国立国語研究所学術情報リポジトリ
現代表記のゆれ
著者 国立国語研究所
発行年月日 1983‑03
シリーズ 国立国語研究所報告 ; 75
URL http://doi.org/10.15084/00001265
75
表記のゆれ
諦
臨
立
国
国立国語研究所
1983
刊行のことば
貝本語の表記法は複雑だといわれます。いわゆる正書法的な考え方は,こ れまでの日本語では成立しにくいとされていました。一一語に幾通りもの表記 形式の存在を認める寛容さが特徴とされてきたわけです。しかし,国際化社 会,情報化社会の到来とともに,そのような「ゆれ」の現象は,かえって,
教育・伝達上の障害となるおそれのあることが各方面から指摘されていま
す。
そのような観点から,国立国語研究所言語計量研究部第二研究室では,
1977年度から「現代表記の多様性の実態と袈記意識に関する調査研:究」を行 い,表記のゆれが生じる原因を,主として表記主体者の意識や態度の繭から 調査しました。この報告書は,その分析結果をまとめたものです。
意識調査の実施に当たってご協力を頂いた各位に厚くお礼を申し上げると ともに,本書が目本語の正書法確立のための基礎資料となることを願ってや みません。大方の教示,批判を得ることが出来れば幸いです。
涯召 iFN57年12月17霞
国立国語研究所長 野元菊雄
目次
刊行のことば・・…………一・…・・ …・…三
19 研究の概要 …・…………・・………・ ……1
1.1。研究の葛的……… ……… ○ … 1
1.1.1.現代表記の多様性…………・ ……・1
1。1.2.標準的な表記への志向……… …・・2
1.1.3.即製究のねらい………・… ・・5
1.2.研究の経過………・・…・… 6
1.2.1.調査の手順および分担…一… …6
1。2.2.基礎調査の概要……… …7
1・2・3・意識調査9概要一・………・ 9
1.3. 参考文献………・・…・………・ … 一・11 2. 表記のゆれと誤用の分析…………・・ σ・ …14 2.1.語表記のゆれ……・……… …馴 ■…… 14
2.1.1. 表記のゆれのレベル…………・…・ ・…・ …・14
2.1.2.表記のゆれの判定…・………・…・■■ ……・……・15
2.1.3.ゆれの類型と要因………・… ……26
2.2.新聞の表記におけるゆれの分野……… ……・・…・33
2.2.1.資料の性格…………一…・……… …・・……・・33
2.2.2.ゆれの類型の分類………・・ 一 …・…・35
2。2.3.語種別にみた表門のゆれ………一 一・…・40 2.3.広報紙の表記における誤用の分析…・ ……一46 2.3。1. 調査の概要………・………… … ・一…46 2.3.2.漢宇の誤用に関する分析…………・ ……・・51 2.3.3.送り仮名の誤用に関する分析……… ……… ・・……5Z
2. 3.4.仮名遣いの誤用に関する分析一一 ・・…@一… 64
3. 表記意識の分析…・……・………・… ……… …・ ・69
3.1.意識調査の性格・………・・… ・…・ ………・・…69
3.1.1.意識調査のねらい……… ・・… …・…69
3.1.2.意識調査の方法……… …∴71
3.1.3. 調査票の各設問の意図………… ・……・78
3.1.4.被調査者の属性……… ・…・・85
3.2.集計と分析・………・・……… ……88
3.2.1.各設問の集計結果……… ・…・…88
3.2。2.個人内におけるゆれの分析・… 一・113 3. 2.3.表記の傾向の分析…・……・・… …・117
3.2.4. まとめ………・・…・…・… 125
付表…………・……・………・………・・………・・……・…… 129
三一1 新聞における語表記のゆれ一覧・…… …・130
三一2 広報紙における表記上の誤用一覧・……… … 237
付一3 意識調査における基本集計一覧…… …・… 239
索 弓1 甲 骨● …●●● ■ G ●…○ …● .6「●●. .● 267
1.研究の概要
1.1. 研究の目的
1.L1. 現代表記の多様性
言語というものが体系的な存在であることは,体系という語に種々の定義 のしかたがあるにせよ,一般にみとめられる特徴である。しかしながら,言 語における体系が完全無欠のものでなく,しばしばその内部に矛盾や欠落を 有しながら存在するものであることも,よくしられている。そして,言語の 構成要素となる種々の単位は,一定の形式をもっことが期待されながらも,
ときには,複数の形式が許容されることもある。
そのような複数の形式のうち,特定のものが標準的あるいは規範的な形式 とされるばあい,他の形式は,それに紺して変異あるいは変種などとよばれ る。また,複数の形式のうち,どれを標準的なものとするかが決定しにくい ばあいもある。このように,複数の形式が共時的に存在する現象を「ゆれ」
という。また,それらの形式のなかには,しばしば誤用とみられるものもふ くまれ,誤用と慣用との境界は微妙である。
ゆれは,音節,語,文などゐ種々の言語単位や,発話,表記などの書語行 動において観察される。なかでも,語のレベルに属するものが圧倒的な量を しめる。語のレベルにおけるゆれは,一般に語形のゆれとしてとらえられ る。たとえば,/ムツカシイームズカシイ/,/セカイーセカイ/などがそ れで,発音やアクセントのゆれとして認識される。語形のゆれには,このほ か,/見ラレルー見レル/,/足りナイー足ラナイ/など,文法的な形式に 関するものも存在する。
1
ほ ロ の
資本語では,語のレベルに属するゆれのなかに,/年輩一年配/,/付属 一附属ノなど,語表記の形式にゆれがみられるものがおおい。語表記のゆれ には,このような,ことなる漢字の紺立だけでなく,/又一またノ,ノ眼鏡 一メガネノのような,漢字とカナの対立や,ノきりぎりす一キリギリス/,
ノなでしこ一ナデシコノなど,ヒラガナとカタカナの対立によるものなど,
種々の類型が存在する。
語表記のゆれは,日本語だけに存在する現象ではない。表音文字を使用す る言語でも,つづり字の問題は以前から存しており,現在でも解決されたと はいいがたい。しかし,経本語のばあいと比較すると,問題になる項匿は,
はるかにすくなく,簿本語の語表記のゆれは,量と種類の双方において,他 の言語におけるそれを格段にうわまわっている。
その原照には種々のものがかんがえられる。第一にあげられるのは,現代 霞本語の蓑記が,漢字というきわめて多数の要素からなる文字体系の使用を 前提としていることである。第二にあげられるのは,漢字だけでなく,ヒラ.
