• 検索結果がありません。

中 国語 ・日本 語 の 漢 字 を め ぐって

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "中 国語 ・日本 語 の 漢 字 を め ぐって"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)中 国語 ・日本 語 の 漢 字 を め ぐって 一. 中 国語 の な か に 移 入 され た外 来 語 と して の 日本 語 一. 牧. 田. 英. 二. (1) 中国 文 を中 国音 で読 む こ とな く,漢 文 式 に 目本 語 で読 む方 法 は,漢 文 教 育 をも ち だす ま で も な く現 在 もな お根 強 い し,文 言 で だ け で な く現 代 文 に も この方 法 を援 用 して い る入 は決 して珍 ら しい こ とで は な い・'目本 人 に と っ て,漢 字 を手 が か.りに して 中 国語 とい う外 国語 を まが りな りに も了解 し う る とい う こ とは,い うま で もな くき わ め て有利 な点 に ち が い な い が ・同 じ 漢 字 で も異 な る意 味 を あ らわ す 場 合 が 少 な くな 吟 の で,し ば しば とん で も ない 誤 解 をま ね き が ち で あ る。 古 く入 った 漢 語 で,両 国 で 通 用 す る うち に 別 々の 意 味 に分 か れ て し ま っ て いた り,意 味 の ず れ が 生 じ てい た り,新 し い こ とば で も,意 味 は ち が っ て も た ま た ま字 づ らの上 で は同 じ とい う揚 合 等 い ろん なケ ー ス が 考 え られ る が・ 誤 解 を生 ず る落 し穴 は随 所 に あ る とセ) .わ な けれ ば な らない 。 中 国語 の 初 学 者 で 意 味 を と りち が え が ち な 単語 に は ン例 え ば,. 娘(お ふ く ろ),老 社)・手 紙(ち. 婆(女 房 〉,丈 夫(亭 主)ゼ 汽 車(自 動 車),洋. 行(外. 人商. り紙),野 菜(野 生 の 草),東 洋(日 本),料 理(処 置 す る)・迷 惑. (ま どわ す 〉,勉強(無 理 じ い す る),告 訴(告 げ る),走(あ. る く〉,救 火(火. 事 を 消 す),馬 上(た だ ち に),多 少(い くつ). な ど が あ る 。 と は い え,共. 通 単 藷 で 意 味 領 域 が 重 な る も の が 多 い の も事 実. で ある。 一162一.

