Workforce Management Newsletter
労務関連ニュースレター
Issue 27, February 2016In brief
1. 健康保険法の改正により、2016 年 4 月から標準報酬月額、標準賞与取扱い、傷病手当金・出産手当 金の日額の計算方法の変更などの改正があります。 2. 2016 年度の協会けんぽの健康保険料率、介護保険料率が決定しました。 3. 雇用保険法等の一部を改正する法律案が今通常国会に提出され、4 月に雇用保険料率の引き下げ、8 月に介護休業給付の給付率の引き上げ、また 2017 年 1 月に育児・介護休業法関係で大きな改正が予 定されています。In detail
1. 健康保険法改正について 2015 年 5 月に「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が 成立し、この中で健康保険法にも重要な改正があります。今回は 2016 年 4 月から施行される内容から、重要 なものをご紹介します。 (1) 標準報酬月額の等級区分の追加 従来の等級区分に新たに 3 等級区分が追加になり、標準報酬月額の上限が 139 万円になります。 等級 標準報酬月額(円) 報酬月額(円) 1~46 省略 省略 47 1,210,000 1,175,000~1,235,000 未満 48 1,270,000 1,235,000~1,295,000 未満 49 1,330,000 1,295,000~1,355,000 未満 50 1,390,000 1,355,000 以上 ※48~50 等級が今改正により追加されたもの (2) 標準賞与の上限額の変更 年度(4 月 1 日~3 月 31 日)における標準賞与の累計額はこれまでは 540 万円でしたが、573 万円に 変更になります。 (3) 傷病手当金および出産手当金の支給日額の計算方法の変更① 支給開始日以前に 12 カ月の標準報酬月額がある場合 2016 年 3 月 31 日まで 2016 年 4 月 1 日以降 休んだ日の標準報酬月額÷30 日×2/3 支給開始日以前の継続した 12 カ月間の 各月の標準報酬月額の平均額÷30 日×2/3 (例) 支給開始日以前の継続した 12 カ月間に、標準報酬月額が 26 万円の月が 2 カ月、30 万円の月が 10 カ月ある場合: 1 日あたりの支給額=(26 万円×2 カ月+30 万円×10 カ月)÷12÷30 日×2/3=6,520 円 ② 支給開始日以前の期間が 12 カ月に満たない場合は、以下 2 つを比べて少ないほうの額を使用 a. 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額 b. 支給開始日の属する年度の前年度の 9 月 30 日における全被保険者の同月の標準報酬月 額を平均した額(協会けんぽの場合、来年度は 28 万円) (4) 施行日 2016 年 4 月 1 日 詳細につきましては、以下をご参照ください。 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087166.html 2. 2016 年度の協会けんぽの健康保険・介護保険料率について 協会けんぽの 2016 年度の保険料率が決まりました。3 月分(4 月納付分)からの適用となります。(任意継続 被保険者については 4 月分(4 月納付分)から) なお、介護保険料率は昨年に引き続き 1.58%となります。(介護保険料率は全国共通) 主な地域の健康保険料率は、以下のとおりです。 府・県 2016 年度 2015 年度 東京 9.96% 9.97% 神奈川 9.97% 9.98% 愛知 9.97% 9.97% 大阪 10.07% 10.04% 全国の健康保険料率(案)は、以下でご確認ください。 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3130/h28/280203 3. 雇用保険法等の一部を改正する法律案について 前回でもその概要をご紹介しましたが、雇用保険法等の一部を改正する法律案が今通常国会に提出されて
(1) 雇用保険料率の改正 一般の事業の場合、従来の労使合計 13.5/1000 から 11/1000 に変更となります。 雇用保険料率計 労働者負担 事業主負担 一般の事業 11/1000 4/1000 計 失業等給付に 係る保険料率 二事業にかか る保険料率 7/1000 4/1000 3/1000 (2) 介護休業給付金の給付率の引上げ 当分の間、介護休業給付の給付率が賃金の 40%から 67%に引き上げになります。 (3) 介護給付金の支給回数の制限の緩和 対象家族 1 人につき 3 回までの休業について介護休業給付金の支給対象となります。 (4) 育児休業給付金の支給対象となる子の範囲の拡大 以下の子を養育する被保険者は、育児休業給付金の支給対象となります。 a. 被保険者が当該被保険者との間における特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求 した者であって当該被保険者が現に監護する者 b. 