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法曹の在り方(問題提起) -- 量的・質的基盤整備 --

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(1)I. 目. 量 的・質 的基盤 整備 ー ーー. 次. 今なぜ司法改革とりわけ法曹一元 か わが国における法曹一元 ( 論) の歴史 平成十一(-九九九) 年の司法制度改革審議会 法曹一元 制度の目的・ 理念・ 改革の方向. 今なぜ司法改 革とりわけ法曹 一元 か. 石田 榮仁郎. 国会改革及び行政改革は、 これ まで各 界から何回となく叫ばれ 続けた結 果、前 者は第百四十 二 国会(平成十年. 一月 開 会)から、 後者は第百四十五 国会(平成 十一年 一月 開 会)で改革の緒 についた(もとより、政治改革はず っと. 以前 から行われ て来た)。 これ に対し、司法改革はと言えば 、前二 者に比べ、 日本弁護士連 合会等の一部 を除 き 、 ほ. とんど叫ばれ て来なかった 。と言う よりも、国会改革や行政改革のときの各 界の動きから比較すると、 ごく最近 まで. -29-. 法曹 の存 り方 ( 問題提 起). 一 ー. 四=. ー 法曹の在り方(問題提起).

(2) 近畿大学法学 第47巻第 3• 4 号. 全く叫ばれ て来なかったに等しい。 昭和三九( -九 六 四)年 の臨 時司法制度調 査会意 見書(臨 司意 見書) 以来三十 五. 年 もならんとする今日まで、全くと言ってよい ほど 、全体的改革の動きはなりをひ そめ、停滞してしまった(もっと も、民 事訴 訟法の改正などの部分 的成 果は評価できよう)。. 2 よく言われ る「二割 司法」。日弁連 の元会長だった中坊公平 氏がわが国の実情を評した言葉 で あ る 。 紛 争 を 解. 決する上で、 司法は求められ る機能の二割しか果たしていないという意 味である。泣き寝入りやゴネ 得を許す社会を. 痛烈に批判した言葉 である 。地方 自治とりわけ、国と地方との関 係、機 関 委任事務 に つ い て の説 明 で よ く使 わ れ る. 「三割 自治」という言葉 がある。 この「三割 自治」よりも「 二 割 司法」は一割 も少ない 。にもかか わ らず 、 三割 自治. の実体を是正するための、 国と地方との関 係を上下•主 従の関 係から対等•協力関 係にしようという、明 治維新・戦. I). 年 、すなわち二十 一世 紀から実現する運びとなっ た 。 「 この国のかたち」を新しくする動きの中で、. 後改革に次ぐ第三の改革と言われ ている「地方分 権」は一応の決着をみた。中央省庁の再編も、国の情報 公開も平成 十三 (二00. まさしく 司法だけがとり残され てしまった。. 「二割 司法」という言葉 に こめられ た司法に対する国民 の不満を解消する特 効薬は何か。 「国民 のための司法」への. 処方箋は、多少の副作 用を伴うものなのかどうか。社会が複雑多様化し、 国際化と規制緩和 の時代を迎え、社会が事. 前規 制型から事後チ ェック 型に移行するなど社会構造 の変化に伴い、紛争の多発が予想される昨今、 迅速な紛争解決. がグロバリゼーションの中で不可欠となろ う。従って、 このような救済 型・事後監視 型社会へ移行しつつある今日、. 透明 なルールと自己責 任の理念に則った司法機能の充実は、 これ までのような行政の不透明 な事 前規 制 を廃 し 、「 法. の支 配」の理念をより徹底する上で緊要の課題と言わなけれ ばならない(司法機能の充実は国際社会での信頼を得る. ための国家的な基本 的イ ンフ ラである)という声が政•財 界をはじめ各 界からも沸き起 こって来た 。「 臨 司意 見 書 」. -30-.

(3) 法曹の在り方(問題提起). の中 で、「わが国においては、法曹一元制度を実現する基盤となる諸条件 は未だ整備されていない」 と 指 摘 さ れ て か. ら三十数年 を経過 した今日、裁判官キ ャリアシステム(主に司法修 習生 からのみ裁判 官を任命する制度をいい、当初. から裁判官として採 用され、その経歴自 体の中において裁判官としての養成、 訓練 が行われるシステムで、いわゆる 子飼いの裁判 官養成システム)の弊 害が随所に出て来ている。. 3 まず 、制 度を担う 、制度を活かす人 的基盤はどうか。臨司意 見書は、法 曹一元制導入の前 提条件 として、弁護. 士の大都 市への偏在や弁護 士間の質の格 差の解消とともに、裁判官の給源 となるためのすぐ れた法 曹を確保するため. の法曹人 口の飛 躍的増大を指 摘しているが、わが国の法曹 人口は、諸外国に比べ非常 に少なく、裁 判官、検察 官、弁. 護 士の法曹三 者の人口は、アメリカが約九 十六 万八、000人 、イギリス約八万三、000人 、 ドイ ツ約十 一 万一 、0. 00人 、フ ランス約 ― ― 万六 、 000人 に対し日本 は約二万人 と依然として非常 に少ない。と りわ け 裁 判 官の数 が 極 め. 121. て少ない。そのため、裁判 の長 期化を招いている。とくに東京 ・大阪などの大都市圏の裁判官不足は極めて深刻で、. 大都市地裁民 事 担当の裁判官は年 間二五0件 前後を担当 し、裁判(事 件処理)に忙 殺されている。臨 司意 見書の出た. 昭和 三十九( -九 六 四)年 に司法試験合格 者数 が 戦 後はじめて五00人 を超えたが、その後二十五年 ほど暫 く五OO. 人前 後が続き、平成十 一( -九九九 )年 になってはじめて合格者が一、000人 に達した。人 的基盤整備の最たる、. また法曹人 口の増大のフ ァースト・ステップたる司法 試験の合格 者を倍増するのに、臨 司意 見書の年 から数 えて実に. 三十 五年 もかかっている状況 である。. 次に、 このよう な法曹人 口の量的問題に加えて、質的問題はどうか。「判例や通説 を能率よく覚 え込 む こと に 専 心 131. する、 平均 的な司法試験受験者像をみると、人 間に対する洞 察 力や これからの社会がいかにあるべきかを考 える教養. と思考能力が十分 備わっているかどう か、疑問をもつ ことがあ る 。」 と の 指 摘 に み ら れ る よ う に 、 と く に 、 現 行 の. - 31-.

