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(1)

平成30年3月

福 岡 県

平成29年7月九州北部豪雨における

災害対応に関する検証結果報告書

(2)

目次

はじめに ... 1

Ⅰ 平成29年7月九州北部豪雨の概要 ... 2

1 気象概要 ... 2 (1) 7月5日から6日の概況 ... 2 (2) 平成24年7月九州北部豪雨との比較 ... 3 2 被害及び避難状況(平成30年2月21日9時現在) ... 4 (1) 人的被害 ... 4 (2) 建物被害 ... 4 (3) その他被害 ... 4 (4) 避難の指示等による実避難者数 ... 5 3 被害額 ... 6

Ⅱ 平成29年7月九州北部豪雨における災害対応に関する検証について ... 7

1 初動対応 ... 7 (1)活動体制の確立 ... 7 (2)救出救助・災害派遣要請 ... 9 (3)医療・救護 ... 16 (4)災害情報等の伝達 ... 21 (5)広報 ... 28 (6)ライフライン等 ... 32 (7)交通対策等 ... 37 2 被災自治体の行政運営支援 ... 42 (1)行政機関等による支援 ... 42 (2)関係団体等による支援 ... 54 3 避難者対策 ... 59 (1)避難行動 ... 59 (2)避難所等 ... 66 (3)物資等の調達等 ... 68 (4)保健衛生、環境対策等 ... 72 4 被災者の生活再建支援 ... 76 (1)被災者支援チーム ... 76 (2)住宅支援 ... 77 (3)生活支援 ... 80 (4)教育関係支援 ... 92 (5)災害ボランティアの参加促進 ... 100

(3)

(6)被災地支援NPO・ボランティア団体に対する支援 ... 105 5 商工・農林水産業者の事業継続支援 ... 111 (1)商工業者に対する支援 ... 111 (2)農林水産業者に対する支援 ... 118 6 公共土木施設等の応急復旧 ... 125 (1)土木施設等応急復旧全般 ... 125 (2)河川 ... 127 (3)砂防設備等 ... 130 (4)道路・橋梁 ... 132 (5)治山施設等 ... 136 (6)港湾・海岸 ... 138

Ⅲ 資料 ... 141

1 「被災者支援チーム」について ... 141 2 平成29年7月九州北部豪雨 被災者の支援(平成30年3月27日現在) ... 141

(4)
(5)

はじめに

平成29年7月九州北部豪雨では、7月5日から6日にかけて、対馬海峡付近に

停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込み、線状降水帯が形

成され、短時間に特定の地域に猛烈な雨が降り続いた。朝倉市黒川の北小路公民館

観測所において、わずか9時間で774ミリという雨量を観測したが、これは、朝

倉市の7月の平均雨量の2倍を超える量でもあり、記録的な豪雨となった。

この豪雨により、福岡県内では朝倉市、東峰村を中心に甚大な被害に見舞われた。

死者・行方不明者39名という人的被害のほか、全壊・半壊・一部損壊1,000件

以上、床上・床下浸水600件以上に及ぶ建物被害が発生した。また、道路が多く

の箇所で寸断され、ピーク時には20か所、1,016名の方が孤立を余儀なくさ

れ、最大避難者数は725世帯、2,303名に上った。道路、河川、農林水産業、

商工業などに与えた被害総額は1,941億円に及び、近年大きな被害を被った平

成24年の豪雨災害を大幅に上回る被害となった。

県では、今回の豪雨災害に対し、災害対策本部を設置し、発災直後から関係機関

と連携し、人命救助等の応急対応に全力を挙げて取り組むとともに、被災地の状況

や局面の変化に応じて、被災者お一人お一人の生活再建、商工・農林水産業者の事

業継続の支援、道路・河川などの公共土木施設の復旧などにきめ細かく対応してき

た。

こうした今回の豪雨災害の対応を検証し、その経

験や教訓を今後の防災対策の充実・強化につなげて

いくため、平成29年11月14日、庁内関係部局

で構成する「平成29年7月九州北部豪雨災害対応

検証委員会」を設置した。

委員会では、①初動対応、②被災自治体の行政運

営支援、③避難者対策、④被災者の生活再建支援、

⑤商工・農林水産業者の事業継続支援、⑥公共土木

施設等の応急復旧の6項目について検証作業を行

った。具体的には、災害発生から概ね3か月程度の

期間の対応について「評価できる点」及び「課題」

を抽出し、国の検証結果等も踏まえ、対応策につい

て検討してきた。

今後、この検証結果に基づき、県地域防災計画等の必要な見直しを行うとともに、

庁内各部局において具体的な対応を着実に進め、本県の防災対策の充実・強化を図

っていく。

(検証委員会の様子) (検証委員会の様子)

(6)

1 気象概要 2

Ⅰ 平成29年7月九州北部豪雨の概要

1 気象概要

(1) 7月5日から6日の概況

平成29年7月5日から6日にかけて、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向か

って暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響等により、前線の南側で線状降水帯

が形成・維持され、福岡県及び大分県では5日昼頃から夜遅くにかけて同じ場所に

猛烈な雨を継続して降らせたことから、九州北部地方で記録的な大雨となり、気象

庁は5日17時51分に福岡県に九州で初めて大雨特別警報を発表した。

九州北部地方では、7月5日から7日までの総降水量は県内の多くの観測所で

500ミリを超えており、朝倉市の北小路公民館雨量観測所では、既往最大の総雨

量894ミリを記録した。これは、7月の月降水量平年値を超える大雨であった。

また、福岡県朝倉市や大分県日田市等で24時間降水量の値が観測史上1位の値

を更新するなど、これまでの観測記録を更新する大雨となった。

赤枠は、総雨量500mmを超過した雨量観測所 きたしょうじ ひこさん よしの ひた あさくら

(7)

1 気象概要 3

(2) 平成24年7月九州北部豪雨との比較

観測雨量最大地点で比較すると、平成24年豪雨では八女市の池の山観測所で累

計雨量が613ミリ、平成29年豪雨では朝倉市の北小路公民館で896ミリと、

平成29年豪雨は平成24年豪雨に比べて約1.5倍の雨量を観測している。

豪雨が集中した9時間では774ミリ、12時間では792ミリもの雨量を観測

し、短時間に記録的豪雨となっている。

時間雨量でみると、朝倉市荷原の寺内観測所では169ミリを観測し、これは気

象庁観測史上最大の記録である1999年10月27日千葉県香取観測所における

153ミリを上回る時間雨量となっている。

※ 最大時間雨量は10分データによる1時間累 計最大値 ※ 平成24年の雨量データは福岡県管理観測所 における最大値(参考)北小路公民館の最大時 間雨量は124mm/h

観測雨量最大地点で比較

朝倉地区で比較

(8)

2 被害及び避難状況 4

2 被害及び避難状況(平成30年2月21日9時現在)

(1) 人的被害

死 者 : 37名(うきは市1、朝倉市33、東峰村3)

行方不明者 : 2名(朝倉市2)

負 傷 者 : 16名(久留米市3、朝倉市11、東峰村2)

※ 死者37名のうち1名は、災害関連死として朝倉市において認定されたもの

(2) 建物被害

ア 住家被害

全 壊 : 275件(朝倉市248、東峰村26、添田町1)

半 壊 : 831件(北九州市2、朝倉市791、東峰村37、

添田町1)

一 部 損 壊 : 39件(北九州市30、筑後市1、東峰村8)

床 上 浸 水 : 22件(北九州市4、久留米市1、嘉麻市1、

芦屋町2、東峰村12、添田町2)

