行った調 査が挙げられる。それを次に示す。
人の気持ちが分かる人間になりたい。
小学生91.6% 中学生93.3%
人の役に立ちたい。
小学生92.3% 中学生90.5%
人に親切にしたい。
小学生96.2% 中学生94.5%
この調査は、同時に先にも述べた近年の子どもの 状況を示すごとく、次のような価値観をも呈してい る。
人といると疲れる。
小学生16.2% 中学生23.2%
人は信用できない。
小学生22.2% 中学生24/5%
自分が満足していれば、人が何と言おうと気にな らない。
小学生34.5% 中学生33/5%
こうした調査を踏まえ、池島(2007)が述べるよ うに、子どもの発達特性に着目し、ピア・サポート を有効に活用することを提案したい。
日本の教育現場にピア・サポート活動を導入して いくには、そのプログラムの理論的枠組みや有用性 を教員が研修し、実施する集団の傾向性をも検討し て、必要に応じてプログラムを修正しながら導入し ていく必要がある。
現在我が国では池島ら(2004)の論文にみられる ように、欧米で行われているような特定の子どもに 対して行うピア・サポートトレーニングではなく、
学級の子ども達全員を対象に行うプログラムの開発 が主流となってきている。このような傾向は、我が 国の学級担任教員が学級経営者として大きな役割を 担っていることからもうかがえる。このピア・サポ ートプログラムの導入により、児童間の友人関係や 学習意欲に有意な傾向が見られる等の効果が得られ ている。
(4)本研究における実践と目的
中学校におけるピア・サポートの先行実践として は、生徒会活動の一部として機能する例が挙げられ る。中学に入学した生徒が抱える問題として中1ギ ャップ問題がある。その事態を解消するため、中学 生が小学生に働きかけ、相談に乗るという取り組み
がそれである(竹内 2008) 。また、生徒の委員会活 動と 「選択授業」 を連動させ授業に組み込むという、
学校長が学校経営の柱の一つとして打ち出した取り 組みの例もある(山田 2008) 。
こうした先行実践は、特定の生徒とその活動に関 わる一部の教員による実践にとどまることが多い。
筆者の勤務校においては、大学と連携した学生に よる生徒支援の活動は定着しているが、同年齢の生 徒間における支援活動は実施されていない。
そこで、本実践研究の予定としては、附属中学校 において中学生同士が支援するピア・サポート活動 のシステムを確立するため、まず、学級、学年にピ ア・サポートを導入し、生徒同士の人間関係の改善 を図るプログラムを開発して、予防的・開発的生徒 指導として位置づけていきたいと考えている。 また、
支援活動を支える教員についても一部に限るのでは なく、 複数の教員が共働してピア・サポート活動に関 わり、学校体制として生徒の活動の活性化を支える 教師集団づくりを目指していきたいと考えている。
2 方法
(1)対象
附属中学校1年生もしくは2年生の学級
(2)プログラムの開発及び実践者
筆者(ただし、プログラムの開発においては、大 学教員との共同研究)
(3)生徒の役割及び支援の在り方
学級内における実践については、生徒個々の自尊 感情・自己有用性を高めるために、生徒個々に役割 を設定することが効果的であると考える。
そこで、生徒個人はどのようなサポートができる か、学級集団にとってどのようなサポートが必要か を検討をする。
(4)学校組織としての教師の協働の在り方 実践は学級担任が行うことを想定しているが、学 校組織としての校務分掌を機能させて、ピア・サポ ート活動を推進する。
筆者が勤務する附属中学校は、生徒の相談活動に
ついて、教育相談委員会とソーシャルスキル委員会
がその役割を担っている。この2つの委員会と連携
しながら、実践を進めていきたいと考えている。
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表2 附属中学校の相談活動に関わる委員会
教育相談委員会 ソーシャルスキル委員会
対象 ○生徒
○保護者
○生徒
活動内容 ○大学と連携したカウンセリング活動 ○大学と連携したピア・サポート活動(活動は 大学生)
構成員 ○校長
○副校長
○養護教諭
○生徒指導部長
○関係学年主任・担任
○ソーシャルスキル委員(教諭) 各学年1名
○関係学年主任・担任
○ケース会議には管理職・養護教諭生徒指導主 任が参加する。
※ソーシャルスキル委員会の活動の中心はピア・サポート活動である。
(5) 効果測定用具の検討
①学級集団内の人間関係を測定する測定用具の検 討(Q-Uに関するもの)
②生徒個人のソーシャル・スキル及び自己達成感 の測定に関するもの
③学級集団に関する生徒個人の意識を調査するも の(アンケート)
④ワークシート
⑤振り返りシート (6) 手順
①附属中学校生徒に対して、ピア・サポートに関 する実態調査と分析を行い、獲得させたいスキ ルは何かを明確にする。
②人間関係形成能力を高めるためのプログラムに は、どのようなプログラム要素が必要かという 観点に立ち、様々な人間関係開発プログラムの 収集を行う。
③プログラムの効果を測定する心理測定用具を検 討する。
④試行的にプログラムを組み、 実施し、 分析する。
⑤定期的にケース会議をもち、効果について確認 するとともに、検討し、改善する。
⑥改善点をもとにプログラムを修正し、再び実施 する。
⑦ピア・サポートプログラムの導入により、学級 の人間関係がどう変化したかを分析し、結果を 示す。
【留意点】
①ピア・サポートについての職員研修を行い、職 員の共通理解を図るとともに、ピア・サポート に対しての意識を高める。
②生徒指導部及び相談活動関係委員会との有機的 な連携を図りながらすすめる。
③小学校・中学校を見通した人間関係形成能力を 高めるためのプログラムを開発をする方向を検 討する。
④特別活動、生徒会活動の活性化を図るために、
ピア・サポートを積極的に取り入れていく。
(7)年間計画試案
《資料》⑷ Cowie & Sharpによるピア・サポートの3つの支援内容と森川のピア・サポートスキルトレ ーニングをもとに以下の試案を作成した。
表3 ピア・サポートプログラム年間指導計画試案
実施時期 生 徒 教 員
4月 1.学級の人間関係調査・分析 2.自分を知ろう。エゴグラム
3.友達を知ろう。リレーションづくり 4.気持ちよい声かけとは。
挨拶について考えよう。
5.Q- U実施
職員会議:活動説明 学年研修:エゴグラム分析 職員研修:ピア・サポートとは 学年会議:学級状況説明 人間関係調査分析報告と方向性 5月 6.ガイダンス
ピア・サポートって何?
