• 検索結果がありません。

博士(地球環境科学)常見雅彦 学位論文題名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博士(地球環境科学)常見雅彦 学位論文題名"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

     博士(地球環境科学)常見雅彦 学位論文題名

STUDY ON AN ELASTASE‑SPECIFIC INHIBITOR ELAFIN:

Total Synthesis, Structure‑Activity Relationships     and X‑ray Structural Analysis・

  (エ ラスターゼ 特異的イン ヒビター、エラフインに関する研究:

    全 合 成 、 構 造 活 性 相 関 お よ び X線 構 造 解 析 )

学位論文内容の要旨

  エラフインはヒト由来の新規エラスターゼ特異的インヒピターである。セリンプロテア ーゼのーつであるエラスターゼは、通常プロテアーゼインヒビターによりその機能が制御 されているため、生体の防御のみに関与している。しかし、生体内の環境変化により、そ の制御機構が崩れてエラスターゼが過剰に作用する事で、自身の組織が破壊され、肺気腫、

1Jウマチ性関節炎、アトピー性皮膚炎等の疾患が惹起される。代表的な内因性のインヒピ ターとしてはa1・プロテイナーゼインヒピターやa2‑マクログロブルンが知られているが、

これらはエラス夕←ゼのみをらず他のプロテアーゼも同様に阻害する。この意味において、

エラフインは非常に興味深い物質と言える。工ラフインは57残基のアミノ酸で構成され、

分子内に4組のジスルフィド結合を有するべプチドである。しかし、そのジスルフィド架 橋構造は未解明であった。そこで、エラフインのエラスターゼ阻害機構の解明を目的とし て 、 エ ラ フ イ ン の 合 成 お よ び 活 性 や 構 造 に 関 す る 研 究 を 行 っ た 。

  本論文では、エラフインの合成に関する種々条件の検討やそのジスルフィド架橋構造の 決定、また、その活性発現に重要な構造因子や、エラフインとェラスターゼとの複合体の 高次構造について述べられている。

  第1章の序論に続く、第2章のエラフインの合成に関しては、最大保護法を適用した液 相法による保護ベプチドの構築とフツ化水素およぴ酢酸第二水銀による二段階の保護基の 除去により、高純度の還元型ベプチドを得る事に成功した。続くジスルフィド結合形成反 応における条件を種々検討した結果、条件によっては顕著に認められる不活性型ベプチド の生成を抑制し、天然物と同等の阻害活性を示す活性型ベプチドを効率的に得る条件を見 い だ し 、 高 純 度 の 合 成 エ ラ フ イ ン を 得 る た め の 合 成 法 を 確 立 し た 。

(2)

  第3章 のジ スル フィ ド架 橋構造については、エラフインをサーモライシンで消化し、得 られた酵素消化物の質量分析およびァミノ酸配列分析で決定した。また、不活性型ベプチ ドの架橋構造についても同様に検討した結果、活性型ベプチドとは大きく異なる架橋構造 を有する事を明らかにし、阻害活性の発現に天然型ジスルフイド架橋構造が必須であるこ とを示した。

  第4章の構造活性相関の研究に関しては、エラフインのアミノ末端側のアミノ酸残基が、

ジス ルフ ィド 結合形 成反 応に 大きく影響を与えるものの阻害作用には全く影響を与えない 事を 明ら かに した。 また 、分 子内 の2個の メチオ ニン 残基 の酸化により阻害活性が減少す る事を見いだし、メチオニ、ン残基が活性発現に何らかの役割を果たしていることを示した。

  第5章 およ び第6章のX線 構造 解析 に関しては、最初に、エラフイン・エラスターゼ複合 体 の結 晶化条件を検討し、沈殿材としてメチルベンタンジオールを用いることで結晶化に 成 功し た。次に、コンピューターグラフイクスで構造解析を行い、精度の高い最終構造を 得 た。 その結果、エラフインはエラスターゼとの間の規則的な水素結合やフんンデアワー ル ス相 互作用によって、エラスターゼに対し適合性の高い構造を形成し、結合しているこ と を明 らか にし た。ま た、 エラ フイ ンは、p構造により安定化されたコア部分と外側のル ープ部分で構成される渦巻き状の全体構造を有することを明らかにし、 コア部分とループ 部 分の 間がジスルフィド結合や水素結合ならびにフんンデアワールス相互作用により結ば れることで、分子全体が非常に安定化されていることを示した。

