WTO法体制における「共通利益」概念 : 履行確保制 度の視点からの示唆
著者 張 博一
雑誌名 同志社法學
巻 69
号 1
ページ 1‑27
発行年 2017‑05‑31
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2019.0000000407
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号一一
W T O 法 体 制 に お け る 「 共 通 利 益 」 概 念
――履行確保制度の視点からの示唆――
張 博 一
Ⅰ はじめにⅡ WTO義務の性質と﹁共通利益﹂論
1 二国間主義から多国間主義へ
2 二つの﹁共通利益﹂概念Ⅲ 司法的解決による﹁共有の利益﹂の実現
1 協定の目的の達成妨害に基づく申立
2 利益の無効化・侵害に基づく申立
3
現抗措置による個﹁別利益﹂の実対Ⅳ ﹁共別利益﹂と﹁個化の利益﹂の同有
1 第三国対抗措置の可能性
( )同志社法学 六九巻一号二WTO法体制における﹁共通利益﹂概念二
2 具体的﹁利益﹂概念への変換Ⅴ おわりに
Ⅰ はじめに 現在の国際社会には、国家相互間の契約的利益とは異なる﹁共通利益(
co m m on in te re st
)﹂が存在し、また、それを実現するための規範及びその規範の遵守を確保するための手続がいくつかの分野で形成されつつあることは国際法学者の共通認識である。B ull
は国際社会が存在すると言えるのは、﹁一定の共通利益と共通価値を自覚した国家集団が、︱その相互関係において、それらの国々自身が、共通の規則体系によって拘束されており、かつ、共通の諸制度を機能させることに対してともに責任を負っているとみなしているという意味で︱一個の社会を形成しているときである﹂ )1(として、共通利益の意義を論じている。共通利益が最も顕著に現れている分野の一つに国際経済分野がある。経済のグローバル化の進展と相互依存関係の深化・増大を背景に、複雑に交差し合う無数の経済的ネットワークは各国における生産及び貿易を拡大させながら、一つの多角的な自由貿易体制を織り成している。このような多角的自由貿易秩序が確立するなかで、その維持と発展に中心的な役割を担うWTOは、GATT期の加盟国の主観的利益の均衡を図る二国間関係の算術的総和から、一つの共通利益の実現を目指す法体制へと変容したとする見解が広く共有されている )2
(。
他方で、﹁共通利益﹂という術語はこれまでに、様々な文脈で多義的に用いられ、現状を描写する'イメージ'以上の議論は十分に行われてこなかったように思われる )3
(。特に、多数国間条約における共通利益を論じる際には、次の点に留意する必要がある。多数国間条約体制は、特定の利益を共有する国家が自国の個別利益の最大化または相互依存関係
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号三三 の増大に基づく協力の必要性といった観点から、その合意によって作り出される利益共同体であり、通常、何らかの共通利益をその存立基盤としている。そしてWTOの場合、これを端的に示すならば﹁自由貿易の促進・拡大﹂である。しかし、
G aja
が﹁国家集団は自由貿易の促進によって利益を享受しうるが、これは必ずしも一般利益(ge ne ra l in te re st s
)であるとは限らない﹂ )4(と指摘したように、WTO加盟国が共同体構成員としてもつ共通利益と、いわゆる一般利益との間には'距離'があり、両者を十分に区別して議論を進める必要があろう。そこで、本稿は、WTO法体制がもつ共通利益が、どの程度法的利益として定立するに至っているのか、すなわち、当該概念の存在が条約義務の性質、締約国の権利義務関係、さらには紛争解決にいかなる実質的変化をもたらしているのかについて検証することを目的とする。
法的な側面から共通利益を分析する方法の一つに、条約義務の違反に対する対応がある。なぜなら、条約義務の履行確保制度の在り方は通常、その規律対象としている実体規則の性格を反映し、とりわけ、共通利益は国家の個別的な利益とは別個に存在する点に意義があると捉えるならば、その実現もまた加害国と被害国という二国間性を基礎とする伝統的国家責任論とは異なる新たな理論枠組みが用意されてしかるべきである。これらのことから、ある義務違反が生じた場合に、被害国の主観的・個別的利益の救済の他に、共通利益の回復・実現という観点から、他の条約締約国にも何らかの具体的な措置をとることが認められているのか、また、認められているとすればそれはどのような法理に基づくものかを検討することは、共通利益を確認する一つの手掛かりとなる。もっとも、履行確保は手続上の諸制度であって、履行確保手段を広く認めることは必ずしも実体上の共通利益の存在を意味しないし、また逆に共通利益を履行する手続がないことは、必ずしも当該利益が存在しないことを意味せず、実体法上の権利義務と手続法上の諸規則の間に常に絶対的な相互関連性が認められるわけではない。しかしながら、WTOといった自己完結的なレジームの場合、加盟国は
( )同志社法学 六九巻一号四WTO法体制における﹁共通利益﹂概念四
その合意に基づいて、個々の分野でその保護する法益に応じた履行確保制度を個別に措定しうることから、WTO紛争解決制度における履行確保に関する規範構造を分析し、その制度的特徴を明らかにすることを通して、当該条約体制が保護しようとする﹁利益﹂を導くこともまた可能であると考える。
そこで以下では、まず議論の前提として、WTO義務の性質とWTOにおける共通利益をめぐる従来の議論を概観し、2種類の共通利益概念が混在していることを明らかにする(Ⅱ)。そのうえで、WTO紛争解決手続における履行確保制度として、紛争解決機関への申立要件(Ⅲ)と、勧告及び裁定が実施されない場合に発動される対抗措置(Ⅳ)に着目し、直接的損害を被っていない締約国も共通利益を根拠として、これらの措置を請求する権利が認められているか、認められる場合にその根拠は何かについて検討する。最後にこれらを踏まえて、共通利益をWTO多国間協力枠組みの観点から評価する(Ⅴ)。
なお、本稿の検討対象は、国際社会全体がもつ﹁国際公益﹂とは区別された、WTO条約体制によって創り出される経済 44という個別分野での、条約締約国 44444が合意した共通利益に限定する。その意味で、このような個別分野における共通利益がいくら集積しても国際公益を実証する法的根拠とはならず )5
(、国際社会全体の一般利益または公益の検証とはならない点に本稿の限界がある。他方で、個別分野を離れて国際公益を総論的に論じることもまた非現実的であり、個別分野における共通利益概念を紐解く作業の延長線上に国際公益があると考える )6
(。
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号五五 Ⅱ WTO義務の性質と「共通利益」論
1 二 国 間 主 義 か ら 多 国 間 主 義 へ ⑴ G A T T と 二 国 間 主 義 ( bilateralism )
GATT体制に貫かれている重要な価値基準として二国間主義がある。GATTは国際貿易機構(ITO)構想のうち、国家間の関税障壁削減による貿易自由化交渉の成果をまとめた文書であった )7
(。そのため、GATTは多数国間条約をその外観にとる一方で、実際には各締約国の相互に釣り合いのとれた利益交換に基づく二国間関係を保護する取極が、多数の国の間でなされることによって形成されるネットワークとしての性格を有していた )8
(。
このようなGATTの二辺的貿易関係を前提に、WTOにおける権利義務の本質もGATTと同様﹁権利と義務、利益と負担のバランスである﹂と主張したのが
B ell o
である。B ell o