床 下 浸 水 : 594件(北九州市47、柳川市6、八女市3、

行橋市1、中間市3、うきは市4、

嘉麻市2、朝倉市424、芦屋町2、

東峰村73、大刀洗町2、添田町23、

苅田町4)

イ 非住家被害

公 共 建 物 : 7件(朝倉市7)

他 : 745件(筑後市1、朝倉市726、うきは市1、

東峰村7、添田町10)

(3) その他被害

ア 道路被害

損 壊 : 514件(北九州市18、宗像市4、うきは市3、

朝倉市391、糸島市1、東峰村72、

添田町25)

埋 没 : 126件(中間市1、うきは市3、嘉麻市17、

朝倉市92、東峰村9、添田町4)

イ 橋梁被害

橋 流 : 29件(朝倉市23、東峰村5、添田町1)

橋 損 : 66件(朝倉市60、東峰村2、添田町4)

(9)

2 被害及び避難状況 5

ウ 河川被害

溢 水 : 9件(嘉麻市1、添田町8)

決 壊 : 3件(朝倉市3)

施設・設備損壊 : 462件(行橋市1、嘉麻市9、朝倉市307、

添田町73、糸島市1、東峰村70、

広川町1)

エ 土砂災害

が け 崩 れ : 220件(北九州市120、宗像市1、朝倉市14、

糸島市3、芦屋町1、岡垣町3、

東峰村38、香春町1、添田町38、

苅田町1)

(4) 避難の指示等による実避難者数

ピーク時(7月6日)

世帯数

人 数

避難指示(緊急)

601

1,577

避難勧告

85

661

避難準備・高齢者等避難開始

22

29

自主避難

17

36

合 計

725

2,303

※ 市町村が把握している数値

※ 避難所は、東峰村では8月19日17時、朝倉市では11月25日19時

30分に閉鎖

(10)

3 被害額 6

3 被害額

被 害 項 目

被 害 額

道路施設

375億円程度

河川施設

545億円程度

砂防施設

161億円程度

農業(農作物、農地・農業用施設等)

389億円程度

森林・林業(林地、林道等)

302億円程度

商工

106億円程度

教育施設、文化財

42億円程度

その他(上水道、水産業、公営住宅、公園、港湾施設等)

21億円程度

1,941億円程度

(注1)被害額は、平成29年8月20日現在で県として把握している概算の金額で

ある。

(注2)被害額は、県管理分に加え、市町村等管理分等についても、県の担当部局で把握

しているものを含む。

(11)

1 初動対応 7

Ⅱ 平成29年7月九州北部豪雨における災害対応に関する検証について

1 初動対応

今回の対応実績 ◎ 県災害対策本部の設置 ● 7月5日12時39分、筑後南部地方等に大雨・洪水警報が発表されたため、災害警戒本部を 設置し、災害情報・被害状況の収集伝達等の対応に当たった。 記録的短時間大雨情報や土砂災害警戒情報の発表及び今後の気象見通し等を踏まえ、被害の 拡大が予想されたことなどから同日15時30分、災害対策本部及び災害対策地方本部を設置 し、警戒態勢を強化するとともに、市町村災害対策本部との連絡調整や、自衛隊など各関係機関 への応援要請等の災害応急対策を実施した。 (防災企画課) ◎ 災害救助法の適用 ● 避難指示(緊急)や避難勧告の発令状況や、住民の避難状況を踏まえ、7月6日に朝倉市と東 峰村、7月7日に添田町への適用を決定した。 (福祉総務課) 評価できる点 ◎ 県災害対策本部を速やかに設置し、全庁的に対応を実施 ◎ 消防、警察、自衛隊等関係機関と連携した迅速な救命・救助活動を実施 ● 県災害対策本部設置後速やかに第1回災害対策本部会議を開催、その後も継続して開催した (7月5日~14日の間は土日も含め毎日開催)。本部会議には、本部長である知事、副本部長 である副知事、本部員である各部長等に加え、消防・警察・自衛隊・気象台等の防災関係機関の ほか内閣府等の国の関係機関も出席し、災害情報や被害情報の共有と応急対策活動の方針の協 議を行ったことで、適切な初動対応を行うことができた。 (防災企画課)

(1)活動体制の確立

今回の災害では、発災直後から「災害時緊急派遣チーム」を派遣するとともに、

「被災者支援チーム」による全庁体制でのきめ細かな支援を行うなど、熊本地震の

経験を踏まえ、概ね効果的な対応を行うことができたと考えられるが、将来の大規

模災害に備えて、更なる改善も必要。

(12)

1 初動対応 8 ● 県災害対策本部に、消防、警察、自衛隊等の関係機関が集まり、災害対応に熟練した県の防災 危機管理専門監(自衛隊OB)が中心となって、連絡調整を図りながら救命・救助活動に当たる ことができた。 (防災企画課) ● 国の視察等の対応のため、渉外班を7月6日から同7月19日まで設置し、その間10組の視 察受入対応を実施した。 (防災企画課) ◎ 発災翌日に災害救助法の適用を決定 ● 7月5日の発災直後から、災害情報の収集や分析を行い、翌6日には災害救助法の適用(4号 基準による適用)を決定し、速やかに応急救助に着手した。 (福祉総務課) 課題 ◎ 災害対策本部室が手狭で、一堂に会して活動できなかった ● 今回の災害対応では、消防、警察、自衛隊等のほか、国の機関やライフライン事業者、他自治 体などから多くの情報連絡員などを受入れた。災害対応を迅速かつ効率的に実施していくため には、関係者が一堂に会して活動する必要があるが、災害対策本部室の執務スペースが手狭であ ったため、廊下や別の階の会議室を活用せざるを得なかった。関係機関の作業場所が分散したこ とにより、関係者間の連絡が煩雑となった。 (防災企画課) ◎ 災害対応業務にあたり、特定の職場に負担が集中した ● 職員数に比して災害対策本部事務局(防災危機管理局職員)が担う業務量が多く、一人の職員 が複数の業務を同時に担当せざるを得ない状況が発生した。 (防災企画課) ● 県災害対策本部の24時間体制が長期化する中、防災危機管理局職員の人数が少なく、勤務体 制の編成に困難を来した。 (防災企画課) ● 災害救助法に関する事務は、災害救助法適用の決定、救助に関する関係機関からの問い合わせ、 特別基準に関する内閣府との協議など、事務量の多さに加え、発災当初からの対応が必要。 これに加え、現場の要望に沿った各避難所への物資支援、要配慮者に対する支援、被災者生活 再建支援金・災害弔慰金・災害障害見舞金・県見舞金の支給、災害援護資金の貸付、義援金の受 付・配分など、膨大な災害対応業務があり、特定の職場に負担が集中した。 (福祉総務課) 対応策 ◎ 情報共有と意思決定がスムーズとなる災害対策本部等の体制・環境整備 ● 今後、大規模災害が発生した場合は、本庁舎3階にある講堂を活用し、防災関係機関と一体と なって迅速かつ効率的に災害応急活動を行うことができるよう防災危機管理局(災害対策本部 室等含む)を本庁舎9階から3階に移設するとともに、テレビ会議システムの導入等により本部 機能の充実を図る。(平成30年度) (防災企画課)

(13)

