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博士(医学)竹井俊樹 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(医学)竹井俊樹 学位論文題名

        Apoptotic response after chemotherapy by 99mTc̲Annexin V in an experimental tumor model

実験的腫瘍モデルにおける99m Tc アネキシンV を用いた      化学療法後のアポトーシスの反応

学位論文内容の要旨

    癌 化 学 療 法 の 機 構 に は 細 胞 毒 性 に よ る 直 接 効 果 の 他 に 、 自 己 細 胞 死 を 促 す ア ポ ト ー シ ス を 誘 導 す る 作 用     が あ る こ と が 分 子 生 物 学 的 手 法 に よ り 証 明 さ れ て き た 。 我 々 はア ポ ト ー シ スが 誘 導 さ れ る 際に 、 細 胞 膜 の     外 側 に 転 位 す る ホ ス フ ん チ ヂ ル セ リ ン に 特 異 的 に 結 合 す る ア ネ キ シ ンVの 作 用 に 注 目 し て いた 。 ラ ッ ト 実     験 的 担 癌 モ デ ル に お い て9hTc( テ ク ネ チ ウ ム ) で 標 識 し た99mTcア ネ キ シ ンVを 投 与 す る こ と で 、 シ クロ     フ オ ス フ ァ ミ ド1回 投 与 に よ る 化 学 療 法 後 の ア ポ ト ー シ ス を 、99riTcア ネ キ シ ンV集 積 の 上 昇とTUNEL染 色     に よ る ア ポ ト ー シ ス 陽 性 細 胞 数 が 良 好 な 相 関 を 示 す こ と を 既 に 証 明 し て い た 。 今 回99mTcア ネ キ シ ンVに     よ る 癌 化 学 療 法 後 の ア ポ ト ー シ ス イ メ ー ジ ン グ に お い て 、 そ の 時 間 的 変 化 と 将 来 む ガvoイ メ ー ジ ン グ を     行う際 の治 療後至 適撮像 時間の 推定に 関す る基礎 的検討 を行っ た。

    対 象 はKDH−8ラ ッ ト 肝 癌 細 胞 を 左 下 腿 に 同 種 移 植 さ れ て11日 目 のWistar雄 ラ ッ ト20匹 で 、 こ れ ら を4     群 に 分 け て シ ク ロ フ オ ス フ ァ ミ ド150mg/kg腹 腔 内 投 与 に よ る 癌 化 学 療 法 後4、12、20時 間 の3群 と 、 対     照 非 処 置 群 に99mTcア ネ キ シ ンVO.5mCiを 静 脈 内 投 与 し た 。 腫 瘍 系 は 平 均14mmで あ っ た 。6時 間 後 に 全 採     血 致 死 さ せ 、 腫 瘍 組 織 及 び 各 臓 器 を 摘 出 し て 各 臓 器 の 放 射 線 測 定 後 、 重 量 で 補 正 し た99mTcア ネ キ シ ンV     集 積値 ( %ID/g)x kgを 求 め た。 同 時 に 腫 瘍組 織 に 対 し て ´rUNEL・ Caspase−3染 色 を 施 行し 、 陽 性細胞 数を     算 出 し て 組 織 学 的 方 法 と の 比 較 を 行 っ た 。 腫 瘍 組 織 の99mTcア ネ キ シ ンV集 積 値 は 非 処 置 群0.050土     O. 010(%ID/g)X kgに対し、4、12、20時間後群ではそれぞれ0.048土O.008、O.052土0.014、O.077土O.007(%