学年会議:学級状況報告
Q- U分析
5
意義・資質
7.ゲームによる自己開示 アイス・ブレーキング・他 8.聴く練習 1
一方通行・双方向コミュニケーション 9.聴く練習 2
相手への関心を伝えよう。
積極的傾聴 FELOR 6月 10.聴く練習 3
非言語コミュニケーション 気持ちを聴き取る。
11.聴く練習 4 質問の仕方
オープン・クローズドクエスチョン 12.話す練習 1
わたしのメッセージ 上手な提案の仕方
学年会議:学級状況報告 ケース会議 改善検討
7月 13.活動を振り返る。 職員研修・ガイダンス会議 状況報告、意見交換、生徒理解
8月 職員研修:講義と演習
大学と連携して実施 9月 14.対立解消プログラム 1
15.対立解消プログラム 2
学年会議:学級状況報告 ケース会議 10月 16.問題解決の練習 1
限界と危機対応・守秘義務 助けの求め方と上手な断り方 17.問題解決の練習 2
問題を整理する方法
学年会議:学級状況報告 ケース会議 改善検討
11月 18.問題解決の練習 3 問題を整理する方法 19.活動を振り返る・評価 ピア・サポーターの誓い
学年会議:学級状況報告 ケース会議
12月 20.Q- U実施 職員研修・ガイダンス会議 Q- U分析
1/ 2月 結果の分析:プログラムの評価
※教育相談関係委員会及び生徒指導部会での情報交換は定期的に実施する。
3 今後の課題
ピア・サポートの実施については、特別活動、国語 の授業などで行う予定であるが、カリキュラムの編 成については検討中である。
また、先にも述べたが、中学生の中には相手のプ ライバシーに深入りすることを避ける生徒や自分の プライバシーに深入りされたくない生徒が見受けら れる。
あるいは、相手の状況に共感するあまり、問題を 抱えきれなくなり、逆に支援を求める立場になって しまう生徒が出てくる可能性もある。事実、責任感 の強い生徒が学級の生徒を支えきれなくなり、自分
を責めてしまい、不登校傾向の状態に陥ってしまっ た事例がある。
こうした中学生に見受けられる生徒の状態をも想 定し、 課題をどう克服し、 どのように活動させるか、
先行事例の中における問題点も探りながら実施に向
けて取り組んでいきたい。
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《資料》
(1)ピア・サポートの定義とピア・サポートの前提
【日本ピア・サポート学会の定義】
子どもたちの対人関係能力等、社会に生きる力が きわめて不足している現状を改善するための学校教 育活動の一環として、教師の指導・助言のもとに、
子どもたちの相互の人間関係を豊かにするための学 習の場を各学校の実態に応じて設定し、そこで得た 知識やスキル(技術)をもとに、仲間を思いやり、
支える実践活動をピア・サポート活動と呼ぶ。
【ピア・サポートの前提】
①子どもが 「悩みの相談相手」 として選択するのは、
圧倒的に「友だち」である。
②小学4年生から中学3年生までの92.5%の児童・生 徒が「人の気持ちが分かる人間になりたい」と考 えている。 (小学生91.6% 中学生93.3% 総理府:
現内閣府青少年対策本部 2000)
③人は実際に人を支援する中で成長する。
④思いやりのある環境は、 子どもの成長を促進する。
⑤思いやりのある環境は、いじめや不登校などの問 題を予防し、解決を促進する。
(2)ピア・サポートプログラムの構造及びトレーニングの内容と構造 図1 ピア・サポートプログラムの構造
図2 ピア・サポートトレーニングの内容と構造
実際 の 枠 組 の 決定 トレーニング プラ ン ニ ン グ サポート 活動 スーパ ーヴ ィジ ョン プロ グラ ムの評価
対立解消スキル
問題解決スキル
コミュニケーション・スキル
サポート・信頼・ストローク
共感スキル
自己理解(体験的・認知的)
活動に応じた トレーニング アサーション トレーニング
ストレス
守秘義務 限定設定
カウンセリング
他 者 へ の 関 心
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