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第二言語の視覚的単語認知の処理パターン : 日本語母語話者と中国語母語話者の比較

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(1)

NII-Electronic Library Service

Theノαρα

η

ρsθノournal  o∫ Ps

ychvnomic  Sci娼娜偲

2008

Vc

1

27

 NQ

1

1

12

言 語

視覚 的単

語 認

 

本 語

語話 者

中 国語

母 語

話者

阿  部  純  

北 海道大 学

Processing

 

pattern

 

of

 

second

 

language

 

word

 

recognition

Across

linguistic

 

comparison

Lun

 

WANG

 and  

Jun

ichi

 

ABE

Holekaido

 

University

   The  present study  was  

designed

 

to

 examine  whether  the second  

language

L2

visual  word recognition  

is

 affected  

by

 the 

first

 

language

Ll

word  processing pattern

  Participants were

divided into two groups according  to theirLI

the 

Japanese

 native  speakers  and  the Chinese native speakers

 

Priming

 lexical

decision task 

for

 Eng 】

ish

 word  was  performed  in 

both

 groups

 

The

stimulus

onset

asynchrony (

SOA

)condition  

between

 

the

 prime stimuli  and  target stimulj  was

varied  

in

 

Experiments

 

1

200ms

and  

2

800

 ms

 

In

 

Experiment

 

l,

the 

Japanese

 

group

 showed  a strong  facilitation effect  with  phonological priming  and  the Chinese  group showed  a strong

facilitation effect with  orthographic  priming  on 

L2

 

Eng

ish

 word  recognition

 

A

 simUar  pattern of

the results  of 

Experiment

 l emerged  

in

 

Experiment

 2

 These results  suggest  that the prQcessing

pattern of Ll word  may  be automatically  activated  in L2 English word  recognition

  In other words

 the cognitive  strategies  of Ll constrain  the shaping  of L2 word  processing pattern

Key words :the second  language

 wQrd  recognition

 orthographic  information

 phonologjcal 

infor−

       mation

 priming  effect

 第

言 語 (

L2

字 単 語の 処 理の特 徴を 知 るこ と

特に母 語 (

Ll

)の視 覚 的 単 語 認 知の処理パ

か ら 影 響にっ い て知る こ とは

L2 の習 得に関す る研究に お い て重 要な課 題と な

て い る

本 研 究で は

Ll 環 境の中 で L2 を 習 得 して い る学 習 者 を 対 象 として

彼 らの L2 書 字 単 語の理の につ い て検 討 する

 これ まで の

L1

単 語 認知研究で は

言 語の表 記 体 系が そ の単 語 認 知にどの よ う な影 響を もた らすか が問わ れて き た

例え ば

英 語と中 国 語は

そ れ ぞ れ質 的に 異 な る 表 記体 系

す な わ ちアル フ ァ ベ ッ ト (表 当表 記 )と字 (表 語 表 記 )に よ る表 記 体 系を もつ

表 音表 記 体 系つ 英語の 単語は

1文 字が ほ ぼ 1音

素に対 応 してお り

Department  of Psychology

 

Graduate

 

School

 of

 Letters

 Hokkaido  University

 N10

 W7

 Kita

ku

 

Sapporo

 

O60−0810

語 表 記 体 系を もつ 中 国 語で は

1文 字が 1形 態 素や 1単 語に対 応して い る

こ の ように

英 語 単 語の文 字 と 音の 対応関 係は

中 国 語 単 語の そ れ よ り も

透明 〔transpar

ent}

である ため

英 語 単 語は中 国 語 単 語よ り も音 韻的 符 号 化が容 易で あ る

したが っ て

こ の よ う な表記体 系 の い が

両 言 語で の 視 覚 的 単 語認 知におい て

綴り 情 報 と音 韻 情 報の利 用の程 度に違いを もた らす 可 能 件は 十分にある

 実際

Ll

英語の覚的 単語 認知において は, 綴 り情 報 よ り も

音韻 情 報がに早 くま た臼動 的に活 性 化さ れ

よ り人きな役 割を果た し て い る

とす るえ が主 流で あ る(e

g

Folk

 

1999

Forst,1998

Van

 

Orden,

 

1987

.一

,L1

中 国 語 母 語 話 者によ る漢 字 単 語の認知におい て

音 韻 情 報よ り も綴り情 報の重要が確認 さ れて お り

綴り情 報の活 性 化が意 味 情 報の活 性 化を導い て い る と す る考え が提 出さ れて い る(e

g

 

Leck,

 

Weekes ,

& Copyright 2008

 The Japanese Psychonomic  Society

 A1】rights  reserved

(2)

The Japanese Psychonomic Society The  Japanese  Psyohonomio  Sooiety

2 基 礎 心

fR

学 研 究   第 27 巻   第 1 号

Chen ,1995

Zhou

Mars

!en

−Wilson,2000

Zhou ,

Marslen

Wilson

 Taft

& Shu

1999 )

1

Illl「

語の 視 覚 的

単語 認 知を比 較 する と

英語の単 語 認 知で は

音 韻 情 報

の活 性 化が意 味 活 性 化 を 促 し

綴 り 情 報の活 性 化 はその

後で起こる が

中 国 語の単 語 認 知で は

綴 り情 報が意 味 情 報の活 性 化を促し

音 韻 情 報の活 性 化は意 味 活 性 化と

同 時か その に行わ れ る

とい うこ と が 主張さ れて い る 〔Feng

 Miller

 Shu

& Zhang

2001 ;Perfetti

 Liu

Tan ,

2005 )

す な わ ち

ア ル フ ァ ベ ッ トを用い る英語 と 漢 字を用い る中 国 語の そ れ ぞ れの書 字 単 語の処理パ

ンで は

綴り情 報 と音 韻情 報の 利 用の 程 度と利用の仕 方 に人 きな違いが あ る

とい うこと で あ る

 とこ ろで

L1 凵本語の視覚 的 単 語認 知につ い て は ど うで あろ う か

凵本 語は漢 字と仮 名とい う 2種 類の 文字 表記を もっ 呂

語で あ る

漢 字は表 語 表記体 系の 文 字であ るの に対 し

仮 名 (平 仮名 と 片 仮 名 ) は表 音 表 記 体 系の 文 字で ある

これまで

日本 語 母語 話 者を対 象と し た視 覚 的 単 語 認 知 研 究の 多く は

漢 字 単 語と仮 名 単 語の処 理 パ

が 異 な ること を 上張 して きた

Bolger,

 Pcrfctti

& Schneider

2005 ;御 領

1987;Ishiwatari

 Koga

Nagata,

2002 ;

Thuy ,

 

Matsuo ,

 Nakamura

 

Toma ,

 

Oga ,

Nakai

 