ガナ,カタカナなど,複数の文字体系の併用をみとめていることである。こ のため,たとえば/アシ/という語には,/足ノと//WW/の両様iの表記が可 能であるし,/イヌ/という語を,ノ犬ノ,/いぬ/,ノイヌノのどの形式
をもちいて表記しても,あやまりではないということがおこりうる。
語表認にゆれの生ずる露国は,このことだけでなく,さまざまの要因が関 係しあっているとかんがえられる。また,その要因を解明することが本硫究 の課題でもあるが,日本語において,語表記のゆれという現象が顕著であ り,その原因が,謡本語そのものの性格および臼本人の言語行動ないしは言 語意識のなかにもとめられそうなことはたしかである。
1.1.2. 標準的な表記への志向
日本語の表記における,このような多様さは,一面からみれば,日本語の ゆたかさに通ずるものであるが,他面では,意志や情報の正確な伝達にとっ ての障害でもありうる。ことに,学校教育の世界では,教科書の表記をふく 2
めて,標準的な表記形式の確立への要望はつよい。また,報道・出版等の祉 会生活の分野でも,表記形式が一一定でないことから生ずる不便さを解消しよ
うとするこえはすくなくない。
第二次大戦後に政府が告示した一連の国語施策は,その意味で,表記のゆ れを統一するうえに重要な役割をはたした。また,国民の表詑に簿する意識
をたかめるうえで効果があったといえる。「当用漢字表」(1946)は,使用す る漢字の範囲を一定数にかぎるこころみであった。「現代かなつかい」(1946)
は,語をカナでかくばあいの合理的な基準をしめした。そして,「送りがな のっけ方」(1959)は,園有の賛本語を漢学で蓑記するばあいのカナのおく
りかたの指針となった。
しかしながら,これらの国語審議会の答申にもとつく施策は,原町的な方 針をしめしたものであって,個々の語の表記法については,疑問となる項黛 がないではない。たとえば,常用漢字をつかって藷を表記するとしても,ど の漢字をつかうべきかの判断にまようことは,すくなくない。現代かなつか いや送りがなのっけ方は,ある語をカナでかくならば,あるいは,漢字をつ かってかくならばという前提1のもとになりたつものであり,漢宇をつかうか カナでかくかという基準をしめしたものではない。
これに関して,国語審議会は無為であったわけではない。当用漢字表の
「まえがき」にしめされた原劉を徹底すべく,いくつかの試案が作成され た。たとえば,つぎのようなものである。
外来語の表記について(国語審議会報告,1954)
同音の漢掌による書きかえ(国語審議会報告,1956)
語形の「ゆれ」について(国語審議会部会報告,1961)
異宇同訓の漢字の用法(国語審議会参考資料,1972)
また,法令用語や公用文については,内閣法鰯局や文部省は,数次にわた り,表層の指針や具体的な表記例を公表している。あるいは,新聞や放送等 の分野では,飛語施策にもとづき,独自の用宇規則をつくり,用字用語集を 作成して,その実現に努力してきた。さらには,一部の国語辞典や用掌用語
辞典等では,編者の判断による標準的な表記形式をかかげるものも存在し た。しかしながら,それらは,かぎられた分野のもので,かならずしも一般 の社会生活にまで拘束力をもつものではなかった。また,それぞれのあいだ で標準とする形式には,異同のみられるものがすくなくなかった。
さらに,近年にいたって改定された国語施策は,基本的な性格として,戦 後の施策の制限的な色彩をゆるめようとするものであり,表記形式を続一す る方向からは篠退したとみなければならない。たとえば,「送り仮名の付け 方」(1973)は,本剣のほかに許容をみとめ,公用文筆では,許容のおくり かたを標準としているばあいカミある。また,「常用漢字表」(1981)は,一般 の社会生活において,現代の国語をかきあらわすばあいの漢宇使用の「目 安」をしめすものであるとされ,各種専門分野や偲々入の表記は対象外とさ れている。
ところで,1960年代から開発がはじめられた,電子計算機による日本語の 情報処理は,最近めざましい進歩をとげ,すでel 一・部は実用段階にはいって いる。また,そのための入出力機器も開発され,文章作成や印刷の方法に,
おおきな変革がおころうとしている。あるいは,外国入に擁する日本語教育 の普及ということも近年の話題であり,H本語の表記に紺する関心は,その 面からもたかまっている。
このような分野で必要とされるのは,統一的で理論的なうらづけをもっ た,合理的な表記形式である。いくつかの形式のうち,どれをえらんでもあ やまりではないというような寛容さは,この分野ではかえって伝達・習得上 のさまたげであり,非効率的といわなければならない。できれば,ある語の 表記形式がひとつにさだまるような,いわゆる正書法的な蓑記が要望されて
いるのである。
しかしながら,上述したように,B本語における正書法的な表記を確立す るこころみは,これまでの努力にもかかわらず,十分な成果を獲得したとは いえない。むしろ,そのための努力がいささか性急であるとの理由で,それ に反発する空気さえ感じられる。そのような空気と情報処理の分野などの動 4
向とは,相矛盾するものである。その日掛を解消する方法を慎重に模索する 段階に,いまは,いたっている。
そのためには,基礎的な調査・硬究が必要である。これまでにも,本研究 所では,H本語の表記の実態や国民の表記意識をとらえるために,いくつか の調査をおこなってきた。しかし,現況では,それをさらに一歩すすめて,
表記のゆれの実態,それを可能にする日本語の性格,そして,それに対する 国昆の表記態度などの分析に焦点をあわせた硬究が必要であるとかんがえら れる。この報告書の基礎となった調査・研究は,このような意図からおこな われたものである。
1.1. 3. 本研究のねらい
本研究の一般的な目的は,以上にのべたとおりであるが,研究の開始にさ きだっては,具体的には,つぎのようなfi標を設定した。
(1)表記のゆれや誤用は,どのような語にあらわれ,どのような類型が あるか。
(2}表記のゆれや誤用は,どのような要因によってひきおこされ,それ は表記主体の表記意識とどのようにかかわるか。
(1}は,②の項貝の基礎となるもので,国語辞典等から問題になる語を採集 して,それを分類・整理することを第一段階とした。また,実際の文章か ら,ゆれや誤用の例を採集し,その分析をおこなうことを目的とした。
(2)は,ゆれのおこりやすい語について,質問紙法による調査票を作成し,
一般型民がそれに文良してどのような反応をしめすかを分析することをねらい とした。すなわち,表記においてどのような個人差が生ずるか,また,個人 の内部における意識や態度がどのようにゆれているかをとらえることを,直 接の課題とした。
上記の農的を達成するための調査を,以下では,(1)rcついては基礎調査,
(2) elついては意識調査とよぶ。この報告書は,基礎調査の結果については概 略をのべるにとどめ,意識調査の分析・記述に主眼をおいたものである。
1.2. 研究の経過
