医用圧計測カテーテルに組み込み可能な小型・高感度
光集積回路圧力センサの開発
(
課題番号
12650339)
平成
12年度∼平成
14年度科学研究費補助金 (
基盤研究 (
C)
(2))研究成果報告書
平成
15年 5月
研 究 代 表 者 大 河 正 志
(
新潟大学工学部助教授)
は
し が き
高齢化社会 の到 来,生活習慣病 の増加 な どを背景 に,健康 に対す る関心が年 々高 まって お り,今後 ,総合検診 ,臨床検査 の果たす役割 がます ます重要 になって くるもの と思 われ る。 中で も,心臓 や血液循環器 系 を対象 とした生体 内圧 の測 定 は,生命 に関わ る非 常 に重 要 な臨床検査 の 1つで ある。 これ まで,生体内圧の測定 には,電気駆動式 のセ ンサが主に 用 い られて きたが,生体 を対象 とす るた め,漏電防止対策が不可欠で あった。 一方 ,近年 進歩 の著 しい,光 を使 った フォ トニ ックセ ンシングは,電磁雑 音 の影響 を受 けない,漏 電 の心配 がないな ど,生体計測 に最適 な特徴 を有す るO この特徴 を最大 限利 用 で きれ ば,渇 電対策が不要 とな り,人体 に優 しい圧計測セ ンサを実現で きる もの と期待 され る0本研 究 では, このよ うな優れ た特徴 を持っ光波利用圧力セ ンサの実現のた め,次 の 4点 に重点を 置 き,医用圧 計測 カテーテルに組み込み可能な圧力セ ンサ を開発す ることとした。 a.漏電防止対策が不要 - 電気 を駆動源 に使 わない純粋 な光セ ンシングの採用 b.高感度 なセ ンシング - 位相変調方式の利用 (感度 :80mra肌Pa,測定範 囲 :-10-+50kPa) ダイヤフラム (感圧部) の最適設計 C.安定なセ ンサ特性 - 光集積 回路構成 の採用 ,光回路 と感圧部の一体化 d.セ ンサ の′J、型化 - 偏光干渉計の利用 (セ ンササイズ :12Ⅱ皿 ×2mmXO.3mm) 条件aは,圧力セ ンシングとセ ンサ信号の伝送 をすべて光で行 うこ とで満 た され る。とこ ろで,) 光セ ンシングには,大き く分 けて,被測定対象 によ り光強度が変化す る方式 と光 の 位 相 が変化す る方 式の2つがあるが,多 くの場合後者 の方が高感度 となるOそ こで,条件b を実現す るた め,位 相変調方式 の光セ ンシングを採用 したOまた,条件 Cについては,光伝 送路 と感圧 部 (ダイヤ フラム) を一体化 して,、振動な どの外乱 の影響 を抑 えるのが有効 で あるOそ こで,一体化 が可能な光集積 回路構成 を利用す るこ ととしたO ところで,条件 b で位相変調方 式 を利用す ることとしたが,圧力 にうよる位相変化 を検 出す るた めには干渉 計 が必要 とな る。 これ まで,干渉計 としてマ ッハ ・ツェンダ干渉 計やマイケル ソン干渉計 が 広 く用い られ て きたが,長 さを要す る光導波路分岐が不可欠で,そのため長尺 となってい た。そ こで,条件 dを満たすた め,光導波路 1本で構成で きる偏光干渉計 を採用す ること とした。 本研 究では,まず圧力セ ンサの動作解析 を行い,ダイヤ フラムサイズや 導波路位 置 に対 す るセ ンサ感 度 について考察 したO この考察結果 を基 に,感度 不変 ダイヤ フラム縮小則 を 導 き出 し,ダイヤ フラムサイズの異なる 3種類 のセ ンサ を作製 して, この縮小則 が実験的 に も成 り立つ こ とを明 らかに した。 ところで, このセ ンサはダイヤ フラム上 の導波路位 置 に よって感度 が変 わるが,3
つのセ ンサ とも,ダイヤ フラム中央 の導波路 において位 相感度 約70mra肌 Pa, ダイヤ フラム端 において位相感度約 100mra〟kPaが得 られ たO この感度 は 上記 の条件bをほぼ満 た してお り,血圧計測 には問題 のない十分 な感度 と言 える。しか し, 3種類 のセ ンサ の内,最 も小 さい ダイヤフラムサイズは2.0mmXIOmmX35pmで あ り,感 度不変 ダイヤ フラム縮小則 に基づ いたセ ンサのノJ、型化 が必要で ある。 ダイヤ フラム縮 小則 による と,ダイヤ フラムサイズ を0.5mmX2.5mmX4.4pmとして も,試作セ ンサ と同 じ感 度 が得 られ る もの と期待 され るO さらに,上述 の試作結果 を基 に,カテーテル先端型圧 セ ンサプ ロ トタイプ の作製 を行 ったoセ ンサのダイヤフラムサイズは1.5mmX7.5Ⅱ皿 ×23トLm で,セ ンサ の位 相感度 は81mradkPaで あったOプロ トタイプ としてはまだ不完全 で あるた め,今後完成度 を高め,実用性 の評価 を行 ってい く必要が ある。 キー ワー ド (1)圧力セ ンサ (2)光集積 回路 (3) シ リコン (4) ダイヤ フラム-1-研究組織
研究代表者 :大河正志 (新潟大学工学部助教授) 研究分担者 :佐藤 孝 (新潟大学工学部教授) し交付決定額 (
配分額)
(金額単位 :千 円) 直接経費 間接経費 合 計 平成 12年度 li700 0-
1 1,700 平成 13年度 1,200 0 1,200 平成 14年度 600 0 600研究発表
(1)学会誌等1.M.Ohkawa,K.Hasebe,C.Nishiwaki,S.SekineandT.Sato:"htegratedoptlCPressure sensoruslng lnterm Odalinterferencebetweentwomutualorthogonalguided-modes,"
OpticalReview,vol.7,no.2,pp.144-148(2000).
2.Ydki Shirai, Tdkeshi Goto,MasashiOhkawa,Seishi Sekille and Takashi Sato:
"Silicon-basedintegratedopticalpressuresensorusmgintermodalinterferencebetween TM-1ikeandTE-likemodes
,
"
Proc.SPIE,vol.4277,pp.411-418(2001)3.TakeshiGoto,AtsushiYamada,MasashiOhkawa,SeishiSekine,andTdkashiSato:"An
experimentalinvestigationofsensitivitydependencewithrespecttowaveguideposition micromachineddiaphragminasilicon-basedintegratedoptlCPressureSensor
,
"
Proc.SPIE,
vol.4591,pp.3371344(2001)
4.Masash
i
Ohkawa,
Yuki Shirai,Tdkeshi Goto,Seishi Sekine,and Takashi Sato: "Silicon-basedintegratedopticsensorusinginterm odalinterferencebetweenTMllikeand TE-likemodes,"FiberandI山egratedOptics,γol.21.m0.2,pp.105-113(2002)5.MasashiOhkawa,KazhhikoHasebe,SeishiSekine,and TakashiSato:"Relationship betweensensitivity andwaveguidepositiononthediaphragminintegratedopticpressure sensorsbasedontheelastO-optlCeffect,"AppliedOpicts,vol.41,no.24,pp
.