(4) 四•五オ)一年 半( 以前 は一 一 年 )の司法修 習で判事補となり、十年 で裁判 官となる(特 例により五年 で一定 の範 囲で. 判事と同等の権限を有 する)現行制度は、自己の経験や信念に基づく裁判 というよりも 、ど うしても先例踏襲となり. がちであり、疑問視 するむきが強い。 二十 代の裁判官が少年 事件 や離婚訴 訟、 認知訴訟を取 り扱う ことに対し、豊か. な経験と常識を有 する裁 判 官という意 味においてとりわけ疑念を抱 く者が多い。. このような、法曹人 口の量 的拡大に伴う質的向上については、知的財 産権の分野をはじめとする専 門性の高い分野. についての(とくに国際紛争の多発に備えて)素養を十 分備えた裁判 官の育成・増強についても強く望 まれ ている。. と同時に、裁判手続外の各 種の紛争解決方法 ( Al t e rn at i veDi s put eRe s ol ut i on :ADR) の開 発も主張され ている。. 4 政府も、 ここに至り、やっと司法改革に本腰を人れ始め、 二十一世 紀に向けて、そ の司法のあるべき姿を語り. 合 い、基盤整備のために必要な施策を検討する司法制度改革審議会設 置法を成立させ、十三人 の委 員よりなる審議会. の第一回 会合を平成十 一年七 月 に開 催し、 二年 以内に答申(意 見書)を得る運びである° 審 議 会 で は 、 ① 迅速 な裁. 判や法曹人 口(裁判官)の増員など国 民がより利用しやすい 司法の実現、② 陪審制 度や参 審制 度 など 国 民 の司 法へ. の関 与(参 加)、③ 法 曹一元をはじめとする法曹の在り方とその機能の充実強化、④ 現行司法試験 の在り方や法科大. 学院いわゆるロースク ール構想などの法曹 投成制度の改革など、 司法改革全般についてさまざまな角 度から議論され. ようが、本稿では、現行キ ャリアシステムと法曹一 元とを対比しながら、おそらく審議会でも中 心テーマ となるであ. ろ う法曹一 元制 導人 の是非、とりわけ、経験を積んだ弁護 士の中から裁判 官を選 ぶといった法曹一 元制の是非を中心. に法曹の在り方について問題提起してみたい。従って、右に述べたその他の 司法改革の諸問題については、本 稿から. 除 外する。. -32-. (裁判 官)キ ャリアシステムにあっては、社会経験 がないままに、 司法試験合格 後(早い人で二十 ニ ・三 オから二 十. 近畿大学法学 第47巻第3• 4号.

(5) 法曹の在り方(問題提起). 表1. 司法制度に関するデータ各国比較 (1997年). (最高裁事務総局調べ). 闊揺隣伝、弁護士). 人口 10万人あたりの 法曹数 裁判官数(人). ドイツ. フランス. 8万 2653 11万 1315. 3万 5695. イギリス. 本. アメリカ. 1万 9733. 96万 8430. 15.6. 363. 158.3. 11.6. 6.1. 日. 2899. り 人口 10万人あたの 2.3 判 裁 官数 訴 訟件数(民事、一審) 42万 2708. 法習一人あたりの 訴訟件数. 3万 888. 3170. 135,7. 61.3. 4900. 2万 999. 8.4. 25.6. 1567万 573 233万 8165 210万 9215 111万4344. 21.4. 16.2. 28.3. 18.9. 31.2. 145.8. 507.3. 737.6. 100.4. 227,4. 一審 での 平均 審理期 間 (月 、 地裁レベル). 10.2. 8. 41. 6.6. 9.1. 判決率(%、地裁レベル). 29,1 15.9. 3.3(92年) 16.8. 25 14.8. 28.3 57.8. 74.3(95年) 18.3(95年). 裁判官. 一. 人あた りの 訴訟件数. 控訴率(%、地裁レベル). 表2. イギリスI 52 010,000 會. ドイツ. I. 81.817,500. 各国法曹人口の比較. 3、215. 2賊Bi. 77、 5271. 16,1771. 24,9331. 671. 628. 20,999. 5.2111. 91、 5171. 3.8961. 15 、 701 I. 894. 695. 4,591. 1,3671. 29,3951. 12.6921. ヽ2、 6261. 1,982. 1,648. (日本弁護士連合会資料による). ― -33-.