1.2.1. 調査の手順および分担
この研究は,特騎研究「現代蓑記の多様姓の実態と表記意識に関する調査 研究」として,1977年度から79年度にかけておこなわれたものを中心』とす る。その後1980年度からは,経常研究「現代の文掌・表記の研究」の一部 として,ひきつづき研究がおこなわれ,本1982年度に報告書の完成をみたも のである。
77年度および78年度は,基礎調査を中心として実施した。意識調査は,78 年度からはじまり,79年度までに質問紙法による集合調査を終了した。80年 度と81年度は,集合調査の集謙と分析にあてた。そして,82年度には,報告 書原稿の執筆をおえた。
調査研究を担当したのは,言語計量硬究部第二研究室で,構成は下記のと おりである。
言語計量硬究部 部長 斎:賀秀夫 同第二研究室 室長 野村雅昭 研究員 佐竹秀雄
研:究補助員 兼子弘美G三生大回,77年度まで)
松浦美恵子(IHts小原,78年度から)
斎賀は,本硬究の企画立案者となるとともに,本厨究の遂行に必要な指導 助書をおζなった。野村は,研究の進行管理にあたるとともに,基礎調査を 担当した。佐竹は,調査の全般にわたって業務を担当するとともに,この報 告書の中心となる意識調査の分析をうけもった。松浦は,調査の集計,分析 のためのデータ作成,報告書刊行のための庶務などで,作業をたすけた。そ のほか,所外のアルバイター十余名が臨時に従事した。
報告=書の執筆分担は,下記のとおりである。
6
第1章 野村
第:2章 第1節〜第2節 野村,第3節 斎賀 第$章佐竹
1.2.2. 基礎調査の概要
基礎調査の主眼は,嚢記にゆれのある語例の採集とゆれの類型の分類とに ある。具体的な内容としては,下記の5項にわたって調査をおこなった。
(1}国語辞典等からの語例の採i集
国語辞典等で,表記にゆれや誤用のある語のしめしかたがどのようになっ ているかが一覧できる台帳を作成するため,下記の8種類の小型国語辞典お よび用字用語辞典を対象として,語例の採集をおこなった。小型辞典をえら んだのは,中型ないし大型辞典にくらべて,現代語の標準的な表詑というこ
とへの注意がよくはらわれているためである。
岩波国語辞典(岩淵悦太郎他編,岩波書店,第2版,1971年)
角川国語辞典(佐藤謙三畔編,角層書店,新版,1969年)
講談社警語辞典(林大他編,講談社,増補版,1971年)
三省堂国語辞典(見坊豪紀他編,三省堂,第2版,1974年)
新選国語辞典(大石初太郎他編,小学館,薪版,1973年)
新明解国語辞典(山国忠雄他物,三省堂,第2版,1974年)
NHK用字用語辞典(賃本放送協会編, H本放送出版協会,第2版,
1973年)
新聞用語集(薪聞用語懇談会編,H本新聞協会,改定版,1976年)
1973年には,「当用門門音訓表」の改定がおこなわれた。このなかには,
それ以前の刊年のものもあるが,語例の採集は,調査がおこなわれた1977年 に入手できる最薪のものをえらんだので,音訓表の改定によるてなおしは,
すべてすんでいる。
実際の作業としては,『新聞用語集3所収の「用字用語集」にある見出し 語(約2,000項欝)につき,各辞典の表記がどのようになっているかが一覧
できる台帳およびカードを作成した。それについては,「2.1.2.表記のゆれ の判定」(15ページ)でふれる。
② 法令用語・公用文の表記例の採集
法令用語および公用文における二三のあつかいをみるために,下記の5種 の資料から語例を二二した。語例は,カードのかたちにして一覧できるよう に整理した。総数は,約4,000項賢である。
法令用藷改正要領(内閣法制局,1954年)
法令における当用漢字の音訓使用及び送り仮名の付け方(内閣法綱局,
1973年)
公用文作成の要領(国語審議会,1953年)
:文部省用字用語例(文部省,1973年)
文部省公用文送り仮名用例集(文部省,1973年)
(3》雑誌の表記の調査
現代雑誌九十種の用語・用学調査〔文献A〕の台帳にもとづき,表記のバ ラエティが登録できるファイルを電子計算機内にそなえるため,約43,000項 目を入力した。また,1977年度に刊行された,月刊誌160種,週刊誌33種か ら,問題になる語例を若干補充した。
後者については,文章を7種の分野にわけ,計196件(約35万字)のデー タを入力し,表記のゆれの基盤となる文章の差異を量的構造としてとらえる こころみをおこなった。その結果は,〔文献f5〕に発表した。
(4)新聞のi表記の調査
薪聞の用字については,1976年に二二についての報告〔文献D〕をおこな ったのち,語表記については,〔文献d2, d,〕の報告をしたのみで,全体的 な報告はおこなっていなかった。その後,本三三と並行しておこなった「文 宇・表記の体系的記述のための基礎的薪究」で,新聞調査の語表記台帳の作
、成が完了した。本破究では,1980年度から,同台帳をもちい,表記にゆれの ある語のリストを作成した。「付表一1 新聞における語表記のゆれ一覧」
(130ページ)がそれである。これにもとづいておこなった表記のゆれのタ 8
イブの分析は,「2.2.新聞の表記におけるゆれの分析」(33ページ)に詳述し
た。
このリストは,漢字調査の対象とした短単位語(異なり一約45,000語,延 べ一画1,100,000語)のうち,人名・地名,数詞をのぞく,異なり約34,000 語,延べ一約780,000語を対象として作成したものである。付表一1には,異
なり一4,878語,延べ一278,604語をかかげた。
各見出し語には,それぞれの表記形と使用度数をしめしたが,それについ て注意を要すべきことがある。その第一は,使用度数は表記形についてしめ したものであり,見出し語形の使用度数を意味していないことである。漢字 調査の報告では,各漢字ごとに,その漢宇をもちいて表記した語例をかか げ,見出し語の使用度数10以上の語には度数を付してあるが,以上のような 理由から,かならずしも両者の数値:が一致しないものがある。第二は,漢宇 調査の対象と語表記調査の対象となった記事の範囲に多少の差異があること である。漢字調査では,各種表や案内広告のすべてを射象外としたが,語表 記調査では,そのなかから一般の文章形式をとっているものを範囲にふく め,語例をおぎなった。利用にあたっては,その点に留意されたい。
(5)広報紙の誤用の調査
実務的な文章における実態をとらえるため,全国各都道府県の市区町村の 広報紙171紙(跡峡部88紙・都市部83紙)を対象に,主として誤用例の採集
をおこなった。鰐象としたのは,76年(85紙)と77年(86紙)の2年分であ る。採集した語例は,約1,000語である。この分析の結果は,「2.3.広報紙 の褒記における誤用の分析」(46ページ)に詳述した。なお,資料の入手に ついては,社団法人日本広報協会の協力をえた。
1.2.3 意識調査の概要
意識調査は,1978年度に着手した。調査の主眼は,一般成入の表記意識を とらえることにあり,調査票の作成と被調査者の確定とが重要な事項となっ た。それらについては,1977年度に完了した,文部省科学研究費一般研究