5016-5021 (2002)6.MasashiOhkawa,SeishiSekine,andTdkashiSato:"Silicon-basedintegratedoptlCSensor uslnglntermOdalinterferencebetweenfundamentalTM-1ikeandTE-likemodes,"Recent ResearchDevelopmentsinElectronicsandCommunicationsPart-I,vol.1,pp.137-148 (2002)
7.AtsushiYam ada,Tooru Tokita,MasashiOhkawa,SeishiSekine,andTakashiSato:"Scale reductionrulefordiaphragm dimensionstomiiamtmizeasilicon-basedintegratedoptlC pressuresensorwithoutreducingsensitivi
t
y,
"proc.SPIE,vol.4987(2003)8.Yoshihikolwase,YumiOkamoto,MasashiOhkawa,SeishiSekine,andTdkashiSato: "Sensitivitydependencewithrespecttodiaphragm dimensionsinaglassbasedintegrated opticpressuresensor
,
"
Proc.SPIE,vol.4987(2003)(
2
)
口頭発表 1.後藤健士, 白井裕基,大河正志,関根征士,佐藤孝:"偏光干渉計を用いたシ リコン 基板光集積回路圧力センサの作成および特性評価,"第 61回応用物理学会学術講演 %,講#*% 3a-Q-3(2000-9) 2.成揮良敬,大河正志,関根征士,佐藤孝:"偏光干渉型光集積回路圧力センサにおけ る位 相感度 の導波路位置依存性,
"
第 61回応用物理学会学術講 演会,講 演番 号 3a-q-4(2000-9) -ll-3.七揮正洋,大河正志,関根征士,佐藤孝:"偏光干渉型光集積回路圧力センサにおけ る位相感度のダイヤフラム厚 による違い
,
"2
00
0年電子情報通信学会エ レク トロニ クス ソサイエテ ィ大会,講演番号C
-3
-
5
6(
2
0
0
0
-
1
0
)
4.白井裕基,後藤健士,大河正志,関根征士,佐藤孝:"シ リコン基板 を用いた光集積 回路圧力セ ンサの作成お よび特性評価乃平成1
2
年度電子情報通信学会信越支部大 %,講#%%K6(
2
0
0
0
-
1
0
)
5.内藤利弥,七揮正洋,大河正志,関根征士,佐藤孝:"偏光干渉型光集積回路加速度 センサの作成,
"平成1
2
年度電子情報通信学会信越支部大会,講演番号K7(
2
0
0
0
-
1
0
)
6.七揮正洋,大河正志,関根征士,佐藤孝:"偏光干渉型光集積回路圧力センサにおけ る位相感度の導波路位置依存性∼0
.
2
m
m 厚 ダイヤ フラムに対す る評価∼,
"平成1
2
年度電子情報通信学会信越支部大会,講演番号 K9(
2
0
0
0
-
1
0
)
7.目黒習,大河正志,関根征士,佐藤孝:山マ ッハ ・ツェンダ干渉計を用いた光集積回 路セ ンサ ∼位相感度のダイヤフラム厚依存性∼,
"
電気学会東京支部新潟支所大 会(
2
0
0
0
-ll)8.AtsushiYamada,瀧 kiShirai,TakeshiGoto,MasashiOhkawa,SeishiSekine,andTakashi Sato:"Relationship between sensitivity and waveguide position on diaphragm for silicon-basedintegratedopticpressuresensor,"inTechnicalDigestofCLEO/PaclfcRim 2001
,
p
p
.4
2
0
-
4
21(
2
0
0
1
-
7
)
9.後藤健士,山田敦史,大河正志,関根征士,佐藤孝:"シ リコン基板光集積回路圧力 センサにおけるセンサ感度の導波路位置依存性," 第6
2
回応用物理学会学術講演会, 講演番号1
2
p
-
Yl
7
,
(
2
0
01
-
9
)
1
0
.
岩瀬好彦,大河正志,関根征士,佐藤孝:㍑偏光干渉型光集積回路圧力センサにおけ る位相感度の導波路位置依存性 ∼矩形 ダイヤフラムの辺 の比 による違い∼,
"
第6
2
回応用物理学会学術講演会,講演番号1
2
p
-
Y-
S
,
(
2
0
01
-
9
)
ll.佐藤拓郎,目黒習,大河正志,関根征士,佐藤孝:"マ ッハ ・ツェンダ干渉計を用いた 光集積 回路圧力センサ ∼位相感度の導波モー ド依存性∼,
"
平成 13年度電子情報 通信学会信越支部大会,講演番号K8
,
(
2
0
0
1
-
1
0
)
1
2
.
YumiOkamoto,MasahiroNanasawa,MasashiOhkawa,SeishiSekine,andTakashiSato: "Sensitivity dependencewithrespecttodiaphragm thicknessinintegratedopticpressure sensor,"inTechnicalDigestofthe37dAsianPaclfcLagerSm posium,Paper#WePA45,p
.
9
5(
2
0
0
2
-
9
)
13.時田亨,後藤健士,山田敦史,大河正志,関根征士,佐藤孝:"シ リコン基板光集積 回路圧力センサの感度低下を伴わないダイヤフラム縮小則
,"第 63回応用物理学会 学術講演会,講演番号2
4
p
-A-
1
0(
2
0
0
2
-
9
)
1
4.
佐藤拓郎,大河正志,関根征士,佐藤孝:"マッハ ・ヅェンダ干渉型及び偏光干渉型 光集積 回路圧力センサの位相感度の比較,
"平成1
4
年度電子情報通信学会信越支部 大会,講演番号Kl(
2
0
0
2
-
1
0
)
-111-目
ノー. 次 第1章 序 論 - - - ・- - - ・- - - - ・- ・- - - - ・- - ・ 1 第2章 光集積 回路圧力センサの構成お よび動作原理 2-1 光集積回路セ ンサの概要 ・---・ 2-2 構成および動作原理 第3章 光集積回路圧力センサの理論特性 3-1 動作解析法 3-2 セ ンサの理論特性 3-2-1 センサ感度の導波路位置依存性 --. 3-2-2 センサ感度のダイヤフラム厚依存性 ・ 3-2-3 センサ感度のダイヤフラム面積依存性 3-3 感度不変ダイヤフラム縮小則 ・--・ ----第 4章 感度不変 ダイヤフラム縮小則の実証実験 4-1 光集積回路セ ンサの作製 ・---・ 4-2 測定光学系 4-3 測定結果 ・ 4-3-1 センサ#1(3.0mmX15mmX65トLm)の測定結果 - ・----4-3-2 センサ#2 (2.5mmX12.5mmX49pm)の測定結果 ・・- . ・・-4-3-3 センサ#3 (2.OmmXIOmmX35トLm)の測定結果 - - -- ・ 4-4 考察 --・---・--・・ ---・---第5章 カテーテル先端型庄センサプロ トタイプの作製 5-1 プ ロ トタイプの設計 5-2 測定結果2
