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3 避難者対策

今回の対応実績

◎ 避難勧告等の発令

● 朝倉市及び東峰村においては、急激な気象条件の変化の中、住民からの通報や土砂災害警戒情 報等の時々刻々と得られる情報をもとに、避難勧告等が発令された。

時間帯 朝倉市の 7 月 5 日の主な動き 東峰村の 7 月 5 日の主な動き

~13 時 9:32 大雨・洪水注意報 13 時 13:14 大雨・洪水警報

13:28 記録的短時間大雨情報 13:50 記録的短時間大雨情報

13:14 大雨・洪水警報 13:14 災害警戒本部設置

14 時 14:10 土砂災害警戒情報 14:10 災害警戒本部設置

14:15 避難準備・高齢者等避難開始

(市内全域)

14:26 災害対策本部に格上げ 14:26 避難勧告(市内全域)

14:10 土砂災害警戒情報

14:17 避難準備・高齢者等避難開始

(村内全域)

15 時 15:12 記録的短時間大雨情報 15:30 避難指示(緊急)

(三奈木、金川、福田、蜷城、立 石)

15:15 避難勧告(村内全域)

15:30 災害対策本部設置 15:39 記録的短時間大雨情報 15:47 記録的短時間大雨情報 16 時 16:20 避難指示(緊急)(松末)

16:36 記録的短時間大雨情報 17 時 17:25 避難指示(緊急)(志波)

17:50 記録的短時間大雨情報 17:51 大雨特別警報

17:51 大雨特別警報

18 時 18:07 避難指示(緊急)(甘木、馬 田)

18:15 記録的短時間大雨情報

19 時 19:07 記録的短時間大雨情報

19:10 避難指示(緊急)(市内全域)

20 時 20:18 記録的短時間大雨情報

※ 出典:平成29年10月30日「平成29年7月九州北部豪雨災害を踏まえた避難に関 する検討会」による「現地調査・ヒアリング結果」

(消防防災指導課)

(1)避難行動

黒字:防災気象情報に関すること 青字:自治体の防災体制に関すること 赤字:避難勧告等の発令に関すること

3 避難者対策

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◎ 避難行動要支援者への避難支援

(朝倉市)

● 特に5年前の豪雨災害が契機で防災への意識が高く、班長や隣組長による住民への避難の呼 びかけがよく行われた。

避難行動要支援者に対する支援者を定めており、例えば、今回の災害では60代の支援者が 80代の方を連れて小学校に避難(その方の家は山からの土砂で押し潰された)するなど、何人 も助かった方がいる。

(消防防災指導課)

(東峰村)

● 地区の防災会議で要支援者には誰がサポートするかを話しており、日頃からお年寄りや体が 不自由な方には目配りを行っている。別の地区で声かけをして避難をしてもらったという事例

がある。 (消防防災指導課)

● 平成27年度から年1回、村民を対象とした避難訓練が実施されており、今回の災害において、

地域の住民への避難の呼びかけがなされ、住民の円滑かつ迅速な避難につながった。

(消防防災指導課)

◎ 水防情報の確実な伝達

● 「国土交通省(各河川事務所)と気象庁(福岡管区気象台)が共同で発表する洪水予報」、

「国土交通省(各河川事務所)が通知する水防警報」、

「県が通知する水防警報」、

「県が指定した水位周知河川について、特別警戒水位(氾濫危険水位)や避難判断水位に 水位が到達した場合の水位到達情報」

以上の通知文が土木総合防災情報システムにより、関係機関にFAX等で送信されるため、河 川課は、河川事務所や関係県土整備事務所との電話による着信確認を徹底することで、これらの 情報を確実に、市町村等や関係機関に伝達することができた。 (河川課)

● インターネットやHPで、気象情報、水位・雨量情報、ダム貯水状況などを提供できた。水位 情報等については「防災メール・まもるくん」により登録者に通知できた。 (河川課)

◎ 土砂災害警戒情報の発令

● 7月5日

13時00分 2時間後の予測値として域内にレベル1、大雨注意報レベルを示す。

(自治体に土砂災害危険度情報配信システムでメール等自動配信)

13時30分 2時間後の予測値としてレベル1が広範囲に拡がる。

14時00分 実況値としてレベル1を示す。

1時間後の予測値としてレベル3、土砂災害警戒情報レベルを示す。

2時間後の予測値としてレベル2、大雨警報(土砂災害)レベルを示す。

(自治体に土砂災害危険度情報配信システムでメール等自動配信)

3 避難者対策

61 14時10分 土砂災害警戒情報発表

(自治体にファクス自動配信、当課で着信確認)

7月7日

18時05分 土砂災害警戒情報解除

(自治体にファクス自動配信、当課で着信確認) (砂防課)

◎ 福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合の協力のもと、宿泊施設を無償提供

● 県は、福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合との間で「災害時における宿泊施設等の提供に関す る協定」(以下「協定」という。)を平成29年3月に締結しており、対象となる被災者に対して、

福祉避難所として、7月12日から協定に基づく宿泊施設の無償提供を行った。

1 利用施設数 5施設

2 利用実人数 14人(うち1人は乳児)

3 利用延べ人数 640人(うち12人は乳児)

利用にあたっては、

①利用希望者が朝倉市及び東峰村の担当課または避難所にて申込み

②朝倉市及び東峰村の担当課から県に対して申請

③県は旅館・ホテルの空き状況と利用希望者の身体状況等を勘案し施設を選定・調整

④県から利用希望者に入室可能日を連絡

⑤利用希望者がチェックイン(念のため県から施設に確認)

⑥退室日については、利用者に状況を確認しながら、必要に応じて延長または短縮

⑦退室予定日にチェックアウトしたかを施設に確認

という流れで実施した。 (生活衛生課)