(6) 近畿大学法学 第47巻第 3• 4 号. ①. 〈 注〉 図表l .2. ② 「裁判官 には、 不断 に 自 己研 鑽 が求め ら れて いる の で、その ため の 時間 を保障 できる 程 度の 裁判官 数が望ま れる 。」 伊 藤真 東. もっと も、 裁判官 に 限 ら ず、 わ が国 の キャリ ア制 度その もの に 内 在 する 制 度疲労 がい たる と ころ に起 こって 来て いる と 言 え. 京 大学教授談 •朝 日新 聞平成十一 年五 月二十七 日朝 刊。 ③ 前 掲伊 藤真 教授談 •朝 日新 聞平成十一 年五 月十一 日朝 刊。 ④ 拙稿 「公務員 倫理規制 に 関 する 日 米比較 ー —. よ う 。例 えば 、 最近 では、原生 省や 大蔵 省の キャリ ア官 僚の 不祥 事、そして この たび の 警察 官 僚の 不祥 事等 があげ ら れよ う 。 4. よう や く. たび 捐なる 官 僚不祥 事の 再発防止策 ー 」 国会 月報四二巻五 九五 号一 頁 (-九. 」国 会 月報 四 六巻六―二号一 0 頁 (-九九九年)お よ び 第一 四二国会 参議院行 政監 視委 員 会. 九八年)、 同拙稿 「国 家公務員 倫理法」法学教室二 三0 号二 頁 (-九九九年)、同拙稿 「ある べき 公務 員 の 倫 理. に お け る 筆 者の アメ リカ に お け る 公務員 倫理の 実情 等 に つ いて の 意見 陳 述 内 容を記し た第一 四二国会 議事録等 参照。. 制 定さ れ た国 家公務員 倫理法. わが 国 にお け る 法曹 一元 ( 論)の 歴 史. 明治 ・大 正 •昭 和 の 動 き. わ が 国 にお け る法 曹 一元 の歴 史 を ひ もと く と 、 時 系 列 的 には 以 下 のよ う にな る。. ①. ① 法 曹 一元 につ い て は 、 す で に明 治 の頃 か ら 言 わ れ て お り 、 明 治 三十 一 ( 一八 九八 )年 、 植 村 俊 平 か 国 家 学 会 に. お け る演 説 の中 で 提唱 ( 「 新 任 判 事 ハ必 ラズ 弁 護 士 ョリ 採 用 」)し た のが 法 曹 一元 ( 論) の 始 ま り で あ ると 言 わ れ て い る。. -34-.

(7) 法曹の在り方(問題提起). ② 明 治三十七( -九0四)年になると、当時の日本弁 護士協会が裁 判 官や検察 官は弁 護士から選任すべし ( 「司 法 官ハ総 テ弁 護士中ョリ採用」)との決議をする。. ③ 大正に入 り、大正九( -九二 O )年に も、同様の 決議( 「 司 法 官ハ総 テ弁 護士タ リシ経歴 ヲ有 スル者ヨリ 採用」) をする。. ④ 昭和に人ると、 昭和十二( -九三七)年に、帝国議会下 の衆議院で法 曹一元 を 採用 す る と い う 決議 ( 昭 和十 一. 年日本弁 護士協会を中心とする全 国弁 護士大会決議 「 司 法 官タ ル資 格ハ之 ヲ十年以上弁 護士ノ 朦二在 ル者二限 ル」 な. ど法 曹一元に関する一連 の動きに呼応 する形で各 党に またがる法 曹議員連 盟提出法 案が衆議院可 決)が通ったが、貴. (一九四六)年に、 内閣が設置し た臨時法 制調 査会に応ず る司 法 法 制審 議 会 に お い ても. 族院では会期切れで成 立し なかった。 ⑤ 終 戦直後 の 昭和二十. 法 曹一 元制の 将来的な実現を希 望する付帯 決議がなされる。. ⑥ 昭和二十八( -九五三)年、日本弁 護士連 合会が法 曹一元対 策委員会を設置、 翌二十九 ( -九 五四) 年 、 す べ. 昭和三 十九 ( -九 六四 )年 の臨 司意見書. ての判 事は相当期間弁 護士の経験のある者から選任することを骨 子とする「法 曹一元 要綱」を理 事会で確定する。. ②. 我妻榮氏)が設置( 設置期間二年間)され、法 曹一元 制の採用が検討されたが、二 年後. ① 昭和三十七( -九六二)年には、 内閣に臨時司法 制度調 査会( 委員二十人、 衆・ 参 議 員七 人と 法 曹三 者 九 人及. び学 識者四人で 構成 、会長. の 昭和三十九( -九六四)年に出された、かの意見 書( 臨時司法 制度調 査会意見 書)( 臨司意見 書)によっ て、( 法 曹. 一元の制度は)それが円滑に実現されるならば、 わが国におい ても―つの望まし い制度ではあるけ れども、 わが 国に. -35-.