1 初動対応 9 ● 県防災・行政情報通信ネットワークの再整備を実施し、あらゆる災害・防災情報を電子データ で県出先機関、市町村と共有するシステムを新設するとともに、全国的な災害・防災情報基盤で ある「Lアラート」と接続し、迅速に広く県民へ情報提供する。(平成30年度)(防災企画課) ● 大規模災害時には、防災危機管理局職員だけで被害情報収集及び災害対策本部運営を担うの は困難であるため、緊急初動班の積極的な活用を図る。緊急初動班の意識を高め、災害時に即戦 力として作業ができるように、研修や訓練のあり方を検討する。(平成30年度)(防災企画課) ● 大規模災害が発生した際に国や他県等からの応援を円滑に受入れるため、「県災害時受援計画」 を新たに策定する。(平成30年度) 県災害時受援計画の内容を踏まえ、必要に応じ災害時職員対応マニュアルを改正する。 (平成30年度) (防災企画課) ● 夜間・休日等に災害等が発生した場合の初動体制強化のため、県庁近傍に防災危機管理局長公 舎を設置。(平成30年度) (防災企画課) ● 県災害対策本部の機動力強化のため、災害現地活動用車両及び通信機器等を整備。 (平成30年度) (防災企画課) 今回の対応実績 ◎ 緊急消防援助隊の応援要請 ● 7月6日0時 朝倉市等における消防活動の応援のため、福岡県知事から消防庁長官に対し、 消防組織法第44条第1項の規定に基づき、緊急消防援助隊の応援要請を行った。 (消防防災指導課) ◎ 消防応援活動調整本部の設置 ● 緊急消防援助隊の要請に伴い、消防応援活動調整本部を立ち上げ、各県隊の受入れ、活動等の 調整を行った。 ※ 構成員:県、広島市消防局、福岡市消防局、甘木・朝倉消防本部 (消防防災指導課) ◎ 被災地における消防の救助、捜索及び情報収集活動 【甘木・朝倉消防本部】 7月5日 13時20分 第一配備体制(幹部招集) 14時12分 第二配備体制(職員1/2招集) 14時25分 第三配備体制(全員招集)

(2)救出救助・災害派遣要請

(14)

1 初動対応 10 【福岡県消防相互応援】 7月5日~8月4日 31日間 ・ 陸上隊 941隊 3,560人 ・ 航空隊 11隊 52人 ※ 福岡県24消防本部 【緊急消防援助隊】 7月6日~7月25日 20日間 ・ 陸上隊 2518隊 8,853人 ・ 航空隊 44隊 313人 (出動県)愛知県、大阪府、兵庫県、奈良県、岡山県、広島県、山口県、香川県、 愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県 (消防防災指導課) ◎ 航空運用調整班の設置 ● 豪雨災害において、ヘリコプターの安全運航及び救助、捜索、情報収集の効率運航を実施する ため、関係機関を集め、任務付与、運航情報の共有等の対応を行った。 ※ リエゾン派遣機関:福岡市消防航空隊、県警察、海上保安庁、自衛隊、九州地方整備局 (消防防災指導課) ● ヘリコプターのニーズは災害から3日までが非常に多く、住民からの直接的な応援要請や各 機関に入った応援要請を航空運用調整班で集約し、対応可能なヘリコプターに任務付与を行っ た。 ※ 人命救助実績 297名(7/6:71名 7/7:224名 7/10:1名 7/11:1名) (消防防災指導課) ◎ 警察の救出救助活動 ● 110番通報等による救助要請を受け、朝倉警察署の交番及び駐在所で勤務する警察官をは じめ、自動車警ら隊や交通機動隊等の執行隊を被災地に対して弾力的に運用するとともに、機動 隊員による救出救助隊を早期に編成・派遣して、被災者の避難誘導活動や救出救助活動を実施し た。 (県警察) ◎ 警察災害派遣隊の援助の要求 ● 災害発生直後から警察庁等と警察災害派遣隊の受援に向けた調整を行い、7月6日から7月 27日までの間、同隊の応援を受け、避難誘導活動、救出救助活動及び行方不明者の捜索活動を 実施した。 (県警察) ◎ 警察の孤立状態等の把握・解消 ● 現場で活動する警察官の報告や110番通報等から孤立地域の把握に努めた。 (県警察) ● 孤立地域で活動する警察官による道路等の損壊状況や通行の可否、いかなる交通手段での立 ち入りが可能かどうかの報告を踏まえ、警察が保有するヘリコプター、四輪駆動車両やモトク ロスバイクの活用または徒歩により孤立地域に臨場し、救助活動等を実施した。 (県警察)

(15)

1 初動対応 11 ◎ 県警ヘリコプターの各種活動 ● ヘリコプターテレビ映像伝送装置を活用し、上空から孤立者の捜索や被害状況の把握などの 情報収集を実施した。また、同映像を県災害対策本部に伝送し情報共有を図った。(県警察) ● 孤立地域等の現場において、ホイストでの吊り上げ、または着陸による被災者の救出救助活動 や着陸困難な孤立地域の心肺停止者を吊り上げ収容し、搬送を実施した。 (県警察) ● 着陸可能な孤立地域において、ヘリコプターに搭乗した機動隊員が救援物資(飲料水、食料、 毛布等)を搬入するとともに、孤立者の容態や救助希望の意思等の確認を実施した。(県警察) ● 被災地域の治安対策や危険箇所の警戒活動を実施した。 (県警察) ◎ 自衛隊への災害派遣要請 ● 7月5日19時 東峰村における人命救助、情報収集、生活支援等の救援活動のため、福岡県 知事から陸上自衛隊第4師団長に対し、自衛隊法第83条に基づき、自衛隊の災害派遣要請を行 った。 同日19時15分 朝倉市等における人命救助、情報収集、生活支援等の救援活動のため、 福岡県知事から陸上自衛隊第4師団長に対し、自衛隊法第83条に基づき、自衛隊の災害派遣要 請を行った。 (防災企画課) 評価できる点 ◎ 自衛隊への派遣要請を迅速に行うことができた ● 大雨の影響により孤立集落が発生し、孤立者の救出、救助、物資の輸送等が必要となったため、 速やかに陸上自衛隊第4師団に対し災害派遣要請を行い、孤立集落の早期解消につながった。 (防災企画課) ◎ 被災地消防本部との連携により、早期に応援要請を行うことができた ● 被災地消防本部が初動対応に追われていたため、県から働きかけることで、県内消防本部や緊 急消防援助隊への応援要請を早期に行うことができた。 (消防防災指導課) ◎ 県施設を活用できた ● 緊急消防援助隊の宿営地を変更する必要が生じた際、県消防学校を活用することで、滞りなく 宿営地を変更することができた。 (消防防災指導課) ◎ 関係機関との連携により、効率的な活動が行えた ● 緊急消防援助隊の救急隊を被災地消防本部である甘木・朝倉消防本部に配置し、通常の救急事 案にも対応してもらったことで、被災地消防本部の負担軽減に効果的であった。 (消防防災指導課)

(16)