はGATT/WTOにおける遵守は加盟国の自主性に委ねられるとし、したがって、協定上の義務違反を認定された締約国は、違反措置を撤回する以外にも、申立国との間での譲許のバランスを代償の提供または対抗措置の甘受のいずれかによって回復する限りにおいて違反措置を維持することが認められるとした )9(。WTO設立直後になされた、相当な対価を支払うことでその法的義務からの逸脱も可能であるとするこの見解に対して、
Ja ck so n
は直ちにミス・リーディングであるとし、紛争解決機関による勧告・裁定は法的拘束力を有すると強く反論した )₁₀(。両者の議論の着眼点に若干のずれはあるものの )₁₁
(、紛争解決了解(以下、DSU)第二二条一項が﹁代償及び譲許その他の義務の停止は⋮一時的な手段であるが、これらのいずれの手段よりも⋮⋮勧告を完全に実施することが優先される﹂と規定されていることを勘案すれば、WTOに関しては、遵守か逸脱かの選択肢が締約国にあるとみるのは誤りであろう )₁₂
(。しかし、
B ell o
が強調するGATT義務の性質そのものを二国間または複数国( )同志社法学 六九巻一号六WTO法体制における﹁共通利益﹂概念六
間の相互的な契約的義務と捉え、その結果として当事国間で利益の再調整を行いうるとした見方それ自体は、当時の各国の見解及び学説一般に共通していた認識であり、
D am
も同様の観点から、﹁関税譲許の遵守に失敗することは罰せられるべき違反としてではなく、締約国に相互的譲許を停止する特権を与える事象として見なされる﹂ )₁₃(としている。
このように、GATTは貿易保護主義による最高悪(
Summum malum
)を避けるための実際的必要性から出発し )₁₄(、締約国間の貿易利益の相互交換、相互交換された利益のバランスの維持、調整を目的としていたことから、違反の結果侵害された利益は国家の個別的な域を超越するものではなく、締約国がいわゆる共通の利益に基づいて何かを行い、または差し控えることを義務づけられるわけではない。
⑵ W T O と 多 国 間 主 義 ( multilateralism )
これに対して、WTOが推進する自由で無差別な多角的貿易体制は﹁多国間主義﹂を基本とし、その義務は通商関係の長期的安定性と予見性の保護という公序的・客観的性質をもち、したがってWTO協定違反は、潜在的には他のすべての締約国の法的利益を侵害することになるとの主張が見られるようになった )₁₅(。これらの主張は主として次の諸点に依拠している。
まずは、最恵国待遇原則である。多角的貿易体制を支える基本原則の一つである最恵国待遇原則の結果として、二国間の交渉成果は自動的に他のすべての条約当事国に均霑 )₁₆
(され、均質な義務が課されることとなる。このような同質な義務が課されるのは、すべての締約国に貿易機会を保障するためであり、このことから、単なる二国間の主観的利益には還元できない、いわば締約国全体の共通利益に寄与する客観的性質をもつためであるとする )₁₇
(。
次に、同様にすべての締約国に同質の義務を課すという観点から、国内規制の国際的統制を図る条約の増加が指摘さ
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号七七 れている。WTO体制の下では、関税の漸進的引下げ交渉を進めると同時に、TRIPS協定、TBT協定、SPS協定に代表されるような、直接に貿易に関連する規制以外の領域についても新たな規律を導入することに成功した。これらの協定は、すべての締約国の国内規制に対して国際的基準を一律に課すところに特色があることから、これらの新しい義務は締約国間相互間の二辺的関係の束というよりも、一般的に適用される﹁規則﹂であると捉えることができるとする見方である )₁₈
(。
第三に、紛争解決制度の司法化とその申立制度である。WTO紛争解決制度では法志向性が飛躍的に増大した結果、狭義の二国間の紛争処理手続ではなく、法的措置により国家が引き受けた国際義務の遵守を確保し、WTOという条約体制の維持を第一の役割とする国際コントロール )₁₉
(あるいは国際監督である )₂₀
(とする見解が示されている。すなわち、二国間紛争解決、または被害国の救済のみを目的とする制度であれば、主観的な権利または利益を侵害された国のみが提訴資格を認められ、その解決も必ずしも法に則って裁定する必要はない )₂₁
(。これに対して、WTO紛争解決制度では、いずれの締約国も法的手段を開始できるなど、従来に国際法上の義務の履行確保の方法と性格・機能を異にした、公法的秩序を維持・促進するために設けられた一連の手続法を備えており、国際的利益を担う条約体制であると見ることができるとする )₂₂
(。
2 二 つ の 「 共 通 利 益 」 概 念
⑴ 従 来 の 議 論 と W T O 義 務 の 性 質
これらの視点はいずれもWTO体制の特徴を的確に捉えたものであり、GATTからWTOへの移行に伴う規律範囲の拡大と機能強化は、疑いなく貿易の自由化を実現する条約体制の確立と当該条約体制のもとで加盟国が享受する﹁共( )同志社法学 六九巻一号八WTO法体制における﹁共通利益﹂概念八
通利益﹂の存在を認識させるものである。しかしながら、ここで問題となるのは、これらの特徴は、GATTからWTOへの条約義務の性質または締約国間の権利義務の変化を示すのに足りうるのかということである。
まず、最恵国待遇原則に関して指摘すべきは、同原則はGATTの基本原則の一つであり、GATTからWTOへの移行に伴う﹁共通利益﹂の出現または性質の変化の根拠足り得ない )₂₃
(。加えて、最恵国待遇原則の本質は、すべての締約国に平等な待遇を与え、比較優位の原理に基づいて最も効率的な結果を達成することである。つまり、最恵国待遇原則はあくまでも競争条件の形式的平等を機械的確保のためのツール 444であり、均霑される義務の性質そのものに関するものではない。確かに、最恵国待遇原則の違反は、理論的には他のすべての締約国に対して保障している貿易機会という潜在的利益を侵害することになる。ただし、ここでの侵害は、実際には違反国とA国、違反国とB国といった二辺的な関係をベースとするものであり、条約体制そのものがもつ何らかの集団的利益に対する侵害ではない。
P au w ely n
が指摘するように、﹁二辺的な譲許は最恵国待遇原則という手段によって、各々のWTO加盟国の個別的な利益の総和よりも貴重な何らかの'全体的な共通利益(glo ba l c om m on
)'に昇華するわけではない﹂ )₂₄(。
次に、国内規制の国際的統制における﹁共通利益﹂の議論に関しても、確かに、締約国の経済規制に関する広範な裁量が認められていたGATTに比べて、WTOは経済活動の自由化の促進、公正な競争条件の確立、規制の実効性を確保するために、関税以外の様々な分野において規則や基準の国際的調和を図ってきた )₂₅
(。しかし、これらの条約の具体的内容や程度は多種多様であり、また、拷問禁止条約といった対世的義務の性質を有する条約の場合でも、条項に規定されている義務の性質が異なりうることから、義務の性質については個別具体的に検討する必要があり )₂₆
(、国際的統制の数の増加とGATTからWTOへの条約義務の性質の変化を結びつけて論じることができないのは明らかである )₂₇
(。
最後に、WTO共通利益の論拠として最も引用される紛争解決制度の司法化に関しても問題点を指摘しておかなけれ
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号九九 ばならない。確かに、精緻な司法手続に加え、貿易政策監視制度(TPRM)やWTO法諮問センターといった行政的・非強制的な執行メカニズム )₂₈