.ID/g)x kgで あ り 、20時 間 後 群 で の み 対 照 群 と 比 べ 有 意 に 増 加 し て い る こ と が 判 明 し た 。 筋 肉 腫 瘍 比 及 び     血 液 腫 瘍 比 に つ い て も 同 結 果 で あ っ た 。 組 織 学 的 検 討 と の 比 較で はTUNEL染 色 で 同順 で4.6土0.7、6.4土     2.2、8.1土1.8、8.3土1.6%、Caspase−3染 色の陽 性率で も3.1土2.1、4.2土1.3、4.5土1.4、6.5土2.3%     と 同 様 の 傾 向 を 統 計 学 的 に 示 し た 。 腫 瘍 重 量 及 び 腫 瘍 系 に は20時 間 後 ま で 有 意 な 減 少 を 認 め な か っ た 。     以 上 の 結 果 よ ル シ ク ロ フ オ ス フ ん ミ ド に よ る 化 学 療 法 後 の 腫 瘍 組 織 の ア ポ ト ー シ ス は20時 間 ( 約1日 )     を 経 て 初 め て99mTcア ネ キ シ ンVに よ り 検 出 さ れ る ほ ど 増 加 し 、 組 織 学 的 評 価 に よ る 支 持 を 得 た 。 将 来 的     に も 実 地 臨 床 で の む ぬvoイ メ ー ジ ン グ 時 の 至 適 撮 像 時 間 の 設 定 に つ い て も 重 要 な 情 報 を 得 た 。     と こ ろ で 癌 化 学 療 法 が 奏 功 す る と 、 腫 瘍 細 胞 の 代 謝 が 形 態 変 化 に 先 行 し て 低 下 す る こ と が ブ ド ウ 糖 の 類     ‑ 524―

(2)

似体である18F‑FDG(フルオロデオキシグ ルコース)を用いたPET臨床 研究により多数報告されて いるが、

癌化学療法後 のアポトーシスが早期治療 効果の予測に有用かどうか、 腫瘍糖代謝との関連からシ クロフオ ス ファ ミド と塩 酸ゲムシ タビンを投与した担癌ラッ トモデルにて更なる研究を行 った。対象はKDH‑8肝癌 細 胞を 左下 腿に 移 植さ れて11日 目の 担 癌ラ ット モデ ル22匹 で対 照非処置群、塩 酸ゲムシタビン90mg/kg 静 脈内 投与 群、 シ クロ フオ スフ ァミ ド150mg/kg腹腔 内 投与 群(n=7、8、7)に3分割し化学療法後48時間 後09mTcア ネキ シンV約ImCiを、 その5時 間後 に18F―FDG約O.54mCiを静 脈内 投与 。18F―FDG投与後1時 間後に全採血 致死させ腫瘍組織を摘出し た。先実験と同様に各核種の 放射能を測定し、重量で標 準化した 値(%ID/g)xkgを算出して各群比較検討 した。組織学的検討としてTUNEL、GLUT (glucose transporter)―1 染色も施行し 、陽性率を算出した。99皿TcアネキシンVの集積は対照群O.031士O.005(%ID/g)xkgに対し、

塩酸ゲムシタ ビン投与群はO. 062土0.012、シクロフオスファミド投与群は0.050土0.012(%ID/g)Xkgと 有意に増加し 、18F一FDGの集積は対照群O.743土O.084(%ID/g)Xkgに対し塩酸ゲムシタビン群0.483士 O. 118、シ クロフオスファミド群O.583士O.142(%ID/g)Xkgと有 意に低下した。実験時の血糖値には各 群で有意差は 認めなかった。TUNEL染色も 化学療法群で有意に増加し たが、GLUT−1染色では各群 に有意差 を認めなかっ た。また99mTcアネキシンVの集積と18F一FDGには有意な負の相関(rニ10.75、p<0. 001)が認 められた。こ の結果より 99mTcアネキシ ンVを用いた癌化学療法後のアポトーシス反応の検出には、L8F̲FDG と同等の治療 効果予測能があることが強 く示唆された。

  以上 、99mTcアネキシ ンVを用いることにより癌化 学療法後のアポトーシスをむVl VOにて非侵襲的かつ 経時連続的に 追跡することができ、早期 の治療効果予測や予後予測に 重要な役割を果たすことが 出来ると 期待された。

525 ‑

(3)

学位論 文審査の要旨

     学位論文題名

    Apoptotic response after chemotherapy by 99niTc − AnnexinVin an experlmentaltumormodel      実験的腫瘍モデルにおける 99mTc アネキシンV を用いた      化学療法後のアポトーシスの反応