(8) おいては法曹一 元制度を実現する基盤となる諸条件 はいまだ整備されておらず、基盤の培養についても十分 の考 慮 を. 払うべきであるとし、 時期尚 早という ことで見送られ 、基盤となる十 二項目 にわたる前 提条 件が提示 された (もっ と. も、 この調 査会は、その構成員の大部分 が国会議員と法曹三 者で占められていた ことに対する批判は、す こぶる強い) 。. l. 元 (司法改革)に 関する最近 の動き O )年. に、国民 に身近な 開 か れ た 司 法 を目 指 すと い う. ② その後三十数年 に亘 り、 この法曹一 元制についての調 査・研 究、論議 は ほとんどなりをひ そめ、かなり停滞した。 ③ 法曹. ① 日本弁護士連合会(中坊公平会長 )は 、平成二( 九几. 司法改革に関 する宣言を採 択 し、 これまでの批判・理 念型だけ でなく、 具体的行動を通じ て司法 改革の実現を目指す。. 」の中 で 、. -36-. 日弁連 は、平成三 年 、平成六年 にも同 様の宣言を行い、 平成十 年 には、市民に身近 で信頼され る司法をめざす「司法. 改革ビジ ョン」という具体的提 言を行 う。. ② 政府関 係等の動きとしては、 平成七 ( -九九五 )年 に法前養成制度等改革協議会が、 意見 書 の 中 で 、 司法 の機. 能を充 実し、 国民 の法的ニーズに応えるため、法曹人 口を増加させ る必要を訴 え、平成九年 に行政改革会議か 、その. 競 争的環境 の中で個性が輝く大学 ー. 最終報 告の中で、法の支配の拡充 発展を図 るための積極的措 置を講ず る必要性を強調。翌平成十年 には、大学 審議会 がその答申 「二十一 世 紀の大学像と今後の改革方策についてI. 法科大学 院(ロースク ール)構想の検討を示唆 。. ③ 政界からも司法 改革へ の積極的提言がなされ 、とくに自由民 主党から提 言がなされ ている ことは注目 に値 す る 。. 平成九( 九九七 )年 に設置され た自民 党の司 法制度特別 調査会は、翌平成十年 に、国民 に身近 で、利用しやすく. 分 かりやすい司法を目 指 した「二十 一世 紀の司法の確かな指 針」 と題する報 告をとりまとめ、司法は、わが国が国際. 近畿大学法学 第47巻第3• 4号.

(9) 法曹の在り方(問題提起). 社会での信頼を得ながら着 実に発展を遂げ るための国家的な基本的イ ンフ ラであり、司法改革は、 二十 一世 紀の国づ. くりの勇要な基礎となるものとして、大学 教育における法学 教育の在り方やロースク ール方式 、法曹一 元など、 司法. 制度全般につい ての改革に関 する審議会(司法制度審議会)を政府に設置する こと を提言する。. 自 由党も、平成十 年に「日本再興へのシナリオ」の中で、適正かつ迅速な裁判を受ける権利を保障するため、優秀. な法 曹を十分 に確保できるように司法試験制度を改革するなどの司法制度の改革を訴 える。さらに、民 主 党でも、同. じ く平成十 年 に、「民 主党政権構想」の中で、 この国のかたちを変えるためには司法基盤の充実が肝 要 で あ り 、 裁 判. 官の大幅増員など法曹人 口の拡大、法曹養成制度の充実、法曹一 元化などの推進を提言する。. -九九四)年 、「現代社会の病理と処方'� 個人 を活かす社会の実現に向けて」の提言の. (. ④ 経済 界をはじめとする各 種団体からも司法改革の必要性につい て声があがり、鋭い 、 厳 しい 提言 が な さ れ て い る。 経済 同友会は、平成六. 中で、司法は行政追随と批判されても仕方のないような消極的態度から脱 却するため、 二割 司法と椰楡されない よう. 法曹人 口の大幅増員と抜本的司法改革へ着手するための「司法改革推進審議会」の設置等を提案 する。また平成九 年. 一月 にも、 「グローバル化に対応する企業法制の整備を目指 して」 の提言の中で、司法試験合格 者 を 現 在 法曹三 者 で. 合意 のある一 、000人 に増加させても、法曹人 口が現在の倍の四 万人 弱に達するには三十年以 上かかる こととなり、. 司法試験合格 者の増員のみでは民 間主導型市場経済 におい て必要とされ る迅速な司法的処理システムは期待できず 、. 今後一層 経済 社会の専 門化・複雑化を反映した紛争が増加する ことが予想される ことからも、法曹界に多 様な社会経. 験 を有 する者を迎え入れる方策 を検討する ことの必要性を強 調すると共に、 同年三月 にも 、「 こうして日 本を変える」. -37-.

(10) の中で、司法機能の強化 を盛り込 んだ日本経済 の仕組みを変える具体策を提言する。. 経済 団体連 合会(経団連 )も、平成十 年、 「司法制度改革 につい ての意見」の中で、行 政依存 型経済 ・ 社会 か ら 自. 由で公正な市場経済 社会への転換が図 られる中、社会・ 経済 の基本的な インフ ラである司法の人 的 •制度的整備の充. 実か 必要であるとし て、法曹人 Dの増 大、 とりわけ裁判官の増 員、企業法務 担当者への法律実務 取扱 権 限 付 与及 び 法. 曹養成の在り方を提言する。とく に、法曹養成の在り方 につき、裁判 官の任用は弁護 士となる資格 を有 する者で、裁. 判官以 外の職務 を経 てきた者から任用する ことを原則とすべきであり 、法曹養成を目 的とする大学 院 レベルの法学 課. 程( ロースクール)を新た に開 設 し、その修 了をもっ て司法試験の一部 を免除 する ことを検討すべきで、学部 レベル. におい ては 、弁護士や企業の法務 担当者の講 師 登用を積極 的 に行う ぺきであるとし、いわゆる法曹一 元を提唱する。. ・政 また、日本青年会議所は 「 新人間社会の創造をめざ し て」 (平成八年)の中で、日本労働組合総連 合会(連 合). 策フ ォーラム は「 二 十一世 紀への日本の選 択」 (平成九 年)の中 で、さら に二十一世 紀政策構想フ ォー ラム は 「 司 法. 改革への提言」 ( 平成十 年)の中で、 二十 一世 紀政策研 究所は「民 事司法の活性化 に向け て」(平成十 年) の 中 で 、 そ. れ ぞれ司法改革、司法の活性化を提言し てい る。なお、 これ以外 にも日本司法書士連 合会 、自由法曹団 をはじめ 各 種. ジ ュリ スト ― ―七 0 号 (二0 0 0 年 ) 、一七 九頁以下 参照。. 〈注 〉. 団体から提言がなされ ているが 枚挙 に暇がないので省略する。. (. - 3 8-. 第47巻第 3 • 4 号 近畿大学法学.