1 初動対応 12 ● 山間部の孤立地区へは道路寸断等により車両による進入ができなかったが、緊急消防援助隊、 自衛隊、警察の航空隊ヘリによる救出により、早い時期に孤立状態が解消され、活動対応地区が 縮小されたことで捜索活動に集中できた。 (消防防災指導課) ◎ 被災地消防本部の体制・対応について ● 甘木・朝倉消防本部の初動対応において、日勤者が各自、情報収集・役場との連絡・クレーム 対応等の仕事の振り分けを行っており、混乱した状況の中では非常に有効であった。 (消防防災指導課) ● 県消防相互応援要請の時点で、河川の氾濫や堤防決壊で浸水地域が広範囲であったため、あら かじめボートを要請し、応援隊到着後に直ちに救出活動を行えたことで、孤立状態を早期に解消 できた。 (消防防災指導課) ◎ 航空運用調整班の役割を果たせた ● 会議や訓練を含め、これまで航空運用調整班としての活動実績が全くない中で、航空関係機関 を一堂に集め、相互に協力して任務付与等に取り組むことができた。 (消防防災指導課) ◎ 早期に被災現場に最大限の警察官を派遣した ● 自動車警ら隊等の執行隊の弾力的な運用や機動隊員からなる救出救助隊の現場への早期派遣 により被災現場に警察官を最大限派遣することができた。 (県警察) ◎ 警察災害派遣隊の援助の要求を早期実施した ● 警察庁等との連携を図り、早期に警察災害派遣隊の要請を行い、7月6日の未明には警察災害 派遣隊が入県するとともに、被災現場において避難誘導活動や救出救助活動を実施した。 (県警察) ◎ ヘリコプターの分散駐機を行った ● 他県警から応援にきたヘリコプターの一部の活動基地を佐賀空港としたことで、駐機可能機 数が増え、それにより、天候不良や空港混雑の影響を最小限に抑える効率的な運用を実現できた。 (県警察) ◎ 航空運用調整班を派遣し、自衛隊等各機関と連携を図った ● 県警本部地域課航空隊員を県災害対策本部に航空運用調整班として派遣し、自衛隊、消防等各 機関と任務分担、運用要領、レーダーアドバイザリー等に関して調整することで、安全かつ円滑 な救助活動を推進した。 (県警察) 課題 ◎ 装備資機材の整備 ● 捜索活動は、炎天下の上、長時間に及ぶため、熱中症対策が必須であった。しかし、活動場所

(17)

1 初動対応 13 によっては日陰等の休息を取るために適した場所がなく、場所を確保するための資機材も保有 していなかったため、捜索する部隊の耐久力の低下を招いた。 (県警察) ● 同時多発する被災現場において、被害の規模に応じた数の部隊を投入し、限りある警察力を効 率良く運用するためには、各現場の規模を把握する必要がある。各部隊の無線による報告だけで は、各現場の規模を捉えることができなかったため、情報収集のための資機材を整備し、被害の 規模に応じた的確な部隊投入を図る必要がある。 (県警察) ◎ 救出救助隊の対処能力の向上 ● 九州で初めて大雨特別警報が発表され、観測史上最大の大雨によって朝倉市を中心に河川の 氾濫や土砂災害等、甚大な被害が発生するなど、今までに経験のない事態が発生した。今後の大 規模災害に備え、より専門的で高度な救助に関する知識と技術を習得していく必要がある。 (県警察) ◎ 災害対応可能車両の配備 ● 白バイやセダンタイプのパトカー、警察の救出救助隊の部隊輸送車両である大型バス等は被 災地での活動に限界があることから、災害対応用に高床タイプの四輪駆動車等の配備が必要で ある。 (県警察) ◎ 通信手段が警察無線のみに制限された ● 孤立した地域との通信手段が制限(携帯電話、固定電話、警察電話が使用不可の状態)された ため、連絡・報告等が困難となった。 (県警察) ◎ 航空運用調整班への複数名の派遣 ● 県警本部地域課航空隊員を県災害対策本部に派遣したが、災害発生から72時間は各機関か ら最大機数のヘリコプターを投入した救助活動が展開されるため、複数名の派遣がより有効で あった。 (県警察) 対応策 ◎ 各種装備資機材と救出救助隊の講習受講費の整備 ● 救出救助隊の機動性と耐久性を向上させるため、資機材搬送用二輪車及びタープを整備、リア ルタイムで被害情報を収集するためウェアラブルカメラを救出救助隊等に整備、より専門的な 知識と高い救助技術を習得し、救出救助隊の対処能力を向上させるため講習受講費の整備に向 けて予算措置を推進する。(平成30年度) (県警察) ◎ 警察保有車両の効果的運用 ● 豪雨災害に対応可能な車両やモトクロスバイク等を可能な限り災害現場で運用できるように 関係所属と調整を行う。(実施中) (県警察)

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1 初動対応 14 今回の対応実績 ◎ 自衛隊の活動実績 ● 7月5日19時 東峰村における人命救助、情報収集、生活支援等の救援活動のため、福岡県 知事から陸上自衛隊第4師団長に対し、自衛隊法第83条に基づき、自衛隊の災害派遣要請。 同日19時15分 朝倉市等における人命救助、情報収集、生活支援等の救援活動のため、福 岡県知事から陸上自衛隊第4師団長に対し、自衛隊法第83条に基づき、自衛隊の災害派遣要請。 8月5日東峰村における任務終了。8月20日10時朝倉市における任務終了。 <自衛隊による災害派遣活動実績> ○ 朝倉市 ・ 派遣日時…7月5日~8月20日 ・ 延べ人員数(後方支援含む)…約93,000人 ・ 延べ車両数…約6,800両 ・ 延べ航空機数…52機 ・ 活動内容…人命救助(人員輸送)、物資輸送、入浴・給水・給食支援、道路啓開、 慰問演奏等 ○ 東峰村 ・ 派遣日時…7月5日~8月5日 ・ 延べ人員数(後方支援含む)…約7,900人 ・ 延べ車両数…約1,400両 ・ 延べ航空機数…3機 ・ 活動内容…人命救助(人員輸送)、物資輸送、入浴・給水支援等 ○ 共通 ・ 述べ人員数(後方支援含む)…約17,000人 ・ 延べ車両数…約1,000両 ・ 延べ航空機数…78機 ・ 活動内容…映像伝送、情報収集活動、通信構成等 (防災企画課) ◎ 航空運用統制 ● 今回の自衛隊のヘリ運用は、福岡駐屯地で調整所を開設して実施。航空自衛隊及び海上自衛隊 の情報連絡員も配置。 (陸上自衛隊) 自衛隊

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1 初動対応 15 ◎ 入浴支援 ● 陸上自衛隊の野外入浴所を介護が必要な方が利用された際に、自衛隊の隊員が入浴支援を実 施した。 (陸上自衛隊) 評価できる点 ◎ 延べ10万人を超える自衛隊の支援 ● 7月5日の発災直後から、朝倉市及び東峰村において、自衛隊の隊員延べ118,078名が、 人命救助、人員輸送、物資輸送、入浴・給水・給食支援、道路啓開等を行った。(防災企画課) ● 福岡県庁、朝倉市、東峰村に自衛隊の連絡調整員(LO)を派遣して、各自治体の要請に基づ いたきめ細かい支援を実施した。 (防災企画課) ◎ 情報共有 ● 県災害対策本部会議において県等の状況の把握、救助活動等の認識の共有ができた。 (陸上自衛隊) 今回の対応実績 ◎ 救助・救援活動等の実施 ● 対策室、対策本部を順次設置し、ヘリ2機搭載型巡視船(横浜)、航空機(広島・鹿児島)、特 殊救難隊(羽田)、機動救難士(鹿児島)の派遣を受け、救難強化巡視船(長崎)を大分沖合い へ派遣するとともに、大分・福岡・熊本各県庁にリエゾン要員を派遣する等して、孤立者40名 の救助、有明海での行方不明者捜索、航路障害物調査、航行警報発表等の活動を行った。 〇 対応体制 7月5日 17時55分 七本部「九州北部大雨災害対策室」(七警救部長)を設置 19時41分 本庁「海上保安庁台風第3号及び梅雨前線による6月30日 からの大雨に関する災害対策本部」(長官)、七本部「九州北部 大雨災害対策本部」へ改組(七本部長) 8月2日 12時00分 海保本庁、七本部ともに対策本部廃止 〇 対応勢力(延べ)(平成29年8月2日 14時00分現在) ・ 巡視船艇61隻(巡視船8隻、巡視艇53隻) ・ 航空機61機(固定翼航空機20機、回転翼航空機41機) ・ 機動救難士38名 海上保安庁