r現代の漢字使用の実態と意識に関する計蚤言語学的概究」の一部としてお こなった調査〔文献E〕が,準備調査的な役割をはたした。
同調査は,宮城・東京・静寧・岐阜の各地で,一般成入約440名を鰐象に おこなったもので,それからは,つぎのことがあきらかになった。
(1}表記のゆれは個目差がおおきいだけでなく,個人の内部において も,文脈や場函による差が存在する。
② 被調査者の属性のうち,職業の一致が調査項目に旧する反応の一致 と相関性がたかい。
(3)質問の形式のうち,一定量の文章を,漢字カナまじり文になおす作 業は,かなり負担を感じさせる。
(4}表記にゆれのある語のうち,特定の形式を選択する理由は,なんの 指示もあたえないばあいには,表現が困難のようである。
以上の結果から,被調査者としては,集団としてとらえやすい,教員・学 生。主婦め3グループに中心をおくこととした。また,質問票の形式は,な
るべく選択肢をもちいる形式により,回答理由を明確化するようにした。
1978年度には,つぎの集合調査をおこなった。集合調査の実施には,斎 賀,野村,佐竹の3名があたった。
文化庁・山形大学・由形県教育委員会主催「国語問題研究協議会(東B 本地区:一天童市)」に参加した教員(236人)……9月26日
文化庁・香揖大学・香川県教育委員会主催「国語問題研究協議会(西濤 本地鷺一高松市)」に参加した教員(204人)……10月11H
松江市立古江小学校(岡正校長)の父兄(81人)……11,月19日 松江市立白粉小学校(花谷静夫校長)の父兄(64人)……11E. 2e B 松江市立母衣小学校(秋利正学校長)の父兄(36入)…・一ll月27日 島根大学教育学部の学生(90人)……11月21目
つづいて1979年度には}つぎの集合調査をおこなった。
松山市立御幸中学校(河野博校長)の父兄(182人)……11.月26日 愛媛大学教育学部の学生(127人目……11月28貸
エ0
これらの調査の実施にあたっては,上記の各機関・各位:のほか,松江市教 育委員会,松由市教育委員会,島根大学教育学部北恭昭教授,愛媛大学教育 学部柳鮒征司助教授にお世話をいただいた。記して感謝の意を表する。
この調査の集計・分析は,80−81年度におこなった。その結果は,「3.表 記意識の分析」(69ページ)に詳述した。また,集計表の一部は,「付一2意 識調査の基本集計一覧」(237ページ)にかかげた。
1.3.参考文献
H本語の表記および正書法に関する文献はおおいが,ここには主として本 研究所の報告書,および,それに掲載された論文,ならびに,本調査研究に 直接関係した論文をかかげる。そのほかは,参考程度にとどめた。
<報告>
A・国立国語研究所報告22『現代雑誌九十種の用語用字(2ト漢字衰一』(1963 .3)
B・国立国語研究所報告29『戦後の国民各層の文宇生活』(1966.3)
C.国立野手研究所報告40『送りがな意識の調査』(197ユ.3)
D.国立国語研究所報皆56『現代薪聞の漢字』(1976.2)
E・文部省科学研究費一般研究A報告『現代の漢字使用の実態と意識に関す る計:量言語学的研究』(国立国藷研究所言語計量硬究部,研究代表者 斎賀秀夫,2979.2)
<論文等>
ai・斎賀秀夫「現代人の漢字意識」(『変わるes本語 現代語は乱れてきた か譲,講談社,1981.11)
a2・斎賀秀夫旧本語の正誤(1}〜{8}」(『広報』271〜278号,1976.5〜12)
b・渡辺友左「文字の使い方に関する市民の意識の一一.つの実態」(『計星国語 学』28号,1964.3)
Cl・宮島達夫「和語の漢宇表記」(『教育国藷』23号,1970.12)
c2.宮癌達夫・高木翠r外来語の表記の変化とゆれ」(『計量国語学』7王号,
ll
1974. 12)
c3・宮島達夫・高木翠「雑誌九十種資料の漢語表記」(羅研報智62『研究報 告集1』,1978.§)
d、.土麗信一「送りがなの『ゆれ』を考えるj(『言語生活』228号,1970.9)
d2・土屋信一「新聞における漢語のまぜ書き表記について」(国研報告54『電 子計算機による国語研究VII』,1975.3)
d3・土屋儒一「現代新聞の片仮名表記」(国研報告5gr電子計算機による国 語研:究鴨』,1977.2)
e1・野村雅昭「漢字かなまじり文の文字連続」(国研報告46『電子計算機に よる国語研究IVS,1972.3)
e2・野村雅昭「表記のゆれ」(r佐伯梅友博士喜寿記念国語学論集』,表現社,
1976・12)
e3・野村雅昭「表記のユレの数量化」(『計璽国語学』11−1号,1977、6)
e4・野村雅昭「週刊誌のカタカナ表記語」(『馬淵和夫博士退官記念国語学論 集』,大修羅,1981.7)
e5・野村雅昭「和語のカナ表記!(『言語生活離359号,1981。11)
勾 佐竹秀雄「表記のゆれを測る」(国研報告59『電子計算機による国語研 軽羅』,1977.2)
f2・佐竹秀雄rr表記の「ゆれ」の尺度』について一野村雅昭氏の発表を聴 いて一」(『計量国語学380号,1977。3)
f3・佐竹秀雄「表記行動のモデル化(国語学会昭和52年度春季大会要旨)」(『国 言吾学』 110号, 1977.9)
f4.佐竹秀雄「褒記行動のモデルと表記意識」(理研報告67ガ電子計算機に よる国語研究X』,1980.3)
f5.佐竹秀雄「各種文章の宇種比率」(国研報告71『研究報告集3』,1982.3)
〈その他〉
(講座等)
1・国語教育のための国語講座3r表記法の理論と教育2(朝倉書店,1958.7)
2.続H本文法講座2『表記編』(明治書院,1959.・8)
3。講座・正しい貝本語3『表記編』(明治書院,1971.5)
4・新・日本語講座1r現代目本語の単語と文字』(汐文社,1975.4)
5・シンポジウムH本語4『樺本語の文字』(学生社,1975.3)
6.岩波講座。呂本語8『文宇』(岩波書店,1977.3)
12
7・現代作文講座6r文字と表記』(明治書院,1977.4)
8・講座・H本語学6『現代表記との史的対照』(明治書院,1982.・5)
9・覆刻文化庁国語シリーズ渡厳現・表記』(教育出版,1974.3)
10.文化庁国語課編「ことば」シリーズ3・5・7。9。11・13・15・17 『言葉に関する問答集』1〜8(1975〜1982)
11・文化庁国語課編「ことば」シリーズ16『漢宇譲(1982.3)
(単行本)
12・小泉保踏本語の正書法』(大修館,1978)
13・樺島忠夫『呂本の文字一表記体系を考える一』(岩波書店,1979)
14.武部良明活画語表記法の課題』(三省堂,1981.6)
(雑誌・特集)
15.言語生活46号ζ片かなと平がな:』(1955。7)
16.言語生活53号『H本語の表記法3(1956.2)
17.言語生活80号『送りがな』(2958.5)
18.言語生活89号賦これからの送りがな』(1959. 2)
19.欝血生活102号『ことばの正しさ』(1960.3)
20・言語生活228号r現代表記を考える』(1970.9)
