Revised at 03:44, May 15, 2016
数学特論A 第4回http://my.reset.jp/˜gok/math/advanced/ 1
行列の計算
Exercise
解答例基本演習
1
次の各行列の型を答え、更に転置した行列を求めて下さい:(
1
)≥
1 2 3 ¥
(
2
)
1 2 2 3 3 4
(3
)√ 1 2 3 4
!
(
1
)(1,3)
型、
1 2 3
(2
)(3,2)
型、√ 1 2 3 2 3 4
!
(
3
)(2,2)
型、√ 1 3 2 4
!
基本演習
2
行列
a b c d e f g h i
の(2, 3)-
成分、(3, 1)-
成分は何ですか。(2,3)-
成分:f
、(3,1)-
成分:g
基本演習
3 =
t≥
a
1a
2a
3¥
, =
t≥
b
1b
2b
3¥
と置いて、× = − ( × )
を計算により確かめて下さい。具体的な計算において
a
jのa
の部分とb
iのb
の部分を入れ替えれば良いので簡単に 確かめられるはずです。基本演習
4
2次正方行列A, B
についてt(AB) =
tB
tA
である事を証明して下さい。A =
√ a b c d
! , B =
√ f g h k
!
として実際に両辺を計算してみると、
t
(AB) =
t
(√
a b c d
! √ f g h k
!)
=
t
√
af + bh ag + bk cf + dh cg + dk
!
=
√ af + bh cf + dh ag + bk cg + dk
!
t
B
tA =
t
√ f g h k
!
t√ a b c d
!
=
√ f h g k
! √ a c b d
!
=
√ f a + hb f c + hd ga + kb gc + kd
!
となってこれらは等しいため題意は証明されました。
基本演習
5
tM = M
を満たす行列を対称行列と言います。正方行列A
に対して、B = A
tA, C = A +
tA
はいずれも対称行列である事を示して下さい。講義中に示しました。
基本演習
6
次の行列の計算を実行し気付いた事を述べて下さい(いろいろ)。まあ、計算するだけですので省略しますが、注意すべきものだけ挙げておきます。
(2)
√ 4 3
! ≥
− 1 2
¥
√ 4 3
! ≥
− 1 2 ¥
=
√√ 4 3
! ( − 1)
√ 4 3
! (2)
!
=
√ (4)( − 1) (4)(2) (3)( − 1) (3)(2)
!
=
√ − 4 8
− 3 6
!
(4)、(5)これらの積は定義されません。行列の積は
(m, n)-
型×(n, p)-
型に対し て定義され、その結果は(m, p)-
型になります。Revised at 03:44, May 15, 2016
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基本演習
7
2次正方行列M
はtM M = E
を満たすとき直交行列であると云いま す。M = ≥ ¥
が直交行列である時にヴェクター
,
について何が言えますか。講義中に示しました。
発展演習
8
3次元ヴェクター, ,
は同一平面上には無いものとします。(1)
×
の大きさは、,
を2辺とする平行四辺形の面積である事を示して 下さい(特に,
がxy-
平面上にあると仮定して計算してみて下さい)。(2)また、
×
の大きさは、この2つのヴェクターのはさむ角を0 < θ < π
とすると、| × | = | || | sin θ
である事を示して下さい。(3)
| · ( × ) |
は、, ,
を3辺とする平行六面体の体積である事を示して 下さい(特に,
がxy-
平面上にあると仮定して計算してみて下さい)。(1) 、 が
xy-
平面上にあると仮定して、その成分が=
a
1a
20
, =
b
1b
20
であるとします。このとき外積
×
は× =
a
1a
20
×
b
1b
20
=
0 0 a
1b
2− a
2b
1
となりますから、その大きさは
| a
1b
2− a
2b
1|
となります。一方、件の平行四辺形の面積
S
は、,
の位 置関係が下図の様になっている場合にはS = (a
1+ b
1)(a
2+ b
2) − a
1a
2− 2a
2b
1− b
1b
2= a
1b
2− a
2b
1であり、また
,
の位置関係が逆ならばab
の役割が入れ替わるだけなのでS = a
2b
1− a
1b