(11) 法曹の在り方(問題提起). 年 の司法制度改革審議会 平成十 一(-九九九). 右のような各 界からの提言や意 見から、政府は、司法制度全般について 国民的視 点で検討する機関 が必 要であると. いう認識から、内閣に司法制度改革審議会を置く こととする司法制度改革審議会設置法案を国会に提出し、同法 案が. 可決成立し、平成十 一(一九九九 )年 六月 公布された。内閣に司法に関 する審議機関が設置されたのは、臨時司法制. 度調 査会設置以来、実に 三十七年 ぶりの ことである。. 審議会は、 二十一 世 紀のわが国社会において司法が果たすべき役割を明 らかにし、国民 がよ り利用しやすい司法 制. 度の実現、国民 の司法制度への関 与、法曹の在り方とその機能の充実強化その他の司法 制 度の改革と基盤の整備に関. し必要な基本的施策について調 査審議し(設置法 二条 一項 ) 、審議会は、調査審議した結果に基づ き 、 内 閣に 意 見を 述べる(同条二 項)。. 審議会は、 委員 十 三人 以内で組織され ( 三条 ) 、 委員は、学 識経験 のある者のうちから、 両議 院 の 同 意 を 得 て 、 内. 閣が任命する(四条一 項 ) 。審議会に、会長 を置き、 委員の 互選 により これを定 める ( 五条 一項 )。. 審議会は、その所掌事務 を遂行するため必 要が あると 認めるときは、関 係行政機関、最高裁判 所及び 日本 弁護 士連. 合会に対して、 資料の提出、意 見の開陳、説明 その他必要な協 力を求める ことができる(六 条一 項 )。. (八 条)。審議会に関 し必要な事項 審議会に 係る事項については、内閣法にいう 主任の 大臣は 、内閣総理 大臣とする. は、政令で定 める(九 条 )。 この法律は、附則第一 項の政令で定 める 日から起 算して 二年 を経過 し た 日に そ の 効 力 を. 。 失う(附則三 項 ). - 39-.

(12) 近畿大学法学 第 47 巻第 3• 4 号. なお、右の設置法に は、衆・参 の両法務 委員会 で附帯決議がなされ ており、① 政府 は、 審 議 会 の 設 置 及 び 運 営 に. あたって、司 法 権 の独立を侵害しないよう に配慮 する こと、② 審議会 は、その審議に際 し、 法 曹一 元、 法 曹の 質 及. び量 の拡充、国民の司法参 加、人 権と刑事司法との関 係など司法制度をめぐ り議論され ている重要な問題点について、. 十分に論議する こと、 ③ 審議会 は、その調査審議の状況に関 し、情報 公開 等透明 性の確 保 に 努 め る こと 、 な ど の 内 容が 盛り込 まれて いる。. 平成 十 一 年 六月 三十 日、審議会委員十三人 が 両院の同意を得て選任され た。また、事務 局長に は樋 渡前 大分地検検. 回審議会が開催され 、設 置法 五条. 一. 項に基づく会長互選 で佐藤幸治 京都大学法学部. 一. 事正が、事務 局員と して 、最高 裁、法務省、 日弁連 から各 二人 、大蔵、通 産、 文部 、 建設 から各 一人 選ばれ た。 平成 十 一 年七 月 二十 七 日、 第. 教授が選出され 、同条 三項に基づき副会長 に は竹下守 夫駿河台大学長 が指名された。. 任期二年 (二 年 以内に意 見書提 出)という制約から、第二回審議会(平成 十一年九 月 二日) 以降は月 二回開催とい. 〉. う ハイ ペースで審議が進められ ている。. 〈注. なお、十一月二十七日の日本法政学会第91 回総会 ・研究会 での中坊公平審議会委員 ( 元 日弁連会長)による特別講演の中で、 「 第 一回審議会が開催されてからすでに四カ月も過ぎてしまい、二年の期限が毎日減少している」の言葉は誠に印象的 であ っ. m. - 40 -.