21.言語生活289号r現代の誤字・「娯」字・「感」掌』(1975.鼠0)
22.書語4巻9号蹄:本語の正書法』(ユ975.9)
23・言語6巻8号r官海とH本人』(1977.7)
(上記の講座・単行本・雑誌以外に収録されている論文・報告)
24.浜幽幽「ゆれ」(r国語国文』31巻6号,1962. 6)
25。小泉保「H本語と正書法」(『文学』49巻9号,1981・9)
26.西谷博信「官記のゆれ」(1)・(2}(『文研月報』32巻1・3号,1982.1・3)
13
2. 表記のゆれと誤用の分析
2.1.語表記のゆれ
2。L1. 表記のゆれのレベル
これまで,この報告書では,「袈記のゆれ」ということと,r語表記のゆ れ」ということを,ほぼおなじ意味であつかってきた。しかし,厳密にいえ ば,両者は区別される。後者は,前者にふくまれる概念であり,表記のゆれ といわれるものには,種々のレベルのものが存在する。野村〔文献e2〕は,
表記のゆれを,つぎの4種に分類している。
(1)文宇のレベルでのゆれ ② 語のレベルでのゆれ (3)文のレベルでのゆれ (4}文章のレベルでのゆれ
たとえば,/ニワニハタケガァル/という音列を表記した,①〜③の文字 列があるとする。
①庭に,はたけがある。
② 庭に「はたけ」がある。
③庭に畑がある。
この①〜③の文字列は,/ニワニワタケガアル(庭には竹がある)/とい う音列とのまぎれを解消している点では,おなじ機能をもつといえる。ただ し,①と②を比較すると,それぞれの文の構成要素となっている語の表記形 式には,まったくちがいがない。すなわち,語のレベルでのゆれは存在しな い。ここにみられる読点の使用(①)とカッコの使用(②)との鮒立は,文のレ 14
ベルのゆれに属するものである。それに齢して,①と③,および,②と③で は,/ハタケ/という語の表記形式がことなっている。すなわち,語のレベ ルでのゆれが,このばあいには存在する。
/タンケン/という語は,ノ探検ノまたはノ探険ノと表記される。これ は,語のレベルでのゆれである。これに対して,ノ学校ノと/学校ノの鰐立 は,文宇のレベルでのゆれである。前者のノ検ノとノ険/の対立は,一般に うく メ
/タンケン/という語においてのみみられるものである。/保検ノ,ノ険 難ノのような表記は誤用とされる。ところが,ノ学ノと/學ノの対立は,
/ガク/あるいは/まなぶ/などの雷語単位をふくむ語のすべてに存在する 可能性がある。このような字体の差異による対立は,文字のレベルに属す る。ノ家ノと/家/,/公ノとノ公ノのような字形のゆれは,純粋に「文字 のゆれ」であって,r文字のレベルのゆれ」すなわち「表記のゆれ」ではない。
文章のレベルのゆれは,改行のしかたや文字列の方向(ヨコガキとタテガ キ)などでみられるものである。もっとも,まったく同一の文章がこのよう な点で対立するというとらえかたはしにくいから,一般には表記のゆれと意 識されることはすくない。
表記のゆれは,このように種々のレベルで実現する。そのうち,量的にも っともおおく,また問題となるのは,語のレベルでのゆれである。以下で は,それを語表記のゆれとよぶ。また,単に表記のゆれというばあいも,注 釈のないかぎりは,語表記のゆれのことをさすものとする。本研究および本 報告書で対象とするのは,もっぱら,この語表記のゆれである。
2.1.2. 表記のゆれの判定
表記のゆれにおける語表記のゆれは,以上のようをこ位置づけられる。しか し,実際に語表記のゆれを分析しようとすると,そのなかには種々の性質の ものが混在し,なにが語表詑のゆれであるかという基準をもうけるのは,か ならずしも容易ではない。われわれが調査の開始にさきだって,語表記にゆ れがあると認定する基準としてもうけたのは,つぎのようなものであった。
{i}同一の見出し語に属する単位:語がことなる文字列から構成されるこ と
ここで,単位語,見出し語というのは,用語調査等における,つぎのよう な操作的な定義をいう。
単位語……実際の文脈に出現し,一定の規則により分割された単位 見出し語…意味上また形式上,同一のものとみとめられる単位語の集合 たとえば,実際の文脈から採集された単位語〔ヤハリ(やはり)〕と〔ヤ ハリ(矢張)〕は,同一の見出し語/ヤハリ/に属する。したがって,この 見出し語は,ノやはリノと/矢張ノという,ことなる文字列からなる単位語 をふくむことになり,表記にゆれをもつ見疎し語ということになる。
ところが,この定義が不十分なものであることは,つぎのようなばあいに あきらかとなる。たとえば,単位語として〔ヤハリ(やはり)〕と〔ヤッパ リ(やっぱり)〕の2形しか出現しなかったとして,作業無主ではこれらを 同一の見出し語/ヤハリ/に所属するものとする。そのばあいに,ノやは り/とノやつぱリノという文宇列の構成には異同が存在するから,ここにも 表記のゆれが存在することになる。これは,表記のゆれの認定上,ぐあいが わるい。なぜならば,これは語形のゆれであるからである。
あるいは,活用語に関して,つぎのような問題がある。〔カク(書く)〕と
〔カイタ(書いた)〕のような活用形の鰐立は,見出し語のレベルで,/カ ク(書く)/→ノ書くノに統一される。ただし,〔シンズル(信ずる)〕と
〔シンジル(信じる)〕のような対立が存在すると,うえとおなじく,見出 し語のレベルでノ信ずるノとノ信じるノという,みかけの右記のゆれがうま
れる。
そこで,第二段階として,つぎのように修正した。
岡単位語の表記形から帰納される,見出し語の表記形に,文宇列の構 成上の異同があること
たとえば,単位語として〔ヤハリ(矢張)〕と〔ヤッパリ(やっぱり)〕の 2形が出現し,見出し語/ヤハリ/に属するものとする。そのばあい,見出 16
し語の表記形を確定するためには,/矢張/と/やはり(←やっぱり)./の 2形のうちのいずれかを選択しなければならない。このようなばあいに,二 酉記にゆれがあると判定するわけである。
新聞等の調査に際して,実際には,われわれは(i}の基準によって,データ を採集し,そのなかから,{ii}の基準にはずれるものをのぞくという手順をと った。しかし,個々の事例にあたると,問題になるものはすくなくなかっ た。以下に項目別に具体例をしめす。
【表記のゆれと語形のゆれ】
/ヤハリ/の例にみられるように,語形のゆれは,カナなどの表音文字を もちいたばあいは,表記のゆれと混同されやすい(漢宇をもちいるばあい は,/キョウ芝ン(共存)/と/キョウゾン(共存)/のように,表記のレ ベルでは紺立は解消してしまう)。そのような例として,/ムズカシイ/の ばあいをとりあげることにする。
薪聞の調査では,/ムズカシイ/という見出し語の表記形として,第一段 階では,つぎの5形が採集された。
/難しい/,/ムズかしいノ,/むずかしいノ,ノむつかしい/,
ノむつかしい/
見繊し語形を/ムズカシイ/とすると,/むつかしいノをどのように処理 するかが問題であった。結果としては/むつかしいノはノむつかしい/で代 表させることとした。かりに,/むつかしい/という表記形が出現していな かったとしても,今様の処置をとったはずである。
