かこさとし絵本作品の研究
ーだるまちゃんシリーズの分析を中心に一
専 攻 教科・領域教育専攻 コース 言語系(国訪コース 氏 名 中 山 裕 一
1.研究の観磯と目的
近年問題視されている子どもの学力の低下は 文章の読解力の低下が原因のーっとされている。
学校以外にも塾に通ったり、通信耕オで学習し たりしている子どもが増えている。学習時間は 増えているように思えるが、子どもの読書量は 減っている。
本を読むことの楽しさや重要さの原点は、乳 幼児期の絵本との出会いであると考える。本来、
子どもは親指討言葉を聞き取り、言語を選者尋 していく。親や祖父母が子どもに昔話をしたり、
地域に伝わる神話を聞かせたりすることは、古 くから日本の伝統的な育児法である。そして、
その育児法は文字などの発達により、話をま擬 したものを子どもに読み聞かせするようになる。
現代ではこの読み聞かせには絵本が用いられ、
絵と文による同時期般によって、より共感でき るものとなっているo この読み聞かせに使われ る絵本とはどのような考え・背景で描かれてい るのかを考えていきたい。
私は小学校に入る前、家で、『だるまちゃんと てんぐちゃん~ (かこさとし さく/え 1967 年福都宮書庖)に出会っている。当時、この 絵本が一番のお気に入りで、あった。そこで、、子 どもは『だるまちゃんとてんぐちゃん』のどの ような所に惹ゐ¥れていくのか、この絵本にはど のような仕掛けや考えなどがあるのかを調べて し、く。
指導教員 余 郷 裕 次
2.論文の構成
序 章 研 究 の 動 機 と 目 的 第1章かこさとし氏の人と作品
第1節かこさとし氏の生い立ち 第2節 だるまちゃんシリーズの紹介 第3節 『だるまちゃんとてんぐちゃん』の
誕生
第2章絵本分析『だるまちゃんとてんぐちゃ ん』
第1節各見開きの分析
第2節 かこさとし氏の絵本の表現法 第3章遊びについての考察
第1節 じゃんけん 第2節 縄 慰
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、第3節人形遊び・ままごと 第4節 虫 と の 遊 び
第5節 電 車 ご っ こ
第6節 かこさとし氏の遊ひ灘とまとめ 結 章 研 究 の ま と め
引用・参考文献 補助資料
3.論文の概要
だるまちゃんシリーズは 1967年にその第1 作臣、『だるまちゃんとてんぐちゃん』が発行さ れた。これまでに 8作品が描かれ、最新作は 2006年に発行された『だるまちゃんとやまんめ ちゃん』である。
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かこさとし氏の、自分の国のおもちゃを主人 公にした面白い作品を作りたいという希望から、
だるまが主人公となった。
かこさとし氏が絵本を製作する際には、様々 なことに気をつけている。例えば、始まりから 終わりまでの一貫性や、場面の見せ方、ストー リーの骨組みとふくらみ、絵の役割と見やすさ などが挙げられる。
だるまちゃんシリーズの第1作『だるまちゃ んとてんぐちゃん』を絵本モンタージュの観長 から分析し、次のことが明らかになった。
①二頭身半のキャラクターの正面顔と横顔 との変化や主人公の立ち位置の変化、さ らに背景色の変化。
②親が子どもの要求を受け入れてくれるこ と、家族の意義を再編忍すること、身近 な友達が自分を認めてくれること。
③ストーリーと関係してないようなところ で日本の伝病遊びがたくさん描き込まれ ていること。
かこさとし氏はセツルメントや子ども会活動 などのボランティアを通して子どもたちと触れ 合い、現在の子どもの遊びゃ子どもの周りの環 境から遊びの重要性を考えてきた。日本の伝承 遊びの有効性を伝えたい気持ちと、楽しいもの には遊びが関係しているというところから、だ るまちゃんシリーズにもたくさんの遊びが登場 する。
かこさとし氏はただ子どもとの角蚊l合し1から 絵本を描いているのではなく、子どもたちに伝 えていきたい日本の伝承遊びや日本の伝統文化 がある。そして、子どもが大人になるための成 長過程には何が必要かということを考え題材と
し、絵本を通して子どもたちに何かのきっかけ を与えたいという思いがある。
4.研究のまとめ
絵本の内容や仕掛けは大人が見ても面白いも のに感じられる。また、絵本は乳幼児に与えて おけば楽しんで遊んで、いるようなおもちゃとは 違うもので、、親と子どもがスキンシッフ。を図れ る場であり、子どもの成長を図れる場でもある。
そして、『だるまちゃんとてんぐちゃん』では学 校の教科としては習わないような親子関係や友 達との関係を学ぶことができる。人間は人と人 とのつながりがあって生きていくのであり、一 人では生きていけない。親が子どもの要求を受 け入れてくれることや、友達が自分を認めてく れること、家族の意義など、人間関係の犬切さ が描かれている。
主要参考文献
・『遊びの四季/ふるさとの伝承遊麟』かこさ とし著 じゃこめてい出版 197"5年
• w日本の子どもの遊び(必』かこさとし著青 木書庖 1979年
. w日本の子どもの遊び(下)jか こ さ と し 著 青 木書庖 1980年
. w
私の子ども文化論』かこさとし あすなろ書 房 1984年. w読み関かせこの素晴らしい世界』ジム・ト レリース著亀井よし子訳高文研 1987年
・『加古里子絵本への道一遊びの世界から科学 の絵本へー』 福音館書店 1995年
.~絵本のたのしみJ 福音館書庖月刊こどもの とも604号2006年7月号折り込みふろく . w月間MOE 2006 年 10 月号~ (小学館) . wうずしおらいふj2006年 11月号「絵本の
ひみつ⑬」徳島新聞専殉吉マガジンNo.218
・『うずしおらいふ.j2006年 12月号「絵本の ひみつ⑫」徳島新聞専抱苫マガジンNO.219
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