Shibasaki,

& Fukuyama

2004 }

す な 才)ち

そ れらの研 究の結果か ら は

漢 字 単 語を処理 す る場 合は

綴り情報が大き く利 用さ れてお り

逆に

仮名 単語 を処 理 す る場合に は

音韻情報が大き く利 用さ れて い る

と い うこと が示されて き た

これ らの 結 果

上述 し た表 語表 記 体 系の 中 国 語 単語の 処 理パ

と表 音 表 記 体 系 の 英語単語の処 理パ

ン の し な

  以

E

の よ うに

L1 の 書字 単語認 知に は

綴 り情 報と 音韻 情 報が共に利用 さ れて は い るが

その ど ち らが よ り 大 き く利 用 さ れ る か は

,Ll

の 表記体系に依 存 して 異 な る

といえ そうであ る

ま た

の 三語 内であっ て も

複 数の異な る表記体 系をもっ Ll (例え ば

日本 語 )の単 語認知におい て は, 表記体 系の違い (例え ば, 漢字と仮 名 )に よっ て綴 り情 報と音 韻 情 報の利 用の程 度に違いが あ る

とい え そ う で あ る

 で は

こ う し た

L1

の書字単 語の処理パ

ン の違い は

L2 書 字 単語 の認 知に どの よ うな影 響を与える の で あ ろ う か

すな わ ち

L2

学 習 者は

 

L2

書 字 単 語認 知 す る際に

L2 自体の 単語処理パ

ン の特徴を示すの で あろ う か

それ と も

L1 の 書 字 単 語の処理パ

ンの 特 徴 を 示 すの であ ろ うか

例えば

表 語 表 記 体 系 を もつ

Ll

の話 者 が表 音 表 記 体 系を もつ

L2

語 を 認 知 す る 場 合と

表 臨表 記 体 系をもつ L1 の話 者が表 語 表 記 体 系 を もつ L2 の 単 語 を 認 知 する場 合とで は

綴 り情 報 と 音 韻 情 報の 利用に違いが あ るの で あ ろ う か

ま た

違い が あると す れ ば

そ れ はどの よ う な 違 い なので あろ う か

これ らの疑 問を受け

本 研 究で は

英 語をL2 と して 学 習 した 日本語 母 語話者 と中 国 語 母 語 話 者を対象と し

彼 ら が

L2

英語の 書 字単 語を認 知 する際に 用い る処理パ タ

ンにつ い て検 討 する

そ し て

両 群それぞれの英 語 単語の 処 理パ

Ll

あ る 日本 語中 国 語の 単 語 処理バ

と どの よ うに関 係して い るかにつ い て検 討 する

 

L2

英 語の視覚的単 語認 知 にっ いて検 討し た研究 がい くっか ある

W

ang

 Koda

& Perfetti〔2003 )は

意 味カ

テゴ

判 断 課 題 を 用

韓 国 語 母 語 話 者と中 国 語 母 語 話 者を参 加 者と して

,L2

英諮 の書字単語の 処 理パ

調べ た

その 結 果

中 国 語 母 語 話 者は韓 「司語 母 語 話 者よ りも綴り情 報を大 きく利 用 する が

韓 国 語 母語話 者 は 中 国 語 母 語 話者よ り も音韻情報 を 大 き く利 用す ること が示さ れ た

彼ら は

それ ぞ れの Ll の表 記 体 系が英 語 の 書 字 単 語の認 知に影 響 を 与え る可 能 性 を 指 摘 して い る

また

阿 部 (2007 }は Wang  et aL 2003 じ課題 を用い て

日本 語あ るいは中 国 語をLl と す る英 語学 習 者が

英 語の書 字 単語 を 認知す る際に用い た処理 パ

ン の性 質検 討し た

結 果

,L2

英語 単語 理 する際に

中 国 語 母語 話 者は 日本語母 語 話 者よ り も綴 り情 報をよ り大き く利 用す る が

ロ本語 母 語話 者は中 国 語 母語話者よ り も音 韻情 報を よ り大き く利用す ること が 示さ れ た

こ の 結 果か ら

阿 部〔2007 )は

L20 ) 覚 的 単語 認 知に は

L1

の視 覚 的 単 語 認 知の処 理パ

ンが転 移 的に適川 さ れて いる と考 察 して い る

  本 研 究で は

,ti。

阿 部{2007 >の研 究と同じ凵 的で

彼 らの課 題とは異な る課 題 (プ ラ イ ミング

語 彙 性 判 断 課 題) を 用 い て

 目本語 母 語 話者と中「司語 母 語 話 者 が

L2

英 語の 書字単 語を認知す る際の綴 り情報

音 韻 情 報

意 味 情 報の利 用の程 度にっ い て探り

表 語 表記体 系をもつ 中国 語の語 話 者と表

tt

表記体 系と表音表記体系の両 方 を もっ 本 語の母 語 話 者が

表 音表記 体 系をもっ L2 英 語の視 覚 的 単 語 認 知の特 徴を比 較 する

具 体 的に は

中 国 語 母 語 話 者 と円本 語母語 話 者が

英 語 書字単 語を 認知 する

語のり情 報

音韻情報

そ して意味情 報 をそれぞ れどの よ うに利用する かを比 較 検 討す る

もし も

中 国 語 母 語 話 者と凵本語 母 語話 者の 間で

英語書字 単語 を 認 知 す る

E

綴り情 報

音 韻 情 報

意味 情 報の いずれ の利 用に も差が 見られな い な らば

両 群の 間の 英 語 単 語 認知は

,L1

語 処 理パ

ン に 影 響さ れ ず

L2 の英 語の特 徴のみに基づ いた処理パ

に よ なされたことに なる

逆に

両 群の 間で

英 語 書 字 単 語

(3)