このばあいには,あえてこのような処置をとらなくても,/むつかしい/
をそのままゆれの一種と認定してもよいのではないかという,かんがえかた もある。しかし,つぎにのべる外来語の表記については,このような原測を はっきりとさせないと,表記のゆれと語形のゆれが無秩序に混在するおそれ があった。
もともと,外来語は,語形(発音)が不安定であり,表記法に,カナヅカ イやオクリガナに準ずるような規則がない。教科書,薪聞,放送等では,一
定の方針をたててはいるが,かならずしも一貫していない。したがって,み かけの表記のゆれは,きわめて出現しやすい。そのなかで,純粋に表記のゆ れとみられるのは,つぎのような例である。
(1)
i;ll:二∵(二鋤(び盤ン
これらの表記形のうち,下段の表馬形の支持者のなかには,上段の表記形 とは発音がことなることを理歯とするものがあるかもしれないが,一般には 表記のゆれとみてよいであろう。
ところが,つぎのような例になると,純粋な表記のゆれか語形のゆれかの 判定はむずかしくなる。
(・)
i;傍ア(;;;鷲1ン(1;ニス
さらに,つぎのような例は,語形のゆれが表記に反映しているとみるほう があたっているとかんがえられる。
(・}
i;∴(草;窮(;∴(献
この調査では,厳密には(1)に属するもののみを表詑のゆれとかんがえた。
ただし,(2}ないし(3)に属するものでも判定のむずかしいものは,(1}に準じて あつかい,付表一1(13◎ページ)にはかかげてある。
【多義語と同音類義語】
このようなてつづきで表記のゆれを認定しようとするとき,問題になるの は,見出し語という概念の定義のしかたである。前段では,語形の問題をと りあげたが,語形とともに意昧のとりあつかいかたが重要となる。なぜなら ば,ある晃出し語のもとで蓑:記のゆれが観察されても,それが意昧の差に対 応してかきわけられていだとすると,それは鋼語である可能性があるからで ある。すなわち,多義語の内部における表記のゆれか,陶音類義語における 蓑記の対立一ゆれは存在しない一かということである。
この問題は,実は難問であって,だれにでも共通する基準をたてるのはむ 18
ずかしい。われわれは,この調査では,その基準を用語調査にもとめたが,
部分的には修正したところもある。また,一般の国語辞典等でも,その基準 は,かなりゆれているとみられる。
以下では,基礎調査で対象とした辞典類(7ページを参照)で,この種の 語がどのようにあっかわれているかをみる。まず,『薪聞用語集』で捌語と
している漢語が,他の7種の辞典では,どのようになっているかをしめす。
7種とも洌語のあつかいをしているものには,つぎのようなものがある。
異常目異状 解放Ii開放 鑑賞II観賞 競争Ii競走 興行il興業 重傷Ii重症 清算】i精算 専有ll占有 鐸調腺障 野生涯野性
これらの語は,いずれも洌語と慧識されることがおおいであろう。このな かで,われわれが同語すなわち衰記のゆれと認定したのは,「鑑賞擁観賞」
のひとくみだけである。
新聞用語集で虚語としている漢語で,辞典によってあつかいがちがうもの には,つぎのものがある。A〜Gは,7種の辞典類の略号である。1[は,別 見出しの表示である。①,②,…は同一の見出し語内部の区分である。〔〕
は標準的な表記と区:溺してしめされているもの,および,〔××とも〕のよ うに表記されているものである。 「甲・乙」のような蓑示は,同一の見出し 語に両形が区別なしに併用されることを意味する。
(1)修IE i【修整 正ll整一B〜G,③正・②整…A (2}首席1主席 ts H主…A〜ErG,①首・②主…F (3}作成li作製 成ll製…B〜E・G,①成・②製…A・F (4)特徴目特長徴疑長…B〜G,徴・長…A
⑤意志]1意思 志ii思…A・B・D〜G,志・思li思…C (6)名月]1明月 名目明…B・C・E・G,名・明H明…D,
名〔明〕目明…F,①名・明・②明…A
(7)偽装目擬装 偽Il擬…D・E,偽・擬…A,偽〔擬〕…F・G,
擬〔偽〕…C,擬…B
このなかで,辞書によりかなりのゆれがあるといえるのは,㈲と{7)ぐらい である。(1)〜㈲は,一,二の辞典のみが他とはことなるあつかいをしている だけであり,特定の辞書の姿勢が反映しているともみられる。実際に,(6}や
(7)のような例は,ほとんどない。すなわち,漢語の同音類義語については,
国語辞典のあつかいでは,表記のゆれは生じにくいということになる。
それに対して,和語では,かなり事情がことなる。新聞用語集で別見出し としている語で,一般の辞書でも共通して別語としているのは,つぎのよう なものだけである。
誤る1謝る 語い先ll老い先 表li面 陰ll影 形li型 いくらか,それにちかいものは,つぎのようなものである。
〈1)送る{煽る 生月贈…B〜G,①③送・②贈…A {2)破れるII敗れる 破]1敗…B〜G,①破・②破・敗…A
これらは,語源的にはことなるものもふくむが,ほとんどが購源であって も別語意識の非常につよいものばかりである。しかし,同音類義の和語は,
以下のように,辞書によってあつかいがちがうのが普通である。以下で,漢 宇のみぎかたにつけた ▲印は当用漢字表にない訓,x印は当用漢字表にない 漢宇の意味である。また,()は標準的な表記に鮒して許容的な表記を意
味する。
{3)油lj脂油 脂・膏x…D,油朋旨〔膏x〕…B・C。E,
油貝③脂・②脂〔膏x〕…F,油疑あぶら(脂)…G,
油・脂・膏×…A
(4}飛ぶil跳ぶ 刑1跳…B vD・G,①飛・②跳…E,
③③飛・②跳…A・F
(5)捜す]1探す 捜】i探…G,捜i際・捜…D,捜・探…A〜C,
①捜・②捜・探…E,捜〔探〕…F
(6)璽ミレ、li固レ、 II硬レ、
eq II固目硬:…B・D・G,堅・固il硬:…C,堅・固。硬:…A,
①堅・②固・③硬…E,
20
①②⑤堅〔固〕・③④堅〔嗣・硬〕…F (7)図る]1計る目測る疑量る縫謀る巨諮る 図昌計}三野量li謀H諮…B・D,
丁目計ll三目tw IIはかる(謀)月はかる(諮)…G,
図〔慮▲〕i 謙Ml測・量i【三郎諮…C,
図目①計・②測・③量U謀鐸諮・・E,
①②計〔測〕・③計〔諮〕・④計〔図・謀〕・⑤計〔謀〕…G,
①②図の計・測・最・③図・計・測・量〔諮〕・④⑥図・誹・測・量
〔謀〕…A
和語の岡音類義語についてのこのような実態は,ゆれの半腱における見出 し語の認定のしかたにおおくの困難を予想させる。ただし,正確を期すなら ば,これらのうち,薪聞用語集とGの放送用の用字用語辞典では,かならず しも別見出しであることが別語であることを意味しない。単に同調異宇のつ かいわけをしめしているにすぎないケースもふくまれよう。
それにくらべると,A〜Fの国語辞典は,個々の語についてはちがいがあ るが,かなり基本的な方針において差があるようにみえる。B・Dは,表記 のちがいを別言と認定する重要な根拠としている。それに対して,A・F は,表記の対立を多義語の意味のかきわけとして処理しようとする傾向がつ よい。C・Eは,その中間にある。