(2) 形 而 上 学 ・亦 称 玄 学 ・ 逮紳 思想 ・先 詑在 中 国 ・ 在 欧 洲 ・在 一 ↑ 恨 長 的 厨 史 吋 同 内,是 属 子 唯 心泥 的 宇 宙 羽,井 在 人 侮的 思 想 中 占 了銃 治 的 地 位 。 在 欧 洲,資 声 附 級 初期 的 唯 物 冷,也. 是形 而上 学 的 。 由 干 欧洲 玲. 多 国 家 的 社 会 軽 済 清 況 遊 到 了 資本 主 文 高 度 没展 的 険 段,生 卉 力,険 斗 争 租 科 学 均 衰 展 到 了 厨 史未 有 逗 的 水 平,工. 級. 」k先声 険 級成 力 肪 史 笈 展. 的 最 俸 大 的 劫 力,因 而 芦生 了 島 克 息 主 叉 的 唯物 辮 証法 的宇 宙 双,干 是, 在 資 序 険 級 那 里,除 了 公 弄的 根 端 露 骨 的反 劫 的 唯 心 遣 之 外,述 出 現 了 庸 俗 的 遊 化 途,出 来 対 抗 唯物 辮 証 法。・(毛 こ の文 の な か に は,形 而 上 学,理 想,歴. 沢 東 「矛 盾 論 」). 史,時 間,唯 心 論,宇 宙観,国. 家,社 会,経 済,情 況,資 本 主義,生 産 力,階 級,闘 争 ゴ科 学,唯 物 辮 証 法,進 化 論 な ど き わ め て多 くの 日中共 通 語 が あ るの が わ か る。 この よ うに 現 代 中 国 語(と くに書 面体 の文 章)に 目本 語 と意 昧 領 域 が同 一 に対 応 す る こ とば,特. に近 ・現 代 に な っ て外 国 の新 しい概 念,事. 物 に あ てた 訳 語 の な か. に 日本 語 と共 通 す る語 彙 が多 い。 これ は 中 国 よ りも一 歩 先 ん じ て ヨー ・ ッ パ 文 明 を導 入 し て い た 日本 が ヨー ・ ッパ の 言語 を翻 訳 す る さい に用 いた 訳 語焼. そ の ま 考 「外 来 語 」 と して 中 国語 の な か に取 り入 れ られ た とい う事. 情 に よ る。. (2) とこ ろ で,中. 国 語 に外 来 の 新 しい こ とば を組 み入 れ る場 合,音. 訳,意. 訳,音 義 混 合 訳 の 三通 りの方 法 が とられ る。 基 本 的 に一 音 一 義 の漢 字 で綴 られ る 中 国語 の な か に,音 の み を代 表 す る多 音 節 語 が混 入 す る こ とは い か に も不 自然 さが ま ぬ が れ が た く・ 音 訳 法 に よる 新 語 は一 時 盛 行 し て も・ 他 に適 当 な意 訳 語 が あ れ ば 次 第 に そ れ に よ って 淘 汰 され て ゆ く傾 向 が 強 い 。 五 四 時期 か ら30年 代 に か け て文学 者 や 知 識 入 た ち は さか ん に,印. 貼利根. 追 亜(イ ン テ リゲ ン チ ャ),普 羅列 搭 利 亜(プ ・ レタ リア 〉,布爾 喬 亜 斉(ブ ル ジ ョァ ジー),意 徳 沃羅 基(イ デオ ロギ ー),奥 伏 赫 変(ア ウ ヘヘ ーベ ン〉,生的 悶特(セ ン チ メ ン タル)な どの音 訳 語 を用 い た が,い ま で は知 識 分 子,無 産 一163一.

(3) 階 級,資 産 階級,意 識 形 態,揚 棄,感 傷 的 とそ れ ぞ れ 意 訳 語 に取 っ て かわ られて い る.こ こ で現 在 も よ く見 か け る音 訳語 を挙 げ る と, ①. 伽 嘆(コ ー ヒ ー),白. 蘭 堆(ブ ラ ぞ デ ィ ー),威. 士 忌(ウ イ ス キ ー),香. 積(シ ャ ン ペ ン),可 可(コ コ ア),沙 発(ソ フ ァ ー),撲 克(ポ ー カ ー),高 爾 夫(ゴ ル フ),打(ダ. ー ス 〉,加 倫(ガ ロ ン 〉,目 鋳(ポ ン ド〉,先令(シ. リ ン グ),. 馬 克(マ ル ク),萱 布(ル ー ブ ル) ②. 泳 其 冷 〔ナ イ ス ク リ ー ム),烏. 托 邦(ユ ー トピ ア 〉,引 掌(エ ン ジ ン),. 遙 輯(ロ ジ ッ.ク),維 他 命(ビ タ ミ ン)1 ③. 乍 車(ト ラ ック目),吉普 車(ジ ー プ),未 片(カ ー ド),兵 兵 球(ピ ン ポ ン),. 口 卑酒(ビ ー ル),施 拉 機(ト 寛 紅 灯(ネ オ ン),テ. ラ ク タ ー),芭 蕾 舞(バ. 賓 槍(カ ー ビ ン銃),沙. レ ー 〉,爵 士 楽(ジ ャ ズ),. 皇(ツ ア ー 〉,可 蘭 経(コ ー ラ. ン). ① は純 粋 の 音 訳,② は 音 訳 に意 訳 部分 を組 み込 ん だ も の,③ は音 訳 の あ とに中 国語 部 分 を語尾 の よ うにつ け加 えた もの で あ る。 ② ③ の例 にみ られ る よ うに,音 訳 に あ た って もな るべ く音 訳部 分 を生 か した い とい う気持 が 強 い とい え よ うα 現 代 中 国譜 で は 目本 譜 とち が って音 訳 の 外来 語 は 多 くは な い が,外 国 の 国有 名 詞 は漢 字 に よ る音 訳 に た よる しか ない。. 馬 克 思(マ ル ク ス),列. 寧(レ ー ニ ン),沙 士 比 亜(シ ェ イ ク ス ピ ア),托 爾. 斯 泰(ト ル ス ト ィ),陀 斯 妥 以 夫 斯 基(ド ス トエ フ キ ー),加 邑 黎(パ. リ),伯 林(ベ ル リ ン),奥 林 匹 克(オ. バ ー ド大 学),路 透(・ イ タr),紐. 掌 大(カ ナ ダ),. リ ン ピ ッ ク〉,恰佛 大 学(ハ ー. 約 時 報(ニ ュ ヨ ー ク ・タ イ ム ズ),華 盛. 頓 郵 報(ワ シ ン トン ・ポ ス ト) た だ し,プ 「経 済 学 家Jと. ラ ウ ダ は 「真 理 報J,ユ. 次 に 意 訳 法 だ が,中 布,洋. 刀,洋. マ ニ テ は 「人 道 報 」,エ コ ノ ミ ス トは. 意 訳 し て い る。 国 人 が は じ め て 外 国 の 事 物 に 触 れ た と き,洋. 槍(洋 式 銃),番. 茄(ト マ ト)・西 薬,西. 服(洋 服)の. 船,洋. よ うに 洋,. 番 ・ 西 を 附 け て あ ら わ し て い た が ・ これ で は と て も 問 に あ うは ず が な く・ 一164一.