2 3 5 5 7 7 7 0 0 9 0 0 0 1 1 3 4 5 1 1 1 1 1 1 1 1 7 7 8 日 リ HH HH 第6章 結論 ---・----・---・---・---・-・--- 19 参考文献 -・・---・---・-・--・--。---・--・・---- 20 一lV-第
1
章
序論
1981年の光集積回路温度センサの報告【1]以降,光集積回路技術の-応用 として光集積回 路センサが注 目を集 め,圧力セ ンサ【2121,変位センサ【13】,速度センサ【141,湿度センサ【15】, ガスセンサ【161な ど様 々なセンサの実証実験が行われてきた。 さらに,微細加工技術 のめざ ま しい進歩 に伴い,近年,微細構造を有す る光集積回路センサが数多 く報告 されている。 【ト日,17】光集積 回路セ ンサは光波利用センシングと集積回路技術の利点を併せ持ち,小型軽量 化が可能で,電磁雑音の影響を受 けず,漏電の危険性がないため,過酷な電磁環境下ある いは危険なガス雰囲気 中でも安全で信頼性の高い計測を行 うことができるもの と期待 され ている。 光集積回路セ ンサの特徴が生か され る応用分野の一つに医用計測分野がある。現在,医 用計測においては,血圧,体温,臓器の形状,体内の物質分布 な どを計測す るために,血 圧計,体温計,Ⅹ線 cT,MRIな ど様々なセンシングシステムが用い られている。 これ らの センシングシステムを用いた医用計測は,その侵襲の有無によ り無侵襲計測,侵襲計測 に 分けられ る。 さらに,その手段 により,体外か らの計測,体表か らの計測,体腔か らの計 測,経穿刺針計測,経カテーテル計測,手術下計測,標本計測 (検体計測),体内埋 め込み 計測な どに分類 できる。 この中でも,生体内圧測定に用い られ るカテーテル を用いた計測 の使用頻度は,単に心臓外科の手術,術後の検査のみならず,ICUやCCU室な どにおける 利用 と相まって増加 している。生体内圧測定の中で臨床時にお ける観血式血圧測定には, カテーテル ー圧セ ンサ系 とカテーテル先端型があるOカテーテルー庄センサ系は,生理食 塩水な どの液 を満た したカテーテルの末端に圧力センサをつなぎ,カテーテルの先端 を計 測 しよ うとす る部分に挿入 して用い られ,安全性の面か ら臨床的に数多 く使用 されている。 しか し,生体 内圧 の変化を動的に計測す る場合,心臓や大血管の拍動 によってカテーテル の振動による雑音 が生 じることがある。、、また,長いカテーテルで厳密 な時間一圧力計測 を 行 う場合においては,圧の変化は音速 より遠 くは伝わらないため,時間応答性が悪 くなる。 一方,カテーテル先端型はカテーテルの先端に超小型センサを取 り付 けた もので,圧力信 号がカテーテル先端で電気信号あるいは光信号に変換 され るため,時間遅れがな く,カテ ーテルの振動な どによる雑音の影響を受けることが少ないな どの特徴 を持 ち,特 に正確な 時間一圧力計測が必要 となる場合に使用 される。 カテーテル先端型圧センサは生体内で使用するため,センサの小型化が必要 とな り,セ ンサ 自体が小型 なため発生す る圧力が小 さく,高感度であることが要求 され る。また,電 気的お よび機械的安全性 も重要 となる。特に,心臓手術時などに使用す る装置の場合,カ テーテルが直接心臓に接触することもあるため,厳重な漏亀防止対策が必要 となる。もし, センサ として光集積回路圧力センサを使用できれば,漏電防止対策が不要 とな り,電磁気 的干渉による雑音 の影響のおそれや なく,安全で正確なセンシングができると期待 され るD そ こで,本研究では,カテーテル先端型圧センサ として利用可能な小型 ・高感度光集積回 路圧力センサの開発を行ったO ー 1-第
2章
光集積回路圧力セ ンサの構成 および動作原理
2
-1
光集積 回路 セ ンサの概要 光集積回路セ ンサは,一般に,光回路 と被測定量を感知す る感知部で構成 され るO感知 部 において,光波 は被測定対象 と相互作用 し,被測定量の大きさに応 じた変調を受 ける。 そ して,変調 を受 けた光波を光検 出器で検出す るため,光回路で適当な処理 を行 うO 光波 の変調方式 として,一般に光強度変調あるいは位相変調がよく利用 され る。光強度変調方 式のセ ンサでは,出力光強度がセ ンサ信号そのものであるので,出力光を直接光検 出器 で 検 出すれば よく,構成が比較的簡単になる。一方,位相変調方式のセンサでは,位相変化 を直接検出ことができないので,干渉光回路を利用 して,位相変化 を兼 襲度変化 に変換す る必要があるO一般には,位相変調型の方が光強度変調型 よりも感度が高い ことが多いO 図2-1に位相変調型の光回路の例 を示すO十
一一
一 \\、被測定量
\ ∴
--
\、∴被測定量
(a)マ ッハ ・ツェンダ干渉型光集積回路センサ (b)リング共振型光集積回路センサ 十∴
十 \ \\被測定量
(C)偏光干渉型光集積回路センサ 図2-1 位相変調型光集積回路セ ンサの構成例 図 2-1(a)は,光回路にマ ッハ ・ツェンダ干渉計を利用 したセンサの構成である。マ ッハ ・ ツェンダ干渉計は図のように 2つの Y分岐からなるO入力側の Y分岐で導波光は l:1に分 岐 され る02本の平行導波路の うち一方はセンシング用導波路で,導波光は被測定対象 によ って,被測定量に応 じた位相変化 を受ける。他方は参照用導波路で,被測定対象による位 相変化 は受けない。 この位相差をもった両導波光が出力側の Y 分岐で合波干渉す ることに よ り-,位相差 に応 じた光強度変化が得 られる。図 2-1(b)は リング共振器を利用 したセ ンサの 構成であるO リング共振器 は,図のように直線光導波路 とリング状光導波路か らな り,両 導波路が方 向性結合器 (両導波路が接近 した部分)を介 して結合 しているO直線光導波路 に光波が入射 され ると,方向性結合器部で一部の光波が リング状光導波路に結合 し,伝搬 す る。そ して, リング状光導波路を伝搬 し戻ってきた光波は,新たに伝搬 しようとす る光 波 と方 向性結合器部で多重干渉す るO方向性結合器部 において各光波が同位相の とき,光 エネルギーは リング状光導波路内に蓄積 され,直線導波路か らの出力光は最小 となる。 こ の ような現象 を共振 といい,この ときの周波数 を共振周波数 とい う。 ところで,被測定対 象 によって リング状光導波路を伝搬す る光波に位相変化が生 じると, リング共振器 め共振 周波数が変化す るため,この周波数変化量を検出すれ ば,被測定量の大きさを測定す るこ とができるO図 2-I(C)はモー ド間干渉を利用 した偏光干渉型光集積回路センサで,光回路は-2-一本の直線光導波路で構成 され るO被測定量の大きさに応 じて 2つの導波モー ド光の位相 差が変化する.2つのモー ドには,例えば,偏光方向が相直交す る TM(-like)モー ドとTE(-like) モー ドが利用 され るO光導波路にTM(-like)モー ドとTE(-like)モー ドを等強度で入射す ると, 出力光の偏光状態は,2つのモー ドの位相差に応 じて,円偏光,楕 円偏光あるいは直線偏光 となる。出力光を検光子に通す ことによ り,位相差は光強度に変換 され, これによ り被測 定量を測定す ることができる。 この とき,検光子の偏光方向は両モー ドの偏光方向に対 し て 450に設定す る。 ところで,感知部の構造は,被測定量により光波の位相変化 を生 じやす くす るため,被 測定対象によ り様 々な工夫がなされ る。被測定対象が圧力である場合,感知部にはダイヤ フラムが用い られ ることが多いO ダイヤ フラムは薄板状の構造体で,圧力により歪みが生 じやす くなっている。 本研究では,カテーテル先端型圧センサ-の応用を念頭においているため,センサの小 型化が不可欠であるO光回路にY分岐や リング状光導波路を含むマ ッハ ・ツェンダ型や リ ング共振型の構成 を用いると,センササイズが大きくな り,小型化 に不利 となる。そ こで, 一本の直線光導波路で構成 され,小型化 に有利な偏光干渉型 を採用す ることとした0