NII-Electronic Library Service 王

阿 部:第二 言語の視 覚 的 単語 認 知の処理パ

3 の認 知におい て各 情 報の利 用に差 が見ら れたな らば

そ の 英 語単語 認知 は

そ れ ぞ れの 群の

L1

語処理 パ タ

ン の影響を受けて いる 口能性大になる

  本 研 究の実 験 課題 は

視 覚 的フ

ラ イ ミン グ

語 彙 性 判 断課 題であ る

こ の課 題で は

プ ラ イム単 語と タ

ゲ ッ ト単 語が 1語 ずっ 川貞に呈示さ れ る

こ の プ ライム単 語 と タ

ゲ ッ ト単 語は

本 実 験 研究で は

次の 4 種 類の 関 係 で組み合わ さ れて いる

す な わ ち

ゲ ッ ト単 語と綴 りが 類 似し て い る 「綴りプ ラ イム 単 語

音 韻が類 似 し て い る 「音 韻プ ラ イム単 語

意 味 的 関 連の強い 「意 味 プ ライム」単語

無 関 連な 「無 関 連プ ライム」単 語の 4 種類で あ る

実 験参加者に は

プ ライム さ れる 夕

ゲッ ト単語が英 語 単 語で あ る か否か を判 断す る こ とが 求め られ る

実   験  

1

  本 実 験で は

L1 の 単 語 処理パ

ン がL2 の 単 語の 処理パ

ン に 影 響 を 与え るとい う仮 説を検 討 する

こ の仮 説が 正 しい と す れ ば

表語表記体 系を もっ 中国 語 母 語 話 者は

L2 英 語の 単 語を認 知 する際に Ll の 単 語 処 理パ

ン の 影 響を受けて

音 韻プ ラ イ ミング効 果よ り も綴り プライミング効果の ほ う が大き く な るこ と が 面 則 さ れる

これにして

日本語母語話 者は

漢字 (表語 表 記 体 系 )と仮 名 (表 音 表 記 体 系)の 2種類の 語 処 理 パ

て い る とえ ら れ る た め

英 語ル フ ァ ベ ッ ト (表 音 表記体 系)の単語を認知 する際に

そ の 2 種 類の

ン の ど ち ら か

方の 単処理パ

ン の影 響を受け ることになる は ずで あ る

も し も

同じ表 音 表記体 系の仮 名 文 字の 単 語 処理パ

ン の影 響を受け る と す れ ば, 音韻プ ライミング効 果が綴 りプ ライ ミング 効果よ りも強 く現れる はずで ある

た だ し

そ う な っ た 場合

こ の結 果 が

L1 の仮 名 文 字の 単語 処 理パ

ンの 影 響によ る もの か

そ れ と も

その 段 階で 形 成さ れてい る L2 英 語の 単 語 処理パ

ン に よる もの かにっ い て は

き り と は断 定で き ない

.一

漢字の 単 語 処理 パ

ン の影 響を受ける と す れ ば

中 国 語 母 語 話 者と同 様に

綴りプ ラ イ ミン 効 果音 韻プ ラ イ ミン 効 果よ り も よ り強 く認め ら れ る はずである

ただ し

こ の 後 者 の結 果が生じ た場 合で も

その そ れ ぞ れの L1 の表 記 体 系の違いを反 映して

日本 語 母 語 話 者は中 国 語 母 語 話 者 よ りもよ り大きな音 韻プ ラ イ ミン グ 効 果 をすの に対 し て, 中 国語母語 話 者は

R

本語 母語話 者よ りもよ り大 きな 綴 り プ ラ イ ミン グ効果を示す

とい うこ と が予 測さ れ る

 これ と逆の仮 説は

Ll

の 単 語 処 理パ

L2 単語 処理パ

影 響え ず

両 者に は 係も ない とい う考えで あ る

この仮 説に従え ば

日本 語 母 語 話 者 と 中 国 語 母 語話者で は

,Ll

語 処理パ

ンが

R

なる に も か か わ ら ず

L2 英 語の 単 語 処理は同 じ パ

音 韻 イ ミ効 果 ミ ン グ効巣に も違い は 認 め ら れ ない

とい うこ とにな る

方 法   実 験 参 加 者   参 加 者は

正常な視 力を もっ 44 の 囗 本 語 母 語 話 者と 46 名の 巾 国 語 母話 者の 2群で あ

両 群は

年 齢

教 育 歴

英 語 習 熟 度の

E

で 大 きな差 異がない よ うに選ばれた

す な わ ち, 日本語 母 語話者は, 日本の 大学 生と大学院生であ っ て

かつ

日本の 「実 用 英 語 技 能 検 定 」2級の者か ら選ばれ た (平 均 年 齢は 21

4 歳

英語学習経 験 平均

9.

54

年)

中 園語母語話者は

中 国の大 学 生と大 学 院 生で あっ て

かつ

中 国の 「全 国 大 学 英 諳検定 」

4

級のか ら 選 ば れ た (平 均 年 齢は

21

歳, 英 語 学 習 経 験 平 均 9

48 年 )

両 群の英 語 習 熟 度にっ い て は

目本の 「実用英 語技能検 定」2級と中国の 「全 国 大学 英語検定 」

4

級を直接比較す る デ

タ は ないが

そ れ ぞ れ の等 級 に相応 す る TOEFL の点 数 は共に 450

507 点と さ れて お り

こ の こと か ら

両 群の英 語 習 熟 度は同 等の 範囲内に あ ると見な すこ と がで き る

な お

日本 語 母語 話 者 群 中の 7名は

「実用英 語 技 能 検 定」の 果 は 3 級で あ

た が, その 検定を受け た後に

TOEFL

を受 検し て お り

そ の点 数が450

507 点の範 囲 内に入る もの で あっ た こ と か ら

同範 囲 内の 英 語習熟度を もっ と 見な し

参 加者に加え ら れ た

  実 験 計 画   実 験は

参 加 者 群 (日本 語 母語 話 者と中 同 語 母 語 話 者の 2 水 準

被 験 者 間 要 因 )

プ ラ イム タ イ プ (綴り

音韻

意 味

無関連の 4 水準

被験者 内 要因)の 2 要 因 混 合 計 画により実 施さ れ た

  材 料 と 装 置  

36

語の タ

ゲッ ト申 語

お よび

そのそ れ ぞ れ と ド記の

4

関 係を もつ ラ イム 単 語 144 語 (36語 ×4)

計 180 語の単 語が用 意さ れた

これら の 英 語 単 語 は

日本の 「大 学 英 語 教 育学 会 基 本 語 1丿

JACET80001

か ら選ば れ た (Appendix 参 照 )

単語の 平 均 文 字 数は 4

2字 {SZ)

0

7)

平 均 出 現 頻 度は Kucera & Francis 1967に よ れ ば 1709 SD

87

5で あ っ た

 プ ライム , 夕

ゲッ ト単語 との 関 係によ っ て, 綴 り 条 件

音韻 条 件

意味条 件

無 関連条件の 4条件が 用 意 さ れた

すなわ ち

綴 りプ ライム条 件 (プラ イム 語が タ

ッ ト単語と綴り的に 類 似して い る

例えば

プライム単 語

floor

ゲ ッ ト単 語

fiour

音 韻プ ラ イ ム 条 件 (プラ イ ム単 語が タ

ゲッ ト単語と音 韻 的に N工 工

Eleotronio  Library  

(4)