(4) い る 。 「(日本 に 来 て か ら)以 前 見 た こ と も な か っ た 書 物 に 次 々 に 目 に 触 れ, こ れ ま で 窮 め ら れ な か っ た 道 理 が ど ん ど ん 明 ら か と な り,暗 空 腹 に 酒 を 得 た よ う だ 」 との べ,さ. 室 で 光 を見,. ら に 「日本 語 は 一 年 で 学 べ る 。 日本 文. は 半 年 で つ く ら れ る 。 日本 文 を 学 ぶ の は 数 日 で 小 成 し,数. カ月で 大成す. る 」 と い っ て い る 。 当 時 の 日本 文 は 十 の う ち 七 八 ま で が 漢 字,語 ヲ ハ だ け が 仮 名 で あ っ て,中. 国 人 に と っ て ほ 語 を 転 倒 す る,つ. 尾や テニ ま り漢 文 よ. み を逆 転倒 す れ ば ほ ぼ意 味 を理解 す るこ と が で き る とされ た の で あ る。 さ き に挙 げ た 毛 沢 東 の 文 の 冒 頭 に 「形 而 上 学 は ま た 玄 学 と も い う」 と あ る が,「 玄 学 」 は 中 国 人 が 直 接 ヨ ー ロ ッ パ 語 か ら訳 し た こ とば で あ り,「 形 而 上 学 」 は 日本 語 か ら入 っ た も の で あ る 。 た だ し 目 本 人 に よ る 造 語 と も い い き れ な い 。 と い う の は,易 而 下 な る も の,こ physicsの. 経 に 「形 而 上 な る も の,こ. れ を器 とい う」 と い う文 が み え,日. 訳 語 に採 用 し,形. 人 が 翻 訳 に さ い し,古. 術. 階 具. 級 体. 経 表. 本 人 が こ れ をMeta‑. 而 上 学 と し た か ら で あ る。 こ の よ う に,日. 代 中 国 語 か ら適 当 な 語 彙 を さ が し,そ. 味 を 付 与 し て 訳 語 に あ て,中. 芸. れ を 道 とい う。 形. れ に新 しい意. 国 に 逆 輸 入 さ れ た も の が か な りあ る。. 後漢書 三 国志. 学 問 と 技 術,占. 孟子. 全 体 を完 全 に備 え る。. 理 情. 史記 白虎通. 常 の 法 に よ っ て 治 め るq. 文 保. 化 険. 説苑 階書. 刑 罰 を用 い な い で人 民 を教 化 す る。. 経. 済. 国 を治 め民 を す く う、. 流. 行. 宋吏 孟子 曹植詩 易. お も い や る。. 史記 東京夢 華録. 法 令 の成 分,法 律,規. 史記. 生 活 の た め の仕 事。. 思.想 文. 明. 文. 法. 社 生. 会 産. 鉛 組. 筆 織. い の技 。. 官 位 な ど の順 位 。. 心 情 を表 わ す。. 要 害 の 地 に た て こ も る。. ゆ き わ た るg. 文 朶 が あ らわ れ る。 則。. 祭 日 に郷 村 住 民 が集 ま る。 鉛 粉 を用 い て書 く毛 筆 。 糸 を組 み機 を織 る。 一165一. 本.