2= − (a
1b
2− a
2b
1)
となる事が分かります。これらはいずれも面積を計算したものですからどちらも正に なっていなければならず、結局どちらの場合にも先ほど計算した外積の大きさに一致し ている事が分かります。
(2)同様に成分で計算すれば
| × |
2+ ( · )
2= (a
1b
2− a
2b
1)
2+ (a
1b
1+ a
2b
2)
2= a
21b
22− 2a
1a
2b
1b
2+ a
22b
21+ a
21b
21+ 2a
1a
2b
1b
2+ a
22b
22= a
21b
22+ a
22b
21+ a
21b
21+ a
22b
22= (a
21+ a
22)(b
21+ b
22)
= | |
2| |
2となっているので、
· = | || | cos θ
である事を思い出せば、| × |
2+ | |
2| |
2cos θ
2= | |
2| |
2| × |
2= | |
2| |
2− | |
2| |
2cos θ
2= | |
2| |
2sin θ
2である事が分かります。ここで
0 < θ < π
のときsin θ > 0
であったことから、結局、| × | = | || | sin θ
となって題意は証明されます。
(3)まず最初に平行六面体の体積は底面の面積に高さを掛けたものであった事を注 意しておきます。また、 と
×
のなす角度をφ
とすると、· ( × ) = | || × | cos φ = | × | · | | cos φ
であって、| | cos φ
の部分は と×
のなす角度が π2 以下であればそのままでこの 平行六面体の高さに相当しますし、あるいは と
×
のなす角度がπ2 以上であれば 高さにマイナスを付けたものになっていますので、
| × |
が底面の面積だった事と合 わせれば全体としては平行六面体の体積か、あるいは体積にマイナスの符号をつけたも のになっています。Revised at 03:44, May 15, 2016
数学特論A 第4回http://my.reset.jp/˜gok/math/advanced/ 3
発展演習
9
(1)直線y = 3x
に関する折り返しと云う一次変換の表現行列M
を 求め、tM M = E
を満たしている(直交行列である)事を示して下さい。(2)
M
は任意の2次元ヴェクター 、 に対して(M ) · (M ) = ·
を満 たしている事を示して下さい。またそれは幾何学的にはどう説明されますか。(1)この一次変換は直線
y = 3x
上の点を動かさないので、例えば点(1, 3)
の移り 先は(1, 3)
です。また、原点でこの直線と直交する直線は
y = −
13x
ですが、折り返しの様子を見れば、この直線上の点はちょうど原点を中心として反対側の点(矢張り同じ直線
y = −
13x
上に ある)に移る事が分かります。従って例えば点( − 3, 1)
は原点に関して対称な点(3, − 1)
に移ります。以上から、位置ヴェクターの計算を行列の積で表せば
M
√ 1 3
!
=
√ 1 3
!
, M
√ − 3 1
!
=
√ 3
− 1
!
である事になって、これらから
√ M
√ 1 3
! M
√ − 3 1
!!
=
√√ 1 3
! √ 3
− 1
!!
M
√ 1 − 3 3 1
!
=
√ 1 3 3 − 1
!
M =
√ 1 3 3 − 1
! √ 1 − 3 3 1
!
−1=
√ 1 3 3 − 1
! ( 1 10
√ 1 3
− 3 1
!)
= 1 10
√ 1 3 3 − 1
! √ 1 3
− 3 1
!
= 1 10
√ − 8 6 6 8
!
= 1 5
√ − 4 3 3 4
!
と計算されて求める行列が分かりました。
またこの行列の転置行列は、
t
M = 1 5
√ − 4 3 3 4
!
ですから、
t
M M = 1 5
√ − 4 3 3 4
! 1 5
√ − 4 3 3 4
!
= 1 25
√ 25 0 0 25
!
= E
となって題意は示されました。
(2)実際に計算してみれば、(1)の結果から
(M ) · (M ) =
t tM M =
tE =
t= ·
です。
ヴェクターの内積はヴェクターの長さと挟む角度に因って決まりますが、これをある 直線でそっくり折り返すと、ヴェクターそのものは違ったものになってもそれらの長さ や挟む角度は変わりません。従って折り返しと云う一次変換でヴェクターの内積は不変 であることがわかります。