The Japanese Psychonomic Society The  Jap 直nese  Psyohonomio  Sooiety

4 基礎心 理学 研究  第27 巻   第 1号 類 似 して い る

例え ば

プ ラ イム 単 語

nower

ゲッ ト単 語

fiour

意味プライム 条 件 プライム 単 語 が 夕

ゲ ッ ト単 語と意 味 的に関 連して い る

例え ば

プ ラ イ ム 単 語

bread

ゲ ッ ト単 語

fiour

無 関 連 条 件 (プライム と タ

単 語 な い

例え ば

プ ラ イム 単語

drive

ゲ ッ ト単 語

flour

)の 4条 件で あ る

こ の 4 条 件の プ ラ イム 単 語

,36

語の タ

ゲッ ト単語 そ れ ぞ れにつ い て用意 さ れ た

4 条 件の プ ラ イ ム単 語それ ぞ れ は

の 夕

ゲッ ト単 語と組み合わせ て果 示さ れ

合 計 144 対の プ ラ イ ム 単語と 夕

ゲッ ト単語の組み合わせ が

ゲ ッ ト試 行

材 料と して用い ら れ た

  参 加 者の課 題は

プ ラ イ ミング語 彙 性 判 断 課 題で あっ た

参加 者に は

最初にプ ラ イム 単 語が 呈 示 さ れ

続い て別の 文 字が 呈示さ れ た

参 加者は

、2

に呈示さ れ た文 字 列が英 語 単語で あ る か ど うかを判 断 し た

上 述 した 144 対の プ ラ イム

ゲッ ト単語の 正反応 は

Yes ”

反 応と な り

これ らの試行が分 析の対 象と な る

ゲッ ト試 行

と さ れ た

全実 験 試 行の

Yes

反 応と

No ”

反 応の正 答 数 を 等 し く 用意 する ため に

そ れ 以外に

フ ィ ラ

試行

と して

Yes”

反応が期 待さ れ る 36試 行 用の プラ イム 単 語 (36 語 )

ゲッ ト単語 (36 語 ) 対

および

逆に

No

反 応が期 待される 180 試 行 用のプ ラ イ ム 単 語

60

語 )

ッ ト非単 語 (180 語 ) 対が用 意さ れ た

これ らの フ ィ ラ

試行で 呈示さ れ る単 語と して は

ゲッ ト試行で呈示さ れる単語 と同 程 度 の親 近 性をもち

同 程 度の文 字 数を もっ単 語を選んだ

フ ィ ラ

試 行の 中で

Yes ”

反 応が期 待さ れ る試 行で 畢 示さ れ る 36 対の プライム単 語

ゲッ ト単 語は

ゲッ ト単 語の 文 字 数がプ ライム単 語 と 同じ で あ る が

そ の綴 り や音 韻が プ ラ

イム単 語 と は異な る よ う作 成さ れ た

フ ィラ

試 行で 旱示さ れ る

180

対の プ ラ イム 単語

ゲッ ト非 単語は

ゲッ トと なる非 単 語が プラ イ ム 単 語と綴 り的に似て い る もの

音 韻 的に類 似 する も の

お よ び関 連の ない もの の

3

種 類を作 成し た (各 種 類 につ き60 個 )

具 体 的に は

プ ラ イム 単 語と視 覚 的に綴 り が似て い る非 単 語は

文字数が プ ラ イ ム

プライム単 語

1

文字を変 更 する か

ま た は

連 続 する 2文 字を入れ替え た もの で あ っ た (例え ば

プ ラ イ ム

sky

, 非 単語

syk

音 韻的に類似 する非 単語 は

文 字 数が プライム 単語と同じで ない こ と も あ る が

プ ラ イム単 語 音 韻 的に類 似 する よ う作 ら れ た (例え ば

プ ラ イム 単語

sky

非 単 語

skai

関 連の ない非 単 語は

文 字 数が プライム 単語と同 じで

プラ イム単 語 と視 覚 的に も音 韻 的に も全 く似て い な い文 字 列で あっ た (例えば

プ ラ イ

単 語

sky

非 単 語

wmx

単 語 材 料の呈示

反応 カテ ゴ リ

(Yes/No)お よ び反 応 時 間の 記 録にはパ

ル コ ン ピュ

タが用い ら れ た

 な お

本 実 験 1で は

プ ライム単語の呈 示時間 を200 ms に設 定 し た

こ の呈示 時 間は

 

L1

の 単 語 認 知を扱 っ

た Zhou & Marslen

Wilson (2000)の呈 示 時 間に準 拠 し た

彼らの実 験で は

プ ライ ム 語 をに認知で き る 呈示 時 間を 57ms と200ms に設定

L

てい た

本 実 験 1 で は

呈 示さ れ る単 語が参 加 者に とっ て L2 で ある こと を 考 慮に入れ

彼 らの 呈 示 時 問の長い ほ う で あ る

200

ms に設 定 し た

  手 続 き  実 験は

個 人ご とに防 音 室で行わ れ た

参 加 者は

コ ン ビ=

タ の 画 面か ら約 60cm 離 れた ところ に座 り

反 応 ボ ッ クスを 通 して反 応 し た

参 加 者 は

全 て の英 語 単語ま た は文 字 列が

白い画 面の 中心に黒い小 文 字の ア ル 7 ア ベ ッ トで 呈 示さ れ るこ とを告げ ら れた

 課 題 は

覚 的プ ラ イ ミ ン グ

語彙 性 判断 課 題で あ っ た

Figure

 

1

1

試 行の流れ を示 す

最 初に画 面の 中 心 に

印が 500ms 間早示され

参 加 者は そ の c

印 を 注 視し た

次に

100ms

間の空 白の 後に

1

っ の 単語 (プ ライム

え ば

bear) が 200 ms 間呈示さ れ

参加 者は それ を画 面か ら消える まで黙 読し た

続い て

1つ の文 字 列 (夕

ゲッ ト

例え ば

bare)が 呈 示さ れ

参 加 者は

その文 字 列 が 英 語の単 語 で あ る か ど う かの 語 彙 性判 断を行

反 応は

反 応ボッ クス上の指 定さ れ た 2っ の ボ タン を

そ れぞ れ 左右の人 差 し指で押すこ とに よ っ て行 っ た

すな わ ち

文字 列が 英 語単語で あ れば

YES ”

タンを

t

そ うで は な け れ ば

NO ”

ボ タンを

で きるだ け早く かつ 正に押す よ う求め ら れ た

ボ タン の 位 置 (左と右) と反 応カ テゴ

Yes

No

の 割り当て は 被 験 者 間で カ ウ ンタ

ン ス を取っ た

反 応時間お よ

Flgure l

  The  time coursc  of the display of

 each  trial used  in Experiment  l and  Experi

(5)

NII-Electronic Library Service 土

阿部:

二二呂語の 覚 的 単 語 認 知の処理パ

ン 5 び反 応ボ タン の 選択が記録さ れ るの と同 時に

文字列は 画 面上 か ら消え,

500ms

の間 隔を おい て次の試 行が始 ま っ た

  参 加 者は

まず 10試 行の練 習 を 行い

その後

144

の タ

ゲッ ト試 行 (各 条 件に つ

36

試 行 )

216

の フ ィ ラ

試行 (

36

対の 単 語

単 語 と 180 対の 単 語

非 単 語 の 紐み合わ せ)の

計 360 試 行か ら なる実 験 試 行を行 っ た

こ れ らの実 験 試 行は

5セ ッ ショ ンに ラ ン ダム に振 り分け ら れた

各セ ッ シ ョ ン内で の試 行の順序は

参 加 者ご とに ラン ダム と し た

各試行に お け る反 応の フ ィ

ドバ ッ ク は

練 習 試 行で は与え ら れ たが

実 験 試 行で は 与え ら れ な か っ た

セ ッ シ ョ ン間に は

5

分 間の休 憩 を 挟 ん だ

実験全体の所要 時は約

50

分で あっ た

結 果   正 反 応のみに つ いて反 応 時 間 を 分 析した (その 割 合は 94

9% )

押 し間違 え や 無 反 応 とい

たエ ラ

反 応 は分 析か ら除 外さ れ た (全 体の 0

4% )

また

被 験 者ご とに

各 条 件の 平均反 応 時 間 か ら±

2SD

を 超 え た 値 も 分 析 か ら除 外さ れ た (全体の L3%)

各 条 件の 平 均 反応時 間を Figure 2 に示す

 各 条 件の 反応時間に つ い て , 参加者群 (凵本語 母 語話 者

中 園 語 母 語 話 者の 2水 準 被 験 者 間 要 因), プライム タ イフ (綴 り

音韻

意 味

無 関 連の 4水 準

被 験 者 内 要 因 ) を 要 因とする分 散 分 析 を 行っ た

そ の結 果

参 加 者

ge

 

F

1,

88

438

 

p

05)

およびプラ イ ム イ プ (

F

3,

 

264

13

61

,p

001の 主効果が 有意で あ

ま た

参 加者群 と プ ライム タ イ プの 互作 用が有 意で あ っ た (F(3

264)

10

98

.p

001)

こ の交互作 用にお け る単純 主効果 を検定 した結果

音韻プ ラ イム 味プライム条 件におい て

参 加 者 群の効 果が有 意で あっ た

F

1

352

11

96

p

001F1

352

4

38

p

05

ま た

日本 語 母 語 話 者 群と中 国 語 母 語 話 者 群それ ぞ れに お い て

プ ラ イム タ イ プの 効 果が有 意で あっ た (F(3

264)

11

13

p

001 ;F(3

264)

13

45

p

001

 

L1

本 語 母 語話者で は音 韻プ ラ イム 条 件 反 応 時 間

3

条 件よ り も有 意に短 く

中国 語 母 語 話 者で は綴り プ ラ イ ム条件の 反 応時 間が他の 3条 件よ り も白意に短 か

  本 実 験が検 討しよ うと す る の は

綴 りプ ラ イム条 件

音 韻プ ラ イム 条 件

意 味プ ラ イム条 件それぞれ と無 関 連 プ ラ イ ム 条件 じ たプ ラミング効果のいで あ る

以下で は

綴り プライム条 件

音 韻プライム条 件

意味プ ラ イム 条 件そ れ ぞ れ と無 関 連プ ラ イム条 件の反応 時 間の差を, 綴り プ ライ ミング効果, 音韻プライ ミン グ 効果

意味プライ ミン グ効 果と呼ぶ こ とにする

そ こ で

凵本 語 母 語 話 者 群 と中 国 語 母 語 話 者 群の そ れ ぞ れのり プ ライミング効果

音 韻プ ライ ミング効 果

意味プライ ミ ン グ 効果にっ い て分 析を行

両 群の綴 りプラ イ ミ ング効 果

音 韻プ ラ イ ミン グ効 果

意 味ブ ラ イ ミン グ効 果 を

Figure

 3 に示 す

[]本 語 母語 話 者で は

f

韻プ ライ ム 条 件と無 関 連プライム条 件に有 意な差が見 られ た

す な わ ち

音 韻ブ

ラ イ ミング効 果は有 意で あっ た 〔F(1

43

=16,

80,p

001

ま た

綴 リプ ラ イ ミン グ 果と 意味プ ラ イ ミ ン 効 果有 意で あっ た (F(

L43

16

82〜

p

001 ;F〔1

43)

4

34

p

05}

また

綴りプ

ラ イ ミン グ効 果と意 味プ ライ ミン グ効果 よ り も

音 舐ブ ラ イ ミン グ 効 果 がよ り大 き く見ら れ た {

F

2,131

=8.

52,

p

001

 

中 国 語 母 語 話 者で は

綴りプ ライム 条 件と無 関 連プライム条 件の間に有 意な差が見 られた

す な わ ち

綴 りプ ラ イ ミン グ効 果は有 意で あっ た が (F(1

45

=2LO4 ,

ρ<

001

音 韻ブ ライミ ング効 果と意 味プラ イ ミン グ効 果は有 意で は な かっ た

また

綴 りプライ ミ ング効 果は綴りプ ライ ミング効果 や意 味プ ライ ミン グ効 300 

750      @口@ Chine E

m

  网  

 

細 ( 晝 ) 霍 F 。 劭 α 匡 DOrthopmNc      P  岬c81  

 

    m

c onca            Pri

弋ypeFigure  2,  Response  

times

 for each  

condit

n

 in  the native  Japanese  and Chinese  speak

s

 in  Experim t  D0 60 0   0   @0   0   0 5 4

 

3   2

 

1 ( 窪 )

E

選凵 三E=α 一1 」Chinese

peneso 』 Orthographic    Phonelogice

@

 SementicFigure  

3

, Priming  

effects

 for O

hographic

,  Phonological , Semantic  primes  i

@the

 native  Japanese  and Chinese  speake

 in  Expc

(6)

The Japanese Psychonomic Society The  Japanese  Psyohonomio  Sooiety

6 基 礎 心 理 学 研 究   第 27 巻   第 1号 果よ りも大きく見ら れ た (

F

2,137

)= 17

6LP 〈

001

  各 条 件にお ける誤 反 応 率につ い て も分 析を行っ た

日 本語 母 語 話 者で は

誤反 応 率は綴 りプ ラ イ ム 条 件

6.

5

音 韻プ ラ イム条 件が

5.

2

意味プラ イム 条件 5

3%

無 関 連プ ラ イム 条 件4

4 で あっ た

中 国語母 語 話者で は, 誤反 応 率は綴リプ ラ イ ム条 件3

7%, 音韻プ ライム条 件が 4

1

意味プライム条

5.