(を備え、これらの諸制度を通して、多辺的国際制度による監視や義務の履行確保を促進するWTOは、公法的秩序を維持・促進を目的とする国際コントロールや国際監督に親和的である。他方、このような維持管理方式形態を特徴にもつことから直ちに、条約義務の性質の変化が導かれるわけではなく、WTO紛争解決制度における申立権の拡大に関しても、共通利益の反射的効果としてすべての締約国に原告適格を認めるという場合以外に、それは専ら締約国がそのような手続的規則を置くことに同意した、つまり条約の制度設計 4444444に還元される問題にすぎない場合があり、訴訟の当事者適格と条約義務の性質を当然に結びつけることには慎重にならなければならない。この点については、次章で詳しく検討することとしたい。
⑵ 一 般 利 益 ( general interest ) と 共 有 の 利 益 ( commonly shared interest )
このように見てくると、WTOの構造変化をめぐる議論とWTO義務の性質をめぐる議論は分けて論じられるべきであるように思われる。この点に関して、国家の個別的利益と対比される﹁国際社会全体の利益﹂としての﹁共通利益﹂を想起する必要があろう。この場合に、当該利益の遵守はすべての国の利害事項であり、ゆえに、現実の損害を被らない国家もその履行を求める法的利益をもつと考えられてきた。たとえば、一九五一年にジェノサイド条約留保事件において裁判所がジェノサイド条約の特殊性に言及する際に、﹁条約締約国は、それ自身の利益というものを有しておらず、もっぱら一つの共通利益(co m m on in te re st
)、条約存在理由であるより高い目的を守るという利益を有しているにすぎない )₂₉(﹂と述べたことや、二〇〇九年に訴追するか引き渡すかの義務事件でベルギーの原告適格を検討する際に、﹁拷問禁止条約の締約国は、共有された価値の下、拷問行為の防止と処罰の確保に共通の利益(
co m m on in te re st
)を有す( )同志社法学 六九巻一号一〇WTO法体制における﹁共通利益﹂概念一〇一〇
る )₃₀
(﹂としたのも、この意味での﹁共通利益﹂である。これらの場合、裁判所は一定の条約に関して、その保護する利益は、国家の個別的な利益を超え、特定国に還元することができない国際社会全体の一般利益(
ge ne ra l in te re st
)としての性質を認めているのである。以上の検討から、﹁共通利益﹂は広義において複数国に共通する法益を指すが、そこには明らかに意味の異なる二つの概念、すなわち、国家の個別利益には還元できない一般利益と、国家の個別利益の総和としての﹁共有の利益(
co m m on ly s ha re d in te re st
)﹂が含まれているとみることができる。そして、従来の議論は、WTOの実体法と手続法の双方における規律の拡大や実効性の確保、履行を促進するための制度の多様化、条約体制としてのGATTからWTOの構造強化に主眼を置いてきたように思われる。もっとも、あらゆる国際組織が、何らかの国際的利益を追求する機能を担っており、加盟国はこのような国際的利益の実現に協力し、その果実を享受する )₃₁(ことに鑑みれば、共有の利益は締約国を一つの条体制下に結びつける価値そのものである。そうとすれば、この場合の共有の利益は、WTOに固有の新しく生成した概念ではなく、国際相互依存の拡大と発展により生じた国際的公共事務を処理するために、国民経済利益の確保・拡大に動機づけられた国際行政行為 )₃₂
(の一形態であり、WTOはGATTや他の多数国間条約体制に比べ、より成熟したものとなっていると捉えることができる。
そこで次章以下では、WTOにおける﹁共有の利益﹂とその紛争解決制度の関係について検討を進めたい。具体的には、WTO紛争解決制度において、ある義務違反が生じた場合に、被害国の個別的利益の救済とは別に、共有の利益の回復・実現を理由とする、他の条約締約国による申立及び対抗措置が認められているのかである。
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号一一一一一一 Ⅲ 司法的解決による「共有の利益」の実現
1 協 定 の 目 的 の 達 成 妨 害 に 基 づ く 申 立
出かるれらめ認が権訴 ₃₃) ﹁為もを受けていない国家に行利反違るあ、は﹂益利通益不が反あったときに、その違になよって直接共・具体的的
(、また、認められる場合に、いかなる請求を行う権利を付与されているか )₃₄
(、という国際裁判論の観点から考察しうる )₃₅
(。
GATT第二三条はその一項で、次のように規定している。 締約国は、⒜他の締約国がこの協定に基く義務の履行を怠った結果として、⒝他の締約国が、この協定の規定に抵触するかどうかを問わず、なんらかの措置を適用した結果として、又は⒞その他のなんらかの状態が存在する結果として、この協定に基き直接若しくは間接に自国に与えられた利益が無効にされ、若しくは侵害され、又はこの協定の目的の達成が妨げられていると認めるときは、その問題について満足しうる調整を行うため、関係があると認める他の締約国に対して書面により申立又は提案をすることができる。この申立又は提案を受けた締約国は、その申立又は提案に対して友好的な考慮を払わなければならない。
このように、GATT第二三条は﹁協定の目的の達成妨害に基づく申立﹂と﹁利益の無効化・侵害に基づく申立﹂の二つの申立事由を認めているが、共通利益の保護の観点からまず注目すべきは、協定の目的の達成妨害に基づく申立である。WTO紛争解決制度のもとでは、自国に与えられた利益が直接若しくは間接に無効または侵害されたと考える締約国のみならず、﹁協定の目的の達成が妨げられている﹂と考えるいずれの締約国も、その個別利益の侵害の有無を問わず、紛争を付託でき、このような﹁協定目的の達成妨害﹂を申立事由の一つとして認めることは、WTOが﹁刑事的
( )同志社法学 六九巻一号一二WTO法体制における﹁共通利益﹂概念一二一二
色彩﹂を有している )₃₆
(ことの顕れである、あるいは一般利益に基づく申立て(
actio popularis
)を認めたものとして、国際法上注目すべきことである )₃₇(と評されてきた。すなわち、このような申立事由を認めることは、すべての締約国は協定目的が達成されることに合理的な期待をもち、協定によって保護されている共通利益を実現するために、いずれの締約国も制度的関心に基づいて紛争を付託する権利を有するとみることができる。
しかし、GATT第二三条の規定GATT期からの申立事由であり、協定の目的の達成妨害に基づく申立を﹁共通利益﹂の保護を目的とするとの解釈は、GATT期から﹁共通利益﹂が観念されていたことになり、GATTは二辺的関係の総和であったとする一般的理解と矛盾することになる。それでは、GATT期からこのような申立事由が認められていることをどのように説明することができるのであろうか。そのためには、GATT第二三条規定が作成された過程をみる必要がある。
GATTの紛争解決条項は国際貿易憲章規定の一部を引き継いだものであるが、国際貿易憲章はもともと一九三〇年代以降に米国が締結した二国間通商協定をモデルにして作成された。これらの二国間通商協定の目的は、二国間で行われた関税引き下げ交渉によってもたらされた通商機会の増大に対する期待が、後の相手国の措置によって損なわれることを防ぐことにあった )₃₈
(。国際貿易憲章第九三条一項もこれに倣った形で、﹁加盟国はこの憲章に基づく自国の利益が無効にされまたは侵害され、あるいはこの憲章の目的の達成が妨げられていると認める場合に、関係加盟国に対して問題の円滑な調整を目的として、書面による申入れ又は提案をなすことができ、これを受けた加盟国はこれに対し友好的考慮を払い、協議のための機会を与えるべき﹂とし、第九四条で協議が妥当な期間に整わないときには、履行確保手段として、加盟国は問題を理事会に申立て、理事会は無効化・侵害の有無を決定し、必要な場合には勧告等を行うことを規定した。
