- 60 - アフリカに暮らす野生動物のなかで
も,サイは姿を見るのが難しい動物のひ とつにあげられます。
その理由は元来サイは巨体の割に臆病 な動物であること,視力が悪く相手にか なり接近しないと,相手を識別すること ができないこと,密猟者に狙われ,地域に よっては数が激減してしまったこと,な どがあげられます。
アフリカに生息しているのは,クロサ イとシロサイですが,2 種類のサイを同時 に見ることは不可能です。それは地域に よって生息しているサイの種類が違うか らです。
東アフリカでは,シロサイよりもクロ サイのほうが数が多く,ケニアではマサ イマラ,アバーディア山ろく,アンボセリ などの自然保護区などに生息しているの が確認されています。一方シロサイは,ナ クル湖畔に保護されているのみです。タン ザニアでは,ンゴロンゴロ,セレンゲティな どでサイを見ることができますが,いずれ もクロサイです。
シロサイは地面の近くにある丈の短い草 を食べるので,草を刈り込みやすいように
口が口角く,チリ取りを二つ合わせたよう
な型をしています。
それに対してクロサイは,立った時に顔 の目の高さにある木の葉を食べるので,口 が尖っており,"おちょぼぐち"です。
体の大きさ,色などはシロサイ,クロサイ
クロサイとシロサイの違いは ?
動物雑感 (23)
平 岩 雅 代
アニマルフォトグラファー トラベルライター
- 61 - ともにほとんど変わらず,両者の決定的な 違いは,口の型に尽きます。
サイの特徴であるツノは,皮膚の一部が 角質化したもので,頭髪や爪のように伸び たもの切っても痛みもなく,血も出ません。
ところが密猟者は,高価に取引きされる サイのツノ(漢方薬や短剣のサヤに利用す る)を手に入れるため,サイを殺してしまう のです。
かつてケニア北部のメルーという地域に は,シロサイが生息していましたが,ある年 のクリスマス・イブに群れごと皆殺しにさ れてしまいました。
ゾウと並んで,密猟者から狙われること が多いサイですが,ナクル湖畔では関係者 の努力が功を泰して,かわいいシロサイの 赤ちゃんが次々に生まれています。
ナクル湖は 100 万羽以上のフラミンゴが 集う湖として,世界的に知られていますが, 湖面をピンク色に染める無数のフラミンゴ を背景に,シロサイの家族の姿は,見ていて もほほえましい限りです。
長い立派なッノを生やした親の傍らに, また生えたか,生えないかという子どもの 顔をした小さなサイが寄り添っているのは, 実にいいものです。