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1 初動対応 16 ・ 特殊救難隊16名 〇 孤立者等救助 7月6日~7月7日、救助者数40名、犬2頭 (海上保安庁) 評価できる点 ◎ 迅速な対応 ● 発災当日の夜間に、先発隊として福岡保安部職員2名、後発隊として七本部職員2名、福岡基 地職員1名を、県災害対策本部に派遣したことで、翌日から行われた救助活動に係る自衛隊、消 防、警察によるヘリ救助に係る調整を早期の段階から十分行うことができ、現場において、効率 的に多くの人命が救助できた。 派遣された職員は、当庁クローズ系パソコン(移動式)を持参したことにより、巡視船艇・航 空機等の把握等行い、当庁内の情報共有をスムーズに行うことができた。 (海上保安庁) 今回の対応実績 ◎ 被災状況の収集 ● 医療機関の被災状況を次の方法等により収集・把握した。 ① 災害医療情報システムの活用 7月5日夕方に「ふくおか医療情報ネット(災害情報業務)」を災害運用に切り替えるとと もに、県救急医療情報センターを経由して、同日夜に県内全病院に対して診療可否の状況等の 入力を要請し情報を収集した。 ② 医療機関への電話聞き取り 特に被害発生の可能性があった朝倉地域については、5日夜に地域内の有床の医療機関に 対し電話にて被害の有無等を聞き取りした。 また、被害により診療を中止しているとの報告があった医療機関に対しては、電話により定 期的に復旧状況等の聞き取りを行い、状況把握に努めた。 ③ 保健所からの情報収集(7月6日~) 保健所設置市を含め、県内の全保健所に対して被害状況の把握と報告を依頼し、情報を収集 した。 ④ 関係団体からの情報収集(7月6日~) 県医師会、県透析医会等関係団体からも被害情報を収集した。 (医療指導課)

(3)医療・救護

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1 初動対応 17 ◎ 関係機関への情報提供 ● 関係機関からの問い合わせに対してその都度情報提供を行った。 ① 厚生労働省からの問い合わせ 医政局地域医療計画課:医療施設の被災状況、DMAT等の活動状況 健康局がん疾病対策課:透析医療機関の被災・復旧等の状況 ② DMAT等医療チーム関係者からの問い合わせ 医療施設の被災状況、避難所の開設状況、避難者数の状況、介護施設の状況、道路の通行可 否情報 (医療指導課) ◎ 透析患者及び透析医療機関の被害状況の把握 ● 県透析医会を通じて当課に通報のあった連絡がとれない透析患者等の情報について、関係市 村の災害対策本部へ通報・確認を行うとともに、関係透析医療施設とも連絡をとり必要な患者へ の透析医療の確保に努めた。 (医療指導課) ◎ DMAT等の派遣 ● DMATの派遣については、7月5日中から、県内関係者及び厚生労働省DMAT事務局等と 連絡を取り、翌6日には、災害救助法の適用状況等も踏まえ、被災地(朝倉地域)へのDMAT の派遣を行った。医療指導課内にはDMATの調整本部を設置し、県庁へ参集したDMAT関係 者(本部要員)と共に現地活動の調整、2次隊以降の手配等の業務を行った。(DMAT派遣実 績:7月6日~8日(延べ82人)) (医療指導課) ● DMAT以外の医療救護班については、7月6日に日赤救護班を東峰村に派遣するとともに、 連絡員を県庁(医療指導課)に受入れ、連携して対応を行った。 (医療指導課) ◎ 医療救護調整本部による各種医療チームの派遣調整の実施 ● 「福岡県災害時医療救護マニュアル」に基づき、県庁に医療救護調整本部を設置するとともに、 北筑後保健福祉環境事務所長を被災地の医療救護調整の統括者として、情報及び指揮権限を集 約し、当該所長からの情報の下に、本庁において各種医療チーム(県医師会JMAT、日赤看護 師、看護協会災害支援ナース等)の派遣調整を実施した。 (医療指導課) ◎ 孤立地域からの救出・救助者に対する、DMATによるトリアージの実施 ● 孤立地域からヘリコプターで救出・救助された被災者に対して、DMATによるトリアージを 実施し、医療機関への収容が必要な傷病者については消防機関へ引き継いで、地元の災害拠点病 院等へ搬送した。 (医療指導課) ● 今回の災害では、地元の災害拠点病院等で対応できないほどの多数の傷病者が発生しなかっ たことなどから、医療チームによる搬送支援対応(ドクターカーによる医療搬送、DMAT等に よる搬送先医療機関の調整等)は行われていない。ドクターヘリについても、同様の理由により 災害運用は行われていない。 (医療指導課)

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1 初動対応 18 ◎ 医薬品等の被害状況・流通状況の確認 ● 7月6日、災害に伴い、医薬品等の流通に影響が出ていないか、福岡県赤十字血液センター、 福岡県医薬品卸業協会等へ問い合わせを行い、影響が生じていないことを確認した。(薬務課) ● 各保健福祉環境事務所へ医薬品の供給状況、毒劇物の事故に関する情報提供を依頼し、特に影 響がないことを確認した。 (薬務課) ◎ 医薬品卸業協会による災害対策本部の設置 ● 福岡県が災害対策本部を設置したことを受け、福岡県医薬品卸業協会の「災害対応マニュアル」 に基づき、福岡県医薬品卸業協会においても対策本部を立ち上げると同時に、会員会社に対し、 被災状況報告の依頼を行った。 (福岡県医薬品卸業協会) ● 7月6日、県医薬品卸業協会職員が県薬務課を訪問し、今後の連絡窓口、随時情報を共有する ことについて確認を行った。 (福岡県医薬品卸業協会) ● 県医薬品卸業協会対策本部において、事務局4名体制で医薬品流通、被害状況等に関する情報 収集を行うと同時に、医師会・薬剤師会等の関係団体へ県医薬品卸業協会が窓口になる旨の連絡 を行った。 (福岡県医薬品卸業協会) ◎ 被害状況の把握と速やかな医薬品等の提供 ● 各医薬品卸業者において、社屋等に被害がないこと、得意先の医療機関(診療所・薬局等)に 土砂流入等の被害が数件あることを確認。被災状況報告書ともに、7月6日に第1回報告として 県薬務課と県医薬品卸業協会上部団体である日本卸連・九州卸連と会員会社に報告。この報告に ついては、災害発生の7月6日から14日までの9日間、1日2回実施した。 (福岡県医薬品卸業協会) ● 東峰村から避難所用として常備薬の要望を受け、(公社)福岡県医薬品配置協会が、配置薬(鎮 痛薬、胃腸薬、風邪薬、キズ薬等)20箱を提供した。東峰村から要望のあった2時間後には県 医薬品配置協会協会職員が、被災地から一番近い朝倉総合庁舎へ直接持参し、当日夜には、自衛 隊により避難所へ輸送された。 ((公社)福岡県医薬品配置協会) ● 避難所及び被災家屋で使用する消毒薬(塩化ベンザルコニウム)について、使用方法や注意事 項等を記載したチラシを作成し提供した。 (薬務課) ● 避難所等から要望を受けた医薬品等について、関係団体を通じて速やかに避難所に提供した。 ・ 7月10日 家庭用血圧計6台の納品依頼があり、当日中に納品。 ・ 同日、福岡県がん感染症疾病対策課より手指消毒薬1L入、100本の納品依頼があり、 翌11日午前中に福岡県北筑後保健福祉環境事務所に納品。 ・ 7月12日、福岡県薬務課より血栓防止用ストッキング55足の納品依頼があり、 翌13日にJA朝倉東峰支店に納品。 ・ 7月13日、福岡県がん感染症疾病対策課より、手指消毒薬1L入、50本の追加納品依頼 があり、当日中に納品。 (福岡県医薬品卸業協会)