2
-2
構成および動作原理 図 2-2に光集積回路圧力センサの概略図を示す。図のように,センサは感圧部 となるダイ ヤフラム と単一モー ド直線光導波路で構成 される。 この光導波路はダイヤフラム上に設 け られ,最低次の TM-like,TE-1ikeモー ド光のみを伝搬 させる。 タイ 光 図 2-2 光集積 回路圧力センサの概略図 ダイヤフラムに圧力が印加 され ると,ダイヤフラムにたわみが起 こ り,歪みが生 じる。 歪みは,光弾性効果によ り,ダイヤフラム上の光導波路に屈折率変化 を引き起 こすO この 屈折率変化により,光導波路を伝搬す る TM-like,TE-1ikeモー ド光の位相が変化す るOここ で,圧力印加 によ りダイヤフラムに生 じる歪み分布は異方的であるので,光導波路に生 じ る屈折率変化 も異方的 となるOそのため,TM-like,TE-likeモー ド光の受 ける位相変化量が 異な り,両モー ド光の間に位相差が生 じる。この位相差を検出す るため,図2-3のよ うにセ ンサを偏光子 と検光子の間に置 くO 偏光子の偏光方向をセンサ基板面に対 して 450傾 ける ことにより,両モー ド光を等強度で励振 させるO励起 された TM-like,TE-1ikeモー ド光は, それぞれ異なる位相変化量Aみ M,A毎 を得 るため,圧力印加 時には両モー ド間で位 相差 A¢=A¢TM -AQTEが生 じるO出力端では,この位相差に応 じて直線,楕 円,円偏光のいずれ かの偏光状態 となる。検光子の偏光方向を入射光の偏光方向に対 し9
0
0
傾 けることによ り,-3-位 相差 に応 じた 出力光強度変化が得 られ る。 この場合,出力光強度は印加圧力 に対 して正 弦的に変化す る。 ノ 偏 光子
検光子
図2-3 偏光子 と検光子の偏光方 向お よびセ ンサ との配置 以上の よ うに,本セ ンサ は印加圧力 に対 して出力光強度が正弦的に変化 し,最大 出力光 強度 を 1に正規化す る と,図 2-4のよ うな印加圧カー出力光強度特性 となる。この特性 の半 周期 を半波長圧力 といい,位相差7tradに相 当す るOまた,ここでは,7rradを半波長圧力で割
った値 ,す なわち圧力 lkPaにお ける位相差を,位相感度 と定義す る。本研究では,位相 感度 をセ ンサ感度 としてセ ンサの特性評価 に使用す る。 印加圧力 図 2-4 印加圧力-正規化 出力光強度特性 _4_第
3
章
光集積 回路圧 力セ ンサの理論特性
3
-1
動作解析法 本セ ンサのセ ンサ感度はダイヤフラムサイズに強 く依存 し,この関係 を理論的に明 らか にす るために数値解析 を行った。 解析では,ダイヤフラム として,四辺が固定 された矩形 ダイヤフラムを仮定 し,面積を axb,厚 さをtとした。y-Z平面をダイヤフラムの上面 と下 面の中間にとり,x軸 をダイヤフラム表面に対 して垂直な方向としたOここで,ダイヤフラ ムの辺 aはy軸に平行で,辺 bはZ軸に平行であるとしたOまた,光導波路はZ軸 (辺 み) と平行に作 りつけ られ るものとしたO ところで,ダイヤフラムに圧力が印加 され ると,ダイヤフラムにたわみが生 じるO この たわみ Wは次式で表 される平板の平衡方程式か ら求められ るol18]欝
+
2蕗+
計 石 84W_
q ここで,qはダイヤフラムに働 く圧九 D は曲げ剛 性を表 し D Yt3 12(ト β) (3-1) (3-2) と定義 されるOただ し,Yはヤング率,pはポアソン比を表すo上述の条件 における式(3-1) の解,すなわちたわみ Wは次式のような和の形で与えられ るol18] W=Wo+Wl+W 2 それぞれのたわみW.,wl, W2は, Wo-
4
q
a 4 6 (-1)(m-I)/2 2T5D m=
# 5,... m5 MJ
l
=-W2--a2
c
c
コ言 ∑
E
m
αmtanham+2_c
oAsh_
二
m二
二 +
2U 2cosham a 2cosha"(
-1
)
(
m
-
I
)
/
2
2方 2D桝
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#5
了mm
2coshαm (-1
)
(
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2方2Dm=
f
t
5
,...-am2
C
oshPm b2 co コ言 ∑ Fm 竺竺 sinh竺竺
-αmtanh αm
cosh α α摩
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sinh
竺 型T
-p
mtanhPmcosh (3-3) 竺S
inh
竺空
a a m2Z
Z
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〕 (3-4) C.S竺型α
(3-5) C。S竺 α と表せ るOただ し・αm-m21b/2a,.J
L -m2Za/2bであるoまた,式中のEmとF mは,固定端 の条件 (ダイヤフラム面の傾きが 0)か ら,次の 2つの境界条件を満たす ように決定 され る。(
%
)Z=b/2・
(
%・
%
)Z=b/2-0 (3-7,(
%
),=a/2・
(
%・
%
),=a/2-0 (3-8, このようにして求めたたわみWを使 って,ダイヤフラムに生 じる応力は以下のように表 さ_5-れ るO
J
x
-
T
l
-
塞 -
f
x
・
喜
(
f
x
)
3
)
Jy-
T
2
=
一
昔〔
許甥
q
z
-
T
3
-
一
昔〔
砦
+
p
#)
(3-9) 応力はテンソル量で,Tl,T2,T3はそれぞれ x,y, Z方向の垂直応力を表すO この応力Tと 歪みSの間にフックの法則が成 り立つ とすれば,歪みはコンプライアンスS,jを用いて S,A=S,jTj,(
i
J'-1-6) (3-12) と表せ るO歪みによって引き起 こされ る屈折率変化Anは,光弾性係数p,j・を用いて,次のよ うに与 えられ る。 血・・--
in3
p ・,sj,
(i,j-1-
6) (3-13) ところで,屈折率変化の各成分は導波光に与える効果が異なる. AnlはTM-
1
i
k
e
モー ド光の 位相変化 を引き起 こし,An2はTE-
1
i
k
e
モー ド光の位相変化 を生 じさせるO これ らの屈折率 変化 によってTM-
l
i
k
e
,TE-
1
i
k
e
モー ド光が受ける位相変化量A
東M,A
毎 は,それぞれ次式 により計算できる。[19】妬 M-
f
b
/
/
2
,
(
讐
!