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号一三一三一三 このような紛争解決規定の経緯をみてくると、二国間通商協定において、一方の当事国が﹁協定の目的を無効にしまたは侵害する﹂ことは他方の当事国の個別利益を無効または侵害することと同義であり、﹁協定の目的﹂は特別の意味をもつものではなかったことがわかる。その後、多数国間条約である国際貿易憲章およびGATTの条文に採り入れられたが、国際貿易憲章第九三条の規定は、想定されうる個別国家間のあらゆる経済的摩擦の可能性について、紛争当事国間で、書面による申入れまたは提案と協議を通して、問題を円滑に調整し、友好的に解決することを目的としており、このことは﹁交渉フォーラム﹂としての性格をもつGATTについても同様であり、現在のような司法的機関による申立国の主張の正当性を判断する訴訟手続を前提としていたのではないと解するのが自然である。そして、GATTからWTOへの移行にあたり、申立要件に関する条文がそのままの形で残されたに過ぎず )₃₉
(、﹁協定の目的の達成妨害に基づく申立﹂を共通利益の保護のための手段として積極的に認めようとしたものと位置づけるのは誤りであろう )₄₀
(。
2 利 益 の 無 効 化 ・ 侵 害 に 基 づ く 申 立
それでは、﹁利益の無効化・侵害に基づく申立﹂と共通利益の関係をどのように捉えるべきであろうか。 GATT第二三条一項は、﹁締約国はこの協定に基き直接若しくは間接に自国に与えられた利益が無効にされ、若しくは侵害され⋮ていると認めるときは﹂申立を行うことができるとし、また、パネル・上級委員会の設置に関してネガティブ・コンセンサス方式が採用されていることから、申立国からいったん紛争が付託されれば、﹁訴えの利益﹂や﹁申立資格﹂といった受理可能性の問題は紛争解決機関によって判断されることなく、手続が自動的に開始されるところに、国際司法裁判所の手続と大きく異なる。加えて、﹁共通利益﹂の保護との関係で注目すべきは、DSU第三条八項﹁利益の無効化侵害の推定﹂とWTO紛争解決制度における﹁利益﹂の解釈である。
( )同志社法学 六九巻一号一四WTO法体制における﹁共通利益﹂概念一四一四
DSU第三条八項は﹁対象協定に基づく義務に違反する措置がとられた場合には、当該措置は、反証がない限り、無効化又は侵害の事案を構成するものと認められる。このことは、対象協定に基づく義務についての違反は当該対象協定の締約国である他の加盟国に悪影響を及ぼすとの推定が通常存在することを意味する﹂と定め、ある加盟国が紛争解決機関に違反行為の存在を申し立てた場合に、被申立国がそのような違反行為が存在しないことについて反証に成功しない限り、﹁利益の無効化又は侵害﹂が生じていると認められると一応推定されるのである。結果として、協定違反の措置によって多少なりとも影響を受けていると考える国は、その義務違反が自国の具体的な利益をどのように損害したのかを立証しなくとも、相手国の協定違反を示せば訴えを提起できる )₄₁
(ということとなる。
L am y
前WTO事務局長はこのような違反行為の存在から﹁利益の無効化・侵害﹂を推定する手法は﹁WTO法の共同体化を例証⋮直接的又は個別的利益を問わず、いずれの加盟国も'締約国の共同体利益'によりWTO法を履行させることができることを意味する﹂ )₄₂(
としている。
しかし、DSU第三条八項はあくまでも利益の無効化侵害の﹁一応(
prima facie
)の推定﹂を前提としており、違反申立は主観的利益の得失に関わらず、いわゆるWTO法体制によって保護されるべき﹁共通利益﹂に基づく申立を認めているわけではない点に留意する必要がある。ところが、これまでに反証に成功した事例はなく、現在、申立国は違反申立を行うことで自動的にパネル手続が開始されるようになっている。このような慣行が確立した要因に、WTOにおける﹁利益﹂の解釈がある。これまでにパネル・上級委員会は幾度となく、WTO法上の利益とは、具体的な貿易額に生じた具体的変化ではなく、他の締約国の貿易機会や競争条件に関する合理的な期待、あるいは貿易条件一般に与えた影響と解釈してきた。このように利益を解釈するならば、すべてのWTO加盟国自国の具体的な損害の有無を問わず、訴えを提起することができるという結論が導
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号一五一五一五 かれるように思われる。すなわち、協定違反は必然的に何らかの競争条件の歪曲効果を引き起こすこととなり、被申立国がそのような利益侵害が存在しないことを立証するのは事実上不可能である。その結果として、義務違反の存在と利益の侵害は同義なものとして見なされ )₄₃
(、違反事例における利益の無効化・侵害概念は独立した機能をもたず )₄₄
(、反証の要素とはなり得ないのである。このように、利益概念があまりにも抽象的であるため、﹁利益の無効化・侵害﹂はもはや訴訟要件としての実質的意義を失う。実際、ECバナナ輸入制度事件では、バナナの原産地国はない米国がEC規則の違反を申立てることにつき﹁法的利益﹂を持つか否かが争われ、パネル・上級委員会は﹁DSUまたはWTOの他のいずれの協定にも申立国の原告適格の要件として法的利益を要求する規定は存在せず、加盟国は、紛争解決了解に基づき他の加盟国に対する申立を行うかどうか決定する広範な裁量を有する﹂ )₄₅
(として、﹁法的利益不要論﹂の立場を採ったとして大きな注目を集めた。
しかし、パネル・上級委員会の見解に留意すれば、本件で米国の原告適格を認めた理由として、一つは、米国はバナナの生産国であり、米国の潜在的な輸出利益は排除され得ないこと、もう一つは、米国の国内市場もECのバナナ輸入流通制度とその世界供給及び世界価格に対する効果によって影響を受けうることを挙げている )₄₆
(。よって、申立を行う際に全く法的利益が不要と解するのは妥当ではなく )₄₇
(、理論構成としてDSU第三条八項﹁一応の推定﹂原則によって利益の無効化・侵害が不存在の立証責任が被申立国に移り、かつ利益を具体的な貿易額の増減ではなく、競争条件が歪められたことから生じる潜在的利益や合理的な期待への影響と広範に解釈されることによって、結果的に法的利益不要という効果をもたらしていると考えるべきである。
( )同志社法学 六九巻一号一六WTO法体制における﹁共通利益﹂概念一六一六
3 「
個 別 利 益 」 と 「 共 有 の 利 益 」 の 同 化
WTO紛争解決手続において、事実上すべての締約国に申立権を認めていることは、一見したところ、違反行為よってなんら直接的・具体的な不利益を受けていない国家も、個別的な権利や利益の得失にかかわらずWTO法体制によって保護されるべき共通利益に基づく申立も認めているようにも思われる。しかし、これまでの分析から、﹁協定の目的の達成妨害に基づく申立﹂と﹁利益の無効化・侵害に基づく申立﹂のいずれも、個別的利益侵害と切り離された共通利益の存在とその保護を目的とした申立事由である捉えることできないことが明らかになった。
それでは、WTO紛争解決制度において、申立主体の範囲が事実上広く認められていることをどのように理解すべきだろうか。この点について、ECバナナ輸入制度事件におけるパネルの指摘が重要である。米国の申立資格を肯定する際に、パネルは﹁貿易のグローバル化による相互依存の進行によって、加盟国はある国でとられた措置が他国における貿易や世界の供給及び価格に対する効果から影響を受けうるのであり、このような潜在的な利益は有する加盟国は、WTO紛争解決手続を開始する権利を有するに十分な加盟国である﹂ )₄₈
(と述べている。すなわち、国際貿易分野の特色として、多数国間条約体制が維持しようとする共有の利益は、個々の国家の通商上の個別的利益が同化 44した点が挙げられる。その結果として、申立は国家の義務違反によって直接または間接に経済的損害を被る締約国は個別国家の利益の無効化・侵害の存在を前提としているが、﹁利益﹂は経済的な損失ではなく、﹁自由貿易秩序体制の安定﹂という﹁共有の利益﹂と密接に関連づけて解釈され、これに立証責任の免除が組合わさった結果、いずれの締約国も潜在的な利益侵害を理由に申立が認められているという結論が導かれる )₄₉