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1 初動対応 19 評価できる点 ◎ 関係機関と連携し、速やかに情報収集を開始 ● あらかじめ定めたマニュアルに基づいて、災害医療情報システムを速やかに災害運用に切り 替えることができた。 (医療指導課) ● 発災直後から関係団体とも連絡を取り合い、情報収集を行うことができた。(医療指導課) ● 当課の所管でない情報(避難所、道路、介護施設等)についても、関係課の協力を得て概ね情 報収集・提供ができた。 (医療指導課) ◎ 被災地の医療ニーズに応じ、適切に医療チームを投入 ● 医療施設の被災状況、現地での応急医療のニーズを踏まえながら、段階的にDMATを投入す ることができた。 (医療指導課) ● 北筑後保健福祉環境事務所長に現地の情報や指揮権限を集約したことにより、医療チームの 派遣に伴う地元関係者との調整や、現地における活動調整が円滑に行われ、医療救護活動を円滑 に実施することができた。 (医療指導課) ● 本庁においては、医療救護調整本部を設置するとともに、県医師会等関係団体との連絡を密に 行い、被災地のニーズに応じた医療チームの派遣を行うことができた。 (医療指導課) ◎ DMAT派遣により、円滑な患者搬送を実施 ● 救出・救助を担当する自衛隊、消防機関等と現地において連携し、救出・救助された被災者に 対して医療チーム(DMAT)が早期に医療介入できたことで、要搬送者をすみやかに選定し医 療機関へ搬送することができた。 (医療指導課) ◎ 窓口の一元化により、被災地からの要望にスムーズに対応 ● 避難所から要望があった医薬品については、福岡県薬務課を経由し、福岡県医薬品卸業協会へ 発注することとしていたため、必要な物、数量、何処に届けるのかといった内容をスムーズに伝 達することができた。医薬品に関して、県及び受注先の窓口を一本にしたことで、情報の一元化 ができ、熊本地震で問題となった情報の錯綜が抑えられた。(薬務課、福岡県医薬品卸業協会) ● 福岡県医薬品卸業協会で既に作成していた「災害対応マニュアル」により、迅速に被災状況を 把握し、関係各所へ情報提供を行うことができた。また、医薬品卸業団体の会員会社の連携によ り、対策本部における人員確保、情報収集が迅速にできた。 (福岡県医薬品卸業協会) 課題 ◎ 災害医療情報システムへの習熟不足 ● 災害医療情報システムへの入力ミス(被害がないのに「診療不可」となっている等)が見られ たことから、個別に医療機関等に確認を要した。 (医療指導課)

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1 初動対応 20 ● 被害の発生状況を踏まえ、システムを「警戒」モードから「災害」モードに変更したが、入力 情報がリセットされたため、再度、医療機関に入力を要請しなければならなくなった。 (医療指導課) ◎ 関係部署との所管範囲の調整不足 ● 当課では傷病者の受入や入院患者のある医科医療機関の状況把握を念頭に対応していたため、 歯科医療機関の被害状況の把握が遅れた。 (医療指導課) ◎ 局地災害を想定した、初動対応の検討が必要 ● 「福岡県災害時医療救護マニュアル」は、地震等における対応を想定して策定しているため、 今回のように医療機関に大きな被害がなく、応急医療が必要となる傷病者が現地の医療提供体 制で対応できないほどに発生していないような場合での活用を想定していない部分があった。 このため、DMATの待機要請や派遣のタイミング、医療救護調整本部設置のタイミング、関 係団体に対し県庁への参集を求めるタイミング等、局地災害を想定した、初動の運用については 別途検討が必要。 (医療指導課) ◎ 備蓄医薬品等の供給体制の再確認が必要 ● 今回、避難所から要望のあった医薬品については、迅速に供給することができたが、さらに大 規模な災害が発生した場合に備え、備蓄医薬品の放出方法等について確認しておく必要がある。 (薬務課、福岡県医薬品卸業協会) 対応策 ◎ 災害医療情報システムへの習熟 ● 災害医療情報システムについては、訓練を実施するとともに、別途、毎月定期的に関係者が自 主訓練できる機会を提供し、各医療機関のシステムへの習熟を図っていく。 (平成29年9月から一部実施済) (医療指導課) ● 今後、災害運用中における情報システムのモード変更は原則として行わない運用とする。なお、 災害フェーズの移行に伴いモード変更を要することとなった場合には、登録済データのバック アップを必ず取る運用を徹底する。(平成29年度~) (医療指導課) ◎ 状況把握の徹底 ● 歯科診療所についても、発災直後から保健所及び県歯科医師会を通じての状況把握に努める。 (平成29年度~) (医療指導課) ◎ マニュアル見直しの検討 ● 関係者の意見を聞いたうえで、局地災害における運用を検討し、必要に応じて「災害時医療救 護マニュアル」の見直しを行う。(平成29年度~) (医療指導課)

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1 初動対応 21 ◎ 災害時における医薬品等の供給体制の再確認 ● 災害時における備蓄医薬品の放出方法等について、医薬品卸業協会と再確認を行う。 (実施済) (薬務課) ● DMAT等の医師が派遣される場合は、県薬剤師会と連携し薬剤師派遣の協議を行う。 (平成29年度~) (薬務課) 今回の対応実績 ◎ 気象情報等の収集・伝達 ● 災害時職員対応マニュアルに基づき、アメダス雨量、注意報・警報等の気象情報を総合防災情 報システム等により収集した。 (防災企画課) ● 県は、防災気象情報等を、直ちに、県防災・行政情報通信ネットワークにより、市町村及び消 防本部等の関係機関に伝達した。また、県の広報媒体(ツイッター等)を利用して県民への広報 を実施した。 (防災企画課) ● 収集した気象情報に基づき、市町村に対し、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指 示(緊急)の発令についての検討依頼を行った。 (防災企画課) ◎ 災害情報・被害情報の収集・伝達 ● 県防災・行政情報通信ネットワークと災害関係情報収集用カメラ(ヘリテレ、河川監視カメラ 等)とを連携し、災害情報の収集を行った。 (防災企画課) ● 災害時職員対応マニュアルに基づき、市町村からのFAX 及び電話での聞き取りにより被害情 報を被害概況報告書に取りまとめ収集した。 (防災企画課) ● 市町村からの情報収集のほか、リエゾン派遣により県災害対策本部に在駐している警察、消防、 自衛隊、国土交通省等の幅広い分野の関係機関から情報を収集した。 (防災企画課) ● 収集した情報は、リエゾン派遣により県災害対策本部で活動している関係機関職員に提供し たほか、地方機関や消防庁にFAX 送信し、情報伝達を行った。 (防災企画課) ◎ 災害対策現地情報連絡員等の派遣 ● 発災直後から被災地に災害対策現地情報連絡員を派遣し、被害状況の情報収集等を行った。 派 遣 先:朝倉市役所、東峰村役場 派遣職員:災害対策現地情報連絡員(登録職員)及び防災危機管理局職員 7月 5日 ⇒ 朝倉市1名 7月 6日~7月11日 ⇒ 各市村2~3名