_
a
a
/
/
2
2
I
_
1
:
/
2
2
E
x
(
x
,
y
,
血
1(x,y,I,E:(x,y,k* (3-.4,AQ
がf
b
/
/
2
2
(
讐
l
_
a
a
/
/
2
2
I
_
1
:
/
2
2
E
y
(
x
,
y
,
An2(x
,y,I,E;(x,y,k車 (3I15, ここでaiま光の角周波数,coは真空の誘電率であ り,*は複素共役を表すO また,Ex,E
vは それぞれTM-
1
i
k
e
モー ド光のx
方向の電界成分,TE-
1
i
k
e
モー ド光のy方向の電界成分であ るO これ より,ダイヤフラム上で両モー ド光に生 じる位相差A
挿まA
¢=
A
QTM -A
QTE (3-16) で与えられるO この数値解析 において,センサ構成材料の材料力学定数,光学定数が必要である。材料 力学定数であるヤ ング率お よびポアソン比には,シ リコンの<110>方向の値 を用いた。また, 屈折率変化 を求 める際に使用する光弾性係数については,ポ リスチ レンの値が分か らない ため,代わ りに溶融石英の値を用いたO計算で使用 した具体的な値は以下の とお りであるO 使用 した材料力学定数 (シ リコン<110>方向) Y-1・7×1011pa,p-03_6-2日‖ ∫ 2日‖∴ rU ぐ U 2 nJ ∫ 21 nJ cq= 0
0
0
㌔ 00
0
㌔ oo
o
0
0
0
0
㌦0
0
0
0
㌦o
o
0
0
0
0
0
∫44 sll=5・88×10-12pa-1
' sl2=-1・76×10-12pa-I 使用 した光学定数 (溶融石英) n=1.59 P.j=
Pl
l
P12 PI2 0 21
2 AA
A 000
00
o
o
o
O
九〇
〇
〇
〇
九o
o
2 2 -p .∼ Ap1
00
0
0
0
0
0
0
P44pl
l=1・21×10J,p12=2・70×10-1,p44=7・45×10123
-
2
セ ンサの理 論特性3
-
2
-1
センサ感度の導波路位置依存性 圧力印加時にお けるダイヤフラムのたわみ方は場所によって異なるため,各部分 に生 じ る歪みは一様でないO したがって,位相感度はダイヤフラム上の導波路位置 によって異な るOそ こで,導波路位置の関数 として位相感度を計算 したO図 311はその計算結果で,ダイ ヤフラムの辺の比 をパ ラメータとして 3種類の結果を示 している。各結果 とも,導波路が ダイヤ フラムの端 に位置するとき,位相感度がそれぞれ 1 となるように正規化 してある。 図において,導波路位置±〟2はダイヤフラムの端に,導波路位置 Oはダイヤフラム中央に 対応す る。 図よ り,導波路がダイヤフラムの端に位置するとき,位相感度が最 も高 くなっ ているO しか し,導波路位置が端か ら少 しずれ ると,位相感度が大きく低下す ることも分 かるO-方,ダイヤフラム中央においても,辺の比 a/bが 1以上のときには,比較的大きな 位相感度 となっているOまた,導波路位置が中央か ら少 しずれても,位相感度は大 き く変 化 しないOつま り,大きなセンサ感度を必要 とす るときには,導波路をダイヤフラムの端 に設置す るのが適 当と言 える。また,本研究のように,位相感度の比較 を行 うよ うな場合 には,導波路の位置ずれの影響を受けに くい,ダイヤフラム中央に導波路を設置す るのが 有利であるO _7_噸
簡 定型
q J 乗出
0.00
導波路位置 図3-1 位相感度 と導波路位置の関係3
-
2
-
2
センサ感度のダイヤフラム厚依存性 ダイヤフラムの辺の比 と面積 を一定 とし,位相感度をダイヤ フラム厚 の関数 として計算 したO計算では,ダイヤフラムの辺の比を a/b-0.2とし,光導波路はダイヤフラムの辺b 上 (y=±a
/
2
)に位置するもの としたO図3
-
2
は計算結果で,ダイヤフラム厚が 10ト皿 の とき,位相感度が 1となるように正規化 してある。図 3-2より,ダイヤフラム厚が導波層の 厚 さ (計算では 1.Opmと仮定)よりも十分厚い とき,両対数 グラフにおいて傾きが-2であ るので,位相感度はダイヤフラム厚の 2乗 に反比例す ることが分かる。 ダイヤフラム厚が 1.5トLm以下の ときには位相感度が減少 しているが,これは式(3-14),(3-15)に示 した電界分 布 と屈折率変化分布 との間の重な り積分が小 さくなるためである。 ダイヤフラム厚 を薄 く す ると耐圧 も減少す るので,実際のセンサでは,そこまでダイヤフラムを薄 くす る必要は ない と言 える。 なお, このような関係は,任意の辺の比,任意の導波路位置で成 り立っ 。 1 0 2 ( ) 1 0 10 10 1 0 髄 簡 晋婁
7)[
粟
国
10 0 101 102 ダイヤ フラムの厚 さ 【p
m】
図3-2 位相感度 とダイヤフラム厚の関係_8_
1033-2-3 センサ感度のダイヤ フラム面積依存性
ダイヤ フラムの辺の比 と厚 さを一定 とし,位相感度をダイヤ フラムの辺 α の関数 として
計算 した。計算 では,ダイヤフラムの辺の比をα伯-0.2とし,光導波路はダイヤ フラムの
辺b上 (y-±a/2)に位置す るもの としたo図 3-3はその計算結果であるOただ し,ダイヤ
フラムの辺 aの長 さが1mm の とき,位相感度が 1となるよ うに正規化 してあるO図 3-3よ り,両対数 グラフにおいて傾 きが3であるので,位相感度はダイヤフラムの辺 αの 3乗 に 比例す るこ とが分 かる。なお,この よ うな関係 は,任意の辺 の比,任意の導波路位 置 で成 り立つ。. 堪 簡 定 壁 7 11 璽 j r 0 0 0 = 日 日 100 ダ イ ヤ フ ラム の短 辺 α【mm】 図3-3 位相感度 とダイヤ フラムの短辺 の関係 101 3-3 感度不変 ダイヤ フラム縮小則 3-2-2項お よび 3-2-3項の数値計算結果か ら,ダイヤフラムの辺の比a/bと厚 さ tが一定 な らば,位相感度 は辺 aの3乗に比例 し,ダイヤフラムの辺の比 a/b と面積 axbが一定な らば,海 相感度 は厚 さ tの 2乗 に反比例す ることが分かった. ここで,a3
/
1
2で定義 され るス ケー リング レンクスを導入す ると, これ らの解析結果 より,辺 の比 a/bとスケー リング レ ンクス α3/βが一定である限 り,ダイヤフラムを縮小 させて も位相感度は変化 しないはずで ある。つま り, ダイヤ フラムの面積 を小 さくすれ ば感度は低下す るが, この感度低 下分 を 補 うよ う, 同時 にダイヤ フラム厚 を薄 くすれば感度 を一定 に保 つ ことができるO この よ う な感度不変 ダイヤ フラム縮小則 は,既 に十分な感度を有す るセ ンサが存在 し, さらな るセ ンサの小型化 が必要である とき,特 に利用価値が高い。-9-第
4
章
感度不変ダイヤフラム縮小則の実証実験
4
-
1
光集積 回路 セ ンサの作製 第 3章で述べた よ うに,本センサは,感圧部 となるダイヤフラム と単一モー ド直線 光導 波路で構成 され るO今回,感度不変 ダイヤフラム縮小則 を実験的に明 らかにす るため,ス ケー リングレンクスa3/
1
2とダイヤフラムの辺の比a/bがそれぞれ等 しいセ ンサを3種類作製 した。 図4-1は作製 したセンサの概略図である。 図4-1 試作 したセ ンサの概略図 と光導波路の断面図 作製 したセンサのダイヤフラムサイズは,それぞれ3
.
OmmX1
5mmX6
5ト
L
m(
セ ンサ#1
)
,2
.
5mmX1
2
.
5mmX4
9p
m
(センサ#2
),2
.
0mmXI
OmmX3
5p
m
(セ ンサ#3)である03
つの セ ンサ とも,スケー リングレンクスは約6
.
5m
,ダイヤフラムの辺の比は0
.
2
となっているO 光導波路は リッジ型 に分類 され る光導波路で,導波路幅を1
0p
m
,導波層 の厚 さを1
.
1ト
皿
とした。 また,二酸化 シ リコンの膜厚 は,導波光のシ リコン基板-の放射損失が導波路 自 体の伝搬損失 に対 して十分小 さくなるように,1.0岬 としたO位相感度 と導波路位置の関 係 についても調べ るため,このよ うな光導波路をダイヤフラム上に0
.
1
岬1
間隔で作製 したO セ ンサの作製では,まず厚 さ4
2
0叩n
の(
1
0
0
)
シ リコン基板 を1
1
0
0℃
で湿式熱酸化 して, 厚 さ0
.