そのどれが国語辞典のありかたとして適当かということを,ここで論ずる つもりはない。しかし,表記のゆれをとらえるための基準としては,なるべ くこれらを多義語としてあつかうほうが実情に即しているとかんがえられ る。なぜならば,のちに新開のゆれの分析にみるように,和語の表記におい て,これらはことなる漢字の生立よりも,漢字とカナの対立としてあらわれ やすく,その原因が意味によるかきわけの困難さにあるとみられるからであ る。われわれの調査では,岡根の和語は,ノ塩ノー//潮ノ,ノ掘る//一ノ彫 るノのような,分化が完全におこなわれたものをのぞいては,なるべく同一 の見娼し語に属するようにあつかっている。
(統一的な表記と慣用的な表記〕
新聞用語集では,同音類義語や陶訓異字については,つかいわけの基準を しめすが,その他の語については,複数の表記形があるばあい,原則として 一種の表記に限定する傾向がつよい。その根拠となるのは,法令用語や学術 用語の表記法のほか,国語審議会の「三音の漢字による書きかえ」,新聞界 の「統一用語」などである。また,二種以上の表記形があるばあい,慣用度 のひくいものをすてるというような判断もしめしている。それらのなかに は,一般社会でも,うけいれられているものもおおいが,かならずしも一致 せず,ゆれの原話となっているものもある。
たとえば,法令用語にもとつく,下記の(1)(2)のような例に薄する,国語辞 典のあつかいは,つぎのようになっている。
(1)(停年)→定年定・停…A・B,定・停〔法令では定〕…E,
定〔停〕…C・G,定〔もと停〕…D・F (2)(改訂)→改定 定]}訂…A〜E,①定・②訂…F,定…G
すなわち,新聞や放送が統一的な表記を採用しても,一般徒会では,両様 の表記をみとめたり,二二とみとめたりしている例である。((21についてい えば,1981年の常用漢字表丸山以後,新聞,放送では,雨形を甥語としてあ つかっている。)
新聞界が統一用語として採用した袋鼠形については,つぎのようなゆれが みられる9
(3)(差違)→差異 異・違…A・E,異〔違〕…F,異…B〜D,G (4}(雨季)→雨期 期。季…A〜E,季〔期〕…F,期…G ㈲(年輩)→年配 配・輩…A・B・D・E,配〔輩〕…C・F・G
(6}(規準)→基準 基目規…B〜D・F,基・規…A・E,基〔規〕…G 新聞用藷集で慣用度がひくいとしてとらなかった表記のなかにも,国語辞 典では,見出し語の表記としているものがある。
(7)(真紅)一〉深紅 深・真…A・B。D・E,深〔真〕…C。G,
真〔深〕…F 22
{8}(探険)酌探検検・険…A〜E,検〔険〕…F・G
(9)(適確)→的確 的ii適…C・D,的・適…B,的〔適〕…A屯〜G 鯛(員差す)→鼠指す 指・差…B・D,指〔差〕…G,差〔指〕…F,
指…C,差…A,さす〔指・差〕…E
そのほか,当用漢字表にない漢宇をふくむ語は,いいかえたり,.嗣音の漢 宇でかきかえたりするばあいがある。それについても,新聞や放送の方針と 平語辞典類では,あつかいがことなるばあいがある。
(11)(識×刺)→風刺風。謁×…A・D,風〔誠×〕…B・C・E・G,
謁x〔風は代用〕…F
(12}(波瀾×)→波乱 乱・瀾×…D,乱〔瀾x〕…B・C・G,
瀾x〔乱は代用〕…F,瀾x…A・E
このような状況は,表記のゆれのとらえかたにおける見出し語の概念が不 統一であることを意味するばかりでない。漢画をもちいる表記において,正 書法的な基準をもうけること,および,その実行のむずかしさをしめしてい る。前項でとりあげた岡音類義の漢語については,比較的ゆれがみられなか った。しかし,α)〜圃のほとんどは漢語であり,卑語だけでなく漢語の表記 においてもゆれが生じやすいことがあ,きらかである。
【誤用とゆれの関係】
表記のゆれのなかをこは,誤用をふくまないのが普通である。「専門」を「専
メ
問」としたばあい,それをあやまりとするのは,現代では一般的な通念であ る。しかし,誤用にはそれの生ずる一般的な原因が指摘できるし,類型も存 在する。そして,そのなかには,慣用的な表記として,本来の表記と耕立関 係を構成するものも,うまれてくる可能性がある。
たとえば,前項(9)のノ適確ノは,第二次大戦前の辞典類にはない表記形で ある。ノ的確ノとはまったく別個に造語されたという可能性は否定できない が,おそらくはノ的確ノの誤記ないしはあて字から定着したものであろう。
また,ノ応対ノをノ町回ノとするのはあやまりだとする,一,二の辞典があ る。しかし,ノ応待ノは漢籍に典拠のある語であり,わがくにの文章のなか
では,ふるくから,ノ応対ノとのあいだにゆれを構成していたものである。
薪聞用語集では誤用としているが,国語辞典では別のあつかいをしている ものには,つぎのようなものがあるざ
メ
(1}(卒直)一》率直 率・卒…B・D・E,率〔卒〕…C・F・G,率…A メ
{2)(速決)→即決 即1[速…B・C・E・F,①即・②速…A,即…D・G メ
(3}(隠謀)→陰謀 陰・隠…D,陰〔隠〕…F,陰…A〜C・E・G
(4}(年令)→年齢 齢・令…D,齢(令)…G,齢〔令〕…C・E,
齢…A・B・:F
これらの例は,誤用と慣用のあいだが連続的であることをものがたる。ま た,用語集の1981年版では,(3}と(4}カミ誤用から慣用的な表記に訂正されてい ることも,それをうらがきしている。
誤用の一種ではあるが,語源俗解などにもとつくあて宇でも,薪聞の統一 的な表記と辞典の表記とには,ずれがある。
㈲(寝巻)→寝間着
寝間着・寝巻…A・B・D 寝;間着〔もと寝巻〕…C・F
寝巻〔寝間着〕…E・G(※「寝巻き!←→r寝巻」は無視。)
(6)(戸迷△う・途惑う)→戸惑う
戸惑・途惑…D,戸惑…B,
とまどう・戸惑〔途惑〕…C,
とまどう〔戸惑〕…A・E。G,
とまどう〔戸惑・途惑〕…F
このように,慣用的な表記の採用に鰐して,辞典類はかなり慎重で,それ がゆれの要因となることもかんがえられる。また,{6)のように,あて字の表 記をとるよりは,むしろ,カナ表記を標準とする姿勢が,辞典にみられるの
も注目される。
【語のレベルのゆれと文字のレベルのゆれ】
前項(2.1。1.)でのべたように,異体字による対立は,文字のレベルでの 24
ゆれであり,語表記のゆれの対象とはしない。ただし,語表記のゆれのなか にも字体の対立にちかいものがふくまれており,問題となる。たとえば,
「罐」と「餌」は本来別宇であり,ノ罐詰ノとノ缶詰ノは,語表記のゆれで ごあったが,常用漢字表の実施にともない,「罐」と「無」は異体関係になり,
文字のレベルのゆれに変質した。類例にはノ芸術ノとノ藝術ノがある。
当用漢字表にないため,同音の漢字によってかきかえがおこなわれた,つ ぎの類は,該当する語例がおおいだけに,現在では,もとの字をもちいた表 記との対立カミー種の異体関係のように意識されている可能性がある。
兇×→誠 凶悪 凶漢 凶器 凶行 凶刃 凶暴