(4)災害情報等の伝達

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1 初動対応 22 7月12日~8月 5日 ⇒ 各市村1名 8月 6日~9月 5日 ⇒ 朝倉市1名 (防災企画課) ● 停電等のため通常の通信手段が使用できない被災地において、電気通信事業者から通信機器 (携帯電話・衛星携帯電話・モバイルルーター・パソコン等)を速やかに借り受け、災害対策現 地情報連絡員の通信手段として活用した。 (防災企画課) ◎ 市町村の行政機能確保状況の把握及び報告 ● 「大規模災害時における市町村の行政機能確保状況の把握について」(平成29年4月11日 付総務省自治行政局長・消防庁次長通知。以下「総務省通知」という。)に基づき、県内市町村 の行政機能の確保状況について確認し、総務省へ報告を行った。 ※ 報告回数 3回 ・ 7月6日 0時頃 総務省から「総務省通知に基づき、チェックリストの提出を市町村に依頼してもらいたい。 官邸報告のため、午前11時までに報告願う。報告対象範囲は状況を確認し、朝8時に連絡す る。」との連絡あり。 ・ 同日8時 総務省から避難指示(緊急)、避難勧告等が出ている市町村の状況を把握するよう連絡あり。 これを受け、避難指示(緊急)、避難勧告、避難準備・高齢者等避難開始、自主避難が出てい る19市町村に、チェックリストを10時までに提出するよう依頼 (チェックリストの項目) ① トップマネジメントは機能しているか ② マンパワーは充足しているか ③ 庁舎等物的環境は整っているか ・ 同日11時 回答を取りまとめ、総務省及び本県災害対策本部に報告(1回目)。報告後、総務省から 15時現在の状況を16時30分までに報告するよう連絡あり ・ 同日15時 19市町村に状況を電話で確認。併せて、新たに避難勧告等が出た2市に報告を依頼 ・ 同日16時30分 総務省及び県災害対策本部に報告(2回目) ・ 7月7日 9時15分 朝倉市、添田町、東峰村へ状況を電話で確認。併せて避難勧告が出ている4市町に報告 を依頼 ・ 同日10時、総務省及び県災害対策本部に報告(3回目) (市町村支援課)

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1 初動対応 23 ◎ 河川災害情報の収集 ● 平成24年7月九州北部豪雨時に、災害対応に追われ、 情報収集に時間を要した、情報が錯 綜した等の課題が生じたことから、災害発生時の初動対応が円滑に行われるように、「福岡県災 害情報収集システム」を構築し、平成25年度から運用を開始した。 本システムは、GPS機能付き携帯電話やスマートフォンで撮影した災害現場の写真を、メー ル送信することで自動的に地図上に表示することができ、現場と県庁等が災害情報を迅速に共 有することができる。 今回、災害が発生した7月5日から7日の3日間で、本システムへのアクセスは77,208 件、投稿写真は118枚であった。 (河川課) ● 九州地方整備局のヘリコプターに同乗し、空から災害状況の把握を行った。 (河川課) ● コンサルタントから被災状況を写した航空写真の提供を受けた。これにより、どの範囲に被災 が及んでいるかを確認することができた。 (河川課) ◎ 土砂災害情報の収集 ● 九州地方整備局のヘリコプターに同乗し、空から災害状況の把握を行った。 (砂防課) ● コンサルタントから災害状況を写した航空写真の提供を受けた。 (砂防課) ● 土砂災害危険箇所での土砂災害の状況を把握するため、緊急点検を実施した。 (砂防課) ● 土砂災害についての災害報告を作成し、国土交通省に報告を行った。 (砂防課) ◎ 被害情報の収集及び伝達 ● 110番通報等により把握した人的被害について、警察内で整理、確認等を行い、警察が把握 する人的被害関連情報としてまとめた上、県災害対策本部や朝倉市災害対策本部、東峰村災害対 策本部に提供し、情報共有を図った。 (県警察) ◎ 通信機能の確保 ● 県防災・行政情報通信ネットワーク設備については、被災による設備損壊もなく、停電時に電 源を喪失することもなかったため、正常に運用できた。一方東峰村との通信に必要な山上無線中 継所が停電したため自家用発電機から給電を行ったが、発電機用燃料の枯渇による通信の途絶 のおそれがあったことから、自衛隊の協力を得ながら山上まで予備燃料の輸送を行い、通信の確 保を図った。 (防災企画課) 評価できる点 ◎ 気象情報等の確実な伝達 ● 県防災・行政情報通信ネットワークについては、被災による設備損壊も、停電時に電源を喪失 することもなく、確実に防災気象情報等を関係機関に伝達できた。 (防災企画課)

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1 初動対応 24 ◎ 現地情報連絡員を活用した情報収集・伝達 ● 被害が甚大であった朝倉市及び東峰村の状況を詳細に把握する必要があったため、防災危機 管理局職員や防災部局での業務経験のある職員を現地情報連絡員として派遣し、被害報告だけ では分からない被災現場の抱える課題等の情報入手に努めた。 (防災企画課) ● 警察・消防・自衛隊などから県災害対策本部に派遣された情報連絡員を通じて、防災関係機関 との間の情報収集・伝達に係る一連の対応を迅速に行うことができた。 (防災企画課) ◎ 被害状況の収集と関係機関との情報共有を効率的に行うためドローンや電子地図等のICT を活用 ● 現地に立ち入れない箇所の被害状況を把握するため、国土地理院や九州地方整備局が撮影し たドローンの映像を活用した。また、被害状況を総合的に把握するため、防災科学技術研究所の 支援を受け、住家の立地や道路・河川等の被害、流木の堆積などの各種情報を電子地図上で統合 できるシステムを活用した。 これらのICTの活用により収集した情報から、消防、警察、自衛隊、海上保安庁等の要望に 応じて地図を作成し、各種情報を共有。行方不明者の捜索活動、流木の撤去・処理活動等に活用 した。 (防災企画課) ◎ 市町村の行政機能の確保状況の早期把握 ● 市町村における行政機能の確保は、大規模災害時の初動対応を迅速に行うための基礎的な条 件であり、その確保状況を早期に把握することができた。 (市町村支援課) ● チェックリストの回答内容で不足する情報は、直接電話確認するなどの対応を取ったことに より、より具体的な情報を把握することができた。 (市町村支援課) ◎ 福岡県災害情報収集システムについて ● 災害状況の写真を県庁や事務所で確認し、迅速かつ効率良く情報共有することができた。 (河川課) ◎ 災害の迅速な把握 ● ヘリコプターによって、広範囲に災害情報を把握することができた。 (砂防課) ● 今回の被災箇所は広範囲にわたるものの、コンサルタントからの航空写真の提供により、早期 に災害の範囲などを把握することができた。 (河川課)(砂防課) ● 土砂災害が発生している範囲を把握できたことで、土砂災害危険箇所の緊急点検の実施範囲 を速やかに決めることができた。 (砂防課)