1

無 関 連プ ラ イ ム条 件 6

5 で あっ た

日本 語 母 語 話 者と中 国 語 母 語 話者につ いて

参 加 者ご とに各 条 件の誤 反 応 率 を 角 変 換し た値につ いて

反 応時 間の場 合と同様に

参加者 群

ブラ イム タ イ プを 要 因と す る分 散 分 析を行

その

いず れの主 効 果 も有 意で は な か っ たが

2

要 因の 交 互作 用が有意傾 向を示 し た 〔

F

3,264

)=

2.

23 ,

p

1

の交 互 作用におけ る単 純主効 果を検 定 し た結 果

日本 語 母 語 話 者に おい て は ブ ラ イム タ イ プ の 効果が 有 意で は な か

た が

中 国 語 母 語 話 者において プ ラ イ ム プの 効 果が有 意で あっ た (

F

3,264

=6.

13

pく

001

綴 りプラ イム条 件が無 関 連プ ラ イム 条 件よ り も有 意に誤 反 応 率が 低か っ た

ま た

音 韻プ ラ イム条 件が無 関 連プ ラ イム条 件よ り も有 意に誤 反応 率が低かっ た

考 察  日本語 母 語 話 者と中 国 語 母 語の 結 果を比 較した とこ ろ

H 本 語 母語話 者の場 合

音 韻プ ライム条 件

綴 り プラ イ ム条 件意 味プライム 条 件より も反 応 時 間が有 意 に短 か っ た

こ の 結果 は

日本人英語学習者が英語単語 を処理する際に

単 語認知の よ り早期に 音 繊が自動 的に活 性 化さ れ る こと を 意味 して いる

これに対 して

中 国 語 母語話者の 場 合

綴 り プ ラ イム 条 件

音 韻プ ラ イム 意 味プ ラ条 件よ り も反 応 時 間が有 意に短 かっ た

こ の結 果は

中国 人 英 語学習者が英語 単 語を処 理す る際に

綴り情 報が単 語の認 知に 大き な役 割を果た して い ること を 示 唆 して いる

これ らの結 果 か ら

口本 語母 語 話 者と中国 語 母 語 話 者 が

英 語 単 語 を 認 知 す る 際 に

異な る処 理パ

使 用 して い る こ と が

 日本語母語話 者が英 語 学語 を認知す る際に は

綴りプ ラ イ ミン グ効 果

音 韻プライ ミン グ効 果

プライミ ング効 果の すべ 有 意で あっ た

こ の結 果は

日本 語 母語話 者が, 英 詰単語 を処理 す ると き

綴 り 情 報

音 韻 情 報

意 味 情 報によ る促進効果を受け た こ と を意 味し て い る

ま た

目本 語 母 語 話者の韻プラ イ ミ ング効 果は

綴り プライ ミン グ効 果や意 味プ ラ イ ミング効 果よ りも顕 著で あ

こ の 結果 は

i

本語母語話 者が

英語単 語 を処理 する際に

音 韻

清 報を 最 も利 用して いたこ と を示 してい る

 

中 国 語 母語話 者で は

綴 りプ ライ ミングに よ る 促進効果の み が有 意で あ

こ の 結果 は

中 国語母 語 話 者が英 語 単 語を処理する際に

綴り情 報が 英 語単 語の 認 知を促 進した こ とを意 味し て い る

また

中 国 語 母 語 話 者の音 韻プライ ミン グ効 果と意 味プ ラ イ ミン 効 果 見られ な か っ た

これら の結 果は

中 困語母 語 話 者が英 語 単 語を処理する と き

音 韻 情 報と 意味 情 報が ほ と ん ど 利用さ れ な か っ たこ と を意味し てい る

  円本 語 母 語 話 者と中 国 語 母 語 話 者の プラ イ ミ ン グ効 果 を 比べ て見る と

日本 語 母 語 話 者は

中 国 語 母 語 話 者よ りも音 韻プ ライミング効 果が大 き かっ た

目本 語 母 語 話 者は

,L2

英 語 単 語を処理 す る際に

中 国 語 母 語 話者よ り も音 韻 情 報 を 利 用 して い るこ と が推 測で きる

. 一

中 国 語 母 語 話者は

日本語母語話 者よ り も

綴 りプ ラ イ ミ ング効 果が大き かっ た

こ の こと か ら

中国 語母語話者 が

日本 語 母 語 話 者よ りも綴り情 報をよ り大き く利 用し て い ること が推測で き る

  綴り

音韻

お よ び意味によ る プ ラ イ ミング 効 果 を 比 較す る と

両 群 共に意味プ ラ イ ミング 効 果 が 綴 り プライ ミン 効 果 と 音 韻プ ライミン 効 果よ りも小さ か

ま り

本 実 験で 用い た意 味プ ライ ム単 語

そ の次に 呈 示さ れ た タ

ゲッ ト単 語の 認 知を ほ とん ど促 進し な かっ た とい うこ とで ある

こ の こ とは

本 実 験で用い た プ ラ イム 呈 示 時 間の 200ms は

参 加 者が プ ラ イム単 語 の意 味か ら 夕

ゲ ッ ト単 語を連 想す る た め に は短す ぎ た のか もし れ な い こ と を意 味する

すな わ ち

本 実 験 1で の プ ラ イムの 呈示 時 間が短 す ぎる ため に

L2 英 語 単語 を 認知す る際に

その単語の意 味 情 報が十 分に活 性 化され な か

た とい うこと が考え ら れ る

で は

プ ライ ム 単語の呈 示 時 間 を もっ と長くすると

単 語の意 味 情 報 が利用さ れる よ うになるの で あ ろ う か

ま た

プ ライム 単語の呈示 時 間を長く変 化するこ とによ

て, 本 実 験 1 で得 られた結 果のバ

な る結 果じ るの で ろ うか

そこで

実験

2

で は

プ ライ ムの呈示時間 を より長 く

800ms に設 定 して

両 群の語単語の 理パ タ

ンの特 徴を再 検 討 する こ とにする

実  験   2

  実 験 2で は

実 験 1よ り も長い プ ラ イ ム 呈示 時 間 {

800

 ms いて 日本 語母 語話者と 中 国 語 母 語 話 者が 英語単語を 認知す る際の

り情 報

t

音韻 情 報

お よ び

意 味 情 報の利 用の特 徴 を比 較 する

方 法  実 験 参 加者 参 加 者 は

止常な 視 力 を もつ

30

名の

H

本 語 母 語 話 者と31 名の 中 国 語 母 語 話 者の

2

群で あっ た

彼 ら は

実 験

2

と は 異 な る参 加 者で あっ た

両 群と

(7)