(5) 原 語 の 意 味 か ら,あ. る い は 事 物 の 機 能,形. 態 に ふ さ わ し い 名 称 を つ け,新. 言吾をつ く っ て い っ た 。. 自行 車(自 転 車),火 車(汽 車),輪 ト),直 升 機(ヘ. リ コ プ タ 』),足. 船(汽 船),飛 球(7ッ. ン〉,水 泥(セ メ ン ト)・鋼 琴(ピ ア ノ),口 ド),粉 筆(チ. 機(飛 行 機),火. トボ ー ル),羽. 毛 球(バ. 琴(ハ ー モ ニ カ),唱. 箭(・ ケ ッ ドミ ン ト 片(レ コ ー. ョー ク),塑 料(プ ラ ス チ ッ ク),水 庫(ダ ム). (3) さき に中 国 語 の な か に,日 本 人 が ヨー ロ ッパ の言 語 を翻 訳 す る とき に用 い た訳 語 が数 多 く導入 され て い る と のべ た が,そ れ らは ほ とん ど意 訳 語 の もので あ って,日. 本 語 経 由 の音 訳 語 は,倶 楽 部,瓦 斯,淋 巴,虎. 列 刺(コ.. レ ラ)な どが あ る が,数 は少 な い。 中国 で外 国 の書 籍 を本 格 的 に翻 訳 し は じ めた のは 清 朝 の末 期,19世. 紀末. か ら20世 紀初 めに か け て で あ る。 二 回 に わた る ア ヘ ン戦 争 の 敗 北 と国 内 の大規 模 な 農 民 蜂 起 軍 との 闘 い を通 じて 清朝 の 官 療,軍 閥 は近 代 的 な兵 器, 軍 艦 の不 足 を痛 感 し,国. 内 に軍 需工 業 と 近 代 的 企 業,陸. 海軍 の 学 校 を お. こ した。 かれ らは ま た外 国 り科 学 技 術 導 入 の必 要 か ら,北 京,広 州 に同 文 館. 上 海 の江 南 製 造 局 に翻 訳 館 な ど を設 け,翻 訳 事 業 に着 手 した。 しか し. この 当時 の訳 文,訳. 語 は 現 代 中国 語 に は ほ とん ど影 響 を と ど め てお らず,. 決定 的 な影 響 を与 え る こ とに な っ た の は,目 清 戦 争 後,目 本 に派 遣 され た 大 勢 の清 国 留学 生,知 識 人 に よ る訳 書,著 書 で あ る。 当時 日本 で は,各 分 野 にわ た って 西 洋 文 明 の紹 介,翻 訳 書 が大 量 に出 て お り,そ の 訳文 は み な漢 文 書 き下 し式 の文 体 で,訳 語 に は漢 語 が用 い られ て いた 。留 日中 国人 に と っ て 日本 で 出 て いた 翻 訳 書 は,直 接 ヨー ロ ッパ の 言 語 に よ る よ りも,て. っ と り早 く新 し い思 想 事 物 に触 れ られ る も の で あ っ. た。 そ こで かれ らは 日本 語 訳 か ら中 国 語 へ 重 訳 す る とと も に,著 述 にそ の 訳 語 を用 い る よ うに な った 。 戊 戌 変 法 の失 敗 後 日本 に亡 命 し て いた 梁 啓 超 はそ の 間 の事 情 を 「目本 文 を学 ぶ 益 を論 ず 」 の なか で,次 ̲166̲. の よ うに のべ て.

