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混合協定の場合におけるEUと構成国間の誠実協力義務

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Academic year: 2021

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(EC条約10条(現EU条約4条3項):(EU)司法裁判所2010年4月20日大法廷 判決)

(C-246/07 Commission v. Sweden [2010] ECR I-nyr.)

〔事実〕

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き,EUが締結しようとする条約規定対象に対してEUと構成国に権限が分属してい る場合,つまり,EUが条約の規定事項に対して1部権限を有するものの,残りは 構成国の権限に属している場合,あるいは,EUは規定事項に対して包括的な権限 を有しているものの,同権限の性質が競合的権限(concurrent competence)であり, 結果構成国との共有権限(shared competence)である場合に,発生する。EUが共有 権限を有する場合,EUの対内において,構成国はEUが権限を行使しない範囲にお いてその権限を行使することができる(EU運営条約2条2項)。これが,対外関係に おいて,どのようなことを意味することになるかが問題となったのが本件である。 Ⅱ.対外関係における誠実協力義務の発生時期 裁判所は,804/79事件において,EC条約5条(現EU条約4条3項)に従った作 為・不作為義務は,理事会によってまだ採択されていないとしても欧州委員会が理 事会に提案を提出した場合構成国に課されるとし,同時に,委員会による理事会に 対する提案は,協調共同体行動(concerted Community action)に対する出発点を 意味すると判示した (5) 。これは,対内関係における誠実協力義務の発生時期であった。 これに対して,裁判所は,構成国の第三国との二国間協定の締結が問題となった, C-266/03(委員会対ルクセンブルク)事件 (6) およびC-433/03(委員会対ドイツ)事件 (7) に おいて,対外関係における同義務の発生時期を判示した。裁判所は,両事件におい て,共同体を代表して多角的協定の交渉を委員会に許可する決定の採択が国際的平 面における協調共同体行動の開始を意味するとした。 本件では,事実概要で示したように,すでにEUと構成国が混合協定の形で国際 条約を締結した後の,同条約の枠組における構成国の一方的な提案が問題となった。 本件では,PFOSに関する理事会の決定の採択および提案もなく,また,同物質の ストックホルム条約付属書リストへの追加のための理事会の交渉許可もなかった。 しかし,裁判所は,PFOSに関して共同体戦略(Community Strategy)が存在した か否かという観点から検討し,PFOSを追加するという提案をしないという共同体 戦略が存在したと認定した。裁判所は,ここから,スウェーデンがその一方的な提 案提出により理事会における協調共通戦略(concerted common strategy)から逸 脱したとの結論に至った(判旨2参照)。

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相互の義務を定めていることにも影響を受けている可能性がある。

(1)理事会決定2006/507/EC, OJ 2006 L209/1. (2)欧州議会と理事会規則850/2004, OJ 2004 L158/1. (3)COM(2004)537.

(4)Case C-246/07 [2010] ECR I-nyr; Valérie Michel, "190 Violation du devoir de coopération loyale", Europe, Juin 2010, pp.9-10.

(5)Case 804/79 [1981] ECR 1045.

(6)Case C-266/03 [2005] ECR I-4805, para. 60. (7)Case C-433/03 [2005] ECR I-6985, para. 66.

(8)拙稿「EC条約176条に基づく国家のより厳格な環境保護措置」専修法学論集 97号 2006年 83-127頁。

(9)拙稿「欧州共同体と構成国間の協力義務の展開」一橋論叢 122巻1号 1999年 69,79-80頁。 (10)Case 22/70 [1971] ECR 263.

(11)Joined Cases 3, 4 and 6/76 [1976] ECR 1279. (12)Ruling 1/78 [1978] ECR 2151.

(13)Opinion 2/91 [1993] ECR 1077. (14)Opinion 1/94 [1994] ECR 5267.

(15)Opinion 1/08 [2009] ECR I-11129; 拙稿「共通通商政策関連分野におけるEUの排他的対外権 限の範囲」国際商事法務 Vol.38 No.8 2010年 1140,1145頁。

(16)法務官意見に対するコメントとして,Eleftheria Neframi, "The Duty of Loyalty:Rethinking its scope through its application in the field of EU External Relations", CMLRev. 47, 2010, 323, 356; この論文が執筆された時点では,本件の判決はまだ下されていなかった。

参照

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