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1 初動対応 25 課題 ◎ 情報伝達手段の多重化・多様化が必要 ● 孤立した集落において、停電や中継局の破損等により電話が不通となり、情報発信ができなく なった。 (防災企画課) ● 東峰村では、災害により一般の通信手段が途絶したため、県防災・行政情報通信ネットワーク が唯一の通信手段となった。県防災・行政情報通信ネットワークの確実な運用が重要である。 (防災企画課) ● 地理空間情報(地図情報)を含め、より見やすく効果的な方法による情報の伝達・共有を行う 必要がある。 (防災企画課) ● 朝倉市、東峰村においては、防災行政無線の屋外スピーカーが、停電や流出により放送できな くなる状況になったほか、雨音などにより屋外スピーカーの音声が聞き取れない事例が発生し た。 (防災企画課) ◎ 豪雨災害時の報告対象基準が明確でなく、事前準備ができなかった ● 県内市町村の行政機能の確保状況の把握及び報告の取組みは、平成28年熊本地震を教訓に 国において検討され、平成29年4月に総務省通知が出されたもので、今回の災害が全国初の事 例であった。 豪雨災害における報告対象の範囲については、明確な基準が示されていなかったことから、今 回の災害が報告対象となると考えていなかったため、総務省からの連絡を受け、急遽の対応に追 われた。 (市町村支援課) ◎ 連絡が取れない事態が発生 ● 車載無線も携帯電話も通じなかったため、道路パトロール車の職員と連絡が取れない状態が 生じた。 (道路維持課) ◎ 他部職員、市町村職員における福岡県災害情報収集システムの活用が不十分 ● システムに投稿された写真は118枚で、そのうち県職員が115枚を登録、市町村職員が3 枚を登録した。県職員については県土整備部の職員のみの登録であり、他部職員や市町村職員に よる本システムの活用が十分ではなかった。 (河川課) ◎ コンサルタントとの連携 ● コンサルタントからの航空写真の提供がなかったら、発災直後の被害状況の把握に時間を要 することになる。 (河川課)

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1 初動対応 26 対応策 ◎ 情報収集体制の改善 ● 県防災・行政情報通信ネットワークの確実な運用を行うため、県災害対策本部や本庁舎が使用 不能になった場合に代替施設に設置する臨時災害対策本部等においても運用状況を確認できる ように、システムの改善を行う。(平成30年度) (防災企画課) ◎ 情報伝達手段の多重化・多様化の促進 ● 災害により孤立化するおそれのある地域における通信手段の多重化を図る市町村を支援。 (平成30~32年度) (防災企画課) ● 車載無線の通話可能範囲が広くなるよう県防災・行政情報通信ネットワークの再整備に際し て工夫して設計するとともに、車両から取り外して使用できる可搬型の車載無線機を導入する。 (平成31年度) (防災企画課) ● 災害時における確実な情報収集・伝達を図るため、市町村との間で災害・防災情報を、電子デ ータで共有化するシステムを構築。(平成29年度~) (防災企画課) ● 「県防災・行政情報通信ネットワーク」の主回線を高速・大容量の光回線、副回線を地上無線 回線等で二重化するとともに市町村の庁舎が被災した場合に備え、可搬型無線設備を整備。 (平成29年度~) (防災企画課) ● 電子地図上で各種情報を統合するシステムや、テレビ会議システム、災害現場の映像を収 集・配信できるシステムを構築。(平成30年度) (防災企画課) ● 住民等への避難等に関する情報伝達を確実に行うため、市町村に対し「緊急防災・減災事業」 や「災害情報伝達手段に関するアドバイザー派遣事業」などの国の支援メニューを活用した戸別 受信機や防災ラジオ等の導入を働きかける。(平成29年度~) (防災企画課) ◎ 県内市町村の行政機能の確保状況の把握及び報告の対象基準の明確化 ● 豪雨災害等における報告対象となる大規模災害の範囲については、制度の趣旨に照らし具体 的な基準を定めておく。また、大雨や台風など、大規模災害発生を予見できる場合は、迅速に対 応できるよう事前準備を行う。 (市町村支援課) ◎ システムの活用拡大を促進 ● 福岡県災害情報収集システムの利用促進のため、県土整備部、防災危機管理局、農林水産部が 連携して、市町村への周知を行う。また、各部局内での活用を促していく。(平成30年度~) (河川課)

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1 初動対応 27 今回の対応実績 ◎ 気象解説のための職員派遣 ● 7月5日~9月15日 県災害対策本部会議に出席し、気象概況及び今後の予想について解説した。解説にあたっては、 県事務局と調整を行った。県庁内に政府連絡調整室が設置された7月8日~7月28日は、職員 を駐在させ、県災害対策本部会議で気象解説を実施するとともに、気象状況に変化があった場合 は県災害対策本部に随時解説した。 (気象庁) ● 発災後、朝倉市及び東峰村に職員を派遣し、捜索・復旧活動支援のための気象解説を行った。 朝倉市災害対策本部への支援チーム派遣:7月9日~8月16日(延べ136名)、 災害対策本部会議(77回) 東峰村災害対策本部会議への派遣:7月11日~8月5日(24回、延べ47名) (気象庁) ● 台風第5号(8月4日)、台風第18号(9月15日)の接近前に開催された本豪雨に関する 県災害対策本部会議において、台風の予想について解説した。 (気象庁) ● 通信回線が途絶した東峰村に「気象支援資料」を送付する際、県に県防災無線を使った送信を 依頼した。 (気象庁) 評価できる点 ◎ 密な連絡により職員の派遣等のスムーズな調整が可能となった ● 県との連絡を密にすることで、県災害対策本部会議への職員の派遣及び政府連絡調整室への 職員駐在についてスムーズに調整することができた。 (気象庁) 課題 ◎ 情報共有に課題があった ● 被災後の朝倉市及び東峰村への支援に関する情報の県への共有が一部遅れる場合があった。 (気象庁) 対応策 ◎ 県との連携強化 ● 気象台は地域防災を担う一員として、平時から県と連携して更なる市町村支援に取組む必要 がある。被災後に気象台が行う市町村支援についても常に県と協議し連携を強化する。 (気象庁) 気象庁

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1 初動対応 28 今回の対応実績 ◎ 被害情報等の広報・情報提供 ● 発災後から県災害対策本部の廃止までの期間(7月5日~12月31日)、被災状況や被害報 を185回(人的被害の臨時報13回含む)作成し、マスコミへの資料提供、ブリーフィング、 県防災ホームページへの掲載等により迅速に広報した。(7月5日~7月14日:1日4回、7 月15日~8月4日:1日2回、8月5日~:1日1回) (防災企画課) ● 県災害対策本部会議での庁内各部局及び各関係機関による報告・協議事項等の情報が迅速か つ的確に報道されるよう、全て公開で計22回開催した。 (防災企画課) ● 臨時報発出の場合等は、報道機関に対し、ブリーフィング対応を行うなど丁寧な広報に努めた。 (防災企画課) ● 各種支援情報等を、ツイッターやLINE@を活用して情報提供を行った。 (防災企画課) ◎ ポータルページによる被災者支援情報の一元発信 ● 平成28年熊本地震の経験を生かし、発災後、速やかに防災危機管理局や情報政策課と連携し、 本県ホームページに「『7月5日からの大雨による災害』への支援に関するポータルページ」を、 7月8日に開設した。 (県民情報広報課) ● 物資、住宅、教育、生活等各分野の支援や災害義援金、ボランティアの募集等の情報を一元発 信した。 (県民情報広報課) ◎ 報道機関への情報提供 ● 各課が行う災害対応及び支援について、各担当課との協議・調整により、休日・時間外を含め、 積極的かつ速やかに、報道機関に対し資料提供を行った。 (県民情報広報課) ● 報道機関からの要請を受け、各課で実施している支援策の推移や進捗状況に係る資料として、 被災者支援チーム会議作成資料の提供を行った。 (県民情報広報課) ◎ 問合せ等への対応 ● 被害状況や災害ボランティア等に関する県民からの問い合わせへの対応等を適宜行った。 (防災企画課) ◎ 交通規制情報の提供 ● 7月5日の発災直後から下記の方法で交通規制情報の提供を行った。 ①福岡県道路規制情報(メール配信サービス)

(5)広報

参照

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