(。
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号一七一七一七 Ⅳ 対抗措置による「個別利益」の実現
1 第 三 国 対 抗 措 置 の 可 能 性
対抗措置は古くから、義務違反が生じた場合に被害国が一方的・強制的に救済を実現する﹁個別的法執行﹂としての役割を担ってきた。この場合、責任問題は違法行為国と被害国との間の二国間の権利義務関係という二辺的関係に特化され、被害国が自身の被ったと考える権利侵害に対する賠償請求権と違法行為国の事後救済義務という﹁損害の補填﹂が中心をなしている )₅₀
(。他方で、個別損害とは無関係に﹁共通利益の擁護﹂という名の下で、第三国による対抗措置の発動については、これまでの幾度議論されてきたが )₅₁
(、理論的観点からの要請を満たすにとどまり、必ずしも国際社会の実態にその基盤を有していない )₅₂
(。
これに対して、WTO紛争解決制度における対抗措置 )₅₃
(は、一般国際法における対抗措置とは以下の点において異なる。DSU第二二条二項は、﹁関係加盟国は、⋮満足すべき代償について合意がされなかった場合には、申立国(
an y pa rty ha vin g in vo ke d th e dis pu te s et tle m en t p ro ce du re s
)は、関係加盟国に対する対象協定に基づく譲許その他の義務の適用を停止するために紛争解決機関に承認を申請することができる﹂と規定する。このように、先行違反行為の有無や対抗措置の妥当性判断を国家の主観に委ねる一方的行為としての対抗措置とは異なり、WTOにおいて、申立を行い、その主張が認められた当事国に対抗措置を発動する権利が紛争解決機関によって承認(au th or iz at io n
)される仕組みとなっており、その意味で司法手続の履行確保の一貫としてみることができる。また、対抗措置の合法性が事後に必ずしも国際裁判所で判断されない一般国際法に対し、WTOでは、採られた対抗措置の合法性を客観的に判断する手続が予め備えられ、仲裁人の決定は最終的なものとして関係当事国によって受け入れなければならないとされている。( )同志社法学 六九巻一号一八WTO法体制における﹁共通利益﹂概念一八一八
このような制度のもとでは、申立国はその主張が紛争解決機関で一旦認められれば、自動的に対抗措置を発動する権利まで手に入れることを意味する。そして、申立権は具体的な利益損害が発生せず、﹁貿易機会や競争条件に関する合理的な期待﹂という抽象的利益侵害に訴える締約国にも認められていることに鑑みれば、具体的損害を被っていたい締約国にも対抗措置をとる権利を認められているように思われる。
2 具 体 的 「 利 益 」 概 念 へ の 変 換
しかし、これまで、紛争付託段階と対抗措置承認段階を区別する手法が採られてきた。例えば、ECバナナ輸入制度事件では、﹁他国による遵守に対する法的利益は、必ずしも自動的にDSU第二二条に基づき譲許を停止する承認を得る権利を有することを示すわけではない﹂ )₅₄
(とし、米国バード修正法事件でも、﹁違反﹂は直ちにそれと等価な﹁無効化又は侵害﹂を生むわけではなく、その金額は別途に算定されなければならない )₅₅
(と述べている。この紛争付託と対抗措置を区別する手法は、以下でみるように、対抗措置による共通利益の実現を考えるうえで重要である。
DSU第二二条四項は﹁紛争解決機関が承認する譲許その他の義務の停止の程度は、無効化又は侵害の程度と同等(
eq uiv ale nt
)のものとする﹂と規定し、明確な﹁同等性基準﹂を設けている )₅₆(。そして、同等性を判断する際に、違反行為によって生じた損害の具体的範囲、すなわち、﹁無効化・侵害﹂とは直接的な損害のみを指すのか、それともより広範な損害をも含むのかを明らかにする必要があるが、過去の対抗措置額決定仲裁では、同等性の比較対象となる﹁利益の無効化又は侵害﹂の程度を算定する際に、第三国の輸出減少に伴う中間的利益の損失や、数量化に馴染まないもの、立証困難なもの、そして第三国の逸失利益を排除し、その範囲を極めて狭く限定してきた。換言すれば、無効化・侵害された利益とは、違反行為そのものによって生じた広い範囲の効果ではなく、申立国に生じた立証可能かつ直接的な経
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号一九一九一九 済的利益損害のみを指し、違反行為によって生じた萎縮利益や中間利益の損失、さらには数量化に馴染まないもの、立証困難なものなどを排除し、その範囲を極めて狭く限定している。さらに、﹁利益の無効化・侵害﹂とは、抽象的な精神的損害や法的損害を排した、申立国に直接生じた数値化しうる経済的損害である。このような違反行為による経済的損害は、量的換算に馴染まない精神的損害、法的損害とは異なり、逸失貿易額として具体的な金銭的評価が可能である。関税譲許に基本をおく国際経済貿易分野においては、﹁無効化又は侵害﹂された利益を貿易額と捉え、それと数量的に同等な関税引き上げを一時的に承認することで、被った損失と(理論上)全く同額の貿易利益を回復しうるのである。
しかし、ここで想起すべきは申立段階での利益概念である。すなわち、申立段階において利益は﹁貿易機会や競争条件に関する期待﹂と抽象的に解されてきたのに対して、対抗措置段階での利益は﹁数量換算可能な直接貿易額﹂に変換され、利益の解釈に齟齬が生じているのである。そして、その帰結として、具体的損害が生じていない競争条件の歪曲といった抽象的利益に基づく場合も申立は認められるが、その対抗措置額は﹁ゼロ﹂ということとなる。このような具体的な履行手段を伴わない紛争付託は、何ら実質的意義を持たない )₅₇
(。以上のことから、WTO紛争解決制度における対抗措置は、依然として相互的な個別利益の再均衡を図ることによって二国間の紛争解決を促すことを想定した制度設計に止まっていおり )₅₈
(、共通利益の保護のための集団的懲罰は意図されてもいなければ、認められてもいないことを意味する )₅₉
(。
もっとも、具体的な貿易損害が生じていない締約国に実質的な対抗措置が認められていなくとも、第三章で確認したように、違反行為の確認申立がすべての締約国に認められていること、すなわち、紛争解決機関に﹁義務違反の認定﹂を請求しうるという事実のみをもって﹁共通利益﹂の存在を肯定するとの立場からの指摘も考えられよう。国際法の性質に鑑みれば、常に強制履行措置が備えられているわけではないことがむしろその常体であると。しかし、WTO紛争
( )同志社法学 六九巻一号二〇WTO法体制における﹁共通利益﹂概念二〇二〇
解決制度における対抗措置に関しては、前述したように、申立主体と強い連続性があり、その発動の可否や内容、さらには合法性判断が紛争解決機関のコントロール下の置かれていることを考慮すると、申立段階と対抗措置が実現しようとする﹁利益﹂が同じであると推察するのが妥当であり、前者を﹁共通利益﹂の保護、後者を﹁個別利益﹂の回復と両制度を区別して説明することは困難であるように思われる。
Ⅴ おわりに 以上、﹁共通利益﹂について統一した理解が存在せず、論者による捉え方の差異がこれまでのWTOにおける共通利益論をめぐる見解の相違に繋がっているとの認識から、WTOという多数国間条約体制のもつ共通利益の明確化に努めた。まず、強調すべきは、WTOは﹁自由貿易の促進・拡大﹂という共通利益をもつという点に関して、筆者を含め異議を唱える者はいない。問題は、如何なる意味での﹁共通利益﹂か、である。