  以 上の 様な 高次 構造 の情 報か ら、エラフインがエラスターゼに強く結合するが切断は受 けなぃこと、即ち、エラフィジがエラスターゼを特異的に強く阻害することを見いだした。

さら に、 構造 活性 相関 で得 られ た結果についても、高次構造から考察し、アミノ末端側の 領域 が活 性発 現に 関与 する 様な 規則構造をとらないこと、さらに、この領域が高次構造の 形成 に重 要で ある こと を示 した 。また、メチオニン残基の酸化で、その分子間、分子内の 相 互 作 用 が 影 響 を 受 け 、 そ の 結 果 、 活 性 が 低 下 す る こ と を 見 い だ し た 。

  本 研究で得られたエラフインの合成条件の検討結果は、今後、より長鎖で複雑なジスル フィ ド結合を有するべプチドの合成に有用と考えられる。また、現時点では、エラフイン が哺 乳類由来の唯一のエラスターゼ特異的インヒビターであることから、本研究で得られ たエ ラフインの構造や活性に関する情報は、生体内の環境変化の結果、エラスターゼによ って 惹起される疾患の発症機構の解明、さらには、その治療薬の開発に大きく寄与するも のと 考え られ る。

(3)

学 位論文審査の要旨 主査   教授   西   則雄 副査   教授   戸倉清一 副査   教授   荒木義雄

副査   教授   堤   耀広(工学部)

副 査    助 教 授    坂 入 信 夫

学 位 論 文 題 名

STUDY ON AN ELASTASE‑SPECIFIC INHIBITOR ELAFIN:

 Total Synthesis,Structure‑Activity Relationships       and X‑ray Structural Analysis.

( エ ラス タ ーゼ 特異的イ ンヒビター 、エラフ インに関 する研究 :     全 合 成 、 構 造 活 性 相 関 お よ び X線 構 造 解 析 )

  エ ラフインは エラスタ ーゼの特 異的阻害 剤である 。エラス ターゼは、 通常はプ ロテアー ゼ 阻害剤によ りその機 能が制御されているため、生体の防御のみに関与している。しかし、

生 体内の環境 変化によ り、その 制御機構 が崩れる とェラス ターゼが過 剰に作用 する事で、

自 身の組織が 破壊され 、肺気腫 、リウマ チ性関節 炎、アト ピー性皮膚 炎等の疾 患が惹起さ れ る。代表的 な内因性 の阻害剤 としてはa,l ‑プロテイ ナーゼイ ンヒビター やa2‑マクログ ロ ブリンが知 られてい るが、こ れらはエ ラスター ゼのみな らず他のプ ロテアー ゼも同様に 阻 害する。こ の意味に おいて、 エラフイ ンはエラ スターゼ のみに作用 する非常 に興味深い 物 質 と言 え る 。エ ラ フイ ン は57残 基 のア ミ ノ酸 で 構 成さ れ 、分 子 内 に4組の ジ スル フイ ド 結合を有す るべプチ ドである 。しかし 、そのジ スルフイ ド架橋構造 は未解明 であった。

本 研究では、 エラフイ ンのエラ スターゼ 阻害機構 の解明を 目的として 、エラフ インの合成 お よび活性や 構造に関 する研究 を行った 。  .