   本 研究の 目的は (1) 担癌 ラットモ デルに おいて 99mTc ―アネキシンV がどの程度早期に 癌 化学療 法後のア ポトー シスを検出できるかを経時的変化を追跡し、アポトーシスに特 異的(TUl¥fEL . Caspase ― 3 染色)な染色法との比較検討することと、 (2) 癌化学療法後比 較 的早期 のアポト ーシス と糖利用能の関係を、99mTc 一アネキシンV と18F −FDG を用いた Double Tracer Study に より 担 癌 ラッ ト モ デル を 用 い て比 較 検 討す る こ とで ある。

   雄 性Wistar ラ ッ ト8 週 齢 に KDH‑8 肝 癌 細胞 を 同 種移植 した担癌 モデル を作成し て検 討 された 。プロト コール (1) では 担癌ラッ ト 20 匹を 4 群に 分け非 処置群、 化学療 法群は シ クロフ オスファ ミド投 与後99mTc −アネ キシン V 迄の時 間を4 、12 、20 時 間後の3 っに 設 定した 。9uTc ー アネキ シンV 投与6 時間後 に全採血 致死させ、腫瘍組織及び各臓器摘 出後速やかに放射線量を測定した。TUNEL 、Caspase −3 染色により組織学的陽性度と99mTc ― ア ネキシ ンV の 集積を比 較検討 した。そ の結果 腫瘍重量は減少することなく、いずれの 指 標 も 最も 後 期 (20 時 間)で 有意な上 昇を認 めた。画 像化す る際に重 要とな る腫瘍血 流 比、腫 瘍筋肉比 も同様 であった 。プロト コール (2) では 担癌ラ ット 22 匹を 3 群 に分割

( 対照群 、シクロ フオス ファミド 投与群、 塩酸ゲ ムシタビ ン群) し、化学 療法48 時間 後 に 99mTc − アネ キ シ ンV を 静注、続 いて5 時間後 に FDG を投与し その 1 時間後 に全採血 致死。同様に腫瘍、各臓器の放射線量を測定し、染色標本による陽性率と比較検討した。

そ の結果 99mTc ーア ネキシ ンV の 集積はTUNEL 陽性 率と共にいずれの化学療法でも増加し た 。これ に対し、 FDG の 集積は化 学療法に よりい ずれも減少したが、細胞内への担送体 で あるGLUT ― 1 染色 の陽性 率は変化を示さなかった。 99mTc ―アネキシンV とFDG の集積の 間 には有 意な負の 相関を 認めた。血糖値、腫瘍重量は化学療法により明らかな変化を認 めなかった。

   以 上の結果より、 (1)99aTc ーアネキシンV を用いた癌化学療法後の腫瘍のアポトーシス      −526 ―

良 男

長 和

木 坂

玉 宮

授 授

教 教

査 査

主 副

(4)

の検出には4 ,12 時間後よりも、20 時間(約1 日)経過してからの方が効果的であること が証明され、臨床の場面でむ汀vo イメージングを行う際の、より早期かつ効果的な収 集のタイミングが提示された。(2) 担癌ラットモデルの癌化学療法後の腫瘍組織のアポ トーシス促進と糖利用能が有意な負の相関を有することを示し、99mTc ―アネキシンV の 集積増加はFDG の集積低下と同様に、治療効果・予後の推定をする上で重要な役割を果 たすことが期待される。

   口頭発表に際し宮坂教授から化学療法後の時間(プロトコール)の設定の根拠、化学 療法直後の糖代謝とアポトーシスの関連を、秋田教授からは 99mTc ―アネキシンV の実際 の臨床上の有用性と展望、FDG‑PET と比較したときの位置づけについて、玉木教授から は放射線治療後や実際の臨床に用いられる薬剤の使用法に準じた場合の効果判定への 応用の可能性や展望についての質問がなされた。いずれの質問に対しても、申請者は自 験例や文献を引用し、概ね妥当な回答を行なった。

   これまで癌化学療法後早期のアポトーシスや糖代謝との関連を核医学的手法を用い て検討されたことはなく、これらの関係をラット担癌モデル(わ汀 vo) で初めて明らか に し た 点 で 本 研 究 は 高 く 評 価 さ れ 、 今 後 映 像 化 に 期 待 が か か る 。    審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位など も併せ申請者が博士(医学)の学位を受けるのに十分な資格を有するものと判定した。

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参照

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