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1.はじめに 高張力鋼板を用いたプレストレス補強工法

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Academic year: 2022

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(1)I‑168. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 鋼板プレストレス補強工法を用いた H 形鋼桁橋の長スパン化 関西大学工学部 学生員○岡部一隆. 関西大学工学部 正会員 坂野昌弘 京 橋 工 業 正会員 並木宏徳. 1.はじめに 高張力鋼板を用いたプレストレス補強工法. 1),2)は,プレストレスによる死荷重応力の低減効果に加えて,鋼. 板添接による活荷重応力の低減効果も期待できる効果的な補強工法である.さらに,補強板の鋼桁への定着構 造についても通常の高力ボルト摩擦接合を用いることができるため,外ケーブルを用いた場合の定着構造に比 べて単純化が可能となる.本補強工法は既に実橋の補強に適用されており,理論通りの補強効果が得られるこ とが確認されている 3).本研究では,鋼板プレストレス補強工法を新設橋へ適用することにより,H 形鋼桁橋 の長スパン化を試みた.. CL. 2.橋梁形式 対象とする橋梁形式は,H 形鋼を主桁として用 いた単純桁橋である.道路橋を想定し,総幅員 9.2m,主桁本数が 4,6,8,10 本の 4 ケース設. 9200 600. 4000. 600. 4000 アスファルト舗装(60mm). 定した.図-1 に 8 本主桁の場合の横断面図を示 す.主桁に用いる H 形鋼は現在の市販品の最大断. 鉄筋コンクリート床版(220mm). 面である高さ 900mm×幅 300mm のもので,材. 250. 質は SM490Y である.設計断面力は,B 活荷重を 研究では基本的な比較であるので、コンクリ-ト のクリ-プなどの影響が僅かであることを考慮し. 900. 用い,活荷重合成桁として算定した 4).なお,本. G1. て省略した. 3.補強方法. G2. G3. 1000. G4. G5. G6. G7. G8 1000. 7@1029=7200. ここでは,鋼板プレストレス補強(補強板: SM570)の他に,比較のために外ケーブル補強(下. 図-1 図-1 H 形鋼桁橋モデルの横断面図(主桁 8 本). フランジ定着方式,ケーブル:PC 鋼より線)と 主桁本数 上フランジ 下フランジ 4 6 8 10. 鋼板添接補強(補強板:SM490Y)についてもそ れぞれ検討を行った.補強板板厚およびケーブル. 1000. 直径は,支間増加による鋼桁下フランジ応力の許 容値に対する超過分を補うのに必要な補強板ある 4.結果および考察 図-2 に,補強前の H 形鋼桁橋モデル上下フラ. 500 応力 (MPa). いはケーブルの断面から算定した.. 許容値(205MPa). 0. 許容値(-205MPa). ンジの最大応力と支間の関係を各主桁本数につい て示す. 適用最大支間は下フランジ応力で決まり,. -500. 主桁 4 本の場合 16m,主桁 6 本では 22m,主桁 8. 10. 本および 10 本では 24m である. 図-3~5 に,3 種類の補強法を用いた場合の補 強板板厚あるいはケーブル直径と適用最大支間の. 15. 20. 25. 支間 (m). 30. 35. 40. 図-2 図-2 上下フランジの最小最大応力と支間の関係 (補強前). キーワード:補強,高張力鋼板,H 形鋼桁橋 〒564-8680 吹田市山手町 3-3-35 TEL:06-6368-0850. ‑335‑.

(2) I‑168. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 関係を示す.各補強法を適用することにより,それぞ. 50. れ長スパン化できることがわかる.ただし,主桁本数 が 8 本以上では補強前と同様,適用最大支間は殆ど変. 40. わらない.なお,外ケーブル補強と鋼板プレストレス 板厚 (mm). 補強の主桁本数 8 本以上のケースでは,下フランジ応 力ではなく上フランジ応力で最大支間が決定している. 図-6 に,8 本主桁の場合について,各補強法によ る長スパン化の比較を示す.補強板の板厚およびケー. 30 20 主桁4本 主桁6本 主桁8本 主桁10本. 10. ブル直径を 30mm 程度までと設定した場合の最大適 用支間は,補強前の 24m に対して,鋼板添接補強で. 0. は 25m(1.04 倍) ,外ケーブル補強では 26m(1.08. 10. 15. 20. 倍) ,鋼板プレストレス補強では 31m(1.29 倍)とな. 25. 支間 (m). 30. 35. 40. 図-3 図-3 補強板板厚と支間の関係(鋼板添接補強). り,当該比較条件では鋼板プレストレス補強が最も効 果があることが示された.. 50. 50. 40 板厚 (mm). 直径 (mm). 40 30 20 主桁4本 主桁6本 主桁8本 主桁10本. 10 0. 主桁4本 主桁6本 主桁8本 主桁10本. 10. 15. 20. 25. 支間 (m). 30. 35. 30 20 10 0. 40. 図-4 図-4 ケーブル直径と支間の関係(外ケーブル補強). 10. 15. 20. 25. 支間 (m). 30. 35. 40. 図-5 図-5 補強板板厚と支間の関係 (鋼板プレストレス補強). 補強板板厚orケーブル直径(mm). 50. 鋼板添接補強 外ケーブル補強 鋼板プレストレス補強. 5.おわりに 鋼板プレストレス補強工法を H 形鋼桁橋下フランジ に適用した場合には,他の補強工法に比べて大幅な長. 40. スパン化が可能となることが示された.. 30 20. 参考文献 1) 坂野他:第 7 回鋼構造物の補修・補強技 術報告会論文集,日本鋼構造協会,pp.57-64,2000.. 10. 2) 坂野他:鋼構造年次論文報告集,日本鋼構造協会,. 主桁8本. 0 10. 第 9 巻,pp.271-278,2001.3) 小出他:下路鈑桁橋. 15. 20. 25. 30. 35. 40. 支間(m). 中間横桁のテンプレート補強,土木学会関西支部年次 学術講演会,第Ⅰ部門,2002.4)日本道路協会:道路. ・同解説,1996. 図-6 (主桁 8 本) 橋示方書(Ⅰ共通編,Ⅱ鋼橋編) 図-6 各補強法による長スパン化の比較. ‑336‑.

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参照

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