  本 論文では、 エラフイ ンの合成 に関する 種々条件 の検討や そのジスル フイド架 橋構造の 決 定、また、 その活性 発現に重 要な構造 因子や、 エラフイ ンとェラス ターゼと の複合体の 高 次構造につ いて述べ られてい る。

  第1章の 序 論 に続 き 、第2章 の エ ラフ イ ンの 合 成 に関し ては、最 大保護法 を適用した 液 相 法による保 護ベプチ ドの構築 とフッ化 水素およ び酢酸第 二水銀によ る二段階 の保護基の 除 去により、 高純度の 還元型ベ プチドを 得た。続 くジスル フィド結合 形成反応 における条 件 を種々検討 した結果 、不活性 型ベプチ ドの生成 を抑制し 、天然物と 同等の阻 害活性を示

(4)

す活性型ベプチドを効率的に得る条件を見いだした。

  第3章で述べているジスルフイド架橋構造については、エラフインをサーモライシンで 消化し、得られた酵素消化物の質量分析およびアミノ酸配列分析で調べた。また、不活性 型ペプチドの架橋構造についても同様に検討した結果、阻害活性の発現に天然型ジスルフ イド架橋構造が必須であることを示した。

  第4章の構造活性相関の研究に関しては、エラフインのアミノ末端側のアミノ酸残基が、

ジスルフィド結合形成反応に大きく影響を与えるものの阻害作用には全く影響を与えなぃ 事を明らかにした。また、分子内の2個のヌチオニン残基の酸化により阻害活性が減少す る事 から、メチ オニン残基が活性発現に何らかの役割を果たしていることを示した。

  第5章および第6章のX線構造解析に関しては、最初.に、エラフイン・エラスターゼ複合 体の結晶化条件を種々検討し、結晶化に成功した。次に、コンピューターグラフイクスで 精度の高い最終構造を得た。その結果、エラフインはエラスターゼとの問の規則的な水素 結合やフんンデアワールス相互作用によって、エラスターゼに対し適合性の高い構造を形 成し、結合していることを明らかにした。また、エラフインは、6構造により安定化され たコア部分と外側のループ部分で構成される渦巻き状の全体構造を有することを明らかに し、コア部分とループ部分の問がジスルフィド結合や水素結合ならびにフんンデアワール ス相互作用により結ばれることで、分子全体が非常に安定化されていることを示した。

  以上の様な高次構造の情報から、エラフインがエラスターゼに強く結合するが切断は受 けなぃこと、即ち、エラフインがエラスターゼを特異的に強く阻害することを見いだした。

さらに、構造活性相関で得られた結果についても、高次構造から考察し、アミノ末端側の 領域が活性発現に関与する様な規則構造をとらをぃこと、さらに、この領域が高次構造の 形成に重要であることを示した。また、メチオニン残基の酸化で、その分子間、分子内の 相 互 作 用 が 影 響 を 受 け 、 そ の 結 果 、 活 性 が 低 下 す る こ と を 見 い だ し た 。   本研究で得られたエラフインの合成条件の検討結果は、今後、より長鎖で複雑なジスル フィド結合を有するペプチドの合成に有用と考えられる。また、現時点では、エラフイン が哺乳類由来の唯一のエラスターゼ特異的インヒビターであることから、本研究で得られ たエラフインの構造や活性に関する情報は、生体内の環境変化の結果、エラスターゼによ って惹起される疾患の発症機構の解明、さらには、その治療薬の開発に大きく寄与するも のと考えられる。

  審査員一同は、これらの成果を高く評価し、申請者が博士(地球環境科学)の学位を受 けるのに充分な資格を有するものと判定した。

参照

関連したドキュメント

1)研究の背景、研究目的

雑誌名 博士論文要旨Abstractおよび要約Outline 学位授与番号 13301甲第4306号.

(2006) .A comparative of peer and teacher feedback in a Chinese EFL writing class. ( 2001 ) .Interaction and feedback in mixed peer response

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

90年代に入ってから,クラブをめぐって新たな動きがみられるようになっている。それは,従来の

リポ多糖(LPS)投与により炎症を惹起させると、Slco2a1 -/- マウス肺、大腸、胃では、アラキ ドン酸(AA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)で補正した PGE 2

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

青年団は,日露戦後国家経営の一環として国家指導を受け始め,大正期にかけて国家を支える社会