5p
m
の熱酸化膜 を形成 したOその後,シリコン基板裏面にフォ トレジス トを塗布 し, フォ トリソグラフィーによ りフォ トレジス ト上にダイヤフラムの形状 を転写 した。現像処 理後のフォ トレジス ト膜をエ ッチングマスクとして使い,基板 を緩衝 フッ酸溶液 に浸 して, 露出 された二酸化 シ リコンを除去 したOその後,液温5
0℃
の水酸化カ リウム溶液 に浸 し, 液 を撹拝 しなが ら異方性エ ッチ ング【20】を行 ったO 異方性エ ッチング後,二酸化 シ リコン薄 膜 を完全 に除去 し,再び熱酸化 によ り厚 さ1.Opmの二酸化 シ リコン膜 を形成 したOそ して, フォ トリソグラフィー とエ ッチングによ り,二酸化シ リコン上に幅1
0p
m
,深 さ0
.
1p
m
の 溝 を間隔0
.
1
pmで刻みつけたO最後に,ポ リスチ レンをス ピンコーティング して, リッジ 型チャネル光導波路を作製 した04
-
2
測定光学系 作製 したセンサの印加圧カー出力光強度特性の評価 を行 った。図4-2に今回用いた測定光 学系を示すO光源 として波長6
3
3n
m のHe-Neレーザを使用 し,図2
-
3
で示 した偏光子の代 わ りに, レーザの偏光方向をセ ンサ基板面に対 して4
5
0傾けた。導波光の励起には端面結 合法を用いた。 また,ダイヤフラムの上面 と下面に圧力差を与 えるため,セ ンサ基板 に支_1
0-持台を接着 し,シ リコーンチューブ,注射器を接続 したO注射器の内筒の押 し引きによ り, ダイヤフラム-の加圧,減圧を行ったO印加圧力の範囲は
-4
0
kPaか ら4
0
kPaまで とし,内 筒 の押 し引きの量か ら圧力を算出 した。印加圧力の値はゲージ圧で,エ ッチングされた空 洞内の圧力が,大気圧 よりも高ければ正,低ければ負 とした。 ;T=-i--攣=:こ +--LiiE_i-=---_三 IILi S = 5 ii-E fi _- :. L-偏光子の 偏光方 向 図 4-2 測定光学系 検光子 の 偏光方 向4
-
3
測定結果4
-
3
-1
センサ#1(
3.
0m
mX1
5mmX6
5p
m)
の測定結果 図4
-
3
はダイヤ フラムサイズ3
.
0mmX1
5mmX6
5ト
L
m
のセンサ#1
における印加圧力-出 力光強度特性 の測定結果である。図(a)と(b)は,それぞれ ダイヤフラムの端に最 も近い導波 路 とダイヤフラムの中央に最 も近い導波路における結果であるO図中の点は測定値 で,出 力光強度の最大値 を 1に正規化 してある。また,図の曲線は三角関数でフィッテ ィングし た結果で,この曲線の半周期が半波長圧力に対応するO図4
-
3
(
a
)
,(
b
)
より,半波長圧力はそ れぞれ31
kPa
,46
kPa
で,これ らを位相感度に換算すると1
0
0mr
a
d
瓜Pa
,6
9mr
a
d瓜P
a
とな る。 導波光が確認 された他の光導波路に対 しても同様の測定を行い,位相感度を評価 したO 図 4T3(C)はその結果で,導波路位置 と位相感度の関係を表すO図の曲線は,ダイヤフラムの 辺の比が0
.
2
の ときの理論値を基にフィッティングした曲線である。図4
-
3
(
a
)
,(
ち
)
に対応す る導波路位置は,図(
C
)
においてそれぞれ導波路位置-1
.
5m
m,0
.
0mm
である。位相感度の 正負 については,今回の測定方法では区別することができないため,理論解析結果 を参考 に して判月山ノてい る。 ところで,図(C)において,ダイヤフラム端付近で測定値 とフィッテ ィング曲線 との差が大きくなっている。 この原因として,導波路がダイヤフラムの縁 に平 行 に作製できていなかったためではないか と考えている。_l
l-:VT登
米 Er fJ1 . 11q
y
肇
L
r
00 ′hU 0 0 4 2 0 0-
2
5
0
2
5
50 印加圧力【kPa】 (a) ダイヤフラム端 に最 も近い光導波路にお ける印加圧カ ー出 力光強度特性 の測定結果 8 6 . 4 2 0 0 0 0噸悪
果
雫
召7Il
粟国
-
2
5
02
5
50 印加圧力 【kPa] (b) ダイヤ フラム中央 に最 も近い光導波路 にお ける印加圧カ ー 出力光強度特性 の測定結果 [e d W PCJ且
噸
簡定
婁 0 0 0 5 1 ー50 -1.5 -I.0 -0.5 0.0 0.5 1.01 1.5 導波路位置lmm] (C)導波路位置 と位相感度の関係 図4-3 測定結果 -12-4
-
3
-
2
セ ンサ#
2(
2
.
5mnx1
2
.
5mmX4
9ト
L
m)
の測定結果 図4
-
4
はダイヤ フラムサイズ2
.
5m
mX1
2
.
5m
mX4
9p
m
のセ ンサ#
2
にお ける測定結果で, 図(a),(b)はそれ ぞれ ダイヤフラムの端 に最 も近い光導波路 とダイヤフラムの中央 に最 も近 い光導波路に対す る結果であるO図4
-
4
(
a
)
,O))より,半波長圧力はそれぞれ2
9
kPa
,4
9
kP
a
で,これ に対応す る位相感度は1
1
0mr
a
d
瓜Pa
,7
2mr
a
d
JWa
であるO図4
-
4
(
C
)
は導波路位置 と 位 相感度 の関係 で ある。測定点がい くつか欠 けているが, これ は,導波路の出来 が悪 く, 導波光が確認で きなかったためである。なお,図4
-
4
(
a
)
,(ち)の導波路位置は,それ ぞれ 図(
C
)
において導波路位置-1.2m
m,0
.
0mm
に対応 しているO噸
悪果
FF
壬 と粟
国 00 6 4 0 0 0-
2
5
0
2
5
5
0
印加圧力
匝P
a
]
(a) ダイヤフラム端 に最 も近い光導波路にお ける印加圧カ ー出 力光強度特性 の測定結果 噸 悪 果FF
記 と 粟 国 00 ′b 4 0 0 0-
2
5
0
2
5
5
0
印加圧力
【
k
P
a
】
(b) ダイヤ フラム中央に最 も近い光導波路 における印加圧カ ー 出力光強度特性 の測定結果_1
3-[c d
弓
eJ.q
髄
簡
定型
(C)導波路位置 と位相感度の関係 図 4-4 測定結果 4-3-3 センサ#3 (2.0mmX10mmX35トtm)の測定結果 図 4-5はダイヤ フラムサイズ 2.0mmXIOⅡ皿 ×35トLmのセンサ#3における測定結果で, 図(a),(ち)はそれぞれ ダイヤフラムの端に最 も近い導波路 とダイヤフラムの中央に最 も近い導波路における結果であるO図 4-5(a),仲)より,半波長圧力はそれぞれ 36kPa,44kPaで, これに対応す る位相感度は 89Ⅱ汀ad瓜Pa,71Ⅱ汀adkPaであるO図 4-5(C)は導波路位置 に対す る位相感度の関係であるO図4-5(a),(b)に対応す る導波路位置はそれぞれ図(C)において導波 路位置-1.Omm,0.0mmである。前項 と同様に,測定点がい くつか欠けているが, これは, 導波路の出来が悪 く,導波光が確認できなかったためであるO 00 ′b 4 2 0 . 0 . 0 0
髄
悪果
Ff
王
7)
1粟
国
-250
25 50 印加圧力 【k叫 (a) ダイヤフラム端に最 も近い光導波路における印加圧カ ー出 力光強度の測定結果 -14-00 ′b 4 2 0 0 0 0
:i
(W
!