◎ 旅館、ホテルに避難した要配慮者への健康相談の実施

● 旅館、ホテルに避難した要介護・要支援の高齢者、障がいのある人、妊産婦のうち希望者4名 に訪問し、以下の健康相談を実施。

【健康相談の内容】

・ 被災証明、生活物品の支給等に係る市村との調整、介護サービスに係るケアマネージャーと の調整、育児相談、療養生活への助言等を実施。 (健康増進課)

◎ 要配慮者の社会福祉施設等への速やかな避難

● 朝倉市や東峰村では、発災後、一般の避難所で避難生活が困難な高齢者や障がいのある人など の要配慮者に対して、社会福祉施設等に避難させるなどの対応がとられた。 (福祉総務課)

◎ 社会福祉施設等の被災状況の把握

● 7月5日から10日にかけて、市町村を通じて、保育所等に通園中の子どもの被災状況を確認 し、被災を受けた子どもがいないことを確認した。 (子育て支援課)

3 避難者対策

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● 7月6日から7日にかけて、県内の児童福祉施設の被害状況を確認し、被害がなく、避難の必

要がないことを確認した。 (児童家庭課)

● 7月5日から10日にかけて、災害救助法を適用した3市町村(朝倉市、東峰村、添田町)、

うきは市及び当該市町村所在の全ての障がい福祉施設・事業所に対し、障がいのある人の避難、

被害状況について聴取、負傷者、行方不明者がいないこと、帰宅困難者は施設内待機または避難 所に避難していること、一時入所者は当該市町村において対応可能な他の施設への入所調整が

速やかに行われたことを確認した。 (障がい福祉課)

◎ 英語による情報提供

● 7月3日以降、気象庁から発令された注意報・警報等について、「防災メール・まもるくん」

(英語版)により英語での配信を行った。 (国際政策課)

● 民間事業者が、7月6日から被災地の外国人支援として「緊急通訳ダイヤル(多言語コールセ ンター)」を設置したため、県や福岡県国際交流センターのホームページにおいて周知を図った。

(国際政策課)

評価できる点

◎ 防災気象情報や現地の状況等を踏まえ、避難勧告等が発令された

● 水害、土砂災害から人的被害や孤立者を減らすためには、市町村が適時的確に避難勧告等を 発令することが重要であるが、朝倉市及び東峰村においては、急激に悪化する気象条件の中、

防災気象情報や現地の状況等を踏まえ、避難勧告等が発令された。 (消防防災指導課)

◎ 避難行動要支援者の個別計画の策定

● 村から避難行動要支援者名簿を平時から地域の支援者に提供し、当該名簿を基に、各地区で要 支援者とサポート役の名簿や連絡先等を記載した「避難行動要支援者支援計画」を作成。

(消防防災指導課)

◎ 水防計画の適切な実施

● 水防計画に基づき、市町村及び一般住民に、水位に基づく情報などを適切に情報提供すること ができた。 (河川課)

◎ 速やかな土砂災害警戒情報の発令

● 気象台との協議により速やかに土砂災害警戒情報を発令した。 (砂防課)

◎ 施設の円滑な提供 ● 利用希望者の身体状況等に沿った形で、福祉避難所として円滑に宿泊施設の提供ができた。

(生活衛生課)

3 避難者対策

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◎ 要配慮者の不安の軽減、保健福祉サービスの調整、タイムリーな社会資源情報の提供

● 要配慮者が、慣れない旅館やホテルでの生活、今後への不安を抱く中、生活場面に訪問して相 談、助言を行うことで、不安の軽減につながった。 (健康増進課)

● 朝倉市・東峰村職員や介護保険サービス事業者等との調整、本人や家族への社会資源情報の提

供等をタイムリーに行うことができた。 (健康増進課)

◎ 障がい福祉施設等における帰宅困難者への適切な対応

● 帰宅困難者については施設内待機や避難所への迅速な避難により、負傷者、行方不明者が無か

った。 (障がい福祉課)

◎ 英語による円滑な気象情報の提供

● 「防災メール・まもるくん」(英語版)により、気象庁から発令された注意報・警報を英語で

円滑に配信することができた。 (国際政策課)

課題

◎ 洪水予報河川・水位周知河川以外の河川の一部について洪水の避難勧告等発令基準が未策定

● 洪水予報河川・水位周知河川以外の河川のうち、氾濫による家屋流出など、人命の危険のおそ れがある中小河川については、急激に気象条件が悪化し、次々と大量の情報が届く中、市町村が 的確に避難勧告等を発令できるよう、市町村が平常時から避難勧告等の発令基準を定める必要

がある。 (消防防災指導課)

● 今年7月4日から、気象庁が、河川ごとに「流域雨量指数の予測値(洪水警報の危険度分布)」

を提供しているが十分に認知されず、市町村の避難勧告等の発令基準に盛り込むなど活用され

ていない。 (消防防災指導課)

◎ 朝倉地区における水位情報収集・提供の不足

● 大きな被害のあった朝倉地区に、水位周知河川が少なく、水位計も少なかったため、水位の情 報が不足していた。 (河川課)

◎ 土砂災害に関する情報把握手段の強化が必要

● 土砂災害に関して、住民への情報提供手段を強化する必要がある。 (砂防課)

● 土砂災害警戒情報が発表される前に災害が発生していた可能性がある。 (砂防課)

◎ 制度や提供要件等の周知不足

● ① 提供開始直後は、福祉避難所として宿泊施設の無償提供を行う制度の周知不足が懸念され た。

② 要配慮者の同行者(家族)が複数人となる場合、どの程度の人数が同行者として相応しい