(13) 法曹の在り方(問題提起). 四 法曹 一 元 制度 の 目的 • 理念 ・ 改 革 の 方向. 目的 ·理念. 法曹 一元とは、裁判 官を、法的素養に富み、かつ、社会経験 を経た法曹経験 者を中 心とした法律家から、 民主的な. 選考手続によって採 用する ことにより、人 権を保障する裁判 を実現する ことを目 的とするものである。. 現行の裁判官キ ャリ アシス テムのもとでは、すでに指 摘したように、裁判 官が司法修 習時から純粋培養的に養成さ. れ るため、す な わち大学 を卒業して、社会経験を ほとんど 積 まないままに司法修 習に入るため、裁判 官(あるいは裁. 判運営)が市民 感覚 、一 般市民 の常 識からかけ離れ ている傾向にあり、裁かれ る者の立場を一 度も経験 した こと のな. い、常 に裁く側としての意識しかもち あ わせ て いないと の批判 は否定でき ない 。 「 裁かれ る者の 立 場 を一 回も 実 感 し. た こと の ない者が裁判 官として人 の権利や自由を掌にするという のは実に 恐ろ しい こと である。しかも彼らは それが. 恐ろ しい ことである こと に 気づく機会さ え ない 。裁判官の給源 たる法曹に、裁 かれ る者の側で十分 に裁判 実務をした. 経験 を求める素朴 な理由は ここにある。 それは同時に社会の実相を踏まえて事実の把握と道理 において質の高い判断. をしう る裁判 官を獲得する機会を増大させる ことでもある。法曹一 元は裁判官の独立の 強 固な基 礎 と なる 。弁 護士な. どの当事者法曹は その職業 柄、精神的独立性を身につけ やすく、また任官後も昇進・昇給がないため人事権者の意 向. 」 を考慮 する危険性も ない。 その意 味で、法曹 一元は裁判 官が官僚的発想 に陥る ことを防止してその独立性を確保する。. との第六 回 司法制 度改革審議会に提出され た各 委員の論点整理に関 する意見書のうち中坊 公平委員の意 見書が法曹一 元制 導入の目的、理 念、必要性を実に適確に見事 に表現している。. - 41-. (1).

(14) 近畿大学法学 第 47巻第 3 • 4 号. }J. このように、裁判 を受ける市民 の側で十分 な経験を積んだ法律家が裁判官になった方が、 「 市 民 の権 利 を大 切 に 扱. い、その気持ちを十分 に 酌んで血の通った常 識的な判 断」 (前述 審議会吉岡初子委員の意 見書)が 期 待 さ れ よ う 。. のような意 味でも、法 曹一 元は積極的にその導入を検討され る べきであるとの意 見が多い 。 J. れ に対し、次 のような慎頂論ない し消極論もある。. 平成 三年 に最高裁判所と日本弁護士連 合会との合意 に基づい て発足した、弁護士が裁判 官に転じる、い わゆる「弁. 護 士任官制 度」が 平成九年 四月 までの五年 間に裁判 官任官者二十 八名を実現させたにとどまったとの事実を指 摘しな. がら、問題の解決には、キ ャ リア システムと法曹 一元制のそれ ぞれ のメ リッ ト・ デメ リッ ト、 デメ リッ トの是正可能. - 42-. 性、裁判 官増員の社会的要請をも考慮 に入れた法曹一 元 制 の実現可能 性などの慎重な検討を要するとの慎重論(前述. 審議会竹下守夫 委員の意 見書)もある。最高裁と法務 省は、現行キ ャ リアシステムは、実務 に精通 した公正な裁 判 官. による安定 した判断が期待 できるとの考えからか、概して慎重ない し消極的である。法務 省は、 「現行 制 度 の 改 善 も. 議 論す べき」として慎重な姿勢を示 してい るが、最高 裁は、 弁護 士任官制 度が年 間数 人 程度 しか利用されてい ない 現. 状などから、 「法曹一 元 のための基盤整備は進んでい ない 」と消極的である。. 改革 の方向. 裁判 官は、弁護 士、検察 官の豊か な経験と見識ある者か ら選 任する。 この場合に、弁護 士、検察 官の経験年 数 は十. ① 裁判官の給源. す範囲で論ず る こととする。. 最後に、それ ではどのような法曹 一元制度が望 ましい のか、前述大阪弁護 士会「法曹 一元 大綱」 をもと に紙面の許. (2).

(15) 法曹の在り方(問題提起). 年 とする。 ただ し、 それ 以外の社会経験についても、 一 定 年 数 を経験年 数 に換算する ことができる。現行の裁判 所法. 四 十二条一 項六号に規定 する者(大学 の法律学 教授•助教授)で法律に関 する職務 に豊かな経験 のある者は、 これに 6 準ず るものとする。判事補制度は廃 止する。. このようになっているが、経験年 数 十年 については、 これまで指 摘し たと おり、 妥当と言えよう。検察官をいれ る. m. かどうかについては、賛否両論で各 弁護士会でも一 本 化しておらず 、まとまってい ない 。日弁連 は、 これ については m 消極的にとらえている。判事補の問題点についても、 の目 的 ・理念で述 べ たとおりであ る が 、 日 弁連 は 、 ニO. 0年 をめどに新規採 用を中 止し、裁判 官任用について国民 が参加する裁判 官推薦 委員会による指 名選考 に切り替える ことを柱とする「法曹 一元」制度の実現をめざす具体的提言をまと め た。. ② 裁判官の採 用方法. 給源で指 摘し た裁判 官を選 任する ために、高 裁もしくは地裁所在地 ごとに、適当 な裁 判 官任命諮問委員会を設ける。. この裁判官任命 諮問 委員会は、裁判 官、検察官、弁護 士、大学 の法律学 教授、市民 の代表によって構成 する。裁判 官. は、裁判 官任命諮問委員会の推薦に基づき、最高裁判所が指 名し、内閣が任命する。再任の場合も同様の手続を踏む ⑨ としている。. 前 述の中坊 審議会委員は、裁判 官候補者の選定 に市民 の意思を導入し、 そ こに市民 的基盤を確保する ことを基本理. 念とすべきであると強調 しておられる。裁判官の選任過 程 及び任命諮問 委員の選 出過 程におけ る公平 ・公正の確保が. 最重要課題と なろう。 この任命諮問委員会に検察 官が入るべきかどうかについては、すでに指 摘したとおりであるが、. 任命 諮問 委員会を設ける主体がはっきり しない 。最高裁が指 名するのだから最高裁 なのか、 それとも任命する内閣な. - 43 -.