。検なうよのそ、てし通討の益度制保確行履るけおに利を及とびけづ論結といなきでがるこ在務の存義を認する確 世利益や対務的義はW一般値のてしと﹂O価位上﹁なうTに手な続決解争紛OTもとくW少い存、在しなは、あるいは を今、りあで念概すな後ぐ心中の論益利通共は論議らさ要にあよのこはで稿本、がるが議必るれら図が化緻精の論るめ 的る義な殊特の部一、めをすに護保を)益利般一(益利務た対。﹁世﹂益利般一の社際国会る認的あ格を性めるもので がセルバはつ一。るきで出とこるみとたしらたもを現ロナ・い念本根の会社際国るゆわたトれさ示で件事ンョシクラの ﹁概景転造構の法際国、はに背がたれわ顕が論﹂益利通換あ益は利通共のプイタのつ二換る転造構なうよのこ、が共 しかし、国際法の構造転換は、国際社会の一般利益の概念を生み出しただけでなく、多数国間に関係する国際的な利
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号二一二一二一 益を機能的に実現のための利益共同体の生成をもたらしたこともまた注目すべきである。WTOも経済分野における相互依存関係の深化と活動範囲の拡大に伴い、加盟国の合意に基づいて作り出された利益共同体の一つである。そして、対世的義務を伴う人権・人道の分野で保護される﹁絶対的利益(
vit al/ fu nd am en ta l in te re st
)﹂に比べて、経済は、﹁実務的利益(pr ac tic al/ in te rc ha ng ea ble in te re st
)﹂としての性格を有し、多数国間協力体制が形成されやすい。なぜなら、国際貿易は比較優位論に基づくと、各国がその個別的利益の最大化を追求した結果として自動的に実現されるものであり、条約による多数国秩序の形成は原則として国家の個別利益とは衝突せず、利益が共有されやすい特徴を有しているのである。WTOはまさに、多数国間協力方式のもとで加盟国は自国の個別利益を自由貿易秩序の維持と安定という﹁共有の利益﹂に投影し、国家間の経済的利益を最大限に共有するポジティブ・サムを目指す利益共同体である。そして、加盟国は他国と協働しての﹁共有の利益﹂を実効的に保護することが自国の個別利益の最大化に繋がるとの認識から、条約遵守を確保するための強力な制度枠組みを独自に作り上げたのであり、ここに、WTOが﹁共通利益﹂を持つに至ったと言われる所以があると考える。
国際経済貿易秩序はいま、大きな変動期にある。近年急速的に進行するサプライチェーンのグローバル化は、輸出国と輸入国という従来の二辺的貿易構造に根本的な変化をもたらし、国際貿易はかつてないほどに一体化する一方で、複数の締約国間で自由貿易協定を結び独自の経済共同体を形成し、様々な利益が複層的に交錯している )₆₀
(。このような現状もまた、WTOにおける﹁共有の利益﹂が実務的であるゆえに細分化が可能であることを反映したものであるが、国際分業構造や国際貿易の断片化が進むなかで、経済的﹁共有の利益﹂の性格を見極め、新たな多数国間協力方式を模索していくことを今後の課題とする。
( )同志社法学 六九巻一号二二WTO法体制における﹁共通利益﹂概念二二二二
(
( 1ヘ店臼杵英一訳(岩波書、ィ二〇〇〇年)、一四頁。﹄テド論リー・ブル﹃国際社会︱) アナーキカル・ソサイエ American Journal of Nnderstandings on the atMure of Legal Obligation, isugdin DJohn H. Jackson, The WTOispute Settlement Understan2) ︱ International Law Vol.91 No.2(1997) ; Chois Carmody, WTO Obligations as Collective, TheEuropean Journal of International Law Vol.17 No.2(2006); 小寺彰﹃WTO体制の法構造﹄(東京大学出版会、二〇〇〇年)、六三頁。(
s, 0é nit’u, Luyup; D941925 l’o, awl Lnaioatte Inindernrd; C20. T729l, amnaioreatrnte inueiqrid ju02Recueil des cours Recueil des cours()() Bteruno Simma, From Bila Craitylisstte Inreunmom tom及念概﹂国害被:﹁に追任責るす対反違変の早質二﹂﹃)、年二〇二(巻〇五誌会学法田稲﹄ 般おける﹁一適利益﹂概念法に)、任の(一九九一年兼責原敦子﹁国家用外限九務義的世対﹁之寛歳萬)、界五九年一雑﹂﹃国(法交際誌﹄九四巻四号 ︱﹄開展の益公際国法也﹁﹁検的論理念概﹂益公際国直︱脇奥)、年五七九一(号四内討の国﹂国と法際国﹃編か際忠中田ほ交限と当妥の比類の法通界 ﹁論すると文嶺して、杉高関連原に。般三年)参照ま﹂た、﹁共通利益一七利﹃、三巻四九第﹄誌雑交外法際国)﹂益二)(一(権訴出の家国くづ基に九 3一は通共の会社際国﹁雄良谷大、て益いつに理整の念概﹂益利通共﹁利概、共院書際国﹄(法際国と念概益利通﹃念著編雄良谷大﹂論試︱ていつに) Enforcing Obligations Erga Omnes in International Law (Cambridge University Press2005); Santiago Villalpando, The Legal Dimension ofthe International Community: How Community Interests Are Protected in International Law, European Journal of International Law Vol.21 No.2(2010);Giorgio Gaia, The Protection of General Interests in the International Community, 364Recueil des cours(2012)などがあるが、これらの論稿における議論が多岐に渡っていることからも、﹁共通利益﹂概念の多義性が伺える。(
( Gaia, Ibid., p.21.4)
( 九。頁〇一︱ 5力山学の諸相︱到達点と展望﹄(信社際、二〇一五年)、協﹁也直脇奥法国義国務の遵守について︱﹁協力の際﹃法の新たな展開︱﹂﹂江藤) 一編淳
( stcomunity/systemic interem)﹂すの同体益(。る利とこるい用で味意と tel pnaioatrnstin interelicub)﹂、﹁国(益公際﹁有共約のと共﹁つもが国も締でも利の約条間国数多は﹂益つがが益般じる、﹁一般利﹂は国際社会一 l inonmmcohaterestcom slynerared interestonge interestm6(益利通大共、﹁はで稿本)﹂を) きの論てけ分に)﹂(益利有く﹁と)﹂(益利般一﹁共
( .九)、一一頁)八 8511,pOlivrade SystemTT Multilateral TLaw and Its Limitations in the GAg, on Ler197清﹄(()(落合淳隆・九一擦) 摩済経とトッガ﹃訳雄章水 Cer,oordination of Commciaanl Policies, in Robert M. Sternds eduBernard M. Hoekman, Mltinlateral Trade NegotiatiosThe Multilateral8())
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号二三二三二三 Trading System(1993),pp.39-44.(