栄Lf
「T
.]
1ql蚕
-;T
-25 0 25 50 印加圧力 【kPa] (b)ダイヤフラム中央に最 も近い光導波路における印加圧カ ー 出力光強度特性の測定結果 [c d V Pe J]
噸
簡 定型
0 0 0 5 1 0 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 導波路位置【m ] (C)導波路位置 と位相感度の関係 図 4-5 測定結果4
-
4
考察 表4-1に,今回作製 した3つのセンサの概要 と測定結果をま とめた。ダイヤフラム中央に おける位相感度 は,感度不変ダイヤフラム縮小則の予測通 り,3つのセンサ ともほぼ同 じ値 となったO-方,ダイヤフラムの端における位相感度には,約 20mra肌Paの違いが生 じたO この原因の 1つ に光導波路の位置ずれの影響がある。位相感度は光導波路位置に強 く依存 してお り,図 4-3(C),図 4-4(C),図 4-5(C)か らも分かるように,ダイヤフラム端付近 の方が, ダイヤフラム中央付近に比べ,光導波路位置による感度の変化 が急である。すなわち,光 導波路の位置ずれ の影響は,ダイヤフラム中央付近 よりも,ダイヤフラム端付近の方が大 きい。現在 の作製精度では導波路の位置ずれは避 けられないため,ダイヤフラム端 におけ る位相感度の大 きな違いは導波路の位置ずれによるもの と考 えられる。導波路の位置ずれ による影響を抑 えるには,3-2-1項で述べたようにダイヤフラム中央付近の位相感度 を用い て比較を行 うのが良い。以上のことか ら,ダイヤフラム中央付近の導波路 において位相感 度がほぼ一致 し, さらにダイヤフラム端においても位相感度の違いは小 さく,導波路の位 置ずれで説明がつ く程度であるので,今回作製 したセンサは感度不変 ダイヤフラム縮小則 -15-に従 っていると言 える。 表 4-1 作製 したセンサにおける位相感度の比較 セ ンサ#1 センサ#2 セ ンサ#3 ダイヤフラムサイズ 長 さ 【幅 【皿 1.mm] _3.150 12.2.5一5 ∫2.lo0 厚 さ 【pm] 64 49 35 ダイヤフラムの辺の比 rd/b 0.2 スケー リングレンクス
α
3/
β
【m】 6.6 6.4 6.5 ダイヤ フラム端 に最 も近い導波路における 100 110 89 位相感度 【mradkPa] ダイヤフラム中央に最 も近い導波路におけ -69 -72 . -71 次 に,印加圧カ ー出力光強度特性における初期位相のずれ,消光比 について考察す る。 すべての図において,圧力無印加時に出力光強度が最小 となってお らず,初期位相のずれ が見 られ る。 この原因はTM-1ikeモー ドとTE-1ikeモー ドの等価屈折率が互いに異なるため であるが, ここで行った位相感度の比較 に悪影響を及 ぼす ものではないOただ,センサの 実用 を考える場合 ,初期位相が変わるのは望ま しくないため,今後初期位相 の調整法につ いて検討す る必要があるOまた,図 4-4(a),(b)については,消光比がそれぞれ 1.33dB,I.35 dB と非常に低い値 となったO これは光検出器の前の ピンホールで背景光を完全に取 り除け なかったためである。 しか し,位相感度の算出に悪影響を及ぼす程低い値ではな く,上述 の測定結果 に対す る信頼性 を下げるものではない。 したがって, ここで得 られた感度不変 ダイヤ フラム縮小則 に対す る実験的知見は信頼性が高い と言える。 ところで,本研 究では光集積回路圧力センサの応用 として,カテーテル先端型圧セ ンサ を念頭 においているO必要 となる庄計測範囲は,大動脈圧 において正常時で 20kPa以下で あ り,緊急時を考慮 しても40kPaで十分 と考えられる。 この 40kPaをセンサの半波長圧力 に対応す るもの と見なす と,センサに必要な位相感度は約 80mra肌 PaとなるO今回作製 し たセ ンサの位相感度 はダイヤ フラムの端で約 100mra肌Pa,ダイヤ フラム 中央で約 70 mradnGaであ り,血圧計測に応用するのに十分な感度であると言 えるOまた,今回実証 し た感度不変 ダイヤ フラム縮小則 によれば,感度を保ったまま, 目標 とす る大 きさまでセ ン サを縮小す ることが可能であるO 例えば,0.5Ⅱ皿 ×2.5mmX4.4pmのダイヤフラムは,辺 の比が 0.2で,スケー リングレンクスが約6
.5mであるので,今回作製 したセンサ と同 じ感 度 を持つ ものと期待 され,この大きさであればカテーテルにも組み込み可能 と思われ る。 -16-第
5
章
カテーテル先端型圧センサ プロ トタイプの作製
5
-
1
プロ トタイ プの設計 図5
-
1
にカテーテル先端型圧センサプロ トタイプを示すO図のように,シ リコン基板光集 積 回路圧力センサ の入力側端面に光ファイバを接続 し,出力側 に反射板 を設置 して,角 の ない丸みのある弾丸形状の中に組み込んでいるoカテーテルを直接血管内に挿入 して行 う 圧計測では,血流 による動圧の影響が問題になることが知 られている。 ここで,動圧 とは 血流の運動エネル ギーにより発生す るもので,流速の影響が大 きい。 ところで,圧力セ ン サの設置方法には,カテーテルの先端に圧力感知部を設ける先端圧型 と,カテーテル側面 に圧力感知部 を設 ける側圧型がある。カテーテルを血管内に挿入 した際,先端圧型は,圧 感知部が血流に対 しほぼ直角にな り流速の影響を受けやす く,動圧の影響が避けられ ない。 一方,側圧型 は,圧感知部が血流に対 してほぼ平行になるため,流速の影響 をほとん ど受 けない。そこで,本研究では,動圧の影響が少ない側圧型 を用いることとした。 また,氏 力 の計測方法には,大気圧 との差を測定す るゲージ圧計測 と,絶対圧計測がある。カテー テル先端型圧セ ンサプロ トタイプでは,カテーテル内に大気に通 じている管を設けること で,一般的によく使用 され るゲージ圧計測を行えるようにした。 入射光は光 ファイバを通 り圧力センサ端面に入射 され る0人射 された光波はダイヤ フラ ム上部の導波路で印加圧力による変調を受け,反射板 に到達す る。反射板 により反射 され た光波は,再び導波路に戻 り,光ファイバを通って出射光 となるO本研究では,この よ う なカテーテル先端型圧センサプロ トタイプの作製を目指 した。 図 5-1 カテーテル先端型圧センサプロ トタイプ 今回,カテーテル先端型圧センサを想定 して,図 5-2に示す よ うなプロ トタイプを試作 し た。 このプ ロ トタイプの外形は,血管内を傷っけないためにシ リコン基板集積回路を筒で 覆い丸みを帯びた形状 となっている。 ここでは,大気圧を基準 としたゲージ圧計測 を行 う ため,ダイヤフラム上部は大気に開放す る形 とした。今回試作 したプロ トタイプは,6Fカ テーテル (外径2mm)
を想定 し,模擬カテーテルの外径 を1
0
倍の直径2
0m
m少とした。そ のため,センササイズを幅1
0mmX
長 さ2
0mmX
厚 さ3
0
0ト
L
m
に設定 し,ダイヤフラムサイ ズを1
.