(6) 「文法. 」 は 日本 来 源 で は な い とい う説 も あ る が,こ. れ らはみ な 日本 人 が. 中国 の古 典 か ら ヨー ロ ッパ 言 語 の新 しい 概 念,事 物 に対 応 させ る もの と し てそ の語 彙 を採 用 した の で あ り,古 代 中国 語 で持 っ て い た 固有 の意 味 とは 一 応 切 り離 した うえ で再 生 させた とい え よ う。 い ち い ち古 代 語 の意 味 を ひ きず り,そ の文 脈 の な か に近 代 の新 しレ.・ 概 念 を も りこ も うとす る こ とは事 実 上 不 可 能 で あ る。 古 代 語 か ら訳 語 を見 出 す 方 法 は清 末 の 翻訳 家 厳 復 らに よ っ て も行 わ れ て い た が ・ 訳 文 は文 言 で・ 語 彙 も古典 の ワ クに と らわ れ る と ころ が あ って,と か く難 解 にわ た り,明 快,清 新 さに 欠 け て い た。 した が って,比 較 的平 易 で あ った 日本 語 訳 の漢 語 を 中 国語 に借 用 す る方 法 が優 勢 とな った。 玄学 は形 而上 学 に,格 致 学 は物 理 学,天. 演論 は進 化 論,名 学. は論 理 学 に そ れ ぞ れ 取 っ てか わ られ て い っ た。 訳 語 をす べ て 中 国古 典 の 中 に求 め る こ とは と うて い 不 可 能 で あ 窮. おの. ず か ら限 りが あ る、 そ こで 漢字(ほ とん どが 二宇)を 合 成 す る こ とに よ って 新 語 をっ くる方 法 が とられ,語 彙 は飛 躍 的 にふ え る こ とにな った。 明治 時 代,翻 訳 に あた った人 は み な漢 学 的 素 養 が あ り,新 しい 訳 語 を中 国語 の語 構 成 の し くみ に も とず い て 考案 して い た た め,中 国 人 がそ の まま 中 国語 の 中 に導 入 して も外 来 語 とい う意識 を もつ こ とな く,か な り自然 に うけ入 れ られ た の で あ る。 次 にそ の 例 を挙 げ て み る。. 現実. 意識. 主観. 客観 橿 念 観 念 概 論. 肯定. 否定. 管理. 意志. 意図. 人格. 代表 反動. 抽象. 反映. 反対. 対象. 理性. 目的. 動員. 哲学. 心理. 論理. 幹 部 体操. 軍事. 政府. 議会. 議員. 投票. 財政. 主権. 主義 独裁. 電力. 電車. 電流. 電信. 批評. 批判. 保証. 否認. 資本. 市揚. 企業. 自治. 義務. 系統. 建築. 有機. 無機. 集団. 出版. 宗教. 直接. 問接. 民族.工 業. 原子. 分子. 性能. そ の ほ か.数 的,世 「法. 界 観,人. 学,美 生 観,放. 学,法. 学,弁. 射 性,原. 証 法,帰 則 性,一. 納 法,方 元 論,唯. 程 式,根. 本 的,公. 開. 心 論 な ど語 尾 に 「学 」. 」 「式 」 「的 」 「観 」 「性 」 「論 」 な ど を つ け る や り方 も 日本 語 か ら中 国 語 一167一.

(7) に と軌 入れ られ た もの で あ る。 とこ ろで,古 典 に訳 語 を求 め るに しろ,新 語 をつ く る に し ろ,は じ め誰 が考 え 出 した のか つ き とめ る こ とはか な り難 しい作 業 で あ るび,広 田栄 太 郎 氏 に よ る と・ 帰 納,演 繹,論 理 学,倫 理 学 は西 周,主 義,社 会 は福 地 源 一 郎(桜 痴) ・進 化 論,生 存 競 争 は加 藤 引 之,絶. 対,.範 疇 は井 上 哲 次 郎 の考. 案 にな る も の だ とい う。 しか しな ん で もみ な 中国 語 に借 用 され た わ け で は な く,前 島 密 が つ くった とい う 「為 替J「 切 手 」 「郵 便 」 は 中国 語 に入 って い ない。 一 方 中国 で は 明代 にす で に マ テ オ ・リ ッチ が. 「 乾 坤体 義」 「幾 何. 原 本」 「測 量 法 義 」 等 の著 書 を著 して西 洋科 学 の 紹 介 を してお り,こ. の時. 期 に用 い られ た用 語,「 幾 何 」 「地 球 」 卜赤 道 」 「両 極J「 北極 」 「熱 帯 」 な ど は そ の後 ず っ と通 行 して おP,日. 本 に も伝 え られ た の で あ る。. 明治 時 代 に 目本 人 が創 造 した と思 わ れ て い る新 語 の な か に も,当 時 日本 に先 ん じて 中 国 で で き て い た ロブ シ ャイ ドの英 華 辞 典 を は じ め各種 の 辞 典 に す で に い くつ か そ の語 が み え て い る こ とか ら,目 本 人 力主そ れ らの辞 典 か ら借 用 し之 とみ られ て い る。 次 に,漢 宇 で表 記 され て は い る が,本 来 純 粋 の 目本 語 だ とみ な され る こ とば も中 国 語 の な か に い くっ か見 うけ られ る。. 揚合. 場所. 打消. 手続. 見習. 入口 出口. 引渡. 借方. 味之素. 便所. 内服. 例外. 但書. 取締. これ らの ほ か に,日 本 人 が あ る種 の意 味 を表 現 す る必 要 か ら新 た に つ く っ た漢 字 と そ の語 義 が,中. 国 音 をつ け て 中国 語 の なか に と り入 れ られ て. い る。 癌,腺,膣,粍,糎,吋,阪,礪,粁,砥,噸' こ の う ち 粍,糎,粁. は そ れ ぞ れ 毫 米(ミ. リメ ー トル),厘 米(セ ン チ メ ー ト. ル),公 里(キ ロ メ ー トル)と な っ て い る が,吋,呪,班 寸(yingcun),吠;英. 尺(yingchi),班=千. 瓦(qianw食)・. に つ い て は,吋=英 と し て,漢. 字:の一. 字 一 音 の原 則 に反 し て一 字 を二 音 節 で よむ 珍 らし い例 に な っ て い る。 一168一.

(8) 参 考 資 料 高 名 凱,劉 正 淡 「現 代 漢 語外 来 詞 研 究」1958,文 湯 森 森編 「目語 外 来 語 辞 典 』1%4,商. 宇 改 革 出版 社(北 京〉 。. 務 印書 館(北 京).. さね と う ・けい し ゅ う 「中国 人 日本 留 学 史J(増 補 版)1970,く 「中国 文 化 叢 書 』 ①言 語,1967,大 修館書店 。 大 原 信 一 「中国 語 と英 語 」(中 国 語研 究学 習 叢 書14)1973,光. 一169一. ろ しお 出版 。 生館。.

(9)

参照

関連したドキュメント

 さて,日本語として定着しつつある「ポスト真実」の原語は,英語の 'post- truth' である。この語が英語で市民権を得ることになったのは,2016年

友人同士による会話での CN と JP との「ダロウ」の使用状況を比較した結果、20 名の JP 全員が全部で 202 例の「ダロウ」文を使用しており、20 名の CN

従って、こ こでは「嬉 しい」と「 楽しい」の 間にも差が あると考え られる。こ のような差 は語を区別 するために 決しておざ

しかし私の理解と違うのは、寿岳章子が京都の「よろこび」を残さず読者に見せてくれる

平成 28 年度は発行回数を年3回(9 月、12 月、3

[r]

フランス語 ドイツ語 中国語 朝鮮語 スペイン語 ロシア語 イタリア語 ポルトガル語 アラビア語 インドネシア語

東海日本語ネットワーク 代表 酒井美賀