( .741p. e, ding: Less is MorVThe American Journal of International Law, stol.901996, anerndheJudith Hippler Bello, T WTO Dispute Settlement U9) () 10 Nisunderstandings on theatg ure of Legal Obligation, MdinanOJohn H. Jackson, The WT Dispute Settlement UnderstThe American Journal ) ︱ of International Law, Vol.91 No. 1(1997), pp.60-64.(
11) 小寺﹃前掲書﹄(注
( BellonsockJaをのるすと拠論束判拘の則規際国、ばらなるあで批性こグそ。いなれしもかたいてしのンスがの意図をミ・リーディ もり、必ずし関紛争解決機にであらのうるか免除されるたことを主張しよれ勧わうそ。るわ思にうよいなはで告けるい・裁定法的拘束力を否定して 法務義的、的て、違反によっ譲調許の衡が崩れたし強果質Oの義務の性がを二辺であること結均とがしていおにり限るす同意国被て損害手をった相 44444444444444 enBtsBelloiamoml CorditEoell2でかTT/WTいなしG頁三。頁九︱八Aは難読困はとこく解みを、意真のあるがらか)、
e Anoco eheesyk. SOn la&icz arhwScF. n rearWe. Sem, T san thinn tiolusotrtepudisd ren retiouctu of renegotiaらを再度批判。加えている場か 12rekeachntieficefJa bsonsckSyzarhwSc反二〇〇二年に(率違的と効てっよに) )る裁すとつもを力束拘的法は定はの、もに際たれさ張主が論議立 World Trade Organization, Journal of Legal Studies Vol.31 No.1(2002), pp.179-203 ; J. H. Jackson, International Law Status of WTO Dispute Settlement Reports: Obligation to Comply or Option to “Buy Out”?, American Journal of International Law Vol.98(2004), pp.109-125.(
( 13Ken.235..p7019: Law and International Economic Organization The GA ,am. D WthneTT) () 14nars On: Global Governc Ye by Judiciary, The European Journal of International Lawea20, orRobert Howse, The Wldn Trade Organizatio) Vol.27 No.1(2016),p.14.(
( 信。頁五四一)、年八〇〇二、堂 1543Carmody, 1, p3; supra平史歴︱司地の学理、東論、実証﹄(際雄沢岩法国﹁を国際義務の多様性︱対世的義務中﹃心に︱﹂、中川淳) ・寺谷広司編司
( 16村﹄(国際法の経済的基礎有也斐閣、二〇〇一年)﹃信瀬開信也﹁特恵制度の展と) 多辺的最恵国原則﹂村瀬
( 17伊一握の試み﹂﹃国際法外交雑誌﹄一一る巻一号(二〇一二年)、四九頁。把よ藤構一頼﹁国際経済法における規範造) の特質とその動態︱立憲化概念に 18te WTO Obligations BilaraAl or Collective in Nature?, res: unauwelyn, A Typology of MltiJ. lateral Treaty ObligatioPEuropean Journal of) International law, Vol.14 No.5(2003), pp.938-939.(
19五的性質﹂﹃国際法外交雑誌﹄九巻の二号(一九九六年)、一四〇頁法続) 機小寺彰﹁国際コントロールの能手と限界︱WTO/ガット解決。
( )同志社法学 六九巻一号二四WTO法体制における﹁共通利益﹂概念二四二四
(
( 20Yu20ion, Vol.5 No.202ji I, pp.287-305.viserl sutwasawa, WTO dispupe settlement as judiciaJournal of International Economic Law) )( 21) 小寺、前掲論文注(
( 21)、一〇頁。 22s o and the Consequencef ttioheir Violation, The European Journal of International nsgaLaw LTarcisio Gazzini, Theegblial Nature of WTO O) Vol.17 No.4(2006), pp. 723-742.(
注観初当を質性な的客らるす与寄に益利か含共伊﹂(文論掲前﹁藤。んるす摘指とたいで通 23に益すの他てじ通を則原国恵最が利て易貿な的辺二、は藤伊、点のこべの付義与されることから、G) TTの務締は、締約国全体の的動自に国約A
( 19)。
( 24Pauwelyn, supra ne20, p.932.ot)
( 25中閣。頁七一︱六一)、年八〇〇二、斐川制淳司﹃経済規の) 国際的調和﹄(有
( 二政論集﹄二五五号(〇﹃一四年)、六九八頁。法 26と事)を素材として﹂務義世対間国当ガるけおに約条止禁問拷則﹁朋島水ルネ普か遍管轄権について︱訴追する引セき渡す) の義務事件(ベルギー対か
( 別﹁共通利﹂を実現するための特益なは性。いきでなと質す出見をこ うに、そのは内容締る約よるか分もらかとこいてしが国と条義、ずらな異ら何は規務の約常通るけ受き引で下の定﹂とら⋮⋮。るすと年〇五もとくな少 27用応び及物著作著の真写(物作協﹁P例えばTRISに術定第一二条美) ののかりわ終の年の表公た得を諾許者著利権⋮は間期護保のく除を物作) 28RoliI PTIEcyけ国O︱紛争解決手続および多間W監視の現在︱﹂おにOTWTのる川多国間監視制度については瀬て剛志﹁ルール執行機関) しと Discussion Paper Series 10-P-019(二〇一〇年一二月)、一六︱二一頁参照。(
( 29RAf the Crime of Genocide, dvenisory Opinion, ICJ Reports 1951, p.23.t omesioervations to the Conventn on the Prevention and Punish)
( 30Q Sdite Belgium v.enueegal,, para.69.raxt ohestions Relating to t Obligation to Prosecuter E ICJ Reports 2012) )(
( 一。頁三五二)、年 31織勁(山本草二先生還暦記念)﹄(草開書房、一九九組際国﹁美照川古︱展と集国際公益﹂広部和也、田中忠編代の表﹃国際法と国内法︱) 際公益国
( 32山九第六七巻五号(一六誌九年)、八︱九頁。﹄雑本の草二﹁国際行政法存) 立基盤﹂﹃国際法外交 33) 杉原﹁前掲論文﹂(注
( 3)、二五四頁。 34) 兼原﹁前掲論文﹂(注
( 3)、四七三頁。 35世のための規範と国際裁判手続﹂﹃界実法年報﹄第二八巻(二〇〇九年現の) て同様の問題意識をもつ論文とし、益河野真理子﹁国際社会の共通利)、
( )WTO法体制における﹁共通利益﹂概念同志社法学 六九巻一号二五二五二五 石塚智佐﹁国際司法裁判所における原告適格拡大の論理構造︱管轄権基礎からみた民衆訴訟の可能性﹂﹃世界法年報﹄第三五巻(二〇一六年)参照。(