NII-Electronic Library Service 王

阿 部:第t 言語の視 覚 的 単語 認 知の処 理パ

7

年 齢

教 育 歴

英 語 習 熟 度の点で大き な 差異が ない よ うに選ばれた

両 群の 英語習 熟 度の統 制にっ い て は

実 験

1

と同じ方 法で行

目本 語 母 語 話 者 群は, 日本 の大 学 生と大 学 院 生であ っ て

か っ

日本の 「実 用 英 語 技能 検定 」2 級のか ら選ばれた (平 均年齢 21

5 歳

英 語 学 習 経 験 平 均 10

1年)

巾 国 語 母語話 者は

中 国の大 学 生と人 学 院 生であっ て

か つ

中 国の 「全国 大 学 英 語 検定 」

4

級の か ら選 ば れ た (平 均 年 齢

25,

3

英 語 学 習 経 験 平 均 11

76til)

な お

日本語 母 語話 者群中の 2 名は

「実 用 英 語 技 能 検 定 」の 結 果は 3級で あ

た が

そ の検 定を受 けた後に TOEFL を受 検して おり

その点 数 が 450

507 点の範 囲 内に入る もの で あ っ た こ と か ら

同範囲内の語 習熟度を もつ な し , 参加 者に加え ら れ た

  材 料と装 置   実 験 1と同じ材 料と装 置を用いた

  手 続 き  実 験 1で 用い た プ ラ イム 単 語の呈 示 時 間を 800ms に変 更 し た

ま た

フ ィ ラ

試 行 を 実 験

1

216

試 行か ら 144 試 行に減 ら した

こ の 144 フ ィ ラ

試 行は

すべ て 単語

非 単 語 試 行であ り

ゲッ トと な る非 単語がプ ラ イム り的にて い る もの

音 韻 的に類 似する もの

お よ び関 連の ない もの の

3

種 類か ら 成り立っ て い た (各 種 類につ き48 個 )

ゲ ッ ト試 行

144

, フ ィ ラ

試行

144

の計

288

の 実 験 試行 は

,4

セ ッ シ ョ ンに振り分け られた

こ の他の手 続きは実 験 1 と同 じ で あ る

結果  実 験 1と同 様に

E

反 応の みにっ い て反 応 時 間 と 誤 反 応率を分 析 し た

各 条 件の平 均反 応時 間を Figure 4 に 示す

  各 条 件の反 応 時 間にっ い て

参 加 者 群

プ ラ イム タ イ ブを要因 と す る分散 分析を行っ た

その結 果

参 加 者 群   溜   脚   网    

。 EF 。

29

の 。 =     0       0曲o騨 phio       Phonol 噌

81       S6

 

眈lo           C

 

肋I       P而m6

 

Typo

Figure 4

  Response  times  for each  condition  in

 the native  

Japanese

 and  

Chincsc

 spcakcrs  in

 Experiment  

2.

F

L59

=28.

94,

 

p

Ol

), お よ び ブ ライム タ イ プ (

F

3,

177)

5

25

p

Ol)の主 効 果が有 意であっ た

また

参 加 者 群と プ ライム タ イ プ の 交砿作 用は有意 で あ

た (F〔3

177)

4

77

p〈

Ol)

こ の交彑作 用におけ る単純主 効 果を検 定し た結 果

4 プ ラ イム条 件に お い て

参 加 者 群の 効 果 が台意で あ

た 〔F(1

236)

9

59

 p<

OlF1

236 }

28

92

p

01;F〔1

236}

30

56

p

Ol;F(1

236 }

=26.

85,p

0

})

ま た

目本 語 母 語 話 者群と巾 国 語 母 語 話 者群そ れ ぞ れにおいて

プ ライム タイ プの効 果が有意 で あ

っ’

た {F(3

177)・

10

46

P

01F3

177

8

34

p

Ol

日本 語 母 語 話 者で は音 韻プ ライム 条 件の反 応 時 間 が 他の 3条 件の 反 応 時 間よ りも有 意に壇く

中 国 語 母 語 話 者で は綴り プ ラ イム の反 応時 間が他の

3

条 件の 反応時間よ り も有意に短かっ た

  次に 凵本語母 語 話 者 群と中 国語母語話 者群の それ ぞ れ の プ ラ イ ミ ング効 果にっ い て分 析を行っ た

両 群の綴 り プ ラ イ ミン グ効果

音 韻プ ラ イ ミング効果

意味プ ラ イ ミン グ効 果を Figure 5 に

日本語母語話 者で は

音 韻プ ライム条 件と無 関 連プライム 条 件の間に有 意な差が 見ら れ た

すな わ ち, 音 韻プ ラ イ ミン グ効 果は

fJ

意で あ

た (

F

1,29

=18,

79,

p<

001

リ プライ ミン

意 味プ ラ イ ミン グ効 果は ともに有 意で は なか っ た

ま た

綴りプ ライ ミング効果 や意 味プ ライ ミン グ効果 よ り も

韻プ ラ イ ミン が大き かっ た (F{2

 89

11

95

p

OOI

.一

中 圓 語 母 語 話 者で は

綴 りプ ラ イム条件と無 関 連プ ラ イム 条件の 間に有意 差が 見ら れ た

す な わ ち

綴 りブ ライ ミ ング 効 果 が 行 意であ っ た (

F

L30

=31,

72

p

OOI

しか し

音 韻プ ライミ ン グ効 果と 意味プライ ミン 効 果は 共に有

意で は な か

ま た

音韻プ ラ イ ミン グ効 果や意1味プ ラ イ ミン グ効 果よ り も

綴 りプ ラ イ ミング効 果の ほ う が大き かっ た (

F

2,92

〕 = 4

21,

p

05

 

10i   60

5・ : 408 ‡ 30 四 ぎ20 :

10 庄    o  

10

口 @Ch■Japanes ines

Ortho唇raphic   Pho 鬥ologicel    Som 置nt

Figure

 

5 , Priming  effects for  Orthographi

C

 Phonologica1 ,  Semantic  primes  in the  nat

e

 Japanese  

and

 Chincse  spcakers  

in

 Expe

−  ment

(8)

The Japanese Psychonomic Society The  Japanese  Psyohonomio  Sooiety

8

基礎心 理学研究  第

27

巻  第

1

号   誤 反 応 率にっ い て も分 析 を 行っ た

日本 語 母 語 話 者で は

誤 反 応率は綴り プライム 条件が 2

8%

音 韻ブ

ライ ム 条 件

3.

2

意 味プ ライム条 件 4

1

無 関 連プ ラ イ ム 条件 3

8% で あっ た

中国語母語 話者で は

誤 反 応 率 は綴 り プ ラ イ ム 条 件が 2

2%

音 韻プ ラ イム 条 件が 3

6%

意 味プ ライ ム条 件

3.