(16) 近畿大学法学 第47巻第 3 • 4 号. のであろうか。最高裁だ とする と これ までの議論(キ ャリアシステム ・官僚裁判 官制度の打 破)と食い違う のではな. かろうか。しかしまた、 「 最高裁が指 名し、内閣が任命 する 」方式 以外 とな る と憲法(八 〇条 )の 改 正 を 必 要 と する のではなかろうか。. 大阪弁護 士会の法曹一 元 大綱では、 この点を明 確にしていないが、大阪弁護士会の意 見では、憲法はどのよう にし. て最高裁が指 名する 者の 名簿を作 成 するかについて規定 していないので、独立性をもった裁判官の選 出方法に仮に選. 挙制を導入した としても憲法に違反 するものでないとしているよう である。だ とする と、 名称は「裁判 官指 名諮問委. 任期等. 員会」なのでは と疑問が残ると ころ である。. ③. 任期は 十年 とし、再 任を妨げ ない。定 年 は六十 五歳 とする 。憲法 及び裁判 所法の規定 からも 妥当 と言 えよう。 ④ 裁判 官の地位・待 遇. これ までの裁判官の地 位、待 遇 その他を抜本 的に改革し、裁判 官の給 与は基本的に同一 額 とし、任地は、高 裁管内. において、住居を変 更しないで執務 できる ことを 原則 とし、本人の希望を優先 するとしている。. 給 与について、国会議員のように基本的に同一 額 とする ことについては、官僚裁判官制度の廃 止 という 点からも望. ましく、また、地 域性についても、地域社 会 に根ざした 裁判 官という 意 味では好ましいが、 根 ざし すぎて、利益抵触、. 利 益衝突が起 こる ことのないよう その防止策 を講ずる ことが肝 要であろう。. ⑤ 基盤整備. 弁護士偏在問題を解消 する と共に、弁護 士倫理を確立し、懲戒手続に、市民 の代表の参 加を求め、社会から一層 信. - 44 -.

(17) 法曹の在り方(問題提起). 3. 。. 頼 と尊 敬 を受 け る よ う にす る。. 法 曹 一元 論 者 は、 裁 判 官 の質 ば か りを 問 い、 弁 護 士 の質 を 等 閑 に付 し て いる のは如 何 な も のか と の指 摘 に対 し、 弁. 護 士 ・弁 護 士 会 の自 己 改 革 の必 要 性 と弁 護 士 倫 理 の徹 底 と綱 紀 ・懲 戒 手 続 の適 切 な運 用 が必 要 と な る こと は論 を ま た. な い。 市 民 と司 法 の接 点 は基 本 的 には弁 護 士 であ る と いう観 点 か ら す るな ら、 弁 護 士 の在 り方 はま さ し く司 法 の在 り. 方 を決 定 す ると 言 っても 過言 では な か ろ う。 今 こそ、 果 たし て弁 護 士 が本 当 に裁 判 官 の役 割 を引 き 受 け る こと が でき. る であ ろう か、 と の疑 問 にど こか ら でも 完 全 に答 え ら れ る よ う な弁 護 士 及 び弁 護士 会 の自 己 改 革 を示 す と き と言 え よ. ゜ . つ. 法 曹 一元 を いか に否 定 的 にと ら え た と し ても 、 司 法 の現 状 を放 置 す る こと が でき な い こと は紛 れもな い事実 であ る。. し か し 一方 で、 弁 護 士 及 び弁 護 士 会 の右 の改 革 が な され な い限 り、 法 曹 一元 は、 これ ま でと お り、 「遥 か 彼 方 の長 期. 〉. 的 目 標 」 か 「見 果 てぬ夢 」 に帰 し てし ま う であ ろう 。. 〈注. m 大阪弁護士会 「法曹 一元大綱」平成十 一年三月。 ② ジ ュリ スト ――七0号1 0 ( ― 00年)ニニ九頁以下。 ③ 前掲ジ ュリ スト、二四0頁以下。 ④ 前掲ジ ュリ スト、ニニ四頁以下。 ⑤ 朝 日新聞平成十二年 一月二十二日朝刊。 ⑥ 大阪弁護士会 「 法曹 一元大綱」第ニー10 日本弁護士連合会編 「 市民に身近な裁判所 へ」 日本評論社、 一九九九年、 ―二0頁以下。 ⑧ 朝 日新聞平成十 二年 一月 一― 十 ―一 日朝刊。 m. - 45 -.