坐×→座座視座礁座州端座 連座
聯×→連 連繋 連合 連想 連邦 連盟 連立 熔x・鋳x一→溶 溶解 溶岩 溶鉱炉 溶接
これに関連して注意を要するのは,当用漢字補正案(1954)で削除する候 補となった漢掌で表記する:習慣のつよい語である。これらのあつかいは,常 用三三表制定以前でも,新聞・放送と一般の辞典等では,くいちがいがみら
れた。
{1)(箇△所・個処)→個所
箇・個△…A・D,箇〔偲^〕
(2}(遵A守)→順守
順・遵…B〜D,順〔遵〕…G,遵〔順〕
(3)(附ム録)→付録
付・附…B,付〔附〕…
〈4)(濫△用)→乱用
乱・濫…B〜E,乱〔濫〕
・B・C・E・F, tw一・G
・F,遵…A・E
C・G,付…A。D〜F
・G,濫〔乱〕…F,濫…A これらの漢字は,いずれも常用漢字表に採用されたが,新聞と放送では使 用しないことを決定している。したがって,今後もゆれや対立がのこること になる。また,当用漢字表になく,あらたに常用漢宇表にくわわった字をふ
くむ,つぎの(5×6)のような語は,ゆれの原因となることが予想される。
㈲(妄×儒)→盲信
盲H妄x…B・E,盲・妄x…D,①盲・②妄x…A,
盲〔妄×〕…G,妄×〔盲〕…F ㈲(磨x滅)→摩滅
摩・磨x…A・D,摩〔磨x〕…B・C・鷺〜F
なお,1981年10月以降,穎聞と放送は,これらの語の表記について,方針 をかえている。(5}については,新聞・放送ともノ妄信ノを採用した。(6)につ いては,放送はノ磨滅ノを採用したが,新聞は依然としてノ摩滅ノを標準表 記としている。
2.1.3. ゆれの類型と要因
語表記のゆれを,見出し語における,ことなる文字列の対立としてとらえ るとき,その対立のしかたに種々のものがふくまれることは,上述の例から もあきらかである。ここでは,それらの種々・のパターンを,それを構成する 文宇列の対立という点から分類し,その要因について考察をくわえる。
すでに,佐竹〔文献f1〕は,語表記のゆれのパターンとして,以下のよう な3分類を基礎に整理をおこなった。
(i)同一志下体系内での甲立によるゆれ {ii}ことなる文字体系間の対立によるゆれ 陶 文宇と記号との紺立によるゆれ
以下では,佐竹の分類をもとに,一部修正をくわえつつ,記述をすすめる。
【同一文字体系内での対立によるゆれ】
{i}ことなる漢字の対立
漢宇の対立によって構成されるゆれが,意味の差に対応する可能性のつよ いことは前項(2.1.2.)でのべたが,それにも程度のちがいがみられる。
(1}生長一成長 壮図一壮途 終了一修了 保障一保証 修正一修整
送る一贈る 返る一帰る 陰一肝玉一球一零下一面熱い一暑い
{2)夏期一:夏季 基準一規準 過少一過小 探求一探究 表示一標示 26
映る一写る 越す一超す 足一脚 尊い一貴い 聞く一聴く 町一街 (3)反復一反覆 強剛一強豪 状況一情況 交替一交代 心服一屈伏 耐える一一堪;える 良い一善い一好い 嘆く一歎く 寂しい一淋しい (1}の類は,岡虫類義にちかい語が大部分で,意昧の差に対応するものとい
えよう。(2}の類は,つかいわけがあるといえばあるが,明確ではない。はな しことばでは,区別されないものである。(3)は,ほとんど慧味の差がなく,
純粋な表記のゆれとよべる。それぞれに所属する語例は,個人によってこと なるが,漢籍衰記の対立に,このようなレベルが存在することは,たしかで ある。(1}→(31の順に,無意図的な表記のゆれが発生する率はたかくなる。ま た,和語では,カナ表記の率もたかくなる。逆に,(3ト(1}の順に,誤用の発 生するわりあいは,おおきくなる。
そのほか,(4}前項(2、1、2.)でのべた,漢字制限にともなう,嗣音の漢宇 によるかきかえにもとつく対立,(5)新旧の用字法のちがいによる紺立なども みられる。これらは,ふるい規字法を積極的につかうばあいをのぞいては,
無意静的なゆれとしてi爽現することがおおい。
(4膨張一膨脹 編集一編輯x 燧煙一滴×測 食欲一食慾Y
心慮合一仕合 記念一紀念 大量一大巾× 青い一蒼×い一碧xい
{ii}漢心とカナの朝顔におけるカナの個数の対立
オクリガナは,和語を心血で褒記するばあいのカナの用法に関する規則で ある。一般に,葬活用語におけるカナの有無をふくめ,オクリガナグ)直立 は,カナの個数の差異として記述することができる。逆にいえば,漢字に紺 応ずる音列数のちがいでもある。オクリガナのゆれについては,すでに報告
〔文献C〕があるので,ここでは詳述しない。
オクリガナのゆれは,鍵的におおく,無意図的に発生しやすいが,そのな かには,語形表示の意図の差が反映しているものがある。つぎの例では,い ずれも,みぎがわの表詑例のほうが語形が明確にしめされる。
オコナッタ(行った一行なった) アラワス(表す一表わす)
アブナイ(危い一危ない) スクナクナイ(少くない一少なくない)
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ナサケ(情一情け) サシコロシタ(刺殺した一刺し殺した)
オクリガナのゆれには,このほか,漢字によってあらわされる音 唾数を一 定にするために,標準とされる形式とのあいだに,ゆれが生ずることがあ る。これは意図的なものではないが,無意識のうちに,規範的な形式と別個 の法劉性をもとめているものと解釈される。つぎの例で,×印をつけた形式 は誤用とされるが,ひんぱんに出現する形式である。
うく うく メ
短い一短かい補う一補なう 輝く一輝やく 喜ぶ一喜こぶ オクリガナの対立は,カナの個数のゆれであるが,これを一般化すれば,
文字の個数のゆれということもできる。ノ千駄ケ谷ノとノ千駄谷/との対立 は,カナの有無の対立とも,漢宇の個数のゆれともみられる。ただし,漢字 におけるノ風ノーノ風邪ノ,ノ羽ノーノ羽根ノのような対立は,前項にふく めることができるし,ノてふノー/ちょうノ,ノかりうど/一/かりゅうど/
のような対立は,次項のカナヅカイの問題にふくまれる。そのほかには,漢 字の個数のちがいが語形表示にかかわるものとしては,数詞のくちいどりの 有無による対立がある程度である。
一三八一百三十八 二〇六五一二千六十五
{iii}表音文字列におけることなる文字の対立
この項にふくまれるのは,(1)いわゆるカナヅカイの対立,(2}外来語表記の 対立,(3)ローマ掌表記の年立の3種である。いずれも,同一の音(音列)に 複数の種類の文宇(文宇列)が対応することによって生ずるものである。し たがって,広義のカナヅカイあるいは文宇つかいとして総播される。以軸Fに それぞれの例をしめす。
(11こんにちは一こんにちわ いなずま一いなづま わこうど一わかうど 学校へ行く一一学校え行く そのとおり一そのとうり
②ジーゼルーヂーぜル ドライブードライヴ セ一撃ーーセエタァ (3)HUZI−FUJI TUTIURA−TSUCHIURA
eSAKA−OOSAKA−OHSAKA
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