2

無 関 連プ ラ イ ム条 件 3

5% で あっ た

参 加 者ご と に各条 件の 誤反 応 率を角 変 換 し た値にっ いて

反応時 間の場 合と同 様に, 参 加者群 と ブラ イム タイ プ を要 因と す る分 散 分 析を行っ た

その 結果

要 因の 主効果 と交 互 作 用の いず れ も有 意で は な かっ た

考 察   本実験の果は, 実験

1

の 結 果と同様

日本語母語話 者が英語の単 語を認知 ずる と き

音 韻プライム条 件 応 時 間が 他の 3 条 件の反 応 時 間よ りも有 意に短 い こ と を示し た

この

音韻 情報の活性化が綴り情報や 意味 情 報の活 性 化より も早く行わ れ た こと を 意味 してい る

また

そ こ で は音 韻プ ライミン 効 果ら れ た が

綴り プライ ミン グ効 果 と意 味プ ライ ミング効 果は見 られ な か っ た

こ の こ と は,

H

本語 母 語話 者の英語の 単語の 処理 におい て

音 韻情 報が最 も利 用さ れて い ること を示 唆 して い る

すな わ ち

凵本 語 母 語 話 者は

英 語 単 語を 認知す る際に, 常に単語の 音を音声化し な が ら その意 味 を 理解 する傾 向が ある と考え ら れ る

 

方, 中国 語母語話者で は

綴りプ ラ イム条 件の 反 応 時 間が他の

3

条 件の反 応 時 間よ りも有 意に短かっ た

こ の結 果は

綴りの活 性 化が音 韻や意味の 活 性 化よ り も早 く行わ れ たことを 意 味して い る

また

綴 りブ ラ イ ミン グ促 進 効果 は見 られ た が

音 韻プ ライ ミングと意 味プ ラ イ ミン グ促 進 効 果は見ら れ な か

こ の 結 果は実 験

1

と同じ傾 向 を 示 して お り

巾 国 人 英 語 学 習 者に おい て は

綴り 情 報 が 英 語 単 語の 処理 を促 進 して い ることを意 味して い る

  本 実 験で は

実 験 1よ り も長 い プ ラ イ ム呈 示 時 間 (800 rnsい ることに よ っ て

意 味 情 報が

1

分に活 性 化さ れ

両 群 共に有 意な 意味プライ ミン 効 果が 見 ら れ るよ うにな ること を予測 した が

結 果は両 群 共に そ うな ら な かっ た

こ の原 因と して, 本 実

験の 意味プライム単 語とタ

ゲ ッ ト単語の対に

意 味 的 関 連 性の弱い対 も含 ま れていた た め, 有意 な 意 味プ ラ イ ミング効 果 が 生 じな かっ た とい う口能性も考え ら れ る

そ こで

令 単 語材料 の中か ら

意 味プ ラ イム単 語とタ

ゲ ッ ト単 語の意 味 的 関 連 性の低い対を除 外 し

高い対のみで 意 味プ ラ イ ミン グ効果 が 見出さ れ る か

分析 し 直 して み るこ とに し た

ま ず

「The  Edinburgh  Association Thesaurus 」(Kiss

Armstrong

 Milroy

& Piper

1973 )を用い

全 36 語の

ゲッ ト単語そ れ ぞ れ か ら連 想さ れ る単 語の 中で

本 実 験の意 味プ ラ イム単 語の連 想 頻 度が どの ラ ンク にある か を 調べ

の結 果

その連 想 頻 度 が 1位で あっ た意 味 プライム 単 語 は

19

語 あ

た (

Appendix

参 照 )

そ れ らの 19 対を意 味 的 関 連 性の高い対 と見な し

そ れ ら19 語の意 味プ ラ イ ム単 語

対 応 する他の 3条 件の ブ

ラ イ ム 単 語

参 加 者× プ ライム タ イ プの 2 要の 分 散 分 析を行 っ た

その結 果は

36

語の 単 語 材 料の 結 果と同 様に

日本 語 母語話 者で も 中 国 語 母 語 話 者で も

意 味プ ラ イム条 件 と無 関 連 条 件の間に有 意な意 味プ ラ イ ミング効果は 見 ら れ な か っ た

ま た

全 36語の 単 語材料の結 果 と 同 様に

意 味プ ラ イ ミング効 果は綴り プ ライ ミング効果あ るい は音 韻プ ライミ ン グ効 果よ り も育 意に小さ い こと が確 認され た

全36 語の単 語 材

料に対 する意 味プ ライ ミン グ効 果と

19

語の 意 味 的 関 連 性の高 い 語材 料に対す る 意 味 プライ ミ ン グ効果の に も有意 な差は認め ら れ な か

以 上の結 果か ら

意 味 的 関 連 性の低い対が含 まれて い た た めに有 意な意 味プラ イ ミン グ効果が生 じな か っ た と い う可能 性は低い こ と が確認 さ れ た

結 局

本実験の か ら は

L2

学習者の 英 語 単 語 処理におい て は 単語の意 味 情 報が あ ま り利 用さ れて い な い

とい うこと が示唆さ れ た といえ る

な お

この意 味 プ ラ イ ミン の 欠如にっ い て は

総合的考察に お い て も触れ る こ と にする

合的考察

  本 研 究で は

日本 語 母 語 話 者と中 国 語 母 語 話 苫 を 対 象 と して

彼 ら が

L2

英 語の単 語 を 処 理 する際にどの よ う な単語 処理パ

ンを示す か

ま り

情 報音 韻 情 報の ど ち ら を より大きく利 用 する か

ま た さ らに は

彼 らの L2 英語単語処理パ タ

ンが

英 語

日本 語

およ び中国 語の 母 語話 者が示す単語 処理パ

ンと どのよ う な関 係に ある か

にっ いて検 討した

  本 研 究で は

プ ラ イ ム量 示 時 間の異な る 2っ の実 験を 行

両 実 験で は 共 に

日本語母語話 者と中国語 母 語 話 者の 2群の反 応を比 較した

両 実 験の課 題

材料

手 続き は ほ ぼ同じで あ

た が, プライム の呈示 時 間を

実 験 1で は 200ms に

実 験2で は 800 ms に設定し た

いず れの実 験の結 果においても

冂本 語 母 語 話 者 と中 国 語母語 話 者とで は

4 っ の プ ライム条 件の間で反 応時間 の結 果の様 相が異な り

各 群で見 ら れる英 語の 単語 処理 パ

ンに はそ れぞれの L1 の 学 語 処理パ タ

ン の 特 徴 が 維 持 さ れて い るこ と が 見 出さ れ た

 中国 語 母 語話 者 の結 果は

実 験

L

実 験 2 ともに

綴 りプラ イム条 件

参照

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