5mmX7
.
5mmX2
3岬
1とした。 このダイヤフラムサイズは,ダイヤフラムの辺の比 ahが 0.2,スケー リングレンクスが約 6.5mで,前章で述べたセンサに感度不変ダイヤ フラ ム縮小則 を適用 し,縮小 したもの となっている。 したがって,セ ンサ感度は,ダイヤ フラ ム 中央 の導波 路 に対 して7
0
mra〟kPa程度, ダイヤ フラム端 の導波路 に対 して約1
0
0
mradniPaが期待 され るo_1
7-m
m
02
< 15ml一1 /、「 (a)概略図 図 5-2 試作 したセンサの概形 (ち)断面図5
-
2
測 定結 果 図5-3に印加圧カ ー出力強度特性 の測定結果を示す。図中の点は測定値 で,曲線 はコンピ ュー タ処理 によるフィッティング曲線 である。 この正弦的に変化す る曲線 の半周期分 が半 波長圧力 に相 当す る。 図 5-3よ り半波長圧力 39kPaで, これ を位相感度 に換算す ると 81Ⅱ
汀a
d
瓜Pa
となるO この結果 については,残念なが ら導波路位置 を特定す ることがで きなかったが,ダイヤ フラムの端付近 にあるもの と思われ る。ただ し, この感度 は感度不変 ダイ ヤ フラム縮小則 か ら期待 される約
1
0
0mr
a
dAGa
に達 してお らず,前章の結果 を参考 にす る と,導波路がダイヤフラムの端か ら0.1m
m程度ずれていたのではないか と推察 され る。噸
悪
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-
2
5
0
2
5
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印加圧力
【
k
P
a
】
図 5-3 測定結果 ところで,今回得 られたセ ンサ感度 81mr
a
dM a
は血圧測定用セ ンサ として十分な感度で あるO また,試 作 した壱 ンサのサイズは,一般的なカテーテル先端型圧セ ンサ と比較す る と5
-2
0
倍 のサイズ となるが,先に述べた感度不変 ダイヤ フラム縮小則 に よ り,ダイヤフ ラムサイズ を縮小す るこ とができる。 これ よ り,セ ンサ感度 を保 ったまま,カテーテル に 組 み込み可能 なサイズまでセ ンサ を小型化す ることが可能 とな るO今後,本研究の結果 を 基 にセ ンサ を小型化 で きれば,近 い将来,カテーテル先端型圧セ ンサ を実現 できるもの と 考 える。 -181第 6
章 結論
本研究では,光集積 回路センサが医用計測に適 した特徴 を有す ることに着 目し,カテー テルに組み込み可能な小型 ・高感度光集積回路圧力センサに関す る研究を行ったO まず,圧力セ ンサの動作解析 を行い,センサ感度のダイヤフラムサイズ (面積 axb,厚 さt)依存性や導波路位置依存性 について考察 したOただ し,ダイヤフラムの四辺は完全固 定端 とし,導波路は辺 b に平行 にダイヤフラム上に設置す るもの としたOその結果,導波 路位置 とセンサ感度の関係については,導波路がダイヤフラムの端に位置す るときに感度 が最大 となることが分かった。 しか し,導波路位置がダイヤフラムの端か らずれ ると,感 度が大きく減少す るO一方,導波路がダイヤフラムの中央に位置す るときも,ダイヤフラ ムの辺の比 a/bが 1以下のときには比較的高い感度が得 られ,しかも導波路の位置ずれの影 響 も受けにくいこ とが分かった。 したがって,ダイヤフラムサイズを変えて,感度 を比較 す る場合には,導波路位置をダイヤフラムの中央に設置 した方が,信頼性が高い と言 える。 ダイヤフラム厚 とセンサ感度の関係 については,ダイヤフラムの大きさを変 えなけれ ば, 感度はダイヤフラム厚 の 2乗に反比例することが分かった。 また,ダイヤフラムの大きさ とセンサ感度の関係については,ダイヤフラムの辺の比 とダイヤフラム厚を変 えなければ, 感度は辺 aあるいは辺 あの長 さの 3乗に比例することが分かったO 以上の考察結果 を基に,「辺の比 a/b とスケー リングレンクス a3/
1
2が一定である限 り,ダ イヤフラムを縮小 させても位相感度は変化 しない」 とい う感度不変 ダイヤフラム縮小則 を 導き出した。そ して,ダイヤフラムサイズの異なる3種類のセ ンサを作製 して, このダイ ヤフラム縮小則 を実験的に調べたO実際のダイヤフラムサイズは 3.0mmX15mmX65pm, 2.5mmX12.5mmX49pm,2.OmmXIOmmX35LLmで,辺の比が 0.2,スケー リングレンク スが約 6.5mとなっている。実験の結果,3つのセンサ とも,ダイヤフラム中央の導波路において位相感度約 70Ⅱ汀adA(Pa,ダイヤフラム端において位相感度約 100Ⅱ汀adkPaが得 られ た。センサ感度に対す る導波路の位置ずれの影響が少ないダイヤフラムの中央において, 感度がほぼ一致 し,感度不変ダイヤフラム縮小則は実験的にも成 り立つことが確認できた0 ダイヤフラム端の導波路においては,約 20mradnGaの違いが見 られたが,導波路位置のず れ による感度低下で説明できる程度であ り,今回の結論に矛盾はない と考えている。 とこ ろで,試作セ ンサの感度は,本研究で設定 した感度条件 80Ⅱ汀ad瓜Paをほぼ満た してお り, 血圧計測には問題 のない十分な感度 と言える。しかし,3種類のセンサの内で,最 も小 さい ダイヤフラムサイズは 2.0mmX10mmX35トLmであ り,今後感度不変 ダイヤフラム縮小則 に 基づいたセ ンサの小型化 が必要である。 ダイヤフラム縮小則 によると,ダイヤフラムサイ ズを 0.5mmX2.5mmX4.4pmとしても,試作センサ と同 じ感度が得 られ るもの.と期待 され る。実際にこのよ うなセンサが実現できれば,外径 2mm程度のカテーテルに組み込む こと は十分に可能 と言 える。 さらに,上述の試作結果を基に,カテーテル先端型圧セ ンサプ ロ トタイプの作製を行っ たOセンサのダイヤフラムサイズは 1.5Ⅱ皿 ×7.5mmX23トLmで,辺の比 とスケー リングレ ンクスはそれぞれ 0.2お よび 6.4mであった。 この辺の比 とスケー リングレンクスは感度不 変 ダイヤフラム縮小則 の実証実験で作製 したものとほぼ同 じで,一回 り小 さいダイヤ フラ
ムサイズ となっているO測定の結果,センサの位相感度は 81Ⅱ汀a〟kPaと算出されたO今回
作製 したプ ロ トタイプは- ツ ド部だけでまだ不完全であるため,今後完成度を高めてい く 必要があるOまた,測定には空気圧を使用 したが,今後実用性 を評価 してい くためには, プ ロ トタイプを液体の流れの中に挿入 し,圧計測を行 う必要がある。 最後に,本研究では,光弾性効果による屈折率変化 を相直交す る導波モー ドの位相差 と して検出す るモー ド間干渉を利用 したが,この研究で得 られた結果は,干渉光回路の種類 を問わず,光弾性効果 を利用 したすべての光集積回路センサに適用す ることができるO特 に,感度不変ダイヤフラム縮小則 は,セ ンサの用途に限定 され ない普遍的な概念であるた め,その適用範囲は非常に広 く, この研究分野の発展に大いに寄与す るもの と考える。 _1
9-参 考 文 献
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(
3
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l
i
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