(18) 近畿大学法学 第47巻第 3 • 4 号. 記 〉. 前掲大綱第一―| 2 0 日弁連編、前掲書、 一三九頁。 前掲大綱第一―| 3 0 前掲大綱第一―| 4 0 前掲大綱第五。. 〈付. 年 十一月 二 十七 日、清和大学 で開 催され た 日本法政学 会第九十 一回総会・研 究会 で、中坊 公平弁 本稿は、 平成 十 一. 護士による記念講 演に引き続い て行われたシ ンポジ ウム「行政・司法改革の 総合的研 究」 での筆者の報 告をも とに 執. 法政論叢』第 三十六 巻二 号に掲載した内容に、第二 章 として新に「わが国の法曹一元 の歴 史」を追 筆し、同学 会誌 『 加した ほか、図 表を含めて併せ て一 万字 ほど加筆したもの である 。. 、資 産公開、政治(公務 員)倫理等 々、主 として政治 改 革 、 行 政 改 革 等 選挙(政治)資金、公費補助(政党助成). を 長年 研 究対 象として来た筆者が、司法改革(法曹一 元)の問題を(当 時は明確な問顕意識 ではなく、漠然と ではあっ. たが)考え始めたきっかけは、平成九( 九九七 )年 近 畿大学 法学部 が ( とくに 畑博行法学部 長の 尽力 で)アメリカ. 連 邦最高裁のア ント ニン・ スカ リア 判事 とわが国の最高 裁の園部 逸夫判事を招い て コロキ アムを開 催し、憲法解釈の. 方法、日米の司法の在り方につい て議論した折りの司会進行を務 めた ときの こと である(日米の最高裁判事を招いて. の コロキ アムは マス コミでも大き く取り上げられたが、か なり画期的な企画 ではなか ったか と考えてい る)。. その後、 この問題を、研 究テー マの一 っとして真剣に考え始めたのは、昨年 、平成 十 一(一九九九 )年 三月 四 日、. - 46 -. (13) (12) (ID (10) (9).

(19) 大阪弁護 士会主 催の 「 大学 と 『 法曹一元』及び 『 法学教育と実務 との関 係』を語る懇談会 」 に出席してからの ことで. ある。出席した大学 は、関 西の国公立及び私立大学 併せて十 二 大学 (国立では京大、阪 大及び 神戸大、公立から大阪. 市大、私立では関学 、関大、 同志社、立命及び本学 〈 近 畿大学 〉など法学部 を有する八大学 から二 十 二名の法 学部教. 授、大阪弁護 士会からは、 法曹一元推進本部 、 司法改革推進大阪 セン ター、法曹養 成 セン ターなど各 セクシ ョンの本. 部 長(代行)、副本部 長、 委員長、事務 局長をは じめ 二十 五 名が出席し、総勢四十七 名に 及ぶ会 議 で あ っ た 。 そ の 中. で、市民的裁判官制度(法曹一 元)の報 告と懇談が行われ た後、法曹養成、ロ ースク ール、大学法学教育につい ての. 意見交換がなされ た。続い て、大阪弁護士会と各 大学との個別協議( 懇談会)も開 催され 、本学法学部 との懇談会は、. - 47 -. 本学 会議室におい て、本 学法学部 から二 十 四名か 、大阪弁護 士会から八 名が出席して司法改 革をめぐる状況 報 告と 懇. 談 及び大学 法学教育につい ての報 告と懇談がなされ 、 活発な意 見交換が行われ た。な お、 この 間の 六月に近 畿大学法. 学部 春季学術講 演会(法学部 創 立五十周年 の前年) に法曹一 元推進本部 副本部長の明 賀英樹弁護 士を招いて 「 司法 改 革をめぐる諸問題」を講 演して戴い た。. これ まで 、個 別 的弁護士(さん)との付き合い は別 として、u本弁護 上連合会をはじめ大 阪弁護 士会など弁護 士 会. に対しては敬する ことはあっても、積極的に中に入り 込む ことには遠慮 があったのであるが、 このた びの弁護士会 の. (一 九九九 )年七 月 三 日、京都 大学 法学部 創 立 百 周年 記念 ` ソン ポジ ウム. 批判 ・理念型だ け でなく具体的行動を通じた前向きで、真蟄な態度に、 この問題に小生も取り組むイ ン センテ ィプを 与えられ た次第である。さらに、平成十. 等教育局大学 課長 、 園部逸夫元最高裁判所判事、 房村精 一法務 省 司法法制調 査部 長の 五氏 のハ。ネ リス ト(司会 • 田中. 授の基調講 演並びに招待 講演と、小島武司中央大学 教授、坂本 秀文 日弁連 法曹養成 セン ター 委員長 、清水潔文部 省高. 「法曹養成と大学 の法学教育」に出席し、佐藤幸治京都大学 教授、カール・シ ュナイ ダ ー• ミシ ガン ロ ースク ール 教. 法曹の在り方(問題提起).

(20) 近畿大学法学 第47巻第 3• 4 号. 成明 京都大学 教授)によるシン ポジ ウムに参 加した 。そ こで、色 々と 疑問を抱 きながらも、憲法 を研究する一人とし. て 、また大学 の法学 教育に携わる一教員としても一層 問題意 識が強くなったように思われ る。. なお、その間の六月 十 四 日に開 催され た同志社大学 アメリ カ研究 セン ター 創立四十 周年 記念講 演会に招いた アメリ. カ連 邦最高裁のオ コーナー判 事(女性判事)の講 演の内容も、 (司法改革 への)研究上の刺激を 大 い に 受 け た 。 本 研. 究に刺激を与えてくださった各 主催者や講 演者、 パネ リ ス トに対 し記して感謝する。. - 48 -.

(21)

表 1 司法制度に関するデータ各国比較 (1997 年) (最高裁事務総局調べ) 日 本 アメリカ イギリス ドイツ フランス 闊揺隣伝、弁護士) 1 万 9733 96 万 8430 8 万 2653 11 万 1315 3 万 5695 人口 10 万人あたり 法の 曹数 15.6  363  158.3  135,7  61.3  裁判官数(人) 2899  3 万 888 3170  2 万 999 4900  人口 10 万人あた 裁り 判の 官数 2.3  11.6  6.1  25.6  8.

参照

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