王翰詩研究(二〇〇八年度卒業論文要旨集)
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(2) 王翰詩研究. 漢文学研究室 五〇二一猪野田三妙子. 古典文学研究室 五〇四四 河南 枝里. ﹃古今和歌集﹄ における ︵桜︶ の見立て. 本研究では、﹃古今集﹄ における ︵桜︶ ︵﹁花﹂表記の桜の歌. も含む︶の見立ての内容、特徴を明らかにするために、﹃万葉集﹄. 王斡は初磨から盛唐にかけての時代を生きた詩人であり、そ の作品で最も有名なものは、﹃唐詩選﹄などに収められる七言. や、﹃古今集﹄ に続く三代集である ﹃後撰集﹄ F拾遺集㌔ そし. るが、同様の歌は他の歌集等にもある。しかし詠み方を詳しく. ﹃古今集﹄ の ︵桜︶ は、︵雪︶ ︵浪︶ ︵雲︶ に見立てられてい. た。. て同時代の私家集、その他の私撰集、歌合の歌との比較を行っ. 絶句﹁涼州詞二百﹂ ︵英一︶ である。. 本研究の目的は、第一に王翰の作品の特質を探ること、第二 にその経歴や交友関係から、伝記史料だけではわからない人物 についての新たな一面を探ることであった。. みると、撰歌基準から撰者、特に紀貫之の意図が窺えた。. 王翰が作品に多く用いた歌行体は、初唐後期に成立し流行し た形式である。また、代表作である﹁涼州詞二首﹂は、盛唐期. ︵雪︶に見立てた歌は、貫之自身は激しく散る︵桜︶も︵雪︶. のみを撰んでいる。また、﹁白い﹂花や、﹁咲く﹂﹁散る﹂花は、. に見立てているが、甲古今集﹄ には静かで穏やかな ︵桜︶ の歌. に多く作られた辺基詩に分類されるものである。このように、 王易の用いた形式や題材を見ると、その作品は初唐と盛唐の両. に限定し、拡散を防いでいる。. ︵桜︶だけで、︵梅︶︵卯花︶は無く、これらのイメージを︵桜︶. 方の特徴を併せ持っているということがわかる。 王翰は、玄宗朝で宰相として活躍した張説に才能を見出され て中央に抜擢される。張説の失脚に伴って左遷されるが、その. は空に舞う﹁散る﹂︵桜︶、︵雪守 は山間に﹁咲く﹂︵桜︶を見立. ︵浪︶︵雲︶については、﹃古今集﹄は貫之の各一首だけで、︵浪︶. てた歌である。後者は、﹃万葉集﹄ の詠み方を前提にして詠ん. 後も祖詠らの詩人と交友があって応酬した詩が残され、さらに ているものがある。. ﹃万葉集﹄ の花の見立ては﹁咲く﹂﹁散る﹂ ︵梅︶が多かった. だ歌だということもわかった。. 文頓の後輩である杜甫の詩にも、王翰の名をHして高く評価し 官吏として活動したのはわずか数年であったが、王翰は生涯. が、﹃古今集﹄ではこのように︵桜︶ である。また、貫之が﹃古. を通じて楽しみを求めることをやめなかった。時を逃さずに人 生を楽しもうという姿勢は、その詩の中でも複数の作品に表現. 今集﹄ の ︵桜︶ の歌を撰び、イメージの形成を誘導していたこ とがわかった。. されているのである。. 26.
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