( らし若、れさに効無が益利たれえは与に己自に接間はくし若接直てく侵づ行。るいてしとるすとるあで的為法害不の事民、は分部ういと﹂れさい基に 36・法と動行業企﹂﹃題問的続手るおけに理処争紛OTW﹁人正内垣道松) 満八定協のこ、﹁てし対にれこ。頁二雄三)、年五九九一﹄(念記暦還生先下
( 37岩省。頁六七)、年五九九一、堂三沢) 理処争紛のOTW﹃司雄﹄(
( 38Rob.37., p9019rade Diplomacy orld TThe GAc, eud. Ht EerTT Legal System and W) ()
( 形で、もはや形骸している。化 のない﹁協定成目の達妨害﹂伴わ協を反違務義の定現、たま。るれらは的実成的れさ約集に立申反違は﹂害妨る達今のはなく、で日、﹁協定の目的 負立証責任をまってので自国国は易立の体作業を行うは申容ではなく、具こ的立え考がと損いなた持を機う行を動申他害をしわない伴国措置に対の か確明をてのるいげ特にを定する必要があるが、その妨成の不が態状はま為作・何為作国盟加の他達如たなTの的目のるTW/OTGていおに点A 要まるそのて因とし、﹁協と定ど。にたきてれさ用援てしと拠根立目の立的にてし際に託付争紛、は国な申、合の場るすと由事立申を﹂害妨成達申 39的達案事たきてし及言に﹂害妨成の数的目の定協、﹁らか代時TTAGは例随効付ばわい、でん並と﹂害侵化無しの益利﹁もれずいのそ、くなか)
( 。るい ﹂﹁、﹁非反申立申状態ら立﹂もGずみなTの﹂害妨成達の的目の定協﹁A違T、て期失を義意的質実はでOTWっりにあの別な背景特沿たものでっ 使いてれわ一が項条三二の第るいは奇異であるとえよう。実際、TTA入つされたにも関わらず、申立要件にい導けと然、依ずれら設てが定規いし新G 40紛コ間時な細詳、式方スサンセンブ争組ィテガネ、ていおに解了決解枠) み、が続手の連一どな裁仲止停許譲ネのパ認確行履、会員委級上、定設ル
( 。頁一三二 上理の国際法義の意争と特質処T紛O国W﹁司雄沢岩。るいてべ﹂学際〇)、年一〇〇二﹄(決解の争紛年〇法一の法際国と本日)﹃編(会と述﹂るられ 41岩﹄果結るれらえらとに的象抽が化沢効、の益利、﹃はでOTW﹁も無) 一のめ認で形の立申の化効無の益利国般自がのもい近にえ訴くづ基に益利
( .697., p0720() 42lao.rder, The European Journal of International Law Vol.17 N5al PheTy, aml LcaasPOegces L of the WTO and itawl L in the Inrnationate)
( Vperate and Why? ,Journal of International Economic Lawol.it 132010, p.187.O() 43n t3When Does ioptmsure P8.cleenrti ASU DheTs, ieavDel rwAt: irmha Pt an Infringement Constitutes arimpaa Fac Case of Nullification or Imie) 44morWe hf t ote TysSal egLe ldra t, ilri-Ustrn: EnndioatizanrgOe hinchleonCe hTr, sspoe RerdrieFcet t nenmairp Imd aofnioatficlliu N)
( )同志社法学 六九巻一号二六WTO法体制における﹁共通利益﹂概念二六二六 Petersmann (ed)International Trade Law and the GATT/WTO Legal System, Studies in Transnational Economic Law, Vol.11(1997), p.141.(
( 45E/Aananas, WT/DS27Bn o/R.paras132-5.f BioCpo-Regime for the Imrtation, Sale and Distribut)
( 46ESf Bananas, WT/D27io/R, para 7.50.n outCpo-Regime for the Imrtation, Sale and Distrib) 47tattlement System: Implementioe n of DSB Recommendations, Seutomispa Fukunaga, Securing Cpli Yance Through the WTO DukJournal See) of International Economic Law, Vol.9(2006).(
( 48E27f Bananas, WT/DS/AioB/R, para136.n outCpo-Regime for the Imrtation, Sale and Distrib)
( く益利別個もでまくあ、なのはで益利る受享らか実事とす一に定。るいし通共ていおて点求う関連を性めるといの でが理とこるす解同とるあでじと成る構き国。事論ういとるあで当す約条に単、ちわな理のしリつ﹂と際て日本とイタアをにも原告適格を認めたも 49を船商や隊艦の国自﹁CがJIブPンウィン有ルド号、事件において保) しる係関害利な白明に施実の定規諸わて関に河運ーキ、りよにとこるいル
( 九。頁四二)、年七八 50の巻察﹂﹃国家学会雑誌﹄第一〇〇五一・六号(一裁制済経﹁弘和谷中考る国一際法上の機能とその合法性()す︱国際違法行為の法的) 果に関結 51 Inponsibility as a NewteRrnational Order ? , British Yese ear Book of International Law mSee Martti Koskenniei,atSolidarity Measures: St) Vol.72(2003); Denis Alland, Countermeasures of General Interest, European Journal of International LawVo.13(2002) ;Christian J. Tams, Countermeasures against multiple responsible actors, in: André Nollkaemper & Ilias Plakokefalos, Principles of Shared Responsibility in International Law: An Appraisal of the State of the Art(Cambridge University Press, 2014).(
( 52西誌から︱﹂﹃国際法外交雑﹄視一〇二巻二号、六一頁。点の村盤弓﹁国家責任法の妥当基︱) 違法性の根拠と手続的基盤
。〇六四巻号(二〇〇三年二六九︱三〇五頁)、 に際経済紛争際おける一国法﹁国問哉俊木植、ていつに題のの性容許上般﹁T対学法﹂﹃性律自と性遍普の法O﹄W一の措置﹂︱抗般際法の下で国 にること自体どさほ大きな較意す制比れはとを踏まえばを、度上の異同義決ないの置措的方一の家国ので外枠の度制方と考える。他、WTO紛争解 ‘lex Specialis’)格かのるえ捉に何如を性依の置措抗対るけおににる法が別特(にあたるこ際法とOTW、くき大がろこ法国の一もそもそは題問こ般 tatiolianreョシをン﹂際一般国リ法エ呼タリ。﹁るいてればおと)﹂(ンにーけは、るもとっも。るあ違相の解見がてす対抗い置と同視措つきかにべ erof concessiotionsnsgabli othsion r oensu ospのよる譲許その他義務の停止(﹁)﹂すは国ョシーエリタリ﹁常通置る措該当、しとるきでがとこに 53ressuearmteunco(置措抗対、﹁もて立おにれずいのOTW、TTAGい)﹂申反、に合場いなれさ正是が為行違と、ずらおてれらい用は句語うい)