児童福祉法に規定する里親である被保険者に委託されている児童のうち当該被保険者が養 子縁組によって養親となることを希望している者 c. その他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者 (5) 65 歳に達した日以降に新たに雇用される者に対する雇用保険の適用 ① 65 歳に達した日以後に新たに雇用される者が高年齢被保険者として雇用保険が適用されます。ただ し、保険料の徴収は 2019 年度分までは免除されます。 (これまでは、65 歳に達した日の前日から引き続いて、同一の事業主に雇用される者のみを高年齢継 続被保険者として雇用保険を適用されていましたが、65 歳以上の被保険者を高年齢被保険者として 1 本化されます) ② 高年齢被保険者が失業した場合には、高年齢求職者給付金が支給されます。 (6) 育児休業関係の改正 ① 育児休業の対象となる子の範囲の拡大 以下の子を養育する労働者は、育児休業をすることが可能となります。 a. 特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求した者であって、当該労働者が現に監護 する者 b. 児童福祉法に規定する里親である労働者に委託されている児童のうち、当該労働者が養子 縁組によって養親となることを希望している者 c. その他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者 ② 育児休業の申出ができる有期契約労働者の要件の緩和 以下に該当する有期契約労働者は育児休業の申し出が可能となります。 a. 当該事業主に引き続き雇用された期間が 1 年以上である者 b. その養育する子が 1 歳 6 カ月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合 にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者
(7) 介護休業関係の改正 ① 介護休業の分割取得 現行法では、対象家族が同一の理由で要介護状態にある場合の介護休業は、通算 93 日の範囲で 1 回のみ認められていますが、3 回の分割取得が可能となります。 ② 介護休業の申出ができる有期契約労働者の要件の緩和 a. 当該事業主に引き続き雇用された期間が 1 年以上である者 b. 介護休業開始予定日から起算して 93 日を経過する日から 6 カ月を経過する日までに、その 労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかで ない者 ③ 介護のための所定外労働の制限の新設 要介護状態にある対象家族を介護するために労働者が請求した場合には、事業の正常な運営を妨 げる場合を除き、所定外労働が免除になります。ただし、労使協定で定める以下の労働者は除外す ることが可能です。 a. 当該事業主に引き続き雇用された期間が 1 年未満の者 b. 上記のほか所定外労働の免除を請求できないこととすることについて、合理的な理由があると 認められる労働者として厚生労働省令で定める者 ④ 介護のための所定労働時間の短縮措置の改正 介護休業を取得せず、就業しつつ家族介護をする労働者向けの所定労働時間の短縮、フレックスタ イム、時差出勤、介護サービス費用の助成などの措置については、現在は介護休業と合わせて通算 93 日以内となっていますが、これを 93 日とは別枠で利用できるようにするとともに、利用を申し出たと きから連続する 3 年以上の期間の間に取得できるようになります。(詳細は厚生労働省令で定めるとこ ろによります) ただし、労使協定で定める以下の労働者は除外することが可能です。 a. 当該事業主に引き続き雇用された期間が 1 年未満の者 b. 上記のほか介護のための所定労働時間の短縮等の措置を講じないこととすることについて、 合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定める者 (8) 子の看護休暇および介護休暇の改正 ① 短時間労働者として厚生労働省令で定める者以外の者は、1 日未満の単位で取得することができる ようになります。(詳細は今後厚生労働省令で定められるものですが、1 日未満については「半日」を ベースに検討が進められています) ② 労使協定により、「業務の性質若しくは業務の実施体制に照らして、1 日未満の単位の子の看護休 暇・介護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者」について、1 日未満の子の 看護休暇・介護休暇を取得することができない者として定めることができるようになります。 (9) 施行日 ① 雇用保険料率の改正: 2016 年 4 月 1 日 ② 介護給付金の給付率の引上げ: 2016 年 8 月 1 日 ③ その他: 2017 年 1 月 1 日 詳細